JP2006297909A - アクチュエータ装置及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

アクチュエータ装置及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して信頼性を向上すると共に製造コストを低減し、且つ均一で優れた圧電特性の圧電素子を有するアクチュエータ装置及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】基板10の一方面に形成された振動板と、該振動板上に形成された下電極60、圧電体層70及び上電極80からなる圧電素子300と、前記上電極80から前記振動板上まで前記圧電素子300の一側面を介して引き出された引き出し配線90とを具備し、前記圧電素子300の前記引き出し配線90が形成される一側面に前記下電極60の端面が露出されると共に、少なくとも前記下電極60の端面と前記引き出し配線との間には中空部93を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位により振動板を変形させるアクチュエータ装置及びその製造方法並びにアクチュエータ装置を用いて液体を噴射させる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
電圧を印加することにより変位する圧電素子を具備するアクチュエータ装置は、例えば、液滴を噴射する液体噴射装置に搭載される液体噴射ヘッドの液体吐出手段として用いられる。このような液体噴射装置としては、例えば、ノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置が知られている。
インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードのアクチュエータ装置を搭載したものと、たわみ振動モードのアクチュエータ装置を搭載したものの2種類が実用化されている。そして、たわみ振動モードのアクチュエータ装置を使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電体膜を形成し、この圧電体層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けることによって各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。
このような圧電素子としては、下電極、圧電体層及び上電極で構成され、且つ圧電体層の一側面に下電極の端面が露出されたものがある(例えば、特許文献1参照)。このような構成では、上電極から振動板上まで引き出された引き出し配線と下電極とが短絡してしまうため、引き出し配線を絶縁性を有する絶縁膜を介して形成することで、引き出し配線と下電極とを絶縁している。
しかしながら、このような絶縁膜は、圧電素子の変形を阻害しないようにできるだけ薄い厚さで形成するのが好ましいものの、絶縁膜を薄く形成すると圧電素子の側面へのカバーリングが悪くなり、引き出し配線と下電極膜とが短絡してしまう虞があり信頼性が低いという問題がある。また、下電極膜と引き出し配線とを確実に絶縁するには、絶縁膜の膜厚を厚く形成しなくてはならず、圧電素子の変位特性が悪化してしまうと共に製造コストが増大してしまうという問題がある。
また、アクチュエータ装置に用いられる圧電素子は、基板上に振動板膜を介して下部電極を形成し、この下部電極上に圧電体前駆体膜を形成して焼成することにより結晶化させて圧電体膜を形成した後、圧電体膜及び下部電極を所定形状にパターニングし、その後、圧電体膜上に更に圧電体前駆体膜を形成して焼成する工程を複数回繰り返して複数の圧電体膜からなる圧電体層を形成し、この圧電体層上に上部電極を形成することで製造される(例えば、特許文献2参照)。
このような圧電素子の製造方法では、2層目以降の圧電体膜を形成する前に、1層目の圧電体膜及び下部電極を所定形状にパターニングしている。このため、2層目以降の圧電体膜を形成する際に、基板上には下部電極が形成された領域と下部電極が形成されていない領域とがそれぞれ存在している。そして、このような基板上に下部電極の形成領域と非形成領域とに亘って圧電体前駆体膜を形成した後、これを焼成して圧電体前駆体膜を結晶化させる際に、下部電極の形成領域と、下部電極の非形成領域(振動板膜が露出した領域)との熱吸収の差から、圧電体前駆体膜の焼成ムラが生じてしまう。すなわち、2層目以降の圧電体膜の結晶成長は、下部電極の形成領域と非形成領域とで差が生じることになり、得られた圧電体層の結晶性にばらつきが生じ、その結果、圧電体層の圧電特性にばらつきが発生するという問題がある。また、圧電体層の結晶性にばらつきが生じると、圧電体層の耐電圧が低下する虞もある。
このような問題を有する圧電体層を備えた圧電素子においては、均一な圧電特性が得られず、場合によっては電圧印加時に破壊される等の問題が発生してしまう。また、このような圧電素子をインク滴の吐出手段として備えたインクジェット式記録ヘッドにおいては、インク吐出特性が悪く、圧電素子の破壊によって故障等が発生するため、信頼性が低いという問題がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置だけでなく、他の装置に搭載されるアクチュエータ装置においても同様に存在する。
特開平10−211701号公報(第11頁、第24〜25図) 特開2002−314163号公報(段落[0056]〜段落[0057])
本発明はこのような事情に鑑み、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して信頼性を向上すると共に製造コストを低減し、且つ均一で優れた圧電特性の圧電素子を有するアクチュエータ装置及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板の一方面に形成された振動板と、該振動板上に形成された下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、前記上電極から前記振動板上まで前記圧電素子の一側面を介して引き出された引き出し配線とを具備し、
前記圧電素子の前記引き出し配線が形成される一側面に前記下電極の端面が露出されると共に、少なくとも前記下電極の端面と前記引き出し配線との間には中空部を有することを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第1の態様では、下電極の端面と引き出し配線との間が中空部によって離されているため、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して両者の短絡を防止することができ信頼性を向上することができる。また、圧電素子の側面に絶縁膜を厚く形成する必要がないため、絶縁膜を厚く形成してしまうことで発生する圧電素子の変位特性の低下も招来しない。また、圧電素子の下電極と引き出し配線とを中空部で絶縁することで、パターニングされていない下電極上に圧電体層を圧電特性が均一となるように形成することができる。
