JP2006297948A - 剥離ライナー及びそれを用いた感圧性接着テープ又はシート - Google Patents

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伸児 井口
Akiko Nozawa
亜紀子 野澤
Naoyuki Nishiyama
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Abstract

【課題】 剥離性、加工適性、カール防止性、およびクリーン度が優れ、さらにはアウトガス発生量も少ない剥離ライナーを提供する。
【解決手段】 剥離ライナーは、下記のA層1、B層2およびC層3を有し、(A層の厚み):(B層+C層の厚み)=が9:1〜6:4であり、剥離ライナーの総厚みが40〜150μmであり、且つ120℃にて10分間加熱した際のトータルアウトガス量が1μg/cm2以下であることを特徴とする。A層:基材(A);B層:A層の基材(A)の少なくとも一方の面に形成され、且つ低密度ポリエチレンにより構成された下引き層(B);C層:B層の下引き層(B)上に積層され、且つ直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体から選択された少なくとも2種のエチレン系ポリマーからなる混合樹脂組成物により構成された剥離層(C)
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブ装置用として有用な感圧性接着テープ又はシートとこれに用いられる剥離ライナーに関する。
感圧性接着テープに用いられる剥離ライナーは、一般に、剥離ライナー用基材と該基材上に設けられた剥離剤層とで構成されており、前記剥離剤層として、シリコーン系の剥離処理剤を塗布し、硬化させたものが知られている。例えば、感圧型両面接着テープなどでは、シリコーン系剥離剤を塗布した剥離ライナー上にアクリル系感圧性接着剤からなる接着剤層を設けたものがこれに該当するが、このようなシリコーン系剥離剤を塗布した剥離ライナーでは、感圧性接着テープを使用する際に、接着剤層側へ剥離ライナー中のシリコーン化合物の一部が付着するため、接着剤層を汚染し、接着性能が著しく損なわれてしまうという問題点がある。また、この種の感圧性接着テープをHDD(磁気記録装置)等の電子機器の固定用途などに用いると、特に電子機器内部に使用される場合、電子機器内部の腐食や誤動作を引き起こすという問題がある。これは、剥離ライナー中のシリコーン化合物に由来する接着剤層の汚染部位がシロキサンガスの発生源となるためである。
他方、上述のようなシリコーン剥離剤を用いずに剥離機能を付与させた剥離ライナーとして、例えば、剥離ライナー用基材上に、低密度ポリエチレン樹脂層からなる剥離層を、該層における表面の酸化を抑制しながら押出し積層したもの(特公昭51−20205号公報や実開昭63−85642号公報など)や、剥離ライナー基材上に、低密度ポリエチレンと低結晶性エチレン−プロピレン共重合体または低結晶性エチレン−ブテン−1ランダム共重合体との混合樹脂による剥離層を押出し積層したもの(特公昭57−45790号公報や特開平6−155687号公報など)などが知られている。これらの剥離ライナーは、次工程で感圧性接着剤層を設け、感圧性接着シートあるいはテープとして用いられる。
また、ハードディスクドライブ(HDD)用感圧性接着テープ(又はシート)における剥離ライナーとしては、次の(1)〜(5)の機能を有していることが求められている。
(1)感圧性接着剤層からのスムーズな剥離性
(2)微細加工適性(近年のHDDの小型化により、テープ類の貼付形状も同様に小さくなっている)
(3)剥離ライナーのカール防止性
(4)低アウトガス性(従来汚染源として知られるシリコーン系化合物の他に、炭化水素由来のガス等も、HDDの誤動作の原因とされている)
(5)クリーン度(例えば、紙基材等に由来する紙粉などが汚染源となる)
前記のシリコーン剥離剤を用いずに剥離機能を付与させた剥離ライナーとして、剥離層における表面の酸化を抑制しながら押出し積層した剥離ライナー(特公昭51−20205号公報など)は、高粘着性を有する感圧接着剤に対しては、良好な剥離機能を示さず、剥離時に感圧性接着剤が剥離層に取られたり、パルス状の剥離(いわゆるスティックスリップ)となったりして、感圧性接着剤層が荒れるため、本来の性能を発揮することができない。一方、混合樹脂による剥離層を押出し積層した剥離ライナー(特公昭57−45790号公報など)は、感圧性接着剤層からのスムーズな剥離性という点では良好となるものの、剥離ライナー基材上に紙などを使用している点でクリーン度に欠けている、部材への貼付形状に加工する際に剥離層が伸びて切れ性が低下する、アウトガス発生量が多い等の問題がある。
特公昭51−20205号公報 実開昭63−85642号公報 特公昭57−45790号公報 特開平6−155687号公報
