JP2006292479A - 感圧センサ、及び感圧センサの製造方法 - Google Patents

感圧センサ、及び感圧センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】指向性を持たない感圧センサを提供する。
【解決手段】異物検出センサは、芯電極33と、芯電極33の外周に設けられた導電ゴム層41と、感圧ゴム層42の外周に設けられたセンサ電極35と、センサ電極35の外周に設けられた外皮36とを備えている。感圧ゴム層42は、ゴム材料中にニッケル粉末が分散されてなり、加圧されることにより変形すると抵抗値が変化する。感圧ゴム層42中のニッケル粉末は、感圧ゴム層42を径方向に沿って切った断面内における配向方向が、感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に変化するように配向されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は被検出物の接触を検出する感圧センサに関するものである。
従来、車両には、モータ等の駆動力によってドアパネルを車両の前後方向に沿ってスライド作動(開閉作動)させる開閉装置が備えられているものがある。開閉装置には、閉作動中のドアパネルと車体との間の異物の挟み込みを検出するために、感圧センサが備えられている。この感圧センサには、加圧されて変形すると抵抗値が変化する感圧ゴムを利用して構成されたものがある。そして、感圧ゴムは、例えば、特許文献1にて開示されているものがある。
特許文献1にて開示されている感圧ゴムは、ゴム材料中に磁性材料を分散させて形成されている。そして、磁性材料は、シート状若しくは帯状に形成された感圧ゴムの厚さ方向に沿った一方向に沿って配向されている。この感圧ゴムを感圧センサとして利用する際には、感圧ゴムの厚さ方向の両側に板状の電極が配設される。このような感圧センサにおいては、感圧ゴムを挟んで配設された電極間を流れる電流の電流値に基づいて異物の接触が検出される。即ち、感圧センサに異物が接触して感圧センサに押圧力が作用すると、感圧ゴムが変形して該感圧ゴムの抵抗値が小さくなり、感圧ゴムを挟んで配設された電極間を流れる電流の電流値が変化する。この電流値の変化に基づいて感圧ゴムの抵抗値が変化したことを検出し、検出した感圧ゴムの抵抗値の変化に基づいて感圧センサに異物が接触したことを検出する。
特開2003−346556号公報
ところで、開閉装置においては、ドアパネルと車体との間に挟み込まれる異物は、様々な方向から感圧センサに接触する。しかしながら、特許文献1にて開示されている感圧ゴムを利用して感圧センサを構成すると、シート状若しくは帯状に形成された感圧ゴムの厚さ方向の両側に電極を配設することになるため、感圧センサは平板状となる。そして、感圧ゴムは、磁性材料が感圧ゴムの厚さ方向に沿った一方向に沿って配向されていることから、該感圧ゴムの厚さ方向に指向性を持っている。従って、感圧ゴムの厚さ方向と異なる方向に沿って押圧力が加えられた場合には、感圧ゴムにおける抵抗値の変化が極めて小さいものとなる。これらのことから、特許文献1の感圧ゴムを利用して感圧センサを構成すると、感圧ゴムの厚さ方向(即ち磁性材料の配向方向)と異なる方向に沿って押圧力が加えられるように感圧センサに対して異物が接触した場合には、異物の接触を検出できない虞がある。即ち、特許文献1にて開示されている感圧ゴムを利用して構成された感圧センサでは、感圧ゴムが厚さ方向に指向性を有するため、異物が接触する方向によっては、ドアパネルと車体との間に挟み込まれた異物を検出することが困難となる場合がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、指向性を持たない感圧センサ、及び該感圧センサの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に介在され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサであって、前記磁性材料は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように配向されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の感圧センサにおいて、前記磁性材料の配向方向は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って前記被検出物の大きさに基づいて設定された区間毎に繰り返されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の感圧センサにおいて、前記第1の電極は、円筒状若しくは円柱状に形成され、前記感圧体は、前記第1の電極と同軸状となるように前記第1の電極の外周に設けられ、前記第2の電極は、前記第1の電極と同軸状となるように前記感圧体の外周に設けられている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の感圧センサにおいて、前記磁性材料は、前記感圧体の軸方向の一端側から他端側に向かうに連れて配向方向が周方向に連続的に変化するように配向されている。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の感圧センサにおいて、前記磁性材料は、前記感圧体の軸方向に沿って設定された所定範囲毎に配向方向が周方向に変化するように配向されている。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の感圧センサにおいて、前記感圧体の厚さ方向に沿って配向された前記磁性材料の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化している。
請求項7に記載の発明は、平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に介在され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサであって、前記磁性材料は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向と直交する平面内で複数方向に配向されている。
請求項8に記載の発明は、円柱状若しくは円筒状に形成された第1の電極と、絶縁性樹脂材料にニッケル粉末が分散されてなり前記第1の電極の外周に前記第1の電極と同軸状となるように設けられた感圧体と、前記感圧体の外周に前記第1の電極と同軸状となるように設けられた第2の電極と、前記第2の電極の外周に設けられた外皮とを備え、前記第1の電極及び前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサとした。
請求項9に記載の発明は、平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させると共に、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿った前記感圧体の軸線を回転軸線として前記感圧体を回転させながら、磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えた。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の感圧センサの製造方法において、前記感圧体を挟んで配置される一対のコイルを備えて前記磁場生成手段を構成した。
請求項11に記載の発明は、平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させることにより、時間の経過に伴って磁場の向きを変化させる磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えた。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の感圧センサの製造方法において、周方向に間隔を空けて配置され三相交流電源が供給される少なくとも3つのコイルを備えて前記磁場生成手段を構成した。
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の感圧センサの製造方法において、前記感圧体を挟んで配置される複数対のコイルを備えて前記磁場生成手段を構成し、前記磁場生成手段は、電流を供給する前記コイルを順次切り換えることにより時間の経過に伴って磁場の向きを変化させる。
請求項14に記載の発明は、請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の感圧センサの製造方法において、前記磁性材料が配向された状態に保持されるように前記磁性材料を固定する配向固定工程を備えた。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の感圧センサの製造方法において、前記配向固定工程では、前記感圧体を加熱することにより、前記磁性材料が配向された状態に保持されるように前記磁性材料を固定する。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、感圧体に含まれた磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように配向されている。そのため、複数の方向から感圧センサに被検出物が接触した場合、感圧体の何れかの箇所で同様に感圧体の抵抗値が変化する。従って、感圧体は指向性を持たないと言える。このような感圧体を備えた感圧センサは、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない感圧センサを提供することができる。尚、本発明において、「平行」とは、2つの平面が一定の距離を保って延びることを意味するだけでなく、2つの面(曲面を含む)が一定の距離を保って延びていることも意味する。
