JP2006298953A - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその硬化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化時における酸化物の発生が抑制された硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂と、1,3−ジカルボニル化合物を熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部と、メチルエチルケトンパーオキシドを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.05〜0.2質量部と、パーオキシエステルを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部とが含まれる熱硬化性樹脂組成物。
さらに硬化促進剤を添加して硬化用樹脂組成物を得た後、−10〜180℃の温度範囲で硬化して硬化物を得る熱硬化性樹脂組成物の硬化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化時における未反応モノマー残存量と酸化物の発生が抑制された硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化方法に関する。
不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂は、硬化剤、必要に応じて、低収縮剤、ガラス繊維、充填剤、増粘剤、離型剤、重合禁止剤、着色剤などを混合後、圧縮成形、トランスファー成形、射出圧縮成形などの各種機械成形法により硬化・成形されている。工業的な用途分野は、住宅関連機器、浄化槽、自動車部品、電気部品から外装材など広範囲に渡っている。
熱硬化性樹脂中には、スチレンなどのビニル単量体、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーや不飽和ポリエステルオリゴマーなどの不飽和結合を有する化合物が含まれているため、光や酸素などにより経時的に劣化が進み、着色やオリゴマーの生成を生じるという問題が従来からあった。そのためにこれらを防止する目的で、ヒドロキノンなどの重合禁止剤や2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどの酸化安定剤が添加されるのが一般的であった。
一方、不飽和ポリエステル樹脂を使用する場合にホルムアルデヒドの発生を低減する目的で、アセトアセチル基含有不飽和ポリエステル系樹脂からなるアルデヒド吸着剤を用いる技術が開示された(特許文献1参照)。
特開平11−197502号公報
しかしながら、重合禁止剤や酸化安定剤を添加する方法は、重合抑制や着色防止には効果が得られるものの、経時によって生じる酸化物の発生や、硬化時に発生する酸化物の抑制には効果はほとんどないという問題があった。抑制手段としては、硬化を高温、不活性ガスの存在下や減圧下で行う方法が有効であるが、これらの方法では硬化条件が制限されるため、経済性や安全性の点で問題であり、解決とはなっていない。
特に、近年ではシックハウス症候群などの点から建築関連材料に含まれる揮発性有機化学物質(以下VOCと略記)の人体への影響問題が取り上げられ、行政からも建築材料へのVOCに対する指針が出されるようになってきた。そのため、建築材料で用いられる熱硬化性樹脂においても、住宅環境の保全の観点から、ホルムアルデヒドなどの酸化物、スチレンなどの芳香族化合物の発生、残留の低減が必要になってきた。特にスチレンとホルムアルデヒドについては早急な対応が求められている。
また、特許文献1に開示された方法は、アセトアセチル基を樹脂に導入する工程や、さらにその樹脂を混合させる工程が必要となる。しかしながら、熱硬化性樹脂には樹脂の基本的構造や成分割合に応じて多くの品種があるため、熱硬化性樹脂ごとにアセトアセチル基を導入する処理を行ったり、さらにそれを他の樹脂に混合したりする方法は工数の増加や熱硬化性樹脂組成物のコストアップになる問題点があった。
本発明の目的は、硬化時における未反応モノマーの残存と酸化物の発生が抑制された硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化方法を提供することにある。
本発明者らは、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂組成物中のメチルエチルケトンパーオキシドを特定範囲の割合とすることで、未反応のスチレンの残存量を低減し、酸化物であるホルムアルデヒドの発生を著しく抑制できることを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、第1の発明は、熱硬化性樹脂と、1,3−ジカルボニル化合物を熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部と、メチルエチルケトンパーオキシドを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.05〜0.2質量部と、パーオキシエステルを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部とが含まれる熱硬化性樹脂組成物である。
第2の発明は、さらに充填剤を熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜500質量部含有する第1の発明の熱硬化性樹脂組成物である。
第3の発明は、熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂である第1又は2の発明の熱硬化性樹脂組成物である。
第4の発明は、第1〜3の発明の熱硬化性樹脂組成物にさらに硬化促進剤を添加して硬化用樹脂組成物を得た後、−10〜180℃の温度範囲で硬化して硬化物を得る熱硬化性樹脂組成物の硬化方法である。
