JP2006269156A - 固体高分子電解質型燃料電池の制御装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換器を使用しなくても高濃度のイオンが排出されるのを抑制する固体高分子電解質型燃料電池の制御装置の提供。
【解決手段】固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)の制御装置は、PEFCから排出される、イオンを含む生成水を貯留する気液分離器と、気液分離器内に貯留された水を該気液分離器の外部へ排出する排出手段と、気液分離器内に貯留された水の量とPEFCの運転状態とから、この貯留された水に含まれるイオンの濃度を推定する濃度推定手段と、濃度推定手段により推定されたイオンの濃度が所定濃度以上のときに前記排出手段による水の排出を禁止する排出禁止手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池の制御装置及びその制御方法に関する。
固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)は、電解質に水素イオン導電性の高いフッ素樹脂系高分子膜を用いている。PEFCに対する負荷、運転状態、その他の条件によって、燃料電池の発電時に生成される生成水中に電解質膜からのフッ素化合物(例えばフッ酸)やフッ素イオンが溶出することがある。フッ素化合物やフッ素イオンは、生成水の排出経路を構成する金属配管から金属イオンが生成水中に溶出(金属配管が例えばステンレス(SUS)であれば、Fe(鉄),Ni(ニッケル),Cr(クロム)等)する要因の一つとなる。
本発明に関連する先行技術文献として、燃料電池の生成水中に含まれているフッ素等のイオンを除去するイオン交換樹脂を燃料電池システム内に配置することを開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、先行技術文献として、下記の特許文献2に開示された発明がある。
特開2002−313404号公報 特開2002−313383号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたイオン交換樹脂は寿命を有するため、長期間にわたって燃料電池システムが使用される場合にはイオン交換樹脂の交換を要する。また、特許文献1では、イオン交換樹脂に生成水を通してイオンを除去する構成が開示されているが、寿命により機能低下したイオン交換樹脂を通じた生成水を外部に排出するようにすると、イオン濃度が高い生成水が排出されてしまう可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、イオン交換樹脂を使用しなくても高濃度のイオンを含む生成水が排出されるのを抑制できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述した目的を達成するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明は、固体高分子電解質型燃料電池の制御装置であり、
固体高分子電解質型燃料電池から排出される、イオンを含む生成水を貯留する気液分離器と、
前記気液分離器内に貯留された水を該気液分離器の外部へ排出する排出手段と、
前記気液分離器内に貯留された水の量と前記固体高分子型燃料電池の運転状態とから、この貯留された水に含まれるイオンの濃度を推定する濃度推定手段と、
前記濃度推定手段により推定されたイオンの濃度が所定濃度以上のときに前記排出手段による水の排出を禁止する排出禁止手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、濃度推定手段が、気液分離器内に貯留された水の量と固体高分子燃料電池の運転状態とから水中のイオン濃度を推定する。排出禁止手段は、イオン濃度が所定濃度以上である場合には、排出手段から貯留された水が排出されるのを禁止する。これによって、イオン交換樹脂を使用しなくても、高濃度のイオンを含む水が気液分離器外に排出されるのを防止できる。
本発明の濃度推定手段は、
前記固体高分子電解質型燃料電池の発電量を算出する手段と、
前記気液分離器内に貯留された水の量を測定する手段と、
前記固体高分子電解質型燃料電池の発電量とこの発電量に応じた生成水中のイオン濃度との関係を示すデータを記憶した記憶手段と、
算出された発電量,測定された水量,及び前記データを用いて前記貯留された水に含まれるイオン量を算出し、算出したイオン量と前記水量とから前記貯留された水に含まれるイオン濃度の推定値を算出する手段と、
を含むように構成することができる。