請求項2に記載の発明によれば、被検出物が感圧センサに接触した場合に、被検出物から感圧センサに対して加えられる押圧力は、磁性材料の配向方向のうち何れかの方向に沿い易くなる。従って、何れの方向から被検出物が感圧センサに接触した場合であっても、被検出物の接触をより検出し易い。
請求項3に記載の発明によれば、第1の電極、第2の電極、及び感圧体は、同軸状となるように設けられている。そのため、感圧センサが軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、感圧センサの機能低下が防止される。また、同軸状に形成された感圧センサは、周方向には取付けの方向が限定されないため、従来の平板状の感圧センサに比べて、感圧センサの取付けが容易となる。
請求項4に記載の発明によれば、磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って、即ち感圧体の軸方向の一端側から他端側に向かうに連れて配向方向が周方向に連続的に変化するように配向されている。そのため、感圧センサの軸方向において、被検出物が何れの部位に接触した場合であっても、被検出物から感圧センサに対して加えられる押圧力は、磁性材料の配向方向のうち何れかの方向に沿うことになり、被検出物の接触をより検出し易い。また、請求項2に記載の感圧センサに請求項4の発明が適用された場合には、360°被検出物の接触を検出可能なセンサとすることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の感圧センサにおける感圧体のように感圧体の軸方向の一端側から他端側に向かうに連れて配向方向が周方向に連続的に変化するように磁性材料が配向される場合よりも、磁性材料の配向が容易となる。
請求項6に記載の発明によれば、感圧体の厚さ方向に沿って配向された磁性材料の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向の位置を、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化させるだけの簡単な構成で、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能な感圧センサが得られる。
請求項7に記載の発明によれば、磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向と直交する平面内で複数方向に配向されている。そのため、磁性材料が配向された複数の方向に沿って押圧力が加えられるように感圧センサに被検出物が接触した場合には、感圧体の何れの箇所でも同様に感圧体の抵抗値が変化する。従って、この感圧体は指向性を持たないと言える。そのため、この感圧体を備えた感圧センサにおいては、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能となる。そして、この感圧体を備えた感圧センサを、指向性を持たない感圧センサとすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、感圧体内のニッケル粉末は配向がなされていないことから、感圧体は、何れの方向から加圧されても等しく抵抗値が変化する。即ち、感圧体は指向性を持たない。また、第1の電極、第2の電極、及び感圧体は、同軸状となるように設けられている。これらのことから、感圧センサは、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能となる。従って、指向性を持たない感圧センサを提供することができる。
また、第1の電極、第2の電極、及び感圧体は、同軸状となるように設けられていることから、感圧センサが軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、感圧センサの機能低下が防止される。また、同軸状に形成された感圧センサは、周方向には取付けの方向が限定されないため、従来の平板状の感圧センサに比べて、感圧センサの取付けが容易となる。
請求項9に記載の発明によれば、配向工程により、磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように容易に配向される。そして、配向工程で配向された磁性材料を有する感圧体においては、感圧センサに対して複数の方向から被検出物が接触した場合、感圧体の何れかの箇所で同様に抵抗値が変化する。従って、配向工程にて配向された磁性材料を有する感圧体は、指向性を持たないと言える。このような感圧体を備えた感圧センサは、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない感圧センサを製造することができる。
請求項10に記載の発明によれば、磁性材料を配向させるための磁場は、一対のコイルを備えた簡単な構成の磁場生成手段にて生成される。
請求項11に記載の発明によれば、配向工程により、磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように容易に配向される。そして、配向工程で配向された磁性材料を有する感圧体においては、感圧センサに対して複数の方向から被検出物が接触した場合、感圧体の何れかの箇所で同様に抵抗値が変化する。従って、配向工程にて配向された磁性材料を有する感圧体は、指向性を持たないといえる。このような感圧体を備えた感圧センサは、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない感圧センサを製造することができる。
また、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿った感圧体の軸線を回転軸線として感圧体を回転させる必要がないため、感圧体を回転させるための機構を必要としない。
請求項12に記載の発明によれば、磁性材料を配向させるための磁場は、周方向に間隔を空けて配置され三相交流電源が供給される少なくとも3つのコイルを備えた簡単な構成の磁場生成手段にて生成される。
請求項13に記載の発明によれば、磁性材料を配向させるための磁場は、感圧体を挟んで配置される複数対のコイルを備えた簡単な構成の磁場生成手段にて生成される。また、電流を供給するコイルを順次切り換えることにより、時間の経過に伴って容易に磁場の向きが変化される。
請求項14に記載の発明によれば、配向固定工程により、磁性材料は、配向された状態に保持されるように感圧体内で固定される。
請求項15に記載の発明によれば、熱を加えるだけの容易な方法で、磁性材料は、配向された状態に保持されるように感圧体内で固定される。
本発明によれば、指向性を持たない感圧センサ、及び該感圧センサの製造方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を車両に搭載される電動スライドドア装置に備えられた異物検出センサに具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車体2の左側側面には、乗降口3が形成されており、該乗降口3を開閉するためのドアパネル4が車体2に対して略前後方向にスライド移動可能に取り付けられている。図1に示す車両1は、スライドモータ5(図3参照)の駆動力によりドアパネル4をスライド移動させて乗降口3を開閉する電動スライドドア装置6(図3参照)を搭載している。電動スライドドア装置6は、ドアパネル4の閉作動中にドアパネル4と車体2との間に存在する異物を検出するための異物検出部7(図3参照)を備えている。図3に示すように、異物検出部7は、電動スライドドア装置6の動作を制御する制御回路装置8と、異物検出センサ9とを備えて構成されている。
制御回路装置8は、ドアパネル4の内部に配設されており、車両1のバッテリ11から電力が供給される。制御回路装置8には、スライドアクチュエータ12のスライドモータ5、クローザアクチュエータ13のクローザモータ14、位置検出装置15、及び操作スイッチ16が電気的に接続されている。
スライドアクチュエータ12は、スライドモータ5と、該スライドモータ5の回転を減速する減速機構(図示略)とを備えて構成されている。スライドモータ5は、制御回路装置8から入力される駆動信号に応じて回転される。スライドモータ5の回転は、減速機構にて減速されてスライドアクチュエータ12の出力軸(図示略)から出力される。ドアパネル4は、スライドアクチュエータ12の出力軸から出力された駆動力によってスライド移動される。
前記クローザアクチュエータ13は、クローザモータ14と、該クローザモータ14の回転を減速する減速機構(図示略)とを備えて構成されている。ここで、ドアパネル4には、ラッチ等のロック機構(図示略)が設けられている。このロック機構は、ドアパネル4が乗降口3を閉鎖した状態(ドアパネル4が全閉位置に配置された状態)にある場合、ドアパネル4を車体2に対して移動不能となるように固定するためのものである。そして、前記クローザモータ14は、制御回路装置8から入力される駆動信号に応じて回転され、前記ロック機構を作動させると共に、ドアパネル4をロック機構によるロックが可能な位置まで移動させる。
