JP2006295855A - ビデオカメラの冷却構造 - Google Patents

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裕樹 松永
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Abstract

【課題】ビデオカメラ筐体内を高効率に強制空冷することで筐体内の高密度実装を可能にし、結果として小型化を実現できる冷却装置を提供する。
【解決手段】プリント基板上部に小型ブロアファンを備え、筐体下面または筐体側面下部に設けた吸気口から冷却風を取り入れ撮像素子やプリント基板上に実装している電子部品の熱を冷却風が吸収することによって温められた冷却風を小型ブロアファンが吸気した方向に対し直交する方向(筐体の前面、後面、右側面または左側面)の内、一方向へ排気する。
【選択図】図1

Description

本発明は内部に撮像素子を取付けた光学系マウントや電子部品を実装した複数のプリント基板が収納された電子装置の冷却構造に係り、特にビデオカメラの冷却構造に関するものである。
ビデオカメラは使用目的によって外形形状が異なり、大きくは可搬型と固定型に分けられる。前者にはテレビ番組制作用、ニュース取材用、イベント映像記録用等のビデオカメラが挙げられ、その用途によって機動性を重視したハンディタイプや高性能高倍率レンズが装着可能で様々な操作機能を備えたスタジオタイプ等の外形形状を持つ。後者にはメディカル用、天候観測用、セキュリティー用等のカメラが挙げられ、一般的には定位置に取付けて使用するため製作が容易で実装効率が良い箱型形状が多い。また固定型のカメラは筐体の上下に定位置固定用のネジ部を要するためカメラ筐体の上下面はフラットであることが必要である。
これらのビデオカメラに共通したニーズとしてカメラの小型化があり、近年のビデオカメラは他の電子機器と同様に小型化、高密度実装化が進んでいる。 特にハイビジョン方式のビデオカメラにおいては撮像素子の画素数の増大や駆動周波数が高くなることから撮像素子やその駆動回路の発熱量も増大している。また近年のビデオカメラでは映像信号処理にディジタル回路を用いることが主流になっている。回路をディジタル化すると通常、回路規模はアナログ回路より格段に大きくなるため、一般にディジタル回路を大規模LSIに集積し回路の小型化を図っている。しかし前述のハイビジョン方式ビデオカメラの回路を1チップにした大規模LSIでは500万ゲートを越す理論回路が75MHz以上のシステムクロックレートで動作することになるため、LSI1個の消費電力が7〜10Wにもなりファンを用いた強制空冷構造を適用しないと温度上昇により、部品の破壊や寿命短縮を引き起こすという問題を抱えている。
ここで従来の一例であるファンを備えたビデオカメラの冷却構造について、図6、図7、図8を用いて説明する。図6は従来の一例である箱型形状ビデオカメラ(以下、従来例1のビデオカメラと称する)の構造を示す透視斜視図である。図7は従来例1のビデオカメラの構造を示す断面図である。このビデオカメラでは光学系マウント40後方下面にマザーボードを設け、マザーボードに複数のプリント基板を上から挿し込んだとき、各プリント基板はレンズ光軸Fに対し平行になるように配置している。吸気口43は主にフロントパネル44にありリアパネル45内面に取付けた軸流ファン46の動作で吸気口43から取り入れた冷却風はプリント基板と隣接するプリント基板との間を通り、カメラ後面へ排気する。
一方、図8は従来の一例である箱型形状ビデオカメラ(以下、従来例2のビデオカメラと称する)の構造を示す斜視図である。ここでは光学系マウント50の右面後方にマザーボードを設け、複数のプリント基板52はレンズ光軸と直交に配置している。吸気口53は主にプリント基板52よりも下方の筐体下面にあり、プリント基板52よりも上方に設けた軸流ファン54の動作で吸気口53から取り入れた冷却風はプリント基板52と隣接するプリント基板52との間を通り、軸流ファン54排気側のトップカバー55内面に当り、トップカバー55の周囲に設けた排気口56より排気する。
なお、カメラを収納したケースに対して冷却ガスが導入される配管が接続され、配管より供給された冷却ガスによりカメラを冷却する公知例として、下記特許文献1がある。
特開2005−84367号公報
しかしながら、前述の従来例1及び従来例2のビデオカメラ装置では、下記1)〜5)に示す欠点を有する。
1)従来例1のビデオカメラでは、吸気口は光学系マウントが取付けられたフロントパネルに設けられるため、光学系マウントを避けた場所に吸気口を設けることとなる。しかし、光学系マウントを避けた場所に吸気口を設ける場合、図6より、吸気口は隅にしか設けることができない上に吸気口の面積が狭くなるため、流路の圧力損失が高くなり、冷却効率が悪くなる。
2)従来例1のビデオカメラでは、光学系マウントはフロントパネルの中央に取付けられることにより、吸気口はフロントパネルの端部にしか設けることができないため、光学系マウントの後方に配置した複数のプリント基板の内、特に図7の中心線上とその近傍では冷却風の流れが悪くなり、その結果、冷却効率が悪くなる。
3)従来例2のビデオカメラでは、筐体に設けた軸流ファン排気側に横方向に排気するための空間が必要なため実装効率が悪くなる。また排気した冷却風は一旦、トップカバー内面の壁に当り方向を変えるため圧力損失が著しく高くなり、冷却効率が悪くなる。