本発明は、気液分離内に存する、水分を含むガスを冷却する冷却手段をさらに備えるようにしても良い。この場合には、冷却手段によりガス中の水分が液化して気液分離器内に貯留されるので、気液分離器内に貯留した水のイオン濃度の低下を図ることができる。
また、本発明は、上述した制御装置と同様の特徴を有する方法の発明、コンピュータに対し、少なくとも上記運転状態の算出、水量の測定、イオン濃度の推定、及び濃度比較に基づく水の排出禁止制御を実行させるプログラムの発明としても特定することができる。
本発明によれば、イオン交換樹脂を使用しなくても高濃度のイオンを含む水が排出されるのを抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〈燃料電池システムの構成例〉
図1は、本発明が適用される燃料電池システムの構成例を示す図である。図1において、燃料電池1として、固体高分子型燃料電池(PEFC)が適用されている。燃料電池1は、複数のセルが積層されてなるセルスタック構造を持つ。
セルは、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を両側から挟む燃料極(アノード)及び空気極(酸化剤極:カソード)と、燃料極及び空気極を挟む燃料極側セパレータ及び空気極側セパレータとからなる。
燃料極は、拡散層と触媒層とを有し、水素ガスや水素リッチガスなどの水素を含む燃料が燃料供給系により燃料極に供給される。燃料極に供給された燃料は、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、水素がプロトン(水素イオン)と電子とに分離される。水素イオンは固体高分子電解質膜を通って空気極に移動し、電子は外部回路(図示せず)を通って空気極に移動する。
一方、空気極は、拡散層と触媒層とを有し、空気等の酸化剤ガスが酸化剤供給系により空気極に供給される。空気極に供給された酸化剤ガスは、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、酸化剤ガスと、固体高分子電解質膜を通って空気極に到達した水素イオンと、外部回路を通って空気極に到達した電子とによる反応により水が生成される。
このような燃料極及び空気極における反応の際に外部回路を通る電子が、燃料電池1のセルスタックの両端子間に接続される図示しない負荷に対する電力として使用される。
燃料電池1には、燃料を供給及び排出するための燃料供給/排出系と、酸化剤を供給及び排出するための酸化剤供給/排出系とが接続される。図1において、燃料供給/排出系は次のように構成されている。
すなわち、燃料電池1に設けられた燃料入口1Aは、水素源(例えば、高圧水素を貯留したタンク)2及び調圧弁3と配管4を介して接続されている。一方、燃料電池1に設けられた燃料出口1Bは、配管5を介して、燃料ガスの気液分離器6の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、燃料入口1Aと燃料出口1Bとを結び、且つセルの燃料極を経由する燃料通路1Cが設けられている。
燃料気液分離器6の気体側出口は、配管7を介して、モータにより駆動する循環ポンプ8の入口に接続されている。循環ポンプ8の出口には配管9が設けられており、配管9は、逆止弁10を介して配管4に接続されている。また、配管9には、排気管11及び排気弁12が配置されている。排気弁12から排出されるガスは図示せぬ希釈器を通って水素濃度が薄められた後、外部に排出される。
以上の構成において、燃料ガスが通過する配管のうち、配管5、気液分離器6、配管7、配管9は、ステンレス(SUS)のような金属製の材質で構成されている。
このような燃料供給/排出系の構成によれば、水素源2から送り出される高圧の水素ガス(燃料ガス)は、調圧弁3で調圧された後、配管4を通って燃料入口1Aから燃料電池1内に入り、燃料通路1Cを通過する際に燃料極にて電極反応に消費される。その後、燃料極を通過した水素ガスは、燃料オフガスとして燃料出口1Bから配管5(燃料電池1の外部)へ排出され、気液分離器6へ送られる。
気液分離器6では、燃料オフガスが気相成分と液相成分とに分離され、気相成分は配管7を通って循環ポンプ8により再び配管4に供給される。このように、燃料電池1に供給される燃料ガスが循環するように構成されている。さらに、調圧弁3及び排気弁11の開閉制御により、燃料ガスの濃度が適正な範囲で保たれるように構成されている。