前記位置検出装置15は、スライドモータ5の回転軸(図示略)、スライドアクチュエータ12の出力軸(図示略)、及びスライドモータ5の回転軸とスライドアクチュエータ12の出力軸との間に配設され前記減速機構を構成する減速ギヤ(図示略)のうち何れかに対応して設けられている。そして、位置検出装置15は、スライドモータ5が駆動を開始した時点からの前記回転軸、前記出力軸、及び前記減速ギヤの何れかの回転量を検出する。位置検出装置15は、検出した回転量に応じた位置検出信号を制御回路装置8に出力する。制御回路装置8は、位置検出装置15から入力される位置検出信号に基づいてドアパネル4のスライド量、即ちドアパネル4の位置を検出する。この位置検出装置15は、例えば、前記回転軸、前記出力軸、及び前記減速ギヤの何れか1つと共に回転する磁石と、該磁石に対向配置されるホール素子とから構成される。
前記操作スイッチ16は、車室内に設けられたダッシュボード(図示略)に配設されている。乗降口3を開放するように搭乗者によって操作スイッチ16が操作されると、操作スイッチ16から制御回路装置8に乗降口3を開放するようにドアパネル4をスライド移動させる旨の開信号が入力される。開信号が入力されると、制御回路装置8は、ドアパネル4を開作動させる旨の駆動信号をスライドモータ5に出力する。一方、乗降口3を閉鎖するように搭乗者によって操作スイッチ16が操作されると、操作スイッチ16から制御回路装置8に乗降口3を閉鎖するようにドアパネル4をスライド移動させる旨の閉信号が入力される。閉信号が入力されると、制御回路装置8は、ドアパネル4を閉作動させる旨の駆動信号をスライドモータ5に出力する。そして、スライドモータ5が駆動されてドアパネル4が閉作動され、図示しないハーフラッチ検出手段によって前記ロック機構がハーフラッチ状態になったことが検出されると、制御回路装置8は、クローザモータ14に駆動信号を出力する。
前記異物検出センサ9は、センサ本体21、電流検出素子22、及び静電容量検出装置23を備えて構成され、前記制御回路装置8にて制御される。
図1に示すように、センサ本体21は、ドアパネル4の閉作動時における進行方向前方側の端部、即ちドアパネル4における車両1の前方側の端部4aに沿って配設されている。図2に示すように、このセンサ本体21は同軸ケーブル状をなしている。詳しくは、センサ本体21は、複数本(図2においては7本)の電線よりなる芯線31を備えている。芯線31の外周には、円筒状をなす導電ゴム層32が形成されている。そして、芯線31及び導電ゴム層32により芯電極33が構成されている。導電ゴム層32は、例えば押し出し成形により形成される。導電ゴム層32の外周には、芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるように形成された円筒状の感圧ゴム層34が形成されている。感圧ゴム層34は、ニッケル粉末が分散されたゴム材料よりなり、押し出し成形にて形成される。この感圧ゴム層34に含まれるニッケル粉末は、配向されていない。また、感圧ゴム層34は、加圧されることにより変形すると抵抗値が小さくなる。このような感圧ゴム層34の外周には、芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるようにセンサ電極35が設けられている。センサ電極35は、導電性の編組により形成されている。そして、センサ電極35の外周には、芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるように絶縁性の外皮36が形成されている。外皮36は、センサ電極35の外周面を被覆している。尚、芯電極33とセンサ電極35とは、同軸状となるように形成されていることから、軸方向に沿って平行に延びている。
図3に示すように、芯電極33は電流検出素子22に電気的に接続されている。また、センサ電極35は、静電容量検出装置23に電気的に接続されている。そして、電流検出素子22及び静電容量検出装置23は、制御回路装置8に電気的に接続されている。センサ電極35には、制御回路装置8を介して電流が供給される。
電流検出素子22は、芯電極33、感圧ゴム層34、及びセンサ電極35と共に、ドアパネル4と車体2との間に存在する異物に接触して該異物を検出する接触式のセンサを構成している。電流検出素子22は、感圧ゴム層34を介してセンサ電極35と芯電極33との間を流れる電流の電流値を検出するためのものである。センサ本体21に外部から押圧力が加えられる、即ち感圧ゴム層34が加圧されると、当該感圧ゴム層34の抵抗値が変化して、センサ電極35と芯電極33との間を電流が流れるようになる。この時、電流検出素子22は、センサ電極35と芯電極33との間を流れる当該電流の電流値に基づいて制御回路装置8に電流検出信号を出力する。
前記静電容量検出装置23は、前記センサ電極35と共に、ドアパネル4と車体2との間に存在する異物を非接触で検出する静電容量式のセンサを構成している。静電容量検出装置23は、制御回路装置8によって駆動され、センサ電極35と地面(大地)との間で静電容量の変化を検出すると、センサ電極35における静電容量が変化したことに基づいて制御回路装置8に静電容量検出信号を出力する。尚、図3に示す構成、及び図3の構成から得られる動作は一例であり、適宜変更してもよい。
次に、ドアパネル4の閉作動時における異物検出部7の動作を説明する。
制御回路装置8は、操作スイッチ16から閉信号が入力されると、スライドモータ5に駆動信号を出力し、ドアパネル4を閉作動させる。同時に、制御回路装置8は、異物検出部7を駆動する。
ドアパネル4のスライド移動中に、ドアパネル4と車体2(乗降口3)との間に異物が存在すると、センサ電極35と異物との間で静電容量が変化する。静電容量検出装置23は、この静電容量の変化に基づいて制御回路装置8に静電容量検出信号を出力する。静電容量検出信号が入力されると、制御回路装置8は、ドアパネル4と車体2との間に異物が存在すると判断し、スライドモータ5にドアパネル4を停止させる旨の停止信号を出力する。そして、停止信号によってスライドモータ5が停止され、ドアパネル4が停止される。
一方、ドアパネル4のスライド移動中に、ドアパネル4と車体2(乗降口3)との間に異物が挟み込まれる、若しくはドアパネル4における車両1の前方側の端部4aに異物が接触すると、センサ本体21に対して異物から押圧力が加えられる。この押圧力により感圧ゴム層34が変形して該感圧ゴム層34の抵抗値が変化し、センサ電極35と芯電極33との間を電流が流れるようになる。電流検出素子22は、センサ電極35と芯電極33との間を流れる当該電流の電流値の変化に基づいて制御回路装置8に電流検出信号を出力する。制御回路装置8は、電流検出信号に基づいて感圧ゴム層34の抵抗値の変化を検出し、検出した感圧ゴム層34の抵抗値の変化に基づいてセンサ本体21に異物が接触したことを検出する。制御回路装置8は、ドアパネル4と車体2との間に異物の挟み込みを検出すると、ドアパネル4を全開位置まで移動させる旨の駆動信号をスライドモータ5に出力する。当該駆動信号が入力されると、スライドモータ5はドアパネル4を開放する方向に駆動され、ドアパネル4が全開位置までスライド移動される。
尚、制御回路装置8は、位置検出装置15から入力される位置検出信号に基づいてドアパネル4の位置を検出している。そして、制御回路装置8は、ドアパネル4が全閉位置まで所定距離(例えば3〜5cm)となる位置にスライド移動されたことを検出すると、静電容量検出装置23から静電容量検出信号が入力されても当該静電容量検出信号を無効とする。そして、制御回路装置8は、電流検出素子22から入力される電流検出信号のみを有効として異物の検出を行う。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)感圧ゴム層34内のニッケル粉末は配向がなされていないことから、感圧ゴム層34は、何れの方向から加圧されても等しく抵抗値が変化する。即ち、感圧ゴム層34は指向性を持たない。また、芯電極33、感圧ゴム層34、及びセンサ電極35は、同軸状となるように形成されている。これらのことから、感圧ゴム層34を備えた異物検出センサ9は、複数の方向から接触する異物の接触を検出することが可能となる。従って、指向性を持たない接触式のセンサを備えた異物検出センサ9を提供することができる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体21に接触した異物を検出することができないという不都合を低減させることができる。
(2)芯電極33、感圧ゴム層34、及びセンサ電極35は、同軸状となるように形成されていることから、センサ本体21が軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、異物検出センサ9の機能低下が防止される。従って、センサ本体21の配設場所の形状における自由度を増大させることができる。また、同軸状に形成されたセンサ本体21は、周方向には取付けの方向が限定されないため、従来の平板状の感圧センサに比べて、センサ本体21の取付けが容易となる。その結果、製造時間の短縮、及び製造コストの低減を図ることができる。
(3)感圧ゴム層34内のニッケル粉末は配向されていない。従って、ニッケル粉末を配向させる工程が不要であるため、ニッケル粉末が配向されている場合と比べて、より容易にセンサ本体41を製造することができると共に、より製造時間の短縮を図ることができる。
(4)異物検出センサ9は、センサ本体21に対する異物の接触を検出するだけでなく、センサ本体21に対する異物の近接をも検出する。そのため、ドアパネル4と車体2との間に存在する異物をより早く検出することができ、ドアパネル4が異物に接触することによりドアパネル4から異物に押圧力が加えられることを低減させることができる。また、接触式のセンサを構成するセンサ電極35が、静電容量式のセンサの電極を兼ねていることから、部品点数が減少され、より製造コストの低減を図ることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示す本第2実施形態のセンサ本体41は、上記第1実施形態のセンサ本体21に替えて異物検出センサ9を構成するものである。そして、センサ本体41は、上記第1実施形態の感圧ゴム層34に替えて感圧ゴム層42を備えている。
