JP2006291904A5 - - Google Patents
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Description
本発明は自動車等のエンジンに使用されるピストン冷却用オイルジェットに関するものである。
自動車等のエンジンにおける燃費向上の必要性は、地球温暖化防止や排ガス規制等の環境行政からの要請だけでなく、自然環境との調和を目指す自動車業界全体の技術的使命でもある。
効率よく燃費向上をはかるには、燃焼ガス温度をより高温にすることが有効であるが、そのためには燃焼室を取り巻く各部材の耐熱性を確保することが技術的な課題になっている。
特に、シリンダ1とピストン2の隙間をシールするピストンリング3等の耐熱性に関して、ピストン2をエンジンオイルで常時、効果的に冷却することが大きな効果を導くことが知られており、この目的でピストン冷却用オイルジェットが採用されている。(図1)
現行のオイルジェットの部品構成はバルブ機能を構成するボディ4、ボール5、バネ6、ボールストッパ7とオイル噴出機能のノズル8から成り立っている。
バルブ機能としては、ボディ4上部開口部のオイル圧力に応じてボール5がシート面4−aから離れることにより所定の流量を得ている。
またバネ6はボール5を保持し、オイル圧力が減少した場合にボール5がシート面4−aに戻ることを助ける。
ボールストッパ7は、ボール5が規定位置より下がらないためのボール受け座面7−aとバネ6の座りを安定させるためのバネ受け座面7−bを有し、またバネ6の倒れ込みを防止する役目も担っている。
組み付け特徴としては、ボディ4に加工した横穴にノズル8をロウ付けすること、ボディ4とボールストッパ7をカシメることである。(図2)
特開2003−90217
従来技術の弱点は、ボディ4とノズル8の組み付けに関してロウ付け加工を用いている点である(例えば上記特許文献1の段落0002参照)。
すなわちロウ付け加工は、加工時間が長く、かつ加工時に必要な諸経費が高いので量産時の問題工程となっている。
加えて、エンジンの多気筒化に対して全面的にオイルジェットを採用するとオイルジェット使用数が多くなることも課題となっている。
第一の発明は、エンジン内に設けられて、加圧されたオイルが流入する流路に形成されたシート面4−aと、このシート面4−aに着座可能なボール弁5と、前記シート面4−aの着座方向にこのボール弁5を付勢するバネ6と、を有し、前記オイルの圧力が前記バネ6の付勢力を超えると、前記シート面4−aから前記ボール弁5が離座して所定流量のオイルがピストン2に向けて噴出するピストン冷却用オイルジェットにおいて、一端側に前記流路および前記シート面4−aが形成されるとともに前記ボール弁5および前記バネ6のボール弁側を収容可能な筒状のボディ4と、前記バネ6の反ボール弁側が当接可能な有底7−bの筒状で、開口部9−aが前記ボディ4の他端側に圧入可能に形成され、前記所定流量のオイルを2方向に分配可能な突出開口部9−cが筒状壁から2箇所にT字形状に突出して形成されてこの突出開口部9−cの形成位置が圧入深さを決定するT型ノズルガイド9と、前記突出開口部9−cに圧入されて前記所定流量のオイルをピストン2に向けて2方向に噴出可能な2本のノズル8と、を備えることを特徴とする。
次に、第二の発明は、前記T型ノズルガイド9の前記開口部9−aには、離座方向に移動した前記ボール弁5のボール受け座面7−aと、このボール受け座面7−aに前記ボール弁5が着座しても前記加圧されたオイルが流通可能なオイル逃がし隙間9−bと、が形成されることを特徴とする。
一方、第三の発明は、エンジン内に設けられて、加圧されたオイルが流入する流路に形成されたシート面4−aと、このシート面4−aに着座可能なボール弁5と、前記シート面4−aの着座方向にこのボール弁5を付勢するバネ6と、を有し、前記オイルの圧力が前記バネ6の付勢力を超えると、前記シート面4−aから前記ボール弁5が離座して所定流量のオイルがピストン2に向けて噴出するピストン冷却用オイルジェットにおいて、前記流路および前記シート面4−aが形成されるシート部材14と、前記バネ6の反ボール弁側が当接可能な有底7−bの筒状に形成され、前記所定流量のオイルを2方向に分配可能な突出開口部9−cを筒状壁から2箇所にT字形状に突出して形成され、筒状の開口部9−aが前記シート部材14のシート面側を圧入可能かつ圧入深さを決定する段部9−dを有して形成されるT型ノズルガイド9と、前記突出開口部9−cに圧入されて前記所定流量のオイルをピストン2に向けて2方向に噴出可能な2本のノズル8と、を備えることを特徴とする。
