JP2006294269A - 高圧放電ランプおよびその製造方法、ならびに当該高圧放電ランプを有するランプユニット - Google Patents

高圧放電ランプおよびその製造方法、ならびに当該高圧放電ランプを有するランプユニット Download PDF

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亮 南畑
Kazunori Ota
和紀 太田
Masayuki Minazu
将幸 水津
Kazuhisa Tanaka
和久 田中
Yasutaka Matsunaga
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Abstract

【課題】 発光管におけるクラックの成長に起因する寿命の低下をできるだけ抑制した高圧放電ランプ等を提供すること。
【解決手段】 放電室14を有する発光管12と、電極16,18、金属箔28,30、リード線32,34がこの順で一列に接合されてなる一対の電極構造体36,38とを有し、前記両電極構造体36,38は、前記放電室14内で両電極16,18を対向させた状態で、前記発光管12の管軸Xと略同軸上に配されており、前記両電極構造体36,38における、前記管軸X方向、前記両金属箔28,30のみが存在する区間に対応する発光管12部分の封着によって、前記放電室14が気密封止されている高圧放電ランプ10において、前記発光管12は、前記管軸X方向少なくとも一方のリード線32の一部を封着する封着部49と、当該リード線32と対応する金属箔28との接合部40部分を封着しない非封着部48とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高圧放電ランプ等に関し、特に、放電室を気密封止する封着部の改良技術に関する。
近年、大画面映像を実現するシステムとして、液晶プロジェクタやDMD(商標)プロジェクタなどの投射型映像装置が普及しつつあり、その光源には、高輝度で発光する高圧放電ランプ、例えば、高圧水銀ランプが用いられている。
高圧水銀ランプは、文字通り、高圧の水銀蒸気中の電極間放電による放射を利用したものである。このため、電極は、水銀蒸気が高度に気密封止された放電空間(放電室)に配されている。このような放電室を備えた発光管を有する高圧水銀ランプは、例えば、以下のようにして製造される。
先ず、略球殻状をした本管部から略同軸上反対向きに第1および第2の側管部が延設されてなる石英ガラス管を準備する。
そして、石英ガラス管の第1の側管部から、電極・金属箔・リード線がこの順に接合された第1の電極組立体を、前記電極を先頭に当該電極が前記本管部に位置するまで挿入した後、当該第1の側管部を封着し、次に、第2の側管部から水銀などの封入物を挿入した後、前記第1の電極組立体に対する位置合わせ(電極間距離の調整)をしながら、前記第1の電極組立体と同じ構成を有する第2の電極組立体を挿入し、当該第2の側管部を封着して、前記本管部の気密封止がなされる。この封着は、例えば、側管部を加熱して軟化させると共に、石英ガラス管内を負圧にした上で、電極の金属箔側端部部分〜金属箔〜リード線の金属箔側端部部分が位置する側管部分を、シュリンク封止することにより行われている(特許文献1参照)。なお、リード線の金属箔とは反対側の端部部分は、当然のことながら、給電のため最終的には、石英ガラス管から露出することとなる。
これにより、金属箔部分において気密封止された本管部内(放電室)で一対の電極の先端同士が略対向して配置された高圧水銀ランプが作製されることとなる。
特開2002−298738号公報 特表2003−526182号公報
しかしながら、金属箔とリード線の接合部分において、その両者によって形成される横断面形状が他の部分(金属箔のみの部分、リード線のみの部分)と比較しても複雑な形をしているため、封着の際にこのガラス部分にクラックが入り易い。また、リード線部分にはガラスが密着するものの、完全な気密性を有している訳ではなく、微小ではあるがリード線とガラスとの間に隙間が生じている。
点灯の際、全体的に高温になる高圧水銀ランプにあって、リード線の露出部分のみならず封着部分においても、前記隙間が存在する関係上、酸化が進行し、その表面に酸化物が徐々に堆積する。
