JP2006286622A - 電界電子放出材料とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスペクト比を確保し、電子放出に際して発生する熱による熱収縮の影響、で基板から剥離したりせず、第3に、その発生熱でカーボン材料が消耗されにくくするなどして、発光ちらつきが抑制されて優れた電子放出性能を長期にわたり安定して維持できる電界電子放出材料およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本電界電子放出材料12は、主として電子放出用のグラファイトナノファイバ14と主として電子放出の補助用のカーボンナノチューブ16とを備え、基板10上にグラファイトナノファイバ14はカーボンナノチューブ16を介して配置されている構成。
【選択図】図1
【解決手段】本電界電子放出材料12は、主として電子放出用のグラファイトナノファイバ14と主として電子放出の補助用のカーボンナノチューブ16とを備え、基板10上にグラファイトナノファイバ14はカーボンナノチューブ16を介して配置されている構成。
【選択図】図1
Description
本発明は、電界を印加することにより電子を放出する電界電子放出材料に関するものであり、特に、カーボンファイバからなる電界電子放出材料およびその製造方法に関するものである。
電子放出材料にカーボンファイバを用いることが行われている(特許文献1参照。)。このような電子放出材料であるカーボンファイバを製造する方法としては、基板上にカーボン微粒子を溶媒に分散した懸濁液を作製し、適宜の印刷技術により所望のパターン形状に印刷した後、加熱処理することによりカーボンファイバを得る方法、基板上に化学気相成長法等により成長させてカーボンファイバを得る方法がある。前者の製造方法は製造コスト優先であるために、前者で製造したカーボンファイバは、後者の製造方法で製造したカーボンファイバと比較して電界電子放出特性の性能に劣る。ところで後者の製造方法で製造するカーボンファイバとしては例えばカーボンナノチューブとグラファイトナノファイバとがある。カーボンナノチューブは、高密度でかつ成長方向の制御性に優れているために構造制御が容易であるが、アスペクト比が高く細いためにその先端にゆらぎが生じて電子放出が安定化しにくく、また微量酸素存在下では表面積が大きいので電子放出の際の熱で容易に酸化燃焼して発光にちらつきが生じるという課題がある。これに対してグラファイトナノファイバは、微量酸素存在下でも燃焼するようなことがなく発光にちらつきが生じにくいというきわめて優れた特性を備える。しかしながら、グラファイトナノファイバは、電界印加方向に対して横倒しのように傾斜した状態で成長しているためにアスペクト比を確保しにくく、したがって、電界集中が起こりにくく発光しにくく、また、アルミや銅等の金属配線されたシリコンやガラス基板上においてグラファイトナノファイバでは発光により発生する熱により基板等との熱収縮差が大きく基板から容易に剥離して電子放出ができなくなることに加えて、その剥離に至らなくてもグラファイトナノファイバ内部に熱ストレスが蓄積されてその電子放出寿命の低下につながる、という課題がある。
以上のごとく、カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバには、電子放出を行うためのカーボンファイバとして有用な長所を備える反面、相互に解決すべき課題があった。
特開2003−16912
そこで、本発明は、カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバとのごとき2種類のカーボンファイバにおいて、双方の有用な長所を最大限活用可能にして、従来よりも格段に優れた電子放出材料を提供することを課題とするものである。換言すれば、本発明においては、一方のカーボンファイバが備える長所、例えば、優れた電子放出特性と、他方のカーボンファイバが備える長所、例えば、アスペクト比とか放熱特性等を活用することにより、全体としては従来では到底実現し得なかった画期的な電子放出材料を提供可能としたものである。
(1)本発明による第1の電界電子放出材料は、少なくとも2種類のナノサイズのカーボンファイバを備え、一方を主として電子放出用となし、他方を主としてその電子放出の補助用となして、相互が電子放出に関して補完し合う状態で共存していることを特徴とするものである。
