JP4676928B2 - 開閉装置 - Google Patents

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本発明は開閉装置に関するものである。
従来、車両の側方に設けられたドアパネル(移動体)をモータ等の駆動力によって車両の前後方向に沿ってスライド移動(開閉作動)させる開閉装置には、閉作動中のドアパネルと車体の乗降口(開口部)の周縁との間の異物の存在を検出するための異物検出センサを備えるものがある。異物検出センサを備えた開閉装置では、異物検出センサによって閉作動中のドアパネルと車体の乗降口の周縁との間に異物が存在することを検出すると、ドアパネルを停止若しくは全開位置まで移動させる。
ところで、異物検出センサには、異物に接触して異物の存在を検出する感圧式のものと、非接触で異物の存在を検出する静電容量式のものとがある。しかしながら、感圧式の異物検出センサにおいては、ドアパネルに異物が接触して初めてその存在が検出されることになるため、ドアパネルが異物に接触してから該ドアパネルが停止若しくは全開位置に向かって移動されるまでの間に、ドアパネルから異物に対して大きな挟み込み荷重が加えられる虞がある。従って、ドアパネルと車体との間の異物は、非接触で検出されることが望まれている。
そして、静電容量式の異物検出センサとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。この異物検出センサは、ドアパネルの前端に沿って配置される2つのセンサ電極を備え、ドアパネルと車体の乗降口の周縁との間に異物が存在しない場合には、2つのセンサ電極の電位の差分値が零となるように構成されている。そして、センサ電極に異物が近接することにより2つのセンサ電極の電位の差分値が変動すると、開閉装置は、ドアパネルと車体の乗降口の周縁との間に異物が存在すると判定する。また、異物検出センサは、車両の前方側に開口するとともに2つのセンサ電極を覆う導電性のシールド電極を有している。このシールド電極は、2つのセンサ電極と同電位に設定されており、シールド電極を介してセンサ電極に近接する導電性の異物によって2つのセンサ電極の差分値が変動することを防止している。即ち、シールド電極を設けることにより、ドアパネルの前端側を除くドアパネルの周囲に導電性の異物が存在した場合に、ドアパネルの前端と車両の乗降口の周縁との間に異物が存在すると判定して開閉装置が誤作動することを防止している。
特開2005−227224号公報 特開2005−227225号公報
ところで、ドアパネルが全閉位置に近づくと、ドアパネルの前端に導電性を有する前席ドアやセンターピラー(Bピラー)が近接する。そのため、2つのセンサ電極とこれら前席ドアやセンターピラーとの間で静電容量が誘起され、2つのセンサ電極の差分値が変動する虞がある。しかしながら、ドアパネルの前端と前席ドア若しくはセンターピラーとの間の異物は検出する必要があるため、ドアパネルが前席ドアやセンターピラーに近接することにより2つのセンサ電極の差分値が変動することを防止すべく2つのセンサ電極と前席ドア(若しくはセンターピラー)との間、即ち異物検出センサにおける車両の前方側にシールド電極を設けることはできない。従って、ドアパネルの作動領域においてドアパネルと前席ドアやセンターピラーとの間で静電容量が誘起され始める領域では、静電容量式の異物検出センサを用いてドアパネルの前端と車両の乗降口との間の異物を検出することが困難であり、非接触で当該異物を検出可能な範囲が狭められていた。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、移動体と開口部の周縁との間に存在する異物を非接触で検出可能な範囲をより広くすることができる開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、導電性の固定体に形成された開口部を閉鎖する全閉位置と、前記開口部を開放する全開位置との間で移動される移動体を備えた開閉装置であって、前記移動体の閉方向前方側の端部である閉側端部、及び前記開口部の周縁において前記閉側端部と対向する部位である対向部の何れか一方に沿って配置された第1のセンサ電極と、該第1のセンサ電極に沿って配置され接地されたシールド電極とを有し、前記第1のセンサ電極と該第1のセンサ電極に近接する導電性の異物との間の静電容量に応じた静電容量検出信号を出力する異物検出センサと、前記閉側端部と前記対向部との間に前記異物が存在するか否かを判定するためのしきい値と前記静電容量検出信号に基づく検出値とを比較し、比較結果に基づいて前記閉側端部と前記対向部との間に前記異物が存在するか否かを判定する判定手段と、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に配置された第2のセンサ電極を有し、前記閉側端部及び前記対向部の何れか他方と前記第2のセンサ電極との間の静電容量に基づいて前記移動体の位置に応じた位置検出信号を出力する位置検出センサと、前記移動体の閉作動中に、前記位置検出信号に基づいて前記しきい値を変更するしきい値変更手段と、を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、開閉装置は、閉側端部と対向部との間に異物が存在するか否かを判定するためのしきい値を変更するしきい値変更手段を備えている。そして、このしきい値変更手段は、移動体の位置に応じた位置検出信号に基づいてしきい値を変更する。従って、移動体の位置に応じて、閉側端部と対向部との間に存在する異物の検出感度を調節することが可能となる。その結果、移動体の閉作動中に、対向部に閉側端部が近接して閉側端部及び対向部の何れか一方と第1のセンサ電極との間で静電容量が変化しても、移動体の位置に応じてしきい値が変更されるため、第1のセンサ電極に近接する閉側端部若しくは対向部を判定手段が異物と判定することを防止することが可能となる。即ち、移動体の閉作動中に、閉側端部が対向部に近接することにより、閉側端部及び対向部の何れか一方と第1のセンサ電極との間で静電容量が変化する領域を移動体が移動している場合であっても、閉側端部と対向部との間に存在する異物を非接触で検出することが可能となる。また、異物検出センサは、第1のセンサ電極に沿うよう配置されたにシールド電極を有する。そのため、移動体の閉作動時に、閉側端部と対向部とが近接しても、閉側端部若しくは対向部が第1のセンサ電極に近接したことによる影響が該第1のセンサ電極を用いて検出される静電容量に及ぼされることをシールド電極によって抑制することが可能となる。これらのことから、閉側端部と開口部との間に存在する異物を非接触で検出可能な範囲をより広くすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の開閉装置において、前記第1のセンサ電極及び前記第2のセンサ電極は、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に沿って配置される長尺状の中間被覆層の外周に配置され、前記中間被覆層と共に1本の紐状に構成されたことをその要旨としている。
同構成によれば、第1のセンサ電極及び第2のセンサ電極は、中間被覆層と共に1本の紐状に構成されている。従って、第1のセンサ電極及び第2のセンサ電極を閉側端部若しくは対向部に同時に配置することができ、第1のセンサ電極及び第2のセンサ電極の配置を容易に行うことができる。また、第1のセンサ電極に電源を供給するための配線と、第2のセンサ電極に電源を供給するための配線とを近くに配置することができるため、これら配線の取り回しを容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の開閉装置において、前記第1のセンサ電極は、前記中間被覆層の長手方向に前記第2のセンサ電極よりも長く形成され、前記第2のセンサ電極は、前記中間被覆層が配置された前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方において前記第1のセンサ電極よりも下側に配置されていることをその要旨としている。
同構成によれば、第1のセンサ電極は、中間被覆層の長手方向に第2のセンサ電極よりも長く形成されている。即ち、中間被覆層の長手方向においては、第2のセンサ電極は、第1のセンサ電極よりも短く形成されている。一般的に、例えば車両に搭載される開閉装置においては、第1のセンサ電極に電源を供給するための配線と、第2のセンサ電極に電源を供給するための配線は、移動体若しくは固定体の下方寄りの位置から移動体内若しくは固定体内に引き込まれる。従って、第1のセンサ電極に比べて長さの短い第2のセンサ電極を、中間被覆層が配置された閉側端部及び対向部の何れか一方において第1のセンサ電極よりも下側に配置することにより、第2のセンサ電極に電源を供給するための配線の長さを短くすることができるとともに、その取り回しを容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の開閉装置において、前記第2のセンサ電極は、前記中間被覆層が配置された前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方において前記第1のセンサ電極よりも上側に配置されていることをその要旨としている。