一方、図1において、酸化剤供給/排出系は、次のように構成されている。すなわち、燃料電池1に設けられた酸化剤入口1Dは、配管13を介してエアコンプレッサ14に接続されている。配管13上には図示せぬ加湿器が設けられている。また、燃料電池1に設けられた酸化剤出口1Eは、配管15を介して酸化剤ガスの気液分離器16の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、酸化剤入口1Dと酸化剤出口1Eとを結び、且つセルの空気極を経由する酸化剤通路1Fが設けられている。さらに、気液分離器6の液相成分の出口は、ドレン弁を介して配管17の一端に接続されており、配管17の他端は配管15に接続されている。
このような酸化剤供給/排出系の構成によれば、エアコンプレッサ14のモータによる駆動により、酸化剤ガスとしての空気が配管13を介して燃料電池1に供給される。このとき空気は図示せぬ加湿器により湿気を含んだ状態となっている。空気は酸化剤入口1Dから燃料電池1内に入り、酸化剤通路1Fを通過する際に、空気極にて電極反応に消費される。また、空気中の湿気で固体高分子電解質膜が加湿される。その後、空気極を通過した空気は、酸化剤オフガスとして酸化剤出口1Eから配管15(燃料電池1の外部)に排出される。配管15に送り出された酸化剤オフガスは、配管17から合流する液相成分とともに気液分離器16へ導入される。
気液分離器16では、気相成分と液相成分との分離が行われる。気相成分は、気相成分出口16Aから排出され、図示せぬ希釈器を通り、濃度が薄まった状態で外部に排出され
る。液相成分は、液相成分出口(ドレン)16Bから排出され、回収される。
ところで、燃料電池1では、空気極での反応によって水(生成水)が生成される。生成水は、固体高分子電解質膜を通じて空気極から燃料極に到達する。固体高分子電解質膜には、フッ素系樹脂系高分子膜が適用されている。このため、燃料極へ移動する生成水中にフッ酸(フッ素イオン)が溶出することがある。
燃料極へ到達した生成水は、燃料ガスとともに、燃料電池1の外部(配管5)に排出される。このとき、燃料電池1から排出される生成水中のフッ素イオンは、配管5等を構成する金属と反応し金属イオン(ステンレス(SUS)であれば、鉄(Fe),ニッケル(Ni),クロム(Cr)等の各イオン)が溶出する要因となることがある。生成水は、気液分離器6で液相成分として燃料オフガスから分離され、配管17、15を通じて気液分離器16に導入される。
本発明の実施形態は、生成水中に溶出したイオン濃度をイオン交換樹脂を用いることなく低下させて外部に排出可能とする構成について例示する。ここでは、イオンとして、生成水中に溶出するフッ素イオンや金属イオン等のイオンを例示する。
〈気液分離器の構成〉
図2は、図1に示した燃料ガスの気液分離器6の構成例を示す図である。図2において、気液分離器6は、底部が漏斗状に形成され、上部が閉塞された円筒形状を有している。気液分離器6の側面には、配管5が取り付けられ、配管5の内部空間と気液分離器6の内部空間とが連通している。
また、気液分離器6の上部には、配管7が取り付けられ、配管7の内部空間が気液分離器6の内部空間と連通する状態となっている。さらに、気液分離器6の底部には、ドレン管21が連結され、ドレン管21の内部空間は気液分離器6の内部空間に連通している。ドレン管21はドレン弁(電磁弁)22の入口に接続されている。ドレン弁22の出口は、配管17に連結されている。
配管5は、燃料電池1から排出された生成水を含む燃料オフガスを、気液分離器6の接線方向から気液分離器6内に導入するように取り付けられている。これによって、気液分離器6内に導入された燃料オフガスは、気液分離器6の内周面に沿って旋回する。このとき、比重の重い液相成分(生成水)は、気液分離器6内の底部に溜まり、比重の軽い気相成分(燃料オフガス)は、配管5から導入される燃料オフガスに押し出されるようにして配管7から排出される。気液分離器6の底部に移動した生成水は、ドレン弁22が閉弁状態の間、気液分離器6内に貯留され、ドレン弁22の開弁により配管17へ排出される。
気液分離器6の内部空間には、ラジエータ23及び循環ポンプ24を通って循環する冷媒の循環路25の一部が配置されている。冷媒はモータによる循環ポンプ24の駆動により循環し、ラジエータ23を通過する際に冷却され、気液分離器6内で燃料オフガスから熱を奪い、再びラジエータ23で冷却される。このように、ラジエータ23、循環ポンプ24及び循環路25からなる冷却手段を設けることにより、気液分離器6内の燃料オフガスは、冷媒との熱交換により冷却され、燃料オフガス中の水蒸気が水となり気液分離器6内の底部に溜まる。
気液分離器6内には、その底部に貯留される水(生成水)の水位を検知する水位センサ(レベルセンサ)26が配置されており、水位センサ26の出力は、気液分離器6の外部に配置された制御手段としてのECU(Electronic Control Unit)27に入力されるように構成されている。
