JP2006286544A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2006286544A
JP2006286544A JP2005107947A JP2005107947A JP2006286544A JP 2006286544 A JP2006286544 A JP 2006286544A JP 2005107947 A JP2005107947 A JP 2005107947A JP 2005107947 A JP2005107947 A JP 2005107947A JP 2006286544 A JP2006286544 A JP 2006286544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
exchange resin
ion exchange
fuel cell
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005107947A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Iso
好博 井漕
Naohide Izumitani
尚秀 泉谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005107947A priority Critical patent/JP2006286544A/ja
Publication of JP2006286544A publication Critical patent/JP2006286544A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池の外部に配置されたイオン交換樹脂の凍結による破損を防止する。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池から排出された生成水中のイオンを除去するイオン交換樹脂を有するイオン除去装置としての気液分離器と、燃料電池システムが搭載された移動体の停止時において、気液分離器内に不凍液を供給し、イオン交換樹脂が不凍液内に没した状態にする凍結抑制手段とを備える。イオン交換樹脂が不凍液中に没することで、イオン交換樹脂内の水分の希釈化が図られるとともに、且つイオン交換樹脂の凍結が抑制されるので、イオン交換樹脂の破損が防止される。
【選択図】図2

Description

本発明は、システムで生成又は利用される水に含まれるイオンを燃料電池の外部で除去するイオン除去装置を含む燃料電池システムに関する。
従来、固体高分子形燃料電池(高分子電解質膜形燃料電池:PEFC)で生成された生成水を排出する管にイオン除去ユニットが設けられ、生成水中に含まれるイオンを除去するように構成された固体高分子型燃料電池システムがある(例えば、特許文献1)。
また、本発明に関連する先行技術文献として、下記の特許文献2〜7に開示された技術がある。
特開2002−313404号公報 特開2003−282106号公報 特開平10−223249号公報 特開2003−234113号公報 特開2004−14324号公報 特開2004−164971号公報 特開2004−178902号公報
特許文献1記載の技術では、イオン除去ユニットは、水が張られ、その中に生成水を含む排出ガスが通されるバブリングポットを有し、該ポットの水中に設けられたイオン交換樹脂がイオンを取り除くように構成されている。
しかしながら、このような構成では、零度以下の環境下では、イオン交換樹脂とイオン交換樹脂内に入り込んだ水分が凍結により膨張し、イオン交換樹脂が破損するおそれがあった。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、燃料電池の外部に配置されたイオン交換樹脂が低温環境下で破損することを防止することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。
すなわち、本発明は、燃料電池を含むシステムであって、
前記燃料電池の外部に配置され、該システムで生成又は利用される水からイオンを除去するイオン交換樹脂を含むイオン除去装置と、
前記イオン交換樹脂の凍結を抑制する凍結抑制手段と
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、イオン交換樹脂の凍結が抑制されることで、イオン交換樹脂の破損が防止される。
本発明による燃料電池システムは、例えば、イオン除去装置が、前記固体高分子型燃料電池から排出される生成水中のイオンを除去する
ことを特徴とする。
本発明による燃料電池システムは、例えば、凍結抑制手段が、不凍液を前記イオン除去装置に供給する不凍液供給手段を含み、
前記凍結抑制手段が、前記不凍液供給手段で不凍液を前記イオン除去装置に供給し、前記イオン交換樹脂を不凍液内に没した状態にする
ことを特徴とする。
本発明による燃料電池システムは、例えば、凍結抑制手段が、前記イオン交換樹脂を加熱する加熱手段を含むことを特徴とする。
本発明による燃料電池システムは、例えば、イオン除去装置が、前記燃料電池から排出される生成水が流れる配管の内部空間と該生成水中のイオンを透過する半透膜で隔てられた内部空間を有する容器部を含み、
前記容器部は、前記イオン交換樹脂を収容しており、
前記容器部の内部空間は、不凍液で満たされており、
前記生成水は前記半透膜を介して前記不凍液と接する
ことを特徴とする。
本発明による燃料電池システムは、例えば、前記イオン除去装置は、前記固体高分子形燃料電池の冷却水に含まれるイオンを除去する
ことを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池の外部に配置されたイオン交換樹脂が低温環境下で破損することを防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〔第1実施形態〕
〈燃料電池システムの構成例〉
図1は、本発明が適用される燃料電池システムの構成例を示す図である。当該燃料電池システムは、移動体(例えば車両)に搭載され、移動体に駆動力を供給する動力源として使用される。図1において、燃料電池1として、固体高分子型燃料電池(PEFC)が適用されている。燃料電池1は、複数のセルが積層されてなるセルスタックを構成している。
各セルは、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を両側から挟む燃料極(アノー
ド)及び空気極(酸化剤極:カソード)と、燃料極及び空気極を挟む燃料極側セパレータ及
び空気極側セパレータとからなる。
燃料極は、拡散層と触媒層とを有し、水素ガスや水素リッチガスなどの水素を含む燃料が燃料供給系により燃料極に供給される。燃料極に供給された燃料は、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、水素がプロトン(水素イオン)と電子とに分離される。水素イオンは固体高分子電解質膜を通って空気極に移動し、電子は外部回路(図示せず)を通って空気極に移動する。
一方、空気極は、拡散層と触媒層とを有し、空気等の酸化剤ガスが酸化剤供給系により空気極に供給される。空気極に供給された酸化剤ガスは、拡散層で拡散され触媒層に到達
する。触媒層では、酸化剤ガスと、固体高分子電解質を通って空気極に到達した水素イオンと、外部回路を通って空気極に到達した電子とによる反応により水が生成される。
このような燃料極及び空気極における反応の際に外部回路を通る電子が、燃料電池1のセルスタックの両端子間に接続される図示しない負荷に対する電力として使用される。
燃料電池1には、燃料を供給及び排出するための燃料供給/排出系と、酸化剤を供給及び排出するための酸化剤供給/排出系とが接続される。図1において、燃料供給/排出系は次のように構成されている。
すなわち、燃料電池1に設けられた燃料入口1Aは、水素源(例えば、高圧水素を貯留
したタンク)2及び調圧弁3と配管4を介して接続されている。一方、燃料電池1に設け
られた燃料出口1Bは、配管5を介して、燃料ガスの気液分離器6の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、燃料入口1Aと燃料出口1Bとを結び、且つセルの燃料極を経由する燃料通路1Cが設けられている。
燃料気液分離器6の気体側出口は、配管7を介して、モータにより駆動する循環ポンプ8の入口に接続されている。循環ポンプ7の出口は、配管9が設けられており、配管9は、逆止弁10を介して配管4に接続されている。また、配管9には、排気管11及び排気弁12が配置されている。排気弁12から排出されるガスは図示せぬ希釈器を通って水素濃度が薄められた後、外部に排出される。
以上の構成において、燃料ガスが通過する配管のうち、配管5、気液分離器6、配管7、配管9は、ステンレス(SUS)のような金属製の材質で構成されている。
