JP2006269155A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン交換樹脂を使用しなくても不純物濃度が低下した生成水を外部に排出可能とする。
【解決手段】燃料電池システムは、生成水を含む反応ガスを気相成分と液相成分とに分離する気液分離器を有する。気液分離器は気液分離室と蒸発室とを有する。気液分離室で反応ガスから分離された生成水は、案内手段によって蒸発室に案内される。案内された生成水は、加熱手段により生成水中の不純物が気化する温度まで加熱され、不純物ガスとして排出される。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池システムは、生成水を含む反応ガスを気相成分と液相成分とに分離する気液分離器を有する。気液分離器は気液分離室と蒸発室とを有する。気液分離室で反応ガスから分離された生成水は、案内手段によって蒸発室に案内される。案内された生成水は、加熱手段により生成水中の不純物が気化する温度まで加熱され、不純物ガスとして排出される。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池の分野では、燃料電池による発電により生成された生成水中に溶出するイオンのような不純物を除去する手法として、例えば特許文献1に示される技術が提案されている。特許文献1では、燃料電池から排出される燃料ガスや酸化剤ガスの流路上にイオン交換樹脂を配置し、燃料オフガスや酸化剤ガスとともに燃料電池から排出される生成水中に含まれたイオンがイオン交換樹脂により除去される。
また、本発明に関連する先行技術として、例えば特許文献2に開示された技術がある。
特開2002−313404号公報
特開2003−7323号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるようなイオン交換樹脂には寿命がある。このため、イオン交換樹脂が長期間に亘って使用されると、イオン交換樹脂の寿命によるイオン交換性能の低下によりイオンが十分に除去されない可能性があった。この場合、高濃度のイオンを含んだ生成水が外部に排出されてしまう可能性があった。
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、生成水に含まれる不純物の濃度を低下させて外部に排出可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述した目的を達成するために、以下の構成を採用する。
即ち、本発明の燃料電池システムは、
燃料電池と、
前記燃料電池から排出されるガス中に含まれる生成水を、該生成水中に含まれる水より沸点の高い不純物の少なくとも1つが気化する温度まで加熱する加熱手段と
を備えたことを特徴とする。
燃料電池と、
前記燃料電池から排出されるガス中に含まれる生成水を、該生成水中に含まれる水より沸点の高い不純物の少なくとも1つが気化する温度まで加熱する加熱手段と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、加熱手段によって不純物が生成水ととともに気化されるので、単位体積あたりの不純物の濃度が低下する。このようにして、不純物を含む生成水を外部に排出可能な状態とすることができる。
また、本発明は、
前記燃料電池が、固体高分子型燃料電池であり、
前記不純物がフッ素である
ことを特徴とする。
前記燃料電池が、固体高分子型燃料電池であり、
前記不純物がフッ素である
ことを特徴とする。
この場合には、フッ素を含む生成水をフッ素濃度が低下した状態で外部に排出することができる。また、フッ素濃度の低下にイオン交換樹脂を使用する必要がなくなる。
また、本発明は、
前記燃料電池から排出されるガスが流れるガス排出通路と、
前記ガス排出通路に設けられ、前記ガス中の生成水を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された生成水中の前記不純物が気化した不純物ガスが流れる不純物ガス排出通路と、
前記貯留部と前記不純物ガス排出通路との間に設けられ、前記貯留部に貯留された生成水を前記不純物ガス排出通路に案内する案内路とを含み、
前記加熱手段は、前記案内路を通って前記貯留部から前記不純物ガス排出通路に案内された生成水中の前記不純物を前記不純物ガス排出通路内で蒸発させる
ことを特徴とする。
前記燃料電池から排出されるガスが流れるガス排出通路と、
前記ガス排出通路に設けられ、前記ガス中の生成水を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された生成水中の前記不純物が気化した不純物ガスが流れる不純物ガス排出通路と、
前記貯留部と前記不純物ガス排出通路との間に設けられ、前記貯留部に貯留された生成水を前記不純物ガス排出通路に案内する案内路とを含み、
前記加熱手段は、前記案内路を通って前記貯留部から前記不純物ガス排出通路に案内された生成水中の前記不純物を前記不純物ガス排出通路内で蒸発させる
ことを特徴とする。
また、本発明は、前記案内路を流れる生成水の流量を調整する流量調整手段をさらに含むことを特徴とする。流量が調整されることにより、不純物ガス排出通路内で効率的に不純物を含む生成水を蒸発させることができる。
本発明によれば、生成水に含まれる不純物の濃度を低下させて外部に排出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〔第1実施形態〕
〈燃料電池システムの構成例〉
図1は、本発明が適用される燃料電池システムの構成例を示す図である。図1に示す構成例では、燃料電池1として、固体高分子型燃料電池(PEFC)が適用されている。燃料電池1は、複数のセルが積層されてなるセルスタック構造を持つ。
〈燃料電池システムの構成例〉
図1は、本発明が適用される燃料電池システムの構成例を示す図である。図1に示す構成例では、燃料電池1として、固体高分子型燃料電池(PEFC)が適用されている。燃料電池1は、複数のセルが積層されてなるセルスタック構造を持つ。
各セルは、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を両側から挟む燃料極(アノード)及び空気極(酸化剤極:カソード)と、燃料極及び空気極を挟む燃料極側セパレータ及び空気極側セパレータとからなる。
燃料極は、拡散層と触媒層とを有し、水素ガスや水素リッチガスなどの水素を含む燃料ガスが燃料供給系により燃料極に供給される。燃料極に供給された燃料ガスは、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、水素がプロトン(水素イオン)と電子とに分離される。水素イオンは固体高分子電解質膜を通って空気極に移動し、電子は外部回路(図示せず)を通って空気極に移動する。
