JP2006298519A - フォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法 - Google Patents

フォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法 Download PDF

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朋宏 赤木
Masataka Kawaguchi
正隆 川口
Fujio Eguchi
富士雄 江口
Toshiyuki Honda
利行 本多
Kensuke Futahashi
謙介 二橋
Takushi Sato
拓志 佐藤
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Abstract

【課題】フォークリフトの荷役操作において車体が不安定な姿勢になり、荷こぼれや車体の転倒が生じるのを事前に防止するための操作制御を行うフォークリフトの荷役制御システムを提供する。
【解決手段】リフトシリンダ6に変位センサおよび圧力センサが配設され,チルトシリンダ11に変位センサが配設される。そして、リフトシリンダおよびチルトシリンダの動きを制御するためのコントローラに、センサにより検出されたそれぞれのシリンダの変位量を示す信号が送信される。 コントローラでは、受信したそれぞれのセンサからの信号に基づいて、フォークリフトの姿勢が安定であるかをリアルタイムで判断する。そして、フォークリフトの姿勢が安定な状態から外れた状態にあると判断されると、直ちにリフトシリンダおよびチルトシリンダの動作を制御して、フォークリフトが不安定な姿勢になるのを回避する。
【選択図】図4A

Description

本発明は、フォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法に関し、特にフォークリフトの荷役操作において車体が不安定な姿勢になり、荷こぼれや車体の転倒が生じるのを事前に防止するための操作制御を行うフォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法に関する。
フォークリフトの荷役操作において、(1)マストの揚高が高い状態でマストの前傾斜角が大きくなった場合や、(2)チルトが急起動および急停止を行った場合、(3)あるいは、リフトの下降中に急停止を行った場合には、前車軸回りに大きなモーメントが発生して車体が前方に転倒する危険性があった。
図1に、従来のフォークリフトの概略構造を示す。従来のフォークリフトは、前輪12と後輪13とを備えた車体10と、荷物を積載するためのフォーク3とを備える。フォーク3は、車体10前方に配設されているマスト部に、リフトブラケット1を介して設置される。マスト部は、本体10前方に取り付けられて、フォーク3を前倒、あるいは後倒して荷物の姿勢を前後に制御することの出来るアウターマスト5と、アウターマスト5の上方に固定されて、リフトブラケット1とレールを介して接続され、荷物を積載しているフォーク3およびリフトブラケット1をレールに沿って上下にスライドさせるインナーマスト4とを備えている。アウターマスト5は、チルトシリンダ11により、前倒及び後倒の角度を制御される。また、リフトブラケット1は、インナーマスト4のレール上を、インナーマスト4に沿って上下に可動なリフトシリンダ6の動力により、チェーンホイル7およびチェーン8を介して上下方向に位置制御される。このように、リフトブラケット1の先端に接続された荷物積載用のフォーク3は、前後および上下方向に位置を制御される。
図2に、フォークリフトに備えられる従来の制御システムの概略構成図を示す。従来の制御システム20は、リフトシリンダ6とチルトシリンダ11との動作を制御するための油圧回路28を備えている。運転者により、リフト操作レバー21およびチルト操作レバー22が操作されると、それぞれの操作レバーからの制御量に応じた制御信号がコントローラ23に送られる。コントローラ23では、入力されたそれぞれのレバーからの制御信号に基づいて、油圧回路28に向けて動作信号を送信する。また、電動モータ25に向けてトルク指令24を送信する。電動モータ25は、受信したトルク指令24に基づいて、油圧回路28の油圧ポンプ28cの油圧を規定トルク値になるように回転数を制御する。また、油圧回路28に送られた動作信号は、油圧回路28のリフト流量制御弁28aとチルト流量制御弁28bにそれぞれ入力される。それぞれの制御弁は、入力された動作信号に基づいて、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11を規定量移動させるように、それぞれのシリンダの規定移動量に対応する油量を流すように制御弁の開口量を制御する。
しかしながら、従来の制御システム20においては、フォークリフトの車体10が不安定な姿勢になった場合においても、不安定な姿勢を回避するように、リアルタイムで運転操作の回避制御がなされたり、あるいは、車体が不安定な姿勢になるのを防止するように運転操作の回避制御がなされることはなかった。
上記の技術分野に関連して、特開平07−097198号公報に開示されている「フォークリフトの制御装置」では、荷物の積載部であるフォーク及びブラケットを含む昇降部がブラケットを吊下するチェーンを介してリフトシリンダの駆動により車体の前方に配設したマストに沿い昇降するとともに、このマストがチルトシリンダの駆動により車体の前後方向に傾動するように構成したフォークリフトの制御装置において、積載部の荷重を検出する荷重センサと、荷重センサが検出する荷重が第1の設定値を越えるときリフトシリンダによる昇降部の上昇及びチルトシリンダによるマストの前傾動作を禁止するよう、これらリフトシリンダ及びチルトシリンダに圧油を供給する電磁弁を制御する制御部とを有するフォークリフトの制御装置が提案されている。
また、特開平08−091793号公報に開示されている「荷役車両の荷役装置」では、車両本体の前面に前後傾自在なマストが支持され、該マストに昇降自在に取付けられたフォークを昇降させるリフトシリンダと、マストを傾動させるチルトシリンダと、リフトシリンダおよびチルトシリンダに各液流路を介して流体圧を供給するコントロールバルブとを備え、マストを傾動させるとき荷役物の重量に応じてチルトシリンダの作動速度を制御する傾動速度制御手段が設けられた荷役車両の荷役装置が提案されている。
また、特開平09−295800号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、フォークの水平角度を検出する水平角度検出手段と、オイルを供給するオイル供給手段とフォークを駆動するフォーク駆動手段問に配設された油圧制御弁と、水平角度検出手段がフォークの水平角度を検出すると油圧制御弁に閉信号を出力し、油圧制御弁を閉じる制御を行う制御手段と、を有するフォークリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開平10−273295号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、マスト傾動用のティルトシリンダのロッド側油室と、そのティルトシリンダに対する圧油の流れ方向を切り換える方向切換弁との間にパイロットチェック弁を設け、そのパイロットチェック弁をマストが傾動範囲内の途中に停止された後で一瞬だけ開放させるように構成したフォークリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開平10−310394号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、マスト傾動用のティルトシリンダと、そのティルトシリンダを操作する方向切換弁とを接続する油路に、ティルト操作時にティルトシリンダに送り込まれる圧油の最大流量を調整する流量調整弁を設け、その流量調整弁の開度をフォークの低揚高時には全開にし、高揚高時には絞り状態に切り換えるようにしたフォークリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開平10−316390号公報に開示されている「マストのティルト制御装置」では、フォークが高揚高領域にあるときに、負荷信号に応じてマストの傾動角度又は傾動速度を規制するマストのティルト制御装置において、フォーク昇降用のリフトシリンダを操作するコントロールバルブと、そのコントロールバルブとリフトシリンダとの間に設けられる下降速度制御用の流量制御弁との間に、リフトシリンダの圧力を検出する圧力センサを設け、この圧力センサの出力を前記負荷信号として用いるマストのティルト制御装置が提案されている。