同構成によれば、中間被覆層が配置された閉側端部及び対向部の何れか一方において第2のセンサ電極が第1のセンサ電極よりも上側に配置されている。即ち、閉側端部と対向部との間の異物を検出するための第1の検出センサは、中間被覆層が配置された閉側端部及び対向部の何れか一方において第2のセンサ電極よりも下側に配置される。そのため、閉側端部と対向部との間において比較的異物が存在しやすい下側の領域に、異物を検出するための第1のセンサ電極を配置することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の開閉装置において、前記第1のセンサ電極は、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に沿って配置される長尺状の中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていることをその要旨としている。
同構成によれば、第1のセンサ電極は、中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていることから、第1のセンサ電極に近接する異物を検出可能な範囲を周方向に広くすることができる。また、第1のセンサ電極は、中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられているため、移動体の閉側端部及び開口部の対向部の何れか一方に中間被覆層を配置する場合、中間被覆層は周方向において取付け方向が限定されない。従って、中間被覆層の配置を容易に行うことができる。更に、第1のセンサ電極が中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていると、中間被覆層が軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、異物検出センサの機能低下が防止される。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の開閉装置において、前記第2のセンサ電極は、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に沿って配置される中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていることをその要旨としている。
同構成によれば、第2のセンサ電極は、中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていることから、移動体の閉側端部及び開口部の対向部の何れか一方に中間被覆層を配置する場合、中間被覆層は周方向においては取付け方向が限定されない。従って、中間被覆層の配置を容易に行うことができる。更に、第2のセンサ電極が中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていると、中間被覆層が軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、位置検出センサの機能低下が防止される。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の開閉装置において、前記第1のセンサ電極は前記閉側端部に沿って配置され、前記シールド電極は、前記第1のセンサ電極と前記閉側端部との間に設けられ前記第1のセンサ電極に沿って延びる第1平板部と、該第1平板部における前記固定体の内側の端部から前記対向部に向かって延びる第2平板部とから構成されていることをその要旨としている。
同構成によれば、第1のセンサ電極が移動体の閉側端部に配置されるとともに、シールド電極は、第1のセンサ電極と閉側端部との間に設けられ第1のセンサ電極に沿って延びる第1平板部と、該第1平板部における前記固定体の内側の端部から前記対向部に向かって延びる第2平板部とから構成されている。シールド電極をこのように構成することにより、移動体の閉作動時において、対向部に第1のセンサ電極が近接した場合に、該対向部と該第1のセンサ電極との近接による影響が第1のセンサ電極を用いて検出される静電容量に及ぼされることをより効果的に抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の開閉装置において、前記固定体は、車両のボディであり、前記移動体は、前記車両の側方に設けられた前記開口部を開閉すべく前後方向に沿ってスライド移動されるドアパネルであることをその要旨としている。
同構成によれば、車両の側方向に形成された開口部と該開口部を閉鎖するドアパネルとを備えた開閉装置において、閉側端部と対向部との間に存在する異物を非接触で検出可能な範囲をより広くすることができる。
本発明によれば、移動体と開口部の周縁との間に存在する異物を非接触で検出可能な範囲をより広くすることができる開閉装置を提供することができる。
以下、本発明を車両に搭載される電動スライドドア装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の電動スライドドア装置(開閉装置)1を搭載した車両2を示す斜視図である。図1に示すように、車両2は、導電性金属材料よりなる固定体としての車体(ボディ)3を備えるとともに、該車体3の左側側面には、四角形状をなす開口部としての乗降口4が形成されている。この乗降口4は、導電性金属材料により形成され該乗降口4に応じた四角形状をなす移動体としてのドアパネル5によって開閉される。また、図2に示すように、乗降口4の前方には、導電性を有する助手席側ドアパネル6が設けられるとともに、乗降口4を閉鎖した状態のドアパネル5と前記助手席側ドアパネル6との間には、導電性を有するセンターピラー7が車両2の上下方向に延びるように設けられている。
図1に示すように、前記ドアパネル5は、乗降口4を開閉するために作動機構11を介して車体3に対して略前後方向に移動可能に取り付けられるとともに、該ドアパネル5にはラッチ等のロック機構(図示略)が設けられている。このロック機構は、ドアパネル5が乗降口4を閉鎖した状態(即ちドアパネル5が全閉位置に配置された状態)にある場合に、ドアパネル5を車体3に対して移動不能とすべく固定するためのものである。そして、ロック機構には、ハーフラッチ検出手段(図示略)が設けられており、該ハーフラッチ検出手段は、当該ロック機構がハーフラッチ状態になると、ハーフラッチ検出信号を電動スライドドア装置1の制御回路装置130(図3参照)に出力する。
前記作動機構11は、車体3に設けられたアッパレール12、ロアレール13、センターレール14、及びドアパネル5側に設けられたアッパアーム15、ロアアーム16、センターアーム17から構成されている。
アッパレール12及びロアレール13は、車両2において乗降口4の上部及び下部にそれぞれ設けられ、車両2の略前後方向に沿って延びている。センターレール14は、車両2において乗降口4よりも後方となる部位の略中央部に設けられ、車両2の略前後方向に沿って延びている。これら各レール12〜14は、その後端から前端側に向かって車両2の前後方向に沿うように形成されるとともに、途中からその前端側が車室内側に向くように湾曲している。
前記各アーム15〜17は、ドアパネル5の車室内側の面における上部、下部及び中央部の所定位置にそれぞれ固定されている。そして、アッパアーム15は前記アッパレール12に対して、ロアアーム16は前記ロアレール13に対して、センターアーム17は前記センターレール14に対してそれぞれ連結されるとともに、各アーム15〜17は、各レール12〜14に案内されて車両2の前後方向に移動可能となっている。
また、前記ロアアーム16は、駆動機構21の駆動により前後方向に駆動される。詳述すると、前記ロアレール13よりも車室内側となる位置には、車両2の上下方向の軸回りに回転する、駆動機構21の駆動プーリ22及び複数の従動プーリ23が設けられている。そして、これら駆動プーリ22及び従動プーリ23には、無端ベルト24が掛け渡されるとともに、該無端ベルト24には、前記ロアアーム16の先端部が固定されている。
また、図1及び図3に示すように、駆動プーリ22には、駆動機構21を構成するスライドアクチュエータ25が接続されている。スライドアクチュエータ25は、車室内側に配置されるとともに、スライドモータ26と、該スライドモータ26の回転を減速して前記駆動プーリ22に伝達する減速機構(図示略)とを備えている。そして、スライドモータ26が駆動されて駆動プーリ22が回転すると、無端ベルト24が従動回転して前記ロアアーム16が前後方向に移動し、前記ドアパネル5が前後方向にスライド移動される。
また、前記ドアパネル5の内部には、駆動機構21を構成するクローザアクチュエータ27が配置されるとともに、該クローザアクチュエータ27は、クローザモータ28と、該クローザモータ28の回転を減速する減速機構(図示略)とを備えている。そして、クローザモータ28が駆動されると、前記ロック機構によるロックが可能な位置までドアパネル5が移動される。