従って、本発明の目的は、剥離層にシリコーン系剥離剤を用いなくても剥離層と感圧性接着剤層とがスムーズに剥離できるとともに、微細加工適性も良好であり、またカールが防止され、さらにはアウトガス発生量も少なく、しかもクリーン度が優れている剥離ライナー、並びにこれを用いた感圧性接着テープ又はシートを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、感圧性接着テープ又はシートに用いる剥離ライナーとして、各層が特定のプラスチック素材により構成された積層構造とし、且つ加熱時のトータルアウトガス量を特定の範囲とした剥離ライナーを用いると、HDD用感圧性接着テープ又はシートに求められている機能を高いレベルで有していることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のA層、B層およびC層を有する剥離ライナーであって、A層と、該A層のいずれか一方の面に形成されたB層及びC層との厚みの割合が(A層の厚み):(B層の厚み+C層の厚み)=9:1〜6:4であるとともに、剥離ライナーの総厚みが40〜150μmであり、且つ120℃にて10分間加熱した際のトータルアウトガス量が1μg/cm2以下であることを特徴とする剥離ライナーを提供する。
A層:基材(A)
B層:A層の少なくとも一方の面に形成され、且つ低密度ポリエチレンにより構成された下引き層(B)
C層:B層上に積層され、且つ直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体から選択された少なくとも2種のエチレン系ポリマーからなる混合樹脂組成物により構成された剥離層(C)
前記基材(A)としては、ポリプロピレン又はポリエステルにより構成されたフィルム又はシートであることが好ましい。また、前記剥離ライナーは、基材(A)の少なくとも一方の面に、下引き層(B)および剥離層(C)が、タンデム方式により積層されていてもよい。
本発明には、感圧性接着剤層(D)上に、前記剥離ライナーが、感圧性接着剤層(D)と剥離層(C)とが接するように積層されている感圧性接着テープ又はシートも含まれる。
本発明の感圧性接着テープ又はシートは、ハードディスクドライブ用感圧性接着テープ又はシートとして好適に用いることができる。
本発明の剥離ライナーによれば、低アウトガス性を有しており、HDD用感圧性接着テープの剥離ライナーとして用いると、HDDに対して悪影響を及ぼさず、格別に優れた効果が奏される。また、剥離作業性、加工適性が優れている。さらにまた、カール防止性も優れている。
一方、本発明の感圧性接着テープによれば、上記の剥離ライナーを備えているため、シリコーン化合物に起因するトラブルを解消できるとともに、剥離作業性、加工適性等が優れている。さらにまた、紙基材等の汚染源となる基材(剥離ライナーの基材や、感圧性接着テープの支持基材)を用いなくてもよいので、クリーン度も良好である。
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材又は部位については、同一の符号を付している場合がある。
図1は本発明の剥離ライナーの一例を示す概略断面図である。また、図2はこの剥離ライナーを用いた本発明の感圧性接着テープ(又はシート)の一例を示す概略断面図である。図1及び2において、1はA層としての基材(A)、2はB層としての下引き層(B)、3はC層としての剥離層(C)、4は剥離ライナー、5は感圧性接着剤層(D)、6は支持基材(E)、7は感圧性接着テープである。
図1の剥離ライナー4は、基材(A)1と、該基材(A)1の片側に形成された下引き層(B)2と、該下引き層(B)2の上に設けられた剥離層(C)3とで構成されている。また、図2の感圧性接着テープ7では、支持基材(E)6上に感圧性接着剤層(D)5が設けられ、さらに該感圧性接着剤層(D)5上に前記の剥離ライナー4が、剥離層(C)3が感圧性接着剤層(D)5に接するように積層されている。
A層の基材(A)1は、剥離ライナー4全体の補強層としての役割を担うことができ、また、剥離ライナーの製造プロセスにおいて不所望な汚染(例えば、粉塵など)を発生せず、且つ微細加工の適性を有するものであれば、いずれであってもよい。
具体的には、基材(A)1としては、例えば、熱可塑性樹脂により構成されたフィルム又はシート(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニルなど公知の熱可塑性樹脂により構成されたフィルム又はシートなど)、金属箔(例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔など)などを用いることができる。基材(A)1の素材としての熱可塑性樹脂や金属などは単独で又は2種以上組み合わせて使用されていてもよい。これらのなかでも、基材(A)1としては、ポリプロピレンやポリエステルにより構成されたフィルム又はシートを好適に用いることができる。
基材(A)1は単層又は多層のいずれの構成を有していてもよい。基材(A)1の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、10〜100μm(好ましくは25〜80μm、さらに好ましくは30〜60μm)の範囲から選択することができる。基材(A)1の厚みが前記範囲外であると、剥離作業時の剥離性が低下する、剥離ライナーの製造工程でカールし易くなる、微細加工適性が低下するなどの不具合が生じる場合がある。
なお、本発明では、基材(A)1の表面は、コロナ放電処理などの表面処理が行われていてもよい。
B層の下引き層(B)2は、図1では、A層の基材(A)1の一方の面に形成されている。該下引き層(B)2は、低密度ポリエチレンにより構成することができる。例えば、下引き層(B)2を後述のようにタンデム方式により積層する場合、低密度ポリエチレンの中でも、一般的にラミネート用として上市されているグレードのものを好適に用いることができる。具体的には、メルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)が4〜15g/10min(JIS K 6760に準じる)である低密度ポリエチレンを好適に用いることができる。