第1〜3の発明は、硬化時における未反応のスチレンの残存量が低く、酸化物であるホルムアルデヒドの発生が抑制された硬化物が得られる。
第4の発明は、硬化に際し、未反応スチレンの残存量とホルムアルデヒドの発生が抑制されているので、硬化作業者に悪影響がない。
また、得られる硬化物中に残留する未反応スチレンとホルムアルデヒドなどの有害なVOCが少ないので、建築関連材料に使用してもシックハウス症候群などの問題が低減される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、1,3−ジカルボニル化合物を熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部と、メチルエチルケトンパーオキシドを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.05〜0.2質量部と、パーオキシエステルを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部とが含まれることを特徴としている。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化方法は、熱硬化性樹脂組成物にさらに硬化促進剤を添加して硬化用樹脂組成物を得た後、−10〜180℃の温度範囲で硬化して硬化物を得る方法である。
前記熱硬化性樹脂としては公知の熱硬化性樹脂のいずれも本発明の対象となるが、それらの中では、不飽和ポリエステル樹脂が建築基材に汎用され、シックハウス症候群の原因となっているので、発明の実施に適した対象として挙げられる。前記不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和二塩基酸と多価アルコ−ルに必要に応じて飽和二塩基酸を組合せて特定の割合で加熱脱水縮合反応させることによって不飽和ポリエステルが得られる。そして、それをスチレンモノマー等のラジカル重合性単量体に溶解させた液状樹脂であり公知のものがいずれも使用できる。
前記不飽和二塩基酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水フタル酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として使用される。飽和二塩基酸としては、コハク酸、α−メチルコハク酸、グルタル酸、α−メチルグルタル酸、アジピン酸、α−メチルアジピン酸、スベリン酸などが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として使用される。
また、前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールAなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として使用される。
ラジカル重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−s−ブチル、(メタ)アクリル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリセロイル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチルなどのメタクリロイル基又はアクリロイル基を有するラジカル重合性単量体;フタル酸ジアリルなどのアリルエステルが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として使用される。なお、本発明では「アクリル」と「メタクリル」との双方を合わせて「(メタ)アクリル」と略記する。
不飽和ポリエステル樹脂の構成成分である不飽和ポリエステルとラジカル重合性単量体との好ましい構成比率は、不飽和ポリエステルが30〜80質量部であり、ラジカル重合性単量体が70〜20質量部である。不飽和ポリエステルが30質量部未満で、ラジカル重合性単量体が70質量部を越える場合には、これより得られる不飽和ポリエステル樹脂の硬化物の機械的特性が低下する傾向にある。一方、不飽和ポリエステルが80質量部を超え、ラジカル重合性単量体が20質量部未満の場合には、これらより得られる不飽和ポリエステル樹脂の粘度が高くなり、作業性が悪化する傾向にある。
前記1,3−ジカルボニル化合物は、貯蔵中経時的に酸化物であるホルムアルデヒドが熱硬化性樹脂組成物中に生成するのを抑制可能な上に、ラジカル重合開始剤により硬化する場合にも生成するホルムアルデヒドの発生を抑制することができる。1,3−ジカルボニル化合物としては具体的には、例えば、アセチルアセトン、ジメドン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセト酢酸アミド、N−メチルアセト酢酸アミド、N,N−ジメチルアセト酢酸アミド、N,N−ジエチルアセト酢酸アミド、N−アセトアセチルモルホリン、N−アセトアセチルアニリン、N−アセトアセチルオルトトルイジン、N−アセトアセチルパラトルイジン、N−アセトアセチル−4−メトキシアニリン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ブチルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として使用される。
1,3−ジカルボニル化合物の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。0.01質量部未満では効果が不十分であり、10質量部を超えると硬化不良を生ずる傾向にある。
本発明に使用されるメチルエチルケトンパーオキシドの添加量は、熱硬化性樹脂の100重量部に対して通常0.05〜0.2質量部、好ましくは0.07〜0.15質量部の範囲である。0.05質量部未満では硬化が不十分であり、0.2質量部を超えると硬化時における未反応スチレンの残存量と酸化物であるホルムアルデヒドの発生を抑制することが困難となる傾向にある。