感圧ゴム層42は、ニッケル粉末が分散されたゴム材料により形成されている。そして、感圧ゴム層42は、導電ゴム層32の外周に芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるように形成され、円筒状をなしている。そして、感圧ゴム層42の軸方向は、芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向と一致している。
感圧ゴム層42内に分散されたニッケル粉末は、磁気的に配向されている。詳しくは、図4,6に示すように、ニッケル粉末は、感圧ゴム層42の軸方向に対して直交する平面内、即ち感圧ゴム層42を径方向に沿って切った断面内においては、感圧ゴム層42の軸方向と直交する一方向に沿って配向されている。図4,6では、ニッケル粉末の配向方向を両矢印にて図示している。そして、図6に示すように、ニッケル粉末は、感圧ゴム層42を径方向に沿って切った断面内における配向方向が、感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に連続的に変化するように配向されている。更に、ニッケル粉末は、軸方向に沿って設定された区間X1毎に、繰り返し、感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転中心として連続的に周方向に180°回転するように配向されている。尚、区間X1の軸方向の長さは、異物検出センサ9にて検出する異物の大きさに基づいて設定されており、異物の大きさよりも小さい幅に設定されている。例えば、区間X1は4mm(3歳児の小指の直径)に設定される。
次に、感圧ゴム層42中のニッケル粉末を配向させる配向装置51について説明する。図5に示すように、配向装置51は、一対の鉄心52,53、一対のコイル54,55、回転機構(図示略)、及び制御装置(図示略)を備えて構成されている。コイル54,55及び回転機構は、制御装置に電気的に接続されており、制御装置によって制御される。
鉄心52,53は棒状をなしている。これらの鉄心52,53は、互いに間隔を空けて対向配置されており、鉄心52,53の互いに対向する対向面52a,53a間を、感圧ゴム層42が該感圧ゴム層42の軸方向に沿って(図5においては紙面垂直方向に沿って)通過可能となっている。対向面52a,53aの幅(図5において左右方向の幅)は、感圧ゴム層42の直径と略等しく形成されている。
各鉄心52,53には前記コイル54,55がそれぞれ巻回されている。これらのコイル54,55には、前記制御装置を介して電源装置(図示略)から直流電流が供給される。コイル54,55に電流が供給されると、鉄心52,53における対向面52a,53a側の端部で互いに異極となる磁極が発生される。例えば、コイル54,55に直流電流が供給されると、図5において上側に配置された鉄心52の対向面52a側の端部にN極が発生され、図5において下側に配置された鉄心53の対向面53a側の端部にS極が発生される。これにより、対向する鉄心52,53間に磁場が生成され、対向面52aから対向面53aに向かう磁力線が発生する。
前記回転機構は、感圧ゴム層42を感圧ゴム層42の軸方向に沿って移動させると共に、感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転軸線として感圧ゴム層42を周方向に回転させながら、鉄心52,53間を通過させる。
次に、上記した配向装置51を用いた異物検出センサ9の製造方法について説明する。
まず、芯線31の外周に導電ゴム層32が形成される。次いで、導電ゴム層32の外周に感圧ゴム層42が押し出し成形により形成される。詳しくは、ニッケル粉末が分散されたゴム材料が、芯線31及び導電ゴム層32からなる芯電極33を中心軸として、押し出し工具(図示略)から押し出されることにより、ニッケル粉末を含有する感圧ゴム層34が成形される。押し出し工具から押し出された状態の感圧ゴム層42中のニッケル粉末は、まだ配向されていない。
次いで、押し出し工具から押し出された状態の感圧ゴム層42中のニッケル粉末が配向される(配向工程)。押し出し工具から押し出された状態の感圧ゴム層42は、回転機構によって感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転軸線として周方向に回転されながら、鉄心52,53の対向面52a,53a間を通過するように感圧ゴム層42の軸方向に沿って移動される。詳しくは、感圧ゴム層42は、その軸方向に沿って区間X1分だけ移動される間に周方向に180°回転される。この時、コイル54,55には直流電流が供給されており、鉄心52,53間に磁場が生成されている。そのため、感圧ゴム層42が鉄心52,53間を通過する際に、感圧ゴム層42中のニッケル粉末は、鉄心52,53間に生成されている磁場の方向、即ち鉄心52,53が対向する方向に沿って配向される。そして、感圧ゴム層42が軸方向に区間X1分だけ移動される間に周方向に180°回転されることから、ニッケル粉末は、区間X1毎に、繰り返し、感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転中心として連続的に周方向に180°回転するように配向される。
次いで、芯電極33及び感圧ゴム層42は、電気炉等で加熱される(配向固定工程)。感圧ゴム層42が加熱されると、ゴム材料が固化され、ニッケル粉末は配向工程にて配向された状態を保持するように固定される。これにより、感圧ゴム層42中のニッケル粉末は、感圧ゴム層42内で、感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に連続的に変化するように配向された状態に保持される。
次いで、感圧ゴム層42の外周にセンサ電極35が形成され、その後、センサ電極35の外周に外皮36が形成されてセンサ本体41が完成する。そして、芯電極33が電流検出素子22に電気的に接続されると共に、センサ電極35が静電容量検出装置23に電気的に接続され、異物検出センサ9が完成する。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(2),(4)の効果と同様の効果に加えて以下の作用・効果を有する。
(1)感圧ゴム層42に含まれたニッケル粉末は、感圧ゴム層42を径方向に沿って切った断面内における配向方向が、感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に連続的に変化するように配向されている。そのため、感圧ゴム層42は、複数の方向から異物が接触した場合、感圧ゴム層42の軸方向の何れかの箇所で同様に抵抗値が変化する。従って、感圧ゴム層42は指向性を持たないと言える。このような感圧ゴム層42を備えた異物検出センサ9は、複数の方向から接触する異物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない接触式のセンサを備えた異物検出センサ9を提供することができる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体41に接触した異物を検出することができないという不都合を低減させることができる。
(2)ニッケル粉末は、感圧ゴム層42の軸方向に沿って設定された区間X1毎に、繰り返し、感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転中心として連続的に周方向に180°回転するように配向されている。そして、区間X1の軸方向の長さは、異物検出センサ9にて検出する異物の大きさに基づいて設定されており、異物の大きさよりも小さい幅に設定されている。そのため、異物がセンサ本体41に接触した場合に、異物からセンサ本体41(感圧ゴム層42)に対して加えられる押圧力は、ニッケル粉末の配向方向のうち何れかの方向に沿うことになる。従って、感圧ゴム層42を備えた異物検出センサ9は、360°異物の接触を検出可能となる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体41に接触した異物を検出することができないという不都合をより低減させることができる。
(3)配向工程において、感圧ゴム層42は、感圧ゴム層42の軸方向に沿って移動されると共に、感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転軸線として感圧ゴム層42を周方向に回転されながら、コイル54,55に直流電流が供給されることにより磁場が生成されている鉄心52,53間を通過される。この配置工程により、感圧ゴム層42の径方向に沿って切った断面内における配向方向が感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に連続的に変化するように、感圧ゴム層42に含まれたニッケル粉末を容易に配向させることができる。
(4)ニッケル粉末を配向させるための磁場は、鉄心52,53に巻回されたコイル54,55に直流電流を供給することにより生成される。このようにコイル54,55を用いた簡単な構成で磁場が生成されることから、設備費の増大を抑えることができる。
(5)配向固定工程において、ニッケル粉末は、配向された状態を感圧ゴム層42内で保持するように固定される。そのため、配向固定工程後の感圧ゴム層42を備えた異物検出センサ9では、常に配向された状態のニッケル粉末を有する感圧ゴム層42を利用して異物の接触の検出を行うことができる。
(6)配向固定工程では、感圧ゴム層42を電気炉等に入れて加熱するだけで、配向された状態を感圧ゴム層42内で保持するようにニッケル粉末を容易に固定することができる。
