JP2006286692A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱応力によりクラックが発生することのない内燃機関用点火コイを提供すること。
【解決手段】 一次コイル11及び二次コイル12と、これらの一次コイル11及び二次コイル12を磁気的に結合させる鉄心13と、前記鉄心を覆う鉄心カバー15とを絶縁ケース14内に収納し、絶縁及び防水用の熱硬化性樹脂16を前記絶縁ケース14内に注入し、その後熱硬化することにより各収納部品を絶縁固定した内燃機関用点火コイルであって、前記鉄心カバー15の延設部15aを前記二次コイル12の最上点より上まで延設したので、熱応力によりクラック等が発生することがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車用エンジンの点火プラグにおいて火花放電を発生させる為に高電圧を供給する内燃機関用点火コイルに関するものである。
従来のモールド型内燃機関用点火コイルの一例を図3〜図7に示す。ここで、図3は、従来の内燃機関用点火コイルの一例を示す縦断面図、図4はそれを側面方向から見た縦断面図である。ここで、内燃機関用点火コイルは、一次コイル1及び二次コイル2を配設し、かつ前記一次コイル1及び二次コイル2を磁気的に結合させる鉄心3を絶縁ケース4内に収納し、前記絶縁ケース4内に絶縁用熱硬化性樹脂5を注入することによって、硬化封止している。また、鉄心3の角部が直接絶縁用熱硬化性樹脂5に接触した場合、鉄心3と絶縁用熱硬化性樹脂5との線膨張係数の差から、鉄心の角部にクラックが発生するのを防止するために鉄心カバー6が使用されている。このような構成により、一次コイル1に印加される一次電流が断続され、二次コイル2に高圧電流が発生する。二次コイル2で発生した高圧電流は、高圧端子7に導かれる。これらの内燃機関用点火コイルは、例えば、特許文献1等に開示されている。
特開2002−61500号公報
しかし、従来の内燃機関用点火コイルでは、図5に示すように鉄心と絶縁用熱硬化性樹脂との線膨張係数の差から鉄心の角部からクラック8が発生するおそれが存在した。また、図6、7に示すように絶縁ケース4の開口部から絶縁用熱硬化性樹脂を注入して、硬化封入するために二次コイルが完全に絶縁用熱硬化性樹脂中に埋没するまで絶縁用熱硬化性樹脂を注入する必要があった。絶縁ケースの上端部は空間部9であり、絶縁を確保するに必要である以上の絶縁用熱硬化性樹脂を注入しなければならず、材料が無駄であった。
この発明は、上記に鑑み提案されたもので、絶縁用熱硬化性樹脂の量の均一化を図り、熱応力によりクラックが発生することのない内燃機関用点火コイルを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成する為に、本発明の内燃機関用点火コイルは、一次コイル及び二次コイルと、これらの一次コイル及び二次コイルを磁気的に結合させる鉄心と、前記鉄心を覆う鉄心カバーとを絶縁ケース内に収納し、絶縁及び防水用の熱硬化性樹脂を前記絶縁ケース内に注入し、その後熱硬化することにより各収納部品を絶縁固定した内燃機関用点火コイルであって、前記鉄心カバーの一部を前記二次コイルの最上点より上まで延設したことを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明において、前記鉄心カバーの延設部を前記熱硬化性樹脂よりも線膨張係数の小さな材料で構成したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明において、前記鉄心カバーの延設部は、PBTで構成されたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明において、前記鉄心カバーの延設部は、PETで構成されたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明において、前記鉄心カバーの延設部は、前記二次コイルの上方で絶縁ケースの内側の空間を占めることを特徴とする。
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
本発明では一次コイル及び二次コイルと、これらの一次コイル及び二次コイルを磁気的に結合させる鉄心と、前記鉄心を覆う鉄心カバーとを絶縁ケース内に収納し、絶縁及び防水用の熱硬化性樹脂を前記絶縁ケース内に注入し、その後熱硬化することにより各収納部品を絶縁固定した内燃機関用点火コイルであって、前記鉄心カバーの一部を前記二次コイルの最上点より上まで延設したので、注入する絶縁用熱硬化性樹脂量の均一化が図かられ、熱応力によりクラックの発生が防止できる。
また、本発明では前記鉄心カバーの延設部を前記熱硬化性樹脂よりも線膨張係数の小さな材料で構成したので、線膨張係数の差から生じる熱応力によりクラックが発生するのを防止できる。
また、本発明では前記鉄心カバーの延設部は、PBT(Polybutylene terephthalate)で構成されたので、線膨張係数の差から生じる熱応力によりクラックが発生するのを防止できる。