また、特開平10−330095号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、水平停止操作が行われたときフォークが水平となる位置でマストのティルトを自動停止させる第1の自動水平制御手段と、水平停止操作に無関係にフォークが水平になる毎にマストのティルトを自動停止させる第2の自動水平制御手段と、第1の自動水平制御手段及び第2の自動水平制御手段のいずれかを選択する選択手段とを備えたフォ−クリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開平10−330096号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、マストのティルト角を検出するティルト角検出手段と、マストのティルトを自動的に停止させる停止ティルト角を記憶する記憶手段と、ティルト角検出手段で検出されたティルト角が記憶手段に記憶された停止ティルト角と一致したときマストのティルトを停止させる制御手段とを備えたフォークリフトのティルト制御装置において、記憶手段に記憶された停止ティルト角を変更するときに操作される停止ティルト角変更操作手段を備えたフォークリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開平11−139796号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、フォークをティルトさせるためにオペレータが操作するティルト操作部材と、ティルト操作部材の操作量を検出する操作量センサと、フォークのティルト量を検出するティルト量センサと、フォークをティルトさせるフォークティルト機構と、操作量センサにより検出された操作量から目標ティルト量を算出し、この目標ティルト量とティルト量センサにより検出されたティルト量とが一致するように、フォークティルト機構を制御するコントローラとから構成されたフォークリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開2000−191296号公報に開示されている「フォークリフトトラックにおけるチルト制御装置」では、車体の前部にチルトシリンダにより傾動自在となるマストを備え、このマストに沿ってリフトシリンダにより昇降動自在となるフォークを備えてなるフォークリフトトラックにおいて、チルトシリンダのチルト圧を検出するチルトシリンダ圧力検出部を備え、マスト傾動角を検出するマスト傾動角検出部を備え、フォーク昇降高さを検出するフォーク昇降検出部を備えると共に、このチルトシリンダ圧力検出部で検出したチルト圧とマスト傾動角検出部で検出したマスト傾動角とフォーク昇降検出部で検出したフォーク昇降高さとを基にマストの許容前傾角を算出して、このマストの許容前傾角以上にマストを前傾しないようにチルトシリンダを制御する制御部を備えたフォークリフトトラックにおけるチルト制御装置が提案されている。
また、特開2001−019391号公報に開示されている「フォークリフトのティルト制御装置」では、マスト傾動用ティルトシリンダのロッド側油室と該ティルトシリンダ操作用ティルトスプールとの間には、開度の異なる全開位置と半開位置に切換可能なパイロット操作式流量制御弁を設け、その流量制御弁と前記ロッド側油室との間には、該ロッド側油室への作動油の流入を許容する一方、ロッド側からの作動油の流出時にその流出油の圧力をパイロット圧として付加又は消去することで開閉操作されるポペット弁と、該ポペット弁に対して開閉操作用のパイロット圧を導くパイロット通路をタンクに連通又は遮断する位置に切換可能なパイロット操作式の開閉切換弁とを設け、さらに流量制御弁及び開閉切換弁に対して切換操作用のパイロット圧を導くパイロット通路には、パイロット圧を付加可能な位置又は消去可能な位置に切換可能な電磁開閉弁を設けたフォークリフトのティルト制御装置が提案されている。
また、特開2001−063989号公報に開示されている「産業車両におけるマスト傾動速度制御装置」では、車体に傾動可能に支持されたマストと、マストを前後に傾動させるために該マストと車体と間に設けられた油圧シリンダと、油圧シリンダの油路上に設けられた油圧ポンプを駆動する電動モータと、マストに昇降可能に支持され荷を積載する荷役機器とを備えた産業車両において、マストを傾動させるために操作する操作手段と、操作手段が操作されたことを検出する操作検知手段と、荷役機器の揚高を検出する揚高検出手段と、操作検知手段から操作手段が操作された検知信号を入力すると、揚高検出手段により検出された揚高に基づき高揚高ほど低回転数となる設定で電動モータを制御する制御手段とを備えた産業車両におけるマストの傾動速度制御装置が提案されている。
また、特許第2706378号公報に開示されている「フォークリフトの制御装置」では、作業機レバーからのレバー操作信号に応じた流量制御信号を電磁比例制御弁へ出力するコントローラと、該コントローラからの流量制御信号に応じた圧油を作業機シリンダに給排する電磁比例制御弁と、電磁比例制御弁からの圧油により伸縮してフォークを昇降させる作業機シリンダとを備えたフォークリフトにおいて、フォークの揚高が一定以下になったことを検出する位置センサと、作業機シリンダに給排される圧油の油圧からフォークに積載される荷物の荷重を検出する油圧センサと、該油圧センサにより検出された荷重が大きければ大きいほど小さな正の減速制御量に換算する荷重/減速制御量換算テーブルと、テーブルで換算された減速制御量を流量制御信号から繰り返して減算して出力する減速制御量算出手段と、位置センサによりフォークが検出されたら減速制御量算出手段で算出された算出値を流量制御信号として出力してフォークの下降速度を徐々に減速する制御量出力手段と、位置センサの信号系統についての断線を検出して、上記各種の制御を中止させる断線検出回路とを設けたフォークリフトの制御装置が提案されている。
特開平07−097198号公報 特開平08−091793号公報 特開平09−295800号公報 特開平10−273295号公報 特開平10−310394号公報 特開平10−316390号公報 特開平10−330095号公報 特開平10−330096号公報 特開平11−139796号公報 特開2000−191296号公報 特開2001−019391号公報 特開2001−063989号公報 特許第2706378号公報
本発明の目的は、フォークリフトの荷役操作において車体が不安定な姿勢になり、荷こぼれや車体の転倒が生じるのを事前に防止するための操作制御を行うフォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法を提供することである。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する括弧付き符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明のフォークリフトの荷役制御システムは、積荷(2)を積載する積載部(1,3)を駆動するための駆動部(6,11)と、駆動部の動きを制御するための制御部(23A1、23A2、23A3、23A4、23A5)と、積荷の積載位置を測定する位置測定部(9,18)と、積荷の積載部に対する荷重を測定する荷重測定部(16)とを備えるフォークリフトの荷役制御システム(40、45)であって、制御部は、位置測定部および荷重測定部によって測定される積荷の位置情報および荷重情報に基づいて、規定位置に対する積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算し、慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えないように駆動部を制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(40)において、駆動部は、積載部(1,3)を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダ(11)と、積載部を特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダ(6)とを備え、位置測定部は、リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計(9)と、チルトシリンダの変位を測定するためのチルトシリンダ変位計(18)とを備え、荷重測定部は、積荷がリフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計(16)を備え、制御装置(23A1、23A3、23A5)は、リフトシリンダ変位計と、リフトシリンダ圧力計と、チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、フォークリフトの前輪(12)直下の地表位置を軸とする積荷(2)の慣性モーメントをリアルタイムで計算し、慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えた時に、チルトシリンダおよびリフトシリンダの動作を停止させる。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(45)における駆動部(6,11)は、積載部(1,3)を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダ(11)と、積載部を特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダ(6)とを備え、位置測定部は、リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダの垂線方向からの傾き角を測定するための傾斜センサ(17)とを備え、荷重測定部は、積荷がリフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計(16)を備え、制御装置(23A2、23A4)は、リフトシリンダ変位計と、リフトシリンダ圧力計と、傾斜センサとの測定値に基づいて、フォークリフトの前輪(12)直下の地表位置を軸とする積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算し、慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えた時に、チルトシリンダおよびリフトシリンダの動作を停止させる。