JP2006292115A - 流量調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少なく、安定した流量調整機能を発揮することができ、しかも作動時に異音を発生することもない流量調整装置を提供する。
【解決手段】給水流路に装着されるケース部材2と、流路内に作用する水圧を受けてケース部材2に押し付けられる平板状の弾性部材3とを有する。弾性部材3が押し付けられるケース部材2の受け面6には、流体入口7および流体出口9に通じる溝状の絞り流路8を有する。弾性部材3は、その一面側にて水圧を受けてケース部材2に押し付けられたときに弾性変形して他面側にて絞り流路8に食い込み、その流路断面積を変化させる。絞り流路8の底面部に、低圧時の流量を確保するための副流路を二段構造にて設けても良い。
【選択図】図2
【解決手段】給水流路に装着されるケース部材2と、流路内に作用する水圧を受けてケース部材2に押し付けられる平板状の弾性部材3とを有する。弾性部材3が押し付けられるケース部材2の受け面6には、流体入口7および流体出口9に通じる溝状の絞り流路8を有する。弾性部材3は、その一面側にて水圧を受けてケース部材2に押し付けられたときに弾性変形して他面側にて絞り流路8に食い込み、その流路断面積を変化させる。絞り流路8の底面部に、低圧時の流量を確保するための副流路を二段構造にて設けても良い。
【選択図】図2
Description
本発明は、給水流路内の圧力変動にかかわらず流量を略一定に保つために用いられる流量調整装置に関するものである。本発明の流量調整装置は、トイレシステム関連機器、浄水器または給湯器等、流量調整が必要な分野に幅広く用いられる。
従来一般の流量調整装置としては、ダイヤフラム弁や電磁弁等の機能弁が多用されており、これらの弁装置は、要求される流量調整機能を十分に発揮することができるものの、内部構造が複雑であることから、小スペース化や低コスト化に限界を有している。
一方、構造が比較的簡単な流量調整装置として、図13に示すようないわゆる水ガバナー51が知られているが(特許文献1参照)、これとてその構成要素としては、ケース52、センターコア53および弾性リング54よりなる3部品が必要とされる。
また、この水ガバナー51は、弾性リング54が水圧Pを受けてセンターコア53に抱き付くよう径方向に弾性変形することによって流量を調整するものであるが、初期的に弾性リング54およびセンターコア53間に径方向隙間が設定されることから、弾性リング54がセンターコア53に対して偏心したり傾いたりすることがあり、よってこれを原因として、弾性リング54の変形作動が不安定になって、流量精度のバラツキが大きくなったり、図14に示すように、圧力/流量勾配曲線におけるヒステリシスが大きくなったりする懸念がある。
また更に、弾性リング54の摩耗等により弾性リング54およびセンターコア53間の隙間が許容量を超えると、通水時に弾性リング54の振動が大きくなることから、周期的な圧力変動により異音が発生する懸念もある。
本発明は以上の点に鑑みて、部品点数が少なく、安定した流量調整機能を発揮することができ、しかも作動時に異音を発生することもない流量調整装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による流量調整装置は、給水流路に装着されるケース部材と、前記流路内に作用する水圧を受けて前記ケース部材に押し付けられる平板状の弾性部材とを有し、前記弾性部材が押し付けられる前記ケース部材の受け面には、流体入口および流体出口に通じる溝状の絞り流路を有し、前記弾性部材は、その一面側にて前記水圧を受けて前記ケース部材に押し付けられたときに弾性変形して他面側にて前記絞り流路に食い込み、その流路断面積を変化させることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2による流量調整装置は、上記した請求項1の流量調整装置において、絞り流路の底面部には、低圧時の流量を確保するための副流路を二段構造にて有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3による流量調整装置は、上記した請求項1または2の流量調整装置において、ケース部材は、筒状の側面部および底面部を有し、前記側面部の内面と底面部の内面との間にテーパ−状の内面を有し、前記テーパ−状内面および底面部内面に、流体入口および流体出口に通じる溝状の絞り流路を有し、弾性部材は、その一面側にて水圧を受けて前記ケース部材に押し付けられたときに弾性変形して他面側のエッジ部にて前記テーパ−状内面に設けられた絞り流路に食い込み、その流路断面積を変化させることを特徴とするものである。