下引き層(B)は単層又は多層のいずれの構成を有していてもよい。なお、下引き層(B)2の厚みとしては、例えば、5〜20μm、好ましくは8〜15μm程度であってもよい。下引き層(B)2の厚みが薄すぎると厚みが均一とならず、一方、厚すぎると基材(A)の片面のみに設けた場合にカール防止性が低下し、また、両面に設けた場合でも加工適性に欠ける場合がある。
C層の剥離層(C)3は、B層の下引き層(B)上に積層されている。該剥離層(C)3は、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体(「エチレン−α−オレフィン共重合体」と称する場合がある)から選択された少なくとも2種のエチレン系ポリマーからなる混合樹脂組成物により構成することができる。前記エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体)において、炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、およびオクテン−1からなる群から選択された少なくとも1種のα−オレフィン(コモノマー)を用いることができる。
剥離層(C)3のエチレン系ポリマーとしては、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含有していることが好ましく、特に、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有するとともに、低密度ポリエチレンおよびエチレン−α−オレフィン共重合体を含有していることが好適である。直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有し、且つ低密度ポリエチレンおよびエチレン−α−オレフィン共重合体を含有している場合、これらの配合割合としては、特に制限されないが、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対して、低密度ポリエチレンが1〜25重量部、エチレン−α−オレフィン共重合体が1〜20重量部であることが好ましい。該配合割合の範囲を逸脱すると、剥離機能が損なわれたり、成形性が不十分となったりする不具合が生じる場合がある。
また、前記直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、エチレンとともに用いられるコモノマー成分としては、適宜選択することができ、なかでも1−ヘキセンや1−オクテンが好適である。
エチレン系ポリマーとしては、公知の方法に基づき、その重合反応条件及びその後の精製、分別条件などを適宜選択することにより容易に得ることができる。市販品をそのまま使用してもよい。
剥離層(C)3に係るエチレン系ポリマーは、下引き層(B)2と同様の観点から、メルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)が4〜15g/10min(JIS K 6760に準じる)であるエチレン系ポリマーを好適に用いることができる。
剥離層(C)は単層又は多層のいずれの構成を有していてもよい。なお、剥離層(C)3の厚みとしては、例えば、5〜20μm、好ましくは7〜15μm程度であってもよい。剥離層(C)3の厚みが薄すぎると厚みが均一とならず、一方、厚すぎると基材(A)の片面のみに設けた場合にカール防止性が低下し、また、両面に設けた場合にアウトガス量が増加してしまう場合がある。
図1に係る剥離ライナー4は、基材(A)1と、該基材(A)1の片側に形成された下引き層(B)2と、該下引き層(B)2の上に設けられた剥離層(C)3とで構成されているが、本発明では、下引き層(B)2および剥離層(C)3は、基材(A)1の両側に設けられていてもよい。すなわち、本発明の剥離ライナーは、前記基材(A)1と、該基材(A)1の少なくとも一方の面に形成された下引き層(B)2と、該下引き層(B)2上に形成された剥離層(C)3とを有している。
本発明では、基材(A)、下引き層(B)および剥離層(C)をこの順で積層して、剥離ライナーを作製することができる。この積層方法としては、公知の積層方法から適宜選択することができるが、タンデム方式による積層方法(特に、タンデム押出しラミネート方法)を好適に採用することができる。具体的には、図3に示されているようなタンデム方式により、基材(A)の表面に、下引き層(B)と剥離層(C)とを積層することが好ましい。図3は、タンデム方式により本発明の剥離ライナーを製造する場合の一例を示す概略図である。図3において、8は繰り出し部、9は下引き層(B)用のダイス(第1ダイス)、10は剥離層(C)用のダイス(第2ダイス)、11は巻き取り部、12は乾燥オーブン、13は下塗り層用コーターである。また、1、4は、図1又は2と同様に、それぞれ、基材(A)、剥離ライナーである。
図3に係る製造方法では、繰り出し部8から、基材(A)1としてのシートを繰り出し、必要に応じて下塗り層用コーター13を用いて下塗り剤を塗布して下塗り層を形成した後、第1ダイス9から下引き層(B)の構成成分である低密度ポリエチレンを基材(A)1の表面に押出し(下塗り層が形成されている場合は、基材(A)1上に形成された下塗り層の表面に押出し)、引き続き、第2ダイス10から剥離層(C)の構成成分であるエチレン系ポリマーからなる混合樹脂組成物を下引き層(B)の表面に押し出して、剥離ライナー4を作製することができる。