一方、空気極は、拡散層と触媒層とを有し、空気等の酸化剤ガスが酸化剤供給系により空気極に供給される。空気極に供給された酸化剤ガスは、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、酸化剤ガスと、固体高分子電解質膜を通って空気極に到達した水素イオンと、外部回路を通って空気極に到達した電子とによる反応により水が生成される。
このような燃料極及び空気極における反応の際に外部回路を通る電子が、燃料電池1のセルスタックの両端子間に接続される図示しない負荷に対する電力として使用される。
燃料電池1には、燃料を供給及び排出するための燃料供給/排出系と、酸化剤を供給及び排出するための酸化剤供給/排出系とが接続される。図1において、燃料供給/排出系は次のように構成されている。
すなわち、燃料電池1に設けられた燃料入口1Aは、水素源(例えば、高圧水素を貯留
したタンク)2及び調圧弁3と配管4を介して接続されている。一方、燃料電池1に設けられた燃料出口1Bは、配管5を介して、燃料ガスの気液分離器6の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、燃料入口1Aと燃料出口1Bとを結び、且つセルの燃料極を経由する燃料通路1Cが設けられている。
したタンク)2及び調圧弁3と配管4を介して接続されている。一方、燃料電池1に設けられた燃料出口1Bは、配管5を介して、燃料ガスの気液分離器6の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、燃料入口1Aと燃料出口1Bとを結び、且つセルの燃料極を経由する燃料通路1Cが設けられている。
燃料気液分離器6の気体側出口は、配管7を介して、モータにより駆動する循環ポンプ8の入口に接続されている。循環ポンプ8の出口には配管9が設けられており、配管9は、逆止弁10を介して配管4に接続されている。また、配管9には、排気管11及び排気弁12が配置されている。排気弁12から排出されるガスは図示せぬ希釈器を通って水素濃度が薄められた後、外部に排出される。
以上の構成において、燃料ガスが通過する配管のうち、配管5、気液分離器6、配管7、配管9は、ステンレス(SUS)のような金属製の材質で構成されている。
このような燃料供給/排出系の構成によれば、水素源2から送り出される高圧の水素ガスは、調圧弁3で調圧された後、配管4を通って燃料入口1Aから燃料電池1内に入り、燃料通路1Cを通過する際に燃料極にて電極反応に消費される。その後、燃料極を通過した水素ガスは、水素オフガスとして燃料出口1Bから配管5(燃料電池1の外部)へ排出され、気液分離器6へ送られる。
気液分離器6では、燃料オフガスが気相成分と液相成分とに分離され、気相成分は配管7を通って循環ポンプ8により再び配管4に供給される。このように、燃料電池1に供給される燃料ガスが循環するように構成されている。さらに、調圧弁3及び排気弁12の開閉制御により、燃料ガスの濃度が適正な範囲で保たれるように構成されている。
一方、図1において、酸化剤供給/排出系は、次のように構成されている。すなわち、燃料電池1に設けられた酸化剤入口1Dは、配管13を介してエアコンプレッサ14に接続されている。また、燃料電池1に設けられた酸化剤出口1Eは、配管15を介して酸化剤ガスの気液分離器16の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、酸化剤入口1Dと酸化剤出口1Eとを結び、且つセルの空気極を経由する酸化剤通路1Fが設けられている。さらに、気液分離器6の液相成分の出口は、ドレン弁を介して配管17の一端に接続されており、配管17の他端は配管15に接続されている。
このような酸化剤供給/排出系の構成によれば、エアコンプレッサ14のモータによる駆動により、酸化剤ガスとしての空気が、エアフィルタ14Aを通じてエアコンプレッサ14内に導入され、圧縮される。エアコンプレッサ14から吐出される空気は、配管13を通って燃料電池1に供給される。空気は酸化剤入口1Dから燃料電池1内に入り、酸化剤通路1Fを通過する際に、空気極にて電極反応に消費される。その後、空気極を通過した空気は、酸化剤オフガスとして酸化剤出口1Eから配管15(燃料電池1の外部)に排出される。配管15に送り出された酸化剤オフガスは、配管17から合流する液相成分とともに気液分離器16へ導入される。
気液分離器16では、気相成分と液相成分(生成水)との分離が行われる。気相成分は、気相成分出口16Aから排出される。このとき、気相成分が図示せぬ希釈器を通るようにしても良い。液相成分(生成水)は、気液分離器16内で気化され、ドレン16Bから排出される。ドレン16Bから排出される気化ガスは、直接に又は図示せぬ希釈器を通って外気中に排出される。
ところで、燃料電池1では、空気極での反応によって水(生成水)が生成される。生成水は、固体高分子電解質膜を通じて空気極から燃料極に到達する。固体高分子電解質膜には
、フッ素系樹脂系高分子膜が適用されている。このため、燃料極へ移動する生成水中にフッ酸(フッ素イオン)が溶出することがある。
、フッ素系樹脂系高分子膜が適用されている。このため、燃料極へ移動する生成水中にフッ酸(フッ素イオン)が溶出することがある。
燃料極へ到達した生成水は、燃料ガスとともに、燃料電池1の外部(配管5)に排出される。このとき、燃料電池1から排出される生成水中のフッ素イオンは、配管5等を構成する金属と反応し金属イオン(ステンレス(SUS)であれば、鉄(Fe),ニッケル(Ni),クロム(Cr)等の各イオン)が溶出する要因となることがある。生成水は、気液分離器6で液相成分として燃料オフガスから分離され、配管17,15を通じて気液分離器16に導入される。
本発明の実施形態は、生成水中に溶出した不純物(例えばイオン(特にフッ素イオン))の濃度を気液分離器16で低下させて外部に排出可能とする構成について例示する。
〈気液分離器の構成〉
図2は、本発明の第1実施形態に係る気液分離器16を中心とした構成例を示す図である。気液分離器の本体20は、上部及び底部が閉塞された円筒形に形成されている。本体20の内部には、内部空間を上側と下側とに分割する円形の隔壁21が設けられている。隔壁21の略中央には、開口部が設けられており、開口部には、上側の内部空間と下側の内部空間とが連通する状態でオリフィス22が設けられている。
