請求項1記載の発明は、トラッキングエラー信号を用いて制御を行うトラッキング制御方法であって、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートの測定結果が比較されることにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量が決定され、そのオフセット量を有したオフセット信号がトラッキングエラー信号に加えられることを特徴とする光ディスク装置のトラッキング制御方法である。トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートの測定結果が比較されることにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量が決定され、そのオフセット量を有したオフセット信号がトラッキングエラー信号に加えられることによって、光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子特性の変化によりトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化して、光ビームがトラックの幅方向中心に対するズレを生じても、それを補正することが可能となる。そのため、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化などに起因して、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化した場合であっても、トラッキングサーボ制御手段がトラックの幅方向に対して中心を追従することができ、温度変化などによる外部要因を受けない記録や再生をすることが可能な光ディスク装置のトラッキング制御方法を実現することができる。
請求項2記載の発明は、トラッキングエラー信号を用いて制御を行うトラッキング制御方法であって、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタの測定結果が比較されることにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量が決定され、そのオフセット量を有したオフセット信号がトラッキングエラー信号に加えられることを特徴とする光ディスク装置のトラッキング制御方法である。トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタの測定結果が比較されることにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量が決定され、そのオフセット量を有したオフセット信号がトラッキングエラー信号に加えられることによって、光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子特性の変化により、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化して、光ビームがトラックの幅方向中心に対するズレを生じても、それを補正することが可能となる。そのため、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化などに起因して、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化した場合であっても、トラッキングサーボ制御手段がトラックの幅方向に対して中心を追従することができ、温度変化などによる外部要因を受けない記録や再生をすることが可能な光ディスク装置のトラッキング制御方法を実現することができる。
請求項3記載の発明は、トラッキングエラー信号に対するオフセット量の決定とそのオフセット量を有したオフセット信号がトラッキングエラー信号に加えられるタイミングが、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度が測定され、測定された温度が所定の温度に達したときに行なわれることを特徴とする請求項1、2いずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題となる範囲を超えた場合にのみ、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定するため、演算手段またはその他処理手段への負荷を減らすことができる。
請求項4記載の発明は、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内での温度の測定が、一定間隔のタイミングで行なわれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。温度測定が一定間隔のタイミングで行なわれることによって、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化を定期的に監視することができ、また、常時監視するより演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
請求項5記載の発明は、エラーレートまたはジッタを測定する際に、エラーレートまたはジッタの測定値が、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度と同時に取得され、トラッキングエラー信号のオフセット量と取得された温度が1対1で対応するようにテーブル化し記憶されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題とならない範囲である場合、トラッキングエラー信号のオフセット量と取得された温度が1対1で対応するようにテーブル化し記憶されている情報を基にトラッキング制御を行うことができ、必要以上の演算処理をする必要がなくなるため、演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
請求項6記載の発明は、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度が、所定の温度に達して、オフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える際に、トラッキングエラー信号のオフセット量と取得された温度がテーブル化し記憶されている場合、その時の温度に応じて前記テーブル化された情報の中から最適なオフセット量が選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。光ディスク装置の動作において、動作、休止を繰り返すことによるピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、そのエラーレートまたはジッタの測定結果を比較することによりトラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理を、度々行う必要が無くなるため、演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