ECU27は、中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ、メモリ(RAMやROM等:記憶手段)、入出力インタフェース(I/O)等から構成されており、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。プログラムの実行により、ECU27は、水位センサ26の出力から得られる気液分離器6内に貯留された水量、及びECU27で計算される燃料電池1の運転状況(燃料電池1の発電量)を用いて、気液分離器6内に貯留された水に含まれる不純物(イオン)の濃度を推定し、その推定結果に応じてドレン弁22及び循環ポンプ24の動作を制御する。
〈ECU27による処理〉
図3は、図2に示したECU27による処理の例を示すフローチャートである。図3に示す処理は、その開始時において、ドレン弁22が閉弁されており、気液分離器6内に水は溜まっていないことを想定している。また、循環ポンプ24はオフであることが想定されている。
図3において、最初に、ECU27は、燃料電池1の運転状況として燃料電池1の発電量を算出する(ステップS01)。ECU27は、燃料電池1に負荷として接続された図示せぬ電流計で測定される燃料電池1の電流値を受け取るように構成されており、所定の単位時間(時間区間)あたりの発電量を算出する。ECU27は、算出された発電量をメモリに格納する。
次に、ECU27は、気液分離器6内に貯留された水の水位(水量)を測定する(ステップS02)。即ち、ECU27は、水位センサ26の出力を用いて気液分離器6内に貯留された水の水量を算出する。
次に、ECU27は、ステップS01で算出した発電量と、ステップS02で測定した気液分離器6内の水量とから、気液分離器6に貯留された水中の不純物(イオン)の濃度を推定する(ステップS03)。
本願出願人は、実験の結果、燃料電池負荷(発電量)とイオン(フッ素イオン・金属イオン)濃度との間には、図4のグラフに示すような相関関係があることを見い出している。図4に示されるように、イオン濃度は、燃料電池負荷が高くなるほど低下し、その間に環境目標値とされる濃度を下回る。
図4に示されるイオン濃度は、生成水中をイオンが占める割合である。このことは、燃料電池負荷(発電量)に応じて燃料電池1から排出される生成水の量が決まることを示している。燃料電池1から排出される生成水(イオンを含む)は、上記したように、配管5を通って気液分離器6の底部に溜まる。
従って、ステップS01で対象とした単位時間(時間区間)内に燃料電池1から排出された生成水がステップS02における測定のタイミングにおいて気液分離器6内に貯留されていると仮定すれば、ステップS01で算出された発電量と、ステップS02で測定された水量とから貯留された水に含まれる不純物(イオン)の量が決まる。不純物量が決まれば貯留された水に含まれる不純物の濃度も決まる。
ECU27を構成するメモリ上には、図4に示すような燃料電池負荷とイオン濃度との相関関係を示す関数データが予め記憶されている。ECU27は、ステップS01及びS02で夫々求めた発電量及び水量を関数に当てはめてイオン量を算出し、このイオン量と水量とから求まるイオン濃度を推定濃度として算出する。このようにして、気液分離器6内に貯留された水中のイオン濃度が推定される。
燃料電池1から排出された生成水が配管5を経て気液分離器6の底部に到達するには或る程度の時間を要する。このため、図1に示した配管5の長さは可能な限り短く構成されるのが好ましい。また、生成水の移動速度を促進すべく、循環ポンプ8(図1)の出力を調整することが考えられる。さらに、ステップS02における水量の測定タイミングが、発電量計算の基となった単位時間(時間区間)に排出された生成水の全てが気液分離器6内の底部に溜まってから開始されるように調整されることも考えられる。
次に、ECU27は、ステップS03で算出された推定濃度が所定の規定値(所定濃度:メモリ上に予め用意されている)以上か否かを判定する(ステップS04)。このとき、推定濃度が規定値を上回っていない場合(S04;NO)には、推定濃度が水の排出に適した濃度であるものとして、処理がステップS09に進む。一方、推定濃度が規定値を上回っている場合(S04;YES)には、推定濃度が水の排出に適した濃度でないものとして、処理がステップS05に進む。
ステップS05では、ECU27は、ステップS03で算出された推定濃度(イオン量)を基に、水中のイオン濃度が排出に適した値まで希釈化されるに必要な気液分離器6内の水位(「排出水位」と称する)を算出する。