図2は、本発明の第1実施形態に係る気液分離器16を中心とした構成例を示す図である。気液分離器の本体20は、上部及び底部が閉塞された円筒形に形成されている。本体20の内部には、内部空間を上側と下側とに分割する円形の隔壁21が設けられている。隔壁21の略中央には、開口部が設けられており、開口部には、上側の内部空間と下側の内部空間とが連通する状態でオリフィス22が設けられている。
本体20の上部の側壁には、配管15が取り付けられ、本体20の上側の内部空間と配管15の内部空間とが連通状態となっている。本体20の上面には、気相成分出口16Aが設けられ、気相成分出口16Aには、配管20Aが取り付けられている。このような構成により、本体20の上側の内部空間は、次の作用を生じる気液分離室23として機能する。
即ち、気液分離室23には、配管15からの生成水を含む酸化剤オフガスが導入される。ここに、配管15は、本体20の水平方向の断面円形状に対する接線方向に酸化剤オフガスを導入するように取り付けられている。このため、気液分離室23内に導入された酸化剤オフガスは、気液分離室23の内周面に沿って旋回する。このとき、比重の軽い気相成分(酸化剤オフガス)は、配管15から気液分離室23内に導入される酸化剤オフガスに押し出されるようにして気相成分出口16Aから配管20Aへ排出される。一方、比重の重い液相成分(生成水)は、気液分離室23の底部(隔壁21上)に溜まる。このようにして、配管15,気液分離室23及び配管20Aは、燃料電池から排出されるガス(反応ガス)のガス排出通路として機能し、気液分離室23の底部は、酸化剤オフガスから分離された生成水が貯留される貯留部として機能する。
気液分離室23に貯留された生成水は、オリフィス22を通じて徐々に本体20の下側の内部空間に案内される。オリフィス22は、貯留部に貯留された生成水を案内するための案内路として機能する。また、オリフィス22は、本体20の下側に案内される生成水の流量を調整する流量調整手段として機能する。
本体20の下側の内部空間は、オリフィス22によって案内された生成水に含まれた少なくとも1つの不純物(例えば、フッ素イオン)を蒸発させる蒸発室24として機能する。本体20の下部の側壁には、ドレン(排出口)16Bが設けられており、ドレン16Bには、配管20Bが接続されている。これにより、蒸発室24と配管20Bの内部空間が連通状態となっている。蒸発室24では、生成水中のフッ素イオンが、後述する加熱手段により気化する温度まで加熱される。加熱により生じた気相のフッ素(「不純物ガス」と称する)は、ドレン16Bから配管20Bへ排出される。蒸発室24及び配管20Bは不純物
ガス排出通路として機能する。
ガス排出通路として機能する。
ところで、気液分離室23内の温度は、液回収を効率良く行うために低い温度であることが望ましい。このため、本体20は、気液分離室23を構成する上側部分と、蒸発室24を構成する下側部分とをリング状の断熱材25を挟んで連結することにより、一体に形成されている。隔壁21は、その外縁部が断熱材25に固定されている。このような構成により、加熱手段による熱が本体20の外壁や隔壁21を通じて気液分離室23に伝達されることが防止されている。また、隔壁21に断熱効果の高い材質を適用することが考えられる。
なお、気液分離器16の本体20は、気液分離室23と蒸発室24とが異なるハウジングで構成され、二つのハウジングがオリフィス22を内蔵した配管で連結されるように構成しても良い。
一方で、蒸発室24は、その内部において少ない熱量で効率良くフッ素イオンが気化されるように構成するのが好ましい。このため、本体20の下部(蒸発室24)の外壁は、例えば図2に示されるように、断熱材26で被覆され、蒸発室24内の温度が保温されるように構成されている。
〈加熱手段〉
生成水中の不純物(フッ素イオン)は、蒸発室24内の温度が不純物の沸点まで上昇することにより気化し、不純物ガスとなる。蒸発室24内の温度を当該沸点まで上昇させる加熱手段は、本実施形態において次のように構成される。図2に示す構成例では、加熱手段として、第1加熱手段と、第2加熱手段とが示されている。
生成水中の不純物(フッ素イオン)は、蒸発室24内の温度が不純物の沸点まで上昇することにより気化し、不純物ガスとなる。蒸発室24内の温度を当該沸点まで上昇させる加熱手段は、本実施形態において次のように構成される。図2に示す構成例では、加熱手段として、第1加熱手段と、第2加熱手段とが示されている。
《第1加熱手段》
第1加熱手段は、電力供給部27と、電力供給部27に電気的に接続される電熱線ヒータ28(以下、単に「ヒータ28」と表記)とを備えている。
第1加熱手段は、電力供給部27と、電力供給部27に電気的に接続される電熱線ヒータ28(以下、単に「ヒータ28」と表記)とを備えている。
電力供給部27は、図1に示す燃料電池システムが搭載される移動体(例えば車両)の駆動力を生成する発電機(モータ:図示せず)において、移動体の減速時に生じる回生ブレーキにより生成される余剰エネルギーを用いてヒータ28に対する電力供給(通電(電圧印加))を行う。
電力供給部27は、移動体駆動用の発電機で発生する回生ブレーキによる電力(回生エネルギー(余剰エネルギー))を受け取るように構成されている。電力供給部27は、二次電池27Aを有しており、発電機からの電力は二次電池27Aの充電に使用される。このとき、二次電池27Aの充電量が上限に達している場合には、充電しきれない電力が余る。この余りの電力がヒータ28に供給され、ヒータ28を発熱させる。
もっとも、上記した構成に代えて、電力供給部27で受入される回生エネルギーの一部が常にヒータ28に供給されるように構成しても良い。なお、二次電池27Aは、燃料電池1に対する二次電池としても利用できる。
ヒータ28は、電力供給部27からの電力供給により発熱し、蒸発室24(本体20の下部)を加熱する。これによって、蒸発室24内の温度が、例えば、フッ素水溶液が蒸発(気化)する温度(106℃)以上となるように加熱される。
蒸発室24内の温度は、蒸発室24内に設置された温度センサ29と、気液分離器16の外部に設置された制御手段としてのECU(Electronic Control Unit:コンピュータ)
30とによりフィードバック制御することが可能である。温度センサ29の出力は、EC
U30に入力される。
30とによりフィードバック制御することが可能である。温度センサ29の出力は、EC
U30に入力される。
ECU30は、CPU(中央演算処理装置)のようなプロセッサ,メモリ(ROMやRAM:記憶手段),入出力インタフェース(I/O)等から構成されている。プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって、電力供給部27を制御する。