4)従来例2のビデオカメラでは、筐体上部に突起部があるため、筐体上面を固定面として使用できない。
5)従来例1および従来例2のビデオカメラで使用している軸流ファンは一般に静圧が低いことにより冷却風が障害物に衝突したときの圧力損失が大きいため高密度実装のビデオカメラの放熱には不向きであり、この軸流ファンを用いて冷却した場合、冷却効率が悪くなる。
本発明はこれらの欠点を除去し、ビデオカメラ筐体内を高効率に強制空冷することで筐体内の高密度実装を可能にし、結果として小型化を実現できる冷却装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、電子部品を実装した複数のプリント基板よりも上方に、冷却風の吸入口を下方に向けると共に排気口を横方向に向けたファン(実施例では、小型ブロアファン)を備え、ビデオカメラの筐体下面または筐体側面下部に設けた吸気口から冷却風を取り入れ、この冷却風が撮像素子や複数のプリント基板上の電子部品を冷却してファンの吸気口に吸入された後、この吸気口への吸入方向に対し直交する方向(筐体の前方、後方、横方向(左方向もしくは右方向))の内、一方向へ排気させるようにしたものである。
上記のように、本発明のビデオカメラの冷却構造はプリント基板よりも上方に設けたファン(実施例では、小型ブロアファン)を動作させることによって筐体下面または筐体側面下部に設けた吸気口から冷却風を強制的に吸入し、プリント基板上に実装している電子部品(例えば、LSI)の熱を吸収することによって温められた冷却風をファン(実施例では、小型ブロアファン)が吸気した方向と直交する方向に設けた排気口から強制的に排出するようにして、ビデオカメラ筐体内を強制的に空冷することができる。
以上のように、本発明のビデオカメラの冷却構造は次のような効果をもたらす。
1)本発明のビデオカメラの冷却構造では、静圧が高いことにより冷却風が障害物に衝突したときの圧力損失が小さいため、ビデオカメラ内の複数のプリント基板を実装する際、プリント基板間の寸法を縮めることができる。従って、更なる高密度実装を行っても電子部品を効率よく冷却できるのでビデオカメラの小型化を実現することができる。
2)本発明のビデオカメラの冷却構造では、筺体の前方、後方、横方向に温まった冷却風を排出する構造としたため筐体上部に突起部が設ける必要がないことにより可搬型、固定型を問わず適用できる。従って、ビデオカメラ内に実装するCCD撮像装置や複数のプリント基板等のユニットを共通に使用可能であるため、保守性および生産性に優れている。
3)本発明のビデオカメラの冷却構造では、筺体に設ける排気口の面積をファンの排気口の面積に合わせることにより小さくできるので、例えば固定型カメラにおける入出力信号用コネクタやカメラ制御スイッチ等の外部実装部品の実装スペースを広くとれる。
以下、本発明の一実施例であるビデオカメラの冷却構造について、図1〜図5を用いて説明する。図1は本実施例のビデオカメラの冷却構造を示す透視斜視図、図2は本発明の一実施例であるビデオカメラの前部外観を示す斜視図、図3は本発明の一実施例であるビデオカメラの後部外観を示す斜視図、図4は本実施例のビデオカメラの内部構造および冷却風の吸入方向を示す断面斜視図、図5は本実施例のビデオカメラの上方の外観および冷却風の排出方向を示す透視斜視図である。
まず、本実施例のビデオカメラの構造について説明する。本実施例のビデオカメラはハイビジョン方式の3板式CCDビデオカメラであり、固定型のカメラでフロントパネル2、ボトムフレーム3、トップフレーム4、リアパネル5および2枚のサイドカバー6をネジ止め等によって結合し、長方体形状となっている。この内、ボトムフレーム3、リアパネル5には、後述の冷却構造で説明するが、通風のための切欠き部7が設けられている。一般にこれらの部品を組合せカメラの外形を成すものをカメラ筐体1と呼んでいる。
フロントパネル2の内側には光学系マウント10が配置されこの光学系マウント10はレンズを取付けるためのレンズマウント11およびそのレンズ光軸上に3色分解プリズム12を有している。さらに光学系マウント10内部には色温度や光量の減衰を調節する複数の光学フィルタを取付けたフィルタディスクがあり光学系マウント10の上方に配置したサーボモータ13とギア14で連結され、制御回路を通して遠隔操作で光学フィルタの選択が可能になっているため光学系マウント10の大きさはフロントパネル2の内面のほとんどを占有する構造となっている。三色分解プリズム12の3方向に分岐された光射出部には固体撮像素子であるR、G、B用の3つのCCD15、およびCCD制御用のセンサ基板16が配置され、その周囲にCCD駆動回路を搭載したDRV基板17、CCD電荷変換用のCDS基板18等があり、これらでCCD撮像装置を構成している。そしてカメラ筐体1内部はCCD撮像装置とリアパネル5の間の空間が基板収納部であり、この基板収納部には複数のプリント基板を着脱するためのコネクタを有するマザーボード21をレンズ光軸と平行に配置し、複数のプリント基板であるCPU基板22(カメラ機能制御用基板)、PROC基板23(画像処理用基板)、D−VIDEO基板24、DSP基板25(画像処理用ディジタル系基板)、PS基板26(電源供給用基板)をカメラ側面方向Sから挿入しレンズ光軸に対し直交するように配置されている。このプリント基板の実装構造では、実装された各プリント基板(CPU基板22、PROC基板23、D−VIDEO基板24、DSP基板25)を、サイドカバー6を開けるだけで着脱できるので保守性に優れている。そして、リヤパネル5の外面には電源ケーブルや映像信号出力ケーブル等が自在に着脱される複数のコネクタ27やカメラを制御する複数のスイッチ28類が設けられている。