また、電動スライドドア装置1は、制御回路装置130に電気的に接続された操作スイッチ31を備えている。この操作スイッチ31は、搭乗者によって該操作スイッチ31が乗降口4を開放するように操作されると、乗降口4を開放するようにドアパネル5をスライド移動させる旨の開信号を制御回路装置130に出力する。一方、搭乗者によって操作スイッチ31が乗降口4を閉鎖するように操作されると、操作スイッチ31は、乗降口4を閉鎖するようにドアパネル5をスライド移動させる旨の閉信号を制御回路装置130に出力する。この操作スイッチ31は、車両2(ダッシュボード等)やドアパネル5の車室側の側面、イグニッションキーと共に携帯される携帯品(図示略)等に設けられている。
また、図3に示すように、電動スライドドア装置1は、異物検出センサ41及び位置検出センサ42から構成されるセンサ部43を備えている。異物検出センサ41は、ドアパネル5の閉方向前方側の端部、即ちドアパネル5の前端部5a(閉側端部)との間に異物が存在するか否かを検出するためのものであり、位置検出センサ42は、ドアパネル5の位置を検出するためのものである。そして、センサ部43は、ドアパネル5の前端部5aに沿って配置されたセンサ本体51と、該センサ本体51への異物の近接を検出する検出部52と、ドアパネル5の位置を検出するための位置検出回路53とから構成されている(図1及び図2参照)。
図4に示すように、センサ本体51は、ドアパネル5の前端部5aに沿って配置されるとともに、該前端部5aにおける上下方向の長さと略等しい長さの紐状に構成されている。
センサ本体51を構成する導電性の線材よりなる中心電極61は、長尺状に形成されてドアパネル5の前端部5aと略等しい長さを有する。この中心電極61の下端には、リード線61aが電気的に接続されるとともに、該中心電極61の外周には、該中心電極61の外周を被覆するように中間被覆層62が設けられている。長尺状の中間被覆層62は、弾性及び絶縁性を有する誘電体よりなるとともに、円筒状をなしている。
前記中間被覆層62の外周には、第1のセンサ電極63と第2のセンサ電極64とが巻き付けられている。第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64は、導電性を有するとともに、その長手方向と直交する方向の断面形状が楕円形状をなしている。
第1のセンサ電極63は、中間被覆層62の一端(本実施形態では上端)側の所定領域に所定の巻ピッチで螺旋状に巻き付けられており、他端側の所定領域には巻き付けられていない。なお、本実施形態では、中間被覆層62において第1のセンサ電極63が巻き付けられる上端側の所定領域を異物検出領域A1とし、該異物検出領域A1よりも下端側の所定領域を位置検出領域A2とする。異物検出領域A1は、位置検出領域A2に対して十分に広く設定されており、位置検出領域A2は、例えば4mm程度である。
ここで、前記「巻ピッチ」とは、第1のセンサ電極63が中間被覆層62に一巻きされることにより該中間被覆層62の長手方向に進む距離を意味する。そして、第1のセンサ電極63についての前記所定の巻ピッチは、例えば人間の指の太さに応じて10mm〜15mm程度の幅に設定されている。従って、中間被覆層62の異物検出領域A1の外周に第1のセンサ電極63が巻き付けられた状態では、センサ本体51の長手方向における第1のセンサ電極63間の間隔Dが、10〜15mm程度となる。この第1のセンサ電極63の下端には、リード線63aが電気的に接続されている。
前記第2のセンサ電極64は、中間被覆層62において前記第1のセンサ電極63よりも下端側の所定領域、即ち前記位置検出領域A2に螺旋状に巻き付けられている。本実施形態では、第2のセンサ電極64は、約4mmの位置検出領域A2内に3〜4巻き巻かれている。そして、位置検出領域A2に比べて異物検出領域A1の方が広く設定されていることから、位置検出領域A2に巻き付けられる第2のセンサ電極64は、中間被覆層62の長手方向に、異物検出領域A1に巻き付けられる第1のセンサ電極63よりも短く形成されている。言い換えると、第1のセンサ電極63は、中間被覆層62の長手方向に第2のセンサ電極64よりも長く形成されている。また、第2のセンサ電極64の下端には、リード線64aが電気的に接続されている。
第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64が巻回された中間被覆層62の外周には、該中間被覆層62、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64を外周から被覆する外皮65が設けられている。この外皮65は、弾性及び絶縁性を有する樹脂材料よりなるとともに、円筒状をなしている。外皮65は、例えば熱収縮チューブである。
上記のように構成されたセンサ本体51は、図5に示すように、弾性変形可能な絶縁性樹脂材料(エラストマ、ゴム等)よりなるプロテクタ71によってドアパネル5の前端部5aに固定されている。なお、ドアパネル5の前端部5aには、センサ本体51を取り付けるためのブラケット81が固定されている。ブラケット81は、車両2の上方から見た場合に、車両2の幅方向と平行をなす固定部81aと、該固定部81aにおける車室と逆側の端部から車両2の前後方向と平行をなすように車両2の前方側へ向かって延びる支持部81bとから構成されてL字状をなしている。そして、ブラケット81は、ドアパネル5の上下方向の長さと略等しく形成されるとともに、該ドアパネル5の前端部5aに沿って配置され、固定部81aを螺子82にてドアパネル5に締結することにより、該ドアパネル5に対して固定されている。
前記プロテクタ71は、センサ本体51を保持する保持部72と、該プロテクタ71をブラケット81に固定する取付け部73とから構成されている。保持部72は、略円筒状に形成されるとともに、その内部にセンサ本体51が挿入されている。また、取付け部73は、保持部72から車両2の後方側に向かって突出した2つの挟持部73a,73bから構成されている。そして、挟持部73a,73b間に前記支持部81bを嵌入し、当該挟持部73a,73bによって支持部81bを挟持することにより、プロテクタ71は、ドアパネル5の前端部5aに固定される。即ち、センサ本体51は、プロテクタ71を介してドアパネル5の前端部5aに沿って配置される。
また、プロテクタ71内には、第1のセンサ電極63に沿って延びるようにシールド電極91が埋設されている。このシールド電極91は、導電性を有する金属材料により形成されている。シールド電極91は、第1のセンサ電極63とドアパネル5の前端部5aとの間に設けられ同第1のセンサ電極63に沿って上下方向に延びる第1平板部91aと、該第1平板部91aにおける車室内側の端部から、乗降口4の周縁においてドアパネル5の前端部5aと対向する部位である対向部4aに向かって延びる第2平板部91bとから構成されている。そして、シールド電極91は、長手方向から見た形状がL字状をなしている。なお、第1平板部91aは、プロテクタ71において保持部72と取付け部73との間に配置されている。また、第2平板部91bにおけるドアパネル5の移動方向(本実施形態では前後方向に同じ)に沿った幅は、センサ本体51の直径と略等しく形成されている。そして、このようなシールド電極91は、車体3に接地されている。
ここで、図4に示すように、前記ドアパネル5は、車室内側に配置されるインナパネル101と車室外側に配置されるアウタパネル102とを重ねて形成されている。そして、インナパネル101の前端部には、該インナパネル101の下端から所定距離(例えば10cm程度)だけ上方となる位置に、導入孔101aが形成されている。そして、前記リード線61a,63a,64aは、それぞれ導入孔101aからドアパネル5内へ引き込まれるとともに、該ドアパネル5内に配置された前記検出部52若しくは同じくドアパネル5内に配置された位置検出回路53に電気的に接続されている。
図3に示すように、第2のセンサ電極64は、その下端に接続されたリード線64a(図4参照)を介して前記位置検出回路53に電気的に接続されるとともに、該位置検出回路53は、制御回路装置130に電気的に接続されている。そして、位置検出回路53は、第2のセンサ電極64及び中間被覆層62とともに位置検出センサ42を構成している。
位置検出回路53には制御回路装置130を介して電源が供給されるとともに、該位置検出回路53は、第2のセンサ電極64に電源を供給する。そして、位置検出回路53は、第2のセンサ電極64における静電容量の検出を実行し、検出した静電容量に応じた位置検出信号S1を制御回路装置130に出力する。