例えば、ECU30は、電力供給部27からヒータ28に対し、充電しきれない分の電力による通電のみが行われる(ヒータ28と二次電池27Aとの間が開放される)ように、電力供給部27内のスイッチ制御を行う。ECU30は、温度センサ29の出力に基づいて蒸発室24内の温度を監視する。充電しきれない分の通電のみで蒸発室24内の温度が適正範囲に保たれない場合には、ECU30は、二次電池27Aとヒータ28とが接続され、二次電池27Aに蓄積された電力がヒータ28に通電されるように、電力供給部27内のスイッチ制御を行う。
以上のような第1加熱手段による蒸発室24内の温度制御が可能である。但し、図2に示す構成例では、気液分離室23内に、貯留された液相成分(生成水)の水位を計測する水位センサ(レベルセンサ)31が取り付けられている。ECU30は、水位センサ31から受け取る出力信号に基づき気液分離室23内の水位を測定し、水位の測定結果と、蒸発室24内の温度とに基づき、次のようなヒータ28の目標温度のフィードバック制御を行う。
図3は、気液分離室23内の水位レベルと、ヒータ28の目標温度との関係を示すグラフである。目標温度は、例えばフッ素水溶液の沸点(気化点)である106℃を下限とし、水位レベルが所定値Xを上回ると、徐々に上昇するように設定される。水位の上昇によりオリフィス22を通過して蒸発室24に案内される生成水の流量が増加するからである。
ECU30のメモリには、図3のグラフに示すような目標温度の設定条件データが記憶されている。ECU30は、設定条件データに基づき、ヒータ28が水位レベルから決まる目標温度で発熱を行うように、ヒータ28への通電量を制御する。このとき、通電量が不足する場合には、二次電池27Aに蓄積された電力が利用される。
なお、図2に示す構成例では、水位センサ31が気液分離室23内に配置された例を示した。このような構成に代えて、水位センサ31が蒸発室24に配置され、蒸発室24に滞留した生成水の水位に応じて温度制御が行われるようにしても良い。
《第2加熱手段》
第2加熱手段は、図2に示すように、熱媒体(気体又は液体)の循環路32と、熱媒体を循環させるポンプ33と、温度センサ34とを含んでいる。循環路32の一部は、配管13内と、蒸発室24内とに配置されている。
第2加熱手段は、図2に示すように、熱媒体(気体又は液体)の循環路32と、熱媒体を循環させるポンプ33と、温度センサ34とを含んでいる。循環路32の一部は、配管13内と、蒸発室24内とに配置されている。
エアコンプレッサ14から配管13に吐出される空気は、その圧縮により高温となる(フッ素水溶液の沸点以上)。ポンプ33により循環路32内を循環する熱媒体は、配管13内の空気から熱を受け取り、蒸発室24内で熱を解放することができる。これにより、蒸発室24内の温度がフッ素水溶液の沸点以上に上昇する構成となっている。
但し、エアコンプレッサ14から吐出される空気の温度(エアコンプレッサ14の出口直後の配管13内の温度)は、エアコンプレッサ14の駆動量に依存する。このため、温度センサ34が、エアコンプレッサ14から吐出された直後の配管13内の温度を計測するように設けられている。温度センサ34の出力信号は、ECU30に入力される。ECU30は、熱媒体の循環により蒸発室24内が適正に加熱されるように、ポンプ33のオ
ン/オフを制御する。
ン/オフを制御する。
図4は、ECU30による処理(第2加熱手段(のポンプ33)の制御)例を示すフローチャートである。図4において、ECU30は、処理を開始すると、温度センサ34の出力に基づきエアコンプレッサ14から吐出される空気の温度(吐出温度)を測定し、吐出温度が所定の設定値(予め設定されている)より大きいか否かを判定する(ステップS1)。設定値は、例えば、蒸発室24内の温度をフッ素水溶液の沸点以上に上昇させることが可能な温度に設定される。
このとき、吐出温度が設定値よりも大きい場合(S1;YES)には、ポンプ33がオンにされる(ステップS2)。即ち、ECU30は、ポンプ33の駆動力を生成するモータに対し、オン信号(駆動信号)を与える。
これに対し、吐出温度が設定値未満である場合(S1;NO)には、ポンプ33がオフにされる(ステップS3)。即ち、ECU30は、ポンプ33のモータに対し、オフ信号(停止信号)を与える。
ステップS2又はS3の処理が終了すると、処理がステップS1に戻る。このような制御によって、吐出温度が設定値を上回る間、ポンプ33が熱媒体を循環させて蒸発室24内に案内された生成水(フッ素イオンを含む)の加熱が行われる。一方、吐出温度が設定値未満となると、ポンプ33による熱媒体の循環が停止し、熱媒体との熱交換で蒸発室24内が冷却されることが防止される。
図2に示すように、第1及び第2加熱手段が用意されている場合には、第1加熱手段を第2加熱手段の補助として使用することが考えられる。例えば、蒸発室24内の加熱が要求される場合には、優先的に第2加熱手段が利用される。第2加熱手段により適正な温度制御を図ることができない場合に、第1加熱手段が使用される。もっとも、図4に示したような第2加熱手段の動作は、第1加熱手段の動作から独立して行われるように構成することも可能である。
なお、図2には、第1及び第2加熱手段を備える構成例を開示した。但し、本発明において第1及び第2加熱手段を備えることは必須の要件ではない。第1加熱手段と第2加熱手段との一方のみの使用により、蒸発室24内の温度がフッ素水溶液の沸点以上の温度で維持される場合には、第1加熱手段と第2加熱手段との一方のみを選択的に使用することが可能である。この場合には、使用しない他方の構成を燃料電池システムから省略することができる。
なお、図2において、循環路32の一部が蒸発室24内を通過する構成とした。このような構成に代えて、循環路32が本体20の下部(蒸発室24)の外壁に接触するように配置されるように構成しても良い。
或いは、循環路32の一部がエアコンプレッサ14又はモータ14Bに接触するように構成し、エアコンプレッサ14又はモータ14Bの駆動により発生する熱が循環路32の熱媒体に伝達される構成としても良い。
或いは、蒸発室24の外壁がエアコンプレッサ14又はモータ14Bに接触するように構成され、エアコンプレッサ14又はモータ14Bからの熱が蒸発室24に伝達されるように構成することも考えられる。この場合、循環路32及びポンプ33は不要である。
〈第1実施形態の効果〉
以上説明した第1実施形態によれば、気液分離器16の蒸発室24内に案内される不純物(フッ素イオン)を含む生成水が、加熱手段(第1及び/又は第2加熱手段)によりフッ素水溶液の沸点以上になるまで加熱される。
以上説明した第1実施形態によれば、気液分離器16の蒸発室24内に案内される不純物(フッ素イオン)を含む生成水が、加熱手段(第1及び/又は第2加熱手段)によりフッ素水溶液の沸点以上になるまで加熱される。