次に、本実施例のビデオカメラの冷却構造および冷却動作について説明する。発熱する電子部品を有する各プリント基板(CPU基板22、PROC基板23、D−VIDEO基板24、DSP基板25)より下方に位置するボトムフレーム3の内面には、各プリント基板(CPU基板22、PROC基板23、D−VIDEO基板24、DSP基板25)をマザーボード21のコネクタに精巧に導くための複数のガイドレール31a、31b、31c、31dが設けられ、ガイドレールと隣のガイドレールとの間(例えば、ガイドレール31aとガイドレール31bとの間)やCCD撮像装置の下方のボトムフレーム3に強制空冷に必要な複数の吸気口32が設けられている。各プリント基板(CPU基板22、PROC基板23、D−VIDEO基板24、DSP基板25)より上方には、ボトムフレーム3に設けたガイドレール31a、31b、31c、31dとそれぞれ一対となるガイドレール31e、31f、31g、31hを有するトップフレーム4があり、このガイドレール31e、31f、31g、31hよりも上方に小型ブロアファン30を吸気側30aを下に向けて取付けている。この小型ブロアファン30は吸い込んだ方向とは別方向へ冷却風を吐出する装置で、翼の数は前述の従来例1もしくは従来例2のビデオカメラで使用している軸流ファンの3〜13枚程度に対し、小型ブロアファン30は30〜80枚程度と多く軸流ファンの約10倍の静圧が得られるので、冷却風が障害物に衝突したときの圧力損失が小さいため、部品実装密度が高く通風抵抗の大きなビデオカメラの放熱に適している。小型ブロアファン30の排気側30bの面積は吸気側30aに比べると小さく、従ってリヤパネル5に設けた排気口33の面積を小型ブロア30の排気側30bの面積にあわせるようにすると、排気口33の面積は従来の軸流ファンを使用した場合での排気口の面積の約1/4で済む。その結果、固定型カメラにおける入出力信号用コネクタやカメラ制御スイッチ等の外部実装部品の実装スペースを広くとることができる。また、小型ブロアファン30によって起こる騒音を低減するために、小型ブロアファン30の排気側30bをカメラ側面方向Sに向け、排気した空気を一旦トップフレーム4に形成した防音材を貼付けた排気流路34の壁に当て、約90度の角度に曲げてリヤパネル5に設けた排気口33より排出するようにしたが、前述した小型ブロアファン30の静圧を考慮すれば、排気流路34の壁に当ててから排出するようにしても背景技術で記載した従来例2のビデオカメラの冷却構造のように冷却効率を著しく損なうことはない。従って小型ブロアファン30の作動によって、ボトムフレーム3、リアパネル5の切欠き部7を通り、ボトムフレーム3に設けられた吸気口32から侵入した冷却風はCCD撮像装置付近やプリント基板と隣のプリント基板との間(例えば、CPU基板22とPROC基板23との間)をスムーズに流通し、リアパネル5に設けた排気口33より排出されるのでCCD撮像装置内の撮像素子であるCCD15や各プリント基板(CPU基板22、PROC基板23、D−VIDEO基板24、DSP基板25)に搭載されたLSI等の発熱部品(電子部品)は効率よく冷却される。さらに、この冷却構造では小型ブロアファン30の静圧が高いことにより、プリント基板と隣のプリント基板との間(例えば、CPU基板22とPROC基板23との間)の寸法Lを縮めて更なる高密度実装を行うことが可能であるため、ビデオカメラを小型化することもできる。
本発明の一実施例であるビデオカメラの冷却構造を示す透視斜視図。 本発明の一実施例であるビデオカメラの前部外観を示す斜視図。 本発明の一実施例であるビデオカメラの後部外観を示す斜視図。 本発明の一実施例であるビデオカメラの内部構造および冷却風の吸入方向を示す断面斜視図。 本発明の一実施例であるビデオカメラの上部外観および冷却風の排出方向を示す透視斜視図。 従来の一例であるビデオカメラの冷却構造を示す横断面図。 従来の一例であるビデオカメラの冷却構造を示す透視斜視図。 従来の一例であるビデオカメラの冷却構造を示す横断面図。
符号の説明
1:カメラ筐体 2:フロントパネル
3:ボトムフレーム 4:トップフレーム
5:リアパネル 6:サイドカバー
7:切欠き部 10:光学系マウント
11:レンズマウント12:3色分解プリズム
13:サーボモータ 14:ギア
15:CCD 16:センサ基板
17:DRV基板 18:CDS基板
21:マサーボード 22:CPU基板
23:PROC基板 24:D−VIDEO基板
25:DSP基板 26:PS基板
27:コネクタ 28:スイッチ
30:小型ブロアファン 30a:小型ブロアファン吸気側
30b:小型ブロアファン排気側
31a、31b、31c、31d:ガイドレール
31e,31f,31g,31h:ガイドレール
32:吸気口 33:排気口
34:排気流路 40:光学系マウント
43:吸気口 44:トップフレーム
45:リアフレーム 46:軸流ファン
50:光学系マウント52:プリント基板
54:軸流ファン 55:トップカバー
56:排気口