更にまた、本発明の請求項4による流量調整装置は、上記した請求項1、2または3の流量調整装置において、ケース部材は、筒状の側面部および底面部を有し、前記側面部の内面一端部に設けた流体入口と前記底面部に設けた貫通孔状の流体出口とを連通するように前記ケース部材の内面に溝状の絞り流路を有し、前記流体入口、絞り流路および流体出口がすべて前記ケース部材に設けられることにより前記弾性部材は凹凸をまったく有しない平板円盤状に形成されていることを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による流量調整装置においては、その構成要素がケース部材およびこれに収容される弾性部材の2部品のみとされていることから、先ずは流量調整装置の部品点数を削減することができ、これに伴って流量調整装置の小スペース化や低コスト化を一層促進させることができる。
また、弾性部材がリング状ではなく平板状に形成され、この平板状に形成された弾性部材がその一面側にて水圧を受けて他面側にて溝状の絞り流路に食い込む構造とされていることから、弾性部材はその作動に際して偏心や傾き等を生じることがなく、変形作動が安定したものになる。したがって、流量精度のバラツキを小さく抑えることができ、圧力/流量勾配曲線におけるヒステリシスを例えば図5に示すように小さく抑えることができる。
尚、この図5の勾配曲線に見られるように、平板状の弾性部材を溝状の絞り流路に食い込ませる構造にすると、低圧時(図上A部)における流量が高圧時と比較して少なくなる現象が発生することがあるが、これに対して本発明は、請求項2に記載したように、絞り流路の底面部に低圧時の流量を確保するための副流路を設け、これにより低圧時の流量を例えば図8に示すように増大させることにした。絞り流路の底面部に副流路を設けると、溝流路は浅い溝(絞り流路)と深い溝(副流路)との組み合わせよりなる二段構造となって、低圧時には浅い溝に沿って弾性部材が食い込み、高圧時には深い溝に沿って弾性部材が食い込むことから、流路断面積は低圧時に広くなるとともに高圧時に狭くなり、広狭の格差が拡大する。したがって、本発明の請求項2によれば、低圧時の流量を増大させることができ、よって低圧時から高圧時に至るまでの流量を安定化させることができる。
また、本発明の請求項1または2による流量調整装置によると併せて、平板状に形成された弾性部材がその一面側にて水圧を受けて他面側にてケース部材に押し付けられて常に密着した状態となることから、弾性部材の作動に際して異音が発生しない効果もある。
また、本発明の請求項3による流量調整装置においては、ケース部材にテーパー状内面が設けられてこのテーパー状内面に一部の絞り流路が形成され、このテーパー状内面に形成された絞り流路に弾性部材のエッジ部が食い込む構造とされていることから、弾性部材の変形作動に関して水圧に対する応答性が良い効果がある。すなわち、弾性部材のエッジ部は、弾性部材に水圧が作用したときに応力が集中する部位であり、よってこのエッジ部は絞り流路に食い込み易い部位である。したがって、このように絞り流路に食い込み易い部位が設けられることによって、水圧に対する応答性を高めることができる。
更にまた、本発明の請求項4による流量調整装置においては、ケース部材および弾性部材の2つよりなる構成部品のうち、一方のケース部材に全ての流路関係の構成要素すなわち流体入口、絞り流路および流体出口(副流路が設けられる場合にはこれを含む)が設けられることから、他方の弾性部材にはこれら流路関係の構成要素を一切設ける必要がない。したがって、弾性部材は凹凸をまったく有しない平板円盤状に形成すれば良く、このような形状の弾性部材はその成形および取り扱いが極めて容易である。弾性部材が単純な円盤状部品であれば、その装着に際して表裏を限定されることがなく、円周上の位置決めも不要とされるからである。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)水圧によって変形するゴム部品で流量を調整する流路溝を設け、水圧を受けたゴム部品が流路溝に食い込み、流量をコントロールする。弾性リング(Oリング)の変形よりも、流路溝にゴム部品を食い込ませた方が変形状態が安定しており、流量精度も良い。また、ヒステリシスが小さい。
(2)水圧によって変形するゴムワッシャと、流量を調整する流路溝からなる。