また、第四の発明は、前記T型ノズルガイドの内周壁には、離座方向に移動した前記ボール弁5のボール受け座面7−aと、このボール受け座面7−aに前記ボール弁5が着座しても前記加圧されたオイルが流通可能なオイル逃がし隙間9−bと、が形成されることを特徴とする。
最後に、第五の発明は、エンジン内にあって、バルブ機能を内蔵し、かつピストン2を冷却するためにエンジンオイルを供給するオイルジェットにおいて、開口部につながるシート面4−aを有するボディ4、またはシート部材14と、バネ6を固定する部位7−bとオイルを2方向に分配する部位9−cを一体化したT型ノズルガイド9と、オイルを噴出する2本のノズル8等から構成され、T型ノズルガイド9をボディ4に圧入、またはシート部材14をT型ノズルガイド9に圧入し、かつノズル2本をT型ノズルガイド9に圧入することで、ノズル8のロウ付け加工をなくし、1つのバルブ機能で2方向にオイルの噴出供給を可能とすることを特徴とする。
T型ノズルガイド9により2本のノズル8を圧入取り付け可能としたことで、従来のノズル全周をロウ付けしていた工数とそれに伴う諸経費を省く効果を得た。
またボディ4に対してT型ノズルガイド9を圧入、またはシート部材14をT型ノズルガイド9に圧入することで、1つのバルブ機能から2方向へオイルを噴出可能とする構造を与えている。
T型ノズルガイド9の開口部9−aや内周壁には、離座方向に移動したボール弁5のボール受け座面7−aと、このボール受け座面7−aにボール弁5が着座しても加圧されたオイルが流通可能なオイル逃がし隙間9−bと、が形成される。これにより、ボール弁5の移動範囲が規制されるとともに、ボール弁5の着座してもオイルの流通を確保することができるので、バルブ機能を安定させることができる。
本発明品であるT型ノズルガイド9の形態を実施例にもとづき図3、図4を参照して説明する。
このT型ノズルガイド9の上部開口部9−aは、バルブ機能を安定化させるためにボール受け、及びバネの倒れ込み防止とボディ4内径部への圧入部位としての役割を担っている。
その際、ボール受け座面7−aでボール5を受け、内径部でバネ6の倒れ込みを抑制し、ボディ4に対し、圧入しろと圧入長さを確保することで組み付けを可能とする。
但し、ボディ4とT型ノズルガイド9の抜け荷重の不足が懸念される場合はボディ下部の開口端をかしめても構わない。
但し、ボディ4とT型ノズルガイド9の抜け荷重の不足が懸念される場合はボディ下部の開口端をかしめても構わない。
また、上部開口部9−aを異形に成形することで、ボール5がボール受け座面7−aと接触してもオイル逃がし隙間9−bから所定のオイルが流れる仕組みとしてある。
バネ受け座面7−bは、バネ6の座り位置を安定化させる部位であり、外底面はボディ4とT型ノズルガイド9を圧入する際の押し付け面に使用することができる。
左右開口部9−cの内径部はノズル8を圧入する部位であり、ノズル8に対し、圧入しろと圧入長さを確保することで組み付け可能とする。
図5は、本発明の他の実施例におけるT型ノズルガイド9の上部開口部9−a形状を示している。
この実施例では、上部開口部9−a形状は必ずしも等方対称でなくても良い例を呈示している。
すなわちボール受け座面7−aの位置が、ボール5の直径よりも小さければよく、ボール5がシート面4−aから離れる際に安定したボールストッパの役割を果たすことが保証されれば良い。
また同時に、ボール5がボール受け座面7−aと接触してもオイル逃がし隙間9−bから所定のオイルが流れる仕組みとしてあれば良い。
図6は、本発明の更に別の実施例におけるT型ノズルガイド9の形状を示している。
上述までの本発明品は、ボディ4の内径にT型ノズルガイド9を圧入するとしてきたが、本図のようにT型ノズルガイド9の肉厚を厚くし、ボディストッパ9−dを設けることで、高さ及び外径を小さくしたシート部材14をT型ノズルガイド9に圧入する構成も可能である。
上述までの本発明品は、ボディ4の内径にT型ノズルガイド9を圧入するとしてきたが、本図のようにT型ノズルガイド9の肉厚を厚くし、ボディストッパ9−dを設けることで、高さ及び外径を小さくしたシート部材14をT型ノズルガイド9に圧入する構成も可能である。