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(40)において、リフトリンダ(6)が、垂線方向よりも後ろに傾いた位置から後ろ向きに傾倒するようにチルトシリンダ(11)を起動するとき、制御装置(23A3)は、さらにリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダ圧力計(16)と、チルトシリンダ変位計(18)との測定値に基づいて、チルトシリンダの許容加速度をリアルタイムで計算し、チルトシリンダの加速度が許容加速度以内になるように制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(40)において、リフトリンダ(6)が、垂線方向よりも前に傾いた位置から前向きに動作している状態でチルトシリンダ(11)を停止するとき、制御装置(23A3)は、さらにリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダ圧力計(16)と、チルトシリンダ変位計(18)との測定値に基づいて、チルトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、チルトシリンダの減速度が許容減速度以内になるように制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システムにおける制御装置(40)は、さらにリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダ圧力計(16)と、チルトシリンダ変位計(18)との測定値に基づいて、リフトシリンダ(6)の許容減速度をリアルタイムで計算し、リフトシリンダの減速度が許容減速度以内になるように制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(45)におけるリフトリンダ(6)が、垂線方向よりも後ろに傾いた位置から後ろ向きに傾倒するようにチルトシリンダ(11)を起動するとき、制御装置(23A4)は、さらにリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダ圧力計(16)と、傾斜センサ(17)との測定値に基づいて、チルトシリンダの許容加速度をリアルタイムで計算し、チルトシリンダの加速度が許容加速度以内になるように制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(45)において、リフトリンダ(6)が、垂線方向よりも前に傾いた位置から前向きに動作している状態でチルトシリンダ(11)を停止するとき、制御装置(23A4)は、さらにリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダ圧力計(16)と、傾斜センサ(17)との測定値に基づいて、チルトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、チルトシリンダの減速度が許容減速度以内になるように制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(45)において、リフトリンダ(6)が下降停止するとき、制御装置(23A4)は、さらにリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダ圧力計(16)と、傾斜センサ(17)との測定値に基づいて、リフトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、リフトシリンダの減速度が許容減速度以内になるように制御する。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(40)において、制御装置(23A5)は、さらに、リフトシリンダ変位計(9)およびチルトシリンダ変位計(18)の測定値に基づいて、リフトシリンダの位置、または、チルトシリンダの位置がストロークエンドから規定距離以内に到達すると、規定の減速度でリフトシリンダ(6)、または、チルトシリンダ(11)をストロークエンドにまで到達させる。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御システム(45)において、制御装置(23A5)は、さらに、リフトシリンダ変位計(9)の測定値に基づいて、リフトシリンダ(6)の位置がストロークエンドから規定距離以内に到達すると、規定の減速度でリフトシリンダをストロークエンドにまで到達させる。
また、本発明のフォークリフトは、請求項1から11までのいづれか一項に記載のフォークリフトの荷役制御システム(40,45)を備える。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御方法は、積荷(2)を積載する積載部(1,3)を駆動するための駆動部(6,11)と、駆動部の動きを制御するための制御部(23A1、23A2、23A3、23A4、23A5)と、積荷の積載位置を測定する位置測定部(9,18)と、積荷の積載部に対する荷重を測定する荷重測定部(16)とを備えるフォークリフトの荷役制御システム(40、45)によるフォークリフトの荷役制御方法であって、位置測定部および荷重測定部によって測定される積荷の位置情報および荷重情報に基づいて、規定位置に対する積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算する計算ステップと、慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えないように駆動部を制御する制御ステップとを備える。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御方法における駆動部は、積載部(1,3)を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダ(11)と、積載部を特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダ(6)とを備え、位置測定部は、リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計(9)と、チルトシリンダの変位を測定するためのチルトシリンダ変位計(18)とを備え、荷重測定部は、積荷がリフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計(16)を備え、リフトシリンダ変位計と、リフトシリンダ圧力計と、チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、フォークリフトの前輪直下の地表位置を軸とする積荷(2)の慣性モーメントをリアルタイムで計算する慣性モーメント計算ステップと、慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えた時に、チルトシリンダおよびリフトシリンダの動作を停止させる停止ステップとを備える。
また、本発明のフォークリフトの荷役制御方法における駆動部(6,11)は、積載部(1,3)を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダ(11)と、積載部を特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダ(6)とを備え、位置測定部は、リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計(9)と、リフトシリンダの垂線方向からの傾き角を測定するための傾斜センサ(17)とを備え、荷重測定部は、積荷がリフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計(16)を備え、リフトシリンダ変位計と、リフトシリンダ圧力計と、傾斜センサとの測定値に基づいて、フォークリフトの前輪(12)直下の地表位置を軸とする積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算する慣性モーメント計算ステップと、慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えた時に、チルトシリンダおよびリフトシリンダの動作を停止させる停止ステップとを備える。
本発明により、フォークリフトの荷役操作において車体が不安定な姿勢になり、荷こぼれや車体の転倒が生じるのを事前に防止するための操作制御を行うフォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法を提供することができる。