請求項7記載の発明は、テーブル化し記憶する温度が、光ディスク装置起動時の温度を基準とした変位量で決定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。光ディスク装置の起動時の温度を基準とすることにより、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化を予想して、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定するタイミングである所定の温度を容易に決定することができる。
請求項8記載の発明は、テーブル化し記憶する温度が、少なくとも3種類以上7種類以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、光ディスク上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、そのエラーレートまたはジッタの測定結果を比較することにより、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理の実施頻度と処理を行うための演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
請求項9記載の発明は、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所で記録を行う位置が、光ディスクの試し書き領域であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。少なくとも3箇所で記録を行う位置を試し書き領域とすることにより、ユーザデータ領域に不安定な記録品質のデータを書き込まなくて良い。
請求項10記載の発明は、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所で記録される際に用いられる一定距離の変位量が、使用される光ディスクのトラック幅の2〜10%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。光ディスク上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録される際に用いられる一定距離の変位量を、使用される光ディスクのトラック幅の2〜10%とすることによって、トラッキングサーボが外れ、記録エラーになることを防ぐことができる。
請求項11記載の発明は、トラッキング制御を補正するために加えられるオフセット信号の更新が、光ディスクに残されている記録可能領域が所定の容量以上の場合に行なわれることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、その記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、エラーレートまたはジッタを比較することによりトラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理に要する時間と前記一連の処理を行わない場合の時間を比較して、時間的に有利な方法を選択することができる。
請求項12記載の発明は、オフセット量の更新を行うか否かを決定する所定の容量が、光ディスクへの記録速度により変更されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光ディスク装置のトラッキング制御方法である。ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、光ディスク上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、所定のトラックに対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタが測定され、エラーレートまたはジッタの測定結果を比較することにより、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理に要する時間と前記一連の処理を行わない場合の時間を比較する際に、所定の容量を光ディスクへの記録速度により可変することによって、ピックアップモジュールなどの温度上昇と残り記録時間との関係を更に精度良く調整することができ、トラッキングオフセット最良探索処理を実施することによるトータル記録時間の遅延を最小限に押さえることが可能となる。
請求項13記載の発明は、レーザの発光パターンを利用してデータを記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップと、光ディスクからの反射光を受光する反射光受光手段と、受光した信号からトラッキングエラー信号を算出するトラッキングエラー信号演算手段と、トラッキングエラー信号からレンズ位置信号を生成するトラッキングサーボ制御手段と、レンズ位置信号に基づきトラッキング駆動コイルを駆動させるトラッキング駆動手段と、トラッキング駆動コイルにより可動する対物レンズと、エラーレートを測定するエラーレート測定手段と、エラーレートの比較を行うエラーレート比較手段と、トラッキングエラー信号を用いてトラッキング制御を行う制御部を備え、制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置に記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加えることを特徴とする光ディスク装置である。制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置に記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、前記オフセット量を有したオフセット信号を前記トラッキングエラー信号に加えることによって、光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子特性の変化によりトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化して、光ビームがトラックの幅方向中心に対するズレを生じても、それを補正することが可能となる。そのため、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化などに起因して、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化した場合であっても、トラッキングサーボ制御手段がトラックの幅方向に対して中心を追従することができ、温度変化などによる外部要因を受けない記録や再生をすることが可能な光ディスク装置を実現することができる。