(3)必要流量に応じ、溝の数や断面積を変更することで容易に流量調整が可能となる。
(1)水圧によって変形するゴム部品で流量を調整する流路溝を設け、水圧を受けたゴム部品が流路溝に食い込み、流量をコントロールする。弾性リング(Oリング)の変形よりも、流路溝にゴム部品を食い込ませた方が変形状態が安定しており、流量精度も良い。また、ヒステリシスが小さい。
(2)水圧によって変形するゴムワッシャと、流量を調整する流路溝からなる。
(3)必要流量に応じ、溝の数や断面積を変更することで容易に流量調整が可能となる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る流量調整装置1の平面図および断面図を示しており、また図2は同装置1の分解斜視図を示している。また、図3は、その構成要素の一つであるケース部材2を単品で示している。
図1は、本発明の第一実施例に係る流量調整装置1の平面図および断面図を示しており、また図2は同装置1の分解斜視図を示している。また、図3は、その構成要素の一つであるケース部材2を単品で示している。
当該実施例に係る流量調整装置1は先ず、水道配管等の給水流路に装着されるケース部材(単にケースとも称する)2を有しており、このケース部材2の内部に、前記流路内に作用する水圧を受けてケース部材2に押し付けられる平板状の弾性部材(ゴムブッシュまたはゴム部品とも称する)3が嵌め込まれている。
ケース部材2は、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等の所定の樹脂もしくは耐水性硬質材料によって有底円筒状に成形されて、筒状の側面部4および円板状の底面部5を一体に有しており、底面部5の平面中央に、平面円形の貫通孔状を呈する流体出口9が設けられている。
また、弾性部材3が押し付けられる受け面6として機能する底面部5の内面には、溝状の絞り流路(流路溝とも称する)8が流体出口9を中心として180度対称位置に2本設けられており、この絞り流路8はそれぞれ径方向に延びる直線溝をなし、かつ所定の溝幅w1および溝深さd1を有して断面V字状ないし略V字状に形成されている。
また、側面部4の内面に位置して円周上一箇所には、ケース部材2に対する弾性部材3の円周方向位置決めをなすための突起状の位置決め部10が設けられている。
一方、弾性部材3は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の所定のゴムもしくはゴム状弾性体によって平板の円盤状に成形されており、その周縁部に、切欠状の流体入口7が上記絞り流路8に対応して180度対称位置に2箇所設けられている。
また、同じく弾性部材3の周縁部に位置して円周上一箇所には、ケース部材2に対する弾性部材3の円周方向位置決めをなすための凹部状の位置決め部11が設けられており、この凹部状の位置決め部11が上記ケース部材2側の突起状の位置決め部10と係合することによって位置決めがなされ、流体入口7と絞り流路8の円周上位置が合わせられて両者7,8が直接連通する。
この平板円盤状の弾性部材3は、ケース部材2の受け面6である底面部5の内面に接触し密着する状態にてケース部材2に収容される。
上記構成の流量調整装置1は例えば、トイレシステムの温水洗浄弁座機器における給水バルブユニットにその一部として組み込まれるものであって、その装着に際しては、ケース部材2によって給水流路を塞いで水が必ず当該装置1を通過するようにするとともに、弾性部材3が水圧(1次圧)を受けてケース部材2の受け面6に押し付けられるように弾性部材3を給水流路の上流側に面して設置する。これにより弾性部材3は、図4に示すように、その一面側にて水圧Pを受けて他面側にてケース部材2の受け面6に押し付けられ、弾性変形し、絞り流路8に食い込んで、その流路断面積を変化させ、具体的には水圧Pが高くなるほど流路断面積を狭めることになる。
したがって、上記構成の流量調整装置1によれば、以下の作用効果を発揮することが可能とされる。
すなわち先ず、当該流量調整装置1は、その構成要素がケース部材2および弾性部材3の2部品のみとされていることから、従来技術における3部品以上と比較してその部品点数を少なく抑えることができ、これに伴って流量調整装置1の小スペース化や低コスト化を一層促進させることができる。