詳述すると、第2のセンサ電極64は、前述したようにドアパネル5の前端部5aに配置されている。従って、ドアパネル5が閉方向(ドアパネル5が閉作動する方向)にスライド移動されると、ドアパネル5の前端部5aが、乗降口4の周縁において前端部5aと対向する部位である対向部4aに近づくことから、第2のセンサ電極64と乗降口4の対向部4aとの間に形成されるコンデンサ110の静電容量C1が変化する。なお、本実施形態では、対向部4aは、センターピラー7の後方側の端部である。そして、位置検出回路53は、第2のセンサ電極64と対向部4aとの間の静電容量C1を検出し、その検出結果を位置検出信号S1として出力する。本実施形態では、位置検出信号S1は、静電容量C1の大きさに応じた電圧信号であり、静電容量C1が大きくなるとその電圧値は高くなり、一方、静電容量C1が小さくなるとその電圧値は低くなる。
ここで、図6に、ドアパネル5の位置(即ちドア位置)と位置検出信号S1との関係を示すグラフを図示する。なお、本実施形態では、図2に示すように、ドアパネル5の作動領域において、乗降口4を開放するドアパネル5の位置を全開位置Poとするとともに、乗降口4を閉鎖するドアパネル5の位置を全閉位置Pcとし、更に、全開位置Poと全閉位置Pcとの間の所定の位置を第1のドア位置P1とする。そして、全開位置Poと第1のドア位置P1との間の領域を第1の作動領域B1とし、第1のドア位置P1と全閉位置Pcとの間の作動領域を第2の作動領域B2とする。
一般的に、第2のセンサ電極64と対向部4aとの間の静電容量C1は、該第2のセンサ電極64と該対向部4aとの間の距離が短いほど大きな値となる。従って、ドアパネル5の閉作動時に、ドアパネル5が全開位置Poから全閉位置Pcに向かって閉方向に移動されると、第2のセンサ電極64と対向部4aとの間の静電容量C1は、全閉位置Pc寄りの所定位置にドアパネル5が配置されるまでは、ほぼ一定の値となる。そして、ドアパネル5が全閉位置寄りの所定位置から全閉位置Pcに近づくに連れて、静電容量C1は徐々にその値が大きくなっていく。この時、静電容量C1は、ドアパネル5が全閉位置Pcに近づく程その変化率が大きくなる。
一方、ドアパネル5の開作動時には、第2のセンサ電極64と対向部4aとの間の静電容量C1は閉作動時と逆の変化をする。即ち、ドアパネル5が全閉位置Pcから開方向に移動されると、ドアパネル5が全閉位置Pc寄りの所定位置に近づくに連れて静電容量C1の値が小さくなっていく。そして、ドアパネル5が全閉位置Pc寄りの所定位置を過ぎてから全開位置Poに配置されるまで、静電容量C1は、ほぼ一定の値となる。
第2のセンサ電極64と対向部4aとの間の静電容量C1が上記したように変化することから、位置検出信号S1はドアパネル5の位置に応じて図6に示すグラフのように変化する。即ち、ドアパネル5の閉作動時に、ドアパネル5が全開位置Poから全閉位置Pcに向かって閉方向に移動されると、位置検出信号S1は、全開位置Poから全閉位置Pc寄りの所定位置にドアパネル5が配置されるまではほぼ一定の値(電圧値)となる。そして、ドアパネル5が全閉位置Pc寄りの所定位置から全閉位置Pcに近づくに連れて、位置検出信号S1は徐徐にその値が大きくなっていく。この時、位置検出信号S1は、ドアパネル5が全閉位置Pcに近づく程その変化率が大きくなる。
一方、ドアパネル5の開作動時には、全閉位置Pcから第1のドア位置P1に向かってドアパネル5が開方向に移動されると、ドアパネル5が全閉位置Pc寄りの所定位置に近づくに連れて位置検出信号S1の値(電圧値)が小さくなっていく。そして、ドアパネル5が全閉位置Pc寄りの所定位置を過ぎてから全開位置Poに配置されるまで、位置検出信号S1は、ほぼ一定の値となる。
そして、前記制御回路装置130は、位置検出回路53から入力される位置検出信号S1に基づいてドアパネル5の位置を検出する。因みに、ドアパネル5の閉作動時において、ドアパネル5が全閉位置Pcに近づく程、位置検出信号S1の変化率が大きくなることから、ドアパネル5が全閉位置Pcに近づく程、位置検出信号S1に基づいてドアパネル
5の位置を精度良く検出することができる。なお、実験により、位置検出領域A2を4mm程度まで小さくするとともに、当該位置検出領域A2内に第2のセンサ電極64を3〜4巻きした構成としても、位置検出センサ42は、その機能を果たすことがわかった。
図3に示すように、前記検出部52は、発振回路121、静電容量検出回路122、及び異物検出回路123を備えている。そして、この検出部52は、前記中心電極61、中間被覆層62及び第1のセンサ電極63とともに異物検出センサ41を構成している。
中心電極61及び第1のセンサ電極63は、それぞれの下端に接続されたリード線61a,63a(図4参照)を介して発振回路121に電気的に接続されるとともに、該発振回路121は、静電容量検出回路122に電気的に接続されている。更に、静電容量検出回路122は、異物検出回路123に電気的に接続されるとともに、異物検出回路123は、制御回路装置130に電気的に接続されている。
前記発振回路121は、交流電圧を生成するとともに生成した当該交流電圧を第1のセンサ電極63に印加する。そして、静電容量検出回路122は、発振回路121が印加した交流電圧の波形変化に基づくセンサ本体51(但し第2のセンサ電極64を除く)における静電容量の検出を実行し、異物検出回路123においてその静電容量変化に基づくセンサ本体51への異物の近接及び接触の検出を実行する。
詳述すると、静電容量検出回路122において検出される静電容量C2は、第1のセンサ電極63とセンサ本体51に近接する異物Xとにより形成されるコンデンサ124の静電容量C3と、第1のセンサ電極63と中心電極61とにより形成されるコンデンサ125の静電容量C4との合成値となる。従って、センサ本体51に異物が近接し、第1のセンサ電極63と異物Xとの間の静電容量C3が増大することにより、静電容量検出回路122において検出される静電容量C2も増大される。また、センサ本体51に異物Xが接触することによりセンサ本体51を構成する外皮65及び中間被覆層62が弾性変形すると、第1のセンサ電極63と中心電極61との間隔が狭くなることから、第1のセンサ電極63と中心電極61との間の静電容量C4が増大し、その結果、静電容量検出回路122において検出される静電容量C2も増大される。
そして、静電容量検出回路122は、検出した静電容量C2に応じた静電容量検出信号S2を異物検出回路123に出力する。本実施形態では、静電容量検出信号S2は、静電容量C2の大きさに応じた電圧信号であり、静電容量C2が大きくなるとその電圧値は高くなり、一方、静電容量C2が小さくなるとその電圧値は低くなる。
前記異物検出回路123は、入力された静電容量検出信号S2の電圧値(検出値)と、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物が存在するか否かを判定するためのしきい値とを比較して、その比較結果に基づいて前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定する。
ここで、前端部5aと対向部4aとの間に異物が存在するか否かを判定するために異物検出回路123が持つしきい値について詳述する。このしきい値は、ドアパネル5の閉作動時にドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在しない状態で予め第1のセンサ電極63及び中心電極61を用いて静電容量C2の変化を実際に検出して、検出した静電容量C2の実変化に基づいて設定されている。
図7に、ドアパネル5の位置(即ちドア位置)と静電容量検出信号S2との関係を示すグラフを図示する。図7を見ると、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在しない場合には、全開位置Poから第1のドア位置P1までの第1の作動領域B1をドアパネル5が閉方向に移動すると、静電容量検出信号S2の電圧値は、ドアパネル5が第1のドア位置P1に近づくに連れて若干大きくなるもののほぼ一定の値となっている。そして、ドアパネル5が第1のドア位置P1から全閉位置Pcまでの第2の作動領域B2を閉方向に移動すると、静電容量検出信号S2の電圧値は、ドアパネル5がセンターピラー7に近接することから、ドアパネル5が全閉位置Pcに近づくに連れて徐々に大きくなるとともに、その時の変化の割合は、ドアパネル5が第1の作動領域B1を閉方向に移動する場合よりも大きくなる。この時、図5に示すように、第1のセンサ電極63に沿うように前記シールド電極91が設けられている。そのため、第2の作動領域B2をドアパネル5が閉方向に移動することによって第1のセンサ電極63が対向部4a(センターピラー7)に近接しても、第1のセンサ電極63において対向部4aとの間にシールド電極91が介在されている部位については、対向部4aに近接したことによる影響が第1のセンサ電極63を用いて検出される静電容量C2に及ぼされることが防止される。従って、静電容量検出信号S2の電圧値は、シールド電極91が設けられていない第2のセンサ電極64を用いて検出される位置検出信号S1の電圧値に比べて、ドアパネル5が全閉位置Pc付近を移動する場合の信号の変化率が小さくなっている(図6参照)。