請求項14記載の発明は、レーザの発光パターンを利用してデータを記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップと、光ディスクからの反射光を受光する反射光受光手段と、受光した信号からトラッキングエラー信号を算出するトラッキングエラー信号演算手段と、前記トラッキングエラー信号からレンズ位置信号を生成するトラッキングサーボ制御手段と、前記レンズ位置信号に基づきトラッキング駆動コイルを駆動させるトラッキング駆動手段と、前記トラッキング駆動コイルにより可動する対物レンズと、前記エラーレートを測定するエラーレート測定手段と、前記エラーレートの比較を行うエラーレート比較手段と、温度を測定し温度情報を記憶する温度取得手段・温度テーブル保持手段と、前記トラッキングエラー信号を用いてトラッキング制御を行う制御部を備え、前記制御部は、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、前記トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、前記トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、前記トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行い、前記少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートを比較することにより、前記トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、前記オフセット量を有したオフセット信号を前記トラッキングエラー信号に加えることによりトラッキング制御の補正をする際に、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度を測定し、前記測定された温度が所定の温度に達したときにトラッキングエラー信号へのオフセット量を決定することを特徴とする光ディスク装置である。制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える際に、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度を測定し、測定された温度が所定の温度に達したときにトラッキングエラー信号へのオフセット量を決定することによって、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題となる範囲を超えた場合にのみ、トラッキングエラー信号のオフセット量を決定するため、演算手段やその他処理手段への負荷を減らすことができる。
請求項15記載の発明は、レーザの発光パターンを利用してデータを記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップと、光ディスクからの反射光を受光する反射光受光手段と、受光した信号からトラッキングエラー信号を算出するトラッキングエラー信号演算手段と、トラッキングエラー信号からレンズ位置信号を生成するトラッキングサーボ制御手段と、レンズ位置信号に基づきトラッキング駆動コイルを駆動させるトラッキング駆動手段と、トラッキング駆動コイルにより可動する対物レンズと、ジッタを測定するジッタ測定手段と、ジッタの比較を行うジッタ比較手段と、トラッキングエラー信号を用いてトラッキング制御を行う制御部を備え、制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置に記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加えることを特徴とする光ディスク装置である。制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置に記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、前記オフセット量を有したオフセット信号を前記トラッキングエラー信号に加えることによって、光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子特性の変化によりトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化して、光ビームがトラックの幅方向中心に対するズレを生じても、それを補正することが可能となる。そのため、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化などに起因して、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化した場合であっても、トラッキングサーボ制御手段がトラックの幅方向に対して中心を追従することができ、温度変化などによる外部要因を受けない記録や再生をすることが可能な光ディスク装置を実現することができる。
請求項16記載の発明は、レーザの発光パターンを利用してデータを記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップと、光ディスクからの反射光を受光する反射光受光手段と、受光した信号からトラッキングエラー信号を算出するトラッキングエラー信号演算手段と、トラッキングエラー信号からレンズ位置信号を生成するトラッキングサーボ制御手段と、レンズ位置信号に基づきトラッキング駆動コイルを駆動させるトラッキング駆動手段と、トラッキング駆動コイルにより可動する対物レンズと、ジッタを測定するジッタ測定手段と、ジッタの比較を行うジッタ比較手段と、温度を測定し温度情報を記憶する温度取得手段・温度テーブル保持手段と、トラッキングエラー信号を用いてトラッキング制御を行う制御部を備え、制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号を前記トラッキングエラー信号に加える際に、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度を測定し、測定された温度が所定の温度に達したときにトラッキングエラー信号へのオフセット量を決定することを特徴とする光ディスク装置である。制御部が、光ディスクに情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行い、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタを比較することにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える際に、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度を測定し、測定された温度が所定の温度に達したときにトラッキングエラー信号へのオフセット量を決定することによって、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題となる範囲を超えた場合にのみ、トラッキングエラー信号のオフセット量を決定するため、演算手段やその他処理手段への負荷を減らすことができる。