また、水圧を受けて変形作動する弾性部材3が、従来技術のようにリング状ではなく平板円盤状に形成されて、その一面側にて水圧を受けて他面側にて溝状の絞り流路8に食い込むように作動することから、その作動に際して偏心や傾き等を生じることがなく、弾性部材3の変形作動が極めて安定したものとされる。したがって、流量精度のバラツキを小さく抑えることができ、また図5に示すように、圧力/流量勾配曲線におけるヒステリシスを小さく抑えることができる。
また、平板円盤状に形成された弾性部材3がその一面側にて水圧を受けて他面側にてケース部材2の受け面6に押し付けられて常に密着した状態とされることから、弾性部材3の作動に際して異音が発生するのを防止することができる。
第二実施例・・・
上記第一実施例において、絞り流路8は、弾性部材3が溝に沿って弾性変形しやすいように断面V字状ないし略V字状に形成されているが、このV字状の絞り流路8には、図5の勾配曲線に見られるように、低圧通水時(図上A部)における流量が高圧通水時と比較して少なくなる現象が発生することがあり、これに対しては、以下のように対策するのが有効である。
上記第一実施例において、絞り流路8は、弾性部材3が溝に沿って弾性変形しやすいように断面V字状ないし略V字状に形成されているが、このV字状の絞り流路8には、図5の勾配曲線に見られるように、低圧通水時(図上A部)における流量が高圧通水時と比較して少なくなる現象が発生することがあり、これに対しては、以下のように対策するのが有効である。
すなわち、図6および図7に示すように、ケース部材2の受け面6である底面部5の内面に溝状の絞り流路8を設けるとともに、更にこの絞り流路8の底面部に低圧時の流量を確保するための同じく溝状の副流路12を設け、これにより低圧時の流量を図8のH部に示すように増大させる。
図9に拡大して示すように、絞り流路8は、所定の溝幅w1および溝深さd1を有して断面V字状ないし略V字状に形成されており、このV字状の絞り流路8の底面部の中央に、所定の溝幅w2および溝深さd2を有して断面円弧状ないし略円弧状を呈する副流路12が形成されている。
このように絞り流路8の底面部に副流路12が設けられると、溝は浅い溝(絞り流路8)と深い溝(副流路12)との二段構造となり、低圧時には浅い溝(絞り流路8)に沿って弾性部材3が食い込み、高圧時には深い溝(副流路12)に沿って弾性部材3が食い込むことから、低圧時における流路断面積を大きく設定することができ、よって低圧時の流量を増大させることができる。
尚、上記したように溝が断面V字状の絞り流路8と断面円弧状の副流路12の組み合わせよりなる場合には、図示するように両者8,12の高さ位置が一部重複することから、溝全体としては溝深さがd3の分だけ深められることになる(d3<d2)。
また、溝の断面形状については、上記V字状の溝と円弧状の溝との組み合わせに限られず、低圧時の流路断面積を拡大できれば良く、例えば以下のようなものであっても良い。
第三実施例・・・
図10に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面V字状の溝とされており、すなわち、絞り流路8は、所定の溝幅w1、溝深さd1および開角度θ1を有する断面V字状ないし略V字状に形成されており、副流路12は、絞り流路8の溝幅w1よりも小さな溝幅(受け面6における幅)w2、絞り流路8の溝深さd1よりも大きな溝深さ(受け面6からの深さ)d2および絞り流路8の開角度θ1よりも小さな開角度θ2を有する断面V字状ないし略V字状に形成されている(w1>w2 ,d1<d2 ,θ1>θ2)。
図10に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面V字状の溝とされており、すなわち、絞り流路8は、所定の溝幅w1、溝深さd1および開角度θ1を有する断面V字状ないし略V字状に形成されており、副流路12は、絞り流路8の溝幅w1よりも小さな溝幅(受け面6における幅)w2、絞り流路8の溝深さd1よりも大きな溝深さ(受け面6からの深さ)d2および絞り流路8の開角度θ1よりも小さな開角度θ2を有する断面V字状ないし略V字状に形成されている(w1>w2 ,d1<d2 ,θ1>θ2)。
第四実施例・・・
図11(A)に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面円弧状の溝とされている。
図11(A)に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面円弧状の溝とされている。
第五実施例・・・
図11(B)に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面台形状の溝とされ、かつその各側面には丸み(凸状円弧曲線)が付けられている。
図11(B)に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面台形状の溝とされ、かつその各側面には丸み(凸状円弧曲線)が付けられている。
第六実施例・・・
図11(C)に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面長方形状の溝とされている。
図11(C)に示す例では、絞り流路8および副流路12は共に断面長方形状の溝とされている。
第七実施例・・・
図11(D)に示す例では、絞り流路8は断面台形状の溝とされるとともに副流路12は断面長方形状の溝とされ、かつ副流路12の両側面には、弾性部材3を傷付けることがないように面取り部13が形成されている。
図11(D)に示す例では、絞り流路8は断面台形状の溝とされるとともに副流路12は断面長方形状の溝とされ、かつ副流路12の両側面には、弾性部材3を傷付けることがないように面取り部13が形成されている。
上記第二ないし第七実施例において、個別に説明をしていない他の構成はいずれも第一実施例と同じである。したがって、図面に表われる範囲にて同一の符号を付し、その他は重複しての説明を省略する。
第八実施例・・・
図12は、本発明の第八実施例に係る流量調整装置1の平面図および断面図ならびに作動状態を示している。
図12は、本発明の第八実施例に係る流量調整装置1の平面図および断面図ならびに作動状態を示している。
当該実施例に係る流量調整装置1は、水道配管等の給水流路に装着されるケース部材2を有しており、このケース部材2の内部に、前記流路内に作用する水圧を受けてケース部材2に押し付けられる平板状の弾性部材3が嵌め込まれている。
ケース部材2は、PPS等の所定の樹脂もしくは耐水性硬質材料によって有底円筒状に成形されて、筒状の側面部4および円板状の底面部5を一体に有しており、底面部5の平面中央に、平面円形の貫通孔状を呈する流体出口9が設けられている。また、側面部4の内面と底面部5の内面との間には、環状のテーパー状(円錐面状)を呈する内面(テーパー状内面)14が設けられている。
ケース部材2の内面において、流体出口9の周りには、溝状の絞り流路8が複数放射状に設けられている。この絞り流路8はそれぞれ、流体出口9から底面部5の内面、テーパー状内面14および側面部4の内面を経由して側面部4の上端部まで達するように形成されており、ケース部材2に弾性部材3を嵌め込んだ状態で弾性部材3より上方に位置する部位は流体入口5とされている。図では、このような絞り流路が4本等配状に設けられている。絞り流路8の断面形状は、円弧形ないし略円弧形とされているが、上記したようにV字状等の他の形状であっても良い。
一方、弾性部材3は、EPDM等の所定のゴムもしくはゴム状弾性体によって平板の円盤状に成形されている。この弾性部材3の表面には凹凸の類は一切設けられておらず、このような意味合いで、この弾性部材3は完全な平板円盤状に形成されている。また、この平板円盤状の弾性部材3の外径寸法は、ケース部材2の側面部4の内径寸法と略同じに設定されており、よってこの弾性部材3がケース部材2に嵌め込まれると、この弾性部材3はテーパー状内面14の上縁部にて支持され、底面部5内面との間に所定の軸方向間隙が形成される。
上記構成の流量調整装置1は例えば、トイレシステムの温水洗浄弁座機器における給水バルブユニットにその一部として組み込まれるものであって、その装着に際しては、ケース部材2によって給水流路を塞いで水が必ず当該装置1を通過するようにするとともに、弾性部材3が水圧を受けてケース部材2に押し付けられるように弾性部材3を給水流路の上流側に面して設置する。これにより弾性部材3は、図12(C)に示すように、その一面側にて水圧Pを受けて他面側にてケース部材2の受け面6に押し付けられ、弾性変形し、他面側のエッジ部(弾性部材3の下面外周縁部)15にて、テーパ−状内面14に設けられた絞り流路8に食い込んで、その流路断面積を変化させ、具体的には水圧Pが高くなるほど流路断面積を狭めることになる。
したがって、上記構成の流量調整装置1によれば、以下の作用効果を発揮することが可能とされる。
すなわち先ず、当該流量調整装置1は、その構成要素がケース部材2および弾性部材3の2部品のみとされていることから、従来技術における3部品以上と比較してその部品点数を少なく抑えることができる。