因みに、図5に示すように、第1平板部91aが第1のセンサ電極63とドアパネル5の前端部5aとの間に配置されるように、且つ第2平板部91bが車室内側に配置されるようにシールド電極91を配置することにより、第1のセンサ電極63が対向部4aに近接したことによる影響が該第1のセンサ電極63を用いて検出される静電容量C2に及ぼされることを、より効果的に防止している。
一方、図7に示すように、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが該対向部4aに当接した状態で存在する場合には、全開位置Poから第1のドア位置P1までの第1の作動領域B1をドアパネル5が閉方向に移動すると、静電容量検出信号S2の電圧値は、対向部4aよりもドアパネル5の前端部5aに近い位置に異物Xが存在することから、異物Xが存在しない場合の静電容量検出信号S2の電圧値よりも大きな値となっている。尚且つ、静電容量検出信号S2は、ドアパネル5が全開位置Po寄りの領域を閉方向に移動している場合には、ほぼ一定の値となるとともに、ドアパネル5が第1のドア位置P1寄りの領域を閉方向に移動している場合には、該ドアパネル5が第1のドア位置P1に近づくに連れて徐々に大きな値となる。そして、ドアパネル5が第1のドア位置P1から全閉位置Pcまでの第2の作動領域B2を閉方向に移動すると、静電容量検出信号S2の電圧値は、対向部4aよりもドアパネル5の前端部5aに近い位置にある異物Xに第1のセンサ電極63が近接することから、異物Xが存在しない場合の静電容量検出信号S2の電圧値よりも大きな値となる。同時に、静電容量検出信号S2の電圧値は、ドアパネル5が全閉位置Pcに近づくに連れて緩やかに大きくなる。なお、前記第1のドア位置P1は、例えば、ドアパネル5の閉作動時においてドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが該対向部4aに当接した状態で存在する場合に、静電容量検出信号S2の電圧値が大きくなり始めるドアパネル5の位置に近い位置に設定されている。
そこで、異物検出回路123は、ドアパネル5の位置に応じて、2つのしきい値V1,V2を有している。因みに、異物検出回路123には、制御回路装置130からドアパネル5の位置が入力されるようになっている。
しきい値V1,V2は、第1の作動領域B1及び第2の作動領域B2の何れの領域をドアパネル5が移動している場合であっても、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在しない場合における静電容量検出信号S2の電圧値と、対向部4aに当接した状態で異物Xが存在する場合における静電容量検出信号S2の電圧値との間の値に設定されている。また、第2の作動領域B2内にドアパネル5が配置されると、ドアパネル5の前端部5aと対向部4aとが近接することにより対向部4aと第1のセンサ電極63との間で静電容量C3が増大することから、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在しない場合であっても静電容量検出信号S2がしきい値V1を超えることになる。そこで、ドアパネル5が第1のドア位置P1に配置されて以後ドアパネル5が第2の作動領域B2内を閉方向に移動する場合のしきい値V2は、ドアパネル5が第1の作動領域B1内を閉方向に移動する場合のしきい値V1よりも大きな値に設定されている。
そして、異物検出回路123は、ドアパネル5の位置に応じて、静電容量検出信号S2の電圧値と比較するしきい値を変更する。即ち、異物検出回路123は、ドアパネル5の閉作動時において、ドアパネル5が第1の作動領域B1内を移動している場合には、しきい値V1と静電容量検出信号S2の電圧値とを比較する。そして、静電容量検出信号S2の電圧値がしきい値V1よりも大きい場合には、異物検出回路123は、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在すると判定し、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在することを示す異物検出信号を制御回路装置130に出力する。一方、異物検出回路123は、第1のセンサ電極63の外周面と対向部4a(即ちセンターピラー7)との間の距離L(図4参照)が距離L1となる第1のドア位置P1にドアパネル5が配置されると、ドアパネル5が全閉位置Pcに配置される直前まで、しきい値V2と静電容量検出信号S2の電圧値とを比較する。なお、前記距離L1は、例えば、20mm程度である。そして、静電容量検出信号S2の電圧値がしきい値V2よりも大きい場合には、異物検出回路123は、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物が存在すると判定し、異物検出信号を制御回路装置130に出力する。
なお、実験により、シールド電極91を、第1のセンサ電極63とドアパネル5の前端部5aとの間に配置された第1平板部91aと、該第1平板部91aの車室内側の端部から車両2の前方側に延びる第2平板部91bとから構成される断面L字状とすることにより、異物検出センサ41によるドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に存在する異物Xの検出感度がより良好となることがわかっている。ここで、シールド電極91の形状と異物検出センサ41による異物Xの検出感度との関係を調べるために行った実験について詳述する。
実験は、図8(a)に示すシールド電極92を用いて行った。センサ本体51及びシールド電極92は、ドアパネル5の前端部5aに沿って配置される(図5参照)。実験に用いたセンサ本体51の直径は5mmである。そして、シールド電極92は、センサ本体51における車両2の後方側で第1のセンサ電極63に沿って上下方向に延びる第1平板部92aと、同第1平板部92aにおける車室内側の端部から車両2の前方側に延びる第2平板部92bと、同第1平板部92aにおける車室外側の端部から車両2の前方側に延びる第3平板部92cとから構成されている。このシールド電極92は、その長手方向と直交する方向の断面形状が略コ字状をなすとともに、シールド電極91と同様に車体3に接地されている。
そして、ドアパネル5の閉作動時において、第1のセンサ電極63の外周面と対向部4a(即ちセンターピラー7)との間の前記距離L(図5参照)が7mmとなった時に、センサ本体51(但し第2のセンサ電極64を除く)にて検出される静電容量の変化量を、静電容量検出回路122を用いて測定した。詳しくは、第2平板部92bにおける車両2の前後方向の幅W1、及び第3平板部92cにおける車両2の前後方向の幅W2を変更し、幅W1,W2を変更したシールド電極92ごとに、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在しない状態と、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが該対向部4aに当接して存在する状態との2つの状態についてそれぞれ静電容量の変化量の測定を行った。なお、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在しない状態でセンサ本体51を用いて測定した静電容量の変化量をNとするとともに、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが該対向部4aに当接して存在する状態でセンサ本体51を用いて測定した静電容量の変化量をSとする。
図8(b)に、第2平板部92bにおける車両2の前後方向の幅W1、及び第3平板部92cにおける車両2の前後方向の幅W2を変更した各場合における異物検出センサ41による異物Xの検出感度を示す。異物検出センサ41による異物Xの検出感度は、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在しない状態でセンサ本体51を用いて測定した静電容量の変化量Nと、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが該対向部4aに当接して存在する状態でセンサ本体51を用いて測定した静電容量の変化量Sとを用いて、S/Nにて定義している。そして、図8(b)には、測定した静電容量の変化量N,Sをもとに算出した異物検出センサ41による異物Xの検出感度S/Nを示している。
図8(b)を見ると、第2平板部92bの幅W1が長くなるほど異物検出センサ41による異物Xの検出感度S/Nの値が大きくなり、検出感度が向上することがわかる。また、第3平板部92cの幅W2が短くなるほど異物検出センサ41による異物Xの検出感度S/Nの値が大きくなり、検出感度が向上することがわかる。これらのことから、シールド電極92は、第3平板部92cの幅が0mm、即ち第3平板部92cを備えない断面L字状とすることにより、異物検出センサ41による異物Xの検出感度を向上させることができると言える。従って、本実施形態のシールド電極91は、第1平板部91a及び第2平板部91bから構成され、その長手方向と直交する方向の断面形状がL字状をなすことから、異物検出センサ41による異物Xの検出感度を向上させることができる。
図3に示すように、前記制御回路装置130は、例えばドアパネル5内に配置されるとともに(図1参照)、該制御回路装置130には、車両2のバッテリ131から電源が供給される。そして、制御回路装置130は、前記ハーフラッチ検出手段、操作スイッチ31、異物検出センサ41及び位置検出センサ42から入力される各種信号に基づいてスライドアクチュエータ25及びクローザアクチュエータ27を制御する。
即ち、制御回路装置130は、操作スイッチ31から開信号が入力されるとドアパネル5を全開位置Poまで開作動させ、操作スイッチ31から閉信号が入力されるとドアパネル5を全閉位置Pcまで閉作動させるべくスライドモータ26を制御する。また、制御回路装置130は、前記ハーフラッチ検出手段から前記ハーフラッチ検出信号が入力されると、ドアパネル5をロック機構によるロックが可能な位置まで移動させるべくクローザモータ28を制御する。更に、制御回路装置130は、位置検出センサ42(位置検出回路53)から入力される位置検出信号に基づいてドアパネル5の位置を検出する。また更に、制御回路装置130は、異物検出センサ41(異物検出回路123)から入力される異物検出信号に基づいて、ドアパネルを全開位置まで移動させる。
次に、上記のように構成された電動スライドドア装置1の動作について総括的に説明する。
制御回路装置130は、操作スイッチ31から開信号が入力されると、ドアパネル5を開作動させる方向(開方向)にスライドモータ26を駆動する。そして、ドアパネル5が全開位置Poに配置されると、制御回路装置130は、スライドモータ26を停止させる。
一方、制御回路装置130は、操作スイッチ31から閉信号が入力されると、ドアパネル5を閉作動させる方向(閉方向)にスライドモータ26を駆動するとともに、検出部52を駆動する。そして、ドアパネル5が全閉位置Pc直前となる位置に配置されてハーフラッチ検出信号が入力されると、制御回路装置130は、クローザモータ28を駆動し、該クローザモータ28によるドアパネル5のロックを行ってドアパネル5を全閉位置Pcに配置する。
また、ドアパネル5の閉作動時において、ドアパネル5が第1のドア位置P1に配置されるまで、異物検出回路123は、静電容量検出回路122から入力される静電容量検出信号S2の電圧値としきい値V1とを比較する。そして、静電容量検出信号S2の電圧値がしきい値V1よりも大きい場合には、異物検出回路123は、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在すると判定し、制御回路装置130に異物検出信号を出力する。また、ドアパネル5が第1のドア位置P1に配置されると、異物検出回路123は、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定するためのしきい値をしきい値V1からしきい値V2に変更する。そして、異物検出回路123は、ドアパネル5が全閉位置Pcに配置される直前まで、静電容量検出回路122から入力される静電容量検出信号S2の電圧値としきい値V2とを比較する。そして、静電容量検出信号S2の電圧値がしきい値V2よりも大きい場合には、異物検出回路123は、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在すると判定し、制御回路装置130に異物検出信号を出力する。制御回路装置130は、異物検出回路123から異物検出信号が入力されると、ドアパネル5を全開位置Poまで移動させるべくスライドモータ26を制御する。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)異物検出回路123は、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定するためのしきい値V1,V2をドアパネル5の位置に応じて変更する。そのため、ドアパネル5の位置に応じて、該前端部5aと該対向部4aとの間に存在する異物Xの検出感度を調節することが可能となる。その結果、ドアパネル5の閉作動中に、対向部4aに対して前端部5aが近接して、対向部4aと第1のセンサ電極63との間で静電容量が変化しても、ドアパネル5の位置に応じてしきい値が変更されるため、第1のセンサ電極63に近接する対向部4aを異物検出回路123にて異物Xと判定することを防止することができる。即ち、ドアパネル5の閉作動中に、ドアパネル5の前端部5aが乗降口4の対向部4aに近接することにより、対向部4aと第1のセンサ電極63との間で静電容量が変化する領域をドアパネル5が移動している場合であっても、前端部5aと対向部4aとの間に存在する異物Xを非接触で検出することができる。また、異物検出センサ41は、第1のセンサ電極63に沿うように配置されたシールド電極91を有する。そのため、ドアパネル5の閉作動時に、ドアパネル5の前端部5aが乗降口4の対向部4aに近接しても、対向部4aに近接したことによる影響が第1のセンサ電極63を用いて検出される静電容量C2に及ぼされることをシールド電極91によって抑制することができる。これらのことから、前端部5aと対向部4aとの間に存在する異物Xを非接触で検出可能な範囲をより広くすることができる。即ち、ドアパネル5の作動領域におけるより広い範囲において、前端部5aと対向部4aとの間に存在する異物Xに対してドアパネル5から挟み込み荷重を加えることなく当該異物Xを検出することができる。
(2)第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64は、中間被覆層62と共に1本の紐状に構成されている。従って、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64を前端部5aに同時に配置することができ、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64の配置を容易に行うことができる。また、第1のセンサ電極に電源を供給するための配線(リード線63a)と、第2のセンサ電極に電源を供給するための配線(リード線64a)とを近くに配置することができるため、これら配線(リード線63a,64a)の取り回しを容易に行うことができる。
(3)第1のセンサ電極63は、中間被覆層62の長手方向に第2のセンサ電極64よりも長く形成されている。即ち、中間被覆層62の長手方向においては、第2のセンサ電極64は、第1のセンサ電極63よりも短く形成されている。一般的に、車両2に搭載される電動スライドドア装置1においては、第1のセンサ電極63に電源を供給するための配線(リード線63a)と、第2のセンサ電極64に電源を供給するための配線(リード線64a)は、ドアパネル5の下方寄りの位置からドアパネル5内に引き込まれる。従って、第1のセンサ電極63に比べて長さの短い第2のセンサ電極64を、ドアパネル5の前端部5aにおいて第1のセンサ電極63よりも下側に配置することにより、第2のセンサ電極64に電源を供給するための配線(リード線64a)の長さを短くすることができるとともに、その取り回しを容易に行うことができる。
(4)第1のセンサ電極63は、中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられていることから、第1のセンサ電極63に近接する異物Xを検出可能な範囲を周方向に広くすることができる。また、第1のセンサ電極63は、中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられていることから、ドアパネル5の前端部5aに中間被覆層62を配置する場合、中間被覆層62は周方向においては取付け方向が限定されない。従って、中間被覆層62の配置を容易に行うことができる。更に、第1のセンサ電極63が中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられていると、中間被覆層62が軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、異物検出センサ41の機能低下が防止される。
(5)第2のセンサ電極64は、中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられていることから、ドアパネル5の前端部5aに中間被覆層62を配置する場合、中間被覆層62は周方向においては取付け方向が限定されない。従って、中間被覆層62の配置を容易に行うことができる。更に、第2のセンサ電極64が中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられていると、中間被覆層62が軸方向に湾曲した状態で配置された場合であっても、位置検出センサ42の機能低下が防止される。
(6)第1のセンサ電極63は、ドアパネル5の前端部5aに配置されている。更に、シールド電極91は、第1のセンサ電極63とドアパネル5の前端部5aとの間に設けられ同第1のセンサ電極63に沿って上下方向に延びる第1平板部91aと、該第1平板部91aにおける車室内側の端部から、乗降口4の周縁においてドアパネル5の前端部5aと対向する部位である対向部4aに向かって延びる第2平板部91bとから構成されている。シールド電極91をこのように構成することにより、例えばシールド電極が、第1平板部91aと、該第1平板部91aにおける車室外側の端部から対向部4aに向かって延びる第3平板部とから構成された場合に比べて、ドアパネル5の閉作動時において、対向部4aに第1のセンサ電極63が近接した場合に、該対向部4aと該第1のセンサ電極63との近接による影響が第1のセンサ電極63を用いて検出される静電容量C2に及ぼされることをより効果的に抑制することができる。
(7)中間被覆層62において第2のセンサ電極64が配置される位置検出領域A2には、第1のセンサ電極63が配置されないことから、位置検出領域A2は、異物Xの検出を行わない不感帯となる。ところで、本実施形態では、中間被覆層62の長手方向において、ドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間の異物Xを検出するための第1のセンサ電極63の方が、ドアパネル5の位置を検出するための第2のセンサ電極64よりも長く形成されている。従って、中間被覆層62の長手方向において、該中間被覆層62に近接する異物を検出可能な範囲をより広くすることができる。
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、開閉装置の一例として電動スライドドア装置1を挙げて本発明を説明したが、これ以外の開閉装置に本発明を適用してもよい。例えば、車体の後部に設けられた開口部を開閉するための跳上げ式のバックドアを駆動モータにより作動させるバックドア装置に本発明を適用してもよい。また、車体の天井部に設けられた開口部を開閉するためのルーフ開閉体を駆動モータにより作動させるサンルーフ装置に本発明を適用してもよい。
・上記実施形態では、シールド電極91は、第1平板部91aと第2平板部91bとから構成されてL字状をなしている。しかしながら、シールド電極91の形状はこれに限らない。シールド電極91は、第1のセンサ電極63に沿うように配置されるのであれば、この他の形状に形成されてもよい。例えば、シールド電極91は、センサ本体51の外周に沿った円弧状に形成され、上記実施形態のシールド電極91と略等しい範囲(第1のセンサ電極63における車室内側の部位から前端部5a側の部位にかけての範囲)でセンサ本体51と径方向に対向するように配置されてもよい。
・上記実施形態では、第1のセンサ電極63は、センサ本体51の長手方向における第1のセンサ電極63間の間隔Dが10〜15mm程度となるように中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられている。しかしながら、この間隔Dは、10mmよりも狭くてもよいし、15mmより広くてもよい。ただし、この間隔Dが狭いほど、大きさの小さな異物Xを異物検出センサ41にて検出しやすくなる。
・上記実施形態では、第2のセンサ電極64は、中間被覆層62において4mm程度の位置検出領域A2に3〜4巻き巻きつけられている。しかしながら、第2のセンサ電極64は、位置検出領域A2に5巻き以上巻き付けられるものであってもよい。また、中間被覆層62において、位置検出領域A2を4mm以上に設定してもよい。
・上記実施形態では、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64は、中間被覆層62の外周に螺旋状に巻き付けられている。しかしながら、第1のセンサ電極63は、図9に示すセンサ本体151に備えられる第1のセンサ電極152のように中間被覆層62の外周に円筒状に形成されるものであってもよい。尚、図9においては、第1のセンサ電極152のみを図示しているが、第2のセンサ電極64も同様に円筒状に形成されてもよい。この場合、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64の両方を円筒状に形成してもよいし、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64の何れか一方を円筒状に形成し、他方を螺旋状に形成してもよい。また、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64は、円筒形状以外に、センサ本体51の長手方向から見た形状が円弧状をなすように形成されてもよい。
・上記実施形態では、第2平板部91bにおけるドアパネル5の移動方向(本実施形態では前後方向に同じ)に沿った幅は、センサ本体51の直径と略等しく形成されている。しかしながら、第2平板部91bにおけるドアパネル5の移動方向に沿った幅は、センサ本体51の直径よりも大きく形成されてもよいし、小さく形成されてもよい。この場合、第2平板部91bを対向部4a側に延長すると、第1のセンサ電極においてシールド電極91と対向する部位が周方向に広くなることから、センサ本体51において該センサ本体51に近接する異物Xの検出範囲を周方向に狭くすることができる。一方、第2平板部91bを対向部4aと逆側に短くすると、第1のセンサ電極においてシールド電極91と対向する部位が周方向に狭くなることから、センサ本体51において該センサ本体51に近接する異物Xの検出範囲を周方向に広くすることができる。即ち、第2平板部91bの幅を調節することにより、異物Xの検出範囲の周方向の幅を調節することができる。
・上記実施形態では、第2のセンサ電極64は、ドアパネル5の前端部5aにおいて、第1のセンサ電極63よりも下側に配置されている。しかしながら、第2のセンサ電極64は、ドアパネル5の前端部5aにおいて、第1のセンサ電極63よりも上側に配置されてもよい。例えば、図10に示すセンサ本体161のように構成してもよい。図10に示すセンサ本体161では、中間被覆層62の下端側の所定領域が異物検出領域A3となるとともに、上端側の所定領域が位置検出領域A4となっている。上記実施形態の位置検出領域A2と同様に、位置検出領域A4は、異物検出領域A3に比べて狭く形成されており、例えば4mm程度の長さである。そして、第2のセンサ電極164は、中間被覆層62の外周において、異物検出領域A3と位置検出領域A4との両方の領域に渡って螺旋状に巻き付けられている。この第2のセンサ電極164は、位置検出領域A4内に3〜4巻き巻き付けられるような一定の間隔で巻き付けられている。一方、第1のセンサ電極163は、中間被覆層62の外周において、異物検出領域A3のみに巻き付けられるとともに、中間被覆層62の長手方向において螺旋状の第2のセンサ電極164間を通るように螺旋状に巻き付けられている。即ち、異物検出領域A3には、第1のセンサ電極163と第2のセンサ電極164とが平行に巻き付けられている。この場合、シールド電極91は、第1のセンサ電極163に沿うべく中間被覆層62の下端寄りの位置に配置されている。このようにすると、中間被覆層62が配置されたドアパネル5の前端部5aにおいて第2のセンサ電極164が第1のセンサ電極163よりも上側に配置される。即ち、前端部5aと対向部4aとの間の異物Xを検出するための第1のセンサ電極163は、中間被覆層62が配置された前端部5aにおいて第2のセンサ電極164よりも下側に配置される。そのため、前端部5aと対向部4aとの間において異物Xが比較的存在しやすい下側の領域に、異物Xを検出するための第1のセンサ電極163を配置することができる。
・上記実施形態では、センサ本体51は、ドアパネル5の前端部5aに配置されている。しかしながら、センサ本体51は、ドアパネル5の前端部5aに対向する乗降口4の周縁である対向部4aに配置されてもよい。
・上記実施形態では、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64の両方がドアパネル5の前端部5aに配置されている。しかしながら、ドアパネル5の前端部5a及び乗降口4の対向部4aの何れ一方に沿って第1のセンサ電極63が配置され、何れか他方に第2のセンサ電極64が配置される構成であってもよい。
・上記実施形態では、ドアパネル5の閉作動時において、異物検出回路123は、ドアパネル5が第1のドア位置P1に配置されたときのみ、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定するためのしきい値を変更する。しかしながら、異物検出回路123は、ドアパネル5の位置(位置検出信号S1)に応じて複数回しきい値を変更するものであってもよい。この場合、変更するしきい値は、ドアパネル5の閉作動時にドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在しない状態で予め第1のセンサ電極63及び中心電極61を用いて静電容量C2の変化を実際に検出し、検出した静電容量C2の実変化に基づいて設定されることが望ましい。このように構成すると、異物検出センサ41における異物Xの検出感度を向上させることができる。
・上記実施形態では、ドアパネル5の閉作動時において、異物検出回路123は、ドアパネル5の位置に応じて各作動領域B1,B2毎に一定のしきい値V1,V2を用いて前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かの判定を行う。しかしながら、異物検出回路123は、ドアパネル5の位置(位置検出信号S2)に応じて、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定するためのしきい値を曲線的に変化(変更)させてもよい。このようにすると、ドアパネル5の位置によって異物検出センサ41における異物Xの検出感度がばらつくことを抑制することができる。
・上記実施形態では、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64は、その長手方向と直交する方向の断面形状が楕円形状をなしている。しかしながら、第1のセンサ電極63及び第2のセンサ電極64の断面形状は、楕円形状に限らず、円形状や多角形状等であってもよい。
・上記実施形態では、静電容量検出回路122において検出される静電容量C2は、第1のセンサ電極63とセンサ本体51に近接する異物Xとにより形成されるコンデンサ124の静電容量C3と、第1のセンサ電極63と中心電極61とにより形成されるコンデンサ124の静電容量C4との合成値である。そして、静電容量検出回路122は、静電容量C2の大きさに応じた静電容量検出信号S2を出力する。しかしながら、静電容量検出回路122は、センサ本体51(第2のセンサ電極64を除く)における静電容量の変化量を検出し、検出した静電容量の変化量に応じた静電容量検出信号S3を出力するものであってもよい。この場合、異物検出回路123は、静電容量検出信号S3の電圧値(検出値)と前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定するためのしきい値とを比較し、前端部5aと対向部4aとの間に異物Xが存在するか否かを判定する。そして、この場合のしきい値は、ドアパネル5の閉作動時にドアパネル5の前端部5aと乗降口4の対向部4aとの間に異物Xが存在しない状態で予め第1のセンサ電極63及び中心電極61を用いてセンサ本体51における静電容量の変化量を実際に検出し、検出した静電容量の変化量の実変化に基づいて設定されることが望ましい。
・上記実施形態では、位置検出回路53は、第2のセンサ電極64と乗降口4の対向部4aとの間の静電容量C1の大きさに応じた位置検出信号S1を制御回路装置130に出力する。しかしながら、位置検出回路53は、第2のセンサ電極64における静電容量の変化量を検出し、検出した静電容量の変化量に応じた位置検出信号S4を出力するものであってもよい。この場合、制御回路装置130は、第2のセンサ電極64と対向部4aとの間の静電容量の変化量に応じた位置検出信号S4に基づいてドアパネル5の位置を検出する。
上記各実施形態、及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項2又は請求項4に記載の開閉装置において、前記第1のセンサ電極は、前記中間被覆層の長手方向に前記第2のセンサ電極よりも長く形成されていることを特徴とする開閉装置。同構成によれば、中間被覆層の長手方向において、移動体の閉側端部と開口部の対向部との間の異物を検出するための第1のセンサ電極の方が、移動体の位置を検出するための第2のセンサ電極よりも長く形成されている。従って、中間被覆層の長手方向において、該中間被覆層に近接する異物を検出可能な範囲をより広くすることができる。
電動スライドドア装置を備えた車両の斜視図。 電動スライドドア装置を備えた車両の側面図。 電動スライドドア装置の電気的構成を示すブロック図。 センサ本体の斜視図。 センサ本体の取付け態様を示す断面図。 ドアパネルの位置と位置検出信号との関係を示すグラフ。 ドアパネルの位置と静電容量検出信号との関係を示すグラフ。 (a)は実験に用いたセンサ本体及びシールド電極を示す断面図、(b)は異物検出センサによる異物の検出感度を測定した結果を示す結果図。 別の形態のセンサ本体の断面図。 別の形態のセンサ本体の斜視図。
符号の説明
2…車両、3…固定体及びボディとしての車体、4…開口部としての乗降口、4a…対向部、5…移動体としてのドアパネル、5a…閉側端部としての前端部、41…異物検出センサ、42…位置検出センサ、62…中間被覆層、63,152,163…第1のセンサ電極、64,164…第2のセンサ電極、91,92…シールド電極、91a…第1平板部、91b…第2平板部、C1…対向部と第2のセンサ電極との間の静電容量、C3…第1のセンサ電極と異物との間の静電容量、Pc…全閉位置、Po…全開位置、123…しきい値変更手段としての異物検出回路、S1,S4…位置検出信号、S2,S3…静電容量検出信号、V1,V2…しきい値、X…異物。

Claims (8)

  1. 導電性の固定体に形成された開口部を閉鎖する全閉位置と、前記開口部を開放する全開位置との間で移動される移動体を備えた開閉装置であって、
    前記移動体の閉方向前方側の端部である閉側端部、及び前記開口部の周縁において前記閉側端部と対向する部位である対向部の何れか一方に沿って配置された第1のセンサ電極と、該第1のセンサ電極に沿って配置され接地されたシールド電極とを有し、前記第1のセンサ電極と該第1のセンサ電極に近接する導電性の異物との間の静電容量に応じた静電容量検出信号を出力する異物検出センサと、
    前記閉側端部と前記対向部との間に前記異物が存在するか否かを判定するためのしきい値と前記静電容量検出信号に基づく検出値とを比較し、比較結果に基づいて前記閉側端部と前記対向部との間に前記異物が存在するか否かを判定する判定手段と、
    前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に配置された第2のセンサ電極を有し、前記閉側端部及び前記対向部の何れか他方と前記第2のセンサ電極との間の静電容量に基づいて前記移動体の位置に応じた位置検出信号を出力する位置検出センサと、
    前記移動体の閉作動中に、前記位置検出信号に基づいて前記しきい値を変更するしきい値変更手段と、を備えたことを特徴とする開閉装置。
  2. 請求項1に記載の開閉装置において、
    前記第1のセンサ電極及び前記第2のセンサ電極は、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に沿って配置される長尺状の中間被覆層の外周に配置され、前記中間被覆層と共に1本の紐状に構成されたことを特徴とする開閉装置。
  3. 請求項2に記載の開閉装置において、
    前記第1のセンサ電極は、前記中間被覆層の長手方向に前記第2のセンサ電極よりも長く形成され、
    前記第2のセンサ電極は、前記中間被覆層が配置された前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方において前記第1のセンサ電極よりも下側に配置されていることを特徴とする開閉装置。
  4. 請求項2に記載の開閉装置において、
    前記第2のセンサ電極は、前記中間被覆層が配置された前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方において前記第1のセンサ電極よりも上側に配置されていることを特徴とする開閉装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の開閉装置において、
    前記第1のセンサ電極は、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に沿って配置される長尺状の中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていることを特徴とする開閉装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の開閉装置において、
    前記第2のセンサ電極は、前記閉側端部及び前記対向部の何れか一方に沿って配置される中間被覆層の外周に螺旋状に巻き付けられていることを特徴とする開閉装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の開閉装置において、
    前記第1のセンサ電極は前記閉側端部に沿って配置され、
    前記シールド電極は、前記第1のセンサ電極と前記閉側端部との間に設けられ前記第1のセンサ電極に沿って延びる第1平板部と、該第1平板部における前記固定体の内側の端部から前記対向部に向かって延びる第2平板部とから構成されていることを特徴とする開閉装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の開閉装置において、
    前記固定体は、車両のボディであり、
    前記移動体は、前記車両の側方に設けられた前記開口部を開閉すべく前後方向に沿ってスライド移動されるドアパネルであることを特徴とする開閉装置。
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