そのメチルエチルケトンパーオキシドはその取扱い性を高めるために、希釈剤で希釈して使用することもできる。希釈剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、コハク酸ジブチル、アジピン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジブチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル化合物;エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル;オクタン、イソパラフィン、ノルマルパラフィンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
また本発明に使用されるパーオキシエステルとしては具体的には、例えば、過安息香酸−t−ブチル、過安息香酸−t−ヘキシル、パーオキシピバル酸−t−ブチル、パーオキシピバル酸−t−ヘキシル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−t−ブチル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−t−ヘキシル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−1,1,3,3−テトラメチルブチル、パーオキシラウリン酸−t−ブチル、パーオキシネオデカン酸クミル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、パーオキシネオデカン酸−1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、パーオキシイソブタン酸−t−ブチル、パーオキシネオデカン酸−t−ブチル、パーオキシネオデカン酸−t−ヘキシル、過酢酸−t−ブチル、パーオキシネオデカン酸−1,1,3,3−テトラメチルブチル、パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサン酸−t−ブチルエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、パーオキシイソフタル酸ビス(t−ブチル)、ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合物して用いることもできる。そのパーオキシエステルの使用量は熱硬化性樹脂100重量部に対して通常0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜2質量部の範囲である。
また、硬化促進剤としては、公知の硬化促進剤は全て使用可能である。例えば、ジメチルアニリン、ジエチルアニリンなどの芳香族第三級アミンや、ナフテン酸コバルトやナフテン酸銅などの金属石鹸が挙げられ、これらの1種ないし2種以上の混合物として使用される。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物とは、他の添加剤として酸化防止剤、重合禁止剤や充填剤などを添加した場合も含んでいる。酸化防止剤や重合禁止剤は本発明の熱硬化性樹脂組成物の劣化によって生じる黄変、重合による増粘及びゲル化などを防止するのに有効であって、かつラジカル重合性能及び硬化物の諸特性に影響を与えないものを好ましく使用できる。
前記酸化防止剤としては具体的には、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソールなどのモノフェノール系化合物;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール系化合物;3,3’−チオジプロピオン酸ジラウリル、3,3’−チオジプロピオン酸ジミリスチル、3,3’−チオジプロピオン酸ジステアリルなどのイオウ系化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物で使用することができる。
また、前記重合禁止剤としては具体的には、例えばメトキシフェノール、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、t−ブチルカテコールなどの化合物が挙げられ、これらは1種又は2種以上の混合物で使用することができる。
酸化防止剤や重合禁止剤の添加量は、熱硬化性樹脂組成物中、通常20000ppm以下、好ましくは50〜10000ppmの範囲である。20000ppmを超えると硬化不良を生じ易くなる傾向にある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中に含まれる充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、タルクなどを挙げることができる。その使用量は熱硬化性樹脂100重量部に対して通常500質量部以下、好ましくは10〜200質量部の範囲であり、500質量部を越えると成形性が著しく低下してしまう。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物とは、必要に応じてその他の添加剤を添加した場合も含んでいる。そのようなその他の添加剤としては、ジイソシアネート類、酸化マグネシウムなどの増粘剤;有機及び無機の染料や顔料からなる着色剤;ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤;ステアリン酸亜鉛などの離型剤;ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、飽和ポリエステル、酢酸ビニル・スチレンブロックコポリマ−、粉末状の不飽和ポリエステル樹脂硬化物など従来公知の低収縮剤;紫外線吸収剤;着色剤;離型剤;界面活性剤;抗菌剤などが挙げられる。その使用量は熱硬化性樹脂100重量部に対して通常100質量部以下、好ましくは0.1〜50質量部の範囲である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化方法は、熱硬化性樹脂組成物単独ないし、必要に応じてさらにそこへ他の添加剤やその他の添加剤を含む混合物中に、メチルエチルケトンパーオキシド、パーオキシエステル及び1,3−ジカルボニル化合物を添加して熱硬化製樹脂組成物を得た後、さらにそこへ硬化促進剤を加えた硬化用樹脂組成物を室温ないし加熱下に硬化させたり、活性エネルギー線の照射により硬化させて硬化物を得る方法である。