従って、オリフィス22を通じて蒸発室24内に案内される生成水中のフッ素イオンは、生成水とともに気化してガスとなり、不純物ガスとして配管20Bへ排出される。不純物ガスの単位体積あたりのフッ素濃度は、フッ素の気化膨張により生成水の単位体積あたりの濃度よりも低下している。
このようにして、フッ素を含む生成水をフッ素濃度が低下した状態で外部に排出することができる。このため、第1実施形態の構成では、フッ素イオンを生成水中から除去するイオン交換樹脂を含むイオン交換器が省略されている。
加熱手段として、回生ブレーキにより生じた電力や、酸化剤ガスの熱、エアコンプレッサ14等の廃熱を利用する。このため、加熱のために特別なエネルギー源を用意する必要がない。
なお、図2に示した構成例では、気液分離室23と蒸発室24との間にオリフィス22を設けた。オリフィス22の代わりに、弁の開度を調整可能な流量制御弁が適用されても良い。この場合、ECU30は、例えば、気液分離室23内の水位が高くなるほど開度が大きくなるように、弁の開度を調整する。また、弁の開度が水位と蒸発室24内の温度とに基づいて調整されるように構成することも考えられる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明による燃料電池システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と共通点を有するので、主として相違点について説明し、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、図1に示す燃料電池システムの構成において、気液分離器16(図2)の代わりに図5に示すような気液分離器40が適用されている。
次に、本発明による燃料電池システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と共通点を有するので、主として相違点について説明し、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、図1に示す燃料電池システムの構成において、気液分離器16(図2)の代わりに図5に示すような気液分離器40が適用されている。
〈気液分離器の構成〉
図5は、第2実施形態における気液分離器40を中心とした構成例を示す図である。図5において、気液分離器40は、内部空間が気液分離室23Aとして機能する第1本体41と、内部空間が蒸発室として機能する第2本体42とからなる。第1本体41と第2本体42とは、配管43,三方弁44及び配管45を介して連結されている。
図5は、第2実施形態における気液分離器40を中心とした構成例を示す図である。図5において、気液分離器40は、内部空間が気液分離室23Aとして機能する第1本体41と、内部空間が蒸発室として機能する第2本体42とからなる。第1本体41と第2本体42とは、配管43,三方弁44及び配管45を介して連結されている。
第1本体41は、側面が円筒状に形成されており、配管15(図1)が第1実施形態と同様の手法で連結されている。第1本体41の一部が開口した状態で閉塞され、開口部には気液分離室23Aで分離された気相成分が排出される排出管46が接続されている。このような構成により、第1実施形態と同じ原理で、気液分離室23内に導入される生成水を含む酸化剤オフガスが気相成分と液相成分とに分離される。
第1本体41の下部は、漏斗状に形成されており、その中心部に配管43が連結されている。これにより、気液分離室23A内で分離された液相成分(生成水)が気液分離室23Aの底部から配管43へ向かって流れるように構成されている。配管43は、三方弁44の入口に接続されている。この入口が閉じた状態であると、気液分離室23で分離された生成水は配管43内を満たした後に、気液分離室23Aの底部に貯留される。
気液分離室23Aの底部には、イオン交換樹脂46が配置されている。イオン交換樹脂46は、気液分離室23Aに貯留された生成水に漬かるように配置されている。生成水中
の不純物(フッ素イオン)はイオン交換樹脂46に吸着する。これにより、生成水からフッ素イオンが除去される。
の不純物(フッ素イオン)はイオン交換樹脂46に吸着する。これにより、生成水からフッ素イオンが除去される。
三方弁44は、入口,第1出口及び第2出口を有しており、入口は配管43に接続され、第1出口は配管47に接続され、第2出口は配管45に接続されている。これにより、配管43から三方弁44の入口に導入される生成水は、第1出口から配管47へ排出される経路R1と、第2出口から配管45へ排出される経路R2との一方へ案内される。三方弁44の入口、第1及び第2出口の開弁/閉弁(開度)、即ち経路R1及び経路R2に対する生成水の流量は、ECU30Aにより調整される。
第2本体42は、配管45に連結されており、配管43,三方弁44及び配管45で構成される案内路を通じて案内された生成水が第2本体42内に導入されるように構成されている。第2本体42の内部空間は蒸発室24Aとして使用される。第2本体42の側面には、排出管48が接続されており、蒸発室24Aで不純物を含む生成水の蒸発により生じたガスは、不純物ガスとして排出管48を通って外部に排出される。
蒸発室24Aの内部は、加熱手段によりフッ素水溶液の沸点以上の温度となるように構成されている。加熱手段の構成は、第1実施形態で説明した第1及び/又は第2加熱手段の構成を適用することができる。図5では、例として、電力供給部27及びヒータ28が簡略的に図示されている。また、図5では、気液分離室23Aに配置される水位センサや蒸発室24Aに配置される温度センサの図示が省略されている。
第2実施形態では、配管15の第1本体41の直前部分において、配管15の内部に、第1の不純物検出手段49が設けられ、配管43内に第2の不純物検出手段50が設けられている。各不純物検出手段49,50は、導電率センサ,pHセンサ,イオン濃度計のいずれか又はこれらの組み合わせで構成される。各不純物検出手段49,50は、その構成に応じて、配管15又は配管43を流れる生成水中のイオン濃度又はイオン量等を検出することができる。
各不純物排出手段49,50による検出結果(イオン量及び/又はイオン濃度等)は、ECU30Aに与えられる。ECU30Aは、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、例えば、イオン交換樹脂46が劣化したか否かに応じて経路R1と経路R2との一方を選択する処理(第1の処理)や、イオン交換樹脂46の処理能力を越えたか否かに応じて経路R1と経路R2との一方を選択する処理(第2の処理)等を行う。
〈ECUによる処理〉
以下、図6及び図7を用いて、ECU30Aによる処理を説明する。但し、図6及び図7の説明では、説明を簡略化するために、各不純物検出手段49,50はイオン濃度計のみから構成され、イオン濃度の検出結果がECU30Aに与えられるものと仮定する。