また、本発明では、前記鉄心カバーの延設部は、PETで構成されたので、線膨張係数の差から生じる熱応力によりクラックが発生するのを防止できる。
また、本発明では、前記鉄心カバーの延設部は、前記二次コイルの上方で絶縁ケースの内側の空間を占めるので、注入する絶縁用熱硬化性樹脂量の均一化が図かられ、熱応力によりクラックの発生が未然に防止できる。
絶縁ケース内部に注入される絶縁用熱硬化性樹脂の量を均一化することにより、熱膨張による体積変化量を抑えるので、絶縁用熱硬化性樹脂にクラックが生じるのを防止するという目的が達成できる。
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明の内燃機関用点火コイルの一例を示す縦断面図、図2は本発明の内燃機関用点火コイルの側面方向から見た縦断面図である。ここで、内燃機関用点火コイル10は、一次コイル11及び二次コイル12と、これらの一次コイル11及び二次コイル12を磁気的に結合させる鉄心13と、前記鉄心13を覆う鉄心カバー15とを絶縁ケース14内に収納し、絶縁及び防水用の熱硬化性樹脂16を前記絶縁ケース14内に注入し、その後熱硬化することにより各収納部品を絶縁固定したものであって、前記鉄心カバー15の延設部15aを前記二次コイル12の最上点より上まで延設している。
鉄心カバー15は、注入する熱硬化性樹脂16が直接鉄心13と接触するの防止するとともに、その延設部15aが二次コイル12の上で絶縁ケース14の内側の空間を占めるように配設されている。また、延設部15aは、熱硬化性樹脂16よりも線膨張係数の小さな材料で構成する。例えば、PBT(Polybutylene terephthalate)、PET(Polyethylene terephthalate)等の合成樹脂を射出成型することによって形成してもよい。更に、延設部15aは、図1に示すように、絶縁ケース14内に注入する熱硬化性樹脂16の量が、各高さ位置における平面でほぼ均一になるように、その面積を増減する。
以上のように構成した内燃機関用点火コイル10は、絶縁ケース14の二次コイル12や鉄心13の収納された部位と、これらが収納されていない部位の熱硬化性樹脂16の占める量が鉄心カバー15の延設部15aによってほぼ等しくなるので、熱膨張によって発生する応力集中を抑制することができる。したがって、熱応力によって熱硬化性樹脂16にクラックが生じるのを未然に防止して、高い絶縁性を保持することができる。また、絶縁用熱硬化性樹脂16を射出成型した安価な延設部15aで置き換えることができるので、製造コストを低減することができる。
なお、上記した延設部15aは、熱硬化性樹脂16よりも線膨張係数の小さな材料であれば、PBT、PETに限ることなく、他の合成樹脂を使用することができる。また、本発明は、特許請求の範囲に示した技術的範囲において、他の変形例においても適用することができる。
図1は、本発明の内燃機関用点火コイルの一例を示す縦断面図である。 図2は、同内燃機関用点火コイルの側面方向から見た縦断面図である。 図3は、従来の内燃機関用点火コイルの一例を示す縦断面図である。 図4は、従来の内燃機関用点火コイルの側面方向から見た縦断面図である。 図5は、従来の内燃機関用点火コイルのクラックを示す説明図である。 図6は、従来の内燃機関用点火コイルの縦断面図である。 図7は、従来の内燃機関用点火コイルの側面方向から見た縦断面図である。
符号の説明
10 内燃機関用点火コイル
11 一次コイル
12 二次コイル
13 鉄心
14 絶縁ケース
15 鉄心カバー
15a 延設部
16 熱硬化性樹脂

Claims (5)

  1. 一次コイル及び二次コイルと、これらの一次コイル及び二次コイルを磁気的に結合させる鉄心と、前記鉄心を覆う鉄心カバーとを絶縁ケース内に収納し、絶縁及び防水用の熱硬化性樹脂を前記絶縁ケース内に注入し、その後熱硬化することにより各収納部品を絶縁固定した内燃機関用点火コイルであって、
    前記鉄心カバーの一部を前記二次コイルの最上点より上まで延設したことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 前記鉄心カバーの延設部を前記熱硬化性樹脂よりも線膨張係数の小さな材料で構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
  3. 前記鉄心カバーの延設部は、PBTで構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 前記鉄心カバーの延設部は、PETで構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関用点火コイル。
  5. 前記鉄心カバーの延設部は、前記二次コイルの上方で絶縁ケースの内側の空間を占めることを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の内燃機関用点火コイル。
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