請求項17記載の発明は、エラーレートまたはジッタの少なくとも一方を測定する際に、エラーレートまたはジッタの少なくとも一方の測定値が、ピックアップモジュール内または光ディスク装置内の温度と同時に取得され、トラッキングエラー信号のオフセット量と取得した温度が1対1で対応するようにテーブル化し記憶されることを特徴とする請求項14、16のいずれか1項に記載の光ディスク装置である。ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題とならない範囲である場合、トラッキングエラー信号のオフセット量と取得された温度が1対1で対応するようにテーブル化し記憶されている情報を基にトラッキング制御を行うことができ、必要以上の演算処理をする必要がなくなるため、演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態について、DVDを例にして図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における光ディスク装置のブロック図である。図1において、1は光ディスク、2はピックアップモジュール、3はスピンドルモータ、4はトラッキング駆動コイル、5は対物レンズ、6は反射光受光手段、7はトラッキングエラー信号演算手段、8はトラッキングサーボ制御手段、9はトラッキング駆動手段、10は温度取得手段・温度テーブル保持手段、11はCPU、12はディジタルサーボコントローラー、13はエラーレート測定手段またはジッタ測定手段、14はエラーレート比較手段またはジッタ比較手段である。
また、図7は光ディスクのトラックに対して光ビームが照射されている様子を示す図である。図7において、101は光ビーム、102はトラックである。
以上のように構成された本発明の一実施の形態における光ディスク装置について説明する。
ピックアップモジュール2は、光ディスク1を回転させるスピンドルモータ3と、レーザの発光パターンを利用して光ディスク1の情報信号を読み取るもしくは書き込むことの少なくとも一方を行う光ピックアップと、光ピックアップが搭載されたキャリッジを光ディスク1の半径方向に移動させるためのフィード部とによって構成されたものである。
トラッキングエラー信号演算手段7は、ピックアップモジュール2の内部に設けられたキャリッジ中の光ピックアップ内部の反射光受光手段6からの信号出力を基に、トラッキングエラー信号を算出し、ディジタルサーボコントローラー12の中にあるトラッキングサーボ制御手段8に出力する。トラッキングエラー信号とは、光ビームスポットと光ディスク1のトラック102との光ディスク1半径方向の位置ずれ情報を含んだ信号のことである。
トラッキングサーボ制御手段8は、トラッキングエラー信号を用いてトラック102と光ビーム101の位置関係を制御するための信号をトラッキング駆動手段9に出力する。
トラッキング駆動手段9では、得られたトラッキングエラー信号を基にトラッキング駆動コイル4を動かすための出力電圧を生成し、それを出力することでトラッキング駆動コイル4を動かし、光ピックアップに設けられた対物レンズ5を可動させる。このように、対物レンズ5を可動させることによって、図7に示すように光ビーム101のスポットが光ディスク1のトラック102に追従できるようにする。
トラッキングサーボ制御手段8は、ON/OFF回路、演算回路、フィルタ回路、増幅回路等によって構成され、光ビーム101のスポットが光ディスク1のトラック102に追従するように対物レンズ5をトラッキング制御し、さらにトラッキングエラー信号の低域成分を用いて対物レンズ5が概略中立位置を保持するようにフィード制御を行う。
フィード部(図示せず)は、フィードモータ、ギヤ、スクリューシャフト等から構成され、フィードモータを回転させることによってキャリッジが移動し、その際フィードモータよりフィードモータパルスが周期的に出力されるようになっている。
エラーレート測定手段またはジッタ測定手段13は、図7に示す光ビーム101のスポットが光ディスク1のトラック102に追従する際に得られる反射光受光手段6からのエラーレートまたはジッタを測定し、その結果をエラーレート比較手段またはジッタ比較手段14へ送る。エラーレートまたはジッタの測定は、光ディスク1に情報の記録または再生を行う際に、光ディスク1のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、その記録された位置に対して行なわれる。記録に用いられるデータは、任意のデータで良い。
エラーレート比較手段またはジッタ比較手段14では、送られてきたエラーレートまたはジッタの情報を光ディスク上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置毎に一旦保持し、それらを相対比較し、その比較結果をCPU11に送る。
CPU11では、その内部にある温度取得手段・温度テーブル保持手段10でCPU11の周囲温度、つまりピックアップモジュール2内または光ディスク装置内の温度を測り、その温度と、エラーレート比較手段またはジッタ比較手段14から送られてきたエラーレートまたはジッタの比較結果に基づき算出されたオフセット量が1対1となるように温度取得手段・温度テーブル保持手段10にテーブル化し記憶する。そうすることにより、ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題とならない範囲である場合には、トラッキングエラー信号のオフセット量と取得された温度が1対1で対応するようにテーブル化し記憶されている情報を基にトラッキング制御を行うことができ、必要以上の演算処理をする必要がなくなるため、演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