このような構成により、水素源2から送り出される高圧の水素ガスは、調圧弁3で調圧された後、配管4を通って燃料入口1Aから燃料電池1に入り、燃料通路1Cを通過する際に燃料極にて電極反応に消費される。その後、燃料極を通過した水素ガスは、水素オフガスとして燃料出口1Bから配管5(燃料電池1の外部)へ排出され、気液分離器6へ送られる。
気液分離器6では、燃料オフガスが気相成分と液相成分とに分離され、気相成分は配管7を通って循環ポンプ8により再び配管4に供給される。このように、燃料電池1に供給される燃料ガスが循環するように構成されている。さらに、調圧弁3及び排気弁11の開閉制御により、燃料ガスの濃度が適正な範囲で保たれるように構成されている。
一方、図1において、酸化剤供給/排出系は、次のように構成されている。すなわち、燃料電池1に設けられた酸化剤入口1Dは、配管13を介してエアコンプレッサ14に接続されている。また、燃料電池1に設けられた酸化剤出口1Eは、配管15を介して酸化剤ガスの気液分離器16の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、酸化剤入口1Dと酸化剤出口1Eとを結び、且つセルの空気極を経由する酸化剤通路1Fが設けられている。さらに、気液分離器6の液相成分の出口は、ドレン弁を介して配管17の一端に接続されており、配管17の他端は配管15に接続されている。
このような構成によれば、エアコンプレッサ14のモータによる駆動により、酸化剤ガスとしての空気が配管13を介して燃料電池1に供給される。空気は酸化剤入口1Dから燃料電池1に入り、酸化剤通路1Fを通過する際に、空気極にて電極反応に消費される。空気極を通過した空気は、酸化剤オフガスとして酸化剤出口1Eから配管15(燃料電池
1の外部)に排出される。配管15に送り出された酸化剤オフガスは、配管17から合流
する液相成分とともに気液分離器16へ導入される。
気液分離器16では、気相成分と液相成分との分離が行われる。気相成分は、排出管16Aから排出され、図示せぬ希釈器を通り、濃度が薄まった状態で外部に排出される。液相成分は、排出管16Bから排出される。
ところで、燃料電池1では、空気極での反応によって水(生成水)が生成される。生成水は、固体高分子電解質膜を通じて空気極から燃料極に到達する。固体高分子電解質膜には、フッ素系樹脂系高分子膜が適用されている。このため、燃料極へ移動する生成水中にフッ酸(フッ素イオン)が溶出することがある。
燃料極へ到達した生成水は、燃料ガスとともに、燃料電池1の外部(配管5)に排出される。このとき、燃料電池1から排出される生成水中のフッ素イオンは、配管5等を構成する金属と反応し金属イオン(ステンレス(SUS)であれば、鉄(Fe),ニッケル(Ni),
クロム(Cr)等の各イオン)が溶出する要因となることがある。生成水は、気液分離器6
で液相成分として燃料オフガスから分離され、配管17、14を通じて気液分離器16に導入される。気液分離器16では、その内部に配置されたイオン交換樹脂により、生成水からフッ素イオンや金属イオンを除去する。
以下、気液分離器16内に配置されたイオン交換樹脂が、低温環境下で破損することを防止する構成について例示する。
〈気液分離器16の構成〉
図2は、第1実施形態における気液分離器16を中心とした構成例を示す図であり、図2(A)は、移動体の移動時を示し、図2(B)は、移動体の停止時を示す。図2において、気液分離器16の本体21は、上部及び下部が閉塞された円筒形状に構成されており、その内部空間は気液分離室22として機能する。
気液分離室22は、本体21の側面に取り付けられた配管15(図1)の内部空間と連通している。また、気液分離室22は、本体21の上面に取り付けられた排出管16Aの内部空間と連通している。
気液分離室22の底面の中心には開口部23が設けられており、底面は気液分離室22の内側面から開口部23に向かって低くなるように傾斜している。開口部23には、ドレン弁24を介して排出管16Bが取り付けられている。また、気液分離室22の底面には、不凍液(LLC:Long Life Coolant)の供給/排出口25が形成されている。
気液分離室22の底面上には、イオン交換樹脂31が固着されている。イオン交換樹脂31は、開口部23及び供給/排出口25を除き、底面上に敷き詰められた状態となっている。イオン交換樹脂31は、マイナスイオン(フッ素イオン等)を除去するためのアニオン交換樹脂と、プラスイオン(金属イオン等)を除去するためのカチオン交換樹脂とからなる。
供給/排出口25は、弁26及び配管27を介してポンプ28に接続されている。ポンプ28は、配管29を介して不凍液の貯留槽30(図1)に接続されている。不凍液として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールが適用される。
ドレン弁24及び弁26は、例えば電磁弁で構成される。ドレン弁24,弁26,ポン
プ28(ポンプ28に駆動力を与えるモータ28A)の動作は、ECU(Electronic Control Unit)32により制御される。
ECU32は、CPU(中央演算処理装置)のようなプロセッサ,メモリ(ROM、RA
M等)、入出力インタフェース等から構成されており、プロセッサがメモリに記憶された
プログラムを実行することによって、気液分離室22に対する不凍液の供給/排出処理等を行う。
以上の構成によれば、燃料電池1の発電中(移動体の移動時)には、配管15からの生成水を含む酸化剤オフガスが気液分離室22内に導入される。配管15は、本体21の水平方向断面円形に対する接線方向に取り付けられており、配管15から気液分離室22内に導入された酸化剤オフガスは気液分離室22の内周面に沿って旋回する。
すると、比重の軽い気相成分(酸化剤オフガス)は配管15から導入される酸化剤オフガスに押し出されるようにして排出管16Aから排出される。一方、酸化剤オフガス中の液相成分(生成水)は、気液分離室22の底部に移動する。このとき、ドレン弁24及び弁26は閉弁状態にあり、気液分離室22の底部には生成水が溜まる。
底部に溜まった生成水は、イオン交換樹脂31内に浸透する(イオン交換樹脂31が生
成水中に浸される)。これにより、生成水中のイオン(フッ素イオン、金属イオン)が、イ
オン交換樹脂31に吸着され、生成水中から除去される。そして、適宜のタイミングでドレン弁24が開弁されることにより、イオンが除去された生成水が排出管16Bから排出される。
ここで、イオン交換樹脂31は、零度以下(水の凝固点)以下の環境下では、イオン交換樹脂31、及びその内部に入り込んだ水分の凍結・膨張により破損(粉砕)する可能性がある。イオン交換樹脂31が破損すると、破損により生じた欠落物(粉状物)が酸化剤オフガスとともに排出管16Aから排出される可能性がある。欠落物の回収は困難であり、また、欠落によるイオン交換樹脂31の減少によりイオン除去機能が低下する可能性もある。ECU32は、イオン交換樹脂31の破損を防止するため、次のような不凍液の供給/排出処理を行う。
〈ECU32による処理〉
ECU32は、移動体が停止しているか否か(燃料電池1の運転のオン/オフ)を検出する構成を持つ。例えば、ECU32は、燃料電池1の運転のオン/オフを示す信号として、移動体のイグニッションスイッチのオン/オフを示す信号が入力されるように構成されている。ECU32は、オフを示す信号を受け取ると、移動体が停止していると判定する。なお、ECU32が移動体の速度信号を受け取り、速度が零の場合に移動体が停止している(燃料電池1の運転停止)と判定するように構成されていても良い。
ECU32は、移動体が停止していると判定すると、気液分離室22に対する不凍液の供給処理として、例えば次のような処理を行う。即ち、ECU32は、ドレン弁24を開弁状態にして可能な限り気液分離室22に溜まった生成水を排出する。例えば、ECU32は、気液分離室22からの生成水の排出に必要な所定時間、ドレン弁24に制御信号を与えて開弁状態にする。所定時間は実験等に基づき規定することができる。
所定時間が経過すると、ECU32は、ドレン弁24を閉弁状態にする。続いて、ECU32は、弁26に制御信号を与えて開弁状態にする。さらに、ECU32は、モータ28Aに対し、不凍液を供給する制御信号を与える。これにより、ポンプ28が駆動(正転)し、貯留漕30内に貯留された不凍液が配管27から供給/排出口25を通って気液分離室22内に供給される。
不凍液の供給は、気液分離室22内のイオン交換樹脂31が不凍液内に没する状態(図
2(B)参照)になるまで行われる。例えば、ECU32が所定時間ポンプ28の駆動を行
い、この所定時間内にイオン交換樹脂31が完全に没する量の不凍液が気液分離室22内に供給されるように構成する。
或いは、気液分離室22内に設けられた水位センサの出力をECU32が受け取るように構成し、ECU32が水位センサの出力が所定の水位(イオン交換樹脂31が没する水
位)を示すまでポンプ28による不凍液の供給を継続する。
イオン交換樹脂31が不凍液内に没することで、気液分離室22内が零度以下の環境となった場合であっても、イオン交換樹脂31の凍結が抑制される。また、イオン交換樹脂31が不凍液内に没することで、イオン交換樹脂31内の水分(生成水)は希釈化される(
水分が不凍液中に溶ける)。これにより、水分(生成水)がイオン交換樹脂31内から洗い