酸化物の堆積によって、ガラス管は押し広げられ、リード線と金属箔の接合部分に対応する箇所において製造段階で生じた前記クラックが徐々に成長し、やがて本管部に至ってランプ寿命を迎えることとなる。
ところで、液晶プロジェクタの一般家庭への普及に伴って、スクリーン上の輝度は維持したまま、一層の小型化が要求されている。このため、高圧放電ランプへの投入電力が増大し、その結果、発光部がより高温になり、高圧放電ランプ全体の温度が上昇傾向にある。また、一般家庭用の液晶プロジェクタでは、高圧放電ランプを外気と遮断した密閉型とする必要もあり、これによっても高圧放電ランプ全体の昇温を招来している。
このような背景の下、リード線部分での上記した酸化の進行が早まり、ランプの短寿命化の問題が浮上している。
上記した課題に鑑み、本発明は、クラックの成長に起因する寿命の低下をできるだけ抑制した、高圧放電ランプおよびその製造方法、ならびに当該高圧放電ランプを有するランプユニットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る高圧放電ランプは、放電室を有する発光管と、電極、金属箔、リード線がこの順で接合されてなる一対の電極構造体とを有し、前記両電極構造体は、前記放電室内で両電極を対向させた状態で、前記発光管の管軸と略同軸上に配されており、前記両電極構造体における、前記管軸方向、前記両金属箔のみが存在する区間に対応する発光管部分の封着によって、前記放電室が気密封止されている高圧放電ランプにおいて、前記発光管は、前記管軸方向、少なくとも一方のリード線の一部を封着する封着部と、当該リード線とこれに対応する金属箔との接合部部分を封着しない非封着部とを有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る高圧放電ランプの製造方法は、本管部から略同軸上反対向きに一対の側管部が延設されてなるガラス管を準備するガラス管準備工程と、電極・金属箔・リード線がこの順に接合された電極構造体を準備する電極構造体準備工程と、一方の側管部から、前記電極構造体を、前記電極を先頭に当該電極が前記本管部に位置するまで挿入する電極構造体挿入工程と、前記ガラス管内を負圧にすると共に、熱源を前記側管部の管軸方向に移動させ、当該熱源による加熱により軟化させることにより収縮させて当該側管部を封着する封着工程とを有し、前記封着工程において、前記熱源の移動区間の内、前記金属箔と前記リード線との接合部に対応する区間において側管部に加えられる熱量を、当該区間の前後において加えられる熱量よりも低減させて、当該接合部に対応する側管部部分に非封着部を形成することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るランプユニットは、上記高圧放電ランプと、凹面の反射面を有し前記高圧放電ランプの発光管内からの射出光を反射して集光する反射鏡とを有し、前記高圧放電ランプは、前記発光管の管軸を前記反射鏡の軸と略一致させ、前記非封着部が前記反射鏡による反射光の集光側となる向きに配されていることを特徴とする。
本発明に係る高圧放電ランプによれば、発光管が、電極、金属箔、リード線がこの順で接合されてなる一対の電極構造体の少なくとも一方のリード線とこれに対応する金属箔との接合部部分を封着しない非封着部を有する。すなわち、当該接合部部分のリード線と金属箔とを発光管と密着させない構成とすることより、この部分のリード線や金属箔が酸化してその表面に酸化物が堆積したとしても、発光管をその内側から圧迫することはない。したがって、仮に、発光管の前記接合部部分に対応する領域にクラックが入っているとしても、当該クラックを成長させることがない。その結果、前記クラックの成長に起因する高圧放電ランプの短寿命化を抑制することが可能となる。また、前記接合部部分が封着されていないリード線の一部は、発光管で封着されているので、当該リード線は、この封着部で確実に発光管に支持されることとなる。