(7)感圧ゴム層42における抵抗値の変化の度合いは、異物が接触して加えられる押圧力の方向がニッケル粉末の配向方向に沿っている場合には、配向されていない感圧ゴム層に異物が接触した場合よりも大きい。そのため、感圧ゴム層42を構成するゴム材料中のニッケル粉末の含有量を、ニッケル粉末が配向されていない感圧ゴム層を製造する場合に比べて減らすことができる。その結果、製造コストの低減を図ることができる。
また、ニッケル粉末が配向されていない感圧ゴム層に比べてニッケル粉末の含有量が減ると、感圧ゴム層42におけるゴム材料の割合が多くなるため、センサ本体41(感圧ゴム層42)が軸方向に曲げ易くなると共に、軸方向に曲げられた場合に破損し難くなる。更に、感圧ゴム層42中のニッケル粉末の含有量が減ると、感圧ゴム層42の誘電率がより小さくなる。そのため、配向されていないニッケル粉末を有する感圧ゴム層を利用した場合に比べて、感圧ゴム層42を利用すると、芯電極33とセンサ電極35との間の静電容量が小さくなる。異物がセンサ電極35に近接することにより異物とセンサ電極35との間に生じる浮遊容量は、配向されていないニッケル粉末を有する感圧ゴム層を異物検出センサ9に備えた場合と、配向されていないニッケル粉末を有する感圧ゴム層に比べてニッケル粉末の含有量が少ない感圧ゴム層42を異物検出センサ9に備えた場合とで変わらない。そのため、芯電極33とセンサ電極35との間の静電容量が小さい方が、異物がセンサ電極35に近接することにより異物とセンサ電極35との間に生じる浮遊容量によってセンサ電極35にて検出される静電容量の変化が大きくなる。従って、配向されていないニッケル粉末を有する感圧ゴム層に比べてニッケル粉末の含有量が少ない感圧ゴム層42を異物検出センサ9に備えることにより、配向されていないニッケル粉末を有する感圧ゴム層を異物検出センサ9に備えた場合に比べて、静電容量式のセンサの感度を向上させることができる。
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1及び第2実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示す本第3実施形態のセンサ本体61は、上記第1実施形態のセンサ本体21に替えて異物検出センサ9を構成するものである。そして、センサ本体61は、上記第1実施形態の感圧ゴム層34に替えて感圧ゴム層62を備えている。更に、感圧ゴム層62は、上記第2実施形態の感圧ゴム層42と比較すると、ニッケル粉末の配向の態様が異なっている。
感圧ゴム層62内に分散されたニッケル粉末は、上記第2実施形態と同様に磁気的に配向されている。詳しくは、感圧ゴム層62の軸方向に対して直交する平面内、即ち感圧ゴム層62を径方向に沿って切った断面内においては、感圧ゴム層62の径方向中央部に設けられた配向領域α内に存在するニッケル粉末のみが配向されている。そして、配向領域α外に存在するニッケル粉末は配向されていない。また、配向領域α内のニッケル粉末は、感圧ゴム層62の径方向に沿って切った断面内において、感圧ゴム層62の軸方向と直交する一方向に沿って配向されている。尚、図7に示す感圧ゴム層62の側面図においては、感圧ゴム層62の外周面にハッチングを施すことにより、感圧ゴム層62の外周面に現れる配向領域αを表している。
また、ニッケル粉末は、軸方向に沿った区間X2内で設定された複数(本第3実施形態では4つ)の配向範囲Y1〜Y4毎に、感圧ゴム層62を径方向に沿って切った断面内における配向方向が周方向に異なる方向となるように配向されている。尚、区間X2の軸方向の長さは、上記第2実施形態の区間X1と同様に、検出対象となる異物の大きさに応じて任意に設定される。
配向範囲Y1〜Y4間には、ニッケル粉末が配向されない無配向範囲Zが設けられている。そして、無配向範囲Zを介して隣接する配向範囲Y1〜Y4においては、配向領域α内のニッケル粉末の配向方向が、感圧ゴム層62の中心軸線L2を中心として感圧ゴム層62の周方向に互いに45°ずれている。即ち、配向範囲Y1における配向領域α内のニッケル粉末は図7において上下方向に沿って配向されている。そして、無配向範囲Zを介して配向範囲Y1に隣接する配向範囲Y2におけるニッケル粉末は、配向範囲Y1におけるニッケル粉末の配向方向に対して、時計方向に45°ずれた方向に沿って配向されている。そして、無配向範囲Zを介して配向範囲Y2に隣接する配向範囲Y3におけるニッケル粉末は、配向範囲Y2におけるニッケル粉末の配向方向に対して、時計方向に45°ずれた方向に沿って配向されている。また、無配向範囲Zを介して配向範囲Y3に隣接する配向範囲Y4におけるニッケル粉末は、配向範囲Y3におけるニッケル粉末の配向方向に対して、時計方向に45°ずれた方向に沿って配向されている。このような4つの配向範囲Y1〜Y4を備えて構成された区間X2では、配向領域α内のニッケル粉末は、感圧ゴム層62の軸方向に沿って、配向範囲Y1〜Y4毎に配向方向が周方向に45°ずつ変化するように配向されている。そして、感圧ゴム層62の軸方向に沿った配向方向の変化は、区間X2毎に繰り返されている。即ち、配向領域α内のニッケル粉末は、区間X2毎に配向の向きが繰り返し断続的に180°回転されるように配向されている。
次に、感圧ゴム層62中のニッケル粉末を配向させる配向装置71について説明する。図8に示すように、配向装置71は、複数対(本第4実施形態では4対)の鉄心72a,73a,72b,73b,72c,73c,72d,73d、複数対(本第4実施形態では4対)のコイル74a,75a,74b,75b,74c,75c,74d,75d、移動機構(図示略)、及び制御装置(図示略)を備えて構成されている。
各鉄心72a〜72d,73a〜73dは棒状をなしている。対をなす各鉄心72a,73a,72b,73b,72c,73c,72d,73dは、互いに間隔を空けて対向配置されており、互いに対向する対向面76a,77a,76b,77b,76c,77c,76d,77d間を、感圧ゴム層62が該感圧ゴム層62の軸方向に沿って(図8においては紙面垂直方向に沿って)通過可能となっている。また、各鉄心72a〜72d,73a〜73dは、周方向に等角度間隔(45°間隔)に配設されている。尚、各鉄心72a〜72d,73a〜73dの幅(周方向の幅)は、前記配向領域αの幅と等しく形成されている。言い換えると、配向領域αの幅は、各鉄心72a〜72d,73a〜73dの幅によって決定される。
各鉄心72a〜72d,73a〜73dには、それぞれコイル74a〜74d,75a〜75dが巻回されている。そして、対をなす鉄心72a,73a,72b,73b,72c,73c,72d,73dに巻回されたコイル74a,75a,74b,75b,74c,75c,74d,75dはそれぞれ対をなしている。例えば、対をなす鉄心72a,73aに巻回されたコイル74a,75aが対をなしている。これらのコイル74a〜74d,75a〜75dには、前記制御装置を介して電源装置(図示略)から直流電流が供給される。制御装置は、図9に示すタイムチャートのように、4対のコイル74a〜74d,75a〜75dに順次直流電流を供給する。詳しくは、制御装置は、対のコイル74a,75aに一定時間電流を供給したら、一定時間電流の供給を停止し、次いで対のコイル74a,75aからそれぞれ時計方向に45°移動した位置にある対のコイル74b,75bに一定時間電流を供給する。そして、制御装置は、一定時間電流の供給を停止し、次いで対のコイル74b,75bからそれぞれ時計方向に45°移動した位置にある対のコイル74c,75cに一定時間電流を供給する。そして、制御装置は、一定時間電流の供給を停止し、次いで対のコイル74c,75cからそれぞれ時計方向に45°移動した位置にある対のコイル74d,75dに一定時間電流を供給する。以後同様に、制御装置は、直流電流を供給する対のコイル74a〜74d,75a〜75dを時計方向に切り換えていく。
対のコイル74a〜74d,75a〜75dに直流電流が供給されると、対の鉄心72a〜72d,73a〜73dにおける対向面76a〜76d,77a〜77d側の端部で互いに異極となる磁極が発生される。これにより、対向する対の鉄心72a〜72d,73a〜73d間に磁場が生成される。そして、制御装置が直流電流を供給するコイル74a〜74d,75a〜75dを時計方向に切り換えていくため、時間の経過に伴って磁場の方向が順次時計方向に45°ずつ回転される。
前記移動機構は、前記制御装置によってその動作が制御される。移動機構は、感圧ゴム層62を該感圧ゴム層62の軸方向に沿って移動させ、鉄心72a〜72d,73a〜73d間を通過させる。
次に、上記した配向装置71を用いた異物検出センサ9の製造方法について説明する。本第3実施形態における異物検出センサ9の製造方法は、上記第2実施形態と比較して配向工程のみが異なるため、配向工程についてのみ説明する。
押し出し工具(図示略)から押し出された状態の感圧ゴム層62は、移動機構によって鉄心72a〜72d,73a〜73dの対向面76a〜76d,77a〜77d間を通過するように感圧ゴム層62の軸方向に沿って移動される。この時、4対のコイル74a〜74d,75a〜75dには、制御装置から順次直流電流が供給されている。詳しくは、制御装置は、直流電流を供給する対のコイル74a〜74d,75a〜75dを時計方向に順次切り換えていくため、コイル74a〜74d,75a〜75dに通電されることにより生成される磁場の方向が順次時計方向に45°ずつ回転される。そして、鉄心72a〜72d,73a〜73dの対向面76a〜76d,77a〜77d間を通過するように軸方向に沿って移動される感圧ゴム層62中のニッケル粉末は、時間の経過に伴って順次時計方向に45°ずつ回転される磁場に沿って配向される。尚、感圧ゴム層62において、対をなす鉄心72a〜72d,73a〜73dの対向面76a〜76d,77a〜77d間に配置されている部分が前記配向領域αとなり、対向面76a〜76d,77a〜77d間に配置されている部分に含まれているニッケル粉末のみが配向される。また、制御装置は、区間X2内で4対のコイル74a〜74d,75a〜75dが一通り通電されるように、コイル74a〜74d,75a〜75dへの通電を行うと共に移動機構を制御する。これにより、区間X2内に4つの配向範囲Y1〜Y4が設けられ、配向領域α内のニッケル粉末は、感圧ゴム層62の軸方向に沿って該感圧ゴム層62の一端側から他端側に向かうに連れて、感圧ゴム層62の周方向に断続的に180°回転するように配向される。そして、感圧ゴム層62においては、配向範囲Y1〜Y4毎に配向方向が周方向に45°ずつ変化することにより感圧ゴム層62の周方向に断続的に180°回転されるニッケル粉末の配向方向の変化が、区間X2毎に繰り返される。
配向工程終了後、芯電極33及び感圧ゴム層62は、上記第2実施形態と同様に電気炉等で加熱される(配向固定工程)。
上記したように、本第3実施形態によれば、上記第1実施形態の(2),(4)の効果、及び上記第2実施形態の(5),(6),(7)の効果に加えて、以下の作用・効果を有する。
(1)感圧ゴム層62を径方向に沿って切った断面内において、配向領域α内のニッケル粉末の配向方向が、感圧ゴム層62の軸方向に沿って該感圧ゴム層62の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に断続的に変化するように配向されている。そのため、感圧ゴム層62は、ニッケル粉末の配向方向に沿った複数の方向から異物が接触した場合、感圧ゴム層62の軸方向の何れかの箇所で同様に抵抗値が変化する。従って、感圧ゴム層62は指向性を持たないと言える。このような感圧ゴム層62を備えた異物検出センサ9は、複数の方向から接触する異物を検出することが可能である。よって、指向性を持たない接触式のセンサを備えた異物検出センサ9を提供することができる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体41に接触した異物を検出することができないという不都合を低減させることができる。
(2)配向領域α内のニッケル粉末は、感圧ゴム層62の軸方向に沿って設定された区間X2毎に、繰り返し、感圧ゴム層62の中心軸線L2を中心として断続的に周方向に180°回転するように配向されている。そして、区間X2の軸方向の長さは、異物検出センサ9にて検出する異物の大きさに基づいて設定されており、異物の大きさよりも小さい幅に設定されている。そのため、異物がセンサ本体41に接触した場合に、異物からセンサ本体41(感圧ゴム層62)に対して加えられる押圧力は、ニッケル粉末の配向方向のうち何れかの方向に沿いやすい。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体41に接触した異物を検出することができないという不都合をより低減させることができる。
(3)配向工程において、感圧ゴム層62は、感圧ゴム層62の軸方向に沿って移動され、4対のコイル74a〜74d,75a〜75dに順次直流電流が供給されることにより磁場が生成されている4対の鉄心72a〜72d,73a〜73d間を通過される。この時、制御装置が直流電流を供給するコイル74a〜74d,75a〜75dを時計方向に切り換えていくため、時間の経過に伴って磁場の方向が順次時計方向に45°ずつ回転されている。この配向工程により、感圧ゴム層62を径方向に沿って切った断面内において、感圧ゴム層62の軸方向に沿って該感圧ゴム層62の一端側から他端側に向かうに連れて配向方向が周方向に断続的に変化するように配向領域α内のニッケル粉末を容易に配向させることができる。
更に、本実第3実施形態では、磁場の方向が順次時計方向に45°ずつ回転されることから、感圧ゴム層62を周方向に回転させる必要がない。よって、感圧ゴム層62を回転させるための機構を必要としないため、設備費の増大を抑えることができる。
(4)ニッケル粉末を配向させるために必要な磁場は、4対の鉄心72a〜72d,73a〜73dに巻回された4対のコイル74a〜74d,75a〜75dに直流電流を供給することにより生成される。また、周方向に等角度間隔に配置された4対のコイル74a〜74d,75a〜75dに順次電流を供給するだけの容易な方法で、ニッケル粉末を配向させるための磁場を時計方向に45°ずつ回転させている。このように簡単な構成で回転する磁場が生成されることから、設備費の増大をより抑えることができる。
(第4実施形態)
以下、本発明を具体化した第4実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示す本第4実施形態のセンサ本体81は、上記第1実施形態のセンサ本体21に替えて異物検出センサ9を構成するものである。そして、センサ本体81は、上記第1実施形態の感圧ゴム層34に替えて感圧ゴム層82を備えている。更に、感圧ゴム層82は、上記第2実施形態の感圧ゴム層42と比較すると、ニッケル粉末の配向の態様が異なっている。
感圧ゴム層82に内に分散されたニッケル粉末は、上記第2実施形態と同様に磁気的に配向されている。詳しくは、感圧ゴム層82を径方向に沿って切った断面を見ると、周方向に等角度間隔(120°間隔)となる位置に、配向領域β1,β2,β3が形成されている。各配向領域β1,β2,β3は感圧ゴム層82の軸方向に沿って設けられている。また、各配向領域β1,β2,β3内のニッケル粉末は、感圧ゴム層82の厚さ方向(径方向)に沿って配向されている。尚、感圧ゴム層82において配向領域β1,β2,β3外の部分に含まれているニッケル粉末は、配向されていない。
配向領域β1,β2,β3は、軸方向に沿ってニッケル粉末の配向の度合いが変化している。図10においては、感圧ゴム層82の外周面にハッチングを施すことにより感圧ゴム層82の外周面に現れる配向領域β1,β2,β3を表すと共に、ニッケル粉末の配向の度合いを配向領域β1,β2,β3の周方向の幅で表している。詳しくは、配向領域β1,β2,β3の周方向の幅が広い程、配向の度合いが強い(即ち、感圧ゴム層82の厚さ方向に沿って配向されたニッケル粉末が多い)ことを表し、配向領域β1,β2,β3の幅が狭い程、配向の度合いが弱い(即ち、感圧ゴム層82の厚さ方向に沿って配向されたニッケル粉末が少ない)ことを表している。そして、感圧ゴム層82においては、感圧ゴム層82の軸方向に沿って感圧ゴム層82の一端から他端に向かうに連れて、ニッケル粉末の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、配向領域β1,β2,β3の順に周方向に繰り返し移行していっている。
次に、感圧ゴム層82中のニッケル粉末を配向させる配向装置91について説明する。図11に示すように、配向装置91は、3つの鉄心92u,92v,92w、3つのコイル93u,93v,93w、移動機構(第3実施形態と同じ)、及び制御装置(図示略)を備えて構成されている。
鉄心92u,92v,92wは略棒状をなしており、周方向に等角度間隔(120°間隔)に配置されている。また、鉄心92u,92v,92wは、鉄心92u,92v,92wにおいて互いに向き合う対向面94u,94v,94wの間を、感圧ゴム層82が該感圧ゴム層82の軸方向に沿って(図11においては紙面垂直方向に沿って)通過可能となるように互いに間隔を空けて配置されている。
各鉄心92u,92v,92wには、前記コイル93u,93v,93wがそれぞれ巻回されている。これらのコイル93u,93v,93wには、前記制御装置を介して電源装置(図示略)から三相交流電源が供給される。即ち、コイル93u,93v,93wには、120°ずつ位相がずれた交流電流が供給される。
次に、上記した配向装置91を用いた異物検出センサ9の製造方法について説明する。本第4実施形態における異物検出センサ9の製造方法は、上記第2実施形態と比較して配向工程のみが異なるため、配向工程についてのみ説明する。
押し出し工具(図示略)から押し出された状態の感圧ゴム層82は、移動機構によって、鉄心92u,92v,92wの対向面94u,94v,94wの間を通過するように感圧ゴム層82の軸方向に沿って移動される。この時、コイル93u,93v,93wには、制御装置を介して三相交流電源が供給されている。コイル93u,93v,93wに三相交流電源が供給されると、鉄心92u,92v,92wにおける対向面94u,94v,94w側の端部に、それぞれ図12に示すように時間の経過に伴って変化する磁極が形成される。図12において、縦軸は磁極の強さを表し、横軸は時間を表している。
感圧ゴム層82において、鉄心92u,92v,92wに対向している3箇所の部分がそれぞれ前記配向領域β1,β2,β3となる。本実施形態では、感圧ゴム層82において、鉄心92uに対向する部分が配向領域β1となり、鉄心92vに対向する部分が配向領域β2となり、鉄心92wに対向する部分が配向領域β3となる。そして、感圧ゴム層82において配向領域β1,β2,β3となる部分に存在するニッケル粉末は、感圧ゴム層82が対向面94u,94v,94wの間を通過する際に、鉄心92u,92v,92wにおける対向面94u,94v,94w側の端部に形成された磁極の強さに応じて配向される。即ち、コイル93u,93v,93wへの通電により各鉄心92u,92v,92wにおける対向面94u,94v,94w側の端部に形成されるN極若しくはS極の磁力が最も強くなる時に、最も強い磁力を有する鉄心92u,92v,92wに対向している配向領域β1,β2,β3におけるニッケル粉末の配向の度合いが最も強くなる。例えば、コイル93uへの通電により鉄心92uにおける対向面94u側の端部に発生した磁極の磁力が最も強くなると、配向領域β1でニッケル粉末の配向の程度が最も強くなる。尚、各鉄心92u,92v,92wに発生される磁極は、コイル93u,93v,93wへの通電に基づいて発生されているため、各鉄心92u,92v,92wにおいて一定時間毎に磁極の磁力が最も強くなる。そのため、各配向領域β1,β2,β3では、感圧ゴム層82の軸方向に沿ってニッケル粉末の配向の程度が最も強くなる部位は一定間隔で形成される。これにより、配向領域β1,β2,β3中のニッケル粉末は、感圧ゴム層82の軸方向に沿って感圧ゴム層82の一端から他端に向かうに連れて、ニッケル粉末の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、配向領域β1,β2,β3の順に周方向に繰り返し移行するように配向される。
配向工程終了後、芯電極33及び感圧ゴム層82は、上記第2実施形態と同様に電気炉等で加熱される(配向固定工程)。
上記したように、本第4実施形態によれば、上記第1実施形態の(2),(4)の効果、及び上記第2実施形態の(5),(6),(7)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)感圧ゴム層82においては、感圧ゴム層82の軸方向に沿って感圧ゴム層82の一端から他端に向かうに連れて、感圧ゴム層82を径方向に沿って切った断面内でニッケル粉末の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、配向領域β1,β2,β3の順に周方向に繰り返し移行していっている。そのため、感圧ゴム層82は、磁性材料の配向方向に沿った3つの方向から異物が接触した場合、同様に抵抗値が変化する。従って、感圧ゴム層82は指向性を持たないと言える。このような感圧ゴム層82を備えた異物検出センサ9は、複数の方向から接触する異物を検出することが可能である。よって、指向性を持たない接触式のセンサを備えた異物検出センサ9を提供することができる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体41に接触した異物を検出することができないという不都合を低減させることができる。
(2)配向工程において、感圧ゴム層82は、感圧ゴム層82の軸方向に沿って移動され、3つのコイル93u,93v,93wに三相交流電源が供給されることにより磁場が生成されている鉄心92u,92v,92w間を通過される。これにより、感圧ゴム層82の軸方向の一端側から他端側に向かうに連れて、感圧ゴム層82を径方向に沿って切った断面内でニッケル粉末の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、配向領域β1,β2,β3の順に周方向に繰り返し移行するように配向領域β1,β2,β3内のニッケル粉末を容易に配向させることができる。
更に、本第2実施形態では、コイル93u,93v,93wには三相交流電源が供給されることから、時間の経過に伴って磁場の向きが変化する。従って、感圧ゴム層82を周方向に回転させなくてもよい。よって、感圧ゴム層82を回転させるための機構を必要としないため、設備費の増大を抑えることができる。
(4)ニッケル粉末を配向させるために必要な磁場は、3つのコイル93u,93v,93wに三相交流電源を供給することにより生成される。このように簡単な構成で、時間と共に変化する磁場が生成されることから、設備費の増大をより抑えることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第2実施形態では、配向工程において、感圧ゴム層42は、回転機構によって感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転軸線として周方向に回転されながら、鉄心52,53の対向面52a,53a間を通過するように該感圧ゴム層42の軸方向に沿って移動される。しかしながら、配向工程では、中心軸線L1を回転軸線として回転させることなく感圧ゴム層42を軸方向に移動させ、鉄心52,53を回転させてもよい。
○上記第3実施形態では、配向工程において、配向装置71の制御装置は、直流電流を供給するコイル74a〜74d,75a〜75dを切り換える際に、一定時間電流の供給を停止する。しかしながら、配向装置71の制御装置は、電流を供給するコイル74a〜74d,75a〜75dを切り換える際に、一定時間電流の供給を停止しなくてもよい。例えば、制御装置は、図13に示すように順次対のコイル74a〜74d,75a〜75dに直流電流を供給してもよい。図13に示すようにコイル74a〜74d,75a〜75dに直流電流が供給されると、図14に示す感圧ゴム層102を備えたセンサ本体101が形成される。感圧ゴム層102には、無配向範囲Zが形成されていない。このように構成すると、上記第2実施形態のセンサ本体61と比べて、感圧ゴム層102に無配向範囲Zが無いことから、センサ本体101に接触する異物をより検出し易い。
○上記第3実施形態では、感圧ゴム層62を径方向に沿って切った断面内において、配向領域α内に存在するニッケル粉末のみが配向されている。しかしながら、感圧ゴム層62を径方向に沿って切った断面内において、配向領域α外に存在するニッケル粉末も配向領域α内に存在するニッケル粉末と同様に配向されてもよい。
○上記第3実施形態では、配向工程において、コイル74a〜74d,75a〜75dには、配向装置71の制御装置によって、順次直流が供給される。しかしながら、全てのコイル74a〜74d,75a〜75dに直流電流を供給した状態で配向工程を行っても良い。この場合、図15に示す感圧ゴム層112を備えたセンサ本体111が形成される。感圧ゴム層112内のニッケル粉末は、感圧ゴム層112を径方向に沿って切った断面内で、感圧ゴム層112の径方向に沿った複数の方向に配向されている。
○上記第4実施形態の感圧ゴム層82についても、上記第2及び第3実施形態のように区間X1や区間X2を設定し、区間X1若しくは区間X2内で、ニッケル粉末の配向の度合いが最も強くなる部位が、各配向領域β1,β2,β3について少なくとも1回ずつ存在するように感圧ゴム層82を形成してもよい。
○上記第2及び第3実施形態において、区間X1,区間X2の軸方向の長さは、異物の大きさよりも大きい幅に設定されてもよい。
○上記第3実施形態では、4対のコイル74a〜74d,75a〜75dは周方向に等角度間隔に配置されているが、等角度間隔に配置されなくてもよい。4対のコイル74a〜74d,75a〜75dは周方向に間隔を空けて配置されていればよい。更に、対のコイルは2対以上備えられていればよい。また、上記第4実施形態のコイル93u,93v,93wも同様に、周方向に等角度間隔に配置されていなくても、周方向に間隔を空けて配置されていればよい。更に、コイルの数は、3つに限らず、4つ以上備えられてもよい。
○上記第2乃至第3実施形態では、配向工程終了後に配向固定工程が行われているが、これに限らない。配向工程と配向固定工程とは同時に行われてもよい。即ち、感圧ゴム層42,62,82を、磁場を通過させながら加熱してもよい。この場合、製造時間の短縮を図ることができる。
○上記第2乃至第3実施形態の配向固定工程では、感圧ゴム層42,62,82を電気炉等に入れて加熱することにより、ニッケル粉末が配向された状態を保持するように感圧ゴム層42内でニッケル粉末を固定する。しかしながら、加熱以外の方法で、ニッケル粉末が配向された状態を保持するように感圧ゴム層42内でニッケル粉末を固定してもよい。例えば、感圧ゴム層42,62,82を形成するために紫外線硬化樹脂を利用した場合には、感圧ゴム層42,62,82に紫外線を照射する。また、感圧ゴム層42,62,82に対し、放射線や高周波を照射してもよい。
○上記第2乃至第4実施形態では、導電ゴム層32と感圧ゴム層42,62,82とは、別々に押し出し成形されているが、同時に押し出し成形されてもよい。
○上記各実施形態では、芯電極33,感圧ゴム層34,42,62,82、及びセンサ電極35は同軸状に形成されているが、これに限らない。芯電極33とセンサ電極35との間に感圧ゴム層34,42,62,82が介在されるように形成されていれば、センサ本体21,41,61,81の断面形状(芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向と直交する方向に沿って切った断面の形状)は楕円形状や、半円形状をなしていてもよい。そして、芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向に沿って変化するように感圧ゴム層34,42,62,82内のニッケル粉末を配向させればよい。
○上記各実施形態では、感圧ゴム層34,42,62,82はニッケル粉末が分散されたゴム材料により形成されているが、感圧ゴム層34,42,62,82はニッケル粉末が分散された弾性を有する絶縁性樹脂材料(ゴム、エラストマを含む)により形成されればよい。
○上記第2乃至第4実施形態では、感圧ゴム層42,62,82は、ゴム材料にニッケル粉末を分散させることにより形成されているが、ゴム材料に分散させる材料は、ニッケル粉末に限らない。ゴム材料に分散させる材料は、粉末状若しくは粒状の磁性材料であればよい。例えば、粉末状のフェライト、粉末状のアルニコ、粉末状若しくは粒状の鉄に銅鍍金を施したもの、ガラス製のビーズに金鍍金を施したもの、粉末状若しくは粒状のニッケルに銀鍍金を施したもの等が挙げられる。尚、上記第2乃至第4実施形態のようにニッケル粉末を利用すると、異物検出センサ9をより安価に製造することができる。
○上記各実施形態では、芯電極33は、芯線31と導電ゴム層32とから構成されているが、これに限らない。例えば、芯線31の外周に直接感圧ゴム層34,42,62,82を形成し、芯線31を芯電極33としてもよい。また、絶縁性の芯を形成し、この芯の外周に導電性を有するテープを巻き付けて形成したものを芯電極33としてもよい。更に、絶縁性の芯を形成し、この芯の外周面に導電性の材料(アルミ等)を蒸着させたものを芯電極33としてもよい。
○上記各実施形態では、センサ電極35は導電性の編祖により形成されているが、これに限らない。例えば、感圧ゴム層34,42,62,82に、導電性のテープや銅線等を巻き付けてセンサ電極35としてもよい。また、感圧ゴム層34,42,62,82の外周面に導電性の材料(アルミ等)を蒸着させたものをセンサ電極35としてもよい。
○上記各実施形態では、異物検出センサ9は、接触式のセンサと静電容量式のセンサとの両方を備えているが、接触式のセンサとしてのみに利用されてもよい。
○上記各実施形態では、センサ本体21,41,61,81は、ドアパネル4における車両1の前方側の端部4aに沿って配設されているが、これに限らない。例えば、センサ本体21,41,61,81は、車体2において、ドアパネル4の閉作動時における進行方向に該ドアパネル4と対向される乗降口3の周縁部に配設されてもよい。また、センサ本体21,41,61,81は、車両1のバックドアにおいて、その閉作動時における進行方向前方側の周縁部や、トランクのドアにおいて、その閉作動時における進行方向前方側の周縁部に配設されてもよい。更に、センサ本体21,41,61,81は、バックドアにて開閉される車体の開口部の周縁部や、トランクのドアにて開閉される車体の開口部の周縁部に配設されてもよい。
○上記各実施形態では、異物検出センサ9は、車両1に搭載された電動スライドドア装置6に備えられ、車体2とドアパネル4との間の異物の存在及び異物の挟み込みを検出する用途に利用されている。しかしながら、異物検出センサ9は、車両1における異物の挟み込みを検出する以外に、異物の接触を検出する用途に利用されてもよい。
異物検出センサを備えた車両を示す斜視図。 第1実施形態におけるセンサ本体の断面図。 電動スライドドア装置の電気的構成を示すブロック図。 第2実施形態におけるセンサ本体の断面図。 第2実施形態の感圧ゴム層内のニッケル粉末を配向装置にて配向させる様子を示す概念図。 第2実施形態のセンサ本体を示す概念図。 第3実施形態のセンサ本体を示す概念図。 第3実施形態の感圧ゴム層内のニッケル粉末を配向装置にて配向させる様子を示す概念図。 第3実施形態の配向装置を構成するコイルへの直流電流の供給態様を示すタイミングチャート。 第4実施形態のセンサ本体を示す概念図。 第4実施形態の感圧ゴム層内のニッケル粉末を配向装置にて配向させる様子を示す概念図。 第4実施形態の配向装置を構成するコイルにて形成される磁極の強さの態様を示すグラフ。 第3実施形態の配向装置を構成するコイルへの直流電流の供給態様における別例を示すタイミングチャート。 別例のセンサ本体を示す概念図。 別例のセンサ本体を示す概念図。
符号の説明
9…感圧センサとしての異物検出センサ、33…第1の電極としての芯電極、34,42,62,102,112…感圧体としての感圧ゴム層、35…第2の電極としてのセンサ電極、36…外皮、52,53,72a〜72d,73a〜73d,92u,92v,92w…磁場生成手段を構成する鉄心、54,55,74a〜74d,75a〜75d,93u,93v,93w…磁場生成手段を構成するコイル、L1…感圧体の軸線としての中心軸線、X1,X2…区間、Y1〜Y4…所定範囲としての配向範囲。

Claims (15)

  1. 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極間に介在され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、
    前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮と
    を備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサであって、
    前記磁性材料は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように配向されていることを特徴とする感圧センサ。
  2. 請求項1に記載の感圧センサにおいて、
    前記磁性材料の配向方向は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って前記被検出物の大きさに基づいて設定された区間毎に繰り返されていることを特徴とする感圧センサ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の感圧センサにおいて、
    前記第1の電極は、円筒状若しくは円柱状に形成され、
    前記感圧体は、前記第1の電極と同軸状となるように前記第1の電極の外周に設けられ、
    前記第2の電極は、前記第1の電極と同軸状となるように前記感圧体の外周に設けられていることを特徴とする感圧センサ。
  4. 請求項3に記載の感圧センサにおいて、
    前記磁性材料は、前記感圧体の軸方向の一端側から他端側に向かうに連れて配向方向が周方向に連続的に変化するように配向されていることを特徴とする感圧センサ。
  5. 請求項3に記載の感圧センサにおいて、
    前記磁性材料は、前記感圧体の軸方向に沿って設定された所定範囲毎に配向方向が周方向に変化するように配向されていることを特徴とする感圧センサ。
  6. 請求項3に記載の感圧センサにおいて、
    前記感圧体の厚さ方向に沿って配向された前記磁性材料の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化していることを特徴とする感圧センサ。
  7. 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極間に介在され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、
    前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮と
    を備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサであって、
    前記磁性材料は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向と直交する平面内で複数方向に配向されていることを特徴とする感圧センサ。
  8. 円柱状若しくは円筒状に形成された第1の電極と、絶縁性樹脂材料にニッケル粉末が分散されてなり前記第1の電極の外周に前記第1の電極と同軸状となるように設けられた感圧体と、前記感圧体の外周に前記第1の電極と同軸状となるように設けられた第2の電極と、前記第2の電極の外周に設けられた外皮とを備え、
    前記第1の電極及び前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出することを特徴とする感圧センサ。
  9. 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、
    前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させると共に、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿った前記感圧体の軸線を回転軸線として前記感圧体を回転させながら、磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えたことを特徴とする感圧センサの製造方法。
  10. 請求項9に記載の感圧センサの製造方法において、
    前記感圧体を挟んで配置される一対のコイルを備えて前記磁場生成手段を構成したことを特徴とする感圧センサの製造方法。
  11. 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、
    前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させることにより、時間の経過に伴って磁場の向きを変化させる磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えたことを特徴とする感圧センサの製造方法。
  12. 請求項11に記載の感圧センサの製造方法において、
    周方向に間隔を空けて配置され三相交流電源が供給される少なくとも3つのコイルを備えて前記磁場生成手段を構成したことを特徴とする感圧センサの製造方法。
  13. 請求項11に記載の感圧センサの製造方法において、
    前記感圧体を挟んで配置される複数対のコイルを備えて前記磁場生成手段を構成し、
    前記磁場生成手段は、電流を供給する前記コイルを順次切り換えることにより時間の経過に伴って磁場の向きを変化させることを特徴とする感圧センサの製造方法。
  14. 請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の感圧センサの製造方法において、
    前記磁性材料が配向された状態に保持されるように前記磁性材料を固定する配向固定工程を備えたことを特徴とする感圧センサの製造方法。
  15. 請求項14に記載の感圧センサの製造方法において、
    前記配向固定工程では、前記感圧体を加熱することにより、前記磁性材料が配向された状態に保持されるように前記磁性材料を固定することを特徴とする感圧センサの製造方法。
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