添付図面を参照して、本発明によるフォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法を実施するための最良の形態を以下に説明する。
本発明の実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システムおよびフォークリフトの荷役制御方法においては、リフトシリンダに変位センサおよび圧力センサが配設される。また、チルトシリンダに変位センサが配設されるか、あるいは、フォークリフトの車体本体かマスト部に傾斜センサが配設される。そして、リフトシリンダ、およびチルトシリンダの動作を制御するためのコントローラに、上記センサからそれぞれの変位量を示す信号が送信される。コントローラでは、受信したそれぞれのセンサからの信号に基づいて、フォークリフトの姿勢が安定であるかをリアルタイムで判断する。そして、フォークリフトの現状の姿勢が安定な状態から外れたと判断された場合には、リフトシリンダ、およびチルトシリンダの動作を制御して、フォークリフトが不安定な状態になるのを回避する。リアルタイムに行われるフォークリフトの姿勢状況判断、および回避制御により、本願のフォークリフトの荷役制御システムを搭載したフォークリフトにおいては、確実に荷こぼれ防止や車体の転倒防止を実現することができ、安全性および信頼性の高いフォークリフトを提供することができる。
(実施の形態1)
図3に、本願の実施の形態1に係わるフォークリフトの荷役制御システムを搭載したフォークリフトの概略構造を示す。フォークリフトは、前輪12と後輪13とを備えた車体10と、荷物を積載するためのフォーク3とを備える。フォーク3は、車体10前方に配設されているマスト部に、リフトブラケット1を介して設置される。マスト部は、本体10前方に取り付けられて、フォーク3を前倒、あるいは後倒して荷物の姿勢を前後に制御することの出来るアウターマスト5と、アウターマスト5の上方に固定されて、リフトブラケット1とレールを介して接続され、荷物を積載しているフォーク3およびリフトブラケット1をレールに沿って上下にスライドさせるインナーマスト4とを備えている。アウターマスト5は、チルトシリンダ11により、アウターマスト5の支持軸の周りに前倒及び後倒の角度を制御される。また、リフトブラケット1は、インナーマスト4のレール上を、インナーマスト4に沿って上下に可動なリフトシリンダ6の動力により、チェーンホイル7およびチェーン8を介して上下方向に位置制御される。このように、リフトブラケット1の先端に接続された荷物積載用のフォーク3は、前後および上下方向に位置制御される。
本実施の形態においては、さらに、チルトシリンダ11に、チルトシリンダ11の変位を測定するためのチルト変位センサ18が配設されている。また、リフトシリンダ6には、リフトシリンダ6の上下方向の変位を測定するためのワイヤ式変位センサ9が配設されている。また、リフトシリンダ6を加圧するための油14が充填されている油パイプ15には、リフトシリンダ6に負荷される油圧を計測するための油圧センサ16が配設されている。本実施の形態においては、図3中に示されている傾斜センサ17は備えていない。
図4Aに、フォークリフトに備わる本願の実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システムの概略構成を示す。本実施の形態に係わるフォークリフトの制御システム40は、リフトシリンダ6とチルトシリンダ11との移動量を制御するための油圧回路50を備えている。運転者により、リフト操作レバー21およびチルト操作レバー22が操作されると、それぞれの操作レバーによる制御量に応じた制御信号がコントローラ23A1に送られる。コントローラ23A1では、入力されたそれぞれのレバーからの制御信号に基づいて、油圧回路50に向けて動作信号を送信する。また、電動モータ25に向けてトルク指令24を送信する。電動モータ25は、受信したトルク指令24に基づいて、油圧回路50の油圧ポンプ50cの油圧を規定トルク値になるように回転数を制御する。また、油圧回路50に送られた動作信号は、油圧回路50のリフト流量制御弁50aとチルト流量制御弁50bにそれぞれ入力される。各々の制御弁は、入力されたそれぞれの動作信号に基づいて、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11を規定量移動させるように、それぞれのシリンダの規定移動量に対応する油量を流すように制御弁の開口量を制御する。
図10に、本実施の形態における検出信号および制御信号の流れを示す。図10に示すように、本実施の形態においては、チルトシリンダ11に備わるチルト変位センサ18により、現状のチルトシリンダ11の位置が測定される。そして、測定されるチルトシリンダ11の測定位置は、リアルタイムでチルトシリンダ変位27aを示す信号としてコントローラ23A1に送られる。リフトシリンダ6についても同様に、ワイヤ式変位センサ9と油圧センサ16とで測定されたリフトシリンダ位置およびリフトシリンダ6に負荷されている圧力値は、リフトシリンダ変位26a、およびリフトシリンダ圧力26bを示す信号としてそれぞれコントローラ23A1に送られる。本実施の形態に係わる油圧回路50においては、コントローラ23A1と、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bとの間にアンロード弁50dが配置される。コントローラ23A1からの指令により、アンロード弁50dが開かれると、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bが遮断され、当該制御弁にそれぞれ接続されているリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止する。
図14に、本実施の形態に係わる動作フローを示す。図14の動作フローに基づいて、図5に示される平坦路面30におけるフォークリフトの静的安定条件を満たすように制御される本実施の形態に係わる動作フローについて説明する。
平坦路面30において、積荷2をフォーク3に積載したフォークリフトが動作を開始すると、チルト変位センサ18からは、チルトシリンダ変位(xt)27aを示す信号が、油圧センサ16からはリフトシリンダ圧力(p)26bを示す信号が、そしてワイヤ式変位センサ9からは、リフトシリンダ変位(xl)26aを示す信号が、それぞれ本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システム40のコントローラ23A1へ、リアルタイムで送られる。コントローラ23A1では、チルトシリンダ変位(xt)27aを示す信号を受信すると、受信したチルトシリンダ変位(xt)27aの値に基づいてマスト傾斜角θを演算する(ステップS13)。また、受信したリフトシリンダ変位(xl)26aを示す信号のリフトシリンダ変位(xl)26aの値から、積荷2の負荷重心の高さ(H)が求められる(ステップS12)。次に、ステップS13において演算されたマスト傾斜角θの値と、受信したリフトシリンダ圧力(p)26bを示す信号のリフトシリンダ圧力(p)26bの値とから積荷2による負荷W2の大きさが、W2=p×A/cosθ(A;安定係数)として算出される(ステップS10)。また、ステップS13において演算されたマスト傾斜角θの値と、ステップS12において求められた積荷2の負荷重心の高さ(H)の値とからモーメントアームL2の値が、L2=H×sinθとして算出される(ステップS11)。また、ステップS10,ステップS11,ステップS12それぞれで求められたW2,L2およびHとから、r=(W2×L2)/(W1×L1)、(L1;車両の前輪に対する車体重心10aのモーメントアーム、W1;車体負荷)としてモーメント比(r)が求められる(ステップS14)。そして、ステップS14で求められたモーメント比(r)の値に基づいて、アンロード弁指令e(60)の設定が行われる(ステップS15)。このアンロード弁指令e(60)に基づいて、油圧回路50に備わるアンロード弁50dの開閉が実施される。アンロード弁50dが完全に開かれると、油圧回路50に備わるリフト流量制御弁50aとチルト流量制御弁50bとが固定されて、それぞれに接続されて動作しているリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止される。
本実施の形態においては、コントローラ23A1により、リアルタイムで上記動作フローに基づいて安定性を示すモーメント比(r)が求められる。このモーメント比(r)は、図5に示されるように、W1×L1>W2×L2の時に、フォークリフトが安定な姿勢であることを示している。本実施の形態においては、リアルタイムでこのモーメント比の値を求め、このモーメント比の値が規定の許容値を超えた時に、アンロード弁指令e(60)に基づいてアンロード弁50dの開閉制御がなされる。そして、モーメント比の値が当該許容値を超えると、直ちにアンロード弁50dが開かれてリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止する。当該規定の許容値は一定のマージンを含んでいる。このために、フォークリフトが不安定な姿勢になる前に、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止されてフォークリフトの安定姿勢が維持される。また、本実施の形態においては、モーメント比の値が当該許容値を超えることにより、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11が停止した後でも、コントローラ23A1からのアンロード弁指示により、アンロード弁50dを閉じて、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11を再起動することができる。