Claims (2)

  1. 内部に、撮像素子を取付けた光学系マウントや、電子部品を実装した複数のプリント基板が収納されたビデオカメラの冷却構造において、上記プリント基板よりも上方に、冷却風の吸入口を下方に向けると共に排気口を横方向に向けたファンを備え、上記ビデオカメラの筐体下面または筐体側面下部に設けた吸気口から取り入れた上記冷却風が上記撮像素子や上記複数のプリント基板上の上記電子部品を冷却して上記吸気口に吸入された後、該吸入方向に対し直交する方向へ上記ファンにより排気することを特徴としたビデオカメラの冷却構造。
  2. 上記ビデオカメラに実装された上記光学系マウントの左面後方または右面後方に、上記複数のプリント基板を着脱するためのコネクタを有するマザーボードをレンズ光軸と平行に配置し、上記複数のプリント基板を上記マザーボードに対して上記筐体側面から挿抜可能で、上記レンズ光軸に対し直交するように配置したことを特徴とした請求項1記載のビデオカメラの冷却構造。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009094932A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Hitachi Kokusai Electric Inc ビデオカメラの放熱構造
JP2009170059A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Hitachi Ltd 情報記録再生装置
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US9578214B2 (en) 2012-08-27 2017-02-21 Canon Kabushiki Kaisha Image pickup apparatus with air cooling unit

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