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストンリング
4 ボディ
4−a シート面
5 ボール(ボール弁)
6 バネ
7 ボールストッパ
7−a ボール受け座面
7−b バネ受け座面
8 ノズル
9 T型ノズルガイド
9−a 上部開口部(開口部)
9−b オイル逃がし隙間
9−c 左右開口部(突出開口部)
9−d ボディストッパ(段部)
10 コンロッド
11 クランク軸
12 エンジンルーム
13 ブラケット
14 シート部材
2 ピストン
3 ピストンリング
4 ボディ
4−a シート面
5 ボール(ボール弁)
6 バネ
7 ボールストッパ
7−a ボール受け座面
7−b バネ受け座面
8 ノズル
9 T型ノズルガイド
9−a 上部開口部(開口部)
9−b オイル逃がし隙間
9−c 左右開口部(突出開口部)
9−d ボディストッパ(段部)
10 コンロッド
11 クランク軸
12 エンジンルーム
13 ブラケット
14 シート部材
Claims (5)
- エンジン内に設けられて、加圧されたオイルが流入する流路に形成されたシート面と、このシート面に着座可能なボール弁と、前記シート面の着座方向にこのボール弁を付勢するバネと、を有し、前記オイルの圧力が前記バネの付勢力を超えると、前記シート面から前記ボール弁が離座して所定流量のオイルがピストンに向けて噴出するピストン冷却用オイルジェットにおいて、
一端側に前記流路および前記シート面が形成されるとともに前記ボール弁および前記バネのボール弁側を収容可能な筒状のボディと、
前記バネの反ボール弁側が当接可能な有底の筒状で、開口部が前記ボディの他端側に圧入可能に形成され、前記所定流量のオイルを2方向に分配可能な突出開口部が筒状壁から2箇所にT字形状に突出して形成されて、前記ボディの他端側に当接するこの突出開口部の形成位置が圧入深さを決定するT型ノズルガイドと、
前記突出開口部に圧入されて前記所定流量のオイルを前記ピストンに向けて2方向に噴出可能な2本のノズルと、
を備えることを特徴とするピストン冷却用オイルジェット。 - 前記T型ノズルガイドの前記開口部には、離座方向に移動した前記ボール弁のボール受け座面と、このボール受け座面に前記ボール弁が着座しても前記加圧されたオイルが流通可能なオイル逃がし隙間と、が形成されることを特徴とする請求項1記載のピストン冷却用オイルジェット。
- エンジン内に設けられて、加圧されたオイルが流入する流路に形成されたシート面と、このシート面に着座可能なボール弁と、前記シート面の着座方向にこのボール弁を付勢するバネと、を有し、前記オイルの圧力が前記バネの付勢力を超えると、前記シート面から前記ボール弁が離座して所定流量のオイルがピストンに向けて噴出するピストン冷却用オイルジェットにおいて、
前記流路および前記シート面が形成されるシート部材と、
前記バネの反ボール弁側が当接可能な有底の筒状に形成され、前記所定流量のオイルを2方向に分配可能な突出開口部を筒状壁から2箇所にT字形状に突出して形成され、筒状の開口部が前記シート部材のシート面側を圧入可能かつ圧入深さを決定する段部を内周壁に有して形成されるT型ノズルガイドと、
前記突出開口部に圧入されて前記所定流量のオイルを前記ピストンに向けて2方向に噴出可能な2本のノズルと、
を備えることを特徴とするピストン冷却用オイルジェット。 - 前記T型ノズルガイドの内周壁には、離座方向に移動した前記ボール弁のボール受け座面と、このボール受け座面に前記ボール弁が着座しても前記加圧されたオイルが流通可能なオイル逃がし隙間と、が形成されることを特徴とする請求項3記載のピストン冷却用オイルジェット。
- エンジン内にあって、バルブ機能を内蔵し、かつピストンを冷却するためにエンジンオイルを供給するオイルジェットにおいて、開口部につながるシート面を有するボディ、またはシート部材と、バネを固定する部位とオイルを2方向に分配する部位を一体化したT型ノズルガイドと、オイルを噴出する2本のノズル等から構成され、T型ノズルガイドをボディに圧入、またはシート部材をT型ノズルガイドに圧入し、かつノズル2本をT型ノズルガイドに圧入することで、ノズルのロウ付け加工をなくし、1つのバルブ機能で2方向にオイルの噴出供給を可能とすることを特徴とするピストン冷却用オイルジェット。
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