JPH05202952A - 車両用自動クラッチの制御装置 - Google Patents

車両用自動クラッチの制御装置

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JPH05202952A
JPH05202952A JP4034363A JP3436392A JPH05202952A JP H05202952 A JPH05202952 A JP H05202952A JP 4034363 A JP4034363 A JP 4034363A JP 3436392 A JP3436392 A JP 3436392A JP H05202952 A JPH05202952 A JP H05202952A
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clutch
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flag
routine
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JP4034363A
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Inventor
Yukio Otake
幸夫 大竹
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用自動クラッチを駆動モータを用いて係
合位置と解放位置とに切り換える制御装置において、駆
動モータにより解放方向へ駆動される扇型ギヤ等がスト
ッパ手段に突き当たって係合方向へ跳ね返されても、ク
ラッチ切れ不良によるエンストやショック等が発生しな
いようにする。 【構成】 ステップSCP2乃至SCP5において、ク
ラッチ断ルーチンの実行が開始されてから0.3秒経過
したと判断された後においても、SCP6において断側
リミットスイッチがONでないと判断された場合には、
SCP7においてフラグXFRELEの内容をクラッチ
断ルーチンの実行が初回であることを示す「0」にクリ
アすることにより、クラッチに再び解放動作をさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は駆動モータを用いて車両
用自動クラッチを制御する制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両の動力伝達径路に設けられた自動ク
ラッチを、正逆両方向に回転させられる駆動モータを用
いて係合位置と解放位置とに切り換える制御装置が考え
られている。たとえば、本出願人が先に出願した特願平
3−119316号にその一例が記載されており、この
自動クラッチの制御装置においては、駆動モータの回転
がウォームギヤおよびピニオンギヤを介して扇型ギヤへ
伝達されることによりその扇型ギヤおよびレリーズフォ
ークがクラッチ解放方向あるいは係合方向へ一体的に回
動させられ、これにより、レリーズハブおよびレリーズ
ベアリングが軸方向に駆動されて自動クラッチがダイヤ
フラムスプリングの付勢力に抗して解放され或いはダイ
ヤフラムスプリングの付勢力に従って係合させられるよ
うになっているとともに、扇型ギヤおよびレリーズフォ
ーク等のクラッチ解放方向への作動が助勢装置により助
勢されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な自動クラッチの制御装置においては、駆動モータによ
り駆動されるたとえば上記扇型ギヤのクラッチ解放方向
への一定限度以上の移動を阻止するための機械的なスト
ッパ手段を設ける一方、その扇型ギヤ等がストッパ手段
に突き当たることによる自動クラッチ等の損傷を防止す
るために、扇型ギヤ等がストッパ手段に突き当たる前に
駆動モータを停止させることが考えられている。しか
し、何等かの原因で駆動モータの負荷が大幅に軽くなる
と、駆動モータを速やかに停止できず、扇型ギヤがスト
ッパ手段に突き当たってクラッチ係合方向へ跳ね返るこ
とにより、自動クラッチが再係合してエンジンストール
やショック等を生ずるおそれがあった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであって、その目的とするところは、車両の動力伝
達径路に設けられた自動クラッチを駆動モータを用いて
係合位置と解放位置とに切り換える制御装置において、
たとえ、駆動モータによりクラッチ解放方向へ駆動され
る扇型ギヤ等がその扇型ギヤ等のクラッチ解放方向への
一定限度以上の移動を阻止するためのストッパ手段に突
き当たってクラッチ係合方向へ跳ね返されたとしても、
自動クラッチの切れ不良によるエンジンストールやショ
ック等が発生しないようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するためには、自動クラッチが一旦解放された後前記駆
動部材のストッパ手段に対する跳返りにより再び係合さ
せられても直ちに自動クラッチを再解放するようにすれ
ばよく、第1の発明は、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、車両の動力伝達径路に設けられた自動クラッチ
を、正逆両方向に回転させられる駆動モータを用いて係
合位置と解放位置とに切り換える制御装置であって、
(a) 前記自動クラッチが前記解放位置にあることを検出
するクラッチ解放位置検出手段と、(b) 前記自動クラッ
チの係合位置から解放位置への切換作動が行われた後に
おいて所定時間経過した後においても前記クラッチ解放
位置検出手段によりその自動クラッチの解放位置が検出
されない場合には、その自動クラッチに再び解放動作を
させるクラッチ再解放駆動手段とを含むことを特徴とす
る。
【0006】
【作用および第1発明の効果】かかる第1発明の車両用
自動クラッチの制御装置によれば、自動クラッチの係合
位置から解放位置への切換作動が行われた後において所
定時間経過した後においてもクラッチ解放位置検出手段
により自動クラッチの解放位置が検出されない場合に
は、クラッチ再解放駆動手段により自動クラッチの解放
動作が再び行われるようになっており、前記所定時間は
自動クラッチの解放位置への切換えが完了するのに必要
かつ充分な時間に設定され得るので、自動クラッチが一
旦解放された後に、たとえ、駆動モータにより解放方向
へ駆動される扇型ギヤ等がストッパ手段に突き当たって
跳ね返されることにより自動クラッチが再係合してしま
ったとしても、前記所定時間経過したときに自動クラッ
チが再び解放されることとなり、これにより、自動クラ
ッチの切れ不良によるエンジンストールやショック等を
好適に防止することができる。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】また、上記目的を
達成するために、第2の発明は、図1のクレーム対応図
に示すように、車両の動力伝達径路に設けられた自動ク
ラッチを、正逆両方向に回転させられる駆動モータを用
いて係合位置と解放位置とに切り換える制御装置であっ
て、(a) 前記自動クラッチが前記解放位置にあることを
検出するクラッチ解放位置検出手段と、(b) 前記自動ク
ラッチの係合位置から解放位置への切換作動が行われて
前記クラッチ解放位置検出手段によりその自動クラッチ
の解放位置が検出された後、その自動クラッチの解放位
置から係合位置への切換作動が行われていないにも拘わ
らずそのクラッチ解放位置検出手段によりその自動クラ
ッチの解放位置が検出されなくなった場合には、その自
動クラッチに再び解放動作をさせるクラッチ再解放駆動
手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
【作用および第2発明の効果】かかる第2発明の車両用
自動クラッチの制御装置によれば、自動クラッチの係合
位置から解放位置への切換作動が行われてクラッチ解放
位置検出手段によりその自動クラッチの解放位置が検出
された後、その自動クラッチの解放位置から係合位置へ
の切換作動が行われていないにも拘らずクラッチ解放位
置検出手段により自動クラッチの解放位置が検出されな
くなった場合には、クラッチ再解放駆動手段により自動
クラッチの解放動作が再び行われるので、自動クラッチ
が一旦解放された後に、たとえ、駆動モータによりクラ
ッチ解放方向へ駆動される扇型ギヤ等がストッパ手段に
突き当たって跳ね返されることにより自動クラッチが再
係合してしまったとしても、自動クラッチが直ちに再解
放されることとなり、これにより、第1発明の場合と同
様の効果が得られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0010】図2において、車両のエンジン10の動力
は、クラッチハウジング12内に設けられた乾式摩擦ク
ラッチ14,同期噛合式の有段変速機16,および図示
しない差動歯車装置等を介して駆動輪へ伝達されるよう
になっている。摩擦クラッチ14は、本実施例の自動ク
ラッチを構成するものであって、エンジン10のクラン
クシャフト18の軸端に固定されたフライホイール20
と、そのフライホイール20に固定されたクラッチカバ
ー22と、クランクシャフト18と同一直線上において
対向するように配置された有段変速機16の入力軸24
に相対回転不能かつ軸方向への移動可能に設けられたク
ラッチディスク26と、弾性変形可能な複数のストラッ
プ(図示せず)を介してクラッチカバー22に相対回転
不能かつ軸方向への移動可能に保持された円環状のプレ
ッシャプレート28と、有段変速機16のハウジングに
軸方向への移動可能に設けられたレリーズハブ30に固
定されたレリーズベアリング32と、そのレリーズベア
リング32とクラッチカバー22との間に設けられ、中
間部が図示しないピボットリングを介してクラッチカバ
ー22と係合させられたダイヤフラムスプリング34と
を備えて構成されている。ダイヤフラムスプリング34
は、自由状態においてその内周側が図2において右方へ
突き出す皿状ばね部材であり、常にはその外周縁部にお
いてプレッシャプレート28をフライホイール20に接
近する前進方向へ付勢しており、これにより、摩擦クラ
ッチ14は、それらフライホイール20およびプレッシ
ャプレート28との間にクラッチディスク26が挟圧さ
れてエンジン10の動力を伝達する係合状態に保持され
るようになっている。
【0011】一方、上記レリーズハブ30の後端部には
レリーズフォーク36の一端部が係合させられている。
このレリーズフォーク36は、その他端部側において、
クラッチハウジング12および有段変速機16のハウジ
ングに固定されたケース38にそのケース38の外側に
おいて軸40により回転可能に取り付けられており、有
段変速機16のハウジングに固定された駆動モータ42
の正逆両方向の回転に伴って図2中右回り方向あるいは
左回り方向へ回動させられるようになっている。すなわ
ち、駆動モータ42の回転トルクは、その出力軸44の
外周面にそれぞれ設けられて進み角が互いに等しく且つ
互いに向きの異なる一対のウォームギヤ46,48、出
力軸44の径方向において互いに反対側の位置において
上記ケース38にそれぞれ回転可能に設けられてウォー
ムギヤ46,48と係合させられ、出力軸44の回転に
伴って互いに同一の方向へ回転させられる互いに同一の
歯数を有する一対のピニオンギヤ50,52、それらピ
ニオンギヤ50,52と同軸上に相対回転不能に設けら
れ、ピニオンギヤ50,52より大径であって且つ互い
に同一の歯数を有する一対のピニオンギヤ54,56、
上記軸40に相対回転不能に設けられてレリーズフォー
ク36と一体的に回動させられ、ピニオンギヤ54,5
6とそれぞれ噛み合う扇型のギヤ58等を介してレリー
ズフォーク36に伝達されるようになっている。駆動モ
ータ42が一方向へ回転させられると、レリーズフォー
ク36が図2において左回り方向へ回動させられてレリ
ーズハブ30およびレリーズベアリング32がダイヤフ
ラムスプリング34の付勢力に抗して前進させられるこ
とにより、摩擦クラッチ14が動力伝達を遮断する解放
状態に切り換えられる一方、駆動モータ42が前記一方
向と反対の方向に回転させられると、レリーズフォーク
36が図2において右回り方向へ回動させられてレリー
ズハブ30およびレリーズベアリング32がダイヤフラ
ムスプリング34の付勢力に従って後退させられること
により、摩擦クラッチ14が上記係合状態に切り換えら
れるようになっている。この摩擦クラッチ14は、レリ
ーズハブ30等を前進させることによって動力伝達を遮
断するプッシュタイプのものである。なお、図2におい
て、ケース38には断側ストッパピン57および接側ス
トッパピン59が突設されており、断側ストッパピン5
7により扇型のギヤ58のクラッチ解放方向への一定限
度以上の回動が阻止され、接側ストッパピン59により
ギヤ58のクラッチ係合方向への一定限度以上の回動が
阻止されるようになっている。
【0012】上記ケース38には、さらに、駆動モータ
42のクラッチ解放方向への回転時において、ギヤ58
およびレリーズフォーク36の左回り方向への回動を助
勢して駆動モータ42の負荷トルクを軽減させるための
助勢機構60が設けられている。この助勢機構60は、
一端部において軸62によりケース38に回転可能に取
り付けられ、その一端部側に設けられたギヤ部(図示せ
ず)が上記扇型のギヤ58に噛み合わされたアーム64
と、そのアーム64のギヤ58から離隔した他端部側に
一端部においてピン66により回転可能に取り付けられ
たクランク68と、前記軸62を間にして前記ピン66
側と反対側においてケース38に突設されたピン70に
一端部が掛止され且つ他端部がクランク68の他端部側
に掛止された引張コイルスプリング72とを備えてお
り、駆動モータ42によるギヤ58の図2において左回
り方向への回動に伴ってアーム64が右回りに回動させ
られることにより、引張コイルスプリング72にて所定
の助勢力が付与されるようになっている。
【0013】上記有段変速機16は、平行2軸同期噛合
式であって、運転者による図示しないシフトレバーの操
作により後進ギヤ段および複数の前進ギヤ段から成る複
数種類のギヤ段のうちの所望のギヤ段が選択されるよう
になっている。
【0014】上記の車両には、車両の走行状態を検出す
るためのセンサが複数設けられており、そのセンサによ
り検出された運転パラメータが電子制御装置74に入力
されるようになっている。すなわち、エンジン10の吸
気配管には、スロットル弁76の開度THRを検出して
そのスロットル開度THRを表すスロットル開度信号S
thr を電子制御装置74に供給するとともにスロットル
弁76が全閉であることを検出してその全閉を表すアク
セルアイドルスイッチ信号Sidl を電子制御装置74に
供給するスロットルセンサ78が設けられている。ま
た、エンジン10には、エンジン10の回転を検出して
その回転周期を表すエンジン回転周期信号Steを電子制
御装置74に供給するエンジン回転センサ80が設けら
れている。また、有段変速機16には、その入力軸およ
び出力軸の回転をそれぞれ検出してそれらの回転周期を
表す入力軸回転周期信号Stin および出力軸回転周期信
号Stoutを電子制御装置74に供給する入力軸回転セン
サ82および出力軸回転センサ84が設けられていると
ともに、有段変速機14のシフト位置(たとえば第1
速,第2速,第3速,第4速,および第5速の5種類の
前進ギヤ段、後進ギヤ段、およびニュートラル)を示す
シフトポジション信号Sspを電子制御装置74に供給す
るシフトポジションスイッチ86が設けられている。ま
た、上記ケース38には、上記ピニオンギヤ50の回転
に基づいて摩擦クラッチ14の現在の作動位置(以下、
クラッチ現在位置という)を検出してそのクラッチ現在
位置を表すクラッチポジション信号Scpを電子制御装置
74に供給するポテンショメータ等から成るストローク
センサ88が設けられているとともに、ピニオンギヤ5
2の回転に基づいて摩擦クラッチ14の解放側(クラッ
チ断側)および係合側(クラッチ接側)の作動限界をそ
れぞれ検出してクラッチ断側の作動限界を示す断側リミ
ット信号Slim1およびクラッチ接側の作動限界を示す接
側リミット信号Slim2を電子制御装置74に供給する断
側リミットスイッチおよび接側リミットスイッチから成
るリミットスイッチ90が設けられている。上記断側リ
ミット信号Slim1および接側リミット信号Slim2は、後
述のクラッチ断位置およびクラッチ接位置よりもそれぞ
れ所定量手前のクラッチ位置で出力されるようになって
いる。また、図示しないシフトレバーのシフトノブに
は、シフトノブに操作力が加えられていることを示すシ
フトノブ信号Sshを電子制御装置74に供給するシフト
ノブスイッチ92が設けられているとともに、図示しな
いブレーキペダルには、ブレーキペダルに操作力が加え
られていることを示すブレーキ信号Sbrを電子制御装置
74に供給するブレーキペダルスイッチ94が設けられ
ている。
【0015】上記電子制御装置74は、CPU96、R
OM98、RAM100、入力インタフェース102、
および出力インタフェース104を有する所謂マイクロ
コンピュータを備えて構成されており、CPU96は、
ROM98に予め記憶されたプログラムに従ってRAM
100の記憶機能を利用しつつ入力信号を処理し、摩擦
クラッチ14を制御するために図示しないモータ駆動回
路を介して駆動モータ42に駆動電流を出力する。
【0016】以下、上記電子制御装置74の制御作動の
要部を図3のフローチャートに従って説明する。
【0017】図3において、ステップST1では、電子
制御装置74のCPU96の初期設定が行われ、種々の
カウンタ、フラグ、レジスタなどがリセットされる。そ
して、ステップST2では、スロットルセンサ78から
のアクセルアイドルスイッチ信号Sidl 、ブレーキペダ
ルスイッチ94からのブレーキ信号Sbr、シフトノブス
イッチ92からのシフトノブ信号Ssh、シフトポジショ
ンスイッチ86からのシフトポジション信号Ssp、リミ
ットスイッチ90からの断側リミット信号Slim1および
接側リミット信号Slim2が入力インタフェース102を
介してそれぞれ読み込まれる。
【0018】続くステップST3では、エンジン回転セ
ンサ80からのエンジン回転周期信号Steに基づいてエ
ンジン回転数NEが算出され、ステップST4では、入
力軸回転センサ82からの入力軸回転周期信号Stin に
基づいて有段変速機16の入力軸回転数NINが算出さ
れるとともに、ステップST5では、出力軸回転センサ
84からの出力軸回転周期信号Stoutに基づいて車速N
Vが算出される。
【0019】次に、ステップST6では、フラグX2M
Sの内容が「1」であるか否かに基づいて2msecタイミ
ングであるか否かが判断される。このフラグX2MS
は、後述の図4に示す割込ルーチンにおいてその内容が
2msecタイミングであることを示す「1」に設定される
ものである。ステップST6の判断が否定された場合に
はステップST2に戻されるが、ステップST6の判断
が肯定された場合には、ステップST7においてフラグ
X2MSの内容がクリアされた後、ステップST8およ
びステップST9が実行される。ステップST8では、
スロットル開度信号Sthr およびクラッチ現在位置を示
すクラッチポジション信号Scpが読み込まれ、ステップ
ST9では、フラグX8MSの内容が「1」であるか否
かが判断される。このフラグX8MSは8msecタイミン
グであるか否かを示すためのものであって、その内容が
「1」であるときに8msecタイミングであることを示
し、上記ステップST8においてスロットル開度信号S
thr およびクラッチポジション信号Scpの読込みが完了
した後に「1」に設定されるようになっている。ステッ
プST9の判断が否定された場合にはステップST2に
戻されるが、肯定された場合には、ステップST10が
実行されてフラグX8MSの内容がクリアされた後、ス
テップST11以下が実行される。これにより、ステッ
プST10以下のステップは8msec周期で実行されるこ
ととなる。
【0020】上記ステップST11においては、図5お
よび図6に示す車両制御ルーチンが実行される。この車
両制御ルーチンでは、車両の状態に応じて摩擦クラッチ
14をどのように制御するかが決定されるとともに、車
両が所定の状態にあるときに後述のステップST14の
モータ負荷トルク学習ルーチンを実行することが決定さ
れる。
【0021】まずステップST11−1において図7お
よび図8に示す車両状態判別ルーチンが実行されること
により、車両が停止状態、走行状態、発進状態、変速段
切換に伴う摩擦クラッチ14の解放後の動力再伝達状態
のいずれの状態であるかが決定され、車両が停止状態で
あればフラグXSTOPの内容が「1」にセットされ、
走行状態であればフラグXDRIVEの内容が「1」に
セットされ、発進状態であればフラグXSTARTの内
容が「1」にセットされ、動力再伝達状態であればフラ
グXRESTAの内容が「1」にセットされるようにな
っている。
【0022】すなわち、図7および図8の車両状態判別
ルーチンにおいて、以下の9つの場合には、それぞれ前
記動力再伝達状態であると考えられるので、ステップS
SC30,SSC31,SSC32においてフラグXS
TOP,XSTART,XDRIVEの内容がそれぞれ
「0」にリセットされるとともに、ステップSSC33
においてフラグXRESTAの内容が「1」にセットさ
れる。上記9つの場合とは、ステップSSC1におい
てシフトレバーに対する操作力が解除されてシフトノブ
スイッチ92がONからOFFへ切り換えられたと判断
され、かつステップSSC2においてブレーキペダルス
イッチ94がONすなわちブレーキペダルが踏み込まれ
たと判断され、かつステップSSC3において有段変速
機16の入力軸回転数NINが予め記憶された一定の判
断基準値N2よりも大きいと判断された場合、ステッ
プSSC1においてシフトノブスイッチ92がONから
OFFへ切り換えられたと判断され、かつステップSS
C2においてブレーキペダルが踏み込まれていないと判
断され、かつステップSSC4において前記入力軸回転
数NINが予め記憶された一定の判断基準値N1よりも
大きいと判断された場合、ステップSSC1において
シフトノブスイッチ92がONからOFFへ切り換えら
れていないと判断され、かつステップSSC5において
フラグXSTOPの内容が「1」であると判断され、か
つステップSSC6においてアクセルアイドルスイッチ
信号Sidl が入力されてスロットル開度THRが全閉で
あると判断され、かつステップSSC7において前記入
力軸回転数NINが予め記憶された一定の判断基準値N
3よりも大きいと判断された場合、ステップSSC1
においてシフトノブスイッチ92がONからOFFへ切
り換えられていないと判断され、かつステップSSC5
においてフラグXSTOPの内容が「1」でないと判断
され、かつステップSSC8においてフラグXSTAR
Tの内容が「1」でないと判断され、かつステップSS
C13においてフラグXDRIVEの内容が「1」であ
ると判断され、かつステップSSC14においてブレー
キペダルが踏み込まれたと判断され、かつステップSS
C15において前記入力軸回転数NINが前記判断基準
値N2より大きくないと判断され、かつステップSSC
6においてスロットル開度THRが全閉であると判断さ
れ、かつステップSSC7において入力軸回転数NIN
が前記判断基準値N3よりも大きいと判断された場合、
ステップSSC1においてシフトノブスイッチ92が
ONからOFFへ切り換えられていないと判断され、か
つステップSSC5においてフラグXSTOPの内容が
「1」でないと判断され、かつステップSSC8におい
てフラグXSTARTの内容が「1」でないと判断さ
れ、かつステップSSC13においてフラグXDRIV
Eの内容が「1」であると判断され、かつステップSS
C14においてブレーキペダルが踏み込まれていないと
判断され、且つステップSSC16において入力軸回転
数NINが前記判断基準値N1より大きくないと判断さ
れ、かつステップSSC6においてスロットル開度TH
Rが全閉であると判断され、かつステップSSC7にお
いて入力軸回転数NINが前記判断基準値N3よりも大
きいと判断された場合、ステップSSC1においてシ
フトノブスイッチ92がONからOFFへ切り換えられ
ていないと判断され、かつステップSSC5においてフ
ラグXSTOPの内容が「1」でないと判断され、かつ
ステップSSC8においてフラグXSTARTの内容が
「1」でないと判断され、かつステップSSC13にお
いてフラグXDRIVEの内容が「1」でないと判断さ
れ、かつステップSSC17においてエンジン回転数N
Eと有段変速機14の入力軸回転数NINとの回転数差
|NE−NIN|が予め定められた判断基準値αよりも
小さくないと判断された場合、ステップSSC1にお
いてシフトノブスイッチ92がONからOFFへ切り換
えられていないと判断され、かつステップSSC5にお
いてフラグXSTOPの内容が「1」でないと判断さ
れ、かつステップSSC8においてフラグXSTART
の内容が「1」でないと判断され、かつステップSSC
13においてフラグXDRIVEの内容が「1」でない
と判断され、かつステップSSC17において前記回転
数差|NE−NIN|が前記判断基準値αよりも小さ
く、かつステップSSC18においてステップSSC1
7での判断が初めて肯定されてから予め定められた一定
時間βを未だ経過していないと判断された場合、ステ
ップSSC1においてシフトノブスイッチ92がONか
らOFFへ切り換えられていないと判断され、かつステ
ップSSC5においてフラグXSTOPの内容が「1」
でないと判断され、かつステップSSC8においてフラ
グXSTARTの内容が「1」であると判断され、かつ
ステップSSC9においてブレーキペダルが踏み込まれ
たと判断され、かつステップSSC10において入力軸
回転数NINが前記判断基準値N2より大きくないと判
断され、かつステップSSC6においてスロットル開度
THRが全閉であると判断され、かつステップSSC7
において入力軸回転数NINが前記判断基準値N3より
も大きいと判断された場合、およびステップSSC1
においてシフトノブスイッチ92がONからOFFへ切
り換えられていないと判断され、かつステップSSC5
においてフラグXSTOPの内容が「1」でないと判断
され、かつステップSSC8においてフラグXSTAR
Tの内容が「1」であると判断され、かつステップSS
C9においてブレーキペダルが踏み込まれていないと判
断され、かつステップSSC11において入力軸回転数
NINが前記判断基準値N1より大きくないと判断さ
れ、かつステップSSC6においてスロットル開度TH
Rが全閉であると判断され、かつステップSSC7にお
いて入力軸回転数NINが前記判断基準値N3よりも大
きいと判断された場合である。
【0023】ここで、上記ステップSSC4,SSC1
1,SSC16の判断基準値N1および上記ステップS
SC3,SSC10,SSC15の判断基準値N2は、
それぞれ車両の停止状態を判断するためのものであって
摩擦クラッチ14を解放する際の入力軸回転数NINを
表しており、エンジンストールを防止するために、ブレ
ーキペダルが踏み込まれた場合の判断基準値N2はブレ
ーキペダルが踏み込まれていない場合の判断基準値N1
より所定量大きい値に設定されている。また、上記ステ
ップSSC7の判断基準値N3は、たとえば降坂路をア
クセルペダルを踏まずにエンジンブレーキを作用させて
走行中であるか否かを判断するためのものである。ま
た、上記ステップSSC12,SSC17の判断基準値
αは、摩擦クラッチ14を直結(ロックアップ)しても
その直結により発生するショックができるだけ小さく、
且つ半係合によるジャダー(クラッチのスティックスリ
ップによる駆動系の捩じり振動)の発生もできるだけ防
止されるように定められている。また、上記ステップS
SC18は、上記ステップSSC17において前記回転
数差|NE−NIN|が判断基準値αより小さいと判断
されても更にある程度収束するまでは走行状態であると
判断しないようにするためのものであって、ロックアッ
プ時の係合ショックを好適に防止できるように定められ
ている。
【0024】また、図7および図8の車両状態判別ルー
チンにおいて、ステップSSC1においてシフトノブ
スイッチ92がONからOFFへ切り換えられたと判断
され、かつステップSSC2においてブレーキペダルが
踏み込まれたと判断され、かつステップSSC3におい
て有段変速機16の入力軸回転数NINが前記判断基準
値N2より大きくないと判断された場合、ステップS
SC1においてシフトノブスイッチ92がONからOF
Fへ切り換えられたと判断され、かつステップSSC2
においてブレーキペダルが踏み込まれていないと判断さ
れ、かつステップSSC4において入力軸回転数NIN
が前記判断基準値N1より大きくないと判断された場
合、ステップSSC1においてシフトノブスイッチ9
2がONからOFFへ切り換えられていないと判断さ
れ、かつステップSSC5においてフラグXSTOPの
内容が「1」であると判断され、かつステップSSC6
においてスロットル開度THRが全閉であると判断さ
れ、かつステップSSC7において入力軸回転数NIN
が前記判断基準値N3より大きくないと判断された場
合、ステップSSC1においてシフトノブスイッチ9
2がONからOFFへ切り換えられていないと判断さ
れ、かつステップSSC5においてフラグXSTOPの
内容が「1」でないと判断され、かつステップSSC8
においてフラグXSTARTの内容が「1」であると判
断され、かつステップSSC9においてブレーキペダル
が踏み込まれたと判断され、かつステップSSC10に
おいて入力軸回転数NINが前記判断基準値N2より大
きくない判断され、かつステップSSC6においてスロ
ットル開度THRが全閉であると判断され、かつステッ
プSSC7において入力軸回転数NINが前記判断基準
値N3より大きくないと判断された場合、ステップS
SC1においてシフトノブスイッチ92がONからOF
Fへ切り換えられていないと判断され、かつステップS
SC5においてフラグXSTOPの内容が「1」でない
と判断され、かつステップSSC8においてフラグXS
TARTの内容が「1」であると判断され、かつステッ
プSSC9においてブレーキペダルが踏み込まれていな
いと判断され、かつステップSSC11において入力軸
回転数NINが前記判断基準値N1より大きくないと判
断され、かつステップSSC6においてスロットル開度
THRが全閉であると判断され、かつステップSSC7
において入力軸回転数NINが前記判断基準値N3より
大きくないと判断された場合、ステップSSC1にお
いてシフトノブスイッチ92がONからOFFへ切り換
えられていないと判断され、かつステップSSC5にお
いてフラグXSTOPの内容が「1」でないと判断さ
れ、かつステップSSC8においてフラグXSTART
の内容が「1」でないと判断され、かつステップSSC
13においてフラグXDRIVEの内容が「1」である
と判断され、かつステップSSC14においてブレーキ
ペダルが踏み込まれたと判断され、ステップSSC15
において入力軸回転数NINが前記判断基準値N2より
大きくないと判断され、かつステップSSC6において
スロットル開度THRが全閉であると判断され、かつス
テップSSC7において入力軸回転数NINが前記判断
基準値N3より大きくないと判断された場合、および
ステップSSC1においてシフトノブスイッチ92がO
NからOFFへ切り換えられていないと判断され、かつ
ステップSSC5においてフラグXSTOPの内容が
「1」でないと判断され、かつステップSSC8におい
てフラグXSTARTの内容が「1」でないと判断さ
れ、かつステップSSC13においてフラグXDRIV
Eの内容が「1」であると判断され、かつステップSS
C14においてブレーキペダルが踏み込まれていないと
判断され、かつステップSSC16において入力軸回転
数NINが前記判断基準値N1より大きくないと判断さ
れ、かつステップSSC6においてスロットル開度TH
Rが全閉であると判断され、かつステップSSC7にお
いて入力軸回転数NINが前記判断基準値N3より大き
くないと判断された場合には、それぞれ前記車両の停止
状態であると考えられるので、フラグXSTOPの内容
を「1」にセットするためのステップSSC19以下が
実行される。
【0025】上記ステップSSC19においてカウンタ
CSTOPの内容に「1」が加算された後、ステップS
SC22においてカウンタCSTOPの内容が「3」に
達したか否かが判断される。当初は達していないので、
ステップSSC28およびSSC29において他のカウ
ンタCSTARTおよびCDRIVEの内容がそれぞれ
クリアされる。以上のサイクルが繰り返されるうち、カ
ウンタCSTOPの内容が「3」に達したと判断される
と、そのステップSSC22の判断結果を常に肯定とす
るためにステップSSC23においてカウンタCSTO
Pの内容が「2」にセットされるとともに、ステップS
SC24においてフラグXSTOPの内容が「1」にセ
ットされ、ステップSSC25,SSC26,SSC2
7において他のフラグXSTART,XDRIVE,X
RESTAの内容がそれぞれ「0」にリセットされる。
【0026】また、図7および図8の車両状態判別ルー
チンにおいて、ステップSSC1においてシフトノブ
スイッチ92がONからOFFへ切り換えられていない
と判断され、かつステップSSC5においてフラグXS
TOPの内容が「1」でないと判断され、かつステップ
SSC8においてフラグXSTARTの内容が「1」で
あると判断され、かつステップSSC9においてブレー
キペダルが踏み込まれたと判断され、かつステップSS
C10において入力軸回転数NINが前記判断基準値N
2よりも大きいと判断され、かつステップSSC12に
おいて前記回転数差|NE−NIN|が前記判断基準値
αよりも小さいと判断された場合、ステップSSC1
においてシフトノブスイッチ92がONからOFFへ切
り換えられていないと判断され、かつステップSSC5
においてフラグXSTOPの内容が「1」でないと判断
され、かつステップSSC8においてフラグXSTAR
Tの内容が「1」であると判断され、かつステップSS
C9においてブレーキペダルが踏み込まれていないと判
断され、かつステップSSC11において入力軸回転数
NINが前記判断基準値N1よりも大きいと判断され、
かつステップSSC12において前記回転数差|NE−
NIN|が前記判断基準値αよりも小さいと判断された
場合、ステップSSC1においてシフトノブスイッチ
92がONからOFFへ切り換えられていないと判断さ
れ、かつステップSSC5においてフラグXSTOPの
内容が「1」でないと判断され、かつステップSSC8
においてフラグXSTARTの内容が「1」でないと判
断され、かつステップSSC13においてフラグXDR
IVEの内容が「1」であると判断され、かつステップ
SSC14においてブレーキペダルが踏み込まれたと判
断され、かつステップSSC15において入力軸回転数
NINが前記判断基準値N2よりも大きいと判断された
場合、ステップSSC1においてシフトノブスイッチ
92がONからOFFへ切り換えられていないと判断さ
れ、かつステップSSC5においてフラグXSTOPの
内容が「1」でないと判断され、かつステップSSC8
においてフラグXSTARTの内容が「1」でないと判
断され、かつステップSSC13においてフラグXDR
IVEの内容が「1」であると判断され、かつステップ
SSC14においてブレーキペダルが踏み込まれていな
いと判断され、かつステップSSC16において入力軸
回転数NINが前記判断基準値N1よりも大きいと判断
された場合、ステップSSC1においてシフトノブス
イッチ92がONからOFFへ切り換えられていないと
判断され、かつステップSSC5においてフラグXST
OPの内容が「1」でないと判断され、かつステップS
SC8においてフラグXSTARTの内容が「1」でな
いと判断され、かつステップSSC13においてフラグ
XDRIVEの内容が「1」でないと判断され、かつス
テップSSC17において前記回転数差|NE−NIN
|が前記判断基準値αよりも小さいと判断され、かつス
テップSSC18においてステップSSC17の判断が
初めて肯定されてから前記一定時間β経過したと判断さ
れた場合には、それぞれ車両の走行状態と考えられるの
で、フラグXDRIVEの内容を「1」にセットするた
めのステップSSC20以下が実行される。このステッ
プSSC20以下では、前記ステップSSC19以下の
場合と同様に、カウンタCDRIVEの内容が「3」に
達するまでは他のカウンタCSTOP,CSTARTが
クリアされるとともに、カウンタCDRIVEの内容が
「3」に達すると、フラグXDRIVEの内容が「1」
にセットされ、他のフラグXSTOP,XSTART,
XRESTAの内容が「0」にリセットされる。
【0027】また、図7およひ図8の車両状態判別ルー
チンにおいて、ステップSSC1においてシフトノブ
スイッチ92がONからOFFへ切り換えられていない
と判断され、かつステップSSC5においてフラグXS
TOPの内容が「1」であると判断され、かつステップ
SSC6においてスロットル開度THRが全閉でないと
判断された場合、ステップSSC1においてシフトノ
ブスイッチ92がONからOFFへ切り換えられていな
いと判断され、かつステップSSC5においてフラグX
STOPの内容が「1」でないと判断され、かつステッ
プSSC8においてフラグXSTARTの内容が「1」
であると判断され、かつステップSSC9においてブレ
ーキペダルが踏み込まれたと判断され、かつステップS
SC10において入力軸回転数NINが前記判断基準値
N2よりも大きいと判断され、かつステップSSC12
において前記回転数差|NE−NIN|が前記判断基準
値αより小さくないと判断された場合、ステップSS
C1においてシフトノブスイッチ92がONからOFF
へ切り換えられていないと判断され、かつステップSS
C5においてフラグXSTOPの内容が「1」でないと
判断され、かつステップSSC8においてフラグXST
ARTの内容が「1」であると判断され、かつステップ
SSC9においてブレーキペダルが踏み込まれたと判断
され、かつステップSSC10において入力軸回転数N
INが前記判断基準値N2よりも大きくないと判断さ
れ、かつステップSSC6においてスロットル開度TH
Rが全閉でないと判断された場合、ステップSSC1
においてシフトノブスイッチ92がONからOFFへ切
り換えられていないと判断され、かつステップSSC5
においてフラグXSTOPの内容が「1」でないと判断
され、かつステップSSC8においてフラグXSTAR
Tの内容が「1」であると判断され、かつステップSS
C9においてブレーキペダルが踏み込まれていないと判
断され、かつステップSSC11において入力軸回転数
NINが前記判断基準値N1よりも大きいと判断され、
かつステップSSC12において前記回転数差|NE−
NIN|が前記判断基準値αより小さくないと判断され
た場合、ステップSSC1においてシフトノブスイッ
チ92がONからOFFへ切り換えられていないと判断
され、かつステップSSC5においてフラグXSTOP
の内容が「1」でないと判断され、かつステップSSC
8においてフラグXSTARTの内容が「1」であると
判断され、かつステップSSC9においてブレーキペダ
ルが踏み込まれていないと判断され、かつステップSS
C11において入力軸回転数NINが前記判断基準値N
1よりも大きくないと判断され、かつステップSSC6
においてスロットル弁開度THRが全閉でないと判断さ
れた場合、ステップSSC1においてシフトノブスイ
ッチ92がONからOFFへ切り換えられていないと判
断され、かつステップSSC5においてフラグXSTO
Pの内容が「1」でないと判断され、かつステップSS
C8においてフラグXSTARTの内容が「1」でない
と判断され、且つステップSSC13においてフラグX
DRIVEの内容が「1」であると判断され、かつステ
ップSSC14においてブレーキペダルが踏み込まれた
と判断され、かつステップSSC15において入力軸回
転数NINが前記判断基準値N2よりも大きくないと判
断され、かつステップSSC6においてスロットル弁開
度THRが全閉でないと判断された場合、およびステ
ップSSC1においてシフトノブスイッチ92がONか
らOFFへ切り換えられていないと判断され、かつステ
ップSSC5においてフラグXSTOPの内容が「1」
でないと判断され、かつステップSSC8においてフラ
グXSTARTの内容が「1」でないと判断され、且つ
ステップSSC13においてフラグXDRIVEの内容
が「1」であると判断され、かつステップSSC14に
おいてブレーキペダルが踏み込まれていないと判断さ
れ、かつステップSSC16において入力軸回転数NI
Nが前記判断基準値N1よりも大きくないと判断され、
かつステップSSC6においてスロットル弁開度THR
が全閉でないと判断された場合には、それぞれ車両の発
進状態と考えられるので、フラグXSTARTの内容を
「1」にセットするためのステップSSC21以下が実
行される。このステップSSC21以下では、前記ステ
ップSSC19以下あるいはSSC20以下の場合と同
様に、カウンタCSTARTの内容が「3」に達するま
では他のカウンタCSTOP,CDRIVEがクリアさ
れるとともに、カウンタCSTARTの内容が「3」に
達すると、フラグXSTARTの内容が「1」にセット
され、他のフラグXSTOP,XDRIVE,XRES
TAの内容が「0」にリセットされる。
【0028】図5および図6に戻って、ステップST1
1−2では、後述のフラグXINHDの内容が摩擦クラ
ッチ14の係合を禁止することを示す「1」であるか否
かが判断される。この判断が肯定された場合には、ステ
ップST11−9において図9に示すクラッチ断ルーチ
ンが実行される。このクラッチ断ルーチンでは、摩擦ク
ラッチ14が定速で解放されるように摩擦クラッチ14
の作動の目標位置が逐次求められるようになっている。
【0029】すなわち、ステップSRE1では、フラグ
XFRELEの内容が「0」であるか否かが判断され
る。このフラグXFRELEは、上記クラッチ断ルーチ
ンの実行が初回であるか否かを示すためのものであっ
て、その内容が「0」であるときに初回であることを示
す。ステップSRE1において今回のクラッチ断ルーチ
ンの実行が初回であると判断された場合には、ステップ
SRE2において、次回以降の実行に備えてフラグXF
RELEの内容が「1」に設定されるとともに、ステッ
プSRE3,SRE4,SRE5において、フラグXF
STAR,XFROCK,XFRESTの内容が後述の
発進用半クラッチルーチン,クラッチロックアップルー
チン,クラッチ再伝達ルーチンの実行がそれぞれ初回で
あることを示す「0」に設定される。続くステップSR
E6においては、前記クラッチ現在位置を示すRAM1
00の記憶場所CSTNの内容がRAM100のクラッ
チ目標位置変化値の記憶場所CSMIDCに格納され
る。なお、以下の説明において、記憶場所CSTNに記
憶されたクラッチ現在位置のことをもCSTNと表示す
る。このことは、以下の説明において用いられるRAM
100の種々の記憶場所とそれに記憶された記憶内容に
ついても同様である。
【0030】一方、上記ステップSRE1においてクラ
ッチ断ルーチンの実行が初回でないと判断された場合に
は、ステップSRE7において、リミットスイッチ90
の断側リミットスイッチがONであるか否か、すなわち
断側リミット信号Slim1が入力されたか否かが判断され
る。この判断が否定された場合には、ステップSRE8
においてフラグXINHDの内容が「1」に設定され
る。このフラグXINHDは、一旦クラッチ断の命令が
下されると、摩擦クラッチ14が確実に解放されるまで
他のクラッチ制御ルーチンの実行を禁止してクラッチ断
ルーチンを実行し続けるためのものであり、その内容が
「1」であるときに他のクラッチ制御ルーチンの実行を
禁止することを示す。続くステップSRE9では、摩擦
クラッチ14の作動の目標方向を示すRAM100の記
憶場所CSTMSTRにクラッチ断方向の内容が格納さ
れるとともに、ステップSRE10では、クラッチ現在
位置CSTNがクラッチ断位置より大きいか否かが判断
される。このクラッチ断位置としては、たとえば、以前
のサイクルにおいて後述のステップSRE16で摩擦ク
ラッチ14の作動が停止したと判断されたときに記憶さ
れたクラッチ現在位置CSTNが用いられ、上記クラッ
チ断方向の内容は、たとえば、上記クラッチ断位置の内
容と同じものが用いられる。ここで、クラッチ位置を示
すクラッチポジション信号Scpは、クラッチ断位置から
接位置に向かうに従って大きくなるようになっており、
これにより、ステップSRE10の判断が肯定された場
合には摩擦クラッチ14が未だ解放されていないことを
示しており、否定された場合には解放されたことを示
す。ステップSRE10において摩擦クラッチ14が未
だ解放されていないと判断された場合には、ステップS
RE11において、クラッチ断方向の目標位置の変化速
度(クラッチ断速度)を示すRAM100の記憶場所P
CSTMDに、所望のクラッチ応答性を確保し得るよう
に予め定められたクラッチ断速度が格納された後、ステ
ップSRE12において図13に示すクラッチ目標位置
減算ルーチンが実行される。
【0031】まず、ステップSDC1では、前記クラッ
チ目標位置変化値の記憶場所CSMIDCの内容から前
記クラッチ断速度PCSTMDが減算され、続くステッ
プSDC2では、その記憶場所CSMIDCの内容が前
記クラッチ断位置以下であるか否かが判断される。記憶
場所CSMIDCの内容が未だクラッチ断位置に達しな
い場合には、一旦クラッチ目標位置減算ルーチンを出た
後クラッチ断位置に達するまで繰り返し記憶場所CSM
IDCの内容の減算が行われるが、記憶場所CSMID
Cの内容がクラッチ断位置に達した場合には、ステップ
SDC3において記憶場所CSMIDCにクラッチ断位
置の内容が格納される。
【0032】図9に戻って、ステップSRE13では、
クラッチ目標位置を示すRAM100の記憶場所CST
MVELに、ステップSRE12で求められた記憶場所
CSMIDCの内容が格納される。上記ステップSRE
10において摩擦クラッチ14が解放されたと判断され
た場合には、ステップSRE14においてクラッチ目標
位置の記憶場所CSTMVELにクラッチ現在位置CS
TN(クラッチ断位置)が格納される。
【0033】上記ステップSRE7においてリミットス
イッチ90の断側リミットスイッチがONであると判断
された場合には、ステップSRE15において、フラグ
XDENDの内容が「1」であるか否かが判断される。
このフラグXDENDは、上記断側リミットスイッチが
ONとなってから摩擦クラッチ14の断方向の作動(ク
ラッチ断作動)が停止したか否かに基づいてクラッチ断
が終了したか否かを示すためのものであって、その内容
が「1」であるときにクラッチ断が終了したことを示
す。上記ステップSRE15においてフラグXDEND
の内容が「1」でなくクラッチ断が未だ終了していない
と判断された場合には、ステップSRE16において前
記クラッチ断作動が停止したか否かが判断される。未だ
クラッチ断作動が停止していないと判断された場合に
は、前記ステップSRE14が実行されてクラッチ目標
位置の記憶場所CSTMVELにクラッチ現在位置CS
TNが格納されるが、クラッチ断作動が停止したと判断
された場合には、ステップSRE17において、前記フ
ラグXINHDの内容がクラッチ断ルーチン以外のクラ
ッチ制御ルーチンの実行を禁止しないことを示す「0」
に設定され、ステップSRE18において、クラッチ断
が終了したことを示すためにフラグXDENDの内容が
「1」に設定されるとともに、ステップSRE19にお
いて、前記クラッチ目標方向の記憶場所CSTMSTR
にクラッチ現在位置CSTN(クラッチ断位置)が格納
される。一方、ステップSRE15においてクラッチ断
が終了したと判断された場合にはステップSRE16が
スキップさせられて上記ステップSRE17以下が実行
される。
【0034】ここで、本実施例においては、図3のメイ
ンルーチンには図4に示す2msecタイミングルーチンが
2msec毎に割り込んで実行されるようになっている。こ
の2msecタイミングルーチンは本実施例のクラッチ再解
放駆動手段に対応するものであって、摩擦クラッチ14
の係合位置から解放位置への切換えが開始されてから一
定時間経過したときにリミットスイッチ90の断側リミ
ットスイッチがONでない場合には、摩擦クラッチ14
を再び解放することができるようになっている。
【0035】すなわち、まずステップSCP1では、図
3の前記ステップST6で判断されるフラグX2MSの
内容が2msecタイミングであることを示す「1」に設定
され、続くステップSCP2では、フラグXFRELE
の内容が「1」であるか否か、すなわち図6のステップ
ST9のクラッチ断ルーチンの実行が初回でないか否か
が判断される。このフラグXFRELEは前記図9に示
すクラッチ断ルーチンのステップSRE2において内容
が「1」が設定される。ステップSCP2において、ク
ラッチ断ルーチンの実行が初回であると判断された場合
には、ステップSCP4が実行されてカウンタCRET
Rの内容がクリアされた後ステップSCP5が実行され
るが、クラッチ断ルーチンの実行が初回でないと判断さ
れた場合には、ステップSCP3が実行されてカウンタ
CRETRの内容に「1」が加えられた後ステップSC
P5が実行される。このカウンタCRETRは、摩擦ク
ラッチ14の接から断方向への切換えが開始されてから
の経過時間を計数するためのものである。上記ステップ
SCP5では、カウンタCRETRの計数内容が予め定
められた一定時間より大きいか否か、すなわち摩擦クラ
ッチ14の断側への切換えが開始されてからの経過時間
が予め定められた一定時間を経過した否かが判断され、
続くステップSCP6では、リミットスイッチ90の断
側リミットスイッチがONであるい否かが判断される。
上記一定時間は、クラッチ断側への切換えが開始されて
から終了するまでに要する必要かつ充分な時間であっ
て、たとえば0.3秒に設定される。ステップSCP5
の判断が否定された場合およびステップSCP5,SC
P6の判断が共に肯定された場合にはステップSCP7
を実行することなく上記メインルーチンにリターンさせ
られる。一方、ステップSCP5の判断が肯定され且つ
ステップSCP6の判断が否定された場合、すなわちク
ラッチ断側への切換えが開始されてから上記一定時間経
過したときに前記断側リミットスイッチがONでない場
合には、ステップSCP7において、前記フラグXFR
ELEの内容がクラッチ断ルーチンの実行が初回である
ことを示す「0」に設定され、これにより、摩擦クラッ
チ14の再解放が直ちに行われることとなる。本実施例
においては、上記リミットスイッチ90、より正確には
断側リミットスイッチがクラッチ解放位置検出手段を構
成する。
【0036】ここで、何等かの原因で駆動モータ42の
負荷が大幅に大きくなって前記ギヤ58が断側ストッパ
ピン57に突き当たって跳ね返る際にはクラッチ作動が
瞬間的に停止する場合があると考えられるが、この瞬間
的なクラッチ作動の停止をステップSRE16において
検出することは極めて困難であるため、この瞬間的なク
ラッチ作動の停止によりステップSRE16の判断が肯
定されて続くステップSRE17においてフラグXIN
HDの内容が「0」に設定されることはない。また、ギ
ヤ58が断側ストッパピン57に突き当たって跳ね返る
ことにより摩擦クラッチ14が戻されて係合状態で停止
したような場合には、既に断側リミットスイッチがOF
FとなっていてステップSRE8以下が実行され、ステ
ップSRE16は実行されないことからステップSRE
17においてフラグXINHDの内容が「0」に設定さ
れることはない。したがって、摩擦クラッチ14が一旦
解放されたにも拘らずギヤ58の断側ストッパピン57
に対する跳返りにより再び係合させられた場合において
は、フラグXINHDの内容は「1」の状態に維持され
ているため、図5の車両制御ルーチンのステップST1
1−2の判断は肯定され続けてクラッチ断ルーチンが繰
り返し実行されることとなる。このような状態におい
て、上記フラグXFRELEの内容が「0」とされる
と、ステップSRE1の判断が肯定されることにより、
ステップSRE2においてフラグXFRELEの内容が
「1」に設定されるとともにステップSRE6において
前記一定時間経過した時点でのクラッチ現在位置CST
Nがクラッチ目標位置変化値の記憶場所CSMIDCに
格納され、次回以降のサイクルにおいて記憶場所CSM
IDCの内容からの減算が逐次行われてクラッチ目標位
置CSTMVELが逐次求められる。これにより、摩擦
クラッチ14が一旦解放されたにも拘らずギヤ58の断
側ストッパピン57に対する跳返りにより再び係合させ
られた場合には、摩擦クラッチ14の再解放が直ちに行
われることになるのである。
【0037】図6に戻って、ステップST11−10で
は後述のフラグXEENDの内容がクラッチ接側の切換
動作が終了していないことを示す「0」に設定され、ス
テップST11−28では後述のクラッチ目標伝達トル
クTCIIが「0」に設定されるとともに、ステップS
T11−29,ST11−30では後述のフラグXML
ODLRN,XLRNCHKの内容がそれぞれ「0」に
設定される。
【0038】図5に戻って、ステップST11−2にお
いて前記フラグXINHDの内容が摩擦クラッチ14の
係合を禁止しないことを示す「0」であると判断された
場合には、ステップST11−3において、シフトノブ
スイッチ92がONであるか否かが判断され、ONであ
ればステップST11−4以下が実行されるが、ONで
なければステップST11−6以下が実行される。ステ
ップST11−4のエンジントルクTe計算ルーチンで
は、本出願人が先に出願して公開された特開平3−13
4323号公報に記載されたエンジントルク計算ルーチ
ンと同様にして、エンジン回転数NEおよびスロットル
開度THRに基づいてエンジン10の実際の出力トルク
Teが算出される。ステップST11−5では、実際の
エンジン出力トルクTeが予め記憶された判断基準値T
1 より小さいか否かが判断される。この判断基準値T1
は、摩擦クラッチ14が急に解放されてエンジン10が
吹き上がったときにエンジン10の振動や騒音によって
違和感がそれ程生じることなくまた運転操作フィーリン
グが損なわれないように予め定められた値、たとえばア
イドル時におけるエンジン出力トルクTeより僅かに大
きな値に設定される。上記ステップST11−5におい
てエンジン出力トルクTeが判断基準値T1 より小さい
と判断された場合には、アクセルペダルが踏み込まれて
いる状態でも摩擦クラッチ14の解放が許容され得るの
で、前記ステップST11−9のクラッチ断ルーチンが
実行されるが、エンジン出力トルクTeが判断基準値T
1 より小さくないと判断された場合には、摩擦クラッチ
14の解放を許容するとエンジン10が吹き上がって上
記のような不具合を生ずるので、クラッチ断ルーチンの
実行が阻止されてステップST11−6が実行される。
【0039】上記ステップST11−6ではフラグXS
TOPの内容が車両の停止を示す「1」であるか否か、
続くステップST11−7ではフラグXSTARTの内
容が車両の発進を示す「1」であるか否か、ステップS
T11−8ではフラグXDRIVEの内容が車両の走行
中を示す「1」であるか否かが順次判断される。ステッ
プST11−6においてフラグXSTOPの内容が
「1」であると判断された場合にはステップST11−
11以下が実行され、ステップST11−7においてフ
ラグXSTARTの内容が「1」であると判断された場
合にはステップST11−20の発進用半クラッチルー
チンが実行され、ステップST11−8においてフラグ
XDRIVEの内容が「1」であると判断された場合に
はステップST11−23のクラッチロックアップルー
チンが実行され、それらのステップST11−6,ST
11−7,ST11−8においてフラグXSTOP,X
START,XDRIVEの内容が何れも「1」でない
と判断された場合にはステップST11−25のクラッ
チ再伝達ルーチンが実行される。
【0040】上記ステップST11−11では、シフト
ポジションスイッチ86からのシフトポジション信号S
spに基づいて有段変速機16のギヤ段がニュートラルで
あるか否かが判断され、続くステップST11−12で
は、車速NVが5km/h以下であるか否かが判断される。
ニュートラルでないと判断された場合およびニュートラ
ルであっても車速NVが5km/hを超えると判断された場
合には前記ステップST11−9のクラッチ断ルーチン
が実行されるが、ニュートラルであって且つ車速NVが
5km/h以下である場合にはステップST11−13以下
が実行される。このステップST11−13以下のステ
ップは、上記ステップST11−11およびステップS
T11−12の判断が所定回数繰り返して共に肯定され
て上記ニュートラルおよび5km/h以下の条件が確実に成
立しているときにのみ後述のモータ負荷トルク学習ルー
チンを実行するために設けられたものである。
【0041】すなわち、まず上記ステップST11−1
3ではフラグXLRNCHKの内容が「1」であるか否
かが判断され、この判断が否定された場合には、ステッ
プST11−14においてフラグXLRNCHKの内容
が「1」に設定されるとともにステップST11−15
においてカウンタCLRNに予め定められた時間Pt
設定される。この時間Pt は、上記ステップST11−
11およびステップST11−12の条件が共に成立し
ていることを確実に判定するのに必要かつ充分な時間で
ある。一方、上記ステップST11−13においてフラ
グXLRNCHKの内容が「1」であると判断された場
合には、ステップST11−16においてカウンタCL
RNの内容が「0」であるか否かが判断され、「0」で
ない場合には、ステップST11−17においてカウン
タCLRNの内容から1が減算されるが、カウンタCL
RNの内容が「0」に達すると、ステップST11−1
8においてフラグXMLODLRNの内容が「1」に設
定されるとともにステップST11−19において前記
フラグXFRELEの内容が「0」にクリアされる。上
記フラグXMLODLRNは、後述のモータ負荷トルク
学習ルーチンを実行するか否かを示すためのものであっ
て、その内容が「1」であるとき、すなわち前記ニュー
トラルおよび5km/h以下の条件が前記時間Pt の間続い
て成立しているときにモータ負荷トルク学習ルーチンを
実行することを示す。
【0042】上記図6のステップST11−20の発進
用半クラッチルーチンにおいては、クラッチ近接位置に
到達するまでは、スロットル開度THRに応じた接速度
で摩擦クラッチ14が作動させられるようにクラッチ目
標位置が逐次求められるが、クラッチ近接位置に到達し
た後は、エンジン回転数NE等に基づいて算出したクラ
ッチ伝達トルクに応じたクラッチ目標位置が逐次求めら
れるようになっている。
【0043】すなわち、まず図10のステップSST1
において、前記フラグXFSTARの内容が発進用半ク
ラッチルーチンの実行が初回であることを示す「0」で
あるか否かが判断される。発進用半クラッチルーチンの
実行が初回でないと判断された場合には、次回以降の実
行に備えてステップSST2においてフラグXFSTA
Rの内容が「1」に設定された後、ステップSST3,
SST4,SST5において前記フラグXFRELE,
XFROCK,XFRESTの内容がそれぞれ「0」に
設定されるとともに、ステップSST6においてクラッ
チ目標位置変化値の記憶場所CSMIDCにクラッチ現
在位置CSTNが格納される。一方、ステップSST1
において発進用半クラッチルーチンの実行が初回でない
と判断された場合には、ステップSST7においてクラ
ッチ現在位置CSTNがクラッチ近接位置を示すRAM
100の記憶場所CSTSの内容より小さいか否か、す
なわちクラッチ現在位置CSTNがクラッチ近接位置C
STSに到達していないか否かが判断される。このクラ
ッチ近接位置CSTSは、摩擦クラッチ14の伝達トル
クが急激に立ち上がり始める時点のクラッチ位置、すな
わち半係合状態の開始位置を示しており、たとえば、エ
ンジン回転数NEが急激に低下したときのクラッチ位置
として求められるようになっている。上記ステップSS
T7においてクラッチ現在位置CSTNがクラッチ近接
位置CSTSに到達していないと判断された場合にはス
テップSST8以下が実行されるが、クラッチ近接位置
CSTSに到達したと判断された場合にはステップSS
T11以下が実行される。
【0044】上記ステップSST8においては、図15
に示すクラッチ接速度計算ルーチンが実行される。この
クラッチ接速度計算ルーチンはクラッチ接速度すなわち
クラッチ接方向の目標位置の変化速度を算出するための
ものであって、ステップSPI1では、スロットル開度
THRのインデックスを行うためにn=1に設定され、
続くステップSPI2では、スロットル開度THRが判
断基準範囲THR(n)<THR<THR(n+1)を
満足しているか否かが判断される。このステップSPI
2の判断が否定された場合にはステップSPI3におい
てnの内容に「1」が加算された後再び上記ステップS
PI2が実行されるが、肯定された場合にはステップS
PI4が実行される。上記のステップSPI1乃至SP
I3は、図16に示す予めROM98に記憶されたマッ
プにおいて、実際のスロットル開度THRが大きさ順に
分類されている値THR(1)・・THR(n+1)・
・の間のいずれの範囲に該当するかを判断するためのも
のである。上記ステップSPI4では、図16のマップ
から実際のスロットル開度THRが属する範囲の下限値
および上限値に対応するマップ値PCSTMI(n)お
よびPCSTMI(n+1)がそれぞれ決定され、それ
らのマップ値を用いて図15に示されている補間計算式
に従って実際のスロットル開度THRに応じたクラッチ
接速度PCSTMIが算出される。ここで、上記図16
のマップ値は、スロットル開度THRが小さい状態での
車両の発進時においてはクラッチ係合ショックを好適に
防止し得る程度の小さなクラッチ接速度PCSTMIが
得られるように且つ所謂WOT発進時のようにスロット
ル開度THRが大きい車両発進時においてはクラッチ係
合の応答遅れによるエンジン10の過度の吹上がりを好
適に防止し得る程度の大きなクラッチ接速度PCSTM
Iが得られるように予め決定されている。
【0045】図10に戻って、ステップSST9では、
図14に示すクラッチ目標位置増加ルーチンが実行され
る。まず、ステップSIC1において、クラッチ目標位
置変化値の記憶場所CSMIDCの内容に上記ステップ
SST8で求められたクラッチ接速度PCSTMIが加
算され、ステップSIC2において記憶場所CSMID
Cの内容がクラッチ接位置に達したか否かが判断され
る。このクラッチ接位置としては、たとえば、後述のク
ラッチロックアップルーチンのステップSRC15で摩
擦クラッチ14がその接側で停止したと判断されたとき
に求められたクラッチ現在位置CSTNが用いられる。
ここで、図10の発進用半クラッチルーチンのステップ
SST9のクラッチ目標位置増加ルーチンは、ステップ
SST7においてクラッチ現在位置CSTNがクラッチ
近接位置CSTSに達したと判断されるまで実行される
ものであるため、上記発進用半クラッチルーチンのクラ
ッチ目標位置増加ルーチンにおいて実行されるステップ
SIC2では、常に、記憶場所CSMIDCの内容はク
ラッチ接位置に達しないと判断される。これにより、上
記ステップSST7においてクラッチ現在位置CSTN
がクラッチ近接位置CSTSに達したと判断されるまで
記憶場所CSMIDCの内容の加算が繰り返されること
となる。続くステップSST10では、クラッチ目標位
置の記憶場所CSTMVELにステップSST9で求め
られた記憶場所CSMIDCの内容が格納され、ステッ
プSST14では、クラッチ目標方向の記憶場所CST
MSTRにクラッチ接方向の内容が格納される。これに
より、上記図16のマップを用いてクラッチ断位置から
近接位置CSTSまでスロットル開度THRに応じた速
度で摩擦クラッチ14が作動させられることとなる。す
なわち、上記クラッチ目標位置CSTMVELはスロッ
トル開度THRに応じたクラッチ接速度PCSTMIに
基づいて求められたものであるから、後述の図23およ
び図24に示すモータ制御ルーチンのステップST13
−16で算出されるクラッチ目標位置CSTMVELと
クラッチ現在位置CSTNとの偏差CSTDVELもス
ロットル開度THRに対応するものとなり、図24のス
テップST13−28以降においてそのスロットル開度
THRに対応する偏差CSTDVELを無くすように駆
動モータ42への制御電流が決定されるので、摩擦クラ
ッチ14は近接位置CSTSに到達するまでスロットル
開度THRに応じた速度で作動させられることになるの
である。なお、上記クラッチ接方向の内容は、たとえ
ば、前記クラッチ接位置の内容と同じものが用いられ
る。
【0046】上記図10のステップSST11の発進定
数Ks計算ルーチンでは、上記特開平3−134323
号公報に記載された発進定数計算ルーチンと同様にし
て、スロットル開度THRに基づいて発進定数Ksが算
出される。続くステップSST12のクラッチ伝達トル
クTCL計算ルーチンでは、図17に示すように、上記
発進定数Ks,エンジン回転数NE,およびエンジンア
イドル回転数Nidl からクラッチ伝達トルクTCLが算
出され、ステップSST13のクラッチ目標位置CST
MVEL計算ルーチンでは、上記ステップSST12で
求められたクラッチ伝達トルクTCLに相当するクラッ
チ目標位置CSTMVELが算出される。
【0047】すなわち、まず図20のステップSVL1
乃至SVL3では、図15のクラッチ接速度計算ルーチ
ンの場合と同様にして、図19に示す予めROM98に
記憶されたマップにおいて大きさ順に分類されている値
TCL(1)・・TCL(n+1)・・の間のいずれの
範囲に実際の伝達トルクTCLが該当するかが判断さ
れ、ステップSVL4では、図19のマップから実際の
伝達トルクTCLが属する範囲の下限値および上限値に
対応するマップ値PCL(n)およびPCL(n+1)
がそれぞれ決定され、それらのマップ値を用いて実際の
伝達トルクTCLに対応したクラッチストローク位置P
CLが補間計算にて算出される。図18は摩擦クラッチ
14のクラッチストローク位置PCLと伝達トルクTC
Lとの関係を示す図であり、上記図19のマップは図1
8の関係に基づいて作成されて予めROM98に記憶さ
れているのである。なお、図18において、クラッチス
トローク位置PCLの零はクラッチ近接位置CSTSに
対応するものである。続くステップSVL5では、上記
ステップSVL4で求められたクラッチストロークPC
Lをクラッチ近接位置CSTSに加えることにより、ク
ラッチ目標位置CSTMVELが算出される。
【0048】図10に戻って、ステップSST14で
は、クラッチ目標方向の記憶場所CSTMSTRに前記
クラッチ接方向の内容が格納される。
【0049】図6に戻って、ステップST11−21で
は、前記フラグXDENDの内容がクラッチ断が終了し
ていないことを示す「0」に設定され、ステップST1
1−22では、前記フラグXEENDの内容がクラッチ
接が終了していないことを示す「0」に設定される。続
いてステップST11−28では、後述のクラッチ目標
伝達トルクTCIIが「0」に設定され、ステップST
11−29,ST11−30では、前記フラグXMLO
DLRN,XLRNCHKの内容がそれぞれ「0」に設
定される。
【0050】上記図6のステップST11−23のクラ
ッチロックアップルーチンにおいては、摩擦クラッチ1
4が定速でロックアップされるように摩擦クラッチ14
の作動の目標位置が逐次求められるようになっている。
【0051】すなわち、図11のステップSRC1で
は、前記フラグXFROCKの内容がクラッチロックア
ップルーチンの実行が初回であることを示す「0」であ
るか否かが判断され、「0」であると判断された場合に
は、ステップSRC2において次回以降の実行に備えて
フラグXFROCKの内容に「1」が設定されるととも
に、ステップSRC3,SRC4,SRC5において前
記フラグXFRELE,XFSTAR,XFRESTの
内容がそれぞれ「0」に設定された後、ステップSRC
6においてクラッチ目標位置変化値の記憶場所CSMI
DCにクラッチ現在位置CSTNが格納される。一方、
ステップSRC1においてフラグXFROCKの内容が
「0」でないと判断された場合にはステップSRC7以
下が実行される。
【0052】上記ステップSRC7では、リミットスイ
ッチ90の接側リミットスイッチがONすなわち接側リ
ミット信号Slim2が入力されたか否かが判断される。こ
の判断が否定された場合には、ステップSRC8におい
て、クラッチ目標方向の記憶場所CSTMSTRに前記
クラッチ接方向の内容が格納されるとともに、ステップ
SRC9において、クラッチ現在位置CSTNが前記ク
ラッチ接位置より小さいか否かが判断される。ここで、
クラッチ位置を示すクラッチポジション信号Scpは前述
のようにクラッチ断からクラッチ接に向かうに従って大
きくなるようになっていることから、ステップSRC9
の判断が肯定された場合にはクラッチ現在位置CSTN
が接位置に未だ到達していないことを示し、否定された
場合にはクラッチ現在位置CSTNが接位置に到達した
ことを示す。ステップSRC9において未だクラッチ接
位置に到達していないと判断された場合には、ステップ
SRC10において、ロックアップ時におけるクラッチ
目標位置の変化速度(ロックアップ速度)の記憶場所P
CSTMIに、所望のクラッチ応答性を確保し得るよう
に予め定められたクラッチ接速度が格納された後、ステ
ップSRC11において前述の図14に示すクラッチ目
標位置増加ルーチンが実行される。
【0053】まず、ステップSIC1において、クラッ
チ目標位置変化値の記憶場所CSMIDCの内容に上記
ロックアップ速度PCSTMIが加算され、ステップS
IC2において記憶場所CSMIDCの内容が前記クラ
ッチ接位置に達したか否かが判断される。記憶場所CS
MIDCの内容がクラッチ接位置に未達しない場合に
は、クラッチ目標位置増加ルーチンを出た後ステップS
IC2の判断が肯定されるまで記憶場所CSMIDCの
内容の減算が繰り返し行われるが、記憶場所CSMID
Cの内容がクラッチ接位置に達すると、ステップSIC
3において記憶場所CSMIDCにクラッチ接位置の内
容が格納される。
【0054】図11に戻って、ステップSRC12で
は、クラッチ目標位置の記憶場所CSTMVELに上記
クラッチ目標位置変化値の記憶場所CSMIDCの内容
が格納される。上記ステップSRC9においてクラッチ
現在位置CSTNがクラッチ接位置に到達したと判断さ
れた場合には、ステップSRC13においてクラッチ目
標位置の記憶場所CSTMVELにクラッチ現在位置C
STN(クラッチ接位置)が格納される。
【0055】上記図11のステップSRC7においてリ
ミットスイッチ90の接側リミットスイッチがONであ
ると判断された場合には、ステップSRC14におい
て、フラグXEENDの内容が「1」であるか否かが判
断される。このフラグXEENDは、上記接側リミット
スイッチがONとなってから摩擦クラッチ14の接方向
の作動(クラッチ接作動)が停止したか否かに基づいて
クラッチ接が終了したか否かを示すためのものであっ
て、その内容が「1」であるときにクラッチ接が終了し
たことを示す。上記ステップSRC14においてフラグ
XEENDの内容が「1」でないと判断された場合に
は、ステップSRC15において上記クラッチ接作動が
停止したか否かが判断される。この判断が否定された場
合には、前記ステップSRC13が実行されてクラッチ
目標位置の記憶場所CSTMVELにクラッチ現在位置
CSTNが格納されるが、クラッチ接作動が停止してス
テップSRC15の判断が肯定された場合には、ステッ
プSRC16においてクラッチ接が終了したことを示す
ためにフラグXEENDの内容が「1」に設定されると
ともに、ステップSRC17においてクラッチ目標方向
の記憶場所CSTMSTRにクラッチ現在位置CSTN
(クラッチ接位置)が格納される。一方、ステップSR
C14において、フラグXEENDの内容がクラッチ接
が終了したことを示す「1」であると判断された場合に
は、上記ステップSRC15がスキップさせられて上記
ステップSRC16およびステップSRC17が実行さ
れる。
【0056】図6に戻って、ステップST11−24で
は、前記フラグXDENDの内容がクラッチ断が終了し
ていないことを示す「0」に設定され、続いてステップ
ST11−28において後述のクラッチ目標伝達トルク
TCIIが「0」に設定されるとともに、ステップST
11−29,ST11−30において前記フラグXML
ODLRN,XLRNCHKの内容がそれぞれ「0」に
設定される。
【0057】上記図6のステップST11−25のクラ
ッチ再伝達ルーチンでは、変速段切換えに伴う摩擦クラ
ッチ14の解放後の動力再伝達時において、摩擦クラッ
チ14の作動の目標位置がギヤ段に応じた目標伝達トル
クTCIIおよびエンジン出力トルクTeに基づいて求
められるようになっている。
【0058】すなわち、図12のステップSRS1で
は、前記フラグXFRESTの内容がクラッチ再伝達ル
ーチンの実行が初回であることを示す「0」であるか否
かが判断され、クラッチ再伝達ルーチンの実行が初回で
あると判断された場合には、ステップSRS2において
次回以降の実行に備えてフラグXFRESTの内容に
「1」が設定されるとともに、ステップSRS3,SR
S4,SRS5において前記フラグXFRELE,XF
STAR,XFROCKの内容がそれぞれ「0」に設定
される。一方、ステップSRS1においてクラッチ再伝
達ルーチンの実行が初回でないと判断された場合には、
ステップSRS6において図21に示す目標伝達トルク
TCII増加ルーチンが実行される。この目標伝達トル
ク増加ルーチンにおいては、まず、ステップSTI1に
おいて、図22に示すマップから有段変速機16のギヤ
段に応じた摩擦クラッチ14の伝達トルク増加量ΔTC
I(n)が決定され、続くステップSTI2においては、
クラッチ目標伝達トルクTCIIにその伝達トルク増加
量ΔTCI(n) が加算されるようになっている。上記ス
テップSRS6に続くステップSRS7では、前記図5
のステップST11−4と同様のエンジントルクTe計
算ルーチンが実行されてエンジン10の実際の出力トル
クTeが算出され、ステップSRS8では、ステップS
RS6で増加させられたクラッチ目標伝達トルクTCI
Iがエンジン出力トルクTeより小さいか否かが判断さ
れる。上記ステップSRS8においてクラッチ目標伝達
トルクTCIIがエンジン出力トルクTeより小さいと
判断された場合には、ステップSRS9においてクラッ
チ目標伝達トルクを示すRAM100の記憶場所TCL
にエンジン出力トルクTeが格納されるが、クラッチ目
標伝達トルクTCIIがエンジン出力トルクTeより大
きいと判断された場合には、ステップSRS10におい
て前記記憶場所TCLにクラッチ目標伝達トルクTCI
Iが格納される。上記ステップSRS9あるいはステッ
プSRS10に続くステップSRS11においては、前
述の図20のクラッチ目標位置CSTMVEL計算ルー
チンが実行されることにより、クラッチ伝達トルクTC
Lに基づいてクラッチ目標位置CSTMVELが求めら
れる。
【0059】図6に戻って、ステップST11−26で
は、前記フラグXEENDの内容がクラッチ接が終了し
ていないことを示す「0」に設定され且つ前記フラグX
DENDの内容がクラッチ断が終了していないことを示
す「0」に設定され、続いてステップST11−29,
ST11−30において前記フラグXMLODLRN,
XLRNCHKの内容がそれぞれ「0」に設定される。
【0060】図3に戻って、ステップST12では、前
記フラグXMLODLRNの内容が「1」であるか否か
が判断され、「1」であると判断された場合にはステッ
プST14のモータ負荷学習ルーチンが実行された後ス
テップST15が実行されるが、「1」でないと判断さ
れた場合にはステップST13のモータ制御ルーチンが
実行された後ステップST15が実行される。
【0061】上記ステップST13では、図23および
図24に示すモータ制御ルーチンが実行される。このモ
ータ制御ルーチンでは、クラッチ現在位置CSTNに応
じたモータ負荷トルクMTRQ、クラッチ目標位置CS
TMVELとクラッチ現在位置CSTNとの偏差CST
DVEL、クラッチ現在速度MVELなどに基づいて、
摩擦クラッチ14をクラッチ現在位置CSTNから所定
のクラッチ目標位置CSTMVELまで作動させるに必
要な駆動モータ42へのパルス状の制御電流の大きさお
よびON時間が決定されるようになっている。
【0062】すなわち、まずステップST13−1で
は、前記クラッチ目標方向の記憶場所CSTMSTRの
内容(前記クラッチ接位置またはクラッチ断位置に相
当)がクラッチ現在位置CSTNより大きいか否かが判
断される。ステップST13−1の判断が肯定された場
合には、駆動モータ42をクラッチ接方向へ駆動するこ
とを表しているため、ステップST13−5においてフ
ラグXENGの内容が「1」に設定され且つステップS
T13−6においてフラグXDISの内容が「0」に設
定された後、ステップST13−9が実行される。上記
フラグXENGは駆動モータ42をクラッチ接方向へ駆
動するか否かを示すためのものであって、その内容が
「1」であるときに駆動モータ42をクラッチ接方向へ
駆動することを示す。また、上記フラグXDISは駆動
モータ42をクラッチ断方向へ駆動するか否かを示すた
めのものであって、その内容が「1」であるときに駆動
モータ42をクラッチ断方向へ駆動することを示す。
【0063】一方、ステップST13−1の判断が否定
された場合には、ステップST13−2においてクラッ
チ目標方向CSTMSTRの内容(クラッチ接位置また
はクラッチ断位置)がクラッチ現在位置CSTNより小
さいか否かが判断される。この判断が肯定された場合
は、駆動モータ42をクラッチ断方向へ駆動することを
表しているため、ステップST13−7において前記フ
ラグXENGの内容が駆動モータ42をクラッチ接方向
へ駆動しないことを示す「0」に設定され且つステップ
ST13−8において前記フラグXDISの内容が駆動
モータ42をクラッチ断方向へ駆動することを示す
「1」に設定された後、ステップST13−9が実行さ
れる。
【0064】また、上記ステップST13−1およびス
テップST13−2の判断が共に否定された場合、すな
わちクラッチ目標方向の記憶場所CSTMSTRの内容
(クラッチ接位置またはクラッチ断位置)とクラッチ現
在位置CSTNとが互いに等しい場合には、駆動モータ
42をどちらの方向へも駆動しないことを表しているた
め、ステップST13−3において後述のフラグXMC
NTの内容が「0」に設定された後、ステップST13
−4においてフラグXMTMOVの内容が「0」に設定
されてモータ制御ルーチンを出る。上記フラグXMTM
OVは駆動モータ42の作動を許可するか否かを示すた
めのものであって、その内容が「1」であるときに駆動
モータ42の作動を許可することを示す。
【0065】上記ステップST13−9では、図27に
示すモータ負荷トルクMTRQ算出ルーチンが実行され
ることにより、クラッチ現在位置CSTNに対応するモ
ータ負荷トルクMTRQが求められる。すなわち、まず
ステップSMC1では、前記フラグXENGの内容が駆
動モータ42をクラッチ接方向へ駆動することを示す
「1」であるか否かが判断され、「1」であると判断さ
れた場合にはステップSMC2以下において、また
「1」でないと判断された場合すなわち駆動モータ42
をクラッチ断方向へ駆動する場合にはステップSMC6
以下において、クラッチ現在位置CSTNに応じた駆動
モータ42の負荷トルク(以下、モータ負荷トルクとい
う)がそれぞれ算出され、算出されたモータ負荷トルク
が記憶場所MTRQに格納される。すなわち、まず図2
7のステップSMC2乃至SMC4では、前記図15の
クラッチ接速度計算ルーチンや図20のクラッチ目標位
置計算ルーチンの場合と同様にして、図26に示す予め
ROM98に記憶されたマップにおいて大きさ順に分類
されているクラッチ位置CLPE(1)・・CLPE
(n+1)・・の間のいずれの範囲にクラッチ現在位置
CSTNが該当するかが判断され、ステップSMC5で
は、図26のマップから実際のクラッチ現在位置CST
Nが属する範囲の下限値および上限値に対応するマップ
値CLPE(n)およびCLPE(n+1)がそれぞれ
決定され、それらのマップ値を用いて実際のクラッチ現
在位置CSTNに応じたクラッチ接方向でのモータ負荷
トルクMTRQが補間計算にて算出されるのである。ま
た、上記ステップSMC6以下においても、図26のマ
ップを用いて同様にしてクラッチ現在位置CSTNに応
じたクラッチ断方向でのモータ負荷トルクMTRQが算
出される。
【0066】図23に戻って、ステップST13−10
では、前記フラグXENGの内容が駆動モータ42をク
ラッチ接方向へ駆動することを示す「1」であるか否か
が判断され、「1」であると判断された場合にはステッ
プST13−11が実行されるが、「1」でないと判断
された場合すなわちクラッチ断方向への駆動する場合に
はステップST13−12が実行される。上記ステップ
ST13−11では、クラッチ現在位置CSTNが接方
向のクラッチ目標位置CSTMVEL以上であるか否か
が判断されるとともに、上記ステップST13−12で
は、クラッチ現在位置CSTNが断方向のクラッチ目標
位置CSTMVEL以下であるか否かが判断される。ス
テップST13−11の判断が肯定された場合あるいは
ステップST13−12の判断が肯定された場合、すな
わちクラッチ現在位置CSTNが既にクラッチ目標位置
CSTMVELを行き過ぎているような場合には、ステ
ップST13−13において後述のフラグXMCNTの
内容が制御電流の大きさおよびON時間を直ちに決定す
ることを示す「0」に設定された後、ステップST13
−14において前記フラグXMTMOVの内容が駆動モ
ータ42の駆動を許可することを示す「1」に設定され
るとともに、ステップST13−15において、駆動モ
ータ42への制御電流のON時間(パルス幅)を設定す
るためのRAM100のカウンタCMOTORの内容が
「0」に設定されることにより、図3に示す後述のステ
ップST15の制御データコントロールルーチンなどに
おいて駆動モータ42への制御電流が零とされ且つ所謂
発電ブレーキがかけられるようになっている。一方、ス
テップST13−11の判断が否定された場合あるいは
ステップST13−12の判断が否定された場合には、
ステップST13−16以下が実行されることにより、
駆動モータ42へ出力される制御電流の大きさおよびO
N時間が決定されることとなる。上記ステップST13
−10乃至ステップST13−12は、クラッチ作動途
中において行過ぎとなるような場合には逐次発電ブレー
キをかけた後次の制御電流が出力されるようにするが、
行過ぎでない場合には発電ブレーキをかけることなく次
の制御電流が出力されるようにするために設けられたも
のである。
【0067】上記ステップST13−16では、クラッ
チ目標位置CSTMVELとクラッチ現在位置CSTN
との偏差が算出され、その算出された偏差が記憶場所C
STDVELに格納される。続くステップST13−1
7では、フラグXMCNTの内容が「1」であるか否か
が判断される。このフラグXMCNTは、摩擦クラッチ
14の接方向あるいは断方向への作動を開始する際や駆
動モータ42に発電ブレーキがかけられた場合には駆動
モータ42へのパルス状の制御電流を決定するためのス
テップを直ちに実行するが、一旦クラッチ作動が開始さ
れた後であって且つ発電ブレーキがかけられていない場
合には制御電流のパルス間時間を設定するためのステッ
プを実行するために設けられたものであって、その内容
が「0」であるときに制御電流を決定するステップを直
ちに実行することを示し、「1」であるときにパルス間
時間を設定するステップを実行することを示す。上記ス
テップST13−17においてフラグXMCNTの内容
が「1」でないと判断された場合にはステップST13
−24以下が実行されるが、「1」であると判断された
場合にはステップST13−18以下が実行される。
【0068】上記ステップST13−24では、上記フ
ラグXMCNTの内容が「1」に設定され、続くステッ
プST13−25では、上記クラッチ前回位置CSTN
P、クラッチ現在位置CSTN、および制御周期T(本
実施例においては8msec周期)に基づいて、数式1に従
って摩擦クラッチ14の現在の動作速度(クラッチ現在
速度)が算出され、その算出されたクラッチ現在速度が
RAM100の記憶場所MVELに格納される。
【0069】
【数1】 MVEL=|CSTNP−CSTN|/T
【0070】続くステップST13−26では、図29
に示す残存移動量算出ルーチンが実行される。この残存
移動量算出ルーチンでは、回転している駆動モータ42
に発電ブレーキをかけた時点から実際に駆動モータ42
の回転が停止するまでの間に摩擦クラッチ14がオーバ
トラベルする移動量(以下、クラッチ残存移動量とい
う)が算出され、その算出されたクラッチ残存移動量が
記憶場所PCLTに格納される。
【0071】すなわち、まずステップSPC1では、図
30に示すマップから、前記ステップST13−9で求
められたモータ負荷トルクMTRQに対応するマップが
選択される。上記図30のマップは、発電ブレーキをか
ける直前のクラッチ速度とクラッチ残存移動量との関係
をモータ負荷トルクMTRQの大きさ毎に示すものであ
って、駆動モータ42に発電ブレーキがかけられたとき
の回転数変化をモータ負荷トルクMTRQの大きさ毎に
示す図28の関係から数式2によりクラッチ残存移動量
PCLTを算出することに基づいて作成され、予めRO
M98に記憶されている。数式2において、NMは駆動
モータ42の回転数、tは発電ブレーキがかけられてか
らの経過時間、Gは前記ギヤ46,48,50,52,
54,56,58のギヤ比、Rはレリーズフォーク36
のレバー長をそれぞれ示す。
【0072】
【数2】PCLT=NM×t/G×R
【0073】次に、ステップSPC2乃至ステップSP
C4では、前記図15のクラッチ接速度計算ルーチン等
の場合と同様にして、ステップSPC1において選択さ
れたマップにおいて大きさ順に分類されている値MVE
L(1,1)・・MVEL(1,n)・・の間のいずれ
の範囲に実際のクラッチ現在速度MVELが該当するか
が判断され、ステップSPC5では、上記選択されたマ
ップから実際のクラッチ現在速度MVELが属する範囲
の下限値および上限値に対応するマップ値MVEL
(n)およびMVEL(n+1)がそれぞれ決定され、
それらのマップ値を用いて実際のクラッチ現在速度MV
ELに応じたクラッチ残存移動量PCLTが補間計算に
て算出される。
【0074】図24に戻って、ステップST13−27
では、上記クラッチ残存移動量PCLTが上記ステップ
ST13−16で求められた偏差CSTDVEL以上で
あるか否かが判断される。このステップST13−27
は、回転している駆動モータ42に現時点で発電ブレー
キをかけた場合においてクラッチ残存移動量PCLTに
より摩擦クラッチ14が偏差CSTDVELを解消して
クラッチ目標位置CSTMVELに到達することができ
るか否かによって、発電ブレーキをかけるかそれとも駆
動モータ42へ新たな制御電流を出力するか否かを判断
するためのものである。ステップST13−27の判断
が肯定された場合には、クラッチ残存移動量PCLTで
前記偏差CSTDVELを解消できるため、ステップS
T13−13において前記フラグXMCNTの内容が
「0」に設定された後、ステップST13−14におい
て前記フラグXMTMOVの内容が駆動モータ42の駆
動を許可することを示す「1」に設定されるとともに、
ステップST13−15において駆動モータ42への制
御電流のON時間を設定するための前記カウンタCMO
TORの内容が「0」に設定されることにより、図3に
示す後述のステップST15の制御データコントロール
ルーチンなどにおいて駆動モータ42への制御電流が零
とされ且つ発電ブレーキがかけられるようになってい
る。
【0075】一方、上記ステップST13−27の判断
が否定された場合には、クラッチ残存移動量PCLTで
前記偏差CSTDVELを解消できないため、ステップ
ST13−28において図31に示す必要速度算出ルー
チンが実行されることにより、偏差CSTDVELを解
消するのに必要な摩擦クラッチ14の速度(以下、クラ
ッチ必要速度という)が算出され、その算出されたクラ
ッチ必要速度が記憶場所MSPDに格納される。
【0076】すなわち、まずステップSMP1では、前
記図30のマップが残存移動量を算出する場合とは逆に
利用され、そのマップの中から、前記ステップST13
−9で算出されたモータ負荷トルクMTRQに対応する
マップが選択される。次に、ステップSMP2乃至ステ
ップSMP4では、前記図15のクラッチ接速度計算ル
ーチン等の場合と同様にして、上記選択されたマップか
ら実際の偏差CSTDVELが属する範囲の下限値PC
LT(n) および上限値PCLT(n+1)に対応するマップ
値MVEL(n) およびMVEL(n+1)がそれぞれ決定さ
れ、それらのマップ値を用いて実際の偏差CSTDVE
Lを解消するのに必要なクラッチ必要速度MSPDが算
出されるのである。
【0077】図24に戻って、ステップST13−29
では、図32に示す制御速度算出ルーチンが実行される
ことにより、駆動モータ42への制御電流の大きさ(制
御速度)が前記クラッチ必要速度MSPDと前記クラッ
チ現在速度MVELとの差に基づいて求められるととも
に、その制御電流のON時間を示す前記カウンタCMO
TORの内容が設定される。
【0078】すなわち、まずステップSCV1では、ク
ラッチ必要速度MSPDからクラッチ現在速度MVEL
を差し引くことにより差分速度が算出され、その算出さ
れた差分速度が記憶場所DVELに格納される。続くス
テップSCV2では、上記差分速度DVELが制御速度
の最大値VMAXより大きいか否かが判断され、この判
断が否定された場合にはステップSCV3において制御
電流のON時間を示すカウンタCMOTORの内容に
「1」が設定された後ステップSCV12が実行される
が、ステップSCV2の判断が肯定された場合には、ス
テップSCV4においてステップSCV1で求められた
差分速度DVELが2で除算されてその除算値が前記記
憶場所DVELに格納された後、ステップSCV5にお
いてステップSCV4で求められた差分速度DVELが
前記制御速度の最大値VMAXより大きいか否かが判断
される。この判断が否定された場合にはステップSCV
6においてカウンタCMOTORの内容に「2」が設定
された後ステップSCV12が実行されるが、ステップ
SCV5の判断が肯定された場合にはステップSCV7
においてステップSCV4で求められた差分速度DVE
Lが更に2で除算されてその除算値が記憶場所DVEL
に格納された後、ステップSCV8においてステップS
CV7で求められた差分速度DVELが制御速度の最大
値VMAXより大きいか否かが判断される。この判断が
否定された場合には、ステップSCV9においてカウン
タCMOTORの内容に「4」が設定された後ステップ
SCV12が実行されるが、ステップSCV8の判断が
肯定された場合には、ステップSCV10において制御
速度の最大値VMAXが記憶場所DVELに格納される
とともにステップSCV11においてカウンタCMOT
ORの内容に「6」が設定された後ステップSCV12
が実行される。上記ステップSCV12においては、上
記ステップSCV1,SCV4,SCV7,あるいはS
CV10で求められた差分速度DVELが記憶場所MO
UTVELに格納される。
【0079】図24に戻って、ステップST13−3
0,ST13−31では、後述のカウンタCSTRNM
OVおよびカウンタCSTRMOVの計数内容がそれぞ
れクリアされ、続くステップST13−32では、前記
フラグXMTMOVの内容が駆動モータ42の作動を許
可することを示す「1」に設定される。
【0080】上記図24のステップST13−18で
は、前記駆動モータ42への制御電流のON時間(パル
ス幅)を設定するためのカウンタCMOTORの内容が
「0」であるか否か、すなわちカウンタCMOTORに
より定められた時間の制御電流の出力が終わったか否か
が判断され、「0」であると判断された場合にはステッ
プST13−19以下が実行されるが、「0」でないと
判断された場合には駆動モータ42への制御電流の出力
途中であるのでモータ制御ルーチンを出る。上記ステッ
プST13−19では、クラッチ現在位置CSTNとク
ラッチ前回位置(前回のサイクルでのクラッチ現在位
置)を示すRAM100の記憶場所CSTNPの内容と
が等しくないか否かに基づいて摩擦クラッチ14が動い
たか否かが判断される。なお、制御電流が出力されてか
らその制御電流の影響で摩擦クラッチ14が動くまでに
は応答遅れが存在することから、上記ステップST13
−19における摩擦クラッチ14が動いたか否かの判断
は、今回出力された制御電流により摩擦クラッチ14が
動いたか否かを判断するためのものではなく、制御電流
の出力が終わった現時点において摩擦クラッチ14が動
いている状態にあるかそれとも停止した状態にあるかを
判断するためのものである。ステップST13−19に
おいて、摩擦クラッチ14が動いている状態にあると判
断された場合には、ステップST13−20においてカ
ウンタCSTRMOVの内容に「1」が加えられた後、
ステップST13−21においてカウンタCSTRMO
Vの内容がたとえば「3」に達したか否かが判断され
る。このカウンタCSTRMOVは、駆動モータ42へ
の制御電流の出力後において摩擦クラッチ14が動いた
との判断の連続回数を計数するためのものであり、この
カウンタCSTRMOVにより、摩擦クラッチ14の応
答遅れに起因するオーバシュートを防止するために、制
御電流のパルス間隔を示すパルス間時間(摩擦クラッチ
14が動いている状態でのパルス間時間)が設定される
ようになっている。本実施例においてはモータ制御ルー
チンは8msec周期で実行されるため、上記カウンタCS
TRMOVの内容が「3」であることは上記パルス間時
間が24msecに設定されていることを意味する。上記ス
テップST13−21の判断が否定された場合にはモー
タ制御ルーチンを出るが、肯定された場合には次の制御
電流の決定し且つ出力するためにステップST13−2
4以下が実行される。
【0081】一方、上記ステップST13−19におい
て摩擦クラッチ14が停止している状態にあると判断さ
れた場合には、ステップST13−22においてカウン
タCSTRNMOVの内容に「1」が加えられた後、ス
テップST13−23においてカウンタCSTRNMO
Vの内容がたとえば「5」に達したか否かが判断され
る。このカウンタCSTRNMOVは、駆動モータ42
への制御電流の出力後において摩擦クラッチ14が動い
ていないとの判断の連続回数を計数するためのものであ
り、このカウンタCSTRNMOVにより、摩擦クラッ
チ14の応答遅れに起因するオーバシュートを防止する
ために、制御電流のパルス間時間(摩擦クラッチ14が
停止している状態でのパルス間時間)が設定されるよう
になっている。本実施例においては、上記カウンタCS
TRNOVの内容が「5」であることは上記パルス間時
間が40msecに設定されていることを意味する。上記ス
テップST13−23の判断が否定された場合にはモー
タ制御ルーチンを出るが、肯定された場合には次の制御
電流を決定し且つ出力するためにステップST13−2
4以下が実行される。これにより、出力された制御電流
が小さすぎた場合などのように摩擦クラッチ14が動け
ない事態が発生した場合であっても、摩擦クラッチ14
の不動状態が一定時間続くと新たな制御電流が出力され
るようになっているのである。
【0082】図3に戻って、ステップST14において
は図33および図34に示すモータ負荷トルク学習ルー
チンが実行される。このモータ負荷トルク学習ルーチン
では、前記図23のモータ制御ルーチンのステップST
13−9で用いられるクラッチ位置とモータ負荷トルク
との図26に示すマップを逐次修正するために、有段変
速機16のギヤ段がニュートラル且つ車速が5km /h 以
下の条件下で駆動モータ42により摩擦クラッチ14を
断位置から接位置および接位置から断位置へそれぞれ作
動させることにより、所望のクラッチ位置でのモータ負
荷トルクが接方向および断方向においてそれぞれ学習さ
れるようになっている。
【0083】すなわち、まず図33のステップST14
−1では、図35に示すリミットスイッチ点学習ルーチ
ンが実行されることにより、リミットスイッチ90の断
側リミットスイッチが接方向作動時においてONからO
FFに切り換わった時点のクラッチ位置あるいは接側リ
ミットスイッチが断方向作動時においてONからOFF
に切り換わった時点のクラッチ位置が求められる。すな
わち、図35のステップLSL1では、上記断側リミッ
トスイッチがONからOFFに切り換わったか否かが判
断される。この判断が肯定された場合には、ステップL
SL2において、その断側リミットスイッチがONから
OFFに切り換わった時点でのクラッチ現在位置CST
N(以下、断側リミットスイッチ点という)が記憶場所
LMDPOSに格納されるが、ステップLSL1の判断
が否定された場合には、ステップLSL3において上記
接側リミットスイッチがONからOFFに切り換わった
か否かが判断される。この判断が肯定された場合には、
ステップLSL4において、その接側リミットスイッチ
がONからOFFに切り換わった時点でのクラッチ現在
位置CSTN(以下、接側リミットスイッチ点という)
が記憶場所LMEPOSに格納される。
【0084】図33のステップST14−2では、フラ
グXENGLRNの内容が「1」であるか否かが判断さ
れる。このフラグXENGLRNは、クラッチ断から接
の方向においてモータ負荷トルクの学習を行うか否かを
示すためのものであって、その内容が「1」であるとき
にクラッチ接方向でのモータ負荷トルクの学習を行うこ
とを示す。ステップST14−2においてフラグXEN
GLRNの内容が「1」であると判断された場合には、
ステップST14−11が実行されるが、フラグXEN
GLRNの内容が「1」でないと判断された場合には、
ステップST14−3においてフラグXDISLRNの
内容が「1」であるか否かが判断される。このフラグX
DISLRNは、クラッチ接から断の方向においてモー
タ負荷トルクの学習を行うか否かを示すためのものであ
って、その内容が「1」であるときにクラッチ断方向で
のモータ負荷トルクの学習を行うことを示す。ステップ
ST14−3においてフラグXDISLRNの内容が
「1」であると判断された場合には、ステップST14
−13が実行されるが、フラグXDISLRNの内容が
「1」でないと判断された場合には、ステップST14
−4が実行される。当初はステップST14−2および
ステップST14−3の判断は共に否定されるので、ス
テップST14−4において前記断側リミットスイッチ
がONであるか否かが判断される。この判断が肯定され
た場合には、クラッチ接方向でのモータ負荷トルクの学
習を開始させるために、ステップST14−6において
前記フラグXENGLRNの内容がクラッチ接方向での
モータ負荷トルクの学習を行うことを示す「1」に設定
され且つステップST14−7において前記フラグXD
ISLRNの内容がクラッチ断方向でのモータ負荷トル
クの学習を行わないことを示す「0」に設定され、ステ
ップST14−10において記憶場所CSTNSTAに
学習開始時のクラッチ現在位置CSTNが格納された後
モータ負荷トルク学習ルーチンを出る。一方、上記ステ
ップST14−4の判断が否定された場合には、ステッ
プST14−5において前記接側リミットスイッチがO
Nであるか否かが判断され、この判断が否定された場
合、すなわち断側リミットスイッチおよび接側リミット
スイッチが共にONでない場合にはモータ負荷トルク学
習ルーチンを出るが、ステップST14−5の判断が肯
定された場合には、クラッチ断方向でのモータ負荷トル
クの学習を開始させるために、ステップST14−8に
おいて前記フラグXDISLRNの内容がクラッチ断方
向でのモータ負荷トルクの学習を行うことを示す「1」
に設定され且つステップST14−9において前記フラ
グXENGLRNの内容がクラッチ接方向でのモータ負
荷トルクの学習を行わないことを示す「0」に設定さ
れ、ステップST14−10において記憶場所CSTN
STAに学習開始時のクラッチ現在位置CSTNが格納
された後モータ負荷トルク学習ルーチンを出る。
【0085】上記ステップST14−2においてフラグ
XENGLRNの内容がクラッチ接方向でのモータ負荷
トルクの学習を行うことを示す「1」であると判断され
た場合には、ステップST14−11において接側リミ
ットスイッチがONであるか否かが判断される。この判
断が否定された場合には、ステップST14−15以下
が実行されてクラッチ接方向でのモータ負荷トルクの学
習が行われるが、ステップST14−11の判断が肯定
された場合には、接方向の学習は終わったと考えられる
ため、ステップST14−12において前記フラグXE
NGLRNの内容がクラッチ接方向でのモータ負荷トル
クの学習を行わないことを示す「0」に設定される。ま
た、上記ステップST14−3においてフラグXDIS
LRNの内容がクラッチ断方向でのモータ負荷トルクの
学習を行うことを示す「1」であると判断された場合に
は、ステップST14−13において断側リミットスイ
ッチがONであるか否かが判断される。この判断が否定
された場合には、ステップST14−15以下が実行さ
れてクラッチ断方向でのモータ負荷トルクの学習が行わ
れるが、ステップST14−13の判断が肯定された場
合には、断方向の学習は終わったと考えられるため、ス
テップST14−14において前記フラグXDISLR
Nの内容がクラッチ断方向でのモータ負荷トルクの学習
を行わないことを示す「0」に設定される。
【0086】図34のステップST14−15では、フ
ラグXSTRMOVの内容が「1」であるか否かが判断
される。このフラグXSTRMOVは駆動モータ42が
動いたか否かを示すためのものであって、その内容が
「1」であるときに駆動モータ42が動いたことを示
す。フラグXSTRMOVの内容が「1」であると判断
された場合にはステップST14−31以下が実行され
るが、フラグXSTRMOVの内容が「1」でないと判
断された場合にはステップST14−16以下が実行さ
れる。ステップST14−16では、フラグXLRNC
ONTの内容が「1」であるか否かが判断される。この
フラグXLRNCONTは、制御電流が出力されても駆
動モータ42が動かない場合に後述の学習用負荷トルク
を示すカウンタCMTRQOFSの内容を増加させるた
めのステップと、その学習用負荷トルク等に基づいて新
たな制御電流を出力させるようにするためのステップと
を駆動モータ42が動くまでの間交互に実行するために
設けられたものであって、その内容が「0」であるとき
に新たな制御電流を出力させることを示し、「1」であ
るときにカウンタCMTRQOFSが示す学習用負荷ト
ルクの増加を許可することを示す。
【0087】上記ステップST14−16においてフラ
グXLRNCONの内容が「1」でないと判断された場
合には、ステップST14−17においてそのフラグX
LRNCONTの内容が「1」に設定される。続くステ
ップST14−18では、前記フラグXENGLRNの
内容がクラッチ接方向でのモータ負荷トルクの学習を行
うことを示す「1」であるか否かが判断される。ステッ
プST14−18の判断が肯定された場合には、ステッ
プST14−19においてモータ負荷トルクの学習を行
うための駆動モータ42の制御の目標方向を示す記憶場
所MOUTSTRにクラッチ接方向の内容が格納された
後ステップST14−21が実行されるが、ステップS
T14−18の判断が否定された場合には、ステップS
T14−20において、前記記憶場所MOUTSTRに
クラッチ断方向の内容が格納された後ステップST14
−21が実行される。上記ステップST14−21で
は、制御電流のON時間を示す前記カウンタCMOTO
Rに定数PLが格納される。続くステップST14−2
2では、制御電流の大きさ(制御速度)を示す前記記憶
場所MOUTVELに予め定められた定数SVELが格
納され、ステップST14−23では、モータ負荷トル
クの記憶場所MTRQに、学習用パラメータとしてのモ
ータ負荷トルク(以下、学習用負荷トルクという)を示
すRAM100のカウンタCMTRQOFSの内容が格
納される。続くステップST14−24では、前記フラ
グXMTMOVの内容が駆動モータ42の作動を許可す
ることを示す「1」に設定され、その後モータ負荷トル
ク学習ルーチンを出る。
【0088】上記ステップST14−16においてフラ
グXLRNCONTの内容が「1」であると判断された
場合には、ステップST14−25において、制御電流
のON時間を設定するカウンタCMOTORの内容が
「0」であるか否か、すなわち駆動モータ42への制御
電流を出し終えたか否かが判断される。未だ制御電流を
出し終えていないと判断された場合にはモータ負荷トル
ク学習ルーチンを出るが、制御電流を出し終えたと判断
された場合にはステップST14−26において駆動モ
ータ42が動いたか否かが判断される。この駆動モータ
42が動いたか否かの判断は、クラッチ現在位置CST
Nとクラッチ前回位置CSTNPとが等しくないか否か
に基づいて行われるようになっている。制御電流が出力
されたにも拘らず上記ステップST14−26において
駆動モータ42が動いていないと判断された場合には、
ステップST14−27において、カウンタCMTRQ
OFSが示す学習負荷トルクの内容に「1」が加えら
れ、ステップST14−28において前記フラグXLR
NCONTの内容が「0」に設定される。
【0089】一方、ステップST14−26において駆
動モータ42が動いたと判断された場合には、ステップ
ST14−29において前記フラグXSTRMOVの内
容が駆動モータ42が動いたことを示す「1」に設定さ
れた後、ステップST14−30において図36に示す
学習負荷トルク記憶ルーチンが実行される。この学習負
荷トルク記憶ルーチンでは、駆動モータ42が動いたと
きのカウンタCMTRQOFSが示す学習負荷トルクの
うち、予め定められたクラッチ位置(学習ポイント)に
対応する学習用負荷トルクが学習値として記憶されるよ
うになっている。
【0090】すなわち、まずステップSML1において
前記フラグXENGLRNの内容がクラッチ断位置から
接方向でのモータ負荷トルクの学習を行うことを示す
「1」であるか否かが判断され、「1」であると判断さ
れた場合にはステップSML2以下が実行されるが、
「1」でないと判断された場合すなわちクラッチ接位置
から断方向でのモータ負荷トルクの学習である場合には
ステップSML11以下が実行される。
【0091】上記ステップSML2では、リミットスイ
ッチ90の断側リミットスイッチがONであるか否かが
判断され、断側リミットスイッチがONであると判断さ
れた場合には学習負荷トルク記憶ルーチンを出るが、断
側リミットスイッチがONでないすなわちOFFである
と判断された場合にはステップSML3においてクラッ
チ位置のインデックスを行うためにn=1に設定され
る。続くステップSML4では、前記断側リミットスイ
ッチ点LMDPOSに予め定められた一定のクラッチス
トロークCLPをn倍したものを加算することにより、
学習ポイントであるクラッチ位置インデックスが決定さ
れて記憶場所CLPE(n) に格納される。次のステップ
SML5では、クラッチ現在位置CSTNがステップS
ML4で求められたクラッチ位置インデックスCLPE
(n) に達したか否かが判断される。この判断が肯定され
た場合には、ステップSML6においてnの内容に
「1」が加算された後、ステップSML4以下が再び実
行されるが、ステップSML5の判断が否定された場
合、すなわちクラッチ現在位置CSTNがステップSM
L4でのクラッチ位置インデックスCLPE(n) に未だ
達していない場合には、続くステップSML7において
nの内容から「1」が減算された後、ステップSML8
においてクラッチ位置インデックスCLPE(n) が決定
される。次のステップSML9では、ステップSML8
で求められたクラッチ位置インデックスCLPE(n) が
クラッチ前回位置CSTNPより大きいか否かが判断さ
れる。上記ステップSML5の判断が否定され且つステ
ップSM9の判断が肯定された場合には、クラッチ現在
位置CSTNが今回のサイクルで初めてステップSML
8でのクラッチ位置インデックスCLPE(n) に達した
ことを示しているので、ステップSML10において、
そのときのカウンタCMTRQOFSの内容がステップ
SML8でのクラッチ位置インデックスCLPE(n) に
おけるモータ負荷トルクとしてRAM100の記憶場所
MTE(n) に格納される。一方、ステップSML5およ
びステップSM9の判断が共に否定された場合には、ク
ラッチ現在位置CSTNは前回以前のサイクルで既にス
テップSML8でのクラッチ位置インデックスCLPE
(n) に達していることを示しているので、ステップSM
L10を実行することなく学習負荷トルク記憶ルーチン
を出る。このようにしてクラッチ断位置から接方向での
複数個の学習ポイントにおけるモータ負荷トルクMTE
(n) が順次記憶されることにより、図26におけるクラ
ッチ断から接方向のマップが更新される。
【0092】また、上記ステップSML11では、リミ
ットスイッチ90の接側リミットスイッチがONである
か否かが判断され、接側リミットスイッチがONである
と判断された場合には学習負荷トルク記憶ルーチンを出
るが、接側リミットスイッチがONでないすなわちOF
Fであると判断された場合にはステップSML12にお
いてクラッチ位置のインデックスを行うためにn=1に
設定される。続くステップSML13では、前記接側リ
ミットスイッチ点LMEPOSから予め定められた一定
のクラッチストロークCLPをn倍したものを減算する
ことにより、学習ポイントであるクラッチ位置インデッ
クスが決定されて記憶場所CLPD(n)に格納される。
次のステップSML14では、クラッチ現在位置CST
NがステップSML13で求められたクラッチ位置イン
デックスCLPD(n) に達したか否かが判断される。こ
の判断が肯定された場合には、ステップSML15にお
いてnの内容に「1」が加算された後、ステップSML
13以下が再び実行されるが、ステップSML14の判
断が否定された場合、すなわちクラッチ現在位置CST
NがステップSML13でのクラッチ位置インデックス
CLPD(n) に未だ達していない場合には、続くステッ
プSML16においてnの内容から「1」が減算された
後、ステップSML17においてクラッチ位置インデッ
クスCLPD(n) が決定される。次のステップSML1
8では、ステップSML17で求められたクラッチ位置
インデックスCLPD(n) がクラッチ前回位置CSTN
Pより小さいか否かが判断される。上記ステップSML
14の判断が否定され且つステップSM18の判断が肯
定された場合には、クラッチ現在位置CSTNが今回の
サイクルで初めてステップSML17でのクラッチ位置
インデックスCLPD(n) に達したことを示しているの
で、ステップSML19において、そのときのカウンタ
CMTRQOFSの内容がステップSML17でのクラ
ッチ位置インデックスCLPD(n) におけるモータ負荷
トルクとしてRAM100の記憶場所MTD(n) に格納
される。一方、ステップSML14およびステップSM
18の判断が共に否定された場合には、クラッチ現在位
置CSTNは前回以前のサイクルで既にステップSML
17でのクラッチ位置インデックスCLPD(n) に達し
ていることを示しているので、ステップSML19を実
行することなく学習負荷トルク記憶ルーチンを出る。こ
のようにしてクラッチ断位置から接方向での複数個の学
習ポイントにおけるモータ負荷トルクMTD(n) が順次
記憶されることにより、図26におけるクラッチ接から
断方向のマップが更新される。
【0093】図34に戻って、ステップST14−31
では、出力された制御電流による駆動モータ42の作動
が停止したか否かが判断される。駆動モータ42が未だ
停止していない場合には停止するまで待機させられる
が、駆動モータ42が停止した場合には次のモータ負荷
トルクの学習に備えて、ステップST14−32におい
て、前記カウンタCMTRQOFSの内容が「0」にク
リアされ、ステップST14−33では、フラグXST
RMOVの内容が駆動モータ42が動いていないことを
示す「0」に設定され、ステップST14−34では、
学習開始位置を示す記憶場所CSTNSTAにクラッチ
現在位置CSTNが格納される。
【0094】図3に戻って、ステップST15では、図
37に示す制御データコントロールルーチンが実行され
る。この制御データコントロールルーチンでは、所定の
条件下で、カウンタCMOTORにより設定された時間
の間通電するためにそのカウンタCMOTORの内容の
減算を行ったり、駆動モータ42に通電せず且つ発電ブ
レーキをかけるようにしたり、あるいは単に駆動モータ
42に通電しないようにする。
【0095】すなわち、まずステップST15−1で
は、フラグXMTMOVの内容が駆動モータ42の作動
を許可することを示す「1」であるか否かが判断され
る。ステップST15−1の判断が否定された場合に
は、ステップST15−2において駆動モータ42の制
御の目標方向を示す記憶場所MOUTSTRの内容が目
標方向を指示しないことを示す「0」に設定され且つス
テップST15−3において制御速度(制御電流の大き
さ)である前記差分速度DVELを格納する前記記憶場
所MOUTVELの内容が「0」に設定され、これによ
り、駆動モータ42には通電されないこととなる。一
方、ステップST15−1において駆動モータ42の作
動が許可されていると判断された場合には、ステップS
T15−4において制御電流のON時間を示すカウンタ
CMOTORの内容が「0」であるか否かが判断され、
未だ制御電流の出力中であって「0」でないと判断され
た場合には、カウンタCMOTORの内容が「0」にな
るまでステップST15−5においてカウンタCMOT
ORの内容が「1」づつ減算されて制御電流が流される
こととなる。上記ステップST15−1においてフラグ
XMTMOVの内容が「1」であると判断され且つ上記
ステップST15−4においてカウンタCMOTORの
内容が「0」であると判断された場合には、ステップS
T15−6において前記差分速度DVELを示す記憶場
所MOUTVELの内容が「0」とされて駆動モータ4
2に通電されないようにされるとともに、続くステップ
ST15−7においてフラグXMTMOVの内容が駆動
モータ42の作動を禁止することを示す「0」に設定さ
れた後、図示しないステップにおいて駆動モータ42の
端子が短絡させられることにより、駆動モータ42に発
電ブレーキがかけられることとなる。なお、本実施例で
は、図3のステップST10以下は8msec周期で実行さ
れることから、上記カウンタCMOTORの内容の
「1」は8msecに対応するものであり、カウンタCMO
TORの内容がたとえば前記「6」であることは制御電
流のON時間が48msecであることを示す。
【0096】図3に戻って、ステップST16では、図
40に示す制御電流算出ルーチンが実行されることによ
り、駆動モータ42へ出力される制御電流のデューティ
比が求められる。制御電流のON時間は前記カウンタC
MOTORの内容により決定されるが、そのON時間の
期間内における制御電流のデューティ比は以下のように
してモータ負荷トルクMTRQと前記差分速度DVEL
とに基づいて決定される。
【0097】すなわち、まずステップST16−1で
は、図39に示すマップから、図23のモータ制御ルー
チンのステップST13−9で算出されたモータ負荷ト
ルクMTRQや図34のモータ負荷トルク学習ルーチン
のステップST14−23でのモータ負荷トルクMTR
Qに応じたマップ値である一対のディーティ比、すなわ
ち制御速度0のときのデューティ比および制御速度が最
大のときのデューティ比を選択し、ステップST16−
2では、その選択されたマップ値を用いて、上記モータ
制御ルーチンのステップST13−29で算出されて記
憶場所MOUTVELに格納された制御速度としての差
分速度DVELあるいは上記モータ負荷トルク学習ルー
チンのステップST14−22で記憶場所MOUTVE
Lに格納された制御速度SVELに応じた制御電流のデ
ューティ比が図40に示す補間計算式に従って算出され
る。上記図39のマップは、図38に示す駆動モータ4
2の回転数(制御速度)と制御電流のデューティ比との
関係(モータ出力特性)から作成されて予めROM98
に記憶されているのである。
【0098】上述のように本実施例によれば、図3のメ
インルーチンに2msec毎に割り込んで実行される図4の
2msecタイミングルーチンにおいて、フラグXFREL
Eの内容がクラッチ断ルーチンの実行が初回でないこと
を示す「1」となって摩擦クラッチ14の係合状態から
解放状態への切換えが開始されてから前記一定時間(切
換えが終了するのに必要かつ充分な時間であってたとえ
ば0.3秒)を経過したときにリミットスイッチ90の
断側リミットスイッチがONでない場合には、フラグX
FRELEの内容がクラッチ断ルーチンの実行が初回で
あることを示す「0」に設定されることにより、図9の
クラッチ断ルーチンのステップSRE6において前記一
定時間経過した時点でのクラッチ現在位置CSTNが記
憶された後、そのクラッチ現在位置CSTNからクラッ
チ断方向へのクラッチ目標方向CSTMVELが順次求
められて摩擦クラッチ14の解放操作が再び行われるよ
うに構成されているので、たとえ、摩擦クラッチ14が
一旦解放された後にギヤ58が断側ストッパピン57に
突き当たって跳ね返されることにより摩擦クラッチ14
が係合したとしても直ちにクラッチ断操作が行われるこ
とにより、摩擦クラッチ14の切れ不良によるエンジン
ストールやショック等を好適に防止することができるの
である。
【0099】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適
用される。
【0100】たとえば、前記実施例では、クラッチ解放
位置検出手段はリミットスイッチ90の断側リミットス
イッチにて構成されているが、クラッチ位置を検出する
ストロークセンサ88からのクラッチポジション信号S
cpに基づいて摩擦クラッチ14の解放位置を検出するこ
とも可能である。
【0101】また、前記実施例では、クラッチ再解放駆
動手段としての図4の2msecタイミングルーチンにおい
てはクラッチ断ルーチンの実行が初回でないと判断され
てからの時間が計数されているが、必ずしもその必要は
なく、たとえば、摩擦クラッチ14の接位置からの断位
置への作動時においてリミットスイッチ90の接側リミ
ットスイッチあるいは断側リミットスイッチがONとな
ってからの時間を計数するようにしてもよい。
【0102】また、前記実施例では、図4の2msecタイ
ミングルーチン(クラッチ再解放駆動手段)においては
摩擦クラッチ14の接位置から断位置への切換作動が開
始されてから一定時間経過した後にリミットスイッチ9
0の断側リミットスイッチがONでない場合において摩
擦クラッチ14が再解放されるように構成されている
が、たとえば、上記図4に示す2msecタイミングルーチ
ンに替えて図41に示すような2msecタイミングルーチ
ンを設けた場合においても前述の実施例と同様の効果が
得られる。図41において、まずステップSCQ1で
は、前記フラグX2MSの内容が2msecタイミングであ
ることを示す「1」に設定され、続くステップSCQ2
では、前記フラグXFRELEの内容が「1」であるか
否か、すなわち図6のステップST9のクラッチ断ルー
チンの実行が初回でないか否かが判断される。ステップ
SCQ2においてクラッチ断ルーチンの実行が初回であ
ると判断された場合には図3のメインルーチンへリター
ンさせられるが、クラッチ断ルーチンの実行が初回でな
いと判断された場合には、ステップSCQ3においてリ
ミットスイッチ90の断側リミットスイッチがONから
OFFに切り換わったか否かが判断される。ステップS
CQ3の判断が否定された場合にはメインルーチンへリ
ターンさせられるが、肯定された場合にはステップSC
Q4においてフラグXFRELEの内容が「0」に設定
される。すなわち、摩擦クラッチ14の接位置から断位
置への切換作動が行われて断側リミットスイッチがON
となった後、クラッチ断ルーチンが繰り返し実行されて
いて摩擦クラッチ14の断位置から接位置への切換作動
が行われていないにも拘わらず、その断側リミットスイ
ッチがOFFとなった場合にはフラグXFRELEの内
容が「0」とされることにより、直ちに摩擦クラッチ1
4の再解放が行われるのである。
【0103】また、前記実施例では、自動クラッチとし
てレリーズハブ30等を前進させることによって動力伝
達を遮断するプッシュタイプの摩擦クラッチ14が用い
られていたが、レリーズハブ等を後退させることによっ
て動力伝達を遮断するプルタイプの摩擦クラッチや、湿
式摩擦クラッチなどを用いることもできる。要するに、
駆動モータによりストローク位置が制御される自動クラ
ッチであれば本発明を適用することができる。
【0104】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例の構成を説明する図である。
【図3】図2の実施例の作動を説明するためのフローチ
ャートである。
【図4】図2のフローチャートに割り込んで実行される
2msecタイミングルーチンを示す図であって、第1発明
のクラッチ再解放駆動手段に対応するものである。
【図5】図3のステップST11の車両制御ルーチンの
前半部分を示す図である。
【図6】図3のステップST11の車両制御ルーチンの
後半部分を示す図である。
【図7】図5のステップST11−1の車両状態判別ル
ーチンの前半部分を示す図である。
【図8】図5のステップST11−1の車両状態判別ル
ーチンの後半部分を示す図である。
【図9】図6のステップST11−9のクラッチ断ルー
チンを示す図である。
【図10】図6のステップST11−20の発進用半ク
ラッチルーチンを示す図である。
【図11】図6のステップST11−23のクラッチロ
ックアップルーチンを示す図である。
【図12】図6のステップST11−25のクラッチ再
伝達ルーチンを示す図である。
【図13】図9のステップSRE12のクラッチ目標位
置減算ルーチンを示す図である。
【図14】図10のステップSST9および図11のス
テップSRC11のクラッチ目標位置増加ルーチンを示
す図である。
【図15】図10のステップSST8のクラッチ接速度
計算ルーチンを示す図である。
【図16】図15のクラッチ接速度計算ルーチンで用い
るために予め求められているスロットル開度とクラッチ
接速度との関係を示すデータマップである。
【図17】図10のステップSST12のクラッチ伝達
トルク計算ルーチンを示す図である。
【図18】図2に示す摩擦クラッチの伝達トルクとスト
ローク位置との関係を示す図である。
【図19】図20のクラッチ目標位置計算ルーチンで用
いるために図18の関係に基づいて予め求められたクラ
ッチ伝達トルクとクラッチストローク位置との関係を示
すデータマップである。
【図20】図10のステップSST13および図12の
ステップSRS11のクラッチ目標位置計算ルーチンを
示す図である。
【図21】図12のステップSRS6の目標伝達トルク
増加ルーチンを示す図である。
【図22】図21の目標伝達トルク増加ルーチンで用い
るために予め求められている有段変速機のギヤ段と伝達
トルク増加量との関係を示すデータマップである。
【図23】図3のステップST13のモータ制御ルーチ
ンの前半部分を示す図である。
【図24】図3のステップST13のモータ制御ルーチ
ンの後半部分を示す図である。
【図25】図2に示す駆動モータの負荷トルクと摩擦ク
ラッチの作動位置との関係を示す図である。
【図26】図27のモータ負荷トルク算出ルーチンで用
いるために図25の関係に基づいて予め求められている
クラッチ位置とモータ負荷トルクとの関係をクラッチ作
動の目標方向毎に示すデータマップである。
【図27】図23のステップST13−9のモータ負荷
トルク算出ルーチンを示す図である。
【図28】回転している図2の駆動モータに発電ブレー
キをかけたときの回転数の変化を負荷トルク毎に示す図
である。
【図29】図24のステップST13−26の残存移動
量算出ルーチンを示す図である。
【図30】図29の残存移動量算出ルーチンで用いるた
めに図28の関係に基づいて予め求められているクラッ
チ現在速度と残存移動量との関係をモータ負荷トルク毎
に示すデータマップである。
【図31】図24のステップST13−28の必要速度
算出ルーチンを示す図である。
【図32】図24のステップST13−29の制御速度
算出ルーチンを示す図である。
【図33】図3のステップST14のモータ負荷トルク
学習ルーチンの前半部分を示す図である。
【図34】図3のステップST14のモータ負荷トルク
学習ルーチンの後半部分を示す図である。
【図35】図33のステップST14−1のリミットス
イッチ点学習ルーチンを示す図である。
【図36】図34のステップST14−30の学習負荷
トルク記憶ルーチンを示す図である。
【図37】図3のステップST15の制御データコント
ロールルーチンを示す図である。
【図38】図2の駆動モータの回転数(制御速度)と制
御電流のデューティ比との関係を負荷トルク毎に示す図
である。
【図39】図40の制御電流算出ルーチンで用いるため
に図38の関係に基づいて予め求められているモータ負
荷トルクと制御速度との関係を示すデータマップであ
る。
【図40】図3のステップST16の制御電流算出ルー
チンを示す図である。
【図41】図2のフローチャートに割り込んで実行され
る2msecタイミングルーチンを示す図であって、第2発
明のクラッチ再解放駆動手段に対応するものである。
【符合の説明】
14 乾式摩擦クラッチ(自動クラッチ) 42 駆動モータ 90 リミットスイッチ(クラッチ解放位置検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の動力伝達径路に設けられた自動ク
    ラッチを、正逆両方向に回転させられる駆動モータを用
    いて係合位置と解放位置とに切り換える制御装置であっ
    て、 前記自動クラッチが前記解放位置にあることを検出する
    クラッチ解放位置検出手段と、 前記自動クラッチの係合位置から解放位置への切換作動
    が行われた後において所定時間経過した後においても前
    記クラッチ解放位置検出手段により該自動クラッチの解
    放位置が検出されない場合には、該自動クラッチに再び
    解放動作をさせるクラッチ再解放駆動手段とを含むこと
    を特徴とする車両用自動クラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の動力伝達径路に設けられた自動ク
    ラッチを、正逆両方向に回転させられる駆動モータを用
    いて係合位置と解放位置とに切り換える制御装置であっ
    て、 前記自動クラッチが前記解放位置にあることを検出する
    クラッチ解放位置検出手段と、 前記自動クラッチの係合位置から解放位置への切換作動
    が行われて前記クラッチ解放位置検出手段により該自動
    クラッチの解放位置が検出された後、該自動クラッチの
    解放位置から係合位置への切換作動が行われていないに
    も拘わらず該クラッチ解放位置検出手段により該自動ク
    ラッチの解放位置が検出されなくなった場合には、該自
    動クラッチに再び解放動作をさせるクラッチ再解放駆動
    手段とを含むことを特徴とする車両用自動クラッチの制
    御装置。
JP4034363A 1992-01-24 1992-01-24 車両用自動クラッチの制御装置 Pending JPH05202952A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5704460A (en) * 1995-02-01 1998-01-06 Fichtel & Sachs Ag Friction clutch assembly for a motor vehicle with a clutch actuator
JP2003065357A (ja) * 2001-08-28 2003-03-05 Aisin Seiki Co Ltd アクチュエータの制御装置
JP2006283818A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp クラッチ制御装置
CN104863988A (zh) * 2015-04-10 2015-08-26 北汽福田汽车股份有限公司 车辆以及离合器操纵机构、控制系统和方法

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