本発明に係る高圧放電ランプの製造方法によれば、ガラス管内を負圧にすると共に、熱源を側管部の管軸方向方向に移動させ、当該熱源による加熱により軟化させることにより収縮させて側管部を封着する封着工程において、前記熱源の移動区間の内、金属箔とリード線との接合部に対応する区間において側管部に加えられる熱量を、当該区間の前後において加えられる熱量よりも低減させて、当該接合部に対応する側管部部分に非封着部が形成される。これにより、封着工程において前記接合部に対応する発光管部分でクラックが発生するのを防止できる。仮に、クラックが生じたとしても、当該クラックの存在する部分は非封着になっているので、上記した理由により当該クラックの成長を防止することができる。すなわち、本発明に係る製造方法によれば、クラックの成長に起因する寿命低下を抑制した高圧放電ランプの製造が可能となる。
本発明に係るランプユニットによれば、上記高圧放電ランプが、その発光管の管軸を反射鏡の軸と略一致させ、前記非封着部が前記反射鏡による反射光の集光側となる向きに配されている構成を有する。すなわち、特に高温にさらされ、酸化の進行が速い側のリード線と対応する金属箔との接合部部分が非封着とされるので、ランプユニットにおいて、高圧放電ランプを構成する発光管におけるクラックの成長に起因する寿命低下を効果的に抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、実施の形態に係る高圧放電ランプの一例として示す高圧水銀ランプ10の縦断面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA・A線断面図であり、図1(c)は、図1(a)におけるB・B線断面図である。なお、図1を含む全ての図において、各構成要素間の縮尺は統一していない。
高圧水銀ランプ10は、図1(a)に示すように、気密封止された放電室(発光空間)14を有する発光管12を備えている。発光管12は石英ガラスで形成されている。
また、高圧水銀ランプ10は、上記放電室14内でその先端部を互いに対向させて配置した一対の電極16、18を有している。第1の電極16は第1の電極軸20に第1の電極コイル22が巻回されてなるものであり、同じく、第2の電極18は第2の電極軸24に第2の電極コイル26が巻回されてなるものである。電極軸20,24と電極コイル22,26とは、共にタングステンからなる。
電極軸20、24の基端は発光管12に支持されており、各電極軸20、24は、ほぼ同軸上に、前記放電室14へと延出されていて、その先端部分に前記各電極コイル22、26が巻回されている。各電極コイル22、26は、適度な放熱機能を発揮して、高圧水銀ランプ10の点灯時における電極の過熱を防止するために設けられている。両電極16,18先端の、発光管12の管軸X方向の間隔、すなわち、電極間距離は、点光源に近づけるため、0.5〜3.0mmとしている。
各電極軸20、24の、前記電極コイル22,26とは反対側の端部は、短冊状をした金属箔28.30の一方の端部と接合されている。一対の金属箔28,30の各々は、モリブデン箔からなる。
第1の金属箔28のもう一方の端部には、第1の外部リード線32の一端部が接合されており、第2の金属箔30のもう一方の端部には、第2の外部リード線34が接合されている。第1および第2の外部リード線32,34の金属箔28,30とは反対側の端部部分は、発光管12から露出している。第1および第2のリード線は、共に、モリブデン線からなる。
ここで、電極16,18、金属箔28,30、およびリード線32,34が、上記したように、この順で一列に接合されてなるものを第1および第2の電極構造体36,38と称することとする。一対の電極構造体36,38は、前記放電室14内で、両電極16,18を対向させた状態で、発光管12の管軸Xと略同軸状に配されていることとなる。
発光管12は、管軸X方向において、第2のリード線34の上記露出部分および第2の電極18の放電室14への突出部分(延出部分)を除く第2の電極構造体38部分を封着する。一方、第1の電極構造体36においては、発光管12は、管軸Xの方向において、第1のリード線32の上記露出部分、第1の電極16の放電室14への突出部分(延出部分)、および第1のリード線32と第1の金属箔28との接合部部分40を除く部分を封着する。管軸X方向、金属箔28,30のみが存在する区間における発光管12部分の封着によって、前記放電室14の高度な気密性が実現されている。なお、上記接合部部分40を封着しない理由については後述する。
