JP2006291275A - 装飾板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装飾感を向上させることができるとともに、その装飾感を容易に変化させることができる装飾板の製造方法を提供する。
【解決手段】 装飾板は次の手順に従って製造される。基板11の表面及び裏面に板面方向に位置が異なる外周側位置ずれ部12a及び内周側位置ずれ部12bを生ずるようにマスキング材により表面側マスキング層13a及び裏面側マスキング層13bを形成する。その後、基板11の表面及び裏面からそれぞれ基板11の厚さ方向の中央部に達するまでハーフエッチングを行なう。そして、前記位置ずれ部12に段差部を形成し、その段差部にメッキを施した後、前記マスキング層13を剥離することによって装飾板が製造される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばネームプレート、ペンダント等として用いられ、メッキによる金属光沢等の優れた装飾感が得られる装飾板の製造方法に関するものである。
従来、この種の装飾品として、例えば貴金属製品の表面に凹凸の装飾用デザインを施す場合、その地金に山部及び谷部を形成し、その谷部に沿ってダイヤモンドバイトの刃を動かして谷部の傾斜面をダイヤモンドバイトの刃で切削する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この方法によれば、型成形等による比較的大まかな凹凸形状のデザインにダイヤモンドバイトによるきめの細かなカット装飾を施してデザイン性を向上させることができる。
また、数値制御が可能なフライス盤を用い、平板状のワークに貫通孔を形成したり、その貫通孔の周縁部にテーパ面を加工したりして装飾板を形成する方法も知られている(例えば、特許文献2を参照)。この場合、ワークの一方の面に対してワークの厚さの半分まで切削し、次いでワークを反転させてワークの他方の面を切削することにより、装飾板の生産性を高めることができる。
特開平5−269011号公報(第2頁及び第3頁) 特開平7−108798号公報(第2頁及び第3頁)
ところが、前記従来のダイヤモンドバイトによる方法やフライス盤による切削方法では、得られる装飾部における装飾感が単一なものとなりやすく、装飾感に乏しくなる。一般に、ダイヤモンドバイトによるダイヤモンドカットは平打ちと称される平坦な面が対象とされ、装飾感を変えるために平坦な部分以外の形状に対しては加工が難しくなる。また、フライス盤は数値制御ができるとしても、平坦面以外の形状に加工するには予めその条件を検討する必要があるとともに、そのような加工は面倒で加工時間を要するものである。従って、特許文献1及び2に記載されている方法では、装飾品の装飾感に欠けるとともに、その装飾感を変化させるのも容易ではなかった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、装飾感を向上させることができるとともに、その装飾感を容易に変化させることができる装飾板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の装飾板の製造方法は、基板の表面及び裏面にマスキング層を形成するに当たり、表面側マスキング層と裏面側マスキング層との板面方向における位置が異なる位置ずれ部を生ずるように各マスキング層を形成した後、基板の表面及び裏面からそれぞれ基板の厚さ方向の中央部に侵食が到達するまでハーフエッチングを行って、前記位置ずれ部に段差部を形成し、その段差部にメッキを施した後、前記マスキング層を剥離することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明の装飾板の製造方法は、請求項1に係る発明において、前記段差部は、基板の外周縁及びハーフエッチングにより形成される貫通孔に沿う内周縁に形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の装飾板の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記段差部は、外周縁又は内周縁に設けられた周方向に延びる凹凸部にも形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の装飾板の製造方法では、まず基板の表面及び裏面にマスキング層を形成するに当たり、表面側マスキング層と裏面側マスキング層との板面方向における位置が異なる位置ずれ部を生ずるように各マスキング層を形成する。その後、基板の表面及び裏面からそれぞれ基板の厚さ方向の中央部に侵食が到達するまでハーフエッチングを行って、前記位置ずれ部に段差部を形成する。次いで、その段差部にメッキを施した後、前記マスキング層を剥離する。このようにして目的とする装飾板が得られる。
上記のように、ハーフエッチングにより段差部が形成され、その段差部にメッキが施されて装飾部となるメッキ部分が形成される。ハーフエッチングは化学的な侵食(腐食)であるため、ハーフエッチングにより形成される段差部の表面形状は均一な平坦面ではなく、微妙な変化を示す曲面になっている。そのため、段差部上に形成されるメッキ部分の表面形状もその影響を受けて微妙に変化し、光の反射方向が変わることから、装飾感を向上させることができる。さらに、マスキング層の位置ずれ部の長さを変えることにより、段差部の形状、延いてはメッキ部分の形状を変えることができることから、装飾感を容易に変化させることができる。
請求項2に記載の発明の装飾板の製造方法では、前記段差部は、基板の外周縁及びハーフエッチングにより形成される貫通孔に沿う内周縁に形成されている。このため、請求項1に係る発明の効果に加え、装飾板をドーナツ状に形成し、その外周縁と内周縁にメッキによる金属光沢等の装飾感を発揮させることができる。
請求項3に記載の発明の装飾板の製造方法では、前記段差部は、外周縁又は内周縁に設けられた周方向に延びる凹凸部にも形成されている。従って、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、凹凸部においてもメッキによる金属光沢等の装飾感を容易に発揮させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1から図7は本実施形態の装飾板の製造工程を順に示す図である。図1は基板の表面及び裏面にマスキング層を形成した状態を示す断面図、図2は基板の表面及び裏面からハーフエッチングを施した状態を示す断面図である。図3は段差部にメッキを施した状態を示す断面図、図4はマスキングを除去した状態を示す断面図である。図5は基板の表面及び裏面にマスキング層を形成した状態を示す平面図、図6は基板の表面及び裏面からハーフエッチングを施した状態を示す平面図である。図7は段差部にメッキを施した状態を示す平面図である。尚、図1から図4の各断面図において、基板及びマスキング層の厚さは理解を容易にするために誇張して厚く描かれている。
図1及び図5に示すように、正方形板状をなすステンレス鋼製の基板11の表面及び裏面には板面方向に位置が異なる外周側位置ずれ部12a及び内周側位置ずれ部12bを生ずるように、マスキング材によってマスキングが施され、表面側マスキング層13a及び裏面側マスキング層13bが形成される。基板11としては、ステンレス鋼のほかアルミニウム、アルミニウム合金等の金属が用いられる。基板11の厚さは、用途により適宜定められるが、例えば0.2〜1mm程度に設定される。マスキング材としては、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂等のレジスト材料が用いられる。位置ずれ部12の長さは、目的とする装飾感によって変えることができるが、本実施形態では基板11の厚さとほぼ同じになるように設定されている。
その後、図2及び図6に示すように、基板11の表面及び裏面からそれぞれ基板11の厚さ方向の中央部に侵食が到達するまでハーフエッチングを行なう。このハーフエッチングは、エッチング材を基板11の表面及び裏面にスプレー法、浸漬法等の方法により作用させることによって行われる侵食法(腐食法)である。エッチング材としては、塩化第二鉄、リン酸、硫酸、塩酸等が用いられる。ハーフエッチングにより、表面側マスキング層13a及び裏面側マスキング層13bのいずれかのマスキング層13で被覆されていない基板11の部分は溶解(侵食又は腐食)され、除去される。すなわち、基板11の中心部分は溶解、除去されて貫通孔14が形成されるとともに、外周部分も溶解、除去される。そして、前記マスキング層13の位置ずれ部12に基づき、基板11の外周縁及び内周縁には階段状の段差部15が形成される。この段差部15は、マクロ的には滑らかな曲面で連なっているが、ミクロ的には微妙な変化(凹凸)を示す曲面で連なっている。
次いで、図3に示すように、基板11の外周縁及び内周縁の前記段差部15にメッキを施こしてメッキ部分16を形成する。基板11の表面及び裏面にはマスキング層13が形成されているため、前記メッキは段差部15のみに施される。このメッキとしては、例えば電解メッキ又は無電解メッキによる金メッキ、ニッケルメッキ等が採用される。また、メッキとしては、光沢のあるメッキ、艶消しのメッキ等適宜選択することができる。
電解メッキについては、例えば次に示す(a)〜(d)の4工程により行われる。
(a)下地メッキ工程
塩酸(HCl)と塩化ニッケル(NiCl)とより構成される電解液中に基板11を浸漬し、通電することによりニッケルメッキを施す。この下地メッキ処理により、基板11の段差部15に厚さ0.1〜0.2μm程度の下地メッキ層が形成される。
(b)銅メッキ工程
硫酸銅(CuSO)及び硫酸よりなる電解液中に、下地メッキを施した基板11を浸漬し、銅メッキ処理を行うことにより、下地メッキ層上に厚さ40〜80μmの銅メッキ層が肉厚に形成される。
(c)ニッケルメッキ工程
塩化ニッケル、硫酸ニッケル(NiSO)及びホウ酸(HBO)よりなる電解液中に、銅メッキを施した基板11が浸漬され、ニッケルメッキが行われる。このニッケルメッキにより、銅メッキ層上に厚さ2〜3μm程度のニッケルメッキ層が形成される。
(d)金メッキ工程
電解液として、シアン化金酸カリウム「K〔Au(CN)〕」、コバルトを含有する建浴液、同じくコバルトを含有する補給液の水溶液が用いられる。この金メッキ処理により、ニッケルメッキ層上に厚さ0.1μm程度の金メッキ層が形成され、前記メッキ部分16が得られる。
その後、図4及び図7に示すように、前記マスキング層13を剥離することによって、基板11の内周縁と外周縁との両段差部15に二重環状をなすメッキ部分16が形成されたドーナツ状の装飾板17が製造される。
さて、本実施形態の作用を説明すると、基板11に所望の段差部15を形成するために、基板11の表面と裏面のマスキング層13に板面方向の位置ずれ部12を設けた状態で、基板11の表面及び裏面にハーフエッチングを施す。ハーフエッチングによって形成された段差部15にメッキを施すことにより、得られるメッキ部分16に金属光沢を有する装飾板17が製造される。
このとき、ハーフエッチングはエッチング材により化学的に行われることから、段差部15の表面には微小な凹凸、傾き等が形成され、その微小な変化がメッキ部分16の表面にも現れる。しかも、段差部15の中間部には凹み19があり、その凹み19に沿ってメッキ部分16が形成されている。そのため、メッキ部分16に当たった光は複雑に反射し、見る方向で異なる外観を呈し、従来のダイヤモンドカットやフライス盤による切削加工では得られない斬新な装飾感が得られる。さらに、マスキング層13の位置ずれ部12の長さ、すなわち段差部15の板面方向における長さを調整することにより、或いはエッチングの強さを変化させることにより、得られるメッキ部分16における光の反射状態を変化させることができ、見栄えを容易に変えることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態における装飾板17の製造方法では、まず基板11の表面及び裏面にマスキング層13を形成するに当たり、表面側マスキング層13aと裏面側マスキング層13bとの板面方向における位置が異なる位置ずれ部12を生ずるように表面側マスキング層13a及び裏面側マスキング層13bを形成する。その後、基板11の表面及び裏面からそれぞれ基板11の厚さ方向の中央部に侵食が到達するまでハーフエッチングを行って、前記位置ずれ部12に段差部15を形成する。その段差部15にメッキを施した後、前記マスキング層13を剥離することにより、目的とする装飾板17が得られる。
上記のように、ハーフエッチングにより段差部15が形成され、その段差部15にメッキが施されてメッキ部分16が形成される。ハーフエッチングは化学的な侵食であるため、ハーフエッチングにより形成される段差部15の表面形状は均一な平坦面(平滑面)ではなく、微妙な変化を示す曲面になっている。さらに、段差部15の中間部には凹み19が形成され、その上にメッキ部分16が形成されている。そのため、段差部15上に形成されるメッキ部分16の装飾感を向上させることができる。さらに、マスキング層13の位置ずれ部12の長さを変えることにより、段差部15の形状、延いてはメッキ部分16の形状を変えることができることから、装飾感を容易に変化させることができる。
・ また、前記段差部15は、基板11の外周縁及びハーフエッチングにより形成される貫通孔14に沿う内周縁に形成されることから、装飾板17をドーナツ状に形成し、その外周縁と内周縁にメッキによる金属光沢等の装飾感を発揮させることができる。そして、装飾板17の外周縁と内周縁にC面カット状の外観、すなわちC面カット(面取り)を施したような外観を呈している。
・ マスキング層13は、ハーフエッチング時のマスキング及びメッキ時のマスキングとして兼用することができることから、装飾板17を効率良く製造することができる。
・ 本実施形態の装飾板17は、ネームプレート、ペンダント、銘板、ステッカー、パネル、貼着用シール等として用いることができる。
以下、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
次に示す材料を用いてドーナツ板状の装飾板17を製作した。
基板11:ステンレス鋼板、一辺の長さ10cmの正方形、厚さ0.4mm
マスキング材:紫外線硬化型のアクリル樹脂(太陽インキ製造(株)製、レジストPER−20 K27、固形分30〜40質量%)
現像液:1質量%の炭酸ナトリウム(NaCO)の水溶液
エッチング剤:塩化第二鉄(FeCl)の38質量%の水溶液
そして、基板11の表面にマスキング材をコーティングした後、紫外線の照射部分が外径79.2mm、内径60.0mmの円環状となるようにその他の部分を被覆した状態で紫外線を100〜150mJ/cmの照射量にて照射し、マスキング材を硬化させた。同様にして、基板11の裏面にマスキング材をコーティングした後、紫外線の照射部分が外径80.0mm、内径59.2mmの円環状となるようにその他の部分を被覆した状態で紫外線を100〜150mJ/cmの照射量にて照射し、マスキング材を硬化させた。次いで、基板11の表面及び裏面に現像剤を作用させ、マスキング材の未硬化部分を溶解、除去して表面側マスキング層13a及び裏面側マスキング層13bを形成した。表面側マスキング層13aと裏面側マスキング層13bとの板面方向の位置ずれ部12の幅は基板11の厚さと同じ0.4mmに設定した。
続いて、表裏両面にマスキング層13を形成した基板11を、0.5〜1.5m/秒の速度で移動するコンベア上に載せ、エッチング剤を2.0mPaの圧力でスプレー装置にて噴霧し、ハーフエッチングを行った。このハーフエッチングにより、基板11の中心部に貫通孔14が形成されるとともに、外周縁及び内周縁に段差部15が円環状に形成された。ハーフエッチング終了後、水洗を行った。
次いで、基板11の両段差部15に対して以下の工程に従って金メッキを施した。
(a)下地メッキ工程
塩酸(HCl)100g/lと塩化ニッケル(NiCl)250g/lとより構成される電解液中に基板11を浸漬し、ニッケルメッキを施した。このニッケルメッキは、常温にて4A/dmの電流密度で1分間通電することにより行った。この下地メッキ処理により、基板11の段差部15に厚さ0.15μmの下地メッキ層を形成した。
(b)銅メッキ工程
硫酸銅(CuSO)170g/l、硫酸50g/l、光沢剤(奥野製薬(株)製の商品名、カパラシッド210)45mlよりなる電解液中に下地メッキを施した基板11が浸漬され、銅メッキを行った。この銅メッキ処理により、下地メッキ層上に銅メッキ層を形成した。尚、光沢剤は得られるメッキ層表面の光沢を出すとともに、メッキ層表面を滑らかにする、すなわちレベリング性を良くするために添加される。この銅メッキは、常温にて3A/dmの電流密度で90分間通電することにより行った。このメッキ処理により形成された銅メッキ層の厚さは60μmであり、肉厚に形成された。
(c)ニッケルメッキ工程
塩化ニッケル45g/l、硫酸ニッケル(NiSO)、ホウ酸(HBO)、光沢剤(奥野製薬(株)製の商品名、トップレオナNL−1)少量よりなる電解液中に銅メッキを施した基板11を浸漬し、ニッケルメッキを行った。このニッケルメッキは、常温にて4A/dmの電流密度で1分間通電することにより行った。このニッケルメッキにより、銅メッキ層上に厚さが2.5μmのニッケルメッキ層を形成した。
(d)金メッキ工程
電解液として、メルテックス社の商品名オウログロージャル75、すなわちシアン化金酸カリウム「K〔Au(CN)〕」3g/l、コバルトを含有する建浴液750ml/l、同じくコバルトを含有する補給液10ml/lの水溶液を用いた。この金メッキは、45℃にて0.3A/dmの電流密度で2分間通電することにより行った。この金メッキ処理により、ニッケルメッキ層上に厚さ0.1μmの金メッキ層が形成され、前記メッキ部分16とした。
次に、上記工程による金メッキ終了後に水酸化ナトリウムの3質量%水溶液にて、基板11の表裏両面のマスキング層13を剥離した。以上のようにして、前記図7に示す装飾板17を製作した。得られた装飾板17は、その外周縁及び内周縁に円環状に形成されたメッキ部分16が金メッキによる金属光沢を示し、装飾板17を斜め上方から見たとき基板11のステンレス鋼の銀色に対して金色の輝きが鮮やかであった。その上、ハーフエッチングで得られた段差部15の表面形状に基づくメッキ部分16の表面形状及びその中間部の凹み19により、見る方向で光沢感の異なる外観が発揮された。
尚、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図8(a)に示すように、段差部(水平部分)15の長さを基板11の厚さよりも厚くし、平面から見えるメッキ部分(光沢部分)16aの幅を広げ、輝きの大きい装飾感を得ることができるように構成することもできる。また、図8(b)に示すように、段差部15の長さを基板11の厚さよりも薄くし、基板11の側面から見えるメッキ部分(光沢部分)16bの幅を広げ、側面から見たときの装飾感を向上させることができるように構成することもできる。
・ 図7の二点鎖線に示すように、前記段差部15を、基板11の外周縁又は内周縁に設けられた凹凸部18にも形成することができる。この場合、凹凸部18であっても前記実施形態の工程に従って装飾板17を製造することにより、容易にメッキによる金属光沢を発揮することができる。
・ 図9(a)に示すように、基板11の表面からのハーフエッチングを強く作用させて段差部15を深く形成してその上にメッキ部分16cを設けることができる。ハーフエッチングを強く作用させる方法としては、スプレーで噴霧する際の圧力を上げる方法、エッチング剤中の塩化第二鉄の濃度を上げる方法、ハーフエッチングの時間を長くする方法等が挙げられる。この場合、メッキ部分16cによる光沢がより奥行きのあるものとなり、立体感が増す。
図9(b)に示すように、基板11の表面からのハーフエッチングを弱く作用させて段差部15を浅く形成してその上にメッキ部分16dを設けることができる。ハーフエッチングを弱く作用させる方法としては、スプレーで噴霧する際の圧力を下げる方法、エッチング剤中の塩化第二鉄の濃度を下げる方法、ハーフエッチングの時間を短くする方法等が挙げられる。この場合、メッキ部分16dによる光沢がより奥行きの少ないものとなり、平面的な装飾感が表出される。
・ 基板11の表面からのハーフエッチングの強さと、裏面からのハーフエッチングの強さとが異なるように構成することも可能である。
・ 装飾板17の形状を四角板状等の多角板状、楕円板状、その他の異形板状に形成することができる。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記段差部は、その板面方向に延びる部分の長さが基板の板厚に相当するように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装飾板の製造方法。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、装飾板を斜め方向から見たときの装飾感を向上させることができる。
・ 前記ハーフエッチングにより形成される段差部は、曲面により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装飾板の製造方法。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、段差部に施されたメッキにより綺麗な(見栄えの良い)外観を得ることができる。
基板の表面及び裏面にマスキング層を形成した状態を示す断面図。 基板の表面及び裏面からハーフエッチングを施した状態を示す断面図。 段差部にメッキを施した状態を示す断面図。 マスキング層を除去した状態を示す断面図。 基板の表面及び裏面にマスキング層を形成した状態を示す平面図。 基板の表面及び裏面からハーフエッチングを施した状態を示す平面図。 段差部にメッキを施した状態を示す平面図。 (a)は段差部の長さを基板の厚さよりも長くして段差部にメッキを施した状態を示す部分断面図、(b)は段差部の長さを基板の厚さよりも短くして段差部にメッキを施した状態を示す部分断面図。 (a)はハーフエッチングを強く作用させて得られた段差部にメッキを施した状態を示す部分断面図、(b)はハーフエッチングを弱く作用させて得られた段差部にメッキを施した状態を示す部分断面図。
符号の説明
11…基板、12…位置ずれ部、12a…外周側位置ずれ部、12b…内周側位置ずれ部、13…マスキング層、13a…表面側マスキング層、13b…裏面側マスキング層、14…貫通孔、15…段差部、16…メッキ部分、17…装飾板、18…凹凸部。

Claims (3)

  1. 基板の表面及び裏面にマスキング層を形成するに当たり、表面側マスキング層と裏面側マスキング層との板面方向における位置が異なる位置ずれ部を生ずるように各マスキング層を形成した後、基板の表面及び裏面からそれぞれ基板の厚さ方向の中央部に侵食が到達するまでハーフエッチングを行って、前記位置ずれ部に段差部を形成し、その段差部にメッキを施した後、前記マスキング層を剥離することを特徴とする装飾板の製造方法。
  2. 前記段差部は、基板の外周縁及びハーフエッチングにより形成される貫通孔に沿う内周縁に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装飾板の製造方法。
  3. 前記段差部は、外周縁又は内周縁に設けられた周方向に延びる凹凸部にも形成されていることを特徴とする請求項2に記載の装飾板の製造方法。
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