次に、ECU27は、循環ポンプ24の動作(モータ駆動)をオンにして、気液分離器6内の燃料オフガスの冷却を開始する(ステップS06)。これにより、燃料オフガス中の水蒸気が冷却されて水となり、気液分離器6内の底部に溜まる。これによって、気液分離器6内の水位が排出水位にまで到達することが促進される。
次に、ECU27は、水位センサ26の出力から気液分離器6内の水位を測定し、当該水位が排出水位以上になっているか否かを判定する(ステップS07)。このとき、水位が排出水位以上となっていれば(S07;YES)、処理がステップS08に進み、そうでない場合(S07;NO)には、処理がステップS01に戻る。
ステップS08では、ECU27は、循環ポンプ24の動作(モータ駆動)をオフにして、燃料オフガスの冷却を停止する。続いて、ECU27は、ドレン弁22に制御信号を与えてドレン弁22を開弁状態にし、気液分離器6内の水の排出を開始する(ステップS09)。ステップS08とS09とは順序が逆であっても良い。
その後、ECU27は、水位センサ26の出力を用いて気液分離器6内の水位を監視し、水位が所定水位(規定値)になるまで水の排出を継続する(ステップS09,S10のループ)。所定水位は、気液分離器6内に溜まった水が全て排出されたと認められる値としても良く、ステップS03における濃度推定に影響を与えない程度の水が残る水位としても良い。もっとも、水を或る程度残し、この水に含まれた不純物の濃度が考慮されて次の濃度推定が行われるようにしても良い。
水の排出により水位が規定値になると(S10;YES)、ECU27は、ドレン弁22を閉弁する(S11)。これにより、水の貯留が再開される。そして、処理がステップS01に戻され、次の単位時間(時間区間)に対する処理が開始される。
一方、ステップS07の判定で処理がステップS01に戻された場合における処理は次のようになる。ステップS01では、前のステップS01で対象となった時間区間の次の時間区間を対象とした発電量が算出される。測定された発電量は、前のステップS01で算出された発電量に加算される。
次のステップS02では、水量が再測定される。その後、ステップS03において、加算後の発電量(累積値)と、再測定された水量とに基づき、上記したステップS03と同様の手法で、気液分離器6内に貯留された水に含まれるイオンの濃度が推定される(水が排出されていないため)。
そして、推定濃度が規定値以上か否かが判定される(S04)。このとき、推定値が規定値以上でなければ(S04;NO)、貯留された水(前回及び今回で対象となった時間区間で排出されたイオンを含む)が配管17へ排出される(S09,S10,S11)。
これに対し、推定濃度が規定値以上であれば、ステップS05で新たな排出水位が算出される。その後、循環ポンプ24は既にオンとなっているためステップS06はスルーとなり、水位が新たな排出水位に達しているかが判定される(S07)。ここで、水位が新たな排出水位に達していれば(S07;YES)、循環ポンプ24がオフにされ(S08)、イオンを含む水が適正な濃度で配管17に排出されることになる(S09,S10,S11)。
これに対し、水位が新たな排出水位に達していなければ(S07;NO)、処理がステップS01に戻り、次の時間区間で気液分離器6内に到達するイオンが考慮された濃度推定、水の希釈、及び排水が行われることになる。
このように、図3に示す処理例では、気液分離器6内に溜まった水中のイオン濃度が推定され、推定濃度が規定値(所定濃度)以上であれば、排出に適した濃度になる(規定値を下回る)まで水の貯留が継続される(水の排出が禁止される)。このとき、冷媒の循環に伴う燃料オフガスの冷却によって水位上昇が促進されることにより、水位が短時間で排出水位となることが期待される。
ところで、固体高分子電解質膜からのフッ素の溶出量は、燃料極及び空気極に燃料ガス及び酸化剤ガスが滞留し、且つ燃料電池1が発電を停止している状態で最大となると考えられる。従って、燃料電池1からのフッ素イオンの排出量が最大となるのは、燃料電池1による発電開始(再開)直後と考えられる。
このような事情に鑑み、燃料電池1の発電が停止している場合(例えば、発電量が0又は所定値以下の場合)には、例えばECU27により、次のような制御が行われるようにする。すなわち、調圧弁3を閉弁した状態(水素が供給されない状態)で燃料ガスを循環ポンプ8で循環させるとともに、図示せぬ加湿器により加湿された酸化剤ガス(空気)が空気極通過の際に固体高分子電解質膜を加湿するようにする。さらに、循環ポンプ24がオンとされ、気液分離器6内の燃料オフガスが冷却される状態とする。
このような構成とすれば、燃料ガスの供給/排出系を循環する燃料ガスが燃料極で固体高分子電解質膜から水分を得た後に気液分離器6に到達し、冷却されることで、水が気液分離器6に貯留されることになる。これによって、発電開始直後に生成水とともに燃料電池1から排出される比較的多量のフッ素イオンを早期に希釈化して排出することが可能となる。