ここで、発光管12において、放電室14から反対向きに延出されてなる両部分を第1および第2の腕部42,44と称することとする。発光管12は、管軸X方向、第2の腕部44の全長に渡って、第2の電極構造体38を封着している。一方、発光管12は、管軸X方向、第1の腕部42において前記接合部部分40に対応する区間に空洞46を有し、この空洞46を除いた残りの第1の腕部42部分において、第1の電極構造体36を封着している。すなわち、発光管12は、第1の電極構造体36において、管軸X方向、第1の金属箔28を封着する封着部に続いて、接合部部分40を封着しない非封着部48、および、第1のリード線32の一部を封着するリード線封着部49を有する。
前記放電室14には、発光物質である水銀48及び始動補助用としてのアルゴンなどの希ガス(不図示)と、併せて、臭素などのハロゲン物質(不図示)が封入されている。なお、前記ハロゲン物質は、いわゆるハロゲンサイクルにより、電極16,18から蒸発したタングステンを石英発光管12内面に付着させることなく電極16,18に戻して発光管黒化を抑制するという機能を果たすために封入されるものである。
そして、第1および第2の外部リード線32,34から給電することによって、高圧水銀ランプ10を点灯させることができる。このとき、両電極16,18において、対向する先端間の真ん中に位置する点Cが光中心となる。
次に、上記高圧水銀ランプ10を有するランプユニット50について、図2を参照しながら説明する。
図2は、ランプユニット50の概略構成を示す縦断面図である。
ランプユニット50は、高圧水銀ランプ10の他に、高圧水銀ランプ10からの射出光を反射して集光する反射鏡の一例として示す回転楕円面鏡52を有する。
高圧水銀ランプ10は、第2の腕部44部分においてセメント54により、回転楕円面鏡52に固着されている。
回転楕円面鏡52は、漏斗状をした硬質ガラス製基体56を有する。基体56において回転楕円面に形成された凹面部分56Aには、反射膜として多層干渉膜58が蒸着されている。回転楕円面鏡52の開口径は50mmである。
高圧水銀ランプ10は、基体56のネック部56Bに開設された取付孔56Cに第2の腕部44を挿入して、回転楕円面鏡52の軸D方向の所定位置に位置決めがなされた後、前記セメント54で固着される。所定位置とは、回転楕円面鏡52の第1焦点f1と前記光中心Cが略一致する位置である。具体的には、高圧水銀ランプ10を試験点灯させて軸D方向にスライドさせた際に、回転楕円面鏡52前方の照度が最大となる位置に、当該高圧水銀ランプ10が位置決めされる。
上記の構成からなるランプユニット50において、高圧水銀ランプ10が点灯されると、光中心Cから発せられ、回転楕円面鏡52に向かう射出光が、多層干渉膜58で反射されて、回転楕円面鏡52の第2の焦点f2(不図示)に集光される。第2の焦点は、言うまでも無く、回転楕円面鏡52の前方、前記軸D上に存する点である。
連続点灯により、高圧水銀ランプ10は、全体的に温度が上昇し、第1および第2のリード線32,34は、その露出部分のみならず発光管12で覆われている部分も酸化する。
この場合、両リード線32,34を比較した場合、多層干渉膜(反射面)58の後方(背後)にある第2のリード線34よりも、多層干渉膜58の前方、すなわち、当該多層干渉膜58による射出光の集光側にある第1のリード線32の方が、格段に高温となる。その結果、第1のリード線32の方が第2のリード線34よりも酸化の進行が早い。したがって、第1のリード線32の表面には、第2のリード線34よりも多くの酸化物が堆積する。しかしながら、第1のリード線32の表面、とりわけ第1の金属箔28との接合部40部分の表面に酸化物が堆積したとしても、この部分は、発光管12の非封着部48であるため、すなわち、第1のリード線32の当該接合部40部分表面は、発光管12とは密着していないため、当該酸化物は発光管12をその内側から押し広げることはない。したがって、仮に、当該接合部40部分の発光管12内面にクラックが入っていたとしても、第1リード線32の上記した酸化物の堆積によって当該クラックがさらに成長することはない。その結果、当該クラックの成長に起因して高圧水銀ランプ10の寿命が短くなるのを可能な限り防止することができる。
さらに、非封着部48を設けることによって、金属箔28の全長が短縮できる。金属箔の全長は、当該金属箔とこれに対応するリード線との接合部、ひいては当該リード線におけるランプ点灯時の温度によって主に決定される。放電室の気密性を確保するだけならば、金属箔はそれほど長い全長を必要としない。しかしながら、非封着部48を設けない従来のランプにおいては、前記接合部部分における酸化物の堆積が問題となるところ、当該接合部部分を問題となるほど高温にしないため、金属箔を相当程度の長さにする必要がある。これに対し、非封着部48を設けると、上述したように接合部部分に酸化物が堆積しても問題が発生しなくなる以上、金属箔の全長を不必要に長くしなくてもよくなるからである。金属箔の短縮によって、高圧水銀ランプの全長の短縮化、ひいてはランプユニット全体のコンパクト化を図ることができる。
第1のリード線32と第1の金属箔28の接合部40(以下、「第1の接合部40」という。)部分のみならず、第2のリード線34と第2の金属箔30の接合部(以下、「第2の接合部」という。)部分も非封着としても構わない。しかしながら、上述したように、第2の接合部部分は、多層干渉膜58の背後に位置することに加え、当該部分に対応する発光管12外周部分は、セメント54で被覆されている。このため、第2の接合部部分は、第1の接合部40部分ほどは、高温下にさらされることはないことに加え、放熱性もよい。したがって、第2の接合部部分は、必ずしも非封着部とする必要はない。
続いて、上記の構成を有する高圧水銀ランプ10の製造方法について説明する。
先ず、図3(a)、図3(b)に示すように、発光管12用ガラス管70(以下、単に「ガラス管70」という。)、および電極ユニット72を準備する。
ガラス管70は、前記発光管12となる部材である。ガラス管70は、略球殻状をした本管部74と、本管部74から略同軸上反対向きに延設されてなる第1の側管部76および第2の側管部78とを有している。第1および第2の側管部76,78は円筒形をしている。なお、言うまでもなく、ガラス管70は石英ガラスからなる。
電極ユニット72、上記電極構造体36(38)のリード線32(34)の金属箔28(30)とは反対側の端部部分に支持部材80を接合してなるものである。支持部材80は、短冊状をした金属板を図3(b)に示すような六角形に折り曲げてなるものである。金属板の材料には、例えばモリブデンを用いることができる。金属板の幅は、側管部76,78の内径よりも短い。支持部材80のリード線32(34)への接合は、スポット抵抗溶接による。
続いて、図4に示すように、回転チャック82によって管軸方向が略鉛直方向に向くように保持されたガラス管70に電極ユニット72を挿入する。電極ユニット72は、第1の側管部76から、前記電極16を先頭に当該電極16の先端(電極コイル22)が本管部74に位置するまで挿入する。このとき、支持部材80は、第1の側管部76の内壁で押されて弾性変形し、その復元力でもって、電極ユニット72全体を下方に下がらないように支持する。
次に、ガラス管70の上端から、不図示の真空ポンプを用いてガラス管70内を真空排気し、次いで、ガラス管70の下端から不活性ガス(例えば、Ar(アルゴン)ガス)を内圧が200torr程度になるまで導入する。
ガラス管70内を負圧(200torr)に保持したまま、ガラス管70をその管軸周りに回転させる。そして、熱源として用いるバーナー84で第1の側管部76をその外方から加熱して軟化させて、シュリンク封着する。バーナー84は、第1の側管部76の本管部74側端部から、第1のリード線32の中程に対応する位置まで移動する。このようにすることにより、バーナー84で加熱された側管部76部分が軟化し、当該軟化部分が大気圧に押されて収縮することによって封着がなされる。バーナー84の上記移動によって、第1の側管部76は、下部から順次封着されることとなる。このとき、ガラス管70の管軸方向、第1のリード線32と第1の金属箔28の接合部分40に対応する区間は、バーナー84を、ガラス管70の管軸と交差する方向に変位させて、図4に示すように、第1の側管部76から遠ざける。このようにすることにより、接合部分40に対応する第1の側管部76部分は封着されずに空洞46(図1)が形成されることとなる。すなわち、前記区間において、バーナー84によって第1の側管部76に加えられる熱量を、当該区間の前後において加えられる熱量よりも低減させることにより、接合部分40に対応する第1の側管部76部分に非封着部48(図1)を形成するのである。