本実施の形態により、リアルタイムでフォークリフトの姿勢安定性を示すモーメント比を演算する。そして、フォークリフトの姿勢が不安定な状態になる前に、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作を停止するように制御する。これにより、フォークリフトの動作時においては、常にフォークリフトの姿勢が不安定になることが回避され、積載積荷2の荷こぼれおよび車体10の転倒が防止される。このように、本実施の形態により、安全性および信頼性の高いフォークリフトの荷役制御システム、および当該荷役制御システムを搭載したフォークリフトを実現することができる。
(実施の形態2)
図4Bに、本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システムの概略構成を示す。本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システム45の構成および動作原理は、実施の形態1に示されるそれと基本的には同じである。但し、本実施の形態においては、図3に示されるチルト変位センサ18は備えず、換わりにアウターマストに配置される傾斜センサ17を備えている。また、本実施の形態においては、油圧回路50はコントローラ23A1に換わってコントローラ23A2を備えている。後述するように、本実施の形態においては、アウターマスト5に配置される傾斜センサ17により、アウターマスト5の垂線方向からの傾斜角が測定される。そして、アウターマスト5の垂線方向からの傾斜角を示す信号27bが、コントローラ23A2に送られることにより、実施の形態1で示したフォークリフトの基本的な制御動作を、平坦路面30上のみでなく、図6に示される傾斜路面31上においても同様に実施することが可能となる。
図11に、本実施の形態における検出信号および制御信号の流れを示す。図11に示すように、本実施の形態においては、アウターマスト5に備わる傾斜センサ17により、現状のアウターマスト5の垂線方向からの傾斜角θ’が測定される。そして、測定されたアウターマスト5の傾斜角θ’の値は、リアルタイムでアウターマスト5の傾斜角θ’を示す信号27bとしてコントローラ23A2に送られる。リフトシリンダ6についても同様に、ワイヤ式変位センサ9と油圧センサ16とで測定されたリフトシリンダ位置およびリフトシリンダ圧力値は、リフトシリンダ変位26a、およびリフトシリンダ圧力26bを示す信号として、それぞれリアルタイムでコントローラ23A2に送られる。また、本実施の形態に係わる油圧回路50には、コントローラ23A2と、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bとの間にアンロード弁50dが配置されている。コントローラ23A2からのアンロード弁指令60eにより、アンロード弁50dが開かれると、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bが遮断され、当該制御弁にそれぞれ接続されているリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止する。
本実施の形態に係わる動作フローは、実施の形態1のそれと基本的に同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。但し、本実施の形態に係わる動作フローにおいては、実施の形態1の動作フローにおけるステップS13で演算された、平坦路面30に対するマスト傾斜角θの値が、アウターマスト5に備わる傾斜センサ17から送られて来る傾斜角度θ’を示す信号27bとして直接に求まる。本実施の形態における傾斜角度θ’を示す信号27bは、フォークリフトが平坦路面30に載置されている場合に限定されずに、図6に示される傾斜路面31(傾き角β)上に載置されている場合においても、当該マストの平坦路面30に対する傾斜角θ’(=θ+β)を直接得ることが可能となる。
本実施の形態により、リアルタイムでフォークリフトの姿勢安定性を示すモーメント比を演算する。そして、フォークリフトの姿勢が不安定な状態になる前に、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作を停止するように制御される。これにより、フォークリフトの動作中には常にフォークリフトの姿勢が不安定になることが回避され、積載積荷2の荷こぼれおよび車体10の転倒が防止される。このように、本実施の形態により、安全性および信頼性の高いフォークリフトの荷役制御システム、および当該荷役制御システムを搭載したフォークリフトを実現することができる。
(実施の形態3)
図4Aに、本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システムの概略構成を示す。本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システムの基本的な構成要件、および動作原理は実施の形態1のそれと同じである。但し、本実施の形態においては、油圧回路50はコントローラ23A1に換わってコントローラ23A3を備えている。後述するように、本実施の形態においては、平坦路面30上に載置されるフォークリフトに配置された各センサにより、リアルタイムで求められた測定値に基づいて、チルトシリンダ11後傾起動時の許容加速度、チルトシリンダ11前傾起動時の許容加速度、リフトシリンダ6下降停止時の許容減速度がそれぞれ求められる。そして、求められた許容加速度または許容減速度を超えないように、各シリンダに接続されている流量制御弁の開閉速度を制御する。さらに、積荷の慣性力(F)を考慮した動的安定性に基づいて、モーメント比(r)を求める。そして、このモーメント比の値に基づいて、各シリンダの動作を制御する。これにより、運転者が急操作および急停止を行っても、各シリンダが滑らかに起動および停止されると共に、フォークリフトからの荷こぼれや車体の転倒防止が実現される。
図12に、本実施の形態における検出信号および制御信号の流れを示す。図12に示すように、本実施の形態においては、チルトシリンダ11に備わるチルト変位センサ18により、現状のチルトシリンダ11の位置が測定される。そして、測定されるチルトシリンダ11の測定位置は、リアルタイムでチルトシリンダ変位27aを示す信号としてコントローラ23A3に送られる。リフトシリンダ6についても同様に、ワイヤ式変位センサ9と油圧センサ16とで測定されたリフトシリンダ位置およびリフトシリンダ圧力値は、リフトシリンダ変位26a、およびリフトシリンダ圧力26bを示す信号としてそれぞれコントローラ23A3に送られる。コントローラ23A3では、受信したそれぞれの測定値に基づいて、その時のフォークリフトの動作姿勢が、制御しなくてはならない状態であるかどうか判断する。そして、制御する姿勢にある場合、チルトシリンダ後傾起動時の許容加速度、チルトシリンダ前傾起動時の許容加速度、リフトシリンダ下降停止時の許容減速度のうち、対応する値を求める。そして、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11が、求められた許容加速度または許容減速度を超えないように、各シリンダに接続されているリフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bに対して制御信号を送り、それぞれの流量制御弁の開閉速度を制御する。また、本実施の形態に係わる油圧回路50には、コントローラ23A3と、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bとの間にアンロード弁50dが配置されている。コントローラ23A3からのアンロード弁指令e(60)により、アンロード弁50dが開かれると、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bが遮断され、当該制御弁にそれぞれ接続されているリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止する。
図15に、本実施の形態に係わる動作フローを示す。図15の動作フローに基づいて、図7,図8および図9に示される平坦路面30におけるフォークリフトの動的安定条件を満たすように制御される本実施の形態に係わる動作フローについて説明する。
平坦路面30において、積荷2をフォーク3に積載したフォークリフトが動作を開始すると、チルト変位センサ18からは、チルトシリンダ変位(xt)27aを示す信号が、油圧センサ16からはリフトシリンダ圧力(p)26bを示す信号が、そしてワイヤ式変位センサ9からは、リフトシリンダ変位(xl)26aを示す信号が、それぞれ図4Aに示される本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システム40のコントローラ23A3へ、リアルタイムで送られる。
