JP2006284411A - レンズホルダの調整方法、位置調整用治具及び偏心測定装置 - Google Patents

レンズホルダの調整方法、位置調整用治具及び偏心測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検レンズの面形状に関わりなく常に高精度なレンズホルダの位置調整方法等を提供すること。
【解決手段】被検レンズを保持するレンズホルダの調整方法であって、第1の光学面101aの球心Oa及び第2の光学面101bの球心Obが、第2の光学面101bを挟んで、第1の光学面101aと対向するように、第1の光学面101aと第2の光学面101bを配置し、2つの球心Oa、Obがレンズホルダ102側に位置するように、レンズホルダ102に第2の光学面101bを当接させ、第1の光学面101a側から光を照射して、第1の光学面101aからの反射光を受光し、該受光した光に基づいて、第1の光学面101aの変位を検出し、第1の光学面101aの変位に基づいて、レンズホルダ102の位置を調整することを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、被検レンズを保持するレンズホルダのための位置調整治具と、この治具を用いる偏心測定装置、及びこの治具を用いるレンズホルダの調整方法に関する。
レンズの偏心量を測定するための偏心測定装置の構成は、例えば特許文献1に提案されている。図8、図9は、それぞれ特許文献1に開示されている偏心測定装置の構成を示す。
特開平9−288041号公報
図8は、偏心測定装置のチルト調整の機構を示す図である。図8において、スピンドル806は、回転軸806aの周りにレンズホルダ802を回転させる。レンズホルダ802は、丸アリ803を介してあおり板806上に形成されている。あおり板805は、圧縮ばね807で付勢されている。あおり摘み804を操作することで、あおり板805の矢印方向で示すy−z面内のチルト方向の調整ができる。なお、図示していない他のあおり摘み804により、あおり板805のx−z面内のチルト方向を調整できる。また、図9は、偏心測定装置のシフト調整の機構を示す。圧縮ばね808は、シフト摘み809に対向する位置に形成されている。そして、シフト摘み809を回転することで、レンズホルダ802をy方向へ移動できる。また、図示しない他のシフト摘み809により、レンズホルダ802をx方向へ移動できる。
さらに、図8、図9を参照して、レンズホルダ802の調整手順について説明する。初めにチルト調整について説明する。図8に示すように、レンズホルダ802上に平行平面板PPを載置する。偏心測定部801は、平行光L1を平行平面板PPに照射する。平行平面板PPで反射された平行光は、偏心測定部801内の光位置検出素子(不図示)の受光面上に集光する。次に、スピンドル806を回転軸806aの周りに回転駆動させる。この状態において、2個のあおり摘み804を操作して、あおり板805をボールジョイント808を支点とした傾き調整を行なう。そして、偏心測定部801内の光位置検出素子により検出される点像の位置が一定、即ち点像の位置が動かなくなるようにチルト調整する。チルト調整により、レンズホルダ802の被検レンズを保持する部分がスピンドル806の回転軸806aに対して直交する状態となる。
次に、図9に示すように、レンズホルダ802上から平行平面板PPを外し、その代りに基準球面を形成する基準球900を載置する。このとき、基準球900の球心900aは、理論的にレンズホルダ802の中心軸802a上に存在する。次に、スピンドル806を回転軸806aの周りに回転駆動させる。偏心測定部801は、球心900aに集光する集光光L2を照射する。この状態において、2個のシフト摘み809を操作して、丸アリ803の水平方向(X方向とY方向)の位置を調整する。そして、偏心測定部801内の光位置検出素子により検出される点像の位置が一定、即ち点像の位置が動かなくなるようにシフト調整する。これにより、レンズホルダ802の中心軸802aと、スピンドル806の回転軸806aとが一致する。
チルト調整とシフト調整とが終了した状態で、被検レンズをレンズホルダ802により保持する。この状態では、被検レンズのレンズホルダ802側のレンズ面の球心は、理論的に常にスピンドル806の回転軸806a上に設定される。次に、スピンドル806を回転駆動して、被検レンズのレンズホルダ802側とは反対側のレンズ面の偏心量を偏心測定部801の光位置検出素子上に結像された点像の移動量から求める。
上述のように、従来は、基準球を用いてレンズホルダのシフト調整を行っている。レンズホルダは、内径と外径とを有する円筒形状である。このため、被検レンズの下面(レンズホルダ側の面)が下に凸であるとき、下面と接触するレンズホルダ上端面は、内径の部分である。基準球を用いたシフト調整後では、被検レンズの下面と接触するレンズホルダ上端面の内径の中心位置と、スピンドルの回転軸とが一致している。
これに対して、被検レンズの下面が下に凹であるとき、下面と接触するレンズホルダ上端面は外径の部分となる。ここで、要求される偏心測定精度がサブミクロンの場合には、レンズホルダ上端面の内径と外径の中心同士をサブミクロンで一致するように加工する必要がある。
しかしながら、レンズホルダの外径の中心と内径の中心とが一致するように同軸加工しても、加工精度には限界がある。このため、レンズホルダ上端面の内径と外径の中心同士をサブミクロンで一致するように加工するのは、非常に困難である。これにより、凹面を有している被検レンズを、その凹面をレンズホルダ側に向けて設置するときには、スピンドルの回転軸と凹面の球心の位置とが異なってしまう。