このようなタンデム方式による積層方法(タンデム押出しラミネート方法など)では、1つの工程にて連続的に押し出して、下引き層(B)と剥離層(C)との積層を連続的に行えるので、製造コスト面からも好ましく、非常に効率的である。一方、他の積層方法として、例えば、ドライラミネート方法、共押出しラミネート方法、押出しラミネート方法(単層押出し方式)などがあるが、これらの積層方法は、下記に示されるように、種々の不具合や問題があり、好ましい方法であるとは言い難い。
他の積層方法として、例えば、ドライラミネート方法では、一旦フィルムの作製の工程を経るが、この時の成形条件が一般的に低く、剥離ライナーとした際のアウトガス量(アウトガスの発生量)が多くなってしまう。また、フィルムの状態での保管や輸送によりブロッキングなどが発生しやすく、このブロッキングを防止するために、アンチブロッキング剤やスリップ剤を別途配合する必要があり、これらもアウトガスの発生源となるので、この点からも好ましくない。さらにまた、フィルムの厚さを薄くすることができない、貼り合わせの際に剥離フィルムが延伸されて剥離機能が損なわれるなどの不具合が生じる場合がある。
また、共押出しラミネート方法では、剥離層の成形温度を高くすると、表面の酸化により剥離機能が損なわれ、前記成形温度が低いと、基材(A)との接着性が低下するという不具合が生じる場合がある。
さらにまた、押出しラミネート方法(単層押出し方式)は、基材(A)上に、必要に応じて下塗り層を介して、下引き層(B)を積層したものを一旦作製して巻き取り、その後、別工程で、下引き層(B)上に剥離層(C)を積層する方法である。該方法では、剥離層(C)となる樹脂組成物(エチレン系ポリマーを含む混合樹脂組成物)の押出し温度が低いために、下引き層(B)と剥離層(C)との間の接着性が充分に確保できず、剥離ライナーとしての機能を著しく損なうなどの問題が生じる場合がある。
より具体的には、下引き層(B)の構成成分である低密度ポリエチレンを、押出し機を用いて押し出して基材(A)上に積層する場合は、押出し温度としては、例えば、310℃〜330℃の範囲であることが好ましい。押出し温度が低すぎると(例えば、310℃未満であると)、接着性が充分でなくなり、一方、高すぎると(例えば、330℃よりも高いと)、樹脂の分解による発煙や臭気の原因となる場合がある。
また、剥離層(C)の構成成分であるエチレン系ポリマーからなる混合樹脂組成物を、押出し機を用いて押し出して下引き層(B)上に積層する場合は、押出し温度としては、例えば、265℃〜280℃の範囲であることが好ましい。押出し温度が低すぎると(例えば、265℃未満であると)、成形性が不十分となって厚さの精度が低くなったり、また、成形性を確保できても低アウトガス性が確保できなかったりし、一方、高すぎると(例えば、280℃を越えると)、樹脂の酸化により剥離機能が著しく損なわれる場合がある。
なお、押出し機を用いて、下引き層(B)及び剥離層(C)を押し出して積層する場合は、タンデム方式にて押し出し成形を行って、積層工程を1つの工程として実施することが好ましい。
本発明の剥離ライナーを構成する各層は、必要に応じて、少量の他の成分(例えば、樹脂成分や添加物)を含んでいてもよい。
また、本発明では、基材(A)と下引き層(B)との間に、必要に応じて、下塗り層及び/又は金属蒸着層が形成されていてもよい。下塗り層に係る下塗り剤としては、基材(A)と下引き層(B)との接着性が充分得られるものであるものが好ましく、さらにはHDD用感圧性接着テープ(又はシート)の剥離ライナーとして用いた際に不具合の起こらないものが好ましい。具体的には、下塗り剤としては、例えば、エステルウレタン系接着剤、エーテルウレタン系接着剤を、溶剤(例えば、酢酸エチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトンやアセトンなどのケトン類等の有機溶剤など)に溶解させて得られる下塗り剤(アンカーコート剤)を好適に用いることができる。なお、エチレンイミン系化合物やシランカップリング剤等を含む下塗り剤は、HDD内部の腐食や汚染の原因となるために使用しないことが好ましい。なお、下塗り層の厚みとしては、0.5〜1.5μmであることが好ましい。下塗り層の厚みが0.5μm未満であると、下引き層(B)2との接着性が不十分となり、一方、1.5μmを越えると、アウトガスの発生の原因となってしまう場合がある。
前記金属蒸着層に係る金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)などが挙げられる。金属の蒸着は、例えば、真空蒸着法などの慣用の方法により行うことができる。金属蒸着層の厚さは、通常、0.01〜2μm(好ましくは0.04〜1μm)である。金属蒸着層の厚さが0.01μm未満では、均一な蒸着層が得られにくく、一方、2μmを越えると金属蒸着層の層間剥離が起こりやすくなる。
本発明の剥離ライナーにおいて、積層構造における各層の厚みの構成比は、基材(A)と、該基材(A)のいずれか一方の面に形成された下引き層(B)及び剥離層(C)との厚みの割合[(基材(A)の厚み):(下引き層(B)の厚み+剥離層(C)の厚み)]が、9:1〜6:4(好ましくは、8:2〜7:3)の範囲から選択することができる。下引き層(B)及び剥離層(C)の厚みが、基材(A)の厚みに比べて厚すぎると、ラミネート成形後に、ポリエチレン系材料の収縮の影響により剥離ライナーにカールが生じ、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)の剥離ライナーとして用いた場合、微細な打抜き加工等の加工を行う際の作業に支障をきたしたり、打抜き加工時にポリエチレン系材料の伸びが大きくなるために切れ性が低下して、引きちぎられるような加工形状となったりするために好ましくない。