また、本発明による第2の電界電子放出材料は、少なくとも2種類のナノサイズのカーボンファイバを備え、一方を主として電子放出用となし、他方を主としてその電子放出に際してアスペクト比の確保補助用、電子放出に際して発生する熱の放熱補助用および基板からの剥離防止ないしは熱収縮に伴うストレス緩和補助用のいずれかの補助用補助用となして、両カーボンファイバが電子放出に関して相互に補完し合う状態で共存していることを特徴とするものである。
本発明第1および第2の電子放出材料では、例えば、一方のカーボンファイバがグラファイトナノファイバであれば、発光にちらつきがないので電子放出用となし、他方がカーボンナノチューブであれば、発光にちらつきがあるものの、優れたアスペクト比、優れた放熱特性を有するので、相互に補完することにより、全体としては、発光にちらつきがなく、高いアスペクト比により低電界での電子放出が可能で、電子放出に伴う発熱を放熱してグラファイトナノファイバの消耗を抑制して長寿命化とし、発熱によるグラファイトナノファイバの熱収縮による剥離や熱ストレスの蓄積をカーボンナノチューブで防止および緩和することにより、全体としては、電子放出に関して従来ではなし得なかった優れた特性を備えた電子放出材料を提供することができる。
このような本発明による電子放出材料を例えば表示装置に適用すれば、蛍光体の発光ちらつきを抑制して表示品質に優れた表示装置を提供することができるようになる。
カーボンファイバとは、炭素を主成分とする柱状物質、あるいは、炭素を主成分とする線状物質と称することができる。また、カーボンファイバとは炭素を主成分とするファイバと称することができる。カーボンファイバであるカーボンナノチューブは、グラフェンが円筒形状(単一円筒ではシングルウォールカーボンナノチューブ、多重円筒ではマルチウォールカーボンナノチューブ)の形態をとり、その長手方向(ファイバの軸方向)を囲むようにグラフェンが配置されているファイバ状の物質である。カーボンナノチューブは、直径が1nm〜100nmであり、長さが0.3μm〜1000μmである。カーボンナノチューブは、このようにアスペクト比が大きいが、これに類するカーボンファイバとしては、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノバンブ等がある。この意義から、本発明においては、電子放出の補助用のカーボンファイバは、カーボンナノチューブに限定されるものではなく、カーボンナノチューブと実質、同様な補助をすることが可能であれば、他のカーボンファイバでもよい。
カーボンファイバであるグラファイトナノファイバは、グラファイトウイスカーとも称され、長手方向にグラフェンが多数積層ないし重なり合って連なったファイバ状の物質であり、直径が10nm〜600nmである。10nm以下では電子放出性能が劣るようになる。本発明は、グラファイトナノファイバと実質同様に電子放出が可能であれば、グラファイトナノファイバには限定されない。
カーボンファイバは、炭素の堆積を促進する物質である触媒(触媒金属)を用いて炭素を含むガスを分解して形成することができる。このガスには、アセチレン、エチレン、メタン、プロパン、プロピレン等があり、一酸化炭素、二酸化炭素、エタノールやアセトンの有機溶剤の蒸気を用いることができる。カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバは炭素を含む触媒や基板温度ガスの種類を変えたりして生成することができる。
上記カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバとの間に、炭素質固形物を介在させることが好ましい。炭素質固形物は、例えば、グラファイト、その他がある。炭素質固形物を介在させることで、カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバとの接着強度が向上してグラファイトナノファイバのカーボンナノファイバからの膜剥離を防止することができて好ましい。
(2)本発明の電界電子放出材料の製造方法は、熱とプラズマとをエネルギー源として基板上にカーボンナノチューブを堆積するとともに、このカーボンナノチューブ上にグラファイトナノファイバを堆積することを特徴とするものである。本発明の製造方法は、好ましくは、カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバとの間に炭素質固形物を堆積する。
本発明の製造方法においては、上記電界電子放出材料を製造するに際しては、熱とプラズマとの二つのエネルギー源を同時に用いるので、カーボンナノチューブ上にさらにグラファイトナノファイバを堆積することができるという効果を得ることができる。プラズマをエネルギー源として用いない場合は、カーボンナノチューブ上にグラファイトナノファイバを堆積できず、プラズマをエネルギー源として用いる場合は、カーボンナノチューブ上にグラファイトナノファイバを堆積することができる。