本発明の硬化性樹脂組成物を調製するには、前記各成分をロールやニーダーなどの混練機を用いて混合し、所望の形状の金属製、ガラス製、プラスチック製などの型中に入れて硬化させて直接成形物として得ることもできるし、圧縮成形、トランスファー成形、射出圧縮成形などの各種機械成形法により硬化・成形して行なうこともできる。また、レジコン成形、波板や平版の連続成形、フィラメントワインディング成形、シートモールディングコンパウンドやバルクモールディングコンパウンドなどの公知の成形方法で行なうこともできる。硬化の条件としては、空気中ないし不活性ガス雰囲気下で、−10〜180℃、好ましくは20〜150℃の温度範囲で、1分〜72時間、好ましくは1分〜30時間程度の重合時間である。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお表中の略記号は次の通りである。
G−110AL:日本触媒(株)製オルソフタル酸系不飽和ポリエステル、商品名:ポリホープG−110AL、
CaCO:炭酸カルシウム、
MEP:日本油脂(株)製メチルエチルケトンパーオキシド(45質量%フタル酸ジメチル溶液)、商品名:パーメックS、
BPB:日本油脂(株)製過安息香酸t−ブチル、商品名:パーブチルZ、
NC:ナフテン酸コバルトのナフテン酸溶液(コバルト含有量は6重量%)、
ACAC:アセチルアセトン、
ACAM:アセトアセタミド、
ACME:アセト酢酸メチル
1)硬化特性の測定方法
JIS−K−6901を準用する18mm試験管法で得られた硬化発熱曲線に基づいて各特性値を次の基準で求めた。
GT:油浴に浸漬後、浴温からさらに5℃上昇するまでの時間(分)。
CT:油浴に浸漬後、最高温度に到達するまでの時間(分)。
PET:硬化時の最高発熱温度(℃)。
2)揮発性物質の測定法
a)ホルムアルデヒドの分析測定は、JIS−K−0303の準用、ホルムアルデヒドを。2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(2,4−DNPH)と反応させ、ヒドラゾン化合物として、UV検出器にて検出した。
硬化後、室温で1日放置した硬化物を乳鉢で粉砕する。2,4−DNPHの濃度3.0g/Lのアセトニトリル溶液20mlに、粉砕した硬化物1.2gを入れ、40℃、3日間をかけて抽出を行なった。次に、液体クロマトグラフィーによりホルムアルデヒドを定量した。
液体クロマトグラフィーの条件は、
カラム:東ソー社製TSKgel ODS−80Ts(4.6mm×150mm)、
溶離液:アセトニトリル/水(40/60、体積/体積)混合溶媒、
検出器:UV検出器(360nm)である。
また、硬化前の熱硬化性樹脂組成物中に含まれるホルムアルデヒドの測定は、液状の熱可塑性樹脂組成物をそのまま上記アセトニトリル溶液に入れた後、液体クロマトグラフィーにより同様に定量した。
b)スチレンの分析測定
硬化後、室温で1日放置した硬化物を乳鉢で粉砕する。粉砕した硬化物をジクロロメタンで25℃、3日間をかけて抽出を行なった後、ヘキサデカンを内標としてガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、型式:GC−14A、カラム:HR−1)により未反応のスチレンを定量した。
また、硬化前の熱硬化性樹脂組成物中に含まれるスチレンの測定は、液状の熱可塑性樹脂組成物をそのままジクロロメタンに入れた後、ガスクロマトグラフィーにより同様に定量した。
表1で、実施例1〜3に示される硬化用樹脂組成物(熱硬化性樹脂、硬化剤、1,3−ジカルボニル化合物及び反応促進剤を含有)を調整した後、ガラス製試料ビン中に入れ、恒温槽中、25℃、24時間の条件で硬化させて硬化物を得た。
その際、硬化特性を測定し、GT(分)、CT(分)、PET(℃)を求めた。また硬化前の熱硬化性樹脂組成物及び硬化物中のホルムアルデヒド(ppm)とスチレン(質量%)を測定し、その結果を表2に示す。
Figure 2006298953
Figure 2006298953
〔比較例1〕
表1で比較例1に示されるように、実施例2の、メチルエチルケトンパーオキシドの添加量をより多くした硬化用樹脂組成物(有効成分としてのMEPが熱硬化性樹脂100質量部に対して0.32質量部)を硬化させて硬化物を得た。
その際、硬化特性を測定し、GT(分)、CT(分)、PET(分)を求めた。また硬化前の熱硬化性樹脂組成物及び硬化物中のホルムアルデヒド(ppm)とスチレン(質量%)を測定した。その結果を表2に示す。
以上の結果から、実施例1〜3は、比較例1と比べて、未反応のスチレンモノマーの残存量と酸化物であるホルムアルデヒドの発生量が抑制された。

Claims (4)

  1. 熱硬化性樹脂と、1,3−ジカルボニル化合物を熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部と、メチルエチルケトンパーオキシドを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.05〜0.2質量部と、パーオキシエステルを熱硬化性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部とが含まれる熱硬化性樹脂組成物。
  2. さらに充填剤を熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜500質量部含有する請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物にさらに硬化促進剤を添加して硬化用樹脂組成物を得た後、−10〜180℃の温度範囲で硬化して硬化物を得る熱硬化性樹脂組成物の硬化方法。
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