コントローラ23A3では、チルトシリンダ変位(xt)27aを示す信号を受信すると、受信したチルトシリンダ変位(xt)27aの値に基づいてマスト傾斜角θを演算する(ステップS23)。また、受信したリフトシリンダ変位(xl)26aを示す信号のリフトシリンダ変位(xl)26aの値から、積荷2の負荷重心の高さ(H)が求められる(ステップS22)。次に、ステップS13において演算されたマスト傾斜角θの値と、受信したリフトシリンダ圧力(p)26bを示す信号のリフトシリンダ圧力(p)26bの値とから積荷2による負荷W2の大きさが、W2=p×A/cosθ(A;安定係数)として算出される(ステップS20)。また、ステップS23において演算されたマスト傾斜角θの値と、ステップS22において求められた積荷2の負荷重心の高さ(H)の値とからモーメントアームL2の値が、L2=H×sinθとして算出される(ステップS21)。ステップS20,ステップS21,ステップS22により、W2,L2およびHが求められると、求められたそれぞれの値を用いて、a=((W1×L1−W2×L2)/(W2×H))×g、としてそれぞれのフォークリフトの動作形態時における当該シリンダの許容加速度(a)が求められる(ステップS25)。例えば、フォークリフトが、図7に示されるような動作形態時においては、チルト後傾起動時の許容加速度が求められる。また、フォークリフトが、図8に示されるような動作形態時においては、チルト前傾停止時の許容減速度が求められる。また、フォークリフトが、図9に示されるような動作形態時においては、リフト下降停止時の許容減速度が求められる。ステップS25により、それぞれの動作形態時における許容加速、または減速度が求められると、この値に基づいて、流量制御弁指令の勾配が、α1=a×K1(K1は安全係数)として求められる(ステップS27)。そして、コントローラ23A3は、ステップS27で求められた流量制御弁指令の勾配(α1)に基づいて、油圧回路50に向けて、リフト流量制御弁50a、あるいはチルト流量制御弁50bの開閉速度を制御するための図示せぬ流量制御弁指令80を送る。
図16(a)には、本実施の形態で制御される、時間の関数としての流量制御弁指令開度の制御例を示す。本実施の形態の加速度制御により、流量制御弁指令開度は、特定のマージン(安全係数K1で決まる)に基づいて緩和された傾斜角α1で時間変動していることが判る。また、図16(b)に、本実施の形態の制御を行った場合と、従来の場合のチルトシリンダの動作の応答波形を示す。図16(b)に見られるように、本実施の形態の加速度制御が実施されることにより、チルトシリンダの動作化速度は、許容加速度と許容減速度との間に制限される。これにより、フォークリフトの荷こぼれや転倒防止が実現する。
本実施の形態においては、さらに、ステップS20,ステップS21,ステップS22それぞれで求められたW2,L2およびHとの値から、チルト後傾起動時、またはチルトシリンダ前傾起動時には、r=(W2×L2)+(F×H)/(W1×L1)として、リフトシリンダ下降停止時には、W1×L1>(W2+F)×L2(L1;車両の前輪に対する車体重心10aのモーメントアーム、W1;車体負荷、F;フォークリフトの各動作形態時における積荷の慣性力)として、モーメント比(r)が求められる(ステップS24;但し図15には、r=(W2×L2)+(F×H)/(W1×L1)の場合を表記)。そして、ステップS24で求められたモーメント比(r)の値に基づいて、アンロード弁指令e(60)の設定が行われる(ステップS26)。このアンロード弁指令e(60)に基づいて、油圧回路50に備わるアンロード弁50dの開閉が実施される。アンロード弁50dが完全に開かれると、油圧回路50に備わるリフト流量制御弁50aとチルト流量制御弁50bとが閉じられて、それぞれに接続されて動作しているリフトシリンダ6とチルトシリンダ11との動作が停止する。
本実施の形態においては、コントローラ23A3により、リアルタイムで上記動作フローに基づいて安定性を示すモーメント比(r)が求められる。このモーメント比(r)は、図7,図8,および図9に示されるように、W1×L1>(W2×L2)+(F×H)、または、W1×L1>(W2+F)×L2の時に、フォークリフトが安定な姿勢であることを示している。本実施の形態においては、リアルタイムでこのモーメント比の値を求め、このモーメント比の値が規定の許容値を超えた時に、アンロード弁指令60に基づいてアンロード弁50dの開閉制御がなされる。そして、モーメント比の値が当該許容値を超えると、直ちにアンロード弁50dが開かれてリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止する。当該規定の許容値は一定のマージンを含んでいる。このために、フォークリフトが不安定な姿勢になる前に、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止されてフォークリフトの安定姿勢が維持される。また、本実施の形態においては、モーメント比の値が当該許容値を超えることにより、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11が停止した後でも、コントローラ23A3からのアンロード弁指示60により、アンロード弁50dを閉じて、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11を再起動することができる。このように、本実施の形態により、安全性および信頼性の高いフォークリフトの荷役制御システム、および当該荷役制御システムを搭載したフォークリフトを実現することができる。
(実施の形態4)
図4Bに、本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システムの概略構成を示す。本実施の形態に係わるフォークリフトの荷役制御システム45の構成は、実施の形態2に示されるそれと基本的には同じである。また、本実施の形態の動作原理は、実施の形態3に示されるそれと基本的には同じである。但し、本実施の形態においては、油圧回路50はコントローラ23A2、またはコントローラ23A3に換わってコントローラ23A4を備えている。後述するように、本実施の形態においては、平坦路面30上のみならず、傾斜路面31上において、フォークリフトに配置される上記各センサによってリアルタイムで測定される測定値に基づいて、チルトシリンダ後傾起動時の許容加速度、チルトシリンダ前傾起動時の許容加速度、リフトシリンダ下降停止時の許容減速度がそれぞれ求められる。そして、求められた許容加速度または許容減速度を超えないように、各シリンダに接続されている流量制御弁の開閉速度を制御する。さらに、積荷の慣性力(F)を考慮した動的安定条件に基づいて、モーメント比(r)を求める。そして、このモーメント比の値に基づいて、各シリンダの動作を制御する。これにより、運転者が急操作および急停止を行っても、各シリンダが滑らかに起動および停止されると共に、フォークリフトからの荷こぼれや車体の転倒防止が実現する。
図13に、本実施の形態における検出信号および制御信号の流れを示す。図13に示すように、本実施の形態においては、アウターマスト5に備わる傾斜センサ17により、現状のアウターマスト5の垂線方向からの傾斜角θ’が測定される。そして、測定されたアウターマスト5の傾斜角θ’の値は、リアルタイムでアウターマスト5の傾斜角θ’を示す信号27bとしてコントローラ23A4に送られる。リフトシリンダ6についても同様に、ワイヤ式変位センサ9と油圧センサ16とで測定されたリフトシリンダ位置およびリフトシリンダ圧力値は、リフトシリンダ変位26a、およびリフトシリンダ圧力26bを示す信号として、それぞれリアルタイムでコントローラ23A4に送られる。コントローラ23A4では、受信したそれぞれの測定値に基づいて、チルトシリンダ後傾起動時の許容加速度、チルトシリンダ前傾起動時の許容加速度、リフトシリンダ下降停止時の許容減速度を求める。そして、リフトシリンダ6およびチルトシリンダ11が、求められた許容加速度または許容減速度を超えないように、各シリンダに接続されているリフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bに対して制御信号を送り、それぞれの流量制御弁の開閉速度を制御する。また、本実施の形態に係わる油圧回路50には、コントローラ23A4と、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bとの間にアンロード弁50dが配置されている。コントローラ23A4からの指令により、アンロード弁50dが開かれると、リフト流量制御弁50aおよびチルト流量制御弁50bが遮断され、当該制御弁にそれぞれ接続されているリフトシリンダ6およびチルトシリンダ11の動作が停止する。