以下、図6及び図7を用いて、ECU30Aによる処理を説明する。但し、図6及び図7の説明では、説明を簡略化するために、各不純物検出手段49,50はイオン濃度計のみから構成され、イオン濃度の検出結果がECU30Aに与えられるものと仮定する。
《第1の処理》
図6は、ECU30Aによる、イオン交換樹脂46の劣化判定結果に基づく経路選択処理(第1の処理)の例を示すフローチャートである。図6において、ECU30Aは、処理を開始すると、イオン交換樹脂46が劣化しているか否かを判定する(ステップS01)。
図6は、ECU30Aによる、イオン交換樹脂46の劣化判定結果に基づく経路選択処理(第1の処理)の例を示すフローチャートである。図6において、ECU30Aは、処理を開始すると、イオン交換樹脂46が劣化しているか否かを判定する(ステップS01)。
例えば、ECU30Aは、各不純物検出手段49,50からイオン濃度の検出結果を受け取り、イオン濃度の差(低減率:不純物検出手段49で検出されたイオン濃度に対する差の割合)を求める。
続いて、ECU30Aは、低減率が予め用意された規定値を下回っているか否かを判定
する。ここに、規定値は、排出に適した生成水中のイオン濃度を考慮して決定される。即ち、生成水中のイオン濃度はイオン交換樹脂46を通過することによって排出に適した濃度まで低減することが想定されている。低減率が規定値を上回る範囲であれば、配管43中の生成水のイオン濃度は排出に適した範囲に収まっている。これに対し、低減率が規定値未満である場合には、配管43中の生成水のイオン濃度は排出に適さない濃度となっている。
する。ここに、規定値は、排出に適した生成水中のイオン濃度を考慮して決定される。即ち、生成水中のイオン濃度はイオン交換樹脂46を通過することによって排出に適した濃度まで低減することが想定されている。低減率が規定値を上回る範囲であれば、配管43中の生成水のイオン濃度は排出に適した範囲に収まっている。これに対し、低減率が規定値未満である場合には、配管43中の生成水のイオン濃度は排出に適さない濃度となっている。
ECU30Aは、低減率が規定値を上回る場合(S01;YES)には、経路R1を選択する(ステップS02)。即ち、ECU30Aは、三方弁44に対し、入口及び第1出口を開き、第2出口を閉じる制御信号を与える。これによって、気液分離室23Aから排出された生成水は、三方弁44を通って配管47に液体で排出される。
これに対し、ECU30Aは、低減率が規定値を下回る場合(S01;NO)には、経路R2を選択する(ステップS03)。即ち、ECU30Aは、三方弁44に対し、入口及び第2出口を開き、第1出口を閉じる制御信号を与える。これによって、気液分離室23Aから排出された生成水は、三方弁44を通って配管45に排出され、蒸発室24A内に案内される。
ECU30Aは、イオン交換樹脂46が劣化したと判定すると、電力供給部27に対し、ヒータ28への通電を開始させる。これにより、蒸発室24A内は、例えばフッ素水溶液の沸点(106℃)以上に加熱される。このため、生成水中の不純物(フッ素イオン)は、生成水とともに蒸発し、不純物ガスとして排出管48へ排出される。
《第2の処理》
図7は、ECU30Aによる、イオン交換樹脂46の処理能力(浄化性能)超過の判定結果に基づく経路選択処理(第2の処理)の例を示すフローチャートである。図7において、ECU30Aは、処理を開始すると、イオン濃度がイオン交換樹脂46の処理能力を超過しているか否かを判定する(ステップS11)。
図7は、ECU30Aによる、イオン交換樹脂46の処理能力(浄化性能)超過の判定結果に基づく経路選択処理(第2の処理)の例を示すフローチャートである。図7において、ECU30Aは、処理を開始すると、イオン濃度がイオン交換樹脂46の処理能力を超過しているか否かを判定する(ステップS11)。
例えば、ECU30Aは、不純物検出手段50から得られる配管43中のイオン濃度の絶対値が、予め用意された規定値を超えているか否かを判定する。規定値以上の濃度は、生成水のままでの排出に適さない濃度であることを示す。
ECU30Aは、イオン濃度が規定値を下回る場合(S11;YES)には、経路1を選択する(ステップS12)。これによって、気液分離室23Aから排出された生成水は、三方弁44を通って配管47に液体で排出される。
これに対し、ECU30Aは、低減率が規定値を下回る場合(S11;NO)には、経路2を選択する(ステップS13)。これによって、気液分離室23Aから排出された生成水は、三方弁44を通って配管45に排出され、蒸発室24A内に案内される。
ECU30Aは、イオン交換樹脂46の処理能力超過と判定すると、電力供給部27に対し、ヒータ28への通電を開始させる。これにより、蒸発室24A内は、例えばフッ素水溶液の沸点(106℃)以上に加熱される。このため、生成水中の不純物(フッ素イオン)は、生成水とともに蒸発し、不純物ガスとして排出管48へ排出される。
なお、第2の処理におけるステップS11において、ECU30Aが、第1の処理と同様の手法(低減率が規定値未満か否かの判定)で、イオン濃度がイオン交換樹脂46の処理能力を超過しているか否かを判定するように構成しても良い。或いは、気液分離室23A内の水位,燃料電池1の負荷(発電量),背圧等、これらの組み合わせからイオン交換樹脂
46の処理能力超過を判定することもできる。
46の処理能力超過を判定することもできる。
〈第2実施形態の効果〉
第2実施形態によれば、ECU30Aが、判定手段として、イオン交換樹脂が劣化しているか否か、或いはイオンがイオン交換樹脂の処理能力を超過しているか否かを判定する。ECU30Aは、判定結果に基づき、生成水の排出経路として、液体の状態で排出する経路1と、加熱手段により不純物とも気化させて気体の状態で排出する経路2との一方を選択する。
第2実施形態によれば、ECU30Aが、判定手段として、イオン交換樹脂が劣化しているか否か、或いはイオンがイオン交換樹脂の処理能力を超過しているか否かを判定する。ECU30Aは、判定結果に基づき、生成水の排出経路として、液体の状態で排出する経路1と、加熱手段により不純物とも気化させて気体の状態で排出する経路2との一方を選択する。
これによって、イオン交換樹脂46によって十分にイオン濃度の低下を図ることができない場合でも、イオンを含む生成水をイオン濃度が低下した状態で外部に排出することが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明による燃料電池システムの第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1及び第2実施形態と共通点を有するので、主として相違点について説明し、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態は、図1に示す燃料電池システムの構成において、気液分離器16(図2)の代わりに気液分離器50が適用されている。
次に、本発明による燃料電池システムの第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1及び第2実施形態と共通点を有するので、主として相違点について説明し、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態は、図1に示す燃料電池システムの構成において、気液分離器16(図2)の代わりに気液分離器50が適用されている。
〈気液分離器の構成〉
図8は、第3実施形態における気液分離器51を中心とした構成例を示す図である。図8において、気液分離器51の本体52は、内部が中空状の円柱形状を有し、その側面に配管53が取り付けられ、上面に排出管54が取り付けられている。配管53及び排出管54の取り付け状態は、図2に示した配管15及び配管20Aと同様となっている。
図8は、第3実施形態における気液分離器51を中心とした構成例を示す図である。図8において、気液分離器51の本体52は、内部が中空状の円柱形状を有し、その側面に配管53が取り付けられ、上面に排出管54が取り付けられている。配管53及び排出管54の取り付け状態は、図2に示した配管15及び配管20Aと同様となっている。
本体52の内部空間は気液分離室23Bとして機能する。配管53からは、生成水を含む燃料オフガスが気液分離室23B内に導入される。すると、第1実施形態における気液分離室23(図2)と同様の原理により、燃料オフガスが気相成分と液相成分(生成水)とに分離され、気相成分は排出管54から排出され、生成水は気液分離室23Bの底部に溜まる。
第3実施形態では、気液分離室23B内の生成水に対する加熱が行われる。このため、本体52の内部空間は、蒸発室としても機能する。加熱手段として、図8に示す例では、第1加熱手段(電力供給部27及びヒータ28)が適用されている。
電力供給部27には、回生ブレーキにより生じたエネルギー(電力)が入力され、入力された電力で電力供給部27内の二次電池27Aが充電され、余った分がヒータ28に通電されるように構成されている。このように、第3実施形態では、回生ブレーキによって生じた余剰エネルギーのみで生成水(不純物(フッ素イオン))に対する加熱が行われる。
配管53は、三方弁55を介して配管15(図1)に接続されている。三方弁55は、配管15と接続される入口、配管53と接続される第1出口、配管56と接続される第2出口とを有しており、配管56は、内部にイオン交換樹脂が配置されたイオン交換器57に接続されている。
このような構成により、配管15を流れる生成水を含む燃料オフガスは、三方弁55において、配管53へ排出される経路R3と、配管56へ排出される経路R4との一方から排出される。三方弁55の入口,第1及び第2出口の開度(各経路R3,R4への流量)は、ECU30Bによって調整される。
〈ECUによる処理〉
次に、ECU30Bによる処理について説明する。図9は、ECU30Bによる第1の処理を示すフローチャートであり、図10は、ECU30Bによる第2の処理を示すフローチャートである。
次に、ECU30Bによる処理について説明する。図9は、ECU30Bによる第1の処理を示すフローチャートであり、図10は、ECU30Bによる第2の処理を示すフローチャートである。
《第1の処理》
図9に示す第1の処理が開始されると、ECU30Bは、最初に、余剰エネルギーの値が設定値を上回っているか否かを判定する(ステップS21)。
図9に示す第1の処理が開始されると、ECU30Bは、最初に、余剰エネルギーの値が設定値を上回っているか否かを判定する(ステップS21)。
例えば、ECU30Bは、電力供給部27に入力される回生エネルギー(受入電力)値と、二次電池27Aの充電量とを電力供給部27から検出するように構成されており、入力される電力及び二次電池27Aから供給可能な電力を余剰エネルギー値として予め用意された設定値と対比する。
このとき、余剰エネルギーが設定値以上である場合(S21;YES)には、ECU30Bは、ヒータ28で気液分離室(蒸発室)23B内を十分に加熱できるものとして、経路R3を選択する(ステップS22)。即ち、ECU30Bは、三方弁55の入口及び第1出口を開き、且つ第2出口を閉じる制御信号を三方弁55に与える。これにより、配管15を流れる生成水を含む燃料オフガスは、配管53を通って気液分離室23B内に導入される。導入された生成水は、ヒータ28からの熱で、例えばフッ素水溶液の沸点以上に加熱される。これにより、生成水中の不純物(フッ素イオン)は蒸発して、排出管54から濃度が低下した状態で排出される。
これに対し、余剰エネルギーが設定値未満である場合(S21;NO)には、生成水を十分に加熱できないので、ECU30Bは、経路R4を選択する(ステップS23)。即ち、ECU30Bは、三方弁55の入口及び第2出口を開き、且つ第1出口を閉じる制御信号を三方弁55に与える。これによって、配管15を流れる生成水を含む燃料オフガスは、配管56を通ってイオン交換器57に導入される。イオン交換器57内では、生成水中の不純物(フッ素イオン)がイオン交換樹脂に吸着し、生成水から除去される。イオンが除去された生成水は、イオン交換器57に接続されたドレン管から排出される。
第1の処理によれば、気液分離室23B内に貯留された生成水を加熱するための余剰エネルギーが十分にある(設定値を上回る)場合には、経路R3が選択される。この場合、経路R4(イオン交換器57)には生成水が導入されないので、イオン交換器57の使用頻度が低下する。従って、イオン交換器57内のイオン交換樹脂の寿命を延ばすことができる。
上述した例では、生成水の通過経路が経路3から経路4との間で完全に切り替わる場合について説明した。このような構成に代えて、三方弁55として、第1及び第2出口の通過量を調整可能な流量制御弁を適用し、例えばステップS23において、配管15からの生成水が経路3及び経路4に分流するようにしても良い。
《第2の処理》
第1の処理として、ECU30Bが余剰エネルギーに基づいて生成水の通過経路を切り替える処理について説明した。次に、第2の処理として、ECU30Bが気液分離室23B内に配置され、気液分離室23B内に貯留した生成水の水位を計測する水位センサ59の出力(水位(水量))に基づいて、生成水の通過経路を切り替える処理について説明する。
第1の処理として、ECU30Bが余剰エネルギーに基づいて生成水の通過経路を切り替える処理について説明した。次に、第2の処理として、ECU30Bが気液分離室23B内に配置され、気液分離室23B内に貯留した生成水の水位を計測する水位センサ59の出力(水位(水量))に基づいて、生成水の通過経路を切り替える処理について説明する。
図10に示す第2の処理が開始されると、最初に、ECU30Bは、水位センサ59に
より計測される水位が所定の設定値を超えているか否かを判定する(ステップS31)。このとき、水位が設定値を超えていない場合(S31;NO)には、ECU30Bは、経路3を選択する(ステップS32)。これに対し、水位が設定値を超えている場合(S31;YES)には、ECU30Bは、経路4を選択する(ステップS33)。
より計測される水位が所定の設定値を超えているか否かを判定する(ステップS31)。このとき、水位が設定値を超えていない場合(S31;NO)には、ECU30Bは、経路3を選択する(ステップS32)。これに対し、水位が設定値を超えている場合(S31;YES)には、ECU30Bは、経路4を選択する(ステップS33)。
第2の処理によれば、気液分離室23B内の水位上昇速度に生成水の気化速度が追いつかない場合には、経路4が選択されることで、イオン交換器57に生成水の処理を負担させることができる。
上述した処理では、経路3と経路4との一方が選択的に使用される例を示したが、水位に応じて経路4を流れる生成水の量が増減するように三方弁55をECU30Bが制御する構成を適用することも可能である。
また、図8に示すように、配管15内に、不純物検出手段60を配置し、不純物検出手段60による検出結果(例えばイオン濃度)に応じて、経路3及び経路4を流れる生成水の流量を調整するように構成することも可能である。
例えば、不純物検出手段60で検出されるイオン濃度が所定濃度以上となった場合には、経路3及び経路4に生成水が流れるようにECU30Bが三方弁55を制御し、イオン濃度の高い生成水が気液分離器51とイオン交換器57との双方で処理されるように構成することができる。
さらに、図8に示すように、ドレン管58上に不純物検出手段61を設け、第2実施形態で説明した第1及び第2の処理が実行され、イオン交換器57内のイオン交換樹脂の劣化や能力超過が認められる場合に、経路R3のみが選択されるように構成することも可能である。
なお、第3実施形態に第2加熱手段の構成をさらに適用し、第1及び第2加熱手段が併用されるように構成することも可能である。
〈その他〉
上述した第1〜第3の実施形態では、酸化剤オフガスの気液分離器(16,40,51)に対して本発明を適用した例を示した。本発明の構成(生成水を加熱手段で生成水内の不純物が気化する温度まで加熱する構成)は、図1に示す燃料オフガスの気液分離器6に対して適用することも可能である。
上述した第1〜第3の実施形態では、酸化剤オフガスの気液分離器(16,40,51)に対して本発明を適用した例を示した。本発明の構成(生成水を加熱手段で生成水内の不純物が気化する温度まで加熱する構成)は、図1に示す燃料オフガスの気液分離器6に対して適用することも可能である。
酸化剤オフガスの気液分離器に本発明の構成を適用した理由の一つには、燃料電池1内の生成水が主に酸化剤オフガス中に含まれて燃料電池1から排出されることを考慮したものである。酸化剤オフガスに含まれる生成水の量が微量であり、その濃度を考慮する必要がない場合には、燃料オフガスの気液分離器のみに本発明の構成を適用することが考えられる。
また、第1〜第3の実施形態では、燃料電池1としてPEFCが適用され、PEFC内で生成水中に溶出するフッ素イオンを不純物とし、フッ素イオン濃度をイオン交換樹脂を用いることなく低減する構成について説明した。もっとも、本発明は、対象となる不純物を加熱手段で気化する温度まで加熱できる限り、様々な不純物を対象として適用が可能なものである。従って、本発明を適用可能な燃料電池は、PEFCに限られず、これ以外の種類の燃料電池に対しても適用可能である。
1・・・燃料電池(PEFC)
14・・・エアコンプレッサ
16,40,51・・・気液分離器
22・・・オリフィス
23,23A,23B・・・気液分離室
24,24A・・・蒸発室
27・・・電力供給部
27A・・・二次電池
28・・・電熱線ヒータ
30,30A,30B・・・ECU
32・・・循環路
33・・・ポンプ
44,55・・・三方弁
14・・・エアコンプレッサ
16,40,51・・・気液分離器
22・・・オリフィス
23,23A,23B・・・気液分離室
24,24A・・・蒸発室
27・・・電力供給部
27A・・・二次電池
28・・・電熱線ヒータ
30,30A,30B・・・ECU
32・・・循環路
33・・・ポンプ
44,55・・・三方弁
Claims (4)
- 燃料電池と、
前記燃料電池から排出されるガス中に含まれる生成水を、該生成水中に含まれる水より沸点の高い不純物の少なくとも1つが気化する温度まで加熱する加熱手段と
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、
前記不純物はフッ素である
ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池から排出されるガスが流れるガス排出通路と、
前記ガス排出通路に設けられ、前記ガス中の生成水を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された生成水中の前記不純物が気化した不純物ガスが流れる不純物ガス排出通路と、
前記貯留部と前記不純物ガス排出通路との間に設けられ、前記貯留部に貯留された生成水を前記不純物ガス排出通路に案内する案内路とを含み、
前記加熱手段は、前記案内路を通って前記貯留部から前記不純物ガス排出通路に案内された生成水中の前記不純物を前記不純物ガス排出通路内で蒸発させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記案内路を流れる生成水の流量を調整する流量調整手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
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JP2008147076A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Daihatsu Motor Co Ltd | 燃料電池システム |
-
2005
- 2005-03-23 JP JP2005083276A patent/JP2006269155A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |