JP2006292479A - 感圧センサ、及び感圧センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異物検出センサは、芯電極33と、芯電極33の外周に設けられた導電ゴム層41と、感圧ゴム層42の外周に設けられたセンサ電極35と、センサ電極35の外周に設けられた外皮36とを備えている。感圧ゴム層42は、ゴム材料中にニッケル粉末が分散されてなり、加圧されることにより変形すると抵抗値が変化する。感圧ゴム層42中のニッケル粉末は、感圧ゴム層42を径方向に沿って切った断面内における配向方向が、感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に変化するように配向されている。
【選択図】 図6
Description
請求項11に記載の発明は、平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させることにより、時間の経過に伴って磁場の向きを変化させる磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えた。
請求項1に記載の発明によれば、感圧体に含まれた磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように配向されている。そのため、複数の方向から感圧センサに被検出物が接触した場合、感圧体の何れかの箇所で同様に感圧体の抵抗値が変化する。従って、感圧体は指向性を持たないと言える。このような感圧体を備えた感圧センサは、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない感圧センサを提供することができる。尚、本発明において、「平行」とは、2つの平面が一定の距離を保って延びることを意味するだけでなく、2つの面(曲面を含む)が一定の距離を保って延びていることも意味する。
請求項11に記載の発明によれば、配向工程により、磁性材料は、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、第1の電極と第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように容易に配向される。そして、配向工程で配向された磁性材料を有する感圧体においては、感圧センサに対して複数の方向から被検出物が接触した場合、感圧体の何れかの箇所で同様に抵抗値が変化する。従って、配向工程にて配向された磁性材料を有する感圧体は、指向性を持たないといえる。このような感圧体を備えた感圧センサは、複数の方向から接触する被検出物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない感圧センサを製造することができる。
請求項15に記載の発明によれば、熱を加えるだけの容易な方法で、磁性材料は、配向された状態に保持されるように感圧体内で固定される。
以下、本発明を車両に搭載される電動スライドドア装置に備えられた異物検出センサに具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、センサ本体21は、ドアパネル4の閉作動時における進行方向前方側の端部、即ちドアパネル4における車両1の前方側の端部4aに沿って配設されている。図2に示すように、このセンサ本体21は同軸ケーブル状をなしている。詳しくは、センサ本体21は、複数本(図2においては7本)の電線よりなる芯線31を備えている。芯線31の外周には、円筒状をなす導電ゴム層32が形成されている。そして、芯線31及び導電ゴム層32により芯電極33が構成されている。導電ゴム層32は、例えば押し出し成形により形成される。導電ゴム層32の外周には、芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるように形成された円筒状の感圧ゴム層34が形成されている。感圧ゴム層34は、ニッケル粉末が分散されたゴム材料よりなり、押し出し成形にて形成される。この感圧ゴム層34に含まれるニッケル粉末は、配向されていない。また、感圧ゴム層34は、加圧されることにより変形すると抵抗値が小さくなる。このような感圧ゴム層34の外周には、芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるようにセンサ電極35が設けられている。センサ電極35は、導電性の編組により形成されている。そして、センサ電極35の外周には、芯電極33(導電ゴム層32)と同軸となるように絶縁性の外皮36が形成されている。外皮36は、センサ電極35の外周面を被覆している。尚、芯電極33とセンサ電極35とは、同軸状となるように形成されていることから、軸方向に沿って平行に延びている。
制御回路装置8は、操作スイッチ16から閉信号が入力されると、スライドモータ5に駆動信号を出力し、ドアパネル4を閉作動させる。同時に、制御回路装置8は、異物検出部7を駆動する。
(1)感圧ゴム層34内のニッケル粉末は配向がなされていないことから、感圧ゴム層34は、何れの方向から加圧されても等しく抵抗値が変化する。即ち、感圧ゴム層34は指向性を持たない。また、芯電極33、感圧ゴム層34、及びセンサ電極35は、同軸状となるように形成されている。これらのことから、感圧ゴム層34を備えた異物検出センサ9は、複数の方向から接触する異物の接触を検出することが可能となる。従って、指向性を持たない接触式のセンサを備えた異物検出センサ9を提供することができる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体21に接触した異物を検出することができないという不都合を低減させることができる。
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、芯線31の外周に導電ゴム層32が形成される。次いで、導電ゴム層32の外周に感圧ゴム層42が押し出し成形により形成される。詳しくは、ニッケル粉末が分散されたゴム材料が、芯線31及び導電ゴム層32からなる芯電極33を中心軸として、押し出し工具(図示略)から押し出されることにより、ニッケル粉末を含有する感圧ゴム層34が成形される。押し出し工具から押し出された状態の感圧ゴム層42中のニッケル粉末は、まだ配向されていない。
(1)感圧ゴム層42に含まれたニッケル粉末は、感圧ゴム層42を径方向に沿って切った断面内における配向方向が、感圧ゴム層42の軸方向に沿って該感圧ゴム層42の一端側から他端側に向かうに連れて周方向に連続的に変化するように配向されている。そのため、感圧ゴム層42は、複数の方向から異物が接触した場合、感圧ゴム層42の軸方向の何れかの箇所で同様に抵抗値が変化する。従って、感圧ゴム層42は指向性を持たないと言える。このような感圧ゴム層42を備えた異物検出センサ9は、複数の方向から接触する異物の接触を検出することが可能である。よって、指向性を持たない接触式のセンサを備えた異物検出センサ9を提供することができる。その結果、異物が接触する方向によって、センサ本体41に接触した異物を検出することができないという不都合を低減させることができる。
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1及び第2実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
上記したように、本第3実施形態によれば、上記第1実施形態の(2),(4)の効果、及び上記第2実施形態の(5),(6),(7)の効果に加えて、以下の作用・効果を有する。
以下、本発明を具体化した第4実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
上記したように、本第4実施形態によれば、上記第1実施形態の(2),(4)の効果、及び上記第2実施形態の(5),(6),(7)の効果に加えて、以下の効果を有する。
○上記第2実施形態では、配向工程において、感圧ゴム層42は、回転機構によって感圧ゴム層42の中心軸線L1を回転軸線として周方向に回転されながら、鉄心52,53の対向面52a,53a間を通過するように該感圧ゴム層42の軸方向に沿って移動される。しかしながら、配向工程では、中心軸線L1を回転軸線として回転させることなく感圧ゴム層42を軸方向に移動させ、鉄心52,53を回転させてもよい。
○上記第3実施形態では、4対のコイル74a〜74d,75a〜75dは周方向に等角度間隔に配置されているが、等角度間隔に配置されなくてもよい。4対のコイル74a〜74d,75a〜75dは周方向に間隔を空けて配置されていればよい。更に、対のコイルは2対以上備えられていればよい。また、上記第4実施形態のコイル93u,93v,93wも同様に、周方向に等角度間隔に配置されていなくても、周方向に間隔を空けて配置されていればよい。更に、コイルの数は、3つに限らず、4つ以上備えられてもよい。
○上記各実施形態では、芯電極33,感圧ゴム層34,42,62,82、及びセンサ電極35は同軸状に形成されているが、これに限らない。芯電極33とセンサ電極35との間に感圧ゴム層34,42,62,82が介在されるように形成されていれば、センサ本体21,41,61,81の断面形状(芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向と直交する方向に沿って切った断面の形状)は楕円形状や、半円形状をなしていてもよい。そして、芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、芯電極33とセンサ電極35とが平行に延びる方向に沿って変化するように感圧ゴム層34,42,62,82内のニッケル粉末を配向させればよい。
○上記各実施形態では、センサ本体21,41,61,81は、ドアパネル4における車両1の前方側の端部4aに沿って配設されているが、これに限らない。例えば、センサ本体21,41,61,81は、車体2において、ドアパネル4の閉作動時における進行方向に該ドアパネル4と対向される乗降口3の周縁部に配設されてもよい。また、センサ本体21,41,61,81は、車両1のバックドアにおいて、その閉作動時における進行方向前方側の周縁部や、トランクのドアにおいて、その閉作動時における進行方向前方側の周縁部に配設されてもよい。更に、センサ本体21,41,61,81は、バックドアにて開閉される車体の開口部の周縁部や、トランクのドアにて開閉される車体の開口部の周縁部に配設されてもよい。
Claims (15)
- 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極及び前記第2の電極間に介在され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、
前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮と
を備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサであって、
前記磁性材料は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に対して直交する平面内における配向方向が、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化するように配向されていることを特徴とする感圧センサ。 - 請求項1に記載の感圧センサにおいて、
前記磁性材料の配向方向は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って前記被検出物の大きさに基づいて設定された区間毎に繰り返されていることを特徴とする感圧センサ。 - 請求項1又は請求項2に記載の感圧センサにおいて、
前記第1の電極は、円筒状若しくは円柱状に形成され、
前記感圧体は、前記第1の電極と同軸状となるように前記第1の電極の外周に設けられ、
前記第2の電極は、前記第1の電極と同軸状となるように前記感圧体の外周に設けられていることを特徴とする感圧センサ。 - 請求項3に記載の感圧センサにおいて、
前記磁性材料は、前記感圧体の軸方向の一端側から他端側に向かうに連れて配向方向が周方向に連続的に変化するように配向されていることを特徴とする感圧センサ。 - 請求項3に記載の感圧センサにおいて、
前記磁性材料は、前記感圧体の軸方向に沿って設定された所定範囲毎に配向方向が周方向に変化するように配向されていることを特徴とする感圧センサ。 - 請求項3に記載の感圧センサにおいて、
前記感圧体の厚さ方向に沿って配向された前記磁性材料の配向の度合いが最も強くなる部位の周方向位置が、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って変化していることを特徴とする感圧センサ。 - 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極及び前記第2の電極間に介在され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、
前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮と
を備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサであって、
前記磁性材料は、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向と直交する平面内で複数方向に配向されていることを特徴とする感圧センサ。 - 円柱状若しくは円筒状に形成された第1の電極と、絶縁性樹脂材料にニッケル粉末が分散されてなり前記第1の電極の外周に前記第1の電極と同軸状となるように設けられた感圧体と、前記感圧体の外周に前記第1の電極と同軸状となるように設けられた第2の電極と、前記第2の電極の外周に設けられた外皮とを備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出することを特徴とする感圧センサ。 - 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、
前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させると共に、前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿った前記感圧体の軸線を回転軸線として前記感圧体を回転させながら、磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えたことを特徴とする感圧センサの製造方法。 - 請求項9に記載の感圧センサの製造方法において、
前記感圧体を挟んで配置される一対のコイルを備えて前記磁場生成手段を構成したことを特徴とする感圧センサの製造方法。 - 平行に延びる第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極間に配設され磁性材料が分散されてなり加圧されることにより変形して抵抗値が変化する感圧体と、前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記感圧体を外側から被覆する外皮とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流の電流値の変化に基づいて検出される前記感圧体の抵抗値の変化に基づいて被検出物の接触を検出する感圧センサを製造する感圧センサの製造方法であって、
前記感圧体を前記第1の電極と前記第2の電極とが平行に延びる方向に沿って移動させることにより、時間の経過に伴って磁場の向きを変化させる磁場生成手段にて生成された磁場を通過させて前記磁性材料を配向させる配向工程を備えたことを特徴とする感圧センサの製造方法。 - 請求項11に記載の感圧センサの製造方法において、
周方向に間隔を空けて配置され三相交流電源が供給される少なくとも3つのコイルを備えて前記磁場生成手段を構成したことを特徴とする感圧センサの製造方法。 - 請求項11に記載の感圧センサの製造方法において、
前記感圧体を挟んで配置される複数対のコイルを備えて前記磁場生成手段を構成し、
前記磁場生成手段は、電流を供給する前記コイルを順次切り換えることにより時間の経過に伴って磁場の向きを変化させることを特徴とする感圧センサの製造方法。 - 請求項9乃至請求項13の何れか1項に記載の感圧センサの製造方法において、
前記磁性材料が配向された状態に保持されるように前記磁性材料を固定する配向固定工程を備えたことを特徴とする感圧センサの製造方法。 - 請求項14に記載の感圧センサの製造方法において、
前記配向固定工程では、前記感圧体を加熱することにより、前記磁性材料が配向された状態に保持されるように前記磁性材料を固定することを特徴とする感圧センサの製造方法。
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