本実施の形態に係わる動作フローは、実施の形態3のそれと基本的に同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。但し、本実施の形態に係わる動作フローにおいては、実施の形態3の動作フローにおけるステップS23で演算された、平坦路面30に対するマスト傾斜角θの値が、アウターマスト5に備わる傾斜センサ17から送られて来る傾斜角度θ’を示す信号27bとして直接に求まる。本実施の形態における傾斜角度θ’を示す信号27bは、フォークリフトが平坦路面30に載置されている場合に限定されずに、図6に示される傾斜路面31(傾き角β)上に載置されている場合においても、当該マストの平坦路面30に対する傾斜角θ’(=θ+β)を直接得ることが可能となる。
本実施の形態においては、平坦路面30上に限定されず、傾斜路面31上に載置されるフォークリフトに配置された上記各センサにより、リアルタイムで求められた測定値に基づいて、各シリンダの許容加速度または許容減速度がそれぞれ求められる。そして、求められた許容加速度または許容減速度を超えないように、各シリンダに接続されている流量制御弁の開閉速度を制御する。さらに、積荷の慣性力(F)を考慮した動的安定性に基づいて、モーメント比(r)を求められ、このモーメント比の値に基づいて、各シリンダの動作が制御される。これにより、本実施の形態においては、安全性および信頼性の高いフォークリフトの荷役制御システム、および当該荷役制御システムを搭載したフォークリフトを実現することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係わる荷役制御システムにおいては、実施の形態1または3の動作フローにおいて、さらに、各シリンダ変位がストロークエンドに到達する直前に、アンロード弁を緩やかに開放することにより、当該シリンダのストロークエンド到達時におけるショックを低減して、荷こぼれの防止や車体の転倒防止を実現するものである。
本実施の形態を、実施の形態1に備えた場合の構成および動作原理について、以下に説明する。本実施の形態に係わる荷役制御システムの概略構成は、図4Aに示すものである。但し、本実施の形態においては、コントローラは、実施の形態1におけるコントローラ23A1に換わって、コントローラ23A5を備えている。
図18に、本実施の形態に係わる動作フローを示す。図18に示される基本的な動作フローは、図14に示される実施の形態1の動作フローと同様なので、ここでは本実施の形態のみで実施される動作のみを説明する。本実施の形態においては、チルトシリンダ11に配置されているチルト変位センサ18によりリアルタイムで測定されたチルトシリンダ変位(Xt)を示す信号27aが、コントローラ23A5に送られる。同様に、リフトリンダ6に配置されているワイヤ式変位センサ9によりリアルタイムで測定されたリフトシリンダ変位(Xl)を示す信号26aが、コントローラ23A5に送られる。コントローラ23A5では、受信したチルトシリンダ変位(Xt)を示す信号27a、およびリフトシリンダ変位(Xl)を示す信号26aに基づいて、それぞれ規定された当該シリンダのストロークエンド到達前の距離から、規定の安全係数の傾きをもったアンロード弁指令f(65)、またはアンロード弁指令g(70)をそれぞれアンロード弁50d送ることにより(ステップS50、ステップS55)、当該シリンダが端部に到達するまでに、緩やかにアンロード弁を開放して、それぞれのシリンダのストロークエンド到達時のショックを低減させる。
本実施の形態においては、実施の形態1の作用効果に加えて、さらに、ストロークエンド到達時のショックを低減して、荷こぼれ防止や車体の転倒防止を実現することができる。
本実施の形態においては、チルト変位センサ18およびワイヤ式変位センサ9の両者を備えている実施の形態1および3に即して説明を行った。しかし、本実施の形態をリフトシリンダ6の変位を測定しているワイヤ式変位センサ9部分のみに適用することにより、実施の形態2および4に適用することができる。また、実施の形態2および4に、さらに、チルト変位センサ18を具備することにより、本実施の形態を適用することができる。
従来のフォークリフトの概略構成を示す図である。 従来のフォークリフトの制御システムを示す図である。 本願のフォークリフトの概略構成を示す図である。 本願のフォークリフトの制御システムを示す図である。 本願のフォークリフトの制御システムを示す図である。 平坦路面におけるフォークリフトの静的安定条件を示す図である。 傾斜路面におけるフォークリフトの静的安定条件を示す図である。 チルト後倒起動時におけるフォークリフトの動的安定条件を示す図である。 チルト前倒起動時におけるフォークリフトの動的安定条件を示す図である。 リフト下降停止時におけるフォークリフトの動的安定条件を示す図である。 実施の形態1における制御システムの構成を示す図である。 実施の形態2における制御システムの構成を示す図である。 実施の形態3における制御システムの構成を示す図である。 実施の形態4における制御システムの構成を示す図である。 実施の形態1における動作フローを示す図である。 実施の形態3における動作フローを示す図である。 本願におけるチルト動作による応答例を示す図である。 シリンダストロークエンドショック低減のための、シリンダ変位とアンドーロ弁指令開度との応答関係を示す図である。 実施の形態5における動作フローを示す図である。
符号の説明
1…リフトブラケット
2…積荷
2a…積荷重心
3…フォーク
4…インナーマスト
5…アウターマスト
6…リフトシリンダ
7…チェーンホイール
8…チェーン
9…ワイヤ式変位センサ
10…車体
10a…車体重心
11…チルトシリンダ
12…前輪
13…後輪
14…油
15…油パイプ
16…油圧センサ
17…傾斜センサ
18…チルト変位センサ
20…従来の制御システム
21…リフト操作レバー
22…チルト操作レバー
23、23A1、23A2、23A3、23A4、23A5…コントローラ
24…トルク指令
25…電動モータ
26…リフトシリンダ
26a…リフトシリンダ変位
26b…リフトシリンダ圧力
27…チルトシリンダ
27a…チルトシリンダ変位
28、50…油圧回路
28a、50a…リフト流量制御弁
28b、50b…チルト流量制御弁
28c、50c…油圧ポンプ
30…平坦路面
31…傾斜路面
40、45…フォークリフトの荷役制御システム
50…油圧回路
50d…アンロード弁
60…アンロード弁指令e
65…アンロード弁指令f
70…アンロード弁指令g
80…流量制御弁指令

Claims (15)

  1. 積荷を積載する積載部を駆動するための駆動部と、前記駆動部の動きを制御するための制御部と、前記積荷の積載位置を測定する位置測定部と、前記積荷の前記積載部に対する荷重を測定する荷重測定部とを具備するフォークリフトの荷役制御システムであって、
    前記制御部は、前記位置測定部および荷重測定部によって測定される前記積荷の位置情報および荷重情報に基づいて、規定位置に対する前記積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算し、前記慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えないように前記駆動部を制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  2. 請求項1に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記駆動部は、前記積載部を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダと、前記積載部を前記特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダとを備え、
    前記位置測定部は、前記リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計と、前記チルトシリンダの変位を測定するためのチルトシリンダ変位計とを備え、
    前記荷重測定部は、前記積荷が前記リフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計を備え、
    前記制御装置は、前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、前記フォークリフトの前輪直下の地表位置を軸とする前記積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算し、前記慣性モーメントに基づく前記転倒モーメントが規定値を超えた時に、前記チルトシリンダおよび前記リフトシリンダの動作を停止させる
    フォークリフトの荷役制御システム。
  3. 請求項1に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記駆動部は、前記積載部を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダと、前記積載部を前記特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダとを備え、
    前記位置測定部は、前記リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダの垂線方向からの傾き角を測定するための傾斜センサとを備え、
    前記荷重測定部は、前記積荷が前記リフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計を備え、