このときの様子について、図5、図6を参照しながら説明する。
先ず、図5(a)に示すように、バーナー84をガラス管70の管軸に沿って(第1の側管部76に沿って)上方へ移動させる。すると、当該バーナー84で加熱・軟化した第1の側管部76部分が収縮して下部から順次封着されていく。
次に、図5(b)に示すように、前記接合部分40に対応する区間では、バーナー84を第1の側管部76から遠ざける。これにより、当該区間に対応する側管部76部分は軟化点に達しないので、非封着とすることができる。なお、この区間においてバーナー84を消火することも考えられるが、好ましくない。側管部76の温度が急変して、破損するおそれが生じるからである。
続いて、図6(a)に示すように、前記接合部分40に対応する区間を過ぎると、バーナー84を第1の側管部76に近づけ、第1の側管部76との距離を元の距離まで戻して封着を再開する。
そして、図6(b)に示すように、バーナー84を第1のリード線32の中程に対応する位置まで、ガラス管70の管軸に沿って移動させて、第1の側管部76の封着が終了する。
上記した一連の封着工程において、前記接合部分40に対応するガラス管部分は封着しないので、この部分において従来発生しているようなクラックはほとんど発生しなくなる。また、たとえ発生したとしても、上述した理由により、当該クラックの成長に起因して高圧水銀ランプ10の寿命が短くなるのを可能な限り防止することができるのである。
第1の側管部76の封着が終了すると、第1の側管部76と第2の側管部78の上下関係を逆転させ、第2の側管部78を上方に向けて、ガラス管70を保持する。
次に、第2の側管部78からガラス管70内に、水銀48を18〜24mg(放電室14(図1)の単位容積当たりの水銀量は、300〜400mg/cc)導入する。
その後、第2の側管部78側から、上記したのと同様にして電極ユニット72(図3(b))を挿入する。次に、ガラス管70内を真空排気した後、臭素を含むArガスを内圧が200torrになるまで導入する。
そして、ガラス管70内の水銀をガラス管70外側から液体窒素(不図示)で冷却しながら、図7に示すように、バーナー84を、ガラス管70の管軸方向に沿って、第2の側管部78の本管部74側端部から、第2のリード線34の中程に対応する位置まで移動させて、第2の側管部78の封着を行う。このときガラス管70は、その管軸周りに回転される。
最後に、第1および第2の側管部76,78の不要部分を切断して、リード線32,34を露出させ、さらに、支持部材80をリード線32,34の一部ごと切り落として、高圧水銀ランプ10(図1)が完成する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態では、第1のリード線32と第1の金属箔28との接合部分40に対応する発光管12部分を非封着としたが、第2のリード線34と第2の金属箔30との接合部分に対応する発光管12部分も非封着とし、この部分にも空洞を形成することとしても構わない。これは、図7を用いて説明した第2の側管部78の封着工程において、図4を用いて説明した第1の側管部76の封着工程における場合と同様に、バーナー84を移動させることにより実現できる。
(2)上記実施の形態では、非封着部を形成するために、すなわち、第1のリード線32と第1の金属箔28の接合部分40に対応する区間において、バーナー84によって第1の側管部76に加えられる熱量を、当該区間の前後において加えられる熱量よりも低減させるために、バーナー84を第1の側管部から遠ざけることとしたが、遠ざける以外に、例えば、以下のような方法を採ることも可能である。
(i)前記接合部分に対応する区間の間、バーナーを弱める(火力を弱くする)。