〈実施形態の効果〉
上述した本発明の実施形態によれば、図1に示す燃料電池システムでは、気液分離器6が、PEFCたる燃料電池1から排出される、不純物としてのイオンを含む生成水を貯留する。気液分離器6には、ドレン管21を介してドレン弁22が接続されており、ドレン弁22は、その開弁により気液分離器6内に貯留された水を排出する生成水の排出手段として機能する。ECU27は、図3に示した処理を実行することにより、気液分離器6内
に貯留された水の量と燃料電池1の運転状態(発電量)とから、この貯留された水に含まれるイオンの濃度を推定する濃度推定手段、及び推定されたイオン濃度が所定濃度以上のときにドレン弁22による水の気液分離器6の外部への排出を禁止する排出禁止手段として機能する。
これらによって、気液分離器6がイオン交換器(イオン交換樹脂)を備えていなくても、高濃度の不純物(イオン)が含まれる生成水がその外部に排出されることを抑制することができる。また、気液分離器6内の水量と燃料電池1の発電量とからイオン濃度を推定するので、イオン濃度が規定値以上か否かを判断するために濃度センサを備える必要がない。
〈変形例〉
上述した実施形態は、次の変形が可能である。図2に示した構成例では、燃料オフガスを冷却する冷媒の循環路25の一部が気液分離器6の内部に配置される構成とした。このような構成に代えて、図5に示すように、冷媒(冷却水)の循環路25Aが、気液分離器6を取り巻くようにして配置されるように構成することも可能である。
図1は、本発明を適用可能な燃料電池システムの構成例を示す図である。 図2は、本発明の実施形態の構成例を気液分離器を中心として示した図である。 図3は、図2に示したECUによる処理例を示すフローチャートである。 図4は、燃料電池負荷(発電量)とイオン濃度との相関関係を示すグラフである。 図5は、図2に示した構成例の変形例を示す図である。
符号の説明
1・・・燃料電池(PEFC)
6・・・気液分離器
22・・・ドレン弁(排出手段)
27・・・ECU(濃度推定手段,排出禁止手段)

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質型燃料電池から排出される、イオンを含む生成水を貯留する気液分離器と、
    前記気液分離器内に貯留された水を該気液分離器の外部へ排出する排出手段と、
    前記気液分離器内に貯留された水の量と前記固体高分子型燃料電池の運転状態とから、この貯留された水に含まれるイオンの濃度を推定する濃度推定手段と、
    前記濃度推定手段により推定されたイオンの濃度が所定濃度以上のときに前記排出手段による水の排出を禁止する排出禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の制御装置。
  2. 前記濃度推定手段は、
    前記固体高分子電解質型燃料電池の発電量を算出する手段と、
    前記気液分離器内に貯留された水の量を測定する手段と、
    前記固体高分子電解質型燃料電池の発電量とこの発電量に応じた生成水中のイオン濃度との関係を示すデータを記憶した記憶手段と、
    算出された発電量,測定された水量,及び前記データを用いて前記貯留された水に含まれるイオン量を算出し、算出したイオン量と前記水量とから前記貯留された水に含まれるイオン濃度の推定値を算出する手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電池の制御装置。
  3. 固体高分子電解質型燃料電池から排出される、イオンを含む生成水を貯留する気液分離器と、前記気液分離器内に貯留された水を該気液分離器の外部へ排出する排出手段とを含む固体高分子電解質型燃料電池の制御装置において、
    前記気液分離器内に貯留された水の量と前記固体高分子型燃料電池の運転状態とから、この貯留された水に含まれるイオンの濃度を推定し、
    推定されたイオンの濃度が所定濃度以上のときに前記排出手段による水の排出を禁止する
    ことを含むことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の制御方法。
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JP2020036425A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 トヨタ自動車株式会社 燃料電池を搭載した移動体

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