また、水圧を受けて変形作動する弾性部材3が、従来技術のようにリング状ではなく平板円盤状に形成されて、その一面側にて水圧を受けて他面側にて溝状の絞り流路8に食い込むように作動することから、その作動に際して偏心や傾き等を生じることがなく、弾性部材3の変形作動が極めて安定したものとされる。したがって、流量精度のバラツキを小さく抑えることができ、また圧力/流量勾配曲線におけるヒステリシスを小さく抑えることができる。
また、上記構成の流量調整装置1においては、ケース部材2にテーパー状内面14が設けられてこのテーパー状内面14に一部の絞り流路8が形成され、このテーパー状内面14に形成された絞り流路8に弾性部材3のエッジ部15が食い込む構造とされている。弾性部材3のエッジ部15は、弾性部材3に水圧Pが作用したときに応力が集中しやすい部位であり、よってこのエッジ部15は絞り流路8に食い込みやすい部位である。したがって、このように弾性部材3が絞り流路8に食い込みやすい構造とされていることから、水圧Pに対する良好な応答性を発揮する。
更にまた、上記構成の流量調整装置1においては、ケース部材2および弾性部材3の2つよりなる構成部品のうち、一方の構成要素であるケース部材2に全ての流路関係の構成要素すなわち流体入口7、絞り流路8および流体出口9を設けたことから、他方の構成要素である弾性部材3にはこれら流路関係の構成要素を一切設ける必要がない。したがって、弾性部材3は凹凸をまったく有しない平板円盤状に形成すれば良く、このような形状の弾性部材3はその成形および取り扱いが極めて容易である。したがって、弾性部材3についてその成形および取り扱いが極めて容易な流量調整装置1を提供することができる。
1 流量調整装置
2 ケース部材
3 弾性部材
4 側面部
5 底面部
6 受け面
7 流体入口
8 絞り流路
9 流体出口
10,11 位置決め部
12 副流路
13 面取り部
14 テーパー状内面
15 エッジ部
2 ケース部材
3 弾性部材
4 側面部
5 底面部
6 受け面
7 流体入口
8 絞り流路
9 流体出口
10,11 位置決め部
12 副流路
13 面取り部
14 テーパー状内面
15 エッジ部
Claims (4)
- 給水流路に装着されるケース部材(2)と、前記流路内に作用する水圧を受けて前記ケース部材(2)に押し付けられる平板状の弾性部材(3)とを有し、
前記弾性部材(3)が押し付けられる前記ケース部材(2)の受け面(6)には、流体入口(7)および流体出口(9)に通じる溝状の絞り流路(8)を有し、
前記弾性部材(3)は、その一面側にて前記水圧を受けて前記ケース部材(2)に押し付けられたときに弾性変形して他面側にて前記絞り流路(8)に食い込み、その流路断面積を変化させることを特徴とする流量調整装置。 - 請求項1の流量調整装置において、
絞り流路(8)の底面部には、低圧時の流量を確保するための副流路(12)を二段構造にて有することを特徴とする流量調整装置。 - 請求項1または2の流量調整装置において、
ケース部材(2)は、筒状の側面部(4)および底面部(5)を有し、前記側面部(4)の内面と底面部(5)の内面との間にテーパ−状の内面(14)を有し、前記テーパ−状内面(14)および底面部(5)内面に、流体入口(7)および流体出口(9)に通じる溝状の絞り流路(8)を有し、
弾性部材(3)は、その一面側にて水圧を受けて前記ケース部材(2)に押し付けられたときに弾性変形して他面側のエッジ部(15)にて前記テーパ−状内面(14)に設けられた絞り流路(8)に食い込み、その流路断面積を変化させることを特徴とする流量調整装置。 - 請求項1、2または3の流量調整装置において、
ケース部材(2)は、筒状の側面部(4)および底面部(5)を有し、前記側面部(4)の内面一端部に設けた流体入口(7)と前記底面部(5)に設けた貫通孔状の流体出口(9)とを連通するように前記ケース部材(2)の内面に溝状の絞り流路(8)を有し、
前記流体入口(7)、絞り流路(8)および流体出口(9)がすべて前記ケース部材(2)に設けられることにより前記弾性部材(3)は凹凸をまったく有しない平板円盤状に形成されていることを特徴とする流量調整装置。
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JP2005115551A JP2006292115A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | 流量調整装置 |
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