(ii)前記接合部分に対応する側管部外周とバーナーとの間に、耐火物からなる衝立(例えば、鉄板)を配置し、当該バーナーによる加熱を弱める。
(iii)バーナーをガラス管の管軸に沿って真っ直ぐに移動させるものの、前記接合部分に対応する区間においては、その前後の区間よりも、バーナーの移動速度を速くする。
(3)上記実施の形態では、本発明を高圧水銀ランプに適用した例を示したが、本発明は、他の高圧放電ランプ、例えば、メタルハライドランプに適用することも可能である。
(4)上記実施の形態のランプユニットでは、反射鏡として、回転楕円面鏡を用いたが、これに限らず、回転放物面鏡や凹面(球面)鏡を用いることもできる。
(5)また、ガラス管を封着する際に用いる熱源は、バーナー(の火炎)に限らず、例えば、レーザ加工機のレーザビームでも構わない。
本発明に係るランプユニットは、例えば、液晶プロジェクタ、スライドプロジェクタやDLP(商標)等の投射型表示装置に用いる光源ユニットとして、また、本発明に係る高圧放電ランプは、例えば、そのような光源ユニットの光源として好適に利用可能である。
(a)は、実施の形態に係る高圧水銀ランプの縦断面図であり、(b)は、(a)におけるA・A線断面図であり、(c)は、(a)におけるB・B線断面図である。 上記高圧水銀ランプを有するランプユニットの縦断面図である。 (a)は、発光管となるガラス管を、(b)は、電極ユニットをそれぞれ示す図である。 第1の側管部の封着工程等を説明するための図である。 第1の側管部における一連の封着工程の一部を示す図である。 第1の側管部における一連の封着工程の一部を示す図である。 第2の側管部の封着工程等を説明するための図である。
符号の説明
10 高圧水銀ランプ
12 発光管
14 放電室
16,18 電極
28,30 金属箔
32,34 リード線
36,38 電極構造体
40 接合部分
48 非封着部
49 リード線封着部
50 ランプユニット
52 回転楕円面鏡
70 ガラス管
84 バーナー

Claims (3)

  1. 放電室を有する発光管と、
    電極、金属箔、リード線がこの順で接合されてなる一対の電極構造体とを有し、
    前記両電極構造体は、前記放電室内で両電極を対向させた状態で、前記発光管の管軸と略同軸上に配されており、
    前記両電極構造体における、前記管軸方向、前記両金属箔のみが存在する区間に対応する発光管部分の封着によって、前記放電室が気密封止されている高圧放電ランプにおいて、
    前記発光管は、前記管軸方向、少なくとも一方のリード線の一部を封着する封着部と、当該リード線とこれに対応する金属箔との接合部部分を封着しない非封着部とを有することを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 本管部から略同軸上反対向きに一対の側管部が延設されてなるガラス管を準備するガラス管準備工程と、
    電極・金属箔・リード線がこの順に接合された電極構造体を準備する電極構造体準備工程と、
    一方の側管部から、前記電極構造体を、前記電極を先頭に当該電極が前記本管部に位置するまで挿入する電極構造体挿入工程と、
    前記ガラス管内を負圧にすると共に、熱源を前記側管部の管軸方向に移動させ、当該熱源による加熱により軟化させることにより収縮させて当該側管部を封着する封着工程とを有し、
    前記封着工程において、
    前記熱源の移動区間の内、前記金属箔と前記リード線との接合部に対応する区間において側管部に加えられる熱量を、当該区間の前後において加えられる熱量よりも低減させて、当該接合部に対応する側管部部分に非封着部を形成することを特徴とする高圧放電ランプの製造方法。
  3. 請求項1記載の高圧放電ランプと、
    凹面の反射面を有し前記高圧放電ランプの発光管内からの射出光を反射して集光する反射鏡とを有し、
    前記高圧放電ランプは、前記発光管の管軸を前記反射鏡の軸と略一致させ、前記非封着部が前記反射鏡による反射光の集光側となる向きに配されていることを特徴とするランプユニット。
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