なお、押出しラミネート法において、均一な厚さの精度を確保するためには、下引き層(B)、剥離層(C)の厚さは、それぞれ、少なくとも7μm以上であることが好ましいが、この点を考慮した場合は、逆に、基材(A)の厚みの比が大きくなる場合があり、基材(A)の厚さが厚くなりすぎると剛性が高まり、作業時に不所望な浮きなどが発生しやすくなる。
剥離ライナーの総厚みは、40〜150μmであることが好ましく、さらに好ましくは50〜120μmである。なお、剥離ライナーが、基材(A)の一方の面のみに下引き層(B)及び剥離層(C)を有している場合は、剥離ライナーの総厚みは、40〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは50〜100μmである。剥離ライナーの総厚みがこの範囲内であると、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)の剥離ライナーとして用いた場合、剥離作業性や切断加工性などが充分確保することができる。なお、剥離ライナーの総厚みが薄すぎると(例えば、40μm未満であると)、剥離作業時のきっかけがつかみにくくなるため作業性が低下し、逆に、厚すぎると(例えば、基材(A)の一方の面のみに下引き層(B)及び剥離層(C)を有している場合は100μmを越えると)、剥離ライナー自身の剛性が高くなることにより作業時に不所望な浮きが発生してしまう場合がある。
剥離ライナーとしては、120℃において、10分間加熱した際に発生するトータルアウトガス量(アウトガスの全発生量)が、1μg/cm2以下(好ましくは0.8μg/cm2以下)であることが重要である。120℃にて10分間加熱した際のトータルアウトガス量が1μg/cm2以下であると、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)の剥離ライナーとして用いた場合、剥離ライナーからの転写に由来するアウトガス成分を低減又は抑制することができ、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)をHDDの内部に使用しても、腐食や誤作動を起こすおそれがない。一方、120℃にて10分間加熱した際のトータルアウトガス量が1μg/cm2を越えると、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)の剥離ライナーとして用いた場合、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)をHDDに実装させる際に、HDD用感圧性接着テープ(又はシート)の感圧性接着剤層(D)へ剥離ライナーからアウトガス成分が転写し、HDDの長期信頼性を著しく損なうおそれがある。
なお、前記アウトガス成分としては、例えば、炭素数8〜20程度の炭化水素成分の他、溶剤成分などであることが、本発明者らの検討により既に明らかになっている。
本発明の感圧性接着テープ(又はシート)としては、図2で示されているように、感圧性接着剤層(D)5上に、前記剥離ライナー4の剥離層(C)3と感圧性接着剤層(D)5とが接するように、前記剥離ライナー4が積層された形態を有している。なお、図2では、感圧性接着テープ(又はシート)7は、支持基材(E)6と感圧性接着剤層(D)5とが積層された形態を有している。
支持基材(E)6としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂等からなるプラスティックフィルムやシート並びにその発泡体;アルミ箔、ステンレス箔、銅箔などの金属箔;及びこれらの積層体などが用いられる。前記積層体として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等からなるポリエステルフィルムとアルミ箔や銅箔等の金属箔との積層体(ポリエステルフィルム/金属箔、ポリエステルフィルム/金属箔/ポリエステルフィルムなど)等が挙げられる。支持基材(E)6の厚さは、取扱性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には5〜300μm、好ましくは10〜200μmである。
感圧性接着剤層(D)5を構成する感圧性接着剤としては、種々の感圧性接着剤を選択使用できるが、1つの好ましい感圧性接着剤として、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系接着剤(アクリル系接着剤)が挙げられる。この接着剤は、溶液重合法、エマルション重合法などの重合法により得られるアクリル系重合体を主剤とし、これに必要により、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤などの各種の添加剤を加えて調製される。上記のアクリル系重合体は、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、これに必要により共重合可能な改質用モノマーとして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニルなどの他のモノマーを加えたモノマー混合物の共重合により製造できる。これらのアクリル系重合体を主剤とするアクリル系接着剤によれば、剥離性において極めて良好な結果が得られる。