本実施の形態では、CPU11はピックアップモジュール2の近傍に設けられているため、温度取得手段・温度テーブル保持手段10で測定される温度は光ディスク装置内のピックアップモジュール2近傍の温度となるがこれに限定されるものではない。温度取得手段と温度テーブル保持手段を別々の構成とし、温度取得手段をピックアップモジュール2内に設けることで更にピックアップモジュール2内の電気素子の温度をより精度良く測ることができる。本実施の形態では、光ディスク装置の構成部品数の増加を防ぐために、光ディスク装置全体を制御するCPU11の中に温度取得手段・温度テーブル保持手段10を備え、ピックアップモジュール2の近傍に設けた。こうすることで、薄型、軽量の光ディスク装置にも対応する事が可能となる。
温度取得手段・温度テーブル保持手段10にテーブル化し記憶された情報は、ディジタルサーボコントローラー12の中にあるトラッキングサーボ制御手段8に送られ、トラッキング制御の補正に用いられる。
ディジタルサーボコントローラー12とCPU11は、本発明の制御部を構成し、トラッキング駆動コイル4、反射光受光手段6、トラッキングエラー信号演算手段7、トラッキング駆動手段9、温度取得手段・温度テーブル保持手段10、エラーレート測定手段またはジッタ測定手段13、エラーレート比較手段またはジッタ比較手段14、フィード部の各部から送られる信号が入力され、これらの信号の演算処理等を行い、この演算処理の結果(信号)を各部に送出し、各部にて駆動、処理を実行させ、各部の制御を行うものである。
次に、本発明の動作について、DVDを例にして、図を用いて説明する。
図2は、本発明の一実施の形態におけるトラッキング制御の補正を示すフローチャートである。
光ディスク装置は、光ディスク1が挿入される(S1)と、スピンドルモータ3を回転させ、光ピックアップのレーザを発光させ、フォーカスサーボ、トラッキングサーボをかけ(S2)、光ディスク1のディスク情報の取得を行う。
次に、CPU11にある温度取得手段・温度テーブル保持手段10で、光ディスク装置起動時の温度取得と取得した温度値の保持を行い、後述する図3に示す光ディスクの試し書き領域22aに、オフセット初期値を0としたレンズ位置と、オフセット初期値を0としたレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、オフセット初期値を0としたレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で試し書きを行い、その後、記録した少なくとも3箇所の位置でトラッキングオフセット最良探索処理を行い、光ディスク装置起動時に行われる1回目のトラッキングオフセット最良探索結果に基づく起動時オフセット値の決定を行う。それから、ユーザデータ記録領域23にデータの記録もしくは再生を行う(S3)。トラッキングオフセット最良探索処理の方法と起動時オフセット値の具体的決定方法については、図5を用いて後述する。データ記録もしくは再生もしくは休止中のいずれの場合においても一定の時間が経過したら、温度取得手段・温度テーブル保持手段10によりピックアップモジュール2近傍の温度の測定を行う(S4)。温度を測定するタイミングは、一定間隔に限定されるものでは無く、常時測定でも良い。好ましくは、一定の時間が経過したら測定することである。そうすることにより,ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化を定期的に監視することができ、また常時監視するよりも演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
温度取得手段・温度テーブル保持手段10による一定間隔の温度取得により、測定された温度が所定の温度に達するまでは、トラッキングエラー信号に加えるオフセット信号は、光ディスク装置起動時に設定した起動時オフセット値を用いる(S6)。温度取得手段・温度テーブル保持手段10による一定間隔の温度取得により、測定された温度が所定の温度に達すると、温度取得手段・温度テーブル保持手段10からの情報により、CPU11はトラッキングエラー信号に加える最適なオフセット値を求めるトラッキングオフセット最良探索処理を行う(S5)。トラッキングオフセット最良探索処理は、測定された温度が所定の温度に達したときに行うことによって、ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に起因するトラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号の変化が記録特性や再生特性において、実使用上問題となる範囲を超えた場合にのみ、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定するため、演算手段またはその他処理手段への負荷を減らすことができる。
本実施の形態では、所定の温度を光ディスク装置の動作開始温度を基準とし、+10℃、+20℃、−10℃、−20℃とした。これにより、後述する温度取得手段・温度テーブル保持手段10にテーブル化し記憶する温度が少なくとも3種類以上7種類以下の一例である5種類とすることが可能となり、ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、光ディスク上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、エラーレートまたはジッタの測定結果を比較することにより、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理の実施頻度と処理を行うための演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
トラッキングオフセット最良探索処理では、まずCPU11の命令により温度取得手段・温度テーブル保持手段10で現在の光ディスク装置内のピックアップモジュール2近傍での温度取得を行う。次に、トラッキングエラー信号に加えるオフセット信号のオフセット量は、光ディスク装置起動時に設定した起動時オフセット値を用い、光ディスクの試し書き領域22aのトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に試し書きを行う。
次に、光ディスク装置起動時に決定した起動時オフセット値を用い記録したトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置と、光ディスク装置起動時に決定した起動時オフセット値を用い記録したトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置に書き込みを行う。本実施の形態では、一定距離の変位量を0.03μmとした。一定距離の変位量は0.03μmに限定されるものではないが、使用される光ディスクのトラック幅に対して2〜10%であることで、トラッキングサーボが外れ、記録エラーになることを防ぐことができる。
