JP2006289226A - 成膜方法および電気回路の製造方法、並びに液滴吐出装置 - Google Patents

成膜方法および電気回路の製造方法、並びに液滴吐出装置 Download PDF

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淑彰 森部
Yoichi Miyasaka
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Abstract

【課題】 簡単な方法で膜厚を好適に制御可能な液滴吐出法を用いた成膜方法、および当該成膜方法を用いた電気回路の製造方法、並びに液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】 入力された機能性膜の平面形状、大きさ、位置(平面パターン)および膜厚に係る設計データに基づいて、吐出パターン生成手段は、第1演算工程S3において階調値が割り当てられたマトリクスパターンを生成する。吐出パターン生成手段は、次の第2演算工程S4において、階調値の二値化処理を行い、間引かれたドットマトリクスパターンを生成し、このパターンに合わせて機能液を基板上に吐出する(S6)。基板上においてドット化された機能液は濡れや表面張力による相互作用で一体化し、間引き具合に応じた膜厚でパターン化される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液滴吐出法を用いた機能性膜の成膜方法、および当該成膜方法を用いた電気回路の製造方法、並びに液滴吐出装置に関する。
近年、電気回路の製造において、微細な導線パターンや回路素子をいわゆる液滴吐出法を用いて形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。この技術は、機能性材料(導電性材料など)を含んだ液状体(機能液)を液滴吐出ヘッドの微細ノズルから吐出させて基板上にパターン化された機能液を形成し、その後に当該機能液を乾燥等により固化させて機能性材料からなるパターン化された膜(機能性膜)を成膜するものである。
機能液のパターン化は、より具体的には、液滴の吐出に先立って機能性膜の設計パターンに合わせたドットマトリクスパターン(吐出パターン)データを生成し、この吐出パターンに合わせて基板上に液滴を吐出してゆくことで行われる。この技術は、吐出パターンを変化させることで多様なパターンの機能性膜を形成することができるため、少量多種の生産を行う場合に特に有効である。
特開平11−274671号公報
上述のような液滴吐出法を用いた成膜方法においては、基板面方向における形状ないし大きさは吐出パターンにより制御可能であるが、厚み方向の制御は液状体を扱うことから一般に困難である。従来においては、吐出される液滴の単位量によって単位面積あたりに配置される吐出量を調節したり、機能液に含まれる機能性材料の濃度を変化させることで、厚み方向の制御を行っていた。あるいは、機能液のパターン化、固化を繰り返して多層化することで、厚みのある機能性膜を形成していた。
しかし、液滴の単位量や機能液の濃度を変化させる方法では、電気回路に含まれる個々の機能性膜ごとに膜厚を制御することは困難であり、また、多層化して膜厚を調節する場合においても、一層あたりの厚み単位でしか制御できないため、必ずしも好適な方法とは言えなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、簡単な方法で膜厚を好適に制御可能な液滴吐出法を用いた成膜方法、および当該成膜方法を用いた電気回路の製造方法、並びに液滴吐出装置を提供することを目的としている
本発明の成膜方法は、液滴吐出法により、基板上に間引かれたドットマトリクスパターンで機能液を吐出する吐出工程と、前記吐出された機能液を固化して機能性膜を形成する成膜工程と、を有することを特徴とする。
この発明の成膜方法によれば、間引かれたドットマトリクスパターンによって、機能液の基板面方向の形状、大きさ(平面パターン)に関する制御と共に、単位面積あたりに吐出される機能液の量(密度)に関する制御をも行うことができる。これにより、多様な平面パターン、多様な膜厚の機能性膜を簡単に形成することができる。
また好ましくは、前記成膜方法は、前記機能性膜の膜厚に係る設計データに基づいて前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成する吐出パターン生成工程を、前記吐出工程前に有することを特徴とする。
この発明の成膜方法によれば、機能性膜の膜厚に係る設計データに基づいて間引かれたドットマトリクスパターンが生成されるので、必要とする膜厚に応じて好適に機能液が吐出される。
