JP2006283253A - 潜在型高伸縮性ミシン糸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】架橋型ポリオレフィン系弾性糸と非弾性糸との複合糸を複数本交撚したミシン糸であって、該ミシン糸の乾式弾性率が200〜1000Kg/mm2、沸水処理後の伸度が40から100%、30%伸張時の回復率が50%以上であることを特徴とする潜在型高伸縮性ミシン糸。
【選択図】なし
Description
1.架橋型ポリオレフィン系弾性糸と非弾性糸との複合糸を複数本交撚したミシン糸で あり、該ミシン糸の乾式弾性率が200から1000Kg/mm2で、沸水処理後の 伸度が40から100%で、30%伸張時の回復率が50%以上である潜在型高伸縮 性ミシン糸であり、
2.複合糸が非弾性短繊維よりなる複合紡績糸である潜在型高伸縮性ミシン糸で、
3.非弾性短繊維が綿繊維である潜在型高伸縮性ミシン糸で、
4.複合糸が非弾性長繊維よりなる複合加工糸である潜在型高伸縮性ミシン糸であり、 5.非弾性長繊維がポリエステル系フィラメント糸である潜在型高伸縮性ミシン糸
である。
本発明でいう架橋型ポリオレフィン繊維は均一に分枝を有しており、実質的に線状であるオレフィンに架橋処理を施されてなる繊維を用いることが好ましい。
ここで均一に分枝していて実質的に線状であるオレフィン繊維とは、オレフィン系モノマーを重合させた重合物であり、その重合物の分岐度合いが均一であるものを言う。
例えばαオレフィンを共重合させた低密度ポリエチレンや特表平8−509530号公報記載の弾性繊維がこれに該当する。
また架橋処理の方法としては、例えばラジカル開始剤やカップリング剤などを用いた化学架橋や、エネルギー線を照射することによって架橋させる方法等が挙げられる。製品となった後の安定性を考慮するとエネルギー線照射による架橋が好ましいが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
得られたミシン糸に同糸に用いた弾性糸の総繊度(dTex.)に0.0009を乗じたg数の荷重を掛け、テンシロン型伸長試験機にチャック間隔を20cmとして取り付く、20cm/分の伸長速度で引っ張り、得られたストレスーストレイン曲線より、弾性率および伸度を求める。弾性率は同曲線の最大勾配より、100%伸長時の応力(Kg)を求め、繊度より換算される糸断面積(mm2)で乗じて弾性率とする。伸度は伸長破断時の伸度を求める。
ミシン糸を無拘束状態でガーゼに包み、沸水で30分処理する。沸水より取り出した試料は室温まで放置し、室温状態でガーゼを解き3時間風乾する。同試料を前記弾性率の測定と同法でテンシロン型伸長試験機で伸度を測定する。
伸長回復率は同法でテンシロン型伸長試験機を用い、30%伸長時点で伸長を停止し、直ちに、伸長速度と同速でゆるめ、応力が0となる時点のチャック間隔(Lcm)より次式で伸長回復率を求める。
伸長回復率(%)={(20×1.3−L)/20×0.3}×100
架橋型ポリオレフィン弾性糸を0.0008cN/dTex.の荷重下で10cm間隔の印をいれ、該糸を3倍に伸長して乾熱140℃で30秒間セットし、室温で徐冷し、室温下で伸長を開放し、0.0008cN/dTex.の荷重下で印間距離(l:cm)を測定し、セット率を次式より求める。
セット率(%)={l−10/(3×10−10)}×100
同糸をガーゼに包み、沸水処理、風乾後再度0.0008cN/dTex.の荷重下で印間距離(l1cm)を測定し、弾性回復率を次式より求める。
弾性回復率(%)=[(l−l1)/(l−10)]×100
「風合い評価の標準化と解析」(日本繊維機械学会編集)の第IV章 「布の力学的特性の測定」に記載の方法にのっとり、測定した。幅20cm、長さ5cmの試料を布帛の経方向、緯方向に採取し、長さ方向に4.00×10-3 /sec一定で、最大荷重500gf/cmまで引張り、変形回復過程に移り、最大荷重時の伸長率を求めた。伸長率と変形回復過程の0応力到達時の歪み量の差の伸長率との比率を回復率とし、経方向と緯方向の平均値を伸長率及び回復率とした。但し、縫製後の試料は布帛が2枚重なるので、最大荷重1000gf/cmまで引張った。
伸長率の保持率は次式で算出した。
伸長率の保持率(%)
=(縫製セット後の布帛の伸張率/縫製前の布帛の伸張率)×100
平均繊維長が26mmの綿繊維よりなる粗糸をフロントローラーとバックローラー間で48倍にドラフトし、同時に架橋型ポリオレフィン繊維78デシテックスのモノフィラメントを3.0倍にドラフトしてフロントローラーに供給し、撚係数を4.3として70gの張力下で精紡コップに巻取り、40綿番手の芯鞘型複合紡績糸を得た。架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は17.5%であった。該紡績を2本引き揃え、該紡績糸とは反対の撚り方向に760T/mで合撚し、チーズに巻き取り、反応染料(商品名:Sumifix Supra(住友化学工業株式会社製))で60℃×45分で染色した。得られた染色糸を1.2倍に延伸しながら非接触ヒーターで160℃で0.3秒セットし、シリコンを主体とするオイルを付与してミシン糸とした。このミシン糸の性能を表―1に示す。なお、表―1に示す糸切れ、目飛び評価は綿糸50番手を用いた天竺編地を4枚重ねて、平2本針ミシンで100枚縫製した時の欠点発生率で評価した。該ミシン糸を上糸と下糸に用い、緯方向の定荷重伸長率が18%であるストレッチ織物を同方向に2枚重ね、通常の縫製条件より30%過剰に縫い糸が供給されるように、ミシンの給糸テンションを調整後に緯方向に本縫いミシンで縫製した。この時縫い目は正常状態よりたるんでいた。該縫製布をホフマンプレスで100℃×30秒セットしたところ、縫い目は正常なきれいな縫い目になっていた。該布帛の定荷重伸長率を縫い目方向で測定したところ、縫製前の18%に対し17%と、ほとんど遜色ない伸長率を示した。回復後に縫い目を検査したところ、縫い糸の破断やたるみは認められなかった。
架橋型ポリオレフィン繊維78デシテックスのモノフィラメントを3.0倍にドラフトしながら、ポリエステルフィラメント135dTex.-36フィラメントをS方向に1000T/mでカバリングし、該加工糸を2本引き揃えてZ方向に750T/mで合撚した。該号撚糸をチーズに巻き上げ、分散染料で130℃×45分染色した。該染色糸を1.25倍に延伸しながら170℃×0.3秒セットしてシリコンを主体とするオイルを付与してミシン糸とした。このミシン糸の性能を表―1に示す。なお、表―1に示す糸切れ、目飛び評価は綿糸50番手を用いた天竺編地を4枚重ねて、平2本針ミシンで100枚縫製した時の欠点発生率で評価した。該ミシン糸を上糸と下糸に用い、緯方向の定荷重伸長率が25%であるストレッチ編み物を同方向に2枚重ね、通常の縫製条件より30%過剰に縫い糸が供給されるように、ミシンの給糸テンションを調整後に緯方向に単還縫いミシンで縫製した。この時縫い目は正常状態よりたるんでいた。該縫製布をホフマンプレスで100℃×30秒セットしたところ、縫い目は正常なきれいな縫い目になっていた。該布帛の定荷重伸長率を縫い目方向で測定したところ、縫製前の25%に対し23%と、ほとんど遜色ない伸長率を示した。回復後に縫い目を検査したところ、縫い糸の破断やたるみは認められなかった。
平均繊維長が26mmの綿繊維よりなる粗糸をフロントローラーとバックローラー間で48倍にドラフトし、同時に架橋型ポリオレフィン繊維78デシテックスのモノフィラメントを3.0倍にドラフトしてフロントローラーに供給し、撚係数を4.3として70gの張力下で精紡コップに巻取り、40綿番手の芯鞘型複合紡績糸を得た。架橋型ポリオレフィン繊維の混用率は17.5%であった。染色チーズに巻き上げた後、反応染料(商品名:Sumifix Supra(住友化学工業株式会社製))で60℃×45分で染色した。得られた染色糸を2本引き揃え、該紡績糸とは反対の撚り方向に760T/mで合撚し、85℃×20分のキヤーセットをした後、シリコンを主体とするオイルを付与してミシン糸とした。このミシン糸の性能を表―1に示す。なお、表―1に示す糸切れ、目飛び評価は綿糸50番手を用いた天竺編地を4枚重ねて、平2本針ミシンで100枚縫製した時の欠点発生率で評価した。該ミシン糸を上糸と下糸に用い、緯方向の定荷重伸長率が18%であるストレッチ織物を同方向に2枚重ね、通常の縫製条件より25%過剰に縫い糸が供給されるように、ミシンの給糸テンションを調整後に緯方向に本縫いミシンで縫製した。この時縫い目は正常状態よりたるんでいた。該縫製布をホフマンプレスで100℃×30秒セットしたところ、縫い目は正常なきれいな縫い目になっていた。
使用する弾性糸をポリウレタン弾性糸(東洋紡績株式会社製エスパT765)78dTex.とする以外は実施例―1と同法でミシン糸を得、同法で評価した。該布帛の定荷重伸長率を縫い目方向で測定したところ、縫製前の18%に対し18%と、差がない伸長率を示し、回復後に縫い目を検査したところ、縫い糸の破断やたるみは認められなかったが、目飛びが散見され、実用に耐えるものではなかった。
Claims (5)
- 架橋型ポリオレフィン系弾性糸と非弾性糸との複合糸を複数本交撚したミシン糸であって、該ミシン糸の乾式弾性率が200〜1000Kg/mm2、沸水処理後の伸度が40から100%、30%伸張時の回復率が50%以上であることを特徴とする潜在型高伸縮性ミシン糸。
- 複合糸が非弾性短繊維よりなる複合紡績糸であることを特徴とする請求項1記載の潜在型高伸縮性ミシン糸。
- 非弾性短繊維が綿繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2いずれかに記載の潜在型高伸縮性ミシン糸。
- 複合糸が非弾性長繊維よりなる複合加工糸であることを特徴とする請求項1記載の潜在型高伸縮性ミシン糸。
- 非弾性長繊維がポリエステル系フィラメント糸であることを特徴とする請求項1又は請求項4いずれかに記載の潜在型高伸縮性ミシン糸。
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