以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る用紙供給装置を後処理装置とともに適用し得る画像形成装置としてのデジタル複写機を示すものである。そして、この画像形成装置としてのデジタル複写機と、後処理装置と、用紙供給装置とで画像形成システムを構成している。
図1において、1はデジタル複写機の本体を示すものであり、このデジタル複写機本体1内の上端部には、一連の原稿2の画像を順次読み取るスキャナーユニット3が配置されているとともに、当該スキャナーユニット3の上部には、後述する第1のプラテンガラス19上に載置された原稿2を押圧する原稿押圧部材としての機能と、第2のプラテンガラス10上に原稿2を一定の速度で搬送する自動原稿送り機能とを備えた自動原稿搬送装置4が、複写機本体1に対して開閉自在に配設されている。
上記自動原稿搬送装置4は、図2に示すように、例えば、複写すべき1セットの複数枚の原稿2を複写面を上にしてセットする原稿セットトレイ5を備えており、この原稿セットトレイ5上にセットされた複数枚の原稿2は、ナジャーロール5aによって最上位の原稿から順にピックアップされて、フィードロール6及びリタードロール7へと送られる。なお、上記フィードロール6及びリタードロール7の後端には、原稿2のフィード状態を検知する原稿フィードセンサー28が配置されている。そして、上記原稿2は、これらのフィードロール6及びリタードロール7によって1枚ずつにさばかれ、略円弧状に形成された搬送路8に沿って、途中に設けられた複数のテイクアウエイロール9によって第2のプラテンガラス10上の読み取り位置へと搬送される。この第2のプラテンガラス10上の読み取り位置へと搬送された原稿2は、当該第2のプラテンガラス10の上部に配置された原稿搬送ロール11によって一定の速度で搬送される間に、図2に示す位置に停止したスキャナーユニット3の走査光学系12を介してCCD等からなる画像読み取り素子13によって読み取られる。この走査光学系12は、原稿2を照明する照明ランプ14と、この照明ランプ14によって照明された原稿の反射光像を反射するフルレートミラー15と、このフルレートミラー15からの光像を折り返すように反射する2枚のハーフレートミラー16、17と、これらのハーフレートミラー16、17によって反射された原稿2の光像を画像読み取り素子13上に縮小した状態で結像する結像レンズ18とから構成されている。
そして、上記スキャナーユニット3によって第2のプラテンガラス10上を一定の速度で移動する原稿2の画像を読み取る際には、図2に示すように、フルレートミラー15が第2のプラテンガラス10直下の読み取り位置に来るように、走査光学系12が停止した状態で、原稿2の画像を読み取るようになっている。また、上記スキャナーユニット3によって、第1のプラテンガラス19上に載置された原稿2の画像を読み取る際には、照明ランプ14及びフルレートミラー15とハーフレートミラー16、17とが、原稿2の下面に沿って1:1/2の速度比で走査することによって、原稿2の画像を読み取るようになっている。
その後、上記第2のプラテンガラス10上の読み取り位置で読み取られた原稿2は、原稿搬送ロール11及び3つのロールが互いに圧接するトリロール20を介して、搬送路切り換え部材21によって搬送路が切り換えられることにより、排出ロール22によって原稿セットトレイ5の下部に設けられた原稿排出トレイ23上に排出される。
また、上記自動原稿搬送装置4で原稿2の両面複写を行なう場合には、片面の画像が読み取られた原稿2を、排出ロール22によって原稿排出トレイ23上にそのまま排出せずに、搬送路切り換え部材21によって搬送路を切り換えることにより、片面の画像が読み取られた原稿2を搬送ロール24によって原稿排出トレイ23下部の原稿一時収容部25に一旦収容し、原稿2の後端が搬送ロール24に挟持されている間に、当該搬送ロール24を一旦停止する。次に、上記搬送ロール24を逆転することにより、原稿2を表裏反転した状態で搬送路切り換え部材21を介して搬送路8へと再度搬送し、原稿2の裏面側が第2のプラテンガラス10上の読み取り位置へと搬送され、走査光学系12を介して画像読み取り素子13によって読み取られる。その後、上記表裏両面の画像が読み取られた原稿2は、原稿搬送ロール11及びトリロール20を介して、搬送路切り換え部材21によって搬送路が切り換えられることにより、搬送ロール24によって原稿セットトレイ23下部の原稿一時収容部25に一旦収容される。そして、この原稿一時収容部25に収容された原稿2は、その後端が搬送ロール24に挟持されている間に、当該搬送ロール24を逆転することにより、原稿2を表裏逆転した状態でUターンパス26を介して排出トレイ23上に、原稿2の表面を下にした状態で排出される。
上記デジタル複写機本体1の上端部には、上述したように、原稿2を固定した状態で載置することにより、当該原稿2の画像を読み取るための面積の大きな第1のプラテンガラス19と、原稿2を一定の速度で自動的に搬送しながら当該原稿2の画像を読み取るための小さな第2のプラテンガラス10とが配置されている。また、上記デジタル複写機本体1の上方には、上述したように、原稿押圧部材としての機能を兼ね備えた自動原稿搬送装置4が、開閉自在に配設されており、当該自動原稿搬送装置4