JP2006283257A - チョップドストランド及び繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料 - Google Patents

チョップドストランド及び繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 チョップドストランドの集束性を向上させ、また集束剤の「かす」をなくすことにより、生産性及び、繊維強化樹脂成形品の外観を損なうことなく、機械強度に優れた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成品を提供できるチョップドストランドを提供する。
【解決手段】
軟化点が60〜100℃のノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂と、シランカップリング剤とを含有する集束剤を付与してなるガラス繊維を用いる。前記ウレタン樹脂は、イソシアネート成分がキシリレンジイソシネートで構成されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機械強度に優れた樹脂成形品を得るためのチョップドストランド及び該チョップドストランドを含有する繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料に関する。
熱可塑性樹脂は、無機材料に比べ加工しやすく、また、軽量であることから、成形品材料として広く利用されている。そして、その機械強度を向上させるため、合成樹脂エマルジョン、シランカップリング剤、その他界面活性剤などで構成された集束剤をガラス繊維に付与して、数百〜数千本集束させたチョップドストランド等を補強材として用いている。
このようなチョップドストランド等の補強材は、製造時や加工時に、ガラス繊維が毛羽立たず、ばらけず、しかもよく集束していることが要求される。
また、熱可塑性樹脂との密着性を向上させ、成形材料を成形して得られる成形品の機械的強度等の要求特性を向上させるため、ガラス繊維に付着している集束剤の選定が極めて重要とされている。
なかでも、特にエポキシ樹脂をガラス繊維の集束剤の主成分として用いた場合、ガラス繊維と、補強される熱可塑性樹脂(マトリックス樹脂)との界面での接着性に優れるため、優れた機械的強度を備えた複合材料(ガラス繊維補強熱可塑性樹脂)を得ることができ、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル樹脂に好適に使用されている。
また、下記特許文献1には、ノボラック型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、シランカップリング剤とを含む集束剤について開示されており、該集束剤を用いることで、飽和ポリエステル樹脂の機械的強度、耐熱水性、耐熱老化性を向上できることが記載されている。
特公平7−88242号公報
チョップドストランドは、集束剤を付与して数百〜数千本のガラス繊維を集束させたガラス繊維束(ガラスストランド)を、所定の長さに切断し、所定時間乾燥させることで得られるが、ノボラック型等のエポキシ樹脂を含む集束剤を付与したものは、ストランドを切断する際、集束剤に起因する「かす」が多量に発生するので、チョップドストランドの生産性が劣るものであった。また、得られたチョップドストランドの中にこれら集束剤に起因する「かす」が多く含まれていると、樹脂と混練して成形品とした場合、成形時の加熱によって表面が着色してしまい、表面外観性が劣るという問題を有していた。
更にまた、エポキシ樹脂を集束剤として用いたチョップドストランドは、集束性も極めて劣るといった問題を有しており、上記特許文献1のようにフェノキシ樹脂と併用したとしても集束性は劣りがちであり、飽和ポリエステル樹脂と混練して得られる成形材料は毛羽立ちのための樹脂未含浸が生じやすく、成形品の外観が劣ってしまったり、また、充分な機械強度が得られ難いといった問題があった。
したがって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、チョップドストランドの集束性を向上させ、また集束剤の「かす」をなくすことにより、チョップドストランドの生産性及び、成形品の外観低下をなくし、機械強度に優れた繊維強化樹脂成形品を提供できるチョップドストランド及びそれを用いた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を提供することにある。
上記目的を達成するにあたって、本発明のチョップドストランドは、軟化点が60〜100℃のノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂と、シランカップリング剤とを含有する集束剤を付与してなるガラス繊維を用いたことを特徴とする。
上記集束剤を用いたチョップドストランドは、ガラス繊維の集束性が高く毛羽立ち量が少ないので、飽和ポリエステル樹脂などのマトリックス樹脂との含浸・密着性が高い。よって、マトリックス樹脂の補強効果が高く、また、外観のよい成形品が得られる。更には、集束剤の「かす」発生量が極めて少なので、チョップドストランドの生産性を低下させることがなく、また、マトリックス樹脂に含浸させて繊維強化樹脂成形材料を成形した際、加熱によって表面が着色することもないので、成形品の美観を損なうこともない。
また、本発明において、前記ウレタン樹脂は、イソシアネート成分がキシリレンジイソシネートで構成されていることが好ましい。さらに、集束剤の固形分が、前記チョップドストランドの全量に対して0.6〜1.5質量部付着していることが好ましい。さらにまた、集束剤は、前記ノボラック型エポキシ樹脂と前記ウレタン樹脂との合計含有量が、固形分換算で70〜90質量部となるものであることが好ましい。そして、集束剤は、ノボラック型エポキシ樹脂の固形分100質量部に対してウレタン樹脂の固形分を10〜30質量部含有するものであることが好ましい。