出された状態となる。従って、零度以下の環境下でも、イオン交換樹脂31内の水分の凍結膨張は抑止され、イオン交換樹脂31の破損が防止される。
その後、移動体の停止状態(燃料電池1の運転停止状態)が解除される(ECU32がイ
グニッションスイッチのオン信号を受け取る)と、ECU32は、気液分離室22からの
不凍液の排出処理として、例えば次のような処理を行う。即ち、ECU32は、モータ28Aに制御信号を与え、ポンプ28を逆転させる。これにより、気液分離室22内の不凍液は、配管27、ポンプ28、配管29を通って貯留槽30に戻される。
ポンプ28の駆動時間は、気液分離室22から十分に不凍液を排出するに必要な時間を考慮して決定される。或いは、気液分離室22内に設けられた水位センサが不凍液の排出完了を示す水位を示すまで、ポンプ28の排出動作が継続される。不凍液の排出が完了すると、ECU32は、弁26を閉弁状態にする、これによって、気液分離器16が、図2(A)に示す状態となる。
なお、上記した例では、移動体が停止状態になると、気液分離室22内に不凍液が供給される構成例を示した。このような構成に対し、図2に示すように、温度センサ33を用意し、移動体の停止時において、ECU32が温度センサ33の出力から得られる温度に基づき不凍液を供給するか否かを決定するようにしても良い。
この場合、温度センサ33は、外気温、気液分離器16の本体21の表面温度、気液分離器22内の温度、イオン交換樹脂31の表面温度のうち、任意の箇所を測定する適宜の位置に配置される。
ECU32は、移動体の停止を検出した場合に、温度センサ33を用いて測定される温度が所定温度未満か否かを判定し、所定温度未満であれば、上述したような不凍液の供給処理を行う。これに対し、温度が所定温度未満でなければ、ECU32は、当該温度の監視を継続し、移動体の停止状態が解除される迄の間に、温度が所定温度未満となった時点で、不凍液の供給処理を開始する。なお、上記供給処理の開始判定に、複数の箇所で測定された温度を用いるようにすることもできる。
なお、上記した構成例では、気液分離室22内の生成水が供給/排出口25から配管27に流れ込むのを防止すべく、弁26を設けている。もっとも、供給/排出口25とポンプ28との距離を十分に短くすることができれば、弁26を省略し、ポンプ28を弁の代わりに適用することが考えられる。
また、上記した構成例では、不凍液を貯留する貯留漕30が用意された例を示した。これに代えて、燃料電池1の冷却系を構成するラジエータ74(図1)内の不凍液が気液分離
室22に対して供給/排出される構成も考えられる。また、ラジエータ74と燃料電池1との間を循環する冷媒に不凍液が適用されている場合には、その不凍液を気液分離室22に対して供給/排出することも考えられる。
〈第1実施形態の作用効果〉
第1実施形態によれば、内部にイオン交換樹脂31が配置された気液分離器16がイオン除去装置として機能する。また、ドレン弁24,弁26,配管27,ポンプ28,モータ28A,配管29,貯留槽30,及びECU32がイオン交換樹脂31の凍結を抑制する凍結抑制手段として機能し、ポンプ28が不凍液供給手段として機能する。
制御手段たるECU32が、ドレン弁24,弁26,ポンプ28の動作を制御することにより、移動体の停止時において、気液分離室22内のイオン交換樹脂31が不凍液内に没した状態とされる。
これにより、零度以下の環境下においても、イオン交換樹脂31及びその内部の水分が凍結・膨張することが抑えられる。従って、イオン交換樹脂31の破損が防止される。破損が防止されることにより、破損により生じるイオン交換樹脂31の欠落部分の回収を考慮する必要がなくなる。また、イオン交換樹脂31の一部が欠落することが防止されることで、イオン交換樹脂31の減少によるイオン除去機能の低下を抑えることができる。
〈変形例〉
図1及び図2を用いて説明した第1実施形態では、酸化剤オフガスの気液分離器16に対して不凍液を供給/排出する構成を例示した。これに対し、図1に示すような燃料オフガスの気液分離器6に対し、図2に示すような不凍液の供給/排出する構成を適用し、気液分離器6内に配置されたイオン交換樹脂が不凍液内に没する構成とすることが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態との共通点を有する。このため、共通点については説明を省略し、主として相違点について説明する。
〈気液分離器の構成〉
第2実施形態は、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成が第1実施形態と異なる。図3は、第2実施形態における、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成例を示す図である。
第2実施形態では、図1及び図2に示した気液分離器16の代わりに、気液分離器35が適用される。気液分離器35は、気液分離器16(図2)と次のように異なる。即ち、気液分離器35の本体36の内部空間は、気液分離室37として機能する。
気液分離室37の底面には、第1実施形態と異なり、不凍液の供給/排出口は形成されておらず、イオン交換樹脂31が開口部25を除いて底面上に敷き詰められた状態で配置されている。その代わりに、気液分離室37内には、イオン交換樹脂31が完全に没する量の不凍液(図3ではLLC)が、常に充填された状態となっている。
開口部25には、ドレン弁24及び配管38が取り付けられている。開口部25,ドレン弁24及び配管38は、気液分離室37内の不凍液LLCの補充・交換のために用意されたものであり、必須のものではない。また、第2実施形態からは、弁26,配管27,ポンプ28,モータ28A,配管29及び貯留槽30が省略される。
以上の点を除き、気液分離器35の構成は、気液分離器16と同様である。このような構成によって、配管15から気液分離室37内に導入された酸化剤オフガスから生成水が分離され、気液分離室37の下部において、不凍液LLCに溶け込む構成となっている。このとき、生成水に含まれるイオン(フッ素イオン、金属イオン)は、イオン交換樹脂31に吸着することで除去される。
このように、イオン交換樹脂31が常時不凍液LLC内に没していることで、気液分離室37内の温度が零度以下になったとしても、イオン交換樹脂31は凍結せず、イオン交換樹脂31の破損が防止される。
〈加熱手段〉
第2実施形態では、気液分離室37は、不凍液中の生成水を蒸発させる蒸発室として使用される。気液分離室37内で蒸発した生成水(水蒸気)は、酸化剤オフガスとともに排出管16Aから排出される。このため、第2実施形態では、気液分離器35内の生成水を蒸発させるための加熱手段を有する。加熱手段として、図3に示すような第1加熱手段、図5に示すような第2加熱手段の適用が考えられる。
《第1加熱手段》
第1加熱手段は、例えば図3に示すように、電力供給部39と、電力供給部39と通電線40を通じて接続された電熱線ヒータ41(以下、単に「ヒータ41」と表記)とを備えている。ヒータ41は、例えば、気液分離器35の本体36の側面及び底面を取り巻くように設けられ、気液分離室37を一様に加熱するように構成されている。
電力供給部39は、燃料電池システムが搭載される移動体の駆動力を生成する発電機(
モータ:図示せず)において、移動体の減速時に生じる回生ブレーキにより生成される余
剰エネルギーを用いてヒータ41に対する電力供給(通電(電圧印加))を行う。
電力供給部39は、移動体駆動用の発電機で発生する回生ブレーキによる電力(回生エ
ネルギー(余剰エネルギー))を受け取るように構成されている。この余剰エネルギーが電
力供給部39から通電線40を介してヒータ41に与えられ、ヒータ41の発熱により、気液分離室37(蒸発室)内が加熱される。
電力供給部39は、二次電池39Aを有しており、発電機からの電力は二次電池39Aの充電に使用することもできる。この場合、電力供給部39に受入される電力の一部が常に二次電池39Aの充電に使用され、残りがヒータ41に供給されるようにしても良い。或いは、優先的に二次電池39Aの充電が行われ、二次電池39Aの充電量が上限に達している場合に、受入電力がヒータ41に供給されるようにしても良い。
ヒータ41は、電力供給部39からの電力により発熱し、気液分離室37(蒸発室)を加熱する。これによって、気液分離室37内に貯留された不凍液LLCの温度が水の沸点(
100℃)を超えると、不凍液LLC中の生成水が蒸発し、酸化剤オフガスの気相成分と
ともに排出管16Aから排出される。
通常、不凍液として適用されるエチレングリコールやプロピレングリコールの沸点は、水の沸点よりも高い。このため、水の沸点以上不凍液の沸点未満の範囲で不凍液LLCが加熱されれば、不凍液LLC中の水分(生成水)のみが蒸発する。このため、ECU32は、次のような温度制御を行うことができる。
例えば、図3に示すように、気液分離室37内には、不凍液LLCの温度を測定するた
めの温度センサ42が設けられる。温度センサ42の出力はECU32に入力される。ECU32は、温度センサ42の出力に基づき不凍液LLCの温度を測定する。このとき、温度制御のための規定値として、少なくとも、水の沸点を考慮した第1の規定値と、不凍液LLCの沸点を考慮した第2の規定値とが用意される。
図4は、第1及び第2の規定値を使用するECU32による温度制御の例を示すフローチャートである。図4において、ECU32は、不凍液LLCの温度(液温)を測定し、E気温が第1の規定値以下か否かを判定する(ステップS1)。
液温が第1の規定値を上回る場合(S1;NO)には、ECU32は、液温が水の沸点以上であるものとして、処理をステップS1に戻す。これに対し、液温が第1の規定値以下である場合(S1;YES)には、液温が水の沸点未満であるものとして、電力供給部39に制御信号を与え、ヒータ41をオフ状態(回生エネルギーの発生に拘わらず、ヒータ4
1へ電力が供給されない状態)から、オン状態(通電可能状態:電力供給部39に対して回生エネルギー(電力)が受入されると、この電力がヒータ41に供給される状態)に遷移さ
せる。
続いて、ECU32は、液温が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS3)。第2の規定値は、例えば、不凍液LLCの沸点よりもやや低い温度に設定される。ここで、液温が第2の規定値未満であれば(S2;NO)、ECU32は、液温を上昇させて生成水の蒸発を開始又は促進させるべく、ヒータ41に対する通電可能状態を維持する(S2,
S3のループ)。
これに対し、液温が第2の規定値以上であれば、液温が不凍液LLCの沸点を超えて蒸発する(不凍液LLCが減少する)のを防止すべく、ECU32は、電力供給部39を制御してヒータ41をオフ状態に遷移させる(ステップS4)。その後、ECU32は処理をステップS1に戻す。
上記した処理において、ヒータ41のオン/オフ制御は、例えば、次のように構成可能である。電力供給部39とヒータ41(通電線40)との間に開閉スイッチを設け、開閉スイッチがオン(閉状態)となると、通電線40を通じてヒータ41に電力が供給される状態となり、開閉スイッチがオフ(開状態)となると、通電線40からヒータ41に対する電力供給が停止される構成とし、ECU32が電力供給部39に対して開閉スイッチのオン/オフを制御する信号を電力供給部39に与える。
また、ECU32は、ヒータ41のオン状態において、回生エネルギーの発生頻度が小さく、回生エネルギーの通電のみでは適正な温度上昇が図れない場合には、通電線40と二次電池39Aとの間を接続する接続スイッチをオンにする制御信号を電力供給部39に与え、回生エネルギーによる電力に加えて二次電池39Aからの電力がヒータ41に供給されるように構成しても良い。
なお、図4に示すような温度のフィードバック制御において、さらにヒータ41のオン/オフを細分化して行うことが可能である。また、図3に示す構成に加えて、気液分離室37内に水位センサ31を配置し、気液分離室37内の水位に応じて温度制御が行われるようにしても良い。
上述したECU32による処理(温度制御)は、生成水が燃料電池1の運転時のみに発生することから、燃料電池1のオン/オフ(移動体の駆動(停止解除)/停止)に合わせて、移動体の駆動時(燃料電池1の運転(発電)時)にのみ行われる。燃料電池1のオン/オフの検出は、第1実施形態で説明した手法と同様の手法が適用される。
《第2加熱手段》
また、図3及び図4に示した第1加熱手段の代わりに、又は併用を前提として、次のような第2加熱手段の適用を考えることができる。図5は、第2加熱手段の構成例を示す図である。図5に示すように、第2加熱手段は、例えば、熱媒体(気体又は液体)の循環路43と、循環路43上に配置され熱媒体を循環させるポンプ44と、温度センサ45とを含んで構成される。
循環路43の一部は、例えば、図5に示すように、気液分離器35の本体36を取り巻くように設けられる。また、エアコンプレッサ14(図1)の出口(吐出口)付近の配管13内を通過するように構成される。
エアコンプレッサ14から配管13に吐出される空気は、その圧縮により高温となる(
水の沸点以上)。ポンプ44により循環路43内を循環する熱媒体は、配管13内におい
てエアコンプレッサ14から吐出される圧縮空気により加熱され、本体36の周囲を通過する間に、その熱を気液分離室37(蒸発室)内に伝達することができる。これにより、気液分離室37内の温度(液温)を水の沸点以上に上昇させることが可能になっている。
但し、エアコンプレッサ14から吐出される空気の温度(エアコンプレッサ14の出口
直後の配管13内の温度)は、エアコンプレッサ14の駆動量に依存する。このため、温
度センサ45が、エアコンプレッサ14から吐出された直後の配管13内の温度を計測するように設けられている。温度センサ45の出力信号は、ECU32に入力される。ECU32は、熱媒体の循環により気液分離室37内が適正に加熱されるように、ポンプ44のオン/オフを制御する。
図6は、ECU32による処理(第2加熱手段(のポンプ33)の制御)例を示すフローチャートである。図6において、ECU32は、処理を開始すると、温度センサ45の出力に基づきエアコンプレッサ14から吐出される空気の温度(吐出温度)を測定し、吐出温度が所定の設定値(予め設定されている)より大きいか否かを判定する(ステップS01)。設定値は、例えば、気液分離室37内の液温を水の沸点以上に上昇させることが可能な温度に設定される。
吐出温度が設定値よりも大きい場合(S01;YES)には、ポンプ44がオンにされる(ステップS02)。即ち、ECU32は、ポンプ44の駆動力を生成するモータ44Aに対し、オン信号(駆動信号)を与える。
これに対し、吐出温度が設定値未満である場合(S01;NO)には、ポンプ44がオフにされる(ステップS03)。即ち、ECU32は、ポンプ44のモータ44Aに対し、オフ信号(停止信号)を与える。
ステップS02又はS03の処理が終了すると、処理がステップS01に戻る。このような制御によって、吐出温度が設定値を上回る間、ポンプ44が熱媒体を循環させて気液分離室37に案内された生成水の加熱(液温上昇又は維持)が行われる。一方、吐出温度が設定値未満となると、ポンプ44による熱媒体の循環が停止し、熱媒体との熱交換で液温が低下することが防止される。
第1加熱手段(図3)と第2加熱手段(図5)とを併用する場合には、第1加熱手段を第2加熱手段の補助として使用することが考えられる。例えば、加熱が要求される場合には、優先的に第2加熱手段が利用される。第2加熱手段により適正な温度制御を図ることができない場合に、第1加熱手段が使用される。もっとも、図6に示したような第2加熱手段
の動作は、第1加熱手段の動作から独立して行われるように構成することも可能である。
なお、図5において、循環路43の一部が気液分離器35の本体36の周囲を取り巻く構成とした。このような構成に代えて、循環路43が気液分離室37内を通過するように構成しても良い。
或いは、循環路44の一部がエアコンプレッサ14又はこれに駆動力を与えるモータ14Bに接触するように構成し、エアコンプレッサ14又はモータ14Bの駆動により発生する熱が循環路43の熱媒体に伝達される構成としても良い。
或いは、本体36の外壁がエアコンプレッサ14又はモータ14Bに接触するように構成され、エアコンプレッサ14又はモータ14Bからの熱が気液分離室37に伝達されるように構成することも考えられる。この場合、循環路43及びポンプ44は不要である。
〈第2実施形態の作用効果〉
第2実施形態によれば、気液分離器35がイオン除去装置として機能し、気液分離室37内に導入された生成水中のイオンをイオン交換樹脂31で除去する。気液分離室37内は、イオン交換樹脂31が没する程度の不凍液LLCが常に充填された状態とされている。これによって、気液分離室37が零度以下の環境となったとしても、イオン交換樹脂35の凍結が抑制され、イオン交換樹脂31が破損することがない。
また、第2実施形態では、気液分離器35内の生成水は、加熱手段、及び/又は第2加熱手段により生成水のみが不凍液LLCから除去される。これによって、不凍液LLC中に含まれる水の割合が低減される。このとき、不凍液LLCの加熱がその沸点よりも低い温度に抑えられることで、不凍液LLCの減少を抑えることができる。
なお、温度の上昇によりイオン交換樹脂31のイオン吸着機能が低下する可能性がある。これについては、気液分離室37内に配置するイオン交換樹脂31の量を、イオン吸着機能が温度上昇により低下しても適正にイオン除去が行われる程度の量とすることで補填することができる。イオン交換樹脂31のイオン吸着機能自体は、温度サイクル(温度の
上下変化)によって劣化することはない。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1及び第2実施形態と共通点を有するので、主として相違点について説明する。第3実施形態は、第1実施形態における気液分離器16を中心とした構成が異なる。
〈気液分離器の構成〉
図7は、第3実施形態における、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成例を示す図である。図7において、気液分離器47は、第1本体48と、第1本体48の下部に設けられた第2本体49との各内部空間を、オリフィス50で上下方向に連通してなる。
第1本体48には、配管15及び排出管16A(図1、図2)が第1実施形態における気液分離器16と同様の構成で取り付けられており、第1本体48の内部空間は、気液分離器16と同様の原理により配管15からの酸化剤オフガスの気液分離を行う気液分離室51として使用される。
気液分離室51で分離された生成水は、その底部に移動し、オリフィス50を通って第2本体49の内部空間に移動する。もっとも、オリフィス50によって第2本体49へ移動する生成水の量は調整(制限)されるので、気液分離室51で分離された生成水は、オリ
フィス51を通過するまでの間、気液分離室51の底部に一旦溜まる状態となる。
第2本体49の内部空間は、オリフィス50を通じて案内される生成水に含まれたイオン(フッ素イオン、金属イオン)を除去するドレン室52として機能する。ドレン室52の底面上には、イオン交換樹脂31が敷き詰められた状態で配置されている。
第2本体49の底壁には、開口部53が設けられ、開口部53には排出管16Bが接続されている。このような構成により、オリフィス50を通じてドレン室52に案内された生成水は、イオン交換樹脂31を通過した後、開口部53から配管16Bへ排出される。生成水中のイオンは生成水がイオン交換樹脂31を通過する際にイオン交換樹脂31に吸着し、除去される。
上記したように、ドレン室54に案内される生成水の流量は、オリフィス50により調整される。これによって、一時に多量の生成水がドレン室54に流れ込み、短い時間でドレン室52を通過してしまうことが防止される。即ち、オリフィス50によってドレン室52への生成水の案内量が制限されることで、イオン交換樹脂31によるイオン除去性能を効率的に引き出すことができる。
イオン交換樹脂31の凍結・膨張による破損を防止するため、第3実施形態では次の構成が採用されている。即ち、第2本体49の底面には、電熱線ヒータ54(以下、単に「
ヒータ54」と表記)が設けられている。ヒータ54は、ドレン室52内部に配置された
イオン交換樹脂31が底壁を介して積層された状態(ヒータ54上にイオン交換樹脂31
が底壁を介して載置された状態)となっている。このような構成により、ヒータ54の発
熱によって、イオン交換樹脂31が一様に加熱される。
第2本体49及びヒータ54は、断熱材55により被覆されている。断熱材55の一部は、第1本体48と第2本体49との間に介装されている。このような構成により、ドレン室52内の温度が保温され、少ない熱量(電力)で効率良くドレン室52内のイオン交換樹脂31の凍結が防止されるようになっている。また、第2本体49の熱が第1本体48に伝わり、気液分離室51における気液分離効率が低下することが防止される。
電熱線ヒータ54は、通電線を介して電力供給部39に接続されている。電力供給部39は、第2実施形態と同様の構成を持ち、その動作はECU32によって制御される。ドレン室52内には、イオン交換樹脂31の表面又は内部温度(「樹脂温度」と称する)を検出する温度センサ56が設けられている。ECU32は、温度センサ56の出力を用いて測定される樹脂温度に基づき、イオン交換樹脂31(ドレン室52)の加熱を制御する。樹脂温度の代わりにドレン室52内の温度を適用することもできる。
なお、ヒータ54とイオン交換樹脂31とが積層構造にされることで、イオン交換樹脂31の温度分布は一様にされているので、イオン交換樹脂31に対して代表点を定め、一つの温度センサ56でその代表点の温度を測定すれば、イオン交換樹脂31のどの位置の温度も把握できるようにされている。
〈ECUによる処理〉
ECU32は、第1実施形態と同様に、移動体の駆動(走行)/停止を監視するように構成されており、移動体の駆動(走行)時には、図8に示すような第1の温度制御処理を行い、移動体の停止時には、図9に示すような第2の温度制御処理を行う。
《第1の温度制御処理》
図8に示す処理が開始されると、ECU32は、移動体(車両)が停止しているか否かを
判定する(ステップS11)。このとき、移動体が停止していれば(S11;YES)、処理がステップS11に戻される。これに対し、移動体が停止していなければ(移動体が走行
していれば:S11;NO)には、ECU32は、温度センサ56の出力を用いて樹脂温
度を測定し、樹脂温度が所定温度T1以下か否かを判定する(ステップS12)。
所定温度T1は、例えばイオン交換樹脂31内の水分が凍結し始めると予想される温度を以て規定することができる。言い換えれば、所定温度T1は、イオン交換樹脂31内の水分が凍結しない温度(T1>0℃)に設定される。このとき、所定温度T1をイオン交換樹脂31によるイオン除去について好適な温度とすることもできる。
樹脂温度が所定温度T1以下である場合(S12;YES)には、ECU32は、電力供給部39に制御信号を与え、ヒータ54に対する回生エネルギーによる通電可能状態(ヒ
ータオン)とする(ステップS13)。その後、処理がステップS11に戻る。
これにより、移動体の減速によって回生エネルギーが生じる毎に、その電力が電力供給部39から通電線を介してヒータ54に供給され、イオン交換樹脂31が加熱される。これによって、イオン交換樹脂31の凍結が抑制され、その破損が防止される。
一方、ステップS12において、樹脂温度が所定温度T1を上回る場合(S12;NO)には、ECU32は、イオン交換樹脂31が凍結しない温度が維持されているものとして、電力供給部39に制御信号を与え、ヒータ54に対する通電をオフの状態(ヒータオフ)にする(ステップS14)。その後、処理がステップS11に戻る。
このように、樹脂温度が所定温度T1を上回るように、ヒータ54によるイオン交換樹脂31の加熱制御が行われる。ヒータオフの状態では、回生ブレーキにより生じる回生エネルギーは、電力供給部39に備えられた二次電池39Aの充電に利用される。
《第2の温度制御処理》
図9に示す処理が開始されると、ECU32は、移動体(車両)が停止しているか否かを判定する(ステップS21)。移動体が停止していない場合(走行中である場合:S21;
NO)には、処理がステップS21に戻される。
これに対し、移動体が停止している場合(S21;YES)には、ECU32は、外気温を測定するための温度センサ(図示せず)を用いて、外気温が所定温度t1より低いか否かを判定する(ステップS22)。所定温度t1は水が凍結する零度より低い温度で設定される。
外気温が所定温度t1より高い場合(S22;NO)には、ECU32は、自身に内蔵されたタイマをリセットし(S23)、処理をステップS21に戻す。これに対し、外気温が所定温度t1より低い場合(S22;YES)には、ECU32は、タイマが初期状態(リ
セット直後の状態)であるか否かを判定する(ステップS24)。
タイマが初期状態である場合(S24;YES)には、ECU32は、タイマをスタートさせる(ステップS25)。その後、処理がステップS26に進む。タイマが初期状態でない場合(S24;NO)には、ECU32は、処理をステップS26へ進める。
ステップS26では、ECU32は、タイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。タイマは、所定の時間を計時するとタイムアウトとなって停止する。ECU32はタイマ値がタイムアウト値を示す場合には、タイムアウトになっていると判定する。
タイマがタイムアウトになっていなければ(S26;NO)、処理がステップS21に戻される。一方、タイマがタイムアウトになっていれば(S26;YES)、ECU32は、タイマをリセットし(ステップS27)、その後、ヒータ54をオン状態にする(ステップ
S28)。
ステップS21〜S28の処理では、移動体の走行が停止され、零度以下の環境下に長時間放置されたか否かが判定される。移動体が停止され、零度以下の環境下に放置されると、ドレン室52の温度は次第に低下し、やがては零度以下となり、イオン交換樹脂31が凍結することが想定される。
これに基づき、ステップS21で移動体の放置が開始されたことが検知され、ステップS22で外気温が所定温度t1(零度以下)であることが検知された場合には、タイマによる計時がスタートされる(S25)。
タイマの計時時間は、移動体の走行が停止された後、外気温との関係でドレン室52内の温度が氷点下となるのに必要な時間(実験等で求めることができる)が考慮され、当該時間より長くならないように決定される。ここでは、タイマの計時時間は外気温に応じて複数種類用意されている。ECU32は、ステップS22で測定された外気温に応じたタイマの計時時間をステップS25でタイマにセットし、計時をスタートする。
タイマの計時中において、外気温が所定温度t1以上となった場合(S22;NO)や、移動体の走行(駆動)が開始された場合(S21;NO)には、ドレン室54内の温度低下が抑止されたと考えられるので、タイマがリセットされる(S23)。
これに対し、タイマがタイムアウトになった場合(S26;YES)には、そのままであるとイオン交換樹脂31が凍結するものとして、ECU32は、ヒータ54による加熱を開始する(S28)。但し、この時点では、移動体は停止(燃料電池1の発電は停止)しているので、回生ブレーキによる余剰エネルギーは発生しない。このため、ECU32は、ステップS28において、電力供給部39に備えられた二次電池39Aをヒータ54に接続し、二次電池39Aからの電力でヒータ54を発熱させる。
処理がステップS29に進むと、ECU32は、温度センサ56を用いて測定されるイオン交換樹脂31の温度(樹脂温度)が氷点より高い所定温度t2以上か否かを判定する。樹脂温度が所定温度t2以上でなければ(S29;NO)、ヒータ54のオン状態が維持される(S28,S29のループ処理)。
これに対し、樹脂温度が所定温度t2以上であれば(S29;YES)、ECU32は、イオン交換樹脂31の凍結のおそれはないものとして、ヒータ54に対する通電をオフ(
ヒータオフ)にする(ステップS30)。
その後、ECU32は、移動体の停止が継続され(ステップS31;YES)、且つ樹脂温度が所定温度t2以下であり氷点より高い所定温度t3よりも低下する(ステップS3
2;YES)までの間、ヒータオフの状態を維持する(S30〜S32のループ処理)。こ
の間に、移動体の停止状態が解除された場合(S31;NO)には、処理がステップS21に戻される。
一方、樹脂温度が所定温度t3よりも低下した場合(S32;YES)には、ECU32は、移動体の停止状態が解除されているか否かを判定する(ステップS33)、停止状態が解除されている場合(S33;NO)には、処理がステップS21に戻される。停止状態が解除されていない場合(S33;YES)には、処理がステップS28に戻され、ヒータ5
4への通電が再開される。
以上のように、ステップS29〜S33では、移動体の停止が解除される迄の間、樹脂温度が氷点より高い温度で維持されるように、ヒータ54による加熱が行われる。また、ヒータ54のオン/オフ制御が行われることで、二次電池39Aの電力が節約される。
なお、図9に示す処理に代えて、移動体の停止時にも、図8に示す処理が実行されるようにしても良い。但し、この場合におけるヒータ54の電源は二次電池39Aとなる。
〈第3実施形態の作用効果〉
第3実施形態によれば、気液分離器47がイオン除去装置として機能し、ドレン室52に案内された生成水中のイオンが、ドレン室52内に配置されたイオン交換樹脂31により除去される。
電力供給部39,ヒータ54,及び制御手段としてのECU32は、イオン交換樹脂31の凍結を抑制する凍結抑制手段として機能し、電力供給部39及びヒータ54は加熱手段として機能する。
ヒータ54によりイオン交換樹脂31が加熱されることで、イオン交換樹脂31の温度は零度以上に維持され、その凍結が防止される。これによって、イオン交換樹脂31の破損が防止される。
〈変形例〉
図7に示す例では、イオン交換樹脂31の加熱手段として、第2実施形態で説明した第1加熱手段と同様の構成を例示した。第3実施形態の構成として、第2実施形態で説明した第2加熱手段を、移動体の駆動時(走行時)におけるイオン交換樹脂31の加熱のために設けても良い。
また、第3実施形態では、酸化剤オフガスの気液分離器に対して図7に示す構成を適用した例を示したが、燃料オフガスの気液分離器(例えば図1の気液分離器6)に対して、図7に示す構成を適用することも可能である。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1〜第3実施形態と共通点を有するので、共通点については説明を省略し、主として相違点について説明する。第4実施形態は、第1実施形態における気液分離器16を中心とした構成が異なる。
〈気液分離器の構成〉
図10は、第4実施形態における、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成例を示す図である。図10において、気液分離器58は、第1実施形態で説明した気液分離器16(図2)と次の点で異なっている。
開口部25に対し、直接に排出管16Bが取り付けられ、ドレン弁24が省略されている。もっとも、ドレン弁24の代わりのフロート弁61が気液分離室22内に配置されている。フロート弁61は、弁体62と、フロート63と、弁体62とフロート63との連結部64とからなる。弁体62は、フロート63の浮力により、気液分離室22内に溜まる生成水の水位に応じて、開口部25に対して進退する。
開口部25周辺の気液分離室22の底面は、弁体62に対する弁座65として機能し、弁体62は、水位が所定水位よりも低い間、弁座65と当接して開口部25を閉塞する。
これに対し、水位が所定水位を超えると、フロート63の浮力により、弁体62は上方に移動し、弁座62との当接状態を解除する。これによって、気液分離室22と排出管16Bとが連通状態となり、生成水が排出管16Bへ排出される。
このような構成により、気液分離室22内で酸化剤オフガスから分離された液相成分(
生成水)は、或る程度の時間、気液分離室22内で滞留する。このように、気液分離室2
2は、生成水貯留槽として機能する。
気液分離室22の底面には、さらに、第2開口部62が設けられている。また、内部空間が第2開口部62を通じて気液分離室22と連通するように、イオン交換樹脂漕(容器
部)67が、気液分離器58の本体22の外面(底面)に取り付けられている。イオン交換
樹脂漕67は、イオン交換樹脂31を収容しており、その内部空間は不凍液LLCで満たされている。
第2開口部66には、第2開口部66を閉塞する状態で、半透膜68が設けられ(張設
され)ている。半透膜68により、気液分離室22とイオン交換樹脂漕67の内部空間と
が隔てられた状態となっており、気液分離室22内の生成水は、半透膜68を介して不凍液LLCに接する状態となっている。半透膜68は、例えば、セルロース誘導体膜を用いて構成される。
半透膜68は、不凍液LLCの透過を許容せず、イオン交換樹脂漕67は密閉状態となっている。また、気液分離室22内の生成水は、イオン交換樹脂漕67が不凍液LLCで満たされていることにより、イオン交換樹脂漕67への移動を規制されている。もっとも、生成水中のイオン(フッ素イオン、金属イオン等)は、半透膜68を透過してイオン交換樹脂漕67内に移動可能となっている。
なお、イオン交換樹脂漕67の周囲は、断熱材69で覆われている。これにより、イオン交換樹脂漕67内がその周囲の空気で冷却されたり、本体21に熱を奪われたりすることが抑制される。即ち、漕内の不凍液LLCが冷却されにくい構造となっている。これによって、不凍液LLCの温度低下によるイオン交換樹脂31のイオン除去性能低下が抑制される。
以上のような構成を持つ気液分離器58によれば、次に示すようなイオン移動プロセス(サイクル)を以て、生成水中のイオンが除去される。即ち、気液分離室22内には、生成水の水位が所定水位未満の間、フロート弁61により生成水が貯留される。
このとき、生成水のイオン濃度が、不凍液LLCのイオン濃度よりも高い状態にあれば、浸透圧の原理により、生成水中のイオンが半透膜68を介してイオン交換樹脂漕67へ移動する。漕内に移動したイオンはイオン交換樹脂31に吸着する。
すると、不凍液LLCのイオン濃度が低下する。これにより、生成水のイオン濃度が不凍液LLCのイオン濃度よりも高くなれば、再びイオンが漕内へ移動する。このようなイオン移動プロセスが繰り返し行われることにより、気液分離室22の生成水中のイオン濃度は、排出可能な程度まで低下する。そして、生成水の水位が所定水位以上になったことを契機として、フロート弁61が開弁し、生成水は排出管16Bに排出される。
〈第4実施形態の作用効果〉
第4実施形態では、イオン除去装置としての気液分離器58が、半透膜68で隔てられた生成水貯留槽(気液分離室22)とイオン交換樹脂漕67(容器部)とを備える。イオン交換樹脂漕67はイオン交換樹脂31及び不凍液LLCを封入している。気液分離室22内
に貯留される生成水は半透膜6を介して不凍液LLCに接する。このような、気液分離器58の本体21(気液分離室22),イオン交換樹脂漕67,及び半透膜68が、凍結抑制手段として機能する。
第4実施形態によれば、生成水のイオン交換樹脂漕67への移動が規制されているので、イオン交換樹脂31に水分が入り込むことが抑制される。また、イオン交換樹脂漕67内は不凍液LLCで満たされ、イオン交換樹脂31が不凍液LLC内に没した状態にあるので、漕内が零度以下となってもイオン交換樹脂31の凍結が抑制され、破損が防止される。
また、第4実施形態によれば、第1実施形態で示した不凍液の供給/排出機構,第2及び第3実施形態で説明したイオン交換樹脂31のを加熱機構、及び各機構の制御手段が不要である。従って、構成の簡易化、スペースの有効利用を図ることができる。また、第4実施形態によれば、特別な制御(供給/排出制御、加熱制御)が不要であるので、容易にイオン交換樹脂の凍結を抑制することができる。
さらに、第4実施形態によれば、不凍液LLCがイオン交換樹脂漕67内に封入されているので、移動体の走行時等における振動により不凍液LLCが飛散することを防止することができる。
〈変形例〉
第4実施形態の気液分離器58の構成は、燃料オフガスの気液分離器(例えば、図1に
示す気液分離器6)に対して適用することが可能である。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第1〜第4実施形態と共通点を有するので、共通点については説明を省略し、主として相違点について説明する。