また、他の好ましい感圧性接着剤としては、脂肪族系カーボネートジオールを必須のポリオール成分としたポリエステル系重合体を主剤とするポリエステル系接着剤が挙げられる。前記脂肪族系カーボネートジオールは、例えば、ブタンジオール等のジオール成分とエチレンカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られる。
感圧性接着剤の形態は特に限定されないが、取扱性等の面で、溶剤系、エマルション系、ホットメルト系(無溶剤系)などの形態が一般的である。また、前記アクリル系、ポリエステル系の各感圧性接着剤は、接着剤としての性能を損なわない範囲であれば、単独で用いるほか、2種以上の接着剤を従来公知の方法を用いて混合、攪拌したブレンド品を使用してもよい。例えば、前記アクリル系重合体とポリエステル系重合体とを共に含む接着剤を使用できる。
感圧性接着剤層(D)は、溶剤系、エマルション系又はホットメルト系などの接着剤を、例えば、剥離層(C)上に塗布し、乾燥することにより形成できる。感圧性接着剤層(D)の厚さは10〜200μm程度、好ましくは20〜150μm程度である。
なお、感圧性接着剤層(D)は中間層等を含んでいてもよい。中間層としては、薄葉体(例えば、プラスティックフィルムやシートならびにその発泡体、金属箔など)が挙げられる。中間層の厚みは、例えば、10〜100μm程度の範囲から選択することができる。
本発明の感圧性接着テープ又はシートは、上記の形態に限らず、種々の形態を採りうる。図4は本発明の感圧性接着テープ(又はシート)の他の例を示す概略断面図である。この例の感圧性接着テープ71では、支持基材(E)6の両側に感圧性接着剤層(D)5が設けられ、さらに2つの感圧性接着剤層(D)5上に前記の剥離ライナー4が、剥離層(C)3が感圧性接着剤層(D)5に接するように積層されている。この感圧性接着テープ71は、両面接着テープ(基材付き両面接着テープ)として使用される。
なお、図4で示される基材付き両面接着テープ71では、剥離ライナーとして基材(A)1の一方の面に下引き層(B)2及び剥離層(C)3が形成されているものを用いているので、2つの感圧性接着剤層(D)5上に剥離ライナー4が積層された構成を有しているが、基材付き両面接着テープとしては、基材(A)の両方の面に下引き層(B)及び剥離層(C)が形成されている剥離ライナーを用いることもでき、この場合は、支持基材(E)6の両側に形成された感圧性接着剤層(D)5のうちいずれか一方の感圧性接着剤層(D)5上に剥離ライナー4が積層された構成とすることができる。
また、図5は本発明の感圧性接着テープ(又はシート)のさらに他の例を示す概略断面図である。この例の感圧性接着テープ72では、剥離ライナー4の剥離層(C)3上に感圧性接着剤層(D)5が積層されており、支持基材(E)を有していない。この感圧性接着テープ72は、基材を有していない両面接着テープ(基材レス両面接着テープ)として使用される。
さらにまた、図6は本発明の感圧性接着テープ(又はシート)のさらに他の例を示す概略断面図である。この例の感圧性接着テープ73では、前記剥離ライナー4の基材(A)1上に感圧性接着剤層(D)5が設けられている。この感圧性接着テープ73は、巻き取ることにより、感圧性接着剤層(D)5と、剥離層(C)3とが積層される。
このように、本発明の感圧性接着テープ(又はシート)は、感圧性接着剤層(D)5上に、前記剥離ライナー4の剥離層(C)3と感圧性接着剤層(D)5とが接するように、前記剥離ライナー4が積層された形態を有していることが好ましい。すなわち、支持基材(E)6は設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。また、片面接着テープ(背面剥離性を有していない接着テープ、背面剥離性を有している接着テープなど)であってもよく、両面接着テープ(基材付き両面接着テープ、基材レス両面接着テープなど)であってもよい。
本発明の感圧性接着テープ又はシートは、例えば電子材料分野、特にコンピュータのハードディスク装置用のシリコーンフリー粘着テープ又はシートとして有用である。
以下、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
(実施例1)
エステルウレタン系アンカーコート剤(商品名「AD−527」東洋モートン社製):100部に、硬化促進剤(商品名「CAT HY−91」東洋モートン社製):7部を配合し、その後、固形分濃度が5重量%となるように酢酸エチルを加えて、アンカーコート剤(下塗り剤)溶液を調製した。
このアンカーコート剤溶液を、ロールコーターにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー S−105−50」東レ社製;厚み:50μm;基材(A))上に、厚さが1μm程度で塗布し(乾燥後の塗布厚さは0.1μmとなる)、80℃で乾燥させた。このアンカーコート層上に、タンデム方式にて、低密度ポリエチレン(商品名「L−1850A」旭化成サンテック社製)を、ダイ下温度:325℃にて、乾燥後の厚さが10μmとなるように、押し出し積層して、下引き層(B)を形成した。続いて、この下引き層(B)の上に、混合樹脂(商品名「モアテック 0628D」出光石油化学社製;直鎖状低密度ポリエチレンに対して低密度ポリエチレンを15重量%添加した混合樹脂)100部に対してエチレン−プロピレン共重合体(商品名「タフマーP0180」三井化学社製)10部を混合した樹脂組成物(剥離層(C)の構成成分)を、ダイ下温度:273℃にて、乾燥後の厚さが10μmとなるように、押し出し積層して、剥離層(C)を形成することにより、剥離ライナーを作製した。該剥離ライナーは、基材(A)としてのポリエチレンテレフタレートフィルムと、ラミネート樹脂層(下引き層(B)及び剥離層(C))との厚みの構成比が、5:2(ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚み:ラミネート樹脂層の厚み)であり、総厚みが70.17μmである。
一方、n−ブチルアクリレート:93部、アクリル酸:7部で、酢酸エチルを溶媒とし、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として、常法により溶液重合させて、重量平均分子量が150万のアクリル系ポリマーの溶液(固形分濃度:25重量%)を得た。この溶液に、架橋剤(商品名「コロネート L」日本ポリウレタン社製;トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物)をアクリル系ポリマー100部あたり2部の割合で配合して、粘着剤組成物の溶液(アクリル系感圧性接着剤)とした。
この粘着剤組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレート(厚み:50μm)−アルミニウム箔(厚み:7μm)からなる積層基材(商品名「アルミフクゴウヒンAL/PET 7−50」住軽アルミ箔社製;支持基材(E))上に塗布し、140℃で3分間乾燥して、厚さが25μmの粘着剤組成物の層(感圧性接着剤層(D))を形成した。その粘着面(感圧性接着剤層(D)の表面)に、上記剥離ライナーを剥離層(C)が接するように貼り合わせて、感圧性接着テープを作製した。
(実施例2)
基材(A)として、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「メタルミーTS#50」東洋メタライジング社製;厚さ:50μm)を用い、剥離層(C)の構成成分として、商品名「モアテック 0628D」(出光石油化学社製;直鎖状低密度ポリエチレンに対して低密度ポリエチレンを15重量%添加した混合樹脂)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、剥離ライナーおよび感圧性接着テープを作製した。
(比較例1)
基材(A)としてポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ダイヤホイル T−100G50」三菱化学ポリエステルフィルム社製;厚み:50μm)を用い、下引き層(B)及び剥離層(C)の厚みを各22.5μmとしたこと以外は、実施例2と同様にして、剥離ライナーおよび感圧性接着テープを作製した。
(比較例2)
直鎖状低密度ポリエチレン(商品名「ジェイレクスLL AC41SA」日本ポリオレフィン社製):100部と、ブロッキング防止剤(商品名「BB−32」出光石油化学社製):2.5部と、エチレン−プロピレン共重合体(商品名「タフマーP0180」三井化学社製):15部との混合樹脂を、インフレーション成形方法により、押出し温度:220℃、ブロー比:1.38、ダイ口径:500mmφ、ダイギャップ:2mm、折り径:1065mm、引き取り速度:25m/minの条件にて、シート厚さ25μmの剥離フィルムを作製した。
エステルウレタン系アンカーコート剤(商品名「AD−57」東洋モートン社製):100部に、硬化促進剤(商品名「CAT HY−91」東洋モートン社製):7部を配合し、その後、固形分濃度が30重量%となるように酢酸エチルを加えて、アンカーコート剤(下塗り剤)溶液を調製した。この下塗り剤溶液を、バーコーターにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー S−27−50」東レ社製;厚み:50μm;基材)上に、乾燥後の塗布厚さが3μmとなるように塗布し80℃で乾燥させて、下塗り剤層を形成した。
この下塗り剤層上に、前記剥離フィルムをドライラミネート方法により、貼り合わせて、剥離ライナーを作製した。該剥離ライナーは、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルムと、ラミネート樹脂層(剥離フィルム)との厚みの構成比が、2:1(ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚み:ラミネート樹脂層の厚み)であり、総厚みが78μmである。
以下、この剥離ライナーを用いること以外は、実施例1と同様にして、感圧性接着テープを作製した。
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー S−27−38」東レ社製;厚み:38μm;基材)上に、アクリル系重合体からなる粘着剤層(厚み:10μm)を介して、商品名「TUX VCS#60」(東セロ社製;線状低密度ポリエチレンの3層構成で厚さが60μmのTダイキャストフィルム;剥離フィルム)をドライラミネート方法により貼り合わせて、剥離ライナーを作製した。該剥離ライナーは、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルムと、ラミネート樹脂層(剥離フィルム)との厚みの構成比が、38:60(ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚み:ラミネート樹脂層の厚み)であり、総厚みが108μmである。