本発明によれば、少なくとも2種類のカーボンファイバが電子放出に関して相互に補完し合う状態で共存した電子放出材料であるから、低電界の印加で発光にちらつきのない電子放出が可能である一方で、電子放出に伴う発熱の影響が解消、抑制ないしは緩和されたものとなり、電子放出性能を長期にわたり安定して維持することに貢献することが可能な電界電子放出材料およびその製造方法を提供することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る電界電子放出材料とその製造方法を説明する。図1は、実施の形態の電界電子放出材料の構成を概念的に示す図、図2は、同電界電子放出材料のFE−SEM像を示す写真図、図3は、同電界電子放出材料の製造工程図、図4は、同電界電子放出材料の製造装置を示す図である。図1の電子放出材料、図3の製造工程では、理解のため、誇張して示しており、図2で実際の電界電子放出材料をFE−SEM写真像で示しており、FEM−SEMとしては、日本電子株式会社製のJSM−6700を用いた。
これらの図を参照して、10はシリコンの基板である。この基板10上に実施の形態の電界電子放出材料12が形成されている。電界電子放出材料12は、グラファイトナノファイバ14と、カーボンナノチューブ16と、接着材18とから構成されている。電界電子放出材料12は、基板10上にPVD法等により触媒金属が形成され、CVD法等により熱やプラズマ等のエネルギー源が付与された状態で、触媒金属に炭素を含む原料ガスを接触させてガスを分解することにより、基板10上に堆積されたものである。触媒金属には、例えば鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムまたはこれらの合金等がある。触媒金属は薄膜状あるいは微粒子状に基板10上に形成される。基板10が例えば絶縁性基板の場合は、該基板10上に金属薄膜を設け、その金属薄膜の上に触媒金属を設けることができる。この場合、触媒金属が基板10内に拡散すると基板10上に触媒金属が作製されないこともある。そのため、触媒金属の下地として非触媒金属を介装することが好ましい。触媒金属を例えば鉄とすると、非触媒金属としては例えばアルミニウムがある。本実施の形態では、触媒金属や非触媒金属は上記例に限定されない。上記原料ガスには、アセチレン、エチレン、メタン、プロパン、プロピレン等があり、一酸化炭素,二酸化炭素、エタノールやアセトンの有機溶剤の蒸気を用いることができる。グラファイトナノファイバ14とカーボンナノチューブ16は上記ガスの種類を変えたりして生成することができる。この堆積条件には例えば以下に述べる電界電子放出材料12の製造方法が示す製造条件が提案されるが、本実施の形態はこの製造条件の例に限定されるものではない。
実施の形態の電界電子放出材料12は、2種類のナノサイズのカーボンファイバにおいて、一方をグラファイトナノファイバ14としてこれを主として電子放出用として用いるとともに、他方をカーボンナノチューブ16としてこれを主として電子放出の補助用として用い、相互に補完可能にしたことを特徴とするものである。グラファイトナノファイバ14は、グラファイトウイスカーとも称され、長手方向にグラフェンが多数積層ないし重なり合って連なったファイバ状の物質であり、直径が10nm〜600nmである。カーボンナノチューブ16は、アスペクト比の確保用と、グラファイトナノファイバ14が電子放出動作に伴ない発生した熱の放熱用と、グラファイトナノファイバ14が基板10に対しての熱膨張率、換言すれば熱収縮率の相違から受ける熱ストレスの緩和用として用いる。グラファイトナノファイバ16は発光にちらつきがない電子放出材料を提供するものであり、カーボンナノチューブ16は、基板10とグラファイトナノファイバ14との間に介在することにより、グラファイトナノファイバの発熱に伴う伸縮を吸収するクッション作用を果たし、グラファイトナノファイバ14内部に熱ストレスが蓄積されないように補助するものである。カーボンナノチューブ16は、直径が1nm〜100nmであり、長さが0.3μm〜1000μmである。