第1〜第4実施形態は、燃料電池1の生成水(燃料電池システムで生成される水)中のイオンを除去するイオン交換樹脂31の凍結を防止する構成について例示した。第5実施形態は、燃料電池システムで利用される水に含まれるイオンを除去するイオン交換樹脂の凍結を防止する構成について例示する。
燃料電池システムで利用される水として、例えば、燃料電池1の冷却系で適用される冷却水がある。図1には、燃料電池1の冷却系が例示されている。図1において、燃料電池1には、冷却水入口(入口マニホールド)1G及び冷却水出口(出口マニホールド)1Hが設けられており、冷却水入口1Gと冷却水出口1Hとの間は、各セルのセパレータに設けられた通水路を経由する冷却水通路1Iで結ばれている。
冷却水入口1Gは、配管71を介して、冷却水を循環させる循環ポンプ(冷却水ポンプ)72の出口に接続されている。一方、冷却水出口1Hは、配管73を介して冷却水を冷却するラジエータ(冷却器)74の入口に接続されている。また、ラジエータ74の出口は、配管75を介して三方弁76の第1入口に接続されている。三方弁76の出口は、配管77を介して循環ポンプ72の入口に接続されている。
また、配管73には、その途中から分岐するバイパス管78の一端が接続されており、バイパス管78の他端は、三方弁76の第2入口に接続されている。また、配管73と配管77との間には、バイパス管79が設けられ、バイパス管79上にイオン交換樹脂を内蔵したイオン交換器80が設けられている。
このような構成によれば、燃料電池1の温度が低い場合には、三方弁76の第1入口が閉じられ第2入口が開かれることによって、冷却水はバイパス管78と燃料電池1との間を循環する。これに対し、燃料電池1の温度が発電に応じて所定温度を上回ると、三方弁76の第1入口が開かれ第2入口が閉じられて、冷却水が燃料電池1とラジエータ74との間を循環し、燃料電池1の冷却が図られる。
また、冷却水の一部は、常時バイパス管79及びイオン交換器80を通って循環する。冷却水がイオン交換器80を通過する際に、イオン交換器80に内蔵されたイオン交換樹脂にイオンが吸着し、冷却水からイオンが除去される。
以下、イオン交換器80に内蔵されたイオン交換樹脂の凍結を抑制する構成例に付いて説明する。
〈適用例1〉
図11は、適用例1として、第1実施形態で説明した不凍液の供給/排出機構をイオン交換器80に適用した構成例を示す図である。図11において、イオン交換樹脂31を内蔵したイオン交換器80の冷却水の入口及び出口は、弁82及び弁83を介して配管(図
1のバイパス管79)に接続される。
また、イオン交換器80は、第1ポンプ84を介して冷却水貯留槽85に接続されるとともに、第2ポンプ86を介して不凍液貯留槽87に接続されている。弁82,弁83,第1ポンプ84及び第2ポンプ86の動作は、ECU32により制御される。
ECU32は、第1実施形態と同様に、移動体の駆動/停止を監視しており、移動体の停止を検出すると、各弁82及び83を閉弁するとともに、第1ポンプ84を冷却水の排出方向に駆動させる。これにより、イオン交換器80内の冷却水は、第1ポンプ84を通じて冷却水貯留槽85に退避する。
冷却水の排出が完了すると、ECU32は、第1ポンプ84を停止させて、第2ポンプ86を不凍液の供給方向に駆動させる。これにより、イオン交換器80内には、イオン交換樹脂31が不凍液内に没するまで、不凍液貯留槽87に貯留された不凍液が供給される。これにより、第1実施形態と同様の原理で、イオン交換器80内が零度以下となっても、イオン交換樹脂31が凍結し、破損することが防止される。
その後、移動体の停止状態が解除されると、ECU32は、第2ポンプ86を制御して、イオン交換器80内の不凍液を不凍液貯留槽87内に戻す。続いて、ECU32は、第1ポンプ84を制御して、冷却水貯留槽85内に退避した冷却水をイオン交換器80内に戻す。その後、ECU32は、各弁82及び83を開弁状態にする。
なお、弁83の位置に第1ポンプ84を配置して、イオン交換器80内の冷却液がその循環路へ排出されるように構成することも考えられる。この場合、弁83及び冷却液貯留槽85は不要となる。
〈適用例2〉
図12は、適用例2として、第2、第3実施形態で説明したイオン交換樹脂の加熱手段(第1加熱手段)をイオン交換器80に適用した構成例を示す図である。図12において、イオン交換樹脂31を内蔵したイオン交換器80を取り巻くようにヒータ41が設けられ、ヒータ41は通電線40を通じて供給される電力供給部39からの電力により発熱し、イオン交換樹脂31を加熱する。電力供給部39の動作は、ECU32により制御される
。ECU32による加熱制御は、第2実施形態と同様の手法を適用可能であるので説明は省略する。
〈適用例3〉
図13は、適用例3として、第4実施形態で説明した構成が適用されたイオン交換器80の構成例を示す図である。図13において、イオン交換器80は、イオン交換樹脂31及び不凍液LLCを封入した(内部が不凍液LLCで満たされた)イオン交換樹脂漕89を内蔵している。
イオン交換樹脂漕89は、少なくとも1つの窓(図13では2つ)を持ち、各窓は半透膜68で閉塞されている。イオン交換器80内に導入された冷却水は、各半透膜68を介して不凍液LLCに接するように構成されている。
このような構成により、第4実施形態で説明したイオン移動プロセスを通じて冷却水中のイオンを除去することができる。また、イオン交換樹脂31が不凍液内に没していることにより、イオン交換樹脂31の凍結が抑制され、その破損が防止される。
なお、イオン交換樹脂漕89の外面は、半透膜68を除き、断熱材で被覆されるのが好ましい。また、イオン交換器80内で、冷却水の流速が低下する(滞留時間が長くなる)ように構成し、半透膜68を通じたイオン移動が促進されるようにしても良い。
また、応用例として、図14に示すような構成の適用が考えられる。図14では、冷却水の流路を構成する配管90に、イオン交換樹脂31及び不凍液LLCを封入したイオン交換樹脂漕91が取り付けられている。配管90内を流れる冷却液は、半透膜68を介して不凍液LLCに接する状態となっている。イオン交換樹脂漕91及び半透膜68は、流路の適宜の位置に、適宜の数だけ設けることが可能である。
〈第5実施形態の作用効果〉
第5実施形態によれば、イオン交換樹脂31に入り込んだ燃料電池1の冷却水が零度以下の環境下で凍結・膨張し、イオン交換樹脂が破損することを防止することができる。なお、適用例1及び3は、冷却水の凝固点が不凍液LLCの凝固点よりも高い場合に適用可能である。なお、第5実施形態で説明した構成は、燃料電池の生成水や反応ガス中の水分が燃料電池の冷却水として使用される構成を持つ場合にも適用可能である。
〈その他〉
本実施形態では燃料電池1としてPEFCが適用された例を示したが、本発明が冷却液の循環系にも適用可能なこと、及びPEFC以外の燃料電池システムでも反応ガス(燃料
ガス、酸化剤ガス)の流路を構成する金属配管(例えばSUS製)を有し、この金属配管を
流れる生成水中に金属イオンが溶出される可能性があることに鑑み、本発明が適用される燃料電池は、PEFCに限られない。
第1〜第5実施形態で説明した構成は、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成例を示す図である。 図2は、第1実施形態における気液分離器16を中心とした構成例を示す図であり、図2(A)は、移動体の移動時を示し、図2(B)は、移動体の停止時を示す。 図3は、第2実施形態における、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成例(第1加熱手段)を示す図である。 図4は、ECUによる温度制御の例を示すフローチャートである。 図5は、第2加熱手段の構成例を示す図である。 図6は、ECU32による処理(第2加熱手段の制御)例を示すフローチャートである。 図7は、第3実施形態における、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成例を示す図である。 図8は、ECUによる第1の温度制御処理の例を示すフローチャートである。 図9は、ECUによる第2の温度制御処理の例を示すフローチャートである。 図10は、第4実施形態における、酸化剤オフガスの気液分離器を中心とした構成例を示す図である。 図11は、第5実施形態における適用例1として、第1実施形態で説明した不凍液の供給/排出機構をイオン交換器に適用した構成例を示す図である。 図12は、適用例2として、第2及び第3実施形態で説明したイオン交換樹脂の加熱手段(第1加熱手段)をイオン交換器に適用した構成例を示す図である。 図13は、適用例3として、第4実施形態で説明した構成(イオン交換樹脂漕)が適用されたイオン交換器の構成例を示す図である。 図14は、イオン交換樹脂漕を冷却水の流路を構成する配管に適用した例を示す図である。
符号の説明
LLC・・・不凍液
1・・・燃料電池
14・・・エアコンプレッサ
16,35,58・・・気液分離器
22,51・・・気液分離室
24・・・ドレン弁
26・・・弁
27,29,90・・・配管
28・・・ポンプ
30・・・貯留槽
31・・・イオン交換樹脂
32・・・ECU
39・・・電力供給部
39A・・・二次電池
40・・・通電線
41,54・・・電熱線ヒータ
43・・・循環路
44・・・ポンプ
45,56・・・温度センサ
50・・・オリフィス
52・・・ドレン室
61・・・フロート弁
67,89,91・・・イオン交換樹脂漕(容器部)
68・・・半透膜
80・・・イオン交換器
84・・・第1ポンプ
85・・・冷却水貯留槽
86・・・第2ポンプ
87・・・不凍液貯留槽

Claims (6)

  1. 燃料電池を含むシステムであって、
    前記燃料電池の外部に配置され、該システムで生成又は利用される水からイオンを除去するイオン交換樹脂を含むイオン除去装置と、
    前記イオン交換樹脂の凍結を抑制する凍結抑制手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記イオン除去装置は、前記固体高分子型燃料電池から排出される生成水中のイオンを除去する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記凍結抑制手段は、不凍液を前記イオン除去装置に供給する不凍液供給手段を含み、
    前記凍結抑制手段は、前記不凍液供給手段で不凍液を前記イオン除去装置に供給し、前記イオン交換樹脂を不凍液内に没した状態にする
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記凍結抑制手段は、前記イオン交換樹脂を加熱する加熱手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記イオン除去装置は、前記燃料電池から排出される生成水が流れる配管の内部空間と該生成水中のイオンを透過する半透膜で隔てられた内部空間を有する容器部を含み、
    前記容器部は、前記イオン交換樹脂を収容しており、
    前記容器部の内部空間は、不凍液で満たされており、
    前記生成水は前記半透膜を介して前記不凍液と接する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記イオン除去装置は、前記固体高分子形燃料電池の冷却水に含まれるイオンを除去する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
JP2005107947A 2005-04-04 2005-04-04 燃料電池システム Withdrawn JP2006286544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005107947A JP2006286544A (ja) 2005-04-04 2005-04-04 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005107947A JP2006286544A (ja) 2005-04-04 2005-04-04 燃料電池システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006286544A true JP2006286544A (ja) 2006-10-19

Family

ID=37408215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005107947A Withdrawn JP2006286544A (ja) 2005-04-04 2005-04-04 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006286544A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009091021A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Ishida Co Ltd 製袋包装機
JP2010530600A (ja) * 2007-06-20 2010-09-09 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 燃料電池システムのガス供給手段に組込む密閉セパレータユニット
DE102014001807A1 (de) * 2014-02-11 2015-08-13 Daimler Ag Einbaufertiges lonentauschermodul für Brennstoffzellenfahrzeuge und lonentauschermodul-Lagerungsanordnung
JP2020135996A (ja) * 2019-02-15 2020-08-31 株式会社東芝 燃料電池水タンク、及び燃料電池発電システム
CN115451426A (zh) * 2022-08-27 2022-12-09 浙江大学 一种含能燃料点火能量精准测量方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010530600A (ja) * 2007-06-20 2010-09-09 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 燃料電池システムのガス供給手段に組込む密閉セパレータユニット
US8835062B2 (en) 2007-06-20 2014-09-16 Daimler Ag Enclosed separator unit for a gas supply of a fuel cell system
JP2009091021A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Ishida Co Ltd 製袋包装機
DE102014001807A1 (de) * 2014-02-11 2015-08-13 Daimler Ag Einbaufertiges lonentauschermodul für Brennstoffzellenfahrzeuge und lonentauschermodul-Lagerungsanordnung
JP2020135996A (ja) * 2019-02-15 2020-08-31 株式会社東芝 燃料電池水タンク、及び燃料電池発電システム
CN111653806A (zh) * 2019-02-15 2020-09-11 东芝能源系统株式会社 燃料电池水箱以及燃料电池发电系统
CN115451426A (zh) * 2022-08-27 2022-12-09 浙江大学 一种含能燃料点火能量精准测量方法
CN115451426B (zh) * 2022-08-27 2023-11-24 浙江大学 一种含能燃料点火能量精准测量方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7662496B2 (en) Fuel cell cooling system and method for controlling circulation of cooling liquid in fuel cell
JP4296226B2 (ja) 燃料電池システム
JP3999498B2 (ja) 燃料電池システム及びその停止方法
JP5522590B2 (ja) 燃料電池システム
JP6001830B2 (ja) 車両用燃料電池システムの始動方法
JP2006286544A (ja) 燃料電池システム
JP2005174724A (ja) 燃料電池システム
JP4887619B2 (ja) 燃料電池システム
JP5293783B2 (ja) 燃料電池システム
JP2009199751A (ja) 燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法
JP2006140044A (ja) 燃料電池システム
JP2010027217A (ja) 燃料電池システム
JP2007311087A (ja) 燃料電池システムと燃料電池システムにおける冷却系のイオン除去方法
JP2010153067A (ja) 燃料電池システム
JP2007026893A (ja) 燃料電池システム
JP2005302491A (ja) 燃料電池システム
JPH10144333A (ja) 燃料電池システム
JP4685361B2 (ja) 燃料電池システム
JP2006156084A (ja) 燃料電池システム
JP2005158434A (ja) 燃料電池システム
JP2008218164A (ja) 燃料電池システム
JP2006147414A (ja) 燃料電池システム
JP2006269156A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池の制御装置及びその制御方法
JP2005149780A (ja) 燃料電池システム
JP2006269155A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080701