以下、この剥離ライナーを用いること以外は、実施例1と同様にして、感圧性接着テープを作製した。
(評価)
上記実施例及び比較例に係る剥離ライナー及び感圧性接着テープについて、下記に示す方法により、剥離ライナーの加熱発生アウトガス量、感圧性接着テープからの剥離ライナーの引き剥がし時の抵抗力(いわゆる「剥離力」)、および剥離ライナーの加工性に関するテストを行い、剥離ライナーの加熱発生アウトガス量、剥離性、加工適性について評価した。評価結果は表1に示した。
[剥離ライナーの加熱発生アウトガス量の測定試験]
剥離ライナーをパージ&トラップヘッドスペースサンプラーにより、120℃で10分間加熱し、発生したガスをトラップし、このトラップされた成分について、ガスクロマトグラフ/質量分析計による測定を行った。発生ガス量はn−デカン標準により換算し、単位面積当たりの発生ガス量(単位:μg/cm2)として算出した。なお、測定結果は、表1の「加熱発生アウトガス量」の欄に示した。
[剥離性試験]
感圧性接着テープを50mm幅に切断した試験片を作製し、該試験片の剥離ライナー側を23℃且つ60%RHの雰囲気中で、万能引張試験機にて、180°方向に、クロスヘッドのスピードを300mm/minの速度で引き剥がして、該引き剥がす際の抵抗力(剥離力)(単位:N/50mm幅)を測定した。なお、測定結果は、表1の「剥離性」の欄に示した。
[加工適性試験]
感圧性接着テープを、簡易型のダイセット金型にセットし、6mmφの円形に打抜き加工し、その際の切断面の状態を拡大鏡により観察し、下記の評価基準により加工適性を評価した。なお、評価結果は、表1の「加工適性」の欄に示した。
・評価基準
○:良好に切断されている。
×:剥離ライナーの伸びにより良好に切断されていない、またはヒゲなどが観察される。
Figure 2006297948
表1の結果から明らかなように、本発明に該当する実施例1及び2に係る感圧性接着テープは、比較例1〜3に係る接着テープに比べ、加熱発生アウトガス量が少なく、HDDの内部に使用しても、HDDに対して悪影響を及ぼさない。しかも、剥離ライナーの積層構造が、さらには製造方法も、適切であるため、良好は剥離性や加工適性を有している。また、紙基材などの汚染源となる基材が用いられていないので、クリーン度も良好である。しかも、各層が適切な厚みで構成されているので、剥離ライナーの製造工程等でカールが生じない。
本発明の剥離ライナーの一例を示す概略断面図である。 本発明の感圧性接着テープ(又はシート)の一例を示す概略断面図である。 タンデム方式により本発明の剥離ライナーを製造する場合の一例を示す概略図である。 本発明の感圧性接着テープ(又はシート)の他の例を示す概略断面図である。 本発明の感圧性接着テープ(又はシート)のさらに他の例を示す概略断面図である。 本発明の感圧性接着テープ(又はシート)のさらに他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 A層としての基材(A)
2 B層としての下引き層(B)
3 C層としての剥離層(C)
4 剥離ライナー
5 感圧性接着剤層(D)
6 支持基材(E)
7 感圧性接着テープ
71 感圧性接着テープ
72 感圧性接着テープ
73 感圧性接着テープ
8 繰り出し部
9 下引き層(B)用のダイス(第1ダイス)
10 剥離層(C)用のダイス(第2ダイス)
11 巻き取り部
12 乾燥オーブン
13 下塗り層用コーター

Claims (5)

  1. 下記のA層、B層およびC層を有する剥離ライナーであって、A層と、該A層のいずれか一方の面に形成されたB層及びC層との厚みの割合が(A層の厚み):(B層の厚み+C層の厚み)=9:1〜6:4であるとともに、剥離ライナーの総厚みが40〜150μmであり、且つ120℃にて10分間加熱した際のトータルアウトガス量が1μg/cm2以下であることを特徴とする剥離ライナー。
    A層:基材(A)
    B層:A層の少なくとも一方の面に形成され、且つ低密度ポリエチレンにより構成された下引き層(B)
    C層:B層上に積層され、且つ直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体から選択された少なくとも2種のエチレン系ポリマーからなる混合樹脂組成物により構成された剥離層(C)
  2. 基材(A)が、ポリプロピレン又はポリエステルにより構成されたフィルム又はシートである請求項1記載の剥離ライナー。
  3. 基材(A)の少なくとも一方の面に、下引き層(B)および剥離層(C)が、タンデム方式により積層されている請求項1又は2記載の剥離ライナー。
  4. 感圧性接着剤層(D)上に、請求項1〜3の何れかの項に記載の剥離ライナーが、感圧性接着剤層(D)と剥離層(C)とが接するように積層されている感圧性接着テープ又はシート。
  5. ハードディスクドライブ用感圧性接着テープ又はシートである請求項4記載の感圧性接着テープ又はシート。
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