一方、本発明の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は、上記チョップドストランドを、飽和ポリエステル樹脂に含浸させ、ガラス含有率を5〜60質量%としたことを特徴とする。本発明のチョップドストランドを用いた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は、機械強度に優れた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形品を提供することができる。また、ガラス含有率が上記範囲内であれば、コストと機械強度の両立を図ることができる。
本発明のチョップドストランドは、ガラス繊維の集束性が高く、毛羽立ち量が少ないので、マトリックス樹脂、特に飽和ポリエステル樹脂との密着性及び含浸性が高く、補強効果が高い。また、集束剤「かす」の発生量が少ないので、チョップドストランドの生産性を低下させることがなく、更には、マトリックス樹脂に含浸させた繊維強化樹脂成形材料を成形した際、加熱によって表面が着色することもないので、成形品の外観を損なうこともない。
そして、本発明のチョップドストランドを用いた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は、機械強度に優れた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成品を提供することができる。
本発明のチョップドストランドにおけるガラス繊維の集束剤は、ノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂と、シランカップリング剤とを含んでいる。
本発明のチョップドストランドに用いるガラス繊維としては、平均繊維径が6〜23μmのものが好ましく用いられ、より好ましくは9〜16μmである。そして、ガラス繊維の集束本数は100〜4000本が好ましく、より好ましくは800〜3000本である。これによれば、マトリックス樹脂である飽和ポリエステル樹脂にチョップドストランドを含浸させやすく、また、飽和ポリエステル樹脂成形材料のガラス含有率を調整しやすい。
本発明の集束剤に用いるノボラック型エポキシ樹脂は、軟化点が60〜100℃のノボラック型エポキシ樹脂であり、好ましくは軟化点が65〜80℃である。軟化点とは、物質が軟化し、変形し始める温度であり、JIS K 7234の環球法にて測定した温度である。
軟化点が60℃未満であると、ガラス繊維を切断してチョップドストランドとする際に、集束剤かすが発生し易くなり、得られる成形品の表面外観性、及び機械的強度が劣りがちであり、一方、100℃を超えると、水溶化させる際にエマルジョン化するのが困難となり集束剤の貯蔵安定性が劣りがちなので生産性を損なう虞れがあるため好ましくない。
軟化点が60〜100℃であれば、ノボラック型エポキシ樹脂としては、特に限定されず、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o‐クレゾールノボラック樹脂、水添ノボラック型エポキシ樹脂を用いることができる。
また、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は170〜250g/eqが好ましい。エポキシ当量とは、エポキシ樹脂の分子量をそのエポキシ樹脂の分子中に存在するエポキシ基の数で割った値であって、エポキシ基1g当量あたりのエポキシ樹脂の重量(g数)を意味するものである。ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量が250g/eqより大きいと、得られる成形品の機械的強度が劣る虞れがある。
本発明の集束剤に用いるポリウレタン樹脂は、チョップドストランドの集束性を向上させるものであり、高分子ポリオール、有機ジイソシアネート、更に必要により鎖伸長剤及び/又は架橋剤とから誘導される従来既知のものが好ましく使用でき、エマルジョンやディスパージョン等の水分散状にして用いることが好ましい。
上記高分子ポリオールの具体例としては、例えば、ポリエステルポリオール〔ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリネオペンチルテレフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等〕、ポリエーテルポリオール[ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物等]が挙げられる。
また、有機ジイソシアネートの具体例としては、例えば、芳香族ジイソシアネート〔2,4’‐もしくは4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4‐もしくは2,6‐トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’‐ジベンジルジイソシアネート、1.3‐もしくは1,4‐フェニレンジイソシアネート、1,5‐ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等〕、脂肪族ジイソシアネート〔エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート等〕、脂環式ジイソシアネート〔イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)等〕が挙げられ、これらの2種類以上を併用してもよい。
