JP2006283818A - クラッチ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラッチ切れの不良を検出し、不良と判定された場合には、的確にクラッチを断できるようにクラッチを制御するクラッチ制御手段を提供する。
【解決手段】 エンジン稼動時かつ車速がゼロ、ニュートラル状態で、クラッチが接状態にあるときに、クラッチ切れ代確保手段425は、クラッチ制御手段421に対してクラッチを断するよう指示し、クラッチ制御手段421は、クラッチを断するためのクラッチストローク目標値をクラッチ断接用アクチュエータ35に与える。これによって断されたはずの自動クラッチ装置3のクラッチ回転数を予め定めた時間α後に測定し、規定値βよりも回転数が落ちていない場合にはクラッチ断不良と判断し、クラッチ断用のクラッチストローク目標値を補正する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用クラッチ制御装置に関し、さらに詳しくは、クラッチ切れ不良を検出し、クラッチ断を確実に行えるよう制御するクラッチ制御装置に関する。
近年、自動車の変速機として、マニュアル車と同様の変速ギヤ機構およびクラッチ機構にそれぞれアクチュエータを付設して自動変速を行えるようにした機械式自動変速機が開発、実用化され、主に、トラックやバス等の大型車を中心に実用化されている。
このような車両では、エンジンと変速機との間に設けられた磨耗クラッチ(単に、クラッチという)は付設されたアクチュエータによって変速時に自動的に断接されるが、このとき、車両にショックを与えないように自動クラッチを制御する手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−202038号公報 特に、自動クラッチを断(切り離す)する場合に、クラッチ断の指示タイミングが適切でないと車両にショックを与えてしまうので、上記の提案ではクラッチ断指示タイミングを適切にチューニングする手法を提案している。
しかしながら、上記の手法によって適切なタイミングでクラッチ断指示を行った場合でも、実際に的確なクラッチ断がなされるようにアクチュエータを作動させないと、クラッチは切れない。すなわち、一般に、クラッチ制御手段は、クラッチを切り離すタイミングとともに、切り離すためのクラッチ断ストロークをアクチュエータに指示し、これにより、アクチュエータが自動クラッチを切り離すが、このとき、クラッチ断ストロークが不十分だと、変速の際、トランスミッションの被同期側がエンジン回転に引き摺られ、この結果、ギヤ入れ時の同期不完全によるショックの発生や、同期に時間がかかるために起こる変速時間の増大という問題が生じる。さらに、クラッチが摺動することにより、クラッチの磨耗が促進されるという問題が生じる。
このような問題は、クラッチに油分が付着した場合等、機器類に特性変動や故障が生じた場合に、それまでのクラッチ断ストロークでは、クラッチが切り離せなくなり発生する。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的は、クラッチ切れの不良を検出し、不良と判定された場合には、的確にクラッチを断できるようにクラッチを制御するクラッチ制御手段を提供することである。
前述する課題を解決するための本発明は、エンジンと、変速機と、エンジンと変速機との間に介装されたクラッチと、クラッチを駆動するクラッチアクチュエータと、クラッチアクチュエータの作動を制御するクラッチ制御手段と、クラッチを切る際に、クラッチ制御手段が、クラッチを適正に切れるようにクラッチアクチュエータを制御しているか否かを判定する判定手段と、判定手段が、クラッチが適正に切れていないと判定した場合に、適正に切れるようにクラッチ制御手段に指示を与えるクラッチ切れ代確保手段と、を有することを特徴とするクラッチ制御装置である。
判定手段は、エンジン稼動時、かつ、車両が停止状態、かつ、ギヤがニュートラル状態、かつ、クラッチが接状態に実行され、クラッチ制御手段にクラッチを切るよう指示した後、所定の時間後に検出されるクラッチ回転数と、事前に規定された回転数を比較し、クラッチ回転数が、事前に規定された回転数以下に下がっていない場合に、前記クラッチが適正に切れていないと判断する。
これは、正常なクラッチ動作では、クラッチ断時には、クラッチ回転数が徐々に減少し0に至るのに対し、クラッチが完全に切れないクラッチ切れ不良の場合、クラッチがエンジン回転に引き摺られて回転し、クラッチ断を実施したにもかかわらず、所定時間以内にクラッチ回転数が落ちないことを利用するものである。
例えば、車両のアイドリング状態のような、エンジン稼動、かつ、車両停止、かつ、ニュートラル、かつ、クラッチ接の状況下で判定手段が起動され、クラッチ断不良を検出する。
尚、所定の時間は略2秒、事前に規定された回転数は略150回転/分であることが望ましい。
また、クラッチ切れ代確保手段がクラッチ制御手段に与える指示は、クラッチを切るための制御電圧設定を増加させる指示である。このクラッチ切れ代確保手段は、クラッチ断のための制御電圧設定を上げる場合に、予め定められた一定量上げる、または、クラッチ回転数と事前に規定された回転数の差分に応じて上げるようにすることが望ましい。
このように、判定手段が、クラッチ切れが不良であると判定した場合には、クラッチ切れ代確保手段により、制御電圧を上げる指示が出され、これにより、クラッチを適切に切断することが可能になる。
本発明のクラッチ制御装置により、クラッチ切れの不良を検出し、不良な場合には、クラッチを適切に切れるように制御電圧を上げるよう指示し、クラッチ切れ不良による変速ショックや、クラッチの異常磨耗、変速時間の増大を防ぐことが可能である。
以下、図面に基づいて本発明の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる機械式自動変速機の構成を示す構成図、図2は、機械式自動変速機の機能構成図、図3は、クラッチ切れ代確保手段の処理の流れを示すフローチャート、図4は、クラッチ切れ不良と、クラッチ切れ代確保の説明図である。
図1に示すように、エンジン1から突出したエンジン出力軸7は、自動クラッチ装置3を介して機械式自動変速装置5に接続されている。これにより、エンジン1の出力が機械式自動変速装置5に伝達され、変速が実施される。機械式自動変速装置5は、後退段(R)と複数の前進段(例えば6段)の変速段を有した自動変速式の変速機構であり、これに加えて、手動変速も可能である。
自動クラッチ装置3は、機械式自動変速装置5が変速される際、自動的に断接制御される。
一方、エンジン1には、エンジン1のエンジン出力軸7の回転数、すなわち、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ11が付設されている。
自動クラッチ装置3は、フライホイール31にクラッチディスク(摩擦クラッチ、単に、クラッチともいう)33を圧接させることで接続状態とする一方、フライホイール31からクラッチディスク33を離間させることで切断状態とする通常の機械摩擦式クラッチの操作を自動で行うものである。
クラッチディスク33にはクラッチ断接用アクチュエータ35が接続されており、このアクチュエータ35が作動することで、クラッチディスク33が移動し、クラッチの断接が自動的に実施される。つまり、アクチュエータ35に電圧を印加し非作動状態から作動状態に移行すると、クラッチディスク33が離間方向に移動し、これにより、自動クラッチ装置3は接続状態から切断状態に変化する。一方、アクチュエータ35に電圧が印加されていない非作動状態では、クラッチディスク33はフライホイール31に圧接状態であり、この場合、自動クラッチ3は接続状態に保持される。
尚、クラッチ断接用アクチュエータ35としては、電動モータを利用した電動アクチュエータや、エアシリンダーを利用した空気圧アクチュエータ、油圧シリンダーを利用した油圧アクチュエータ等の流体圧アクチュエータを用いることができる。ここでは、電動モータを使用したクラッチ断接用アクチュエータ35を前提として説明する。
このような自動クラッチ装置3には、クラッチディスク33の移動量、すなわちクラッチストロークを検出するクラッチストロークセンサ39が取り付けられている。また、クラッチディスク33の近傍には、クラッチディスク33の回転数を検出するクラッチ回転センサ37が設けられている。
また、機械式自動変速機構5は、ギヤシフト用アクチュエータ51によって駆動され、変速操作が行われる。このギヤシフト用アクチュエータ51は、機械式変速機構5内にあるセレクト方向およびシフト方向の各ギヤシフト部材を駆動するためのもので、例えば、2組の電動モータからなる。変速時には、ギヤシフト用アクチュエータ51によってギヤシフト部材を駆動して、機械式自動変速機構5の噛合状態を切り替えることにより、変速段を所望の状態にシフトする。
エンジン1は電子コントロールユニット(ECU)40が出力するエンジン制御信号113により制御される。また、クラッチ用断接用アクチュエータ35およびギヤシフト用アクチュエータ51も、ECU40の制御信号を介して駆動される。
ECU40は、制御プログラムに従って演算処理を実行する中央処理装置CPU401、後述するクラッチ切れ代確保手段を実現するプログラムを含む、エンジン1、自動クラッチ装置3、機械式自動変速装置5の制御プログラムや、制御に必要なデータを格納するリードオンリーメモリ(ROM)403、演算結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)405、入出力インタフェース407、タイマ409等を有する。
ECU40には、入出力インタフェース407を介して、チェンジレバーユニット15の操作信号であるチェンジレバー操作信号151、アクセルペダル13に取り付けられたアクセル踏込み量センサによるアクセル開度信号131、クラッチ断接用アクチュエータ35に取り付けられたクラッチストロークセンサ39によるクラッチストローク信号391、ギヤシフト用アクチュエータ51に取り付けられたギヤ位置スイッチ53が出力するギヤ位置信号531、自動クラッチ装置3に取り付けられているクラッチ回転センサ37により得られるクラッチ回転数信号371、機械式自動変速機構5の出力側に備えられた車速センサ55により得られる車速信号551、エンジン1に備えられたエンジン回転センサ11により得られるエンジン回転数信号111等が入力される。
ECU40は、これらの入力信号を処理することにより、エンジン1、クラッチ断接用アクチュエータ35、ギヤシフト用アクチュエータ51を駆動するための信号であるエンジン制御信号113、クラッチアクチュエータ駆動信号351、ギヤシフト用アクチュエータ駆動信号511を入出力インタフェース407を介して出力する。
ECU40から出力されたクラッチアクチュエータ駆動信号351およびギヤシフト用アクチュエータ駆動信号511により、適切な電圧が、それぞれ、クラッチ断接用アクチュエータ35およびギヤシフト用アクチュエータ51に印加され、駆動する。これにより、自動クラッチ装置3のクラッチ断接、機械式自動変速装置5のギヤシフトが実現される。
運転者は、チェンジレバーユニット15により、自動シフトモードと手動シフトモードを切り替えて運転することができる。すなわち、運転者がチェンジレバーユニット13のレバーをドライブ“D”に入れている状態では、種々のセンサ出力である走行状態の信号(車速信号551やエンジン回転数信号111、エンジン負荷等)を元に、最適変速段へギヤシフトを行うよう、ECU40がクラッチ断接用アクチュエータ35、ギヤシフト用アクチュエータ51、およびエンジン1を制御する(自動シフトモード)。
一方、運転者が手動操作で変速段のシフト指令を行うことも可能で、運転者がチェンジレバーユニット15のレバーを“+”あるいは“−”に入れると、現在の変速段を1段上げる、あるいは1段下げるためのチェンジレバー操作信号151がECU40に入力される。この信号に基づいてECU40がクラッチ断接用アクチュエータ35およびギヤシフト用アクチュエータ51、エンジン1を制御する(手動シフトモード)。
すなわち、ECU40は、自動シフトモードの場合、車速やエンジン負荷などの走行状態の情報を元に変速段の切り替えの必要性を判断し、また、手動シフトモードの場合、運転者のシフト指令に基づき、シフト信号を出力し、クラッチ切断−ギヤシフト−クラッチ接続の制御を行うとともに、エンジン1の出力を適切に制御する。
図2は、機械式自動変速機の機能構成図である。
同図に示すように、ECU40は、シフト信号生成手段415、ギヤシフト制御手段419、クラッチ制御手段421、エンジン出力制御手段423、および、クラッチ切れ代確保手段425を備え、これらの手段は、プログラムとして、ECU40のROM403等の記憶装置に格納されている。これらのプログラムをCPU401が実行することにより、ECU40は自動変速を制御し、車両を走行させる。
すなわち、シフト信号生成手段415が変速ギヤ段を設定し、変速が必要な場合には、シフト信号生成手段415が変速要求を行うことによりクラッチ制御手段421がクラッチを断接するための信号を生成し、クラッチ断接用アクチュエータ35を制御して自動クラッチ装置3を作動させる。一方、シフト信号生成手段415からの変速要求により、ギヤシフト制御手段419は、ギヤシフト用アクチュエータ51を制御して、機械式自動変速装置5を選択された変速ギヤ段へシフトさせる。また、シフト信号生成手段415からの変速要求により、エンジン出力制御手段423は、変速時のエンジン1の出力を、クラッチ制御手段421と連動して制御する。
図2を更に詳しく説明する。
車両の走行時に、運転者がチェンジレバーユニット15の操作により手動あるいは自動変速を選択することにより、手動/自動変速指令411がシフト信号生成手段415に入力される。手動シフトモードの場合には、運転者のチェンジレバーユニット15の操作により生成されるシフトアップあるいはシフトダウン要求により、シフト段が決定される。
一方、手動/自動変速指令411で自動シフトモードが選択されている場合、シフト信号生成手段415は、通常、ECU40の入出力インタフェース407を介して入力される車速信号551、アクセル開度信号131等の信号を走行状態情報413として受け取り、これらの情報を元に変速ギヤ段を決定する。
すなわち、ECU40のROM403にシフトマップ417が格納されており、車速およびアクセル開度をキーにこのシフトマップ417を参照することにより、その時点の走行状態に即した変速ギヤ段が選択される。
変速ギヤ段が選択されると、シフト信号生成手段415は、クラッチ制御手段421およびギヤシフト制御手段419、およびエンジン出力制御手段423に信号を送り、それぞれ、自動クラッチ装置3、機械式自動変速装置5、エンジン1を制御して、ギヤ段の変速を実行する。
次に、自動クラッチ装置3の制御について説明する。
シフト信号生成手段から変速段をシフトする旨の信号をクラッチ制御手段421が受け取ると、クラッチ制御手段421は、ギヤシフトに先立ち、クラッチ断接用アクチュエータ35を駆動して、クラッチディスク33をフライホイール31から切り離す動作(クラッチ断)を行い、ギヤシフトが完了したら、クラッチディスク33をフライホイール31に徐々に接合する動作(クラッチ接)を行う。
このとき、クラッチ制御手段421は、クラッチ断接用アクチュエータ35に対して、どれだけクラッチディスク33を動かすとクラッチ断あるいはクラッチ接になるかを示す、クラッチストロークの目標値(電圧値)を供給する。
すなわち、クラッチストロークの目標値は、図4に示すように、例えば、0〜5Vの電圧値で示され、クラッチ接では約0Vである。クラッチを切り離す場合には、例えば、クラッチストローク目標値を3.0Vになるようにクラッチ断接用アクチュエータ35の電動モータに駆動電圧を印加する。これにより、クラッチ断接用アクチュエータ35が稼動し、クラッチディスク33がフライホイール31から切り離される。このとき、クラッチストロークセンサ39は、クラッチ断接用アクチュエータ35の動作を検出して、どれだけ動いたかを示すクラッチストローク値をクラッチストローク信号391としてECU40に送る。
従って、クラッチストローク信号391の値は、遅れ等はあるものの、クラッチ制御手段421がクラッチ断接用アクチュエータ35に与えるクラッチストローク目標値の電圧値(0〜5V)と略一致する。
ところで、クラッチ制御手段421がクラッチ断接用アクチュエータ35にクラッチ断のためのクラッチストローク目標値(電圧値)を与え、クラッチ断接用アクチュエータ35が正しく動作し、クラッチディスク33を動かしても、クラッチディスク33が正しくフライホイール31から切り離されないかぎり、クラッチ断は正しく行われない。
例えば、クラッチディスクに油が付着したり、経年変化や機器類の特性変動、故障があった場合に、クラッチディスク33の動きが悪くなり、クラッチ制御手段421およびクラッチ断接用アクチュエータ35はクラッチディスク33を適切に動作させているにもかかわらず、クラッチ断が行われない場合がある。
図3は、このようなクラッチ断の不良を検出し、クラッチ断を適切に実施できるようにするためのクラッチ切れ代確保手段425の処理の流れを示すフローチャートである。また、図4は、クラッチ切れ代確保手段425の処理を説明する図である。
図4に示すように、クラッチ制御手段421がクラッチ断接用アクチュエータ35にクラッチストローク目標値であるクラッチ断制御電圧(1)を与えたとする。このクラッチ断制御電圧(1)は、車両の出荷時に設定され、ECU40内のRAM405に格納されている。通常、クラッチ断時には、この値をクラッチ断接用アクチュエータ35に与え、クラッチディスク33を稼動すればクラッチ断が正常に実現される。
すなわち、図4に示すように、クラッチ制御電圧(1)をクラッチ断接用アクチュエータ35に与えることにより、クラッチディスク33が作動し、クラッチディスク33がフライホイール31から切り離され、これにより、これまでエンジン1の回転とともに回転していたクラッチの回転が徐々に止まり、クラッチ回転センサ37から送られるクラッチ回転数信号371の値は徐々に減少し、長くとも2秒以内に0になる。
ところが、クラッチディスク33がフライホイール31から完全に切り離されない場合には、エンジンの回転を引き摺り、クラッチは回転し続ける。すなわち、クラッチ回転数信号371は0にならない。
クラッチ切れ代確保手段425は、このような性質を利用して、クラッチ断の不良を検出するとともに、クラッチ断が実現できるように、クラッチ制御電圧を変更するものである。すなわち、クラッチ切れ代確保手段425は、車両のアイドリング運転時などの停車時に、クラッチ断の不良の有無を判定し、クラッチ断不良の場合には、クラッチ制御電圧を補正し、その補正値をECU40内のRAM405に格納する。これにより、車両の運転時には、適切にクラッチ断が実施され、クラッチ断不良に起因するショックの発生や、変速時間の増大、クラッチディスクの磨耗等を防ぐことが可能になる。
処理の流れを図3に沿って説明する。クラッチ切れ代確保手段425は、ECU425内のROM403に格納されているプログラムであり、入出力インタフェース407を介して入力される種々の信号、RAM405に格納されているデータ等を使用してCPU401により実行される。
まず、エンジン回転数信号111によりエンジンが稼動しているか否かを調べる。また、車速信号551により、車速が0、すなわち、停止しているか否かを調べる。また、ギヤ位置信号531により、ギヤがニュートラルか否かを調べる。また、クラッチストローク信号391により、クラッチ接状態か否かを調べる。そして、以上の調査を総合し、エンジンが稼動状態、かつ、車速=0、かつ、ギヤ位置がニュートラル、かつ、クラッチが接状態であるか否かを判定する(s4251)。s4251が成り立つ場合(yes)には処理を実行し、成り立たない場合には(no)、s4251の判定処理を繰り返す。
s4251が成り立った場合(yes)、RAM405内のクラッチ断制御電圧格納部に格納されているクラッチ断制御電圧(1)をクラッチ断接用アクチュエータ35に与えるとともに、時間t=0とする(s4252)。初期値としてクラッチ断制御電圧格納部に格納されているクラッチ断制御電圧は、例えば3.0V程度である。また、時間tの計測は、ECU40内のタイマ409を使用して実行される。
これにより、クラッチ断接用アクチュエータ35の電動モータには、クラッチ断制御電圧(1)のクラッチストロークを実現するように電圧が印加される。そして、クラッチ断接用アクチュエータ35が稼動することにより、クラッチディスク33が作動し、クラッチ断が実行される。
ここで、クラッチディスク33が正常にフライホイール31から離間する場合には、図4上図の点線に示すように、クラッチ回転数はt=0以降アイドル回転数Iから減少し、0になる。このとき、正常であれば、t≦α(αは例えば2秒)でクラッチ回転数は0になる。αの値は予め設定しておく。
そこで、s4252の後、時間tがα以上経過したかを判定し(s4253)、t<αの間は(s4253のno)、s4253を繰り返し、t=αが経過するのを待つ。
時間t≧αになったならば、クラッチ回転数が予め定めた規定回転数βより小さいか否かを判定する(s4254)。βは例えば150回転にする。
クラッチ回転数が規定回転数βよりも小さい場合(s4254のyes)、クラッチが引き摺りなく正常に切れていると判断し、処理を終了する。一方、クラッチ回転数がβ以上の場合には(s4254のno)、クラッチがエンジン回転を引き摺り正常に切れていないと判断する。
この場合、クラッチ断制御電圧値を補正する。すなわち、例えば、クラッチ断制御電圧を予め定めた値増加させて、クラッチ断制御電圧(2)とする(s4255)。予め定めた増加分は例えば0.2Vとする。そして、補正したクラッチ断制御電圧値をRAM405内のクラッチ断制御電圧格納部に格納する。
その後、もう一度、s4252に戻り、クラッチが正常に断されるか否かを判定する処理を行う(s4252〜s4254)。
クラッチ断制御電圧の補正値((2))をクラッチ断接用アクチュエータ35にかけて正常にクラッチが切れれば、図4に示すように、クラッチ回転数はエンジン回転の引き摺りなく減少し0になる。この場合、t=2αでクラッチ回転数は規定回転数βより小さくなり(s4254のyes)、処理を終了し、その後、使用されるクラッチ断制御電圧はクラッチ断制御電圧(2)となる。
補正後もクラッチが切れない場合は(s4254)、再度補正し(s4255)、その値を格納し(s4256)、再び、その値でクラッチ断されるかを調べる処理を繰り返す(s4252〜s4256)。通常は、1回の補正により、クラッチの断が可能になる。
図3のフローチャートには示していないが、例えば、補正したクラッチ断制御電圧が4.0Vを超えてもクラッチが切れない場合には、クラッチの故障が考えられるので、異常を示す信号を入出力インタフェースを介して出力し、車両のフロントパネルにある図示されていないインジケータ等に表示させるようにしてもよい。
また、クラッチ断制御電圧のもう一つの補正方法としては、s4254のクラッチ回転数と予め定めた規定回転数βとの差の大きさに応じて、補正のためのクラッチ断制御電圧の増分を可変にすることが考えられる。
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。例えば、本実施の形態では、クラッチ断接用アクチュエータ35は電動モータで駆動することを前提としたが、エアや油圧によるクラッチ断接用アクチュエータであっても、クラッチ制御手段がクラッチ断接用アクチュエータに与える値で実際にクラッチが断されるか否かを判定し、クラッチ断接用アクチュエータに与える値を補正することにより、同様のクラッチ切れ代確保手段を実現できる。また、クラッチ断の判定を行う時間α、および規定回転数βは、α=2秒、β=150回転に限らず、事前にテストすることにより定めてRAM405に格納しておけばよい。
本発明の実施の形態にかかる機械式自動変速機の構成を示す構成図 機械式自動変速機の機能構成図 クラッチ切れ代確保手段の処理の流れを示すフローチャート クラッチ切れ代確保手段を説明する図
符号の説明
1………エンジン
3………自動クラッチ装置
5………機械式自動変速装置
31………フライホイール
33………クラッチディスク
35………クラッチ断接用アクチュエータ
37………クラッチ回転センサ
39………クラッチストロークセンサ
421………クラッチ制御手段
425………クラッチ切れ代確保手段

Claims (7)

  1. エンジンと、
    変速機と、
    前記エンジンと前記変速機との間に介装されたクラッチと、
    前記クラッチを駆動するクラッチアクチュエータと、
    前記クラッチアクチュエータの作動を制御するクラッチ制御手段と、
    前記クラッチを切る際に、前記クラッチ制御手段が、前記クラッチを適正に切れるように前記クラッチアクチュエータを制御しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が、クラッチが適正に切れていないと判定した場合に、適正に切れるように前記クラッチ制御手段に指示を与えるクラッチ切れ代確保手段と、
    を有することを特徴とするクラッチ制御装置。
  2. 前記判定手段は、エンジン稼動時、かつ、車両が停止状態、かつ、ギヤがニュートラル状態、かつ、クラッチが接状態に実行され、
    前記クラッチ制御手段に前記クラッチを切るよう指示した後、所定の時間後に検出されるクラッチ回転数と、事前に規定された回転数を比較し、前記クラッチ回転数が、前記事前に規定された回転数以下に下がっていない場合に、前記クラッチが適正に切れていないと判断することを特徴とする請求項1記載のクラッチ制御装置。
  3. 前記クラッチ切れ代確保手段が前記クラッチ制御手段に与える指示は、クラッチを切るための制御電圧設定を増加させる指示であることを特徴とする請求項1記載のクラッチ制御装置。
  4. 前記クラッチ切れ代確保手段は、前記クラッチ切のための制御電圧設定を上げる場合に、予め定められた一定量上げることを特徴とする請求項3記載のクラッチ制御装置。
  5. 前記クラッチ切れ代確保手段は、前記クラッチ切のための制御電圧設定を上げる場合に、前記クラッチ回転数と前記事前に規定された回転数の差分に応じて制御電圧設定を上げることを特徴とする請求項3記載のクラッチ制御装置。
  6. 前記所定の時間は略2秒であることを特徴とする請求項2記載のクラッチ制御装置。
  7. 前記事前に規定された回転数は略150回転/分であることを特徴とする請求項2記載のクラッチ制御装置。
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