本発明の第2の態様は、前記圧電素子の少なくとも前記一側面上に絶縁膜を形成し、前記中空部が、前記引き出し配線と前記絶縁膜との間の前記一側面に亘って設けられていることを特徴とする第1の態様のアクチュエータ装置にある。
かかる第2の態様では、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して両者の短絡を防止することができ、信頼性をさらに向上することができる。また、中空部を形成する際のサイドエッチングにより圧電素子の端面がダメージを受けることを防止することができる。
本発明の第3の態様は、前記中空部の厚さが、前記振動板上に形成された密着層の厚さより薄いことを特徴とする第1又は第2の態様のアクチュエータ装置にある。
かかる第3の態様では、密着層をエッチングすることによりパターニングする際に、密着層の厚さの薄い領域をサイドエッチングにより除去して中空部を容易に形成することができる。
本発明の第4の態様は、前記下電極の端部が前記圧電体層の端部よりも内側に設けられることによって前記下電極の端部と前記引き出し配線との間に前記中空部が設けられていることを特徴とする第1〜3の何れかの態様のアクチュエータ装置にある。
かかる第4の態様では、下電極の端部を圧電体層の端部よりも内側に設けることによって、中空部を形成することで、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁することができる。また、部品点数を低減してコストを低減することができる。
本発明の第5の態様は、前記下電極が、タングステンからなることを特徴とする第1〜4の何れかの態様のアクチュエータ装置にある。
かかる第5の態様では、下電極としてタングステンを用いることで、高融点金属で下電極上に圧電体層を焼成により形成することができると共に、導電性に優れたものとすることができる。
本発明の第6の態様は、前記下電極の端部と前記引き出し配線との端部との距離は、前記圧電素子に印加される電圧に対して、1nm/V以上であることを特徴とする第1〜5の何れかの態様のアクチュエータ装置にある。
かかる第6の態様では、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁することができる。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様のアクチュエータ装置をノズル開口から液体を噴射させる液体噴射手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第7の態様では、信頼性を向上すると共にコストを低減した液体噴射ヘッドを実現できる。
本発明の第8の態様は、第7の態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第8の態様では、信頼性を向上すると共にコストを低減した液体噴射装置を実現できる。
本発明の第9の態様は、基板の一方面に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を、該圧電素子の前記上電極から前記振動板上まで引き出される引き出し配線が形成される一側面を前記振動板の面方向に直交する方向に対して傾斜した傾斜面となるように形成し、且つ前記傾斜面に前記下電極の端面を露出させて形成する工程と、少なくとも前記引き出し配線が形成される領域に絶縁性を有する絶縁膜を形成する工程と、前記流路形成基板上の前記圧電素子上及び前記絶縁膜上の全面に前記傾斜面上の少なくとも前記下電極に相対向する領域に前記振動板上の厚さよりも薄い厚さの薄肉部を有する密着層を形成する工程と、前記密着層上に前記上電極から引き出される引き出し配線を形成する工程と、前記引き出し配線をマスクとして前記密着層をエッチングすることにより、前記密着層の前記引き出し配線と前記絶縁層との間以外の領域を除去すると共に、前記薄肉部をサイドエッチングにより除去して前記絶縁膜と前記引き出し配線との間に中空部を形成する工程とを具備することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第9の態様では、下電極の端面と引き出し配線との間が中空部によって離されているため、絶縁膜を薄く形成することで圧電素子の一側面のカバーリングが悪くなったとしても下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して両者の短絡を防止することができ信頼性を向上することができる。また、密着層をエッチングすることによりパターニングした際に、同時にサイドエッチングにより中空部を形成することができるため、製造工程を増やすことなく中空部を形成することができ、製造コストを低減することができる。
本発明の第10の態様は、前記圧電素子を形成する工程では、前記基板上に前記振動板を介して前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極を積層形成する工程と、前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極をマスクを介して連続的にドライエッチングする工程とを具備することを特徴とする第9の態様のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第10の態様では、圧電素子の一側面を傾斜面となるように容易に形成することができると共に、傾斜面の傾斜角度を調整することができ、傾斜面上に密着層の薄肉部を容易に形成することができる。
本発明の第11の態様は、基板の一方面の全面に亘って振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を形成すると共に前記圧電素子をパターニングする際に、前記下電極を選択的にウェットエッチングでサイドエッチングすることにより、前記下電極の端部を前記圧電体層の端部よりも内側に形成し、その後、前記圧電素子の上電極から前記振動板上まで引き出される引き出し配線を形成することにより、前記引き出し配線と前記下電極の端部との間に中空部を形成することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第11の態様では、下電極の端部と引き出し配線との間が中空部によって離されているため、下電極と引き出し配線とを確実に絶縁して両者の短絡を防止することができ信頼性を向上することができる。また、基板上の全面に亘って圧電素子を形成した後、圧電素子をパターニングすることで、圧電体層を焼成して形成する際に、下地の影響による圧電体層の結晶化が不均一になるのを防止することができ、均一な圧電特性を有する圧電素子を形成することができると共に、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。また、圧電素子をパターニングした後、下電極のみを選択的にウェットエッチングでサイドエッチングすることで容易に中空部を形成することができると共に、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