また好ましくは、前記成膜方法において、前記吐出パターン生成工程は、前記設計データに基づいた階調値を有するマトリクスパターンを生成する第1演算工程と、前記階調値を二値化して前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成する第2演算工程と、を有することを特徴とする。
さらに好ましくは、前記第2演算工程において、ディザ法ないし誤差拡散法により前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成することを特徴とする。
この発明の成膜方法によれば、膜厚に係る設計データを階調値として取り扱うことにより、多階調画像における中間調の二値化技術と同様の手法で間引きされたドットマトリクスパターンを生成することができる。好ましくは、ディザ法ないし誤差拡散法を用いることで、液滴が好適に分散されて吐出されるため、機能液の平面パターンに係る制御が大きく乱されることがない。
また好ましくは、前記成膜方法において、前記設計データが所定の値であるとき、前記間引かれたドットマトリクスパターンは、千鳥掛けのドットマトリクスパターンであることを特徴とする。
この発明の成膜方法によれば、千鳥掛けのドットマトリクスパターンによって液滴が好適に分散されて吐出されるため、機能液の平面パターンに係る制御が大きく乱されることがない。
本発明の電気回路の製造方法は、前記成膜方法を用いていることを特徴とする。
この発明の電気回路の製造方法によれば、電気回路に含まれる個々の機能性膜の膜厚を簡単に制御することができる。
本発明の液滴吐出装置は、機能性膜を形成するための機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドにより間引かれたドットマトリクスパターンを描くように前記液滴を吐出させる吐出制御手段と、前記機能性膜の膜厚に係る設計データを入力するための入力手段と、前記設計データに基づいて前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成する吐出パターン生成手段と、を備えることを特徴とする。
この発明の液滴吐出装置によれば、間引かれたドットマトリクスパターンによって、機能液の基板面方向の形状、大きさ(平面パターン)に関する制御と共に、単位面積あたりに吐出される機能液の量(密度)に関する制御をも行うことができる。これにより、多様な平面パターン、多様な膜厚の機能性膜を簡単に形成することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(液滴吐出装置)
図1は、液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。
図1において、液滴吐出装置100は、基板120の基板表面120aに対して機能液133を任意のパターンで吐出する装置であり、支持脚106に支えられた定盤107の上に、ヘッド機構部102と、基板機構部103と、機能液供給部104とを備えている。また、定盤107の下に装置の制御を行う制御部105を、定盤107の脇(図の左方)に作業者とのインターフェースとして機能する端末装置140を備えている。
基板120としては、ガラス基板、金属基板、合成樹脂基板など、平板状のものであればたいていのものが利用できる。また、必要に応じて、あらかじめ基板表面120aに表面処理を施したり、樹脂等でバンクと呼ばれる立体構造物を形成したりした上で用いることもできる。
ヘッド機構部102は、複数のヘッドモジュール116(図2参照)からなる液滴吐出ヘッド110と、液滴吐出ヘッド110を搭載するキャリッジ111と、キャリッジ111の移動をガイドするガイド113と、リードスクリュー機構を構成するねじ部115およびナット部112と、ねじ部115を回転駆動する主走査モータ114と、を備えている。ナット部112とキャリッジ111とは結合されており、主走査モータ114の回転により液滴吐出ヘッド110はY軸方向に往復動(主走査)する。
基板機構部103の移動機構は、基板120を載置するための載置台121と、載置台121の移動をガイドするガイド123と、リードスクリュー機構を構成するねじ部125およびナット部122と、ねじ部125を回転駆動する副走査モータ124と、を備えている。ナット部122と載置台121とは結合されており、副走査モータ124の回転により基板120はX軸方向に移動(副走査)する。