次に、光ディスク1に対して、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置に記録したデータを再生し、各位置におけるエラーレートまたはジッタを測定し、測定されたエラーレートまたはジッタが最小となった位置を実際のトラック102幅方向の中心と判断し、これに基づきトラッキングエラー信号に加えるオフセット量を決定する(S5)。オフセット量の具体的決定方法については、図5を用いて後述することにする。
トラッキングエラー信号に加えるオフセット信号のオフセット量が決定し、CPU11により、前記オフセット量を有したオフセット信号がトラッキングエラー信号に加えられ、トラッキング制御が補正されるとユーザデータ記録領域に対してデータ記録が再開される(S7)。
データの記録が継続され、光ディスク1の残り記録長が4096セクタ以上の場合には、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が所定の温度に達すると、トラッキング制御を補正するために加えられるオフセット信号を更新し続け(S8)、光ディスクの残り記録長が4096セクタ未満になると、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が所定の温度に達しても、トラッキング制御を補正するために加えられるオフセット信号の更新を中止し、現状のオフセット量を維持したオフセット信号で記録終了まで動作を続ける(S9)。こうすることで、ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、エラーレートまたはジッタの測定結果を比較することによりトラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理に要する時間と前記一連の処理を行わない場合の時間を比較して、時間的に有利な方法を選択することができる。
また、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が所定の温度に達すると、トラッキング制御を補正するために加えられるオフセット信号を更新し続けるか、もしくは、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が所定の温度に達しても、トラッキング制御を補正するために加えられるオフセット信号を中止し、現状のオフセット量を維持したオフセット信号で記録終了まで動作を続けるかは、光ディスクの残り記録長が4096セクタであるかどうかに限定されるものでは無い。
トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、エラーレートまたはジッタの測定結果を比較することにより、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える全ての処理に要する時間と光ディスクの残り記録長を最後まで記録するために必要な時間が可能な限り短くなるように、予め実験などにより所定の容量を求めて設定することが良く、更に所定の容量は光ディスクへの記録速度により変更されることが好ましい。そうすることにより、ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、光ディスク上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、所定のトラックに対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタが測定され、エラーレートまたはジッタの測定結果を比較することにより、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理に要する時間と前記一連の処理を行わない場合の時間を比較する際に、所定の容量を光ディスクへの記録速度により可変することによって、ピックアップモジュール2などの温度上昇と残り記録時間との関係を更に精度良く調整することができ、トラッキングオフセット最良探索処理を実施することによるトータル記録時間の遅延を最小限に押さえることが可能となる。
次に、光ディスクの領域構成について、DVDを例にして説明する。
図3は、光ディスクの領域構成を示す断面図である。図3において、21は中心穴、22は非ユーザデータ記録領域、22aは試し書き領域、22bはディスク情報管理領域、23はユーザデータ記録領域である。
光ディスク1は、ディスク中心に設けられた中心穴21から半径方向外周側に向かって試し書き領域22a、ディスク情報管理領域22bなどの非ユーザデータ記録領域22、ユーザデータ記録領域23の順に配置されている。試し書き領域22a、ディスク情報管理領域22bなどの非ユーザデータ記録領域22には、光ディスク1面上へ記録するための最適記録パワーを求めるためのOPC(Optimum Power Calibration)動作などに用いる試し書き領域やTOC(Table Of Contents)などのディスク管理情報が書き込まれている領域がある。また、ユーザデータ記録領域23は、使用者の指示により利用される領域である。
本実施の形態では、光ディスク装置のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側にオフセットした位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側にオフセットした位置とを含む少なくとも3箇所で記録を行う位置を、非ユーザデータ記録領域22である光ディスクの試し書き領域22aとした。そうすることによって、少なくとも3箇所で記録を行う位置を試し書き領域22aとすることにより、ユーザデータ記録領域23に不安定な記録品質のデータを書き込まなくて良い。トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側にオフセットした位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側にオフセットした位置とを含む少なくとも3箇所で記録を行う位置は、非ユーザデータ記録領域22である光ディスクの試し書き領域22aに限定されるものでは無い。
図4は、本発明の一実施の形態におけるトラッキングオフセット温度テーブルの一例を示す図である。図4において、上段はトラッキングエラー信号へのオフセット量の決定と、前記オフセット量を有したオフセット信号が前記トラッキングエラー信号に加える動作を行う所定の温度を表す。また、下段は上段に示す所定の温度に対する光ディスク装置動作開始時点の起動時オフセット値を基準にしたオフセット量を表す。ここで、下段は光ディスク装置起動時には、何も保持されておらず、光ディスク装置が動作する際に、所定の温度に到達し決定されたオフセット量が記憶保持される。
光ディスク装置の起動時には、トラッキングオフセット最良探索処理が行われ動作開始温度T0に示す起動時オフセット値が決定され、光ディスク装置の動作や環境温度の変化により、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が所定の温度に到達する毎に図4に示す下段のオフセット量が決定され、保持されていく。一度オフセット量が保持されると、所定の温度間で形成される温度帯域に、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が存在する場合は、図4に示す下段のオフセット量を利用してトラッキング制御の補正を行うことができる。
例えば、図4に示す本発明の一実施の形態におけるトラッキングオフセット温度テーブルの一例の場合、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が、動作開始温度をT0と定義し、起動時オフセット値が0であった場合には、(T0−10℃)〜(T0+10℃)の範囲にあるときはオフセット量を0とし、(T0−10℃)〜(T0−20℃)の範囲にあるときはオフセット量を−0.03μmとし、(T0−20℃)をプラス方向に超える範囲にあるときはオフセット量を−0.06μmとし、(T0+10℃)〜(T0+20℃)の範囲にあるときはオフセット量を+0.03μmとし、(T0+20℃)をマイナス方向に超える範囲にあるときはオフセット量を+0.06μmとする。
また、例えば、図4に示す本発明の一実施の形態におけるトラッキングオフセット温度テーブルにおいて、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が、動作開始温度をT0と定義し、起動時オフセット値が+0.03μmであった場合には、(T0−10℃)〜(T0+10℃)の範囲にあるときはオフセット量を+0.03μmとし、(T0−10℃)〜(T0−20℃)の範囲にあるときはオフセット量を0とし、(T0−20℃)をマイナス方向に超える範囲にあるときはオフセット量を−0.03μmとし、(T0+10℃)〜(T0+20℃)の範囲にあるときはオフセット量を+0.06μmとし、(T0+20℃)をプラス方向に超える範囲にあるときはオフセット量を+0.09μmとする。
トラッキング制御に用いるオフセット量は、一度決定したオフセット量を何度も使用することに限らず、所定の温度に到達するたびに更新を行っても良い。再生動作や追記動作を行う際に、既にその時の温度に応じたオフセット量がテーブル化されている場合には、その時の温度に応じて前記テーブル化された情報の中から最適なオフセット量が選択され、オフセット量がトラッキングエラー信号に加えられることにより、トラッキング制御が補正されることが好ましい。そうすることにより、光ディスク装置の動作において、動作、休止を繰り返すことによるピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化に対して、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録を行ない、記録された位置のエラーレートまたはジッタを測定し、エラーレートまたはジッタの測定結果を比較することによりトラッキングエラー信号に対するオフセット量を決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加える処理を、度々行う必要が無くなるため、演算手段やその他処理手段への負荷を軽減することができる。
また、テーブル化し記憶する温度は、図4に示すように、光ディスク装置起動時の温度を中心とした変位量で決定されるようにする。そうすることで、ピックアップモジュール2内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化を予想して、トラッキングエラー信号へのオフセット量を決定するタイミングである所定の温度を容易に決定することができる。
次に、オフセット量の具体的決定方法について、光ディスク装置起動時に決定した起動時オフセット値が0の場合を例にして説明する。
図5は、本発明の一実施の形態におけるオフセット量の決定方法を示す図である。図5は、光ディスク装置動作開始温度T0に対して、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が(T0+10℃)もしくは(T0−10℃)に到達した際に行われるオフセット量の決定方法を示したものであり、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に0.03μm変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に0.03μm変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、記録された位置のエラーレートまたはジッタが測定され、エラーレートまたはジッタの測定結果が比較される様子を示したものである。
パターン1において、エラーレートまたはジッタは、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に0.03μm変位(−0.03μm)した位置が最も小さく、次にトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置が小さく、最後にトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に0.03μm変位(+0.03μm)した位置となる。
パターン2において、エラーレートまたはジッタは、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置が最も小さく、次にトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に0.03μm変位(+0.03μm)した位置が小さく、最後にトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に0.03μm変位(−0.03μm)した位置となる。
パターン3において、エラーレートまたはジッタは、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に0.03μm変位(+0.03μm)した位置が最も小さく、次にトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置が小さく、最後にトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に0.03μm変位(−0.03μm)した位置となる。
それぞれの状態に対して、エラーレートまたはジッタが最小となる位置がトラッキング制御の最適状態と判断し、補正前のトラッキングエラー信号により制御されるトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置とエラーレートまたはジッタが最小となる位置の変位量をオフセット量とする。
エラーレートまたはジッタの測定結果がパターン1の場合には、補正前のトラッキングエラー信号が、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に0.03μm変位(−0.03μm)するようなオフセットが必要であり、エラーレートまたはジッタの測定結果がパターン2の場合には、補正前のトラッキングエラー信号をそのまま使用することができ、エラーレートまたはジッタの測定結果がパターン3の場合には、補正前のトラッキングエラー信号が、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に0.03μm変位(+0.03μm)するようなオフセットが必要である。
そのため、図5の場合においては、パターン1の場合のオフセット量を(オフセット初期値−0.03μm)とし、パターン2の場合のオフセット量をオフセット初期値とし、パターン3の場合のオフセット量を(オフセット初期値+0.03μm)とする。こうして得られたオフセット量を有するオフセット信号を補正前のトラッキングエラー信号に加えることにより、トラッキング制御の補正を行う。
なお、図5においては、光ディスク装置動作開始温度T0に対して、温度取得手段・温度テーブル保持手段10により測定された温度が+10℃もしくは−10℃に到達した際に行われるオフセット量の決定方法を示したが、他の温度に到達した際に行われるオフセット量の決定方法も同様である。
このようにして、光ディスク1に情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、少なくとも3箇所の位置で測定されたエラーレートの測定結果が比較されることにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量が決定され、そのオフセット量を有したオフセット信号が前記トラッキングエラー信号に加えられることによって、光ディスク1上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して意図的に内周側と、外周側へ一定距離変位させた位置に記録を行い、記録された位置のエラーレートを測定し、エラーレートの測定結果を比較し、最小となるエラーレートを有する位置を実際のトラック幅の略中心と判断し、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、最小になるエラーレートを有する位置の一定距離の変位量をトラッキングエラー信号に対するオフセット量として決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加えることにより、光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子特性の変化により、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化して、光ビームがトラックの幅方向中心に対するズレを生じても、それを補正することが可能となる。
また、光ディスク1に情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で記録が行なわれ、少なくとも3箇所の位置で測定されたジッタの測定結果が比較されることにより、トラッキングエラー信号に対するオフセット量が決定され、オフセット量を有したオフセット信号が前記トラッキングエラー信号に加えられることによって、光ディスク1上のトラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して意図的に内周側と、外周側へ一定距離変位させた位置に記録を行い、記録された位置のジッタを測定し、ジッタの測定結果を比較し、最小となるジッタを有する位置を実際のトラック幅の略中心と判断し、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、最小になるジッタを有する位置の一定距離の変位量をトラッキングエラー信号に対するオフセット量として決定し、そのオフセット量を有したオフセット信号をトラッキングエラー信号に加えることにより、光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子特性の変化により、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化して、光ビームがトラックの幅方向中心に対するズレを生じても、それを補正することが可能となる。
そのため、ピックアップモジュール内での光学素子や検出信号を増幅するアンプなどの電気素子の温度変化などに起因して、トラッキングエラー信号生成の基になる光ピックアップからの信号が変化した場合であっても、トラッキングサーボ制御手段8がトラックの幅方向に対して中心を追従することができ、温度変化などによる外部要因を受けない記録や再生をすることが可能な光ディスク装置のトラッキング制御方法及び光ディスク装置を実現することができる。
なお、本実施の形態では、光ディスク1に情報の記録または再生を行う際に、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置と、トラッキングサーボがトラック中心と判断して追従しているレンズ位置に対して内周側に一定距離変位した位置と、任意のトラックに対して外周側に一定距離変位した位置とを含む少なくとも3箇所の位置で行われる記録を3箇所として説明したが、これに限定されるものでは無い。記録する位置数を増やし、それぞれの位置に対して本発明の一連の処理を行なえば、トラッキングエラー信号に加える精度の高いオフセット量を決定することができる。
また、本実施の形態では、温度取得手段・温度テーブル保持手段10の設置場所をピックアップモジュール2内または光ディスク装置内として説明したが、温度取得手段・温度テーブル保持手段10の設置場所は光ディスク装置外でも良く、その場合、ピックアップモジュール2内または光ディスク装置の温度と相関が取れるように、あらかじめ実験などにより相関関係を求めておくのが好ましい。