接着材18は、例えば炭素質固形物からなり、グラファイトナノファイバ14とカーボンナノチューブ16との間に介在してグラファイトナノファイバ14とカーボンナノチューブ16との接着強度を増強しグラファイトナノファイバ14がカーボンナノチューブ16から剥離することを防止するものである。この炭素質固形物にはグラファイトが好ましい。接着材18は、カーボンナノチューブ16上に堆積されてカーボンナノチューブ16相互間の隙間を埋め込んでいる。上述の意義からは、本実施の形態の効果達成上、接着材18は好ましいが、必ずしも必須とはならず、実施の形態の電界電子放出材料12としては、グラファイトナノファイバ14とカーボンナノチューブ16とから構成することができる。
以上の構成を備えた電界電子放出材料12においては、カーボンナノチューブ16が大きなアスペクト比を有しているので、このカーボンナノチューブ16上に配置したグラファイトナノファイバ14は、電界集中が容易に起こり易くなる。また、グラファイトナノファイバ14は、基板10から分離しており、かつ、電子放出をして熱が発生した場合、カーボンナノチューブ16を介して熱が効率的に放熱されるので、その熱により熱収縮を抑制され、グラファイトナノファイバ14が基板10に配置されている場合と比較して、その熱収縮で基板10から剥離するということが防止される。さらに、グラファイトナノファイバ14の発生熱は効果的にカーボンナノチューブ16から放熱されるので、グラファイトナノファイバ14がその熱で消耗されにくくなり該グラファイトナノファイバ14の長寿命化が可能となる。また、接着材18により、グラファイトナノファイバ14とカーボンナノチューブ16との接着強度が向上してグラファイトナノファイバ14のカーボンナノファイバ16からの膜剥離を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態の電界電子放出材料12は、カーボンナノチューブ16を電子放出の補助用としたことにより、アスペクト比の確保、電子放出の際の発生熱の影響、熱収縮差による剥離の抑制、熱ストレスの緩和を図ることができる一方、グラファイトナノファイバ14を電子放出用としたことにより、発光ちらつきの防止ないしは抑制を図ることができ、従来、電界電子放出材料12をカーボンナノチューブ16単独、あるいは、グラファイトナノファイバ14単独で構成した場合の課題を一挙に解決することができる。
以上説明した実施の形態の電界電子放出材料12を図2のFE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)像写真で示す。この写真において、Aはカーボンナノチューブ層であり、Bは接着材層、Cはグラファイトナノファイバ層である。カーボンナノチューブ層Aは、カーボンナノチューブ16が多数密集したバンドル構成になっている。接着材層Bは、グラファイトからなる層であり、グラファイトナノファイバ層Cは、多数のグラファイトナノファイバ14が複雑に入り組んだ構成で示されている。この写真が示すように、グラファイトナノファイバ層Cは、カーボンナノチューブ層Aによりアスペクト比が確保されており、また、接着材層Bにより、グラファイトナノファイバ層Cとカーボンナノチューブ層Aとが接着されている。
図4に基づいて、電界電子放出材料12の製造方法の具体例を説明する。図4は上記製造に用いる熱CVD装置の概念的な構成図である。この熱CVD装置において、20は石英管チャンバ−である。石英管チャンバ−20の内部には一対の平行平板電極22,24が対向配置されている。下側の平行平板電極24は、アルミナ24aの上面に電極24bが埋設されている。26はガス導入管、28は排気管、30は電気炉、32は直流電源である。
以上の構成を備えた熱CVD装置の石英管チャンバ−20内にシリコン基板10が配置される。このシリコン基板10上には、EB−PVD装置を用いて10nmの膜厚のアルミニウム層(非触媒金属層)と1nmの膜厚の鉄層(触媒金属層)との2層が形成されている。非触媒金属は触媒金属が基板10の内部に拡散することを防止している。鉄は炭素ガスを分解してカーボンファイバ等を成長させる触媒作用を有する。実施の形態では、上記した非触媒金属、触媒金属に限定されない。
石英管チャンバ−20内の下側電極24上に基板10を配置する。次いで、石英管チャンバ−20を、電気炉30にて700℃に加熱し、排気管28に接続した真空ポンプで排気して石英管チャンバ−内圧を10−3Paに減圧し、アセチレンガス(原料ガス)とヘリウムガスとを1:4の割合で混合した混合ガスを石英管チャンバ−20に導入した状態で、直流電源32で両電極22,24間にDC500Vを印加して両電極22,24間にプラズマを発生させる。その後、約30分間の時間経過後に石英管チャンバ−20内部を排気管28を介して真空引きし室温まで冷却する。石英管チャンバ−20の内圧を常圧に戻した後、基板10を石英管チャンバ−から取り出す。その結果、基板10上に実施の形態の電界電子放出材料12が形成される。