液滴吐出ヘッド110に機能液133を供給する機能液供給部104は、液滴吐出ヘッド110に連通する流路を形成するチューブ131aと、チューブ131aへ機能液を送り込むポンプ132と、ポンプ132へ機能液133を供給するチューブ131bと、チューブ131bに連通して機能液133を貯蔵するタンク130とを備えている。機能液133は、機能性材料からなる微粒子を水や有機溶剤に分散させた液状体であり、目的に応じて多様なものが用いられる。尚、便宜上図示を省略しているが、実際には、機能液供給部104は、複数種の機能液を同時に液滴吐出ヘッド110に供給可能であり、また、液滴吐出ヘッド110は、複数種の機能液を同時に吐出することが可能である。
端末装置140は、本体部141と、表示部142と、入力部143とを備えている。本体部141には、情報処理を行うためのCPUやRAM、記憶装置などが収納されている。入力部143は、キーボードやマウスなどの情報入力機器である。表示部142は、いわゆるディスプレイ装置である。本体部141は、入力部143から入力された装置制御に係る情報を制御部105に送信したり、制御部105から装置のステータス情報を受信して表示部142に表示させたりする。
図2は、ヘッド部における液滴吐出ヘッドの配置を示す平面図である。
図2において、液滴吐出ヘッド110は、同じ構造を有する複数のヘッドモジュール116を備えている。ヘッドモジュール116は、X軸方向に延びる2つのノズル列を有していて、1つのノズル列は、例えば180個のノズル117…を有している。各ヘッドモジュール116…は、X軸方向におけるノズルの位置(座標)が、所定の間隔でオフセットされるように配置されている。各ヘッドモジュール116の各ノズルからは、機能液供給部104(図1参照)から供給された機能液133が液滴として吐出される。
図3は、液滴吐出ヘッドの電気的構成を示すブロック図である。
図3において、液滴吐出装置100は、端末装置140と、制御部105と、主走査モータ114と、副走査モータ124と、液滴吐出ヘッド110とを備えている。
制御部105は、インターフェース(外部I/F)25と、CPU28と、RAM26と、各種制御情報を記憶するROM27と、クロック信号(CK)を生成する発振回路29と、駆動信号(COM)を生成する駆動信号生成回路30と、内部インターフェース(内部I/F)31とを備えている。
液滴吐出ヘッド110は、内部I/F31を介して制御部105と接続されており、シフトレジスタ32…からなるシフトレジスタ回路と、ラッチ回路33…と、レベルシフタ34…と、スイッチ35…と、圧電振動子36…とを備えている。圧電振動子36は、複数のノズル117…(図2参照)の各々に対応して設けられており、ノズル117と連通する圧力室に機械的に圧力を発生させて液滴を吐出させる役割を果たしている。液滴吐出ヘッド110は、液滴の吐出制御に係る制御信号を制御部105から受けて、ノズル毎に適切なタイミングで液滴の吐出を行う。すなわち、制御部105は、吐出制御手段としての機能を果たしている。
端末装置140において、吐出パターン生成手段としての本体部141は、外部I/F25を介して制御部105と接続されており、入力手段としての入力部143から入力された設計データに基づいて吐出パターンデータを生成し、制御部105に送信する。ここで、吐出パターンデータとは、基板表面120a上における液滴の吐出ポイントをドットマトリクスパターン(図6(b)参照)で表したデータである。
RAM26は、端末装置140から受けた吐出パターンデータを一時的に記憶したり、吐出パターンデータをデコード(翻訳)して生成したノズルデータを一時的に記憶したりする。また、CPU28のワークメモリとしても機能する。
駆動信号生成回路30で生成される駆動信号(COM)は、圧電振動子36に印加してこれを駆動するための電気信号であり、液滴吐出ヘッド110の主走査に同期した周期的なパルス信号で構成されている。
CPU28は、吐出パターンデータをデコード(翻訳)して、ノズル配列および主走査/副走査のタイミングに対応したノズル毎のON/OFF情報を示すノズルデータを生成する。このノズルデータは、ノズルデータ信号(SI)として液滴吐出ヘッド110にシリアルに伝送される。また、CPU28は、ラッチ信号(LAT)を生成し、液滴吐出ヘッド110に伝送する。ノズルデータ信号(SI)およびラッチ信号(LAT)の伝送は、主走査モータ114および副走査モータ124の駆動制御に同期して行われる。
ノズルデータ信号(SI)は、クロック信号(CK)に同期してシフトレジスタ回路に伝送され、ノズル毎のON/OFF情報が各シフトレジスタ32…にシリアル伝送される。そして、ラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路33…に入力されることで、ノズルデータがラッチされる。
ラッチされたノズルデータは、レベルシフタ34にそれぞれ入力される。レベルシフタ34は電圧増幅器として機能し、ノズルデータが「ON」の場合には、例えば数十ボルト程度の駆動電圧をスイッチ35に供給する。一方、ノズルデータが「OFF」の場合には、このような駆動電圧はスイッチ35に供給されない。
かくして、レベルシフタ34で昇圧された電圧がスイッチ35に供給されている間は、圧電振動子36に駆動信号(COM)が印加され、液滴がノズル117(図2参照)から吐出される。そして、このような吐出制御を主走査/副走査の各タイミングで連続的に行うことにより、吐出パターンデータに合わせた液滴(機能液)の吐出が実現する。
(電気回路の製造方法および成膜方法)
図4は、電気回路の一例を示す部分平面図である。
図4において、基板表面120a上に形成された電気回路10は、電気的には、容量素子11と抵抗素子12とが電気的に接続された構成となっている。また、機械的には、絶縁膜41、抵抗膜42と、これに隣接する複数の導電膜43,43,43とを備えた構成となっている。
機能性膜としての絶縁膜41、抵抗膜42、導電膜43は、液滴吐出装置100(図1参照)を用いてそれぞれ対応する機能液133(図1参照)を基板表面120a上にパターン化して配置し、乾燥、焼成等により機能液を固化させることで形成される。この場合、液状体である機能液のパターン化という工程を含むため、隣接する機能性膜を同時に形成することは困難である。そこで、この電気回路の例では、絶縁膜41、抵抗膜42が先に形成され、その後で導電膜43,43,43が形成される。
図5は、機能性膜の成膜に係るフローを示すフローチャートである。図6(a)は階調パターンの一例を示す図である。図6(b)は図6(a)の階調パターンに対応するドットマトリクスパターンを示す図である。以下では、図5のフローチャートに沿って、図1、図6を参照して、絶縁膜41、抵抗膜42、導電膜43などの成膜に係る具体的なフローについて説明を行う。
まず、基板120が、図1に示すように液滴吐出装置100の載置台121上に載置される(図5のステップS1)。ここで、基板120は、酸素プラズマ処理法などによってあらかじめ基板表面120aが清浄化されていることが好ましい。これにより、機能液の基板表面120aに対する濡れ性が均一化され、この後の機能液のパターン化が容易になる。
機能液は、対応する機能性膜に応じた機能性材料を含んだものが用意される。機能性材料としては、例えば、絶縁膜41(図4参照)用として、Al23,SrTiO3,BaTiO3,PZTなどが挙げられる。また抵抗膜42(図4参照)用として、Ni−Cr,Cr−SiO,AuMgF,Cr3Siなどが挙げられる。また導電膜43用(図4参照)として、RuO2,IrO2,MoO2,Pt,Au,Ag,In,ITOなどが挙げられる。これらの機能性材料は微粒子化されて用いられる。また、分散性を向上させるためさらにその表面に有機物(クエン酸など)をコーティングしたものを用いることもできる。
機能液を構成する分散媒は、上述の微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。具体的には、水の他に、メタノール、エタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、トルエンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、N−メチル−2−ピロリドンなどの極性化合物を挙げることができる。これらは、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。
また、機能液には、表面張力を調整するため、基板表面120aとの接触角を不当に低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加することができる。また、成膜後の定着性を良くするために、バインダーを添加することもできる。バインダーとしては、例えば、アクリル酸とスチレンとの共重合体などが用いられる。
次に、作業者は、端末装置140の入力部143により、機能性膜の設計データを入力する(図5のステップS2)。ここで、設計データとは、機能性膜の大きさ、平面形状、膜厚、材料や、基板表面120aにおける位置などに係る観念的な情報のことである。例えば、大きさ、平面形状、位置(以下、平面パターンという)については、作業者は、端末装置140の表示部142上で表される線図で入力し、材料については、対応する機能液の種類を選択して入力する。また、膜厚については、絶対的な厚み寸法で入力してもよいし、「厚い/薄い」や「70%」などといった相対的な指標で入力してもよい。
設計データが入力されたら、端末装置140の本体部141は、入力された当該設計データをもとに吐出パターンの生成を行う(吐出パターン生成工程)。具体的には、階調値が割り当てられたマトリクスパターン(以下、階調パターンという)を生成する第1演算工程(図5のステップS3)と、ドットマトリクスパターンを生成する第2演算工程(図5のステップS4)とから構成されている。
第1演算工程で生成される階調パターンは、図6(a)に示すように、主走査方向および副走査方向に組まれたマトリクスパターンであり、それぞれのマトリクスには階調値が割り当てられている。このマトリクスパターンは、先に入力された設計データに基づいて生成されており、この例では、階調値:0と階調値:70との区分けによって、仮想線で示す平面パターンPが再現されている。ここで、階調値は、膜厚に係る設計データを反映するものであり、この実施形態では0から100までの整数で表現される。すなわち、階調値:0は機能性膜が存在しないことを表しており、階調値が大きいほど膜厚が厚いことを表している。図6(a)の例においては階調値は70であり、これは階調値:100に対しての70%の膜厚を表すものである。
液滴の吐出パターンは、最終的にはONかOFFかで表現されたドットマトリクスパターンであるため、この階調パターンを用いてそのまま吐出を行うことはできない。このため、次の第2演算工程では、階調パターンを二値(ONないしOFF)化して図6(b)に示すドットマトリクスパターンを生成する。階調パターンの二値化処理は、多階調画像における中間調の二値化技術と同様の手法を用いることができ、好適には、ディザ法、誤差拡散法などが用いられる。
ディザ法は、階調値をある閾値によって二値化する方法で、閾値を乱数によって決めるランダムディザ法や、閾値マトリクスを用いる組織的ディザ法などがある。誤差拡散法はディザ法の一種であるが、あるマトリクスの二値化によって発生した誤差を周囲のマトリクスに分散させて、ドットのより好適な分散を図るものである。
上述のような手法により、階調パターンは、ONないしOFFの情報(図6(b)では網掛け部分がONを示す)で表現されたドットマトリクスパターンとなる。具体的には、階調値:100のマトリクスは必ず「ON」となってベタ塗りのドットマトリクスパターンを形成し、階調値0のマトリクスは必ず「OFF」となって非吐出領域を形成する。そして、1〜99の中間値のマトリクスは、その値に応じた割合で「ON」または「OFF」となって、図6(b)に示すような間引かれたドットマトリクスパターンを形成する。
再び図1に戻って、本体部141において生成されたドットマトリクスパターンのデータは、先に説明したように制御部105においてノズルデータにデコードされ(図5のステップS5)、液滴吐出ヘッド110は、当該ドットマトリクスパターンを描くように機能液(液滴)を吐出する(図5の吐出工程S6)。基板表面120aにおいてドット化された機能液は、濡れや表面張力による相互作用で一体化し、平面パターンP(図6参照)を再現しつつ、間引き具合を反映した厚み(単位面積あたりの量)で再パターン化される。
機能液の再パターン化については、機能液の表面張力や基板表面120aにおける濡れ性の影響を受ける。例えば、機能液の表面張力が小さすぎたり、濡れ性が悪い場合には、ドット同士の一体化が上手く進まない。また、濡れ性が良すぎる場合には、平面パターンP(図6参照)の外側の領域にまで機能液が濡れ広がってしまい、機能液の表面張力が大きすぎる場合には、機能液は丸く集まってしまう。これらの事情に鑑みて、機能液の特性や基板120の表面状態ついては、配慮が必要である。
また、機能液の再パターン化は、ドットマトリクスパターンの間引き具合によっても影響を受ける。ドットマトリクスパターンの間引きに極端なムラがあってドットが適度に分散されていない場合には、平面パターンP(図6参照)に関する情報が希釈化され、適切な再パターン化が行われなくなるからである。上述した階調パターンの二値化におけるディザ法や誤差拡散法の採用は、このような事情に鑑みて好適なドットの分散を図ったものである。
機能液のパターン化がされたら、最後に、基板120ごと機能液を乾燥ないし焼成させ、機能液中の機能性材料を膜の状態で定着させる(図5の成膜工程S7)。また、必要があれば、上述のS1〜S7の工程を繰り返して多層化による膜厚の制御を行うこともできる。
このように、間引かれたドットマトリクスパターンで機能液の吐出を行うことにより、平面パターンに関する制御と共に、単位面積あたりに吐出される機能液の量(密度)に関する制御がなされることになるため、多様な平面パターン、多様な膜厚の機能性膜を簡単に形成することができる。
図7(a)は階調パターンの他の例を示す図である。図7(b)は図7(a)の階調パターンに対応するドットマトリクスパターンを示す図である。
図7(a)に示す階調パターンでは、機能性膜の膜厚を反映する階調値は50となっており、これは階調値:100の場合の50%の膜厚を表すものである。この場合、第2演算工程S4では、図7(b)に示すような千鳥掛けのドットマトリクスパターンが生成される。このドットマトリクスパターンは、均一にドットが分散されたパターンとなっており、上述した機能液の再パターン化に好適に作用するものである。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、本発明が適用できる機能性膜の別の例として、例えば、カラーフィルタの着色膜、有機EL表示装置における発光膜、プラズマディスプレイ装置における蛍光膜、基板の表面に形成するバンク、各種コーティング膜、レジスト膜などが挙げられる。
また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。 ヘッド部における液滴吐出ヘッドの配置を示す平面図。 液滴吐出ヘッドの電気的構成を示すブロック図。 電気回路の一例を示す部分平面図。 機能性膜の成膜に係るフローを示すフローチャート。 (a)は階調パターンの一例を示す図。(b)は(a)の階調パターンに対応するドットマトリクスパターンを示す図。 (a)は階調パターンの他の例を示す図。(b)は(a)の階調パターンに対応するドットマトリクスパターンを示す図。
符号の説明
10…電気回路、11…容量素子、12…抵抗素子、41…機能性膜としての絶縁膜、42…機能性膜としての抵抗膜、43…機能性膜としての導電膜、100…液滴吐出装置、102…ヘッド機構部、103…基板機構部、104…機能液供給部、105…吐出制御手段としての制御部、110…液滴吐出ヘッド、111…キャリッジ、114…主走査モータ、116…ヘッドモジュール、117…ノズル、120…基板、120a…基板表面、121…載置台、124…副走査モータ、130…タンク、133…機能液、140…端末装置、141…吐出パターン生成手段としての本体部、142…表示部、143…入力手段としての入力部。

Claims (7)

  1. 液滴吐出法により、基板上に間引かれたドットマトリクスパターンで機能液を吐出する吐出工程と、
    前記吐出された機能液を固化して機能性膜を形成する成膜工程と、を有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記機能性膜の膜厚に係る設計データに基づいて前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成する吐出パターン生成工程を、前記吐出工程前に有することを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記吐出パターン生成工程は、前記設計データに基づいた階調値を有するマトリクスパターンを生成する第1演算工程と、
    前記階調値を二値化して前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成する第2演算工程と、を有することを特徴とする請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記第2演算工程において、ディザ法ないし誤差拡散法により前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成することを特徴とする請求項3に記載の成膜方法。
  5. 前記設計データが所定の値であるとき、前記間引かれたドットマトリクスパターンは、千鳥掛けのドットマトリクスパターンであることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の成膜方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の成膜方法を用いた電気回路の製造方法。
  7. 機能性膜を形成するための機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドにより間引かれたドットマトリクスパターンを描くように前記液滴を吐出させる吐出制御手段と、
    前記機能性膜の膜厚に係る設計データを入力するための入力手段と、
    前記設計データに基づいて前記間引かれたドットマトリクスパターンを生成する吐出パターン生成手段と、を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
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