この結果、被検レンズの偏心測定精度が低下してしまうため問題である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レンズホルダと接触する被検レンズの面形状に関わりなく常に高精度にレンズホルダの位置調整を行うことができるレンズホルダの調整方法、位置調整用治具、及びこれらを用いた偏心測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の本発明によれば、被検レンズを保持するレンズホルダの調整方法であって、第1の光学面の球心及び第2の光学面の球心が、第2の光学面を挟んで、第1の光学面と対向するように、第1の光学面と第2の光学面を配置し、2つの球心がレンズホルダ側に位置するように、レンズホルダに第2の光学面を当接させ、第1の光学面側から光を照射して、第1の光学面からの反射光を受光し、該受光した光に基づいて、第1の光学面の変位を検出し、第1の光学面の変位に基づいて、レンズホルダの位置を調整することを特徴とするレンズホルダの調整方法を提供できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の球心と第2の球心の位置と一致させた状態で、反射光の受光を行なうことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の球心と第2の球心の位置を異ならせた状態で、反射光の受光を行なうことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の球心は、第2の球心の位置に対して、所定の離間方向に、所定の離間量だけ離れており、離間方向と離間量とは、他の手段により予め測定されていることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の球心は、第2の球心の位置に対して、所定の離間方向に、所定の離間量だけ離れており、離間方向と離間量とを測定する離間量測定ステップをさらに有することが望ましい。また、本発明の好ましい態様によれば、離間方向と離間量を用いて、レンズホルダの位置を調整することが望ましい。
また、第2の本発明によれば、被検レンズを保持するレンズホルダを位置決めするための位置調整用治具であって、第1の球心を有する球面形状の第1の光学面と、第2の球心を有する球面形状の第2の光学面とを有し、第2の光学面は第1の球心と第1の光学面との間に設けられ、第2の球心は第1の球心と同じ側の空間に設けられていることを特徴とする位置調整用治具。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の球心の位置と第2の球心の位置とは一致することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の球心の位置と第2の球心の位置とは異なることが望ましい。
また、第3の本発明によれば、被検レンズの偏心量と偏心方向とを測定する偏心測定装置であって、被検レンズを保持するレンズホルダと、レンズホルダを所定軸の周りに回転させる回転駆動部と、被検レンズに対して光を照射する光源を備え、被検レンズの被検面からの反射光により形成されるスポットの軌跡を検出するスポット軌跡検出部と、スポット軌跡検出部の検出結果に基づいて、被検レンズの偏心量と偏心方向とを演算する演算部と、位置調整用治具を用いて、レンズホルダの調整を行なう調整機構と、を備えることを特徴とする偏心測定装置を提供できる。
本発明に係るレンズホルダ位置調整方法は、位置調整用治具を用いて被検レンズを保持するレンズホルダの位置を調整する方法である。位置調整用治具は、第1の球心を有する球面形状の第1の光学面と、第2の球心を有する球面形状の第2の光学面とを備え、第2の光学面は第1の球心と第1の光学面との間に設けられ、第2の球心は第1の球心と同じ側の空間に設けられている。例えば、位置調整用治具は、メニスカス形状を有している。そして、第1の光学面の球心及び第2の光学面の球心が、第2の光学面を挟んで、第1の光学面と対向するように、第1の光学面と第2の光学面を配置する。レンズホルダに位置調整用治具の第2の光学面が当接するように保持する。位置調整用治具の第2の光学面が、レンズホルダに対して凹面であるとき、第2の光学面と接触するレンズホルダ上端面は外径の部分となる。そして、第1の光学面側から光を照射する。レンズホルダに保持されている位置調整用治具の第1の光学面からの反射光に基づいて第1の光学面の変位を検出する。第1の光学面の変位に基づいてレンズホルダの位置を調整する。ここで、第1の光学面の第1の球心の位置と、第2の光学面の第2の球心の位置とが既知であるときを考える。これにより、少なくとも第1の光学面からの反射光に基づいて、レンズホルダの外径に当接している第2の光学面を所望の位置状態に調整できる。このため、レンズホルダの外径の中心軸と所定軸とを一致させることができる。この結果、凹面を有している被検レンズを、その凹面をレンズホルダ側に向けて設置するとき、例えばスピンドルの回転軸とレンズホルダの外径の中心の位置とを一致させることができる。また、スピンドルの回転軸とレンズホルダの内径の中心の位置とを一致させることもできる。このように、本発明によれば、レンズホルダと接触する被検レンズの面形状に関わりなく、簡単な構成の治具により、常に高精度にレンズホルダの位置調整を行うことができる。従って、高精度に被検レンズの偏心測定が行える。
以下に、本発明に係るレンズホルダの調整方法、位置調整用治具、及び偏心測定装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により、この発明が限定されるものではない。
図1−1は、本発明の実施例1に係る偏心測定装置100の概略構成を示す図である。レンズ偏心測定機100は、レンズホルダ102と、反射心測定部110と、位置調整部130と、回転駆動部140とを有している。また、演算・制御部150は、反射心測定部110と回転駆動部140とに接続されている。レンズホルダ位置設定用治具101は、レンズホルダ102のシフト(位置)調整を行うために用いる。
図2は、レンズホルダ位置設定用治具101の構成を示す図である。球面形状の第一球面101aは、球心Oaを有する。また、球面形状の第二球面101bは、球心Obを有する。第二球面101bは、球心Oaと第一球面101aとの間に設けられている。そして、球心Obは、球心Oaと同じ側の空間に設けられている。ここで、球心Oaの位置と球心Obの位置とは一致するように構成されている。レンズホルダ位置設定用治具101は、位置調整用治具に対応する。第一球面101aは、第1の球面に対応する。そして、第二球面101bは、第2の球面に対応する。レンズホルダ位置設定用治具101は、光学的に透明なガラス材料で構成されている。なお、後述するように、材質は透明なガラス材料に限定されない。
図1−1に戻って説明を続ける。被検レンズの偏心を測定するとき、レンズホルダ102は被検レンズを保持する。図1−1に示すように、レンズホルダ102は、円筒形状を有する。レンズホルダ102の被検レンズを保持する上側の端面(平面部)は輪帯形状である。輪帯形状は、外周面と内周面とから成る。そして、レンズホルダ102の上側の端面は、レンズホルダ102の中心軸102aに対して略直交するようにチルト(傾き)調整されて構成されている。
レンズホルダ102は、内側接触部102bと外側接触部102cとを有している。内側接触部102bは、上側端面と内周面との境界である円形のエッジから構成される。また、外側接触部102cは、上側端面と外周面との境界である円形のエッジから構成されている。内側接触部102bの中心と外側接触部102cの中心とは、それぞれレンズホルダ102の中心軸102aと一致するように加工されている。
さらに、中心軸102aと回転駆動部140の回転軸142とを一致させる。これにより、レンズホルダ102の内側接触部102bと外側接触部102cとは、回転軸142に対して同軸となる。この状態において、被検レンズをレンズホルダ102に載置すると、被検レンズのレンズホルダ102に直接接触する被検面の偏心量は、理論的にはゼロとなる。
レンズホルダ102に接触する被検面が非球面の場合には、被検面の面精度や被検レンズの姿勢により、必ずしも偏心量はゼロにはならないが、数ミクロン程度の小さな値となる。中心軸102aと回転軸142とのずれ量が数十ミクロンの場合には、被検レンズのレンズホルダ102に直接接触する被検面の偏心量は、数十ミクロン程度またはその数値よりも大きくなる。このように、レンズホルダ102の中心軸102aと回転駆動部140の回転軸142とを一致させることは、偏心測定にとっては非常に重要である。このため、中心軸102aの位置と回転軸142の位置とが異なると、精度の高い偏心測定は困難となってしまう。
上述のように、レンズホルダ102の内側接触部102bの中心と外側接触部102cの中心とは、それぞれ中心軸102aと一致するように加工することが望ましい。しかしながら、加工精度には限界があり、完全に一致することは困難である。
内側接触部102bの中心と外側接触部102cの中心とが一致しない(異なる)とき、被検レンズのレンズホルダ102に直接接触する面が凸面である場合には、内側接触部102bの中心を回転駆動部140の回転軸142に一致させる。これにより、被検レンズのレンズホルダ102に直接接触する面の球心と回転軸142とが一致または概略一致する。この結果、高精度な偏心測定が可能となる。
また、内側接触部102bの中心と外側接触部102cの中心とが一致しない(異なる)とき、被検レンズのレンズホルダ102に直接接触する面が凹面である場合には、外側接触部102cの中心を回転駆動部140の回転軸142に一致させる。これにより、被検レンズのレンズホルダ102に直接接触する面の球心と回転軸142とが一致または概略一致する。この結果、高精度な偏心測定が可能となる。
そこで、本実施例の位置調整用治具101を用いることで、レンズホルダ102に直接接触する面が凹面であっても凸面であっても、内側接触部102bの中心と外側接触部102cの中心とが一致しない状態において、高精度な偏心測定が可能となる。
また、複数の偏心測定機をレンズ生産現場に導入するとき、複数のレンズホルダ102を製作する必要がある。レンズホルダ102の加工精度は、加工者の加工能力や加工機の加工精度によってばらつきが生じてしまう。さらに、同一の加工者、加工機で製作したとしても、毎回数ミクロンやサブミクロンオーダーで同一の加工精度を保証するのは困難である。このように、レンズホルダ102の加工精度にばらつきが存在するときでも、本実施例の位置調整用治具101を用いることで、内側接触部102bの中心または外側接触部102cの中心を、回転軸142に高精度に一致させることが可能となる。なお、本実施例の位置調整用治具101については、後述する。
次に、反射心測定部110の構成を説明する。光源111は、レンズホルダ102へ照射する光を供給する。光源111として、例えば半導体レーザ、白色光源を用いることができる。光源111からの光は、コリメータレンズ112に入射する。コリメータレンズ112は、入射した光を略平行光に変換して射出する。略平行光に変換された光は偏光ビームスプリッタ113に入射する。偏光ビームスプリッタ113は、特定の振動方向の偏光光を透過し、特定の振動方向に直交する振動方向の偏光光を反射する。偏光ビームスプリッタ113は、例えばp偏光光を透過し、s偏光光を反射する。偏光ビームスプリッタ113を透過したp偏光光は、1/4波長板114に入射する。1/4波長板114を透過した偏光光は、対物光学系115に入射する。また、反射心測定部110の光軸を、光軸11cとして示す。
ここで、対物光学系115には、平行光束が入射するものとする。この場合、対物光学系115は、入射光を焦点位置に集光する。対物光学系115は、焦点距離が、使用目的または被検レンズの曲率半径に応じて調整可能に構成されている。例えば、対物光学系115は、異なる焦点距離を有する他の対物光学系(不図示)と交換可能に構成されている。これにより、対物光学系115を適宜交換することで、光を所定の焦点位置へ集光できる。また、対物光学系115を変倍(ズーム)可能に構成しても良い。これによっても、光を所定の焦点位置へ集光できる。さらに、対物光学系115の変倍の際、後述するように、焦点位置が無限遠、即ち平行光を射出することができるように構成しておくことが望ましい。
被検レンズの偏心を測定する場合には、被検レンズの第1の被検面の球心位置と、対物光学系115の焦点位置とを一致させるように、対物光学系115の位置を調整する。対物光学系115からの集光光は、被検レンズの第1面により反射される。被検レンズは、レンズホルダ102に保持されている。
第1の被検面で反射された光は、再度、対物光学系115に入射する。対物光学系115を往路とは逆方向に進行した光は、1/4波長板114を透過する。往路と復路とで1/4波長板114を2回透過する。これにより、例えばp偏光光はs偏光光へ変換される。変換されたs偏光光は、偏光ビームスプリッタ113の偏光面で反射される。偏光ビームスプリッタ113の偏光面で反射された光は、レンズ系116、117を透過して光位置検出素子118の受光面上に集光される。
光位置検出素子118として、例えば2次元CCD等を用いることができる。光位置検出素子118は、光検出部に対応する。また、光が進行する方向に沿って、光源111から対物光学系115までに至る光学系は、光照射部に対応する。さらに、被検レンズからの反射光に沿って、対物光学系115から光位置検出素子118までに至る光学系は、光検出部に対応する。従って、偏光ビームスプリッタ113と対物光学系115とは、それぞれ光照射部の機能と光検出部の機能とを兼用する。
次に、位置調整部130、回転駆動部140について説明する。位置調整部130は、可動ステージ131及び132を備えている。可動ステージ131は、シフト(位置)調整が可能に構成されている。可動ステージ132は、チルト(傾き)調整が可能に構成されている。
可動ステージ131と可動ステージ132との上側、下側の組合せは上下が逆の構成でも良い。可動ステージ131と可動ステージ132は、相互に独立して位置調整が可能である。ここで、可動ステージ131によりシフト(位置)調整を行うとき、チルト(傾き)の姿勢は変化しない。これに対して、可動ステージ132によりチルト(傾き)調整を行うとき、可動ステージ132は傾きの中心点(不図示)を中心として傾斜する。このため、可動ステージ132は、シフト方向の移動成分が発生してしまう。従って、レンズホルダ102の位置調整を行うときは、初めにレンズホルダ102の端面が回転軸142と略直交にするようにチルト調整を行う。そして、その後にシフト調整を行う。
回転駆動部140は、エアスピンドル141とモータ143とエンコーダ144から構成されている。エアスピンドル141は、回転軸142を中心に回転する。偏心測定の場合には、回転軸142が基準軸となる。モータ143は、エアスピンドル141を回転させる。エンコーダ144は、エアスピンドル141の回転角度を測定する。エンコーダ144により読み取ったエアスピンドル141の回転角は、演算・制御部150に入力される。
反射心測定部110の光源111とコリメータレンズ112と対物光学系115とは、回転駆動部140の回転軸142と同軸になるように配置されている。回転駆動部140は、位置調整部130全体を回転軸142の周りに回転させる。
演算・制御部150は、光位置検出素子118とエンコーダ114からの検出信号に基づいて、レンズホルダ102の回転軸142に対するシフト(位置)やチルト(傾き)を算出する。同様に、レンズの偏心測定時においては、光位置検出素子118とエンコーダ114からの検出信号に基づいて、被検レンズのシフトやチルトを算出する。また、演算・制御部150は、モータ143を制御する。表示部151は、光位置検出素子118の受光結果や、算出された偏心量等を表示する。
次に、レンズホルダ位置設定用治具101を用いた位置設定方法について説明する。上述したように、本実施例では、レンズホルダ102の内側接触部102bの中心、または外側接触部102cの中心と、回転軸142とを高精度に一致させることが可能となる。本実施例において、レンズホルダ位置設定用治具101の球心Oaの位置と球心Obの位置とは、一致している。
図4は、本実施例におけるレンズホルダの調整方法の大まかな手順を示すフローチャートである。ステップS401において、レンズホルダ102のチルト調整を行う。次に、ステップS402において、レンズホルダ102にレンズホルダ位置設定用治具101を保持する。ステップS403において、第一面101aからの反射光に基づいて、点像の変位を検出する。ステップS404において、点像の情報に基づいてレンズホルダ102のシフト調整を行う。各工程の詳細は、以下に説明する
(チルト調整工程)
図1−2は、チルト調整時のレンズホルダ102近傍の構成を示す図である。レンズホルダ102を可動ステージ130に固定しチルト調整を行う。まず、反射心測定部110の対物光学系115の焦点距離を無限遠に調整する(対物光学系115は、アフォーカル光学系になる)。これにより、反射心測定部110からレンズホルダ102へ平行光L4が照射される。レンズホルダ102の上端面により反射した平行光は(以下、適宜「測定光」という。)は、再度、反射心測定部110へ入射する。なお、図1−2では、レンズホルダ102の上端面の全体に平行光L4が照射されている。チルト調整では、これに限られず、レンズホルダ102の上端面の一部にビーム状の平行光L4が照射されるように構成しても良い。このとき、アフォーカル光学系である対物光学系115は、反射心測定部110からの光を、細いビーム状に絞る。次に、可動ステージ131により、レンズホルダ102を移動する。これにより、レンズホルダ102の上端面を光軸110c上に移動する。そして、ビーム状の平行光L4を、レンズホルダ102の上端面の一部に照射する。この結果、光源111からの光を効率良く用いてチルト調整できる。
対物光学系115と1/4波長板114を透過した測定光は、偏光ビームスプリッタ113に入射する。上述したように、測定光は、偏光ビームスプリッタ113の偏光面で反射される。次に反射された測定光は、光位置検出素子118に向かって進行する。そして、測定光は、レンズ系116、117により、光位置検出素子118の受光面上に点像として集光される(点像受光ステップ)。光位置検出素子118は、点像として集光された測定光を画像信号に変換する。変換された画像信号は、演算・制御部150へ出力される。表示部151は、光位置検出素子118が受光した点像の状態を表示する。
回転駆動部140の回転軸142に対してレンズホルダ102のチルトが無い状態を考える。チルトが無い状態とは、レンズホルダ102の上端面と、エアスピンドル141の回転軸142に対して略直交する平面とが一致する状態(平行な状態)をいう。チルトが無い状態では、レンズホルダ102の上端面から偏光ビームスプリッタ113間において、測定光110bは、照射光110aの光路と同じ光路を逆に戻っていく。ここで、光源111から対物光学系115までの光学系の光軸110cと、エアスピンドル141の回転軸142とは同軸となるように構成されている。
この状態で、回転駆動部140により、位置調整部130を回転軸142の周りに回転させる。これにより、レンズホルダ102も、回転軸142を中心として回転する。レンズホルダ102の回転中、光軸110cに対するレンズホルダ上端面の法線の向きは常に一定であり、変化しない。このため、光位置検出素子118において、測定光110bの集光位置も一定である。この結果、表示部151に表示されている測定光の点像の位置は動かない。
これに対して、回転駆動部140の回転軸142に対してレンズホルダ102にチルトが存在する状態を考える。チルトが存在する状態とは、レンズホルダ上端面と、回転駆動部140の回転軸142に対して略直交する平面とが不一致である状態(平行でない状態)をいう。チルトが存在する状態では、光軸110cに対するレンズホルダ上端面の法線向きは、光軸110cと非平行になる。
よって、レンズホルダ102の回転中、任意の一点において、レンズホルダ上端面の法線の向きは、常時変化する。この場合、レンズホルダ上端面で反射された測定光110bが戻る光路は、チルト量に応じて照明光110aの光路と異なってくる。このため、測定光110bの中心光線と回転軸142とは、同軸とならない。この結果、表示部151に表示されている測定光の点像の位置は、円弧状の軌跡を描く。測定者は、光位置検出素子118の受光面において、点像の円弧状の軌跡の半径が極力小さくなるように、好ましくは略ゼロとなるようにチルト調整用可動ステージ132を調整する。このように、調整ステップでは、レンズホルダ102を回転させている状態において、検出される点像の位置が略一定となるように、レンズホルダ102の傾きをチルト調整用の可動ステージ132により調整する。
ここで、演算ステップにおいて、演算・制御部150は、光位置検出素子118の検出結果に基づいて、レンズホルダ上端面の変位(チルトの方向)を算出しても良い。そして、測定者は、算出結果に基づいて、点像の円弧状の軌跡の半径が略ゼロとなるようにチルト調整用の可動ステージ132により調整を行う。
(シフト調整)
チルト調整の後にシフト調整を行う。シフト調整には、レンズホルダ位置設定用治具101を用いる。前述のように、レンズホルダ位置設定用治具101は、第一面101aと第二面101bを有する。
ここでは、被検レンズのレンズホルダと直接接触する面が、下側(レンズホルダ側)に凹面のときについて説明する。このときは、レンズホルダ位置設定用治具101の第二面101bを下側にして、レンズホルダ102上に載置する。この状態では、図3−1に示すように、第二面101bがレンズホルダ102の外側接触部102cに接触する。
反射心測定部110の対物光学系115の焦点距離を調整し、レンズホルダ位置設定用治具101の球心Oa、Obと、対物光学系115の焦点位置とを一致させる。これにより、反射心測定部110からレンズホルダ102へ集光(収束)光L3が照射される。レンズホルダ位置設定用治具101は、照射された測定光を対物光学系115の方向へ反射する。反射された光(以下、適宜「測定光」という。)は、再度、反射心測定部110へ入射する。
対物光学系115と1/4波長板114を透過した測定光は、偏光ビームスプリッタ113に入射する。測定光は、偏光ビームスプリッタ113の偏光面で反射される。そして、反射された測定光は、光位置検出素子118に向かって進行する。測定光はレンズ系116、117により、光位置検出素子118の受光面上に点像として集光される。チルト調整時と同様に、表示部151は、光位置検出素子118が受光した点像の状態をモニタに表示する。
回転駆動部140の回転軸142に対してレンズホルダ102のシフトが無い状態を考える。シフトが無い状態とは、レンズホルダ位置設定用治具101の球心Oa、Obが、回転駆動部140の回転軸142上に存在する状態をいう。シフトが無い状態では、レンズホルダ位置設定用治具101から偏光ビームスプリッタ113までの間において、測定光110bは、照射光110aの光路と同じ光路を逆に戻っていく。
ここで、チルト調整時と同様に、回転駆動部140により、位置調整部130を回転軸142の周りに回転させる。これにより、レンズホルダ位置設定用治具101も、回転軸142を中心として回転する。レンズホルダ102にシフトが無い状態では、レンズホルダ102の回転中、測定光110bの光路110bは一定であり、変化しない。このため、光位置検出素子118における集光位置も一定である。この結果、表示部151に表示されている測定光の点像の位置は動かない。
これに対して、回転駆動部140の回転軸142に対してレンズホルダ102のシフトが存在する状態を考える。シフトが存在する状態とは、レンズホルダ位置設定用治具101の球心Oa、Obの位置が、回転駆動部140の回転軸142上に存在しない状態をいう。シフトが存在する状態では、照射光110aの照射範囲の中心位置(光軸110c)は、球心Oa、Obの位置と異なる。
この状態で、回転駆動部140により、位置調整部130を回転軸142の周りに回転させる。これにより、レンズホルダ102も、回転軸142を中心として回転する。レンズホルダ102にシフトが存在する状態では、レンズホルダ102回転中、測定光110bが戻る光路は、シフト量に応じて照射光110aの光路と異なってくる。このため、測定光110bの中心光線と回転軸142とは、同軸とならない。この結果、表示部151に表示されている測定光の点像の位置は、円弧状の軌跡を描く。測定者は、光位置検出素子118の受光面において、点像の円弧状の軌跡の半径が極力小さくなるように、好ましくは略ゼロとなるようにシフト調整用の可動ステージ132により位置調整を行う。
上記のようなシフト調整を行った場合には、レンズホルダ上端面の外側接触部102cの中心と回転軸142とが一致する。シフト調整後に、下に凹面の被検レンズをレンズホルダ102に搭載すると、被検レンズのレンズホルダ102に接触する面の球心が回転軸142と一致することになる。これにより、被検レンズを測定するとき、レンズホルダ102で保持する部分の中心と、回転軸142とが高精度に一致する。このため、高精度な偏心測定ができる。
また、レンズホルダ102の外側接触部102cの加工精度が多少低いことがある。このときは、外側接触部102cの円周部のエッジは、一直線状ではなく細かな凹凸を生じてしまう。この場合、特に、レンズホルダ位置設定用治具101の調整用面の曲率と、被検レンズのレンズホルダ102と接触する面の曲率とは、できるだけ近い値であることが望ましい。これにより、被検レンズとレンズホルダ102との接触部と、レンズホルダ位置設定用治具101とレンズホルダ102との接触部とを近づけることができる。この結果、シフト調整後に、レンズホルダ102に被検レンズを載置したときに、被検レンズがレンズホルダ102に接触する面の球心と回転軸142とを一致できる。本実施例によれば、簡単な構成のレンズホルダ位置設定用治具101により、レンズホルダ102の高精度なシフト調整が可能となる。
なお、被検レンズのレンズホルダ102と直接接触する面が、下側に凸面のときもある、このときは、レンズホルダ位置設定用治具101の第一面101aを下側にしてレンズホルダ102上に載置する。この状態では、図3−2に示すように、第一面101aがレンズホルダ102の内側接触部102bに接触する。この状態で、上記のような調整を行なう。このようにして、シフト調整を行った場合には、レンズホルダ上端面の内側接触部102bの中心Obと回転軸142とが一致する。シフト調整後に、下に凸面の被検レンズをレンズホルダ102に搭載すると、被検レンズのレンズホルダ102に接触する面の球心が回転軸142と一致することになる。これにより、被検レンズを測定するとき、レンズホルダ102で保持する部分の中心と、回転軸142とが高精度に一致する。このため、高精度な偏心測定ができる。
上記実施例1では、レンズホルダ位置設定用治具101の球心Oaと球心Obとが一致している。このため、レンズホルダ位置設定用治具101の第一面101aからの反射光による点像と、第二面101bからの反射光による点像とは重複して一つの点像として検出される。これに対して、本実施例のレンズホルダ位置設定用治具101は、球心Oaと球心Obとが、それぞれ所定の離間方向θOに離間量δOだけ離れている。まず、離間方向θOと離間量δOとの測定手順を説明する。その後、レンズホルダ102の位置調整方法の手順を説明する。なお、実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(離間量、離間方向の測定)
図5は、本実施例のレンズホルダ位置設定用治具101の概略構成を示す図である。上述したように、第一面101aの球心Oaと第二面101bの球心Obとが、それぞれ所定の離間方向θOに離間量δOだけ離れている。図6は、球心Oa、Obが存在するx−y面内における位置関係を示す。例えば、球心Obを原点に設定する。このとき、球心Obから球心Oaまでの距離を離間量δOとする。また、球心Oa,Obどうしを結んだ線分とx軸とのなす角度を離間方向θOとする。
レンズホルダ位置設定用治具101の球心Oa、Obが不一致の場合、一致していない量の測定は、レンズホルダ位置設定用治具101ごとに、最低1回行えば良い。このため、レンズホルダ102の位置調整を行うごとに測定する必要はない。この測定により、第一面101aの球心Oaと第二面101bの球心Obとが完全に一致していなくても、両球心の離間量δOと離間方向θOがわかる。このため、離間量δO、離間方向θOの情報を用いることにより、高精度にレンズホルダ102の位置調整を行うことができる。第一面101aの球心Oaと第二面101bの球心Obとの離間量δO、離間方向θOは、レンズ測定装置100を用いて、以下の手順で測定する。
レンズホルダ102の内側接触部102bの中心は、基準球を用いた調整により回転軸142と概略一致している状態であるとする。また、基準球の代わりに加工精度、形状が既知である別のレンズホルダ位置設定用治具101を用いて、内側接触部102bの中心と回転軸142を一致させても良い。
まず、図3−2に示すように、レンズホルダ位置設定用治具101を、レンズホルダ102に載置する。このとき、レンズホルダ位置設定用治具101の第二面101bを、上(対物光学系115側)に向ける。また、対物光学系115の焦点位置と第二面101bの球心Obが一致するように、対物光学系115の位置を調整する。
対物光学系115からの照射光は、レンズホルダ位置設定用治具101の第二面101bに対して垂直に入射し反射される。第二面101bで反射された光(測定光)は、再度、対物光学系115に入射する。対物光学系115を往路(照射光の光路)とは逆方向に進行した測定光は、1/4波長板114を透過する。測定光は、往路(照射時)と復路(反射時)とで1/4波長板114を2回透過する。これにより、例えばp偏光光はs偏光光へ変換される。変換されたs偏光光は、偏光ビームスプリッタ113の偏光面で反射される。偏光ビームスプリッタ113の偏光面で反射された光は、レンズ系116、117を透過して光位置検出素子118の受光面上に集光される。
ここで、実施例1のように、レンズホルダ位置設定用治具101の第一面の球心Oaと第二面の球心Obが一致するように、レンズホルダ位置設定用治具101が製作されていたとする。すると、反射心測定部110で第二面の球心Obを観察するとき、両面の球心が一致する。このために、第一面101a、第二面101bの両面からの反射光の位置が一致する。これにより、光位置検出素子118上には、重複した一つのスポットが形成される。観察者は、この重なったスポットを観察できる。
これに対して、本実施例では、例えば、わずかな製作誤差により第一面101aの球心Oaと第二面101bの球心Obとの位置がずれて異なっている。このとき、光位置検出素子118上には、異なる位置に、二つのスポットが形成される。よって、観察者は、二つのスポットを観察することができる。ここで、二つのスポットがどちらの面から反射してきた光によるのかを判断する必要がある。そのため、レンズホルダ102の調整は、先に位置調整を行い、その内側接触部102bの中心を回転軸142と一致させる。これにより、レンズホルダ位置設定用治具101の第一面101aの球心Oaも、回転軸142と一致していることになる。この状態において、エアスピンドル141を回転させると、第一面101aからの反射によるスポット光は、光位置検出素子118上においてほとんど動かない、これに対して、第二面101bからの反射光によるスポット光は、光位置検出素子118上において円形の軌跡を描いて回転する。このようにして、第一面101aと第二面101bとのいずれの面からの反射光かを判別することが可能である。
このように、光位置検出素子118上において、二つのスポットが検出されるようにして、スポット間の離間量δOと離間方向θOの測定を行う。このようにすれば、測定された離間量δO、方向θOを使用して、後述する手順でレンズホルダ102の位置調整を行うことができる。なお、第一面101a、第2面101bのいずれかの面に、適宜ミラーコートや反射防止コートを施しても良い。これにより、二つのスポットの光強度に差を設けることができる。このため、二つのスポットがいずれの面からの反射光によるものかの判断がさらに容易になる。
なお、上述の離間量、離間方向の測定方法は、レンズホルダ位置設定用治具101が透明部材で構成されているときの球心位置の方法である。これに対して、レンズホルダ位置設定用治具101が透明部材で構成されていないときは、第一面101aと第二面101bの球心の関係が直接反射心測定部110により観察できない。このときは、上述の方法とは異なり、接触式の三次元測定機等を用いて第一面101a、第二面101bの各球心の位置関係を求めることができる。
図7は、本実施例におけるレンズホルダの調整方法の大まかな手順を示すフローチャートである。ステップS701において、レンズホルダ102のチルト調整を行う。チルト調整の手順は、実施例1で説明した手順と同一である。次に、ステップS702において、レンズホルダ102にレンズホルダ位置設定用治具101を保持する。
ステップS703において、離間量δOと離間方向θOとを取得する。離間量δOと離間方向θOとは、上述の手順(離間量測定ステップ)により、測定されている。また、これに限られず、他の手段、例えば3次元形状測定機等により予め測定されている値を用いても良い。
ステップS703において、第一面101aからの反射光に基づいて、点像の変位を検出する。ステップS704において、第1面101aからの反射光による点像と、第二面101bからの反射光による点像との変位を検出する。ステップS705において、検出された変位に基づいてレンズホルダ102のシフト調整を行う。
(シフト調整)
次に、シフト調整について説明する。レンズホルダ位置設定用治具101の第一面101aが、レンズホルダ102に接触するように置いた状態にする。このとき、第一面101aの球心Oaと第二面101bの球心Obとの離間量がδOで、その方向がθOとする。
まず、被検レンズのレンズホルダと直接接触する面が、下側(レンズホルダ側)に凹面のときについて説明する。
この場合、シフト調整に際しては、レンズホルダ位置設定用治具101の第二面101bが、レンズホルダ102の外側接触部102cと接触するように、レンズホルダ位置設定用治具101を載置する。次に、回転部140を、回転軸142を中心として回転させる。
そして、反射心測定部110により、レンズホルダ位置設定用治具101の球心の像を観察できるように、対物光学系115を調整する。この場合においては、第二面101bからの反射光によるスポットは、レンズホルダ102の上端面の外側接触部102cの中心の状態を示している。ここで、第二面101bからの測定光は、第一面101aの偏心の影響を受ける。このため、第二面101bからの測定光のスポットは、光位置検出素子118上において停止せずに、一定の軌跡で動いてしまうことがある。
そこで、第一面101aの球心Oaの偏心量とその方向を測定する。そして、偏心量と離間量δO、及び偏心方向と離間方向θOとが、それぞれ対応するように、レンズホルダ102のシフト調整を行う。ここで、レンズホルダ位置設定用治具101を上下反転させた事を考慮した値となるように調整を行うことが望ましい。さらに、反射心測定部110のうち、光位置検出素子118へ至るまでの光学系の光学倍率Mも考慮することが必要である。特に、偏心方向については、球Oa、Ob同士の離間量を測定したときとは、レンズホルダ位置設定用治具101の上下が反転しているので、反転を考慮した値θO'とする。そして、シフト調整用の可動ステージ132によりレンズホルダ102の位置調整を行う。これにより、光位置検出素子118上における、球心Obに対応するスポットに対する球心Oaに対応するスポットの偏心量とその方向を、離間量δOとその方向θO'に一致させることができる。この結果、レンズホルダ102の上端面の外側接触部102cの円周の中心と回転軸142とを一致させることができる。
一方、レンズホルダ位置設定用治具101の第一面101aを、レンズホルダ102の内側接触部102bに接触するように載置してシフト調整を行う場合について説明する。レンズホルダ位置設定用治具101をレンズホルダ102に載置する。次に、回転部140を、回転軸142を中心として回転させる。
対物光学系115の焦点距離を調整する。これにより、対物光学系115による集光光の集光位置と、レンズホルダ位置設定用治具101の第一面101aの球心Oaの位置とを一致させる。このとき、光位置検出素子118上における第一面101aからの反射光によるスポットは、レンズホルダ102の上端面の内側接触部102bの中心の状態に対応している。ここで、第一面101aからの反射光は、第二面101bを透過している。これにより、第一面101aを測定するときは、第二面101bの偏心の影響を受ける。このため、レンズホルダ102を回転させると、第一面101aからの反射光によるスポットは、光位置検出素子118上において停止せずに一定の軌跡で動いてしまうことがある。そこで、光位置検出素子118上における第二面の球心Obのスポットの偏心方向とその方向とが、それぞれ取得されている既知の離間量δOと離間方向θOとに一致するようにシフト調整用可動ステージ132により位置調整を行う。これにより、レンズホルダ102の上端面の内側接触部102bの中心と回転軸142とを一致できる。
本実施例によれば、レンズホルダ102の上端面の内側接触部102bと外側接触部102cとのいずれの円周の中心と回転軸142とを高精度に一致させることができる。このため、レンズホルダ102と接触する被検レンズの面形状に関わりなく、常に高精度にレンズホルダ102の位置調整を行うことができる。この結果、位置調整後のレンズホルダ102を備える偏心測定機100により、高精度に偏心測定を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、一つのレンズホルダ位置設定用治具を用いることで、簡単な方法で、被検面が接触するレンズホルダの内側接触部と外側接触部とのシフト調整が可能である。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
以上のように、本発明に係るレンズホルダの調整方法は、被検レンズのレンズホルダに接触する側の面の形状に関わらず、常に高精度に位置調整するときに適している。
本発明の実施例1に係る偏心測定機の概略構成を示す図である。 実施例1のレンズホルダ近傍の構成を示す図である。 実施例1のレンズホルダ位置設定用治具の概略構成を示す図である。 レンズホルダ位置設定用治具をレンズホルダに載置した状態を示す図である。 レンズホルダ位置設定用治具をレンズホルダに載置した状態を示す他の図である。 実施例1のレンズホルダ調整手順を示すフローチャートである。 実施例2のレンズホルダ位置設定用治具の概略構成を示す図である。 球心の離間量と離間方向とを示す図である。 実施例2のレンズホルダ調整手順を示すフローチャートである。 従来のレンズホルダ調整手順を説明する図である。 従来のレンズホルダ調整手順を説明する他の図である。
符号の説明
100 偏心測定機
101 レンズホルダ位置設定用治具
101a 第一面
101b 第二面
102 レンズホルダ
102a 中心軸
102b 外側接触部
102c 内側接触部
110 反射心測定部
111 光源
112 コリメータレンズ
113 偏光ビームスプリッタ
114 1/4波長板
115 対物光学系
116、117 レンズ系
118 光位置検出素子
130 位置調整部
131、132 可動ステージ
140 回転駆動部
141 エアスピンドル
142 回転軸
143 モータ
144 エンコーダ
150 演算・制御部
151 表示部
Oa、Ob 球心
r1、r2 曲率
801 偏心測定部
802 レンズホルダ
803 丸アリ
804 あおり摘み
805 あおり板
806 スピンドル
806a 回転軸
807圧縮ばね
808 ボールジョイント
809 シフト摘み
PP 平行平面板
900 基準球
900a 球心


Claims (10)

  1. 被検レンズを保持するレンズホルダの調整方法であって、
    第1の光学面の球心及び第2の光学面の球心が、前記第2の光学面を挟んで、前記第1の光学面と対向するように、前記第1の光学面と前記第2の光学面を配置し、
    前記2つの球心が前記レンズホルダ側に位置するように、前記レンズホルダに前記第2の光学面を当接させ、
    前記第1の光学面側から光を照射して、前記第1の光学面からの反射光を受光し、
    該受光した光に基づいて、前記第1の光学面の変位を検出し、
    前記第1の光学面の変位に基づいて、前記レンズホルダの位置を調整することを特徴とするレンズホルダの調整方法。
  2. 前記第1の球心と前記第2の球心の位置と一致させた状態で、前記反射光の受光を行なうことを特徴とする請求項1に記載のレンズホルダの調整方法。
  3. 前記第1の球心と前記第2の球心の位置を異ならせた状態で、前記反射光の受光を行なうことを特徴とする請求項2に記載のレンズホルダの調整方法。
  4. 前記第1の球心は、前記第2の球心の位置に対して、所定の離間方向に、所定の離間量だけ離れており、前記離間方向と前記離間量とは、他の手段により予め測定されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズホルダの調整方法。
  5. 前記第1の球心は、前記第2の球心の位置に対して、所定の離間方向に、所定の離間量だけ離れており、前記離間方向と前記離間量とを測定する離間量測定ステップをさらに有することを特徴とする請求項3に記載のレンズホルダの調整方法。
  6. 前記離間方向と前記離間量を用いて、前記レンズホルダの位置を調整することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のレンズホルダの調整方法。
  7. 被検レンズを保持するレンズホルダを位置決めするための位置調整用治具であって、
    第1の球心を有する球面形状の第1の光学面と、
    第2の球心を有する球面形状の第2の光学面とを有し、
    前記第2の光学面は前記第1の球心と前記第1の光学面との間に設けられ、
    前記第2の球心は前記第1の球心と同じ側の空間に設けられていることを特徴とする位置調整用治具。
  8. 前記第1の球心の位置と前記第2の球心の位置とは一致することを特徴とする請求項7に記載の位置調整用治具。
  9. 前記第1の球心の位置と前記第2の球心の位置とは異なることを特徴とする請求項7に記載の位置調整用治具。
  10. 被検レンズの偏心量と偏心方向とを測定する偏心測定装置であって、
    前記被検レンズを保持するレンズホルダと、
    前記レンズホルダを所定軸の周りに回転させる回転駆動部と、
    前記被検レンズに対して光を照射する光源を備え、前記被検レンズの被検面からの反射光により形成されるスポットの軌跡を検出するスポット軌跡検出部と、
    前記スポット軌跡検出部の検出結果に基づいて、前記被検レンズの偏心量と偏心方向とを演算する演算部と、
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の位置調整用治具を用いて、前記レンズホルダの調整を行なう調整機構と、
    を備えることを特徴とする偏心測定装置。

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