本発明の第12の態様は、前記圧電素子をパターニングする際に、前記圧電体層及び前記上電極をマスクを介して連続的にドライエッチングしてパターニングした後、前記下電極をマスクを介してウェットエッチングしてパターニングすると共に同時にサイドエッチングすることを特徴とする請求項11記載のアクチュエータ装置の製造方法にある。
かかる第12の態様では、圧電素子をパターニングすることで、圧電体層を焼成して形成する際に、下地の影響による圧電体層の結晶化が不均一になるのを防止することができ、均一な圧電特性を有する圧電素子を形成することができると共に、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。また、下電極をマスクを介してウェットエッチングすることで、確実に下電極をサイドエッチングさせることができるため、引き出し配線と下電極の端部との間に十分な空間を有する中空部を確保できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図並びにその要部拡大断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態ではシリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。
この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が並設され、その長手方向外側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、二酸化シリコンからなり厚さが例えば、約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなり厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が積層形成されている。また、この絶縁体膜55上には、厚さが約0.1〜0.5μmの下電極膜60と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなり厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、金、白金又はイリジウム等からなり厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。
ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室12毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータ(特許請求の範囲に記載の「アクチュエータ装置」の一例)と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55が振動板として作用するが、本実施形態では、図1に示すように下電極膜60が複数の圧電素子300の幅方向に亘って形成されているため、下電極膜60の一部も振動板として作用する。勿論、弾性膜50、絶縁体膜55を設け
ずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としても良い。
このような圧電素子300には、上電極膜80から圧電素子300の一側面を介して引き出される引き出し配線としてリード電極90が形成されている。なお、リード電極90としては、例えば、金(Au)及びアルミニウム(Al)などが挙げられる。また、リード電極90の端部には、詳しくは後述する駆動回路110と接続されたボンディングワイヤ等の接続配線120が接続される。
また、圧電素子300のリード電極90が引き出される一側面は、絶縁体膜55の面方向に直交する方向に対して傾斜した傾斜面301となっている。本実施形態では、リード電極90を圧電素子300の長手方向の一端部側から引き出すようにし、圧電素子300の長手方向の断面が台形状となるようにした。また、下電極膜60の端面は、圧電素子300の傾斜面301に露出し、傾斜面301を構成している。すなわち、本実施形態では、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80の端面は、圧電素子300の側面で面一となるように形成されている。
なお、このような圧電素子300は、詳しくは後述するが、流路形成基板10上に下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を順次積層形成し、上電極膜80及び圧電体層70を連続的にイオンミリング等のドライエッチングすることにより所望の傾斜角度で傾斜面301を形成してパターニングすることができる。
また、リード電極90は、絶縁性を有する絶縁膜91と、絶縁膜91との密着性を向上する導電性を有する密着層92とを介して設けられている。
絶縁膜91は、少なくともリード電極90と圧電素子300との間に設けられ、下電極膜60の端面とリード電極90(密着層92)とが圧電素子300の傾斜面301で短絡しないように、両者を絶縁している。本実施形態では、絶縁膜91をリード電極90が形成される領域にのみ形成するようにしたが、圧電素子300全体を覆うように絶縁膜91を形成すれば、万が一外部から水分が圧電素子保持部内に浸入しても当該水分から圧電素子300を保護することができる。また、中空部93の形成工程の詳細については後述するが、中空部93をウェットエッチングでサイドエッチングして形成する際に、圧電素子300がエッチング液に触れるのを防止する役割も担う。このような絶縁膜91としては、例えば、絶縁性を有する無機材料、例えば、酸化アルミニウム(AlO)、酸化タンタル(TaO)等が挙げられるが、無機アモルファス材料である、例えば、酸化アルミニウム(Al)等を用いるのが好ましい。
なお、絶縁膜91には、上電極膜80上で厚さ方向に貫通したコンタクトホール91aが設けられており、リード電極90(密着層92)は、絶縁膜91のコンタクトホール91aを介して上電極膜80と電気的に接続されている。
また、密着層92は、絶縁膜91とリード電極90との間に設けられており、絶縁膜91とリード電極90との密着性を確保するために形成されている。本実施形態では、密着層92をリード電極90と絶縁膜91との間の圧電素子300の傾斜面301に相対向する領域以外の領域に設けた。すなわち、密着層92は、圧電素子300の傾斜面301に相対向する領域が除去されて、絶縁膜91とリード電極90とで画成された中空部93が設けられている。つまり、中空部93は、下電極膜60の端面が圧電素子300の傾斜面301に露出した部分と、リード電極90との間に形成されている層の一部を除去して形成される。
なお、密着層92としては、導電性を有する材料が挙げられ、例えば、リード電極90にアルミニウム(Al)を用いた場合には、例えば、チタンタングステン(TiW)を用いることができる。また、例えば、リード電極90に金(Au)を用いた場合には、チタンタングステン(TiW)やニッケルクロム(NiCr)等を用いることができる。
また、本実施形態の中空部93は、詳しくは後述するが、密着層92を流路形成基板10の全面に形成後、リード電極90をマスクとしてウェットエッチングする際に、傾斜面301に相対向する領域の密着層92をサイドエッチングにより除去することで形成することができる。このように傾斜面301上に形成された密着層92をサイドエッチングするには、密着層92の傾斜面301上の厚さを絶縁体膜55上よりも薄くすることで行うことができる。すなわち、このように形成された中空部93は、絶縁体膜55上の密着層92の厚さよりも薄く形成されていることになる。また、このような傾斜面301上の除去される密着層92の厚さは、圧電素子300の傾斜面301の傾斜角度によって適宜調整することができる。
このように、下電極膜60の端面とリード電極90との間に中空部93を形成することにより、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁して両者の短絡を確実に防止することができる。また、絶縁膜91の膜厚を薄くして、圧電素子300の変形が阻害されるのを防止することができると共に、薄い絶縁膜91によって傾斜面301のカバーリングが悪くても、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁することができるため、信頼性を向上することができる。
また、このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、下電極膜60、弾性膜50及びリード電極90上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接着剤34を介して接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。保護基板30は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路110が固定されている。この駆動回路110としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路110とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線120を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
また、このリザーバ100の長手方向略中央部外側のコンプライアンス基板40上には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が形成されている。さらに、保護基板30には、インク導入口44とリザーバ100の側壁とを連通するインク導入路35が設けられている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口44からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。まず、図3(a)に示すように、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50及び保護膜51となる二酸化シリコン膜52を形成する。次いで、図3(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、ジルコニウム(Zr)層を形成後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図3(c)に示すように流路形成基板10の全面に亘ってイリジウム又は白金等の下電極膜60と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70と、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80とを順次積層形成する。
ここで、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法等を用いてもよい。
次いで、図3(d)に示すように、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を連続的にドライエッチングすることにより、各圧力発生室12に対向する領域に圧電素子300を形成する。なお、圧電素子300を形成する際のドライエッチングとしては、イオンミリングが挙げられる。
また、本実施形態では、圧電素子300の長手方向の断面が台形状とし、長手方向の一端面が絶縁体膜55の面方向に直交する方向に対して傾斜した傾斜面301となるように形成した。この傾斜面301の傾斜角度については、詳しくは後述するが、傾斜面301上に所望の厚さの密着層92が形成されるように適宜決定すればよい。なお、圧電素子300の傾斜面301は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を連続してドライエッチングする際のイオンビームの照射角度を傾斜させること、またはフォトレジスト等のマスク材料の端面形状を傾斜させてから、マスク材料を用いたポストベークすることにより形成することができる。
次いで、図4(a)に示すように、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、酸化アルミニウム(Al)等からなる絶縁膜91を形成後、所定形状にパターニングする。また、このとき、同時に絶縁膜91にコンタクトホール91aを形成する。
次いで、図4(b)に示すように、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、チタンタングステン(TiW)からなる密着層92を形成する。密着層92は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。このとき、密着層92は、圧電素子300の傾斜面301に相対向する領域では、絶縁体膜55上の厚さに比べて薄い薄肉部92aが形成される。このような薄肉部92aは、圧電素子300の一側面が傾斜面301となっているため、スパッタリング法により密着層92を形成するだけで、薄く形成される。すなわち、薄肉部92aは傾斜面301の傾斜角度によって所望の厚さで形成することができる。
次いで、図4(c)に示すように、流路形成基板10の全面に亘ってアルミニウム(Al)からなるリード電極90を形成後、各圧電素子300毎にパターニングする。
次いで、図4(d)に示すように、リード電極90をマスクとして、密着層92をウェットエッチングすることによりパターニングする。このとき、密着層92のリード電極90以外の領域がウェットエッチングにより除去されると共に、絶縁体膜55上の厚さよりも薄く形成された傾斜面301上の薄肉部92aは、サイドエッチングにより除去される。これにより、圧電素子300の傾斜面301に相対向する領域に絶縁膜91とリード電極90との間で画成された中空部93が形成される。
なお、傾斜面301上でサイドエッチングにより除去される密着層92のエッチングレートは、リード電極90の材料と密着層92の材料との電位差により決まるため、リード電極90の材料と密着層92の材料とによって傾斜面301上の密着層92の厚さを適宜決定すればよい。例えば、本実施形態のように、リード電極90としてアルミニウム(Al)を用い、密着層92としてチタンタングステン(TiW)を用いた場合には、傾斜面301上の薄肉部92aの厚さを、絶縁体膜55上の密着層92の厚さの1/10以下とすればよい。このように、傾斜面301上の薄肉部92aを所定の厚さとするためには、傾斜面301の傾斜角度を絶縁体膜55の面に対して70度以上、90度未満とすればよい。また、例えば、リード電極90として金(Au)を用い、密着層92としてチタンタングステン(TiW)又はニッケルクロム(NiCr)を用いた場合には、傾斜面301上の薄肉部92aの厚さを、絶縁体膜55上の密着層92の厚さの1/2以下とすればよい。この場合には、傾斜面301の傾斜角度は、絶縁体膜55の面に対して70度以下とすることができる。
このように、本実施形態では、密着層92をリード電極90をマスクとしてウェットエッチングすることにより同時に薄肉部92aをサイドエッチングにより除去して中空部93が形成されるため、中空部93を形成する工程を別途設ける必要がなく製造コストを低減することができる。また、中空部93を形成することによって、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁して両者の短絡を防止することができる。また、絶縁膜91の膜厚を薄くして、圧電素子300の変形が阻害されるのを防止することができると共に、薄い絶縁膜91によって傾斜面301のカバーリングが悪くても、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁することができるため、信頼性を向上することができる。
次に、図5(a)に示すように、パターニングされた複数の圧電素子300を保持する保護基板30を、流路形成基板10上に例えば接着剤34によって接合する。なお、保護基板30には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されている。また、保護基板30は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコン単結晶基板からなり、保護基板30を接合することで流路形成基板10の剛性は著しく向上することになる。
次に、図5(b)に示すように、流路形成基板10の圧電素子300が形成された面とは反対側の二酸化シリコン膜52を所定形状にパターニングすることで保護膜51を形成し、保護膜51をマスクとして流路形成基板10をKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、流路形成基板10に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。
その後は、流路形成基板10の保護基板30とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板30にコンプライアンス基板40を接合することで、図1に示すようなインクジェット式記録ヘッドが形成される。
なお、実際には、上述した一連の膜形成及び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することでインクジェット式記録ヘッドが形成される。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図及び要部拡大断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドには、流路形成基板10上に弾性膜50、絶縁体膜55を介して下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80からなる圧電素子300が形成されている。また、圧電素子300の下電極膜60の端部は、圧電体層70の端部よりも内側に形成されている。これにより、下電極膜60の端部とリード電極90との間に中空部93Aが形成されている。
ここで、下電極膜60とリード電極90との間隔、すなわち中空部93Aの幅は、圧電素子300に印加する電圧に対して1nm/V以上であるのが好ましい。例えば、圧電素子300に印加する電圧が30Vの場合には、中空部93Aの幅は、30nm以上である。このように、中空部93Aの幅を圧電素子300に印加する電圧に対して1nm/V以上とすることで、リード電極90と下電極膜60との短絡を確実に防止することができる。
なお、下電極膜60としては、詳しくは後述するが、圧電体層70を焼成する焼成温度に耐えられる高融点金属であると共に、ウェットエッチングでサイドエッチングされる材料で、且つ導電性に優れた材料が好ましく、例えば、タングステン(W)などが挙げられる。
また、本実施形態では、圧電素子300の側面を傾斜させないようにしたが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1と同様に、圧電素子300の側面を傾斜させるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、リード電極90は、圧電素子300の上電極膜80の一端部に電気的に直接接続されるように設けられている。すなわち、本実施形態では、上述した実施形態1の絶縁膜91及び密着層92が設けられていない構成となっている。
このような圧電素子300及びリード電極90を有するアクチュエータ装置を有するインクジェット式記録ヘッドとしても、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁して両者の短絡を確実に防止することができ、信頼性を向上することができる。
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法について図7及び図8を参照して説明する。なお、図7及び図8は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。
まず、上述した実施形態1と同様に、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10に弾性膜50及び保護膜51を形成し、弾性膜50上に絶縁体膜55を形成する。そして、流路形成基板10上の絶縁体膜55上の全面に亘って下電極膜60を形成する。なお、下電極膜60としては、詳しくは後述するが、圧電体層70を焼成する焼成温度に耐えられる高融点金属であると共に、ウェットエッチングによってサイドエッチングされる材料で、且つ導電性に優れた材料が好ましく、例えば、タングステン(W)などが挙げられる。
次に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70を形成する。ここで、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛に限定されず、例えば、リラクサ強誘電体(例えば、PMN−PT、PZN-PT、PNN-PT等)の他の圧電材料を用いてもよい。また、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法等を用いてもよい。
圧電体層70の具体的な形成手順としては、まず、図7(a)に示すように、下電極膜60上にPZT前駆体膜である圧電体前駆体膜71を成膜する。すなわち、下電極膜60が形成された流路形成基板10上に金属有機化合物を含むゾル(溶液)を塗布する(塗布工程)。次いで、この圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。例えば、本実施形態では、圧電体前駆体膜71を170〜180℃で8〜30分保持することで乾燥することができる。また、乾燥工程での昇温レートは0.5〜1.5℃/secが好適である。なお、ここで言う「昇温レート」とは、加熱開始時の温度(室温)と到達温度との温度差の20%上昇した温度から、温度差の80%の温度に達するまでの温度の時間変化率と規定する。例えば、室温25℃から100℃まで50秒で昇温させた場合の昇温レートは、(100−25)×(0.8−0.2)/50=0.9[℃/sec]となる。
次に、乾燥した圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。例えば、本実施形態では、圧電体前駆体膜71を300〜400℃程度の温度に加熱して約10〜30分保持することで脱脂した。なお、ここで言う脱脂とは、圧電体前駆体膜71に含まれる有機成分を、例えば、NO2、CO2、H2O等として離脱させることである。また、脱脂工程では、昇温レートを0.5〜1.5℃/secとするのが好ましい。
そして、このような塗布・乾燥・脱脂の工程を、所定回数、例えば、本実施形態では、2回繰り返すことで、図7(b)に示すように、圧電体前駆体膜71を所定厚に形成する。なお、本実施形態では、塗布工程・乾燥工程・脱脂工程を2回繰り返すことで所定厚の圧電体前駆体膜71を形成したが、勿論、繰り返し回数は2回に限らず、1回のみでもよいし、3回以上でもよい。
その後、図7(b)に示すように、圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって結晶化させ、圧電体膜72を形成する(焼成工程)。焼成工程では、圧電体前駆体膜71を680〜900℃に加熱するのが好ましく、本実施形態では、680℃で5〜30分間加熱を行って圧電体前駆体膜71を焼成して圧電体膜72を形成した。ここで、焼成工程における加熱方法は特に限定されないが、例えば、RTA(Rapid Thermal Annealing)法等を用いて、昇温レートを比較的速くすることが好ましい。例えば、本実施形態では、赤外線ランプの照射により加熱するRTP(Rapid Thermal Processing)装置を用いて、圧電体膜を比較的速い昇温レートで加熱した。なお、圧電体膜を焼成する際の昇温レートは、50℃/sec以上が好ましい。また、乾燥工程及び脱脂工程で用いられる加熱装置としては、例えば、ホットプレートや、RTP装置などを用いることができる。
そして、上述した塗布工程、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程からなる圧電体膜形成工程を複数回繰り返すことで、図7(c)に示すように複数層の圧電体膜72からなる所定厚さの圧電体層70を形成する。例えば、ゾルの1回あたりの膜厚が0.1μm程度の場合には、例えば、10層の圧電体膜72からなる圧電体層70全体の膜厚は約1.1μm程度となる。このように、圧電体層70を形成する際に、焼成工程で下電極膜60も同時に約680℃に加熱される。このため、下電極膜60としては、圧電体層70を焼成する焼成温度に耐えられる高融点金属である必要がある。本実施形態では、下電極膜60としてタングステン(W)を用いたため、圧電体層70の焼成工程でも十分耐えられるものである。
そして、図7(a)〜図7(c)に示す工程によって圧電体層70を形成した後は、図8(a)に示すように、例えば、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80を流路形成基板10の全面に形成し、上電極膜80及び圧電体層70を連続的にドライエッチングすることで各圧力発生室12毎にパターニングする。このとき、下電極膜60が同時にパターニングされないようにする。なお、上電極膜80及び圧電体層70のパターニングは、例えば、所定形状のマスクを介したイオンミリングで行うことができる。また、本実施形態では、上電極膜80及び圧電体層70の側面が垂直となるように形成したが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態1と同様に、上電極膜80及び圧電体層70の側面が傾斜するようにパターニングしてもよい。そして、図8(b)に示すように、パターニングされた上電極膜80上と、下電極膜60上の圧力発生室12が並設された領域に対応する領域上とにレジスト400を形成して下電極膜60を選択的にウェットエッチングすることによりパターニングして、各圧力発生室12に対向する領域に圧電素子300を形成する。また、この下電極膜60のウェットエッチングによるパターニングでは、下電極膜60を選択的にウェットエッチングでサイドエッチングすることにより、下電極膜60の端部を圧電体層70の端部よりも内側にする。なお、下電極膜60のみを選択的にウェットエッチングできるエッチング液としては、例えば、過酸化水素(H)水溶液が挙げられる。また、下電極膜60のエッチングされた端部の位置は、エッチング時間を調整することで適宜変更することができる。
このように、本実施形態では、流路形成基板10上の全面に亘って下電極膜60を形成した後、下電極膜60上に圧電体層70及び上電極膜80を形成し、上電極膜80及び圧電体層70を先ず連続的にパターニングするようにし、所定領域を覆うレジスト400を形成して下電極膜60をウェットエッチングでパターニングしているため、圧電体層70を形成する際に、圧電体層70の下地となる流路形成基板10の全面に亘って下電極膜60が形成されていることになり、圧電体層70が形成される際の下地を同一にして、圧電体層70の焼成ムラをなくし、均一な圧電特性の圧電体層70を得ることができる。すなわち、例えば、下電極膜60をパターニングした後に流路形成基板10の全面に亘って圧電体層70を形成する場合、圧電体前駆体膜71の焼成時に下部電極の形成領域と、下部電極の非形成領域(振動板膜が露出した領域)との熱吸収の差、より詳細には、赤外線吸収の差が大きくなってしまい、圧電体前駆体膜71の焼成ムラが生じ、圧電体層70の結晶性にばらつきが生じてしまう。この結果、圧電体層70の圧電特性にばらつきが発生し、耐電圧が低下してしまうからである。
また、下電極膜60をパターニングするウェットエッチングでサイドエッチングすることにより、下電極膜60の端部を圧電体層70の端部よりも内側にすることにより、下電極膜60のパターニングと中空部93Aとなる空間とを形成することができるため、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
次に、図8(c)に示すように、流路形成基板10の全面に亘って金(Au)からなるリード電極90を形成後、各圧電素子300毎にパターニングする。このリード電極90は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。このようにリード電極90をスパッタリング法により形成することで、下電極膜60の端部上にリード電極90が入り込んで形成されることがなく、下電極膜60の端部とリード電極90との間に中空部93Aが形成される。
このように、圧電素子300を形成後、下電極膜60のみを選択的にウェットエッチングでサイドエッチングし、その後、リード電極90を形成することで、容易に且つ高精度に中空部93Aを形成することができる。また、このように中空部93Aを形成することで、下電極膜60とリード電極90との短絡を確実に防止することができる。
その後は、上述した実施形態1と同様に、流路形成基板10に保護基板30を接合し、流路形成基板10を圧電素子300とは反対側から異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14を形成する。
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図及び要部拡大断面図である。なお、上述した実施形態1及び2と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドには、流路形成基板10上に弾性膜50、絶縁体膜55を介して下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80からなる圧電素子300が形成されている。また、圧電素子300の下電極膜60の端部は、圧電体層70の端部よりも内側に形成されている。このような下電極膜60の端部は、上述した実施形態1と同様に、圧電素子300をパターニングした後、下電極膜60のみを選択的にウェットエッチングでサイドエッチングすることで形成することができる。
そして、流路形成基板10の圧電素子300側の面には、圧電素子300を構成する下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を覆うように絶縁性を有する絶縁膜91Aが設けられている。このように圧電素子300を絶縁膜91Aで覆うことにより、大気中の水分等に起因する圧電素子300の破壊を防止することができる。ここで、このような絶縁膜91Aの材料としては、耐湿性を有する材料が好ましく、例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化アルミニウム(AlO)等の無機絶縁材料を用いるのが好適であり、特に、無機アモルファス材料である酸化アルミニウム(AlO)、例えば、アルミナ(Al)を用いるのが好ましい。絶縁膜91Aの材料として酸化アルミニウムを用いた場合、絶縁膜91Aの膜厚を100nm程度と比較的薄くしても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。本実施形態では、絶縁膜91Aとしてアルミナ(Al)を用いた。なお、本実施形態では、圧電素子300を覆う絶縁膜91Aを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態1と同様に、圧電素子300のリード電極90が設けられる領域のみに形成するようにしてもよい。
このような絶縁膜91Aは、下電極膜60の端部上には形成されておらず、下電極膜60の端部との間に中空部93Bが画成されるように形成されている。なお、絶縁膜91Aは、流路形成基板10上にスパッタリング法により形成することで、圧電体層70の端部よりも内側に設けられた下電極膜60の端部上に形成されず、中空部93Bが形成される。
また、絶縁膜91A上には、厚さ方向に貫通したコンタクトホール91aを介して上電極膜80と電気的に接続されたリード電極90が設けられている。
このような構成であっても、中空部93Bによって、下電極膜60とリード電極90との短絡を確実に防止することができる。すなわち、絶縁膜91Aを形成した際に、絶縁膜91Aの下電極膜60の端部に相対向する領域(角部)のカバーリングが悪くても、下電極膜60の端部と絶縁膜91Aとの間に中空部93Bが存在することで、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁して、信頼性を向上することができる。
また、上述した実施形態1と同様に、圧電素子300の側面を傾斜して形成した場合にも、絶縁膜91Aの下電極膜60の端部に相対向する領域のカバーリングが悪くなる虞があるため、下電極膜60の端部を圧電体層70よりも内側にして、中空部93Bを形成することで、下電極膜60とリード電極90とを確実に絶縁することができる。
なお、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、上述した実施形態2と同様の製造方法により形成することができる。これにより、上述した実施形態2と同様に、圧電特性の均一な圧電素子300を形成することができる。
また、本実施形態では、下電極膜60の端部を圧電体層70の端部よりも内側にすることで、下電極膜60の端部と絶縁膜91Aとの間に中空部93Bを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態1と同様の中空部93をさらに設けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1〜3を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、密着層92の圧電素子300の傾斜面301に相対向する領域を除去して、中空部93を形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、下電極膜60の端面に相対向する領域の密着層92を除去して、中空部を形成するようにしてもよい。