    前記制御装置は、前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記傾斜センサとの測定値に基づいて、前記フォークリフトの前輪直下の地表位置を軸とする前記積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算し、前記慣性モーメントに基づく前記転倒モーメントが規定値を超えた時に、前記チルトシリンダおよび前記リフトシリンダの動作を停止させる
    フォークリフトの荷役制御システム。
  4. 請求項2に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記リフトリンダが、垂線方向よりも後ろに傾いた位置から後ろ向きに傾倒するように前記チルトシリンダを起動するとき、
    前記制御装置は、さらに前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、前記チルトシリンダの許容加速度をリアルタイムで計算し、前記チルトシリンダの加速度が前記許容加速度以内になるように制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  5. 請求項2に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記リフトリンダが、垂線方向よりも前に傾いた位置から前向きに動作している状態で前記チルトシリンダを停止するとき、
    前記制御装置は、さらに前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、前記チルトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、前記チルトシリンダの減速度が前記許容減速度以内になるように制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  6. 請求項2に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記リフトリンダが下降停止するとき、
    前記制御装置は、さらに前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、前記リフトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、前記リフトシリンダの減速度が前記許容減速度以内になるように制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  7. 請求項3に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記リフトリンダが、垂線方向よりも後ろに傾いた位置から後ろ向きに傾倒するように前記チルトシリンダを起動するとき、
    前記制御装置は、さらに前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記傾斜センサとの測定値に基づいて、前記チルトシリンダの許容加速度をリアルタイムで計算し、前記チルトシリンダの加速度が前記許容加速度以内になるように制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  8. 請求項3に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記リフトリンダが、垂線方向よりも前に傾いた位置から前向きに動作している状態で前記チルトシリンダを停止するとき、
    前記制御装置は、さらに前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記傾斜センサとの測定値に基づいて、前記チルトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、前記チルトシリンダの減速度が前記許容減速度以内になるように制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  9. 請求項3に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記リフトリンダが下降停止するとき、
    前記制御装置は、さらに前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記傾斜センサとの測定値に基づいて、前記リフトシリンダの許容減速度をリアルタイムで計算し、前記リフトシリンダの減速度が前記許容減速度以内になるように制御する
    フォークリフトの荷役制御システム。
  10. 請求項2と、請求項4から6までの少なくとも一項に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記制御装置は、さらに、前記リフトシリンダ変位計および前記チルトシリンダ変位計の測定値に基づいて、前記リフトシリンダの位置、または、前記チルトシリンダの位置がストロークエンドから規定距離以内に到達すると、規定の減速度で前記リフトシリンダ、または、前記チルトシリンダをストロークエンドにまで到達させる
    フォークリフトの荷役制御システム。
  11. 請求項3と、請求項7から9までの少なくとも一項に記載のフォークリフトの荷役制御システムにおいて、
    前記制御装置は、さらに、前記リフトシリンダ変位計の測定値に基づいて、前記リフトシリンダの位置がストロークエンドから規定距離以内に到達すると、規定の減速度で前記リフトシリンダをストロークエンドにまで到達させる
    フォークリフトの荷役制御システム。
  12. 請求項1から11までのいづれか一項に記載のフォークリフトの荷役制御システムを具備するフォークリフト。
  13. 積荷を積載する積載部を駆動するための駆動部と、前記駆動部の動きを制御するための制御部と、前記積荷の積載位置を測定する位置測定部と、前記積荷の前記積載部に対する荷重を測定する荷重測定部とを具備するフォークリフトの荷役制御システムによるフォークリフトの荷役制御方法であって、
    前記位置測定部および荷重測定部によって測定される前記積荷の位置情報および荷重情報に基づいて、規定位置に対する前記積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算する計算ステップと、
    前記慣性モーメントに基づく転倒モーメントが規定値を超えないように前記駆動部を制御する制御ステップと
    を備えるフォークリフトの荷役制御方法。
  14. 請求項13に記載のフォークリフトの荷役制御方法において、
    前記駆動部は、前記積載部を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダと、前記積載部を前記特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダとを備え、前記位置測定部は、前記リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計と、前記チルトシリンダの変位を測定するためのチルトシリンダ変位計とを備え、前記荷重測定部は、前記積荷が前記リフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計を備え、
    前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記チルトシリンダ変位計との測定値に基づいて、前記フォークリフトの前輪直下の地表位置を軸とする前記積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算する慣性モーメント計算ステップと、
    前記慣性モーメントに基づく前記転倒モーメントが規定値を超えた時に、前記チルトシリンダおよび前記リフトシリンダの動作を停止させる停止ステップと
    を備えるフォークリフトの荷役制御方法。
  15. 請求項13に記載のフォークリフトの荷役制御方法において、
    前記駆動部は、前記積載部を特定の軸の周方向に動作させるためのチルトシリンダと、前記積載部を前記特定の軸の半径方向に移動させるためのリフトシリンダとを備え、前記位置測定部は、前記リフトシリンダの変位を測定するためのリフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダの垂線方向からの傾き角を測定するための傾斜センサとを備え、前記荷重測定部は、前記積荷が前記リフトシリンダに負荷する圧力を測定するためのリフトシリンダ圧力計を備え、
    前記リフトシリンダ変位計と、前記リフトシリンダ圧力計と、前記傾斜センサとの測定値に基づいて、前記フォークリフトの前輪直下の地表位置を軸とする前記積荷の慣性モーメントをリアルタイムで計算する慣性モーメント計算ステップと、
    前記慣性モーメントに基づく前記転倒モーメントが規定値を超えた時に、前記チルトシリンダおよび前記リフトシリンダの動作を停止させる停止ステップと
    を備えるフォークリフトの荷役制御方法。
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