鎖伸長剤及び/又は架橋剤としては、数平均分子量が60〜500未満の活性水素含有化合物が好ましく、例えば多価アルコール〔エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1、6‐ヘキサンジオール、3‐メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4‐ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4‐ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2‐ビス(4,4'‐ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト−ル、ジグリセリン、α‐メチルグルコシド、ソルビト−ル、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリト−ル、グルコ−ス、フルクト−ス、ショ糖等の4〜8価のアルコ―ル等〕、多価フェノール類〔ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等〕、ポリアミン類[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、4,4’‐ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ポリアミン;4,4’‐ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン;キシリレンジアミン等の芳香脂環族ポリアミン、ヒドラジンもしくはその誘導体等]、水等が挙げられる。
本発明において、ウレタン樹脂のイソシアネート成分としては、上記で挙げた有機ジイソシアネートのなかでも特にキシリレンジイソシアネート(以下「XDI」とする)を用いることが好ましい。イソシアネート成分がXDIで構成されたウレタン樹脂を用いた集束剤は、ガラス繊維の集束性を向上させやすく、チョップドストランドの毛羽立ち量を抑制することができ、更には、集束剤中のウレタン樹脂の含有量が、比較的少量であっても高い集束性を付与できるので、集束剤中のノボラック型エポキシ樹脂の含有量を増加させることができ、補強効果の高いチョップドストランドとすることができる。
また、高分子ポリオール成分として、数平均分子量が500〜6,000の上記ポリオールが好ましく、より好ましくは800〜3,000である。
そして、ポリカプオラクトンジオールとXDIとで構成されたウレタン樹脂は、ガラス繊維の集束性に優れるためより好ましい。
そして、集束剤に含まれるポリウレタン樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂の固形分100質量部に対し、ウレタン樹脂の固形分は10〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは、15〜25質量部である。10質量部より小さいとチョップドストランドの集束性が不充分となりがちであるので毛羽が発生し易くなり、生産効率が劣るばかりでなく、チョップドストランドと飽和ポリエステル樹脂などのマトリックス樹脂との密着性や含浸性が劣りがちで、成形品とした際、未分散ガラス繊維により外観を損ないかねない。また、充分な補強効果が得られにくく、部分的な機械的強度低下や、成形品の欠肉が生じやすくなり、30質量部を越えると成形品の機械的強度が劣り易くなるので好ましくない。
また、本発明の集束剤は、ノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂との合計含有量が、固形分換算で70〜90質量部であることが好ましく、より好ましくは75〜85質量部である。前記値が70質量部未満であると、集束剤中に、シランカップリング剤や添加剤等、上記樹脂以外の成分を多く含むことになり、チョップドストランドの集束性や飽和ポリエステル樹脂等のマトリックス樹脂との密着性が劣りがちで、成形品とした際、充分な補強効果が得られにくく、成形品の機械的強度が低下しがちであり、90質量部を越えると、シランカップリング剤等の含有量が少なくなるため、チョップドストランドのマトリックス樹脂との密着性が劣りがちで、成形品の機械的強度が低下しがちであるので好ましくない。
本発明の集束剤に用いるシランカップリング剤は、従来ガラス繊維の表面処理に用いられるシランカップリング剤が使用でき、好ましい具体例としては、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β‐(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐β‐(アミノエチル)‐N’‐β‐(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、γ‐アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、N‐β‐(N‐ビニルベンジルアミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。尚、これらカップリング剤は2種類以上を用いることもできる。
シランカップリング剤としては、上記のうち、モノアミノシラン、及びジアミノシランが好ましく、色調の点から、上記モノアミノシランが好ましい。
そして、集束剤に含まれるシランカップリング剤の含有量は、ノボラック型エポキシ樹脂の固形分100質量部に対し、シランカップリング剤の固形分が1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは、固形分が5〜15質量部である。集束剤に含まれるシランカップリング剤の固形分が1質量部未満であると、チョップドストランドと飽和ポリエステル樹脂等のマトリックス樹脂との密着性が劣りがちで、成形品とした際、充分な補強効果が得られにくく、また、30質量部より大きいとチョップドストランドの色調が黄変することがあるばかりか、マトリックス樹脂との密着性が劣るためので好ましくない。
本発明の集束剤には、上記成分の他に、更に界面活性剤、潤滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含んでもよい。
界面活性剤としては、ノニオン系の界面活性剤が好ましく、例えば、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドコポリマー、合成アルコール系、天然アルコール系、脂肪酸エステル系、ジスチレン化フェノール系等が挙げられる。
潤滑剤としては、脂肪酸アミド、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。脂肪酸アミドとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリエチレンポリアミンと、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸との脱水縮合物が使用できる。また、第4級アンモニウム塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が使用できる。
帯電防止剤としては、塩化リチウムやヨウ化カリウム等の無機塩や、アンモニウムクロライド型やアンモニウムエトサルフェート型等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明で使用する集束剤は、上記軟化点60〜100℃のノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂と、シランカップリング剤と、必要に応じて界面活性剤、潤滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤を、例えば、水性媒体中で混合することにより容易に調製できる。
そして、集束剤は、ガラス繊維と集束剤との合計100質量部に対し、固形分が0.6〜1.5質量部となるよう付与することが好ましく、1.0〜1.2質量部となるように付与することがより好ましい。付与量が0.6質量%未満であると成形品の機械的強度やチョップドストランドの集束性が劣りやすく、1.5質量部を超えると、それ以上の前記機械的強度や集束性が得られないばかりでなく、集束剤かすが増えるので好ましくない。
なお、ガラス繊維に付着した集束剤の量は、JIS R 3420の質量減少百分率により測定することができる。
本発明の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は、マトリックス樹脂として飽和ポリエステル樹脂を用い、上記チョップドストランドを含浸させたものである。
飽和ポリエステル樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる他、これらとポリカーボネート、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂とのポリマーアロイが挙げられる。
また、ガラス含有率としては5〜60質量%が好ましく、より好ましくは7〜50質量%である。ガラス含有率が5質量%未満では機械強度に乏しく実用性に適さず、また、60質量%を超えると製造コストが高くなるため好ましくない。
本発明において、チョップドスランドを製造する方法については特に限定は無く、従来公知の様々な方法を使用することができる。
例えば、溶融したガラスをブッシングの底部に取り付けた多数のノズルより引き出し、このガラス繊維にアプリケーターまたはスプレーで集束剤を塗布してガラスストランドとし、このストランドを1.5〜13mmに切断する。その際、ガラスストランドを一度巻き取ってから切断しても良く、巻き取らずそのまま切断しても良い。
次いで、ガラス繊維束切断物の乾燥工程に移るが、乾燥工程前に再度集束剤を塗布しても良い。乾燥温度及び乾燥時間は任意で特に限定はないが、ガラス繊維束の集束性を損なわせず乾燥工程を効率的に実施するため、乾燥温度を120〜220℃、乾燥時間を10秒〜10分間とすることが好ましい。
上記のようにして本発明のチョップドストランドが得られる。
また、上記のチョップドストランドを、溶融した飽和ポリエステル樹脂に含浸させることで繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料が得られる。
また、本発明において繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の様々な方法を用いることができる。
例えば、スクリュー押出機より溶融された飽和ポリエステル樹脂を可塑化させつつ、これに対して上記チョップドストランドを供給して溶融混練させる。溶融混練物を線状の繊維強化飽和ポリエステル樹脂体に成形し、次いで、これをペレタイザー等で切断することで繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を得られる。また、射出成形機を用いた公知の方法により繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を得ることもできる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の実施態様を具体的に説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
〔チョップドストランドの作製〕
(実施例1)
平均径10μmのガラス繊維を3,000本集束し、下記表1に示す原料を用い、表2の配合比で調整した調合例1の集束剤を、ガラス繊維100質量部に対して1.0質量部付着させ、ガラスストランドとした。その後、このガラスストランドを3mmに切断して実施例1のチョップドストランドを得た。
(実施例2〜6)
調合例2〜6の集束剤を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜6のチョップドストランドを得た。
(比較例1〜5)
調合例7〜11の集束剤を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1〜5のチョップドストランドを得た。
Figure 2006283257
Figure 2006283257
〔チョップドストランドの性能評価〕
<集束性評価(加熱混練毛羽)>
内部に押出し機スクリューの搬送部と同様の二本一組の同一方向回転体を設置した混錬機に、チョップドストランドの温度が50℃になるように予熱したチョップドストランド1kgを投入し、2kgの荷重をかけ、スクリュウを80rpmで5分間混錬した。その後、目開き4.0mmの篩でふるい、篩上に残った毛羽を回収し、毛羽重量を精秤した。毛羽重量が4g以下であればチョップドストランドの集束性が良好であると判断した。
<作業性(集束剤かす)>
調合例1〜11の集束剤をガラス繊維に付与したガラスストランドをチョッパー押さえロールに投入し、4本のストランドで計20kgのストランドをチョップした。その後、押さえロール上の付着物を20mm×20mmの範囲でこそげおとして、付着物の重量を精秤した。付着物の重量が0.02g以下であれば、作業性良好と判断した。
実施例1〜6、比較例1〜5のチョップドストランドについて上記の項目の評価を行い、結果を表3に示す。
Figure 2006283257
〔繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料の作製〕
(実施例7)
実施例1のチョップドストランドをポリブチレンテレフタレート樹脂(商品名;「ジュラネックス2000」 ポリプラ社製)に浸漬させ、スクリュー径35mmの2軸押出機を用い、成形温度270℃として、ガラス含有率30質量%となる実施例7の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を得た。
(実施例8〜12)
実施例2〜6のチョップドストランドを用いた以外は、実施例7と同様にして、実施例8〜12の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を得た。
(比較例6〜10)
比較例1〜5のチョップドストランドを用いた以外は、実施例7と同様にして、比較例6〜10の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を得た。
〔繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料の性能評価〕
<引張り強度測定>
ASTM D−638に準拠した方法で測定し、130MPa以上であれば良好であると判断した。
<プレッシャークッカー試験>
試験片を、温度120℃、湿度100%の恒温・恒湿機にて25、50時間放置し、その後ASTM D−638に準拠した方法で測定し、保持率を計算した。保持率は25hrで95%、及び50hrで85%であれば耐加水分解性良好と判断した。
<曲げ強度測定>
ASTM D−790に準拠した方法で測定し、190MPa以上であれば良好であると判断した。
<IZOD衝撃強度測定>
1/8インチノッチ付で、ASTM D−256に準拠した方法で測定し、10KJ/m以上であれば良好であると判断した。
<熱減量率(イグロス)>
JIS R 3420の強熱減量に準拠した方法で測定した。
実施例7〜12及び比較例6〜10の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料を、それぞれ、型締め荷重35t、シリンダー温度250℃、金型80℃で成形し、ペレット状とした成形品を用いて上記の項目の評価を行い、結果を表4に示す。
Figure 2006283257
上記表3、及び表4の結果より、軟化点が60℃以下のノボラック型エポキシ樹脂を用いた比較例1〜4のチョップドストランドは、ガラス繊維の集束性の悪いものであった。
これに対し、軟化点が60〜100℃のノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂と、シランカップリング剤とを含む集束剤を用いた実施例1〜6のチョップドストランドは、集束性に優れ、またそれを用いた実施例7〜12の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は機械強度に優れたものであった。
また、イソシアネート成分がキシリレンジイソシアネートで構成されたウレタン樹脂を用い、ノボラック型エポキシ樹脂の固形分100質量部に対してウレタン樹脂の固形分を10〜30質量部含有する集束材を用いた実施例1〜3のチョップドストランドは、特にガラス繊維の集束性に優れ、またそれを用いた実施例7〜9の繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は特に機械強度に優れたものであった。
よって、本発明によれば、ガラス繊維の集束性に優れ、加熱によるガス発生量の少ないチョップドストランドとすることができ、また、該チョップドストランドを補強材として用いた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は、機械強度の良い飽和ポリエステル樹脂成形品を提供とすることができる。
毛羽立ちが少なく、樹脂含浸性のよいチョップドストランドとすることができ、該チョップドストランドを用いた繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料は、機械強度に優れたガラス繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形品とすることができる。

Claims (6)

  1. 軟化点が60〜100℃のノボラック型エポキシ樹脂と、ウレタン樹脂と、シランカップリング剤とを含有する集束剤を付与してなるガラス繊維を用いたことを特徴とするチョップドストランド。
  2. 前記ウレタン樹脂は、イソシアネート成分がキシリレンジイソシネートで構成されている請求項1に記載のチョップドストランド。
  3. 前記集束剤の固形分が、前記チョップドストランドの全量に対して0.6〜1.5質量部付着している請求項1又は2に記載のチョップドストランド。
  4. 前記集束剤は、前記ノボラック型エポキシ樹脂と前記ウレタン樹脂との合計含有量が、固形分換算で70〜90質量部となるものである請求項1〜3のいずれか1つに記載のチョップドストランド。
  5. 前記集束剤は、前記ノボラック型エポキシ樹脂の固形分100質量部に対して前記ウレタン樹脂の固形分を10〜30質量部含有するものである請求項1〜4のいずれか1つに記載のチョップドストランド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つのチョップドストランドを、飽和ポリエステル樹脂に含浸させ、ガラス含有率を5〜60質量%としたことを特徴とする繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料。
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