また、例えば、上述した実施形態1では、密着層92をウェットエッチングする際に、傾斜面301上に設けられた薄肉部をサイドエッチングにより除去して中空部93を形成するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、密着層92を形成する前に、中空部93が形成される領域に犠牲層を形成し、リード電極90を形成した後、犠牲層を除去することにより中空部を形成するようにしてもよい。すなわち、本発明の密着層の除去とは、予め密着層を形成しないようにすることも含むものである。
さらに、上述した実施形態1では、圧電素子300の傾斜面301に絶縁膜91を形成したが、リード電極90と下電極膜60との短絡を防止するために圧電素子300の下電極膜60の露出部に中空部93が形成されていれば、絶縁膜91を設けなくてもよい。この場合、中空部93の形成方法としては、圧電素子300を形成した後に密着層92を形成し、さらにリード電極90をマスクとしてウェットエッチングすることにより同時に薄肉部92aをサイドエッチングにより除去して中空部93を形成することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図10は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略構成を示す図である。
図10に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの断面図及び要部拡大断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態3に係る記録ヘッドの断面図及び要部拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバ部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 91、91A 絶縁膜、 92 密着層、 93、93A、93B 中空部、 100 リザーバ、 110 駆動回路、 120 接続配線、 300 圧電素子、 301 傾斜面

Claims (12)

  1. 基板の一方面に形成された振動板と、該振動板上に形成された下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、前記上電極から前記振動板上まで前記圧電素子の一側面を介して引き出された引き出し配線とを具備し、
    前記圧電素子の前記引き出し配線が形成される一側面に前記下電極の端面が露出されると共に、少なくとも前記下電極の端面と前記引き出し配線との間には中空部を有することを特徴とするアクチュエータ装置。
  2. 前記圧電素子の少なくとも前記一側面上に絶縁膜を形成し、前記中空部が、前記引き出し配線と前記絶縁膜との間の前記一側面に亘って設けられていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ装置。
  3. 前記中空部の厚さが、前記振動板上に形成された密着層の厚さより薄いことを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ装置。
  4. 前記下電極の端部が前記圧電体層の端部よりも内側に設けられることによって前記下電極の端部と前記引き出し配線との間に前記中空部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアクチュエータ装置。
  5. 前記下電極が、タングステンからなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のアクチュエータ装置。
  6. 前記下電極の端部と前記引き出し配線との端部との距離は、前記圧電素子に印加される電圧に対して、1nm/V以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のアクチュエータ装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のアクチュエータ装置をノズル開口から液体を噴射させる液体噴射手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 請求項7記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  9. 基板の一方面に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を、該圧電素子の前記上電極から前記振動板上まで引き出される引き出し配線が形成される一側面を前記振動板の面方向に直交する方向に対して傾斜した傾斜面となるように形成し、且つ前記傾斜面に前記下電極の端面を露出させて形成する工程と、少なくとも前記引き出し配線が形成される領域に絶縁性を有する絶縁膜を形成する工程と、前記流路形成基板上の前記圧電素子上及び前記絶縁膜上の全面に前記傾斜面上の少なくとも前記下電極に相対向する領域に前記振動板上の厚さよりも薄い厚さの薄肉部を有する密着層を形成する工程と、前記密着層上に前記上電極から引き出される引き出し配線を形成する工程と、前記引き出し配線をマスクとして前記密着層をエッチングすることにより、前記密着層の前記引き出し配線と前記絶縁層との間以外の領域を除去すると共に、前記薄肉部をサイドエッチングにより除去して前記絶縁膜と前記引き出し配線との間に中空部を形成する工程とを具備することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  10. 前記圧電素子を形成する工程では、前記基板上に前記振動板を介して前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極を積層形成する工程と、前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極をマスクを介して連続的にドライエッチングする工程とを具備することを特徴とする請求項9記載のアクチュエータ装置の製造方法。
  11. 基板の一方面の全面に亘って振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を形成すると共に前記圧電素子をパターニングする際に、前記下電極を選択的にウェットエッチングでサイドエッチングすることにより、前記下電極の端部を前記圧電体層の端部よりも内側に形成し、その後、前記圧電素子の上電極から前記振動板上まで引き出される引き出し配線を形成することにより、前記引き出し配線と前記下電極の端部との間に中空部を形成することを特徴とするアクチュエータ装置の製造方法。
  12. 前記圧電素子をパターニングする際に、前記圧電体層及び前記上電極をマスクを介して連続的にドライエッチングしてパターニングした後、前記下電極をマスクを介してウェットエッチングしてパターニングすると共に同時にサイドエッチングすることを特徴とする請求項11記載のアクチュエータ装置の製造方法。
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