以上の製造条件により製造した電界電子放出材料(サンプル1)12は上述した図2のFE−SEM写真像で示すものである。この写真像で示すサンプル1では、カーボンナノチューブ層Aが直径10nmないし20nm、長さが約300μmで基板10の全面に密集した成長しており、そのカーボンナノチューブ層Aの上部に炭素質固形物であるグラファイト層Bが堆積してカーボンナノチューブ層Aを構成する個々のカーボンナノチューブの相互間隙間を埋めているとともに、さらにその上部にグラファイトナノファイバ層Cを構成するグラファイトナノファイバが点在していることが確認することができた。また、このサンプル1に蛍光体を塗布した透明電極付きのガラス基板を、サンプル1とガラス基板との対向間隔を500μmに設定してDC2.0kVを印加したところ、蛍光体が発光したことを確認することができた。
以上において、上記熱CVD装置を用いてプラズマを発生させずに、上記と同様の過程を経て電界電子放出材料(サンプル2)を製作したところ、カーボンナノチューブが成長していることを確認することができたが、炭素質固形物であるグラファイトとグラファイトナノファイバの成長を確認することができなかった。このサンプル2でサンプル1と同様の条件でDC2.0kVを印加したところ、蛍光体の発光を確認することができたものの、発光のちらつきが多く発生しており、安定した発光を得ることができないことも確認することができた。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、少なくとも2種類のナノサイズのカーボンファイバが共存し、一方のカーボンファイバを主として電子放出用とし、他方のカーボンファイバを主として上記電子放出の補助用とする電界電子放出材料のすべてに及ぶものであり、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
10 基板
12 電界電子放出材料
14 グラファイトナノファイバ
16 カーボンナノチューブ
18 接着材
12 電界電子放出材料
14 グラファイトナノファイバ
16 カーボンナノチューブ
18 接着材
Claims (8)
- 少なくとも2種類のナノサイズのカーボンファイバを備え、一方を主として電子放出用となし、他方を主としてその電子放出の補助用となして、相互が電子放出に関して補完し合う状態で共存している、ことを特徴とする電界電子放出材料。
- 少なくとも2種類のナノサイズのカーボンファイバを備え、一方を主として電子放出用となし、他方を主としてその電子放出に際してアスペクト比の確保補助用、電子放出に際して発生する熱の放熱補助用および基板からの剥離防止ないしは熱収縮に伴うストレス緩和補助用のいずれかの補助用となして、両カーボンファイバが電子放出に関して相互に補完し合う状態で共存している、ことを特徴とする電界電子放出材料。
- 電子放出用のカーボンファイバがグラファイトナノファイバである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電界電子放出材料。
- 補助用のカーボンファイバが、カーボンナノチューブである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電界電子放出材料。
- 電子放出用のカーボンファイバがグラファイトナノファイバであり、補助用のカーボンファイバが、カーボンナノチューブであり、グラファイトナノファイバは、カーボンナノチューブ上に堆積されている、ことを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれか1項に記載の電界電子放出材料。
- 電子放出用のカーボンファイバと補助用のカーボンファイバとの間に、炭素質固形物を介在させた、ことを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれか1項に記載の電界電子放出材料。
- 電界電子放出材料の製造方法であって、熱とプラズマとをエネルギー源として基板上にカーボンナノチューブを堆積するとともに、このカーボンナノチューブ上にグラファイトナノファイバを堆積する、ことを特徴とする電界電子放出材料の製造方法。
- カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバとの間に炭素質固形物を堆積する、ことを特徴とする請求項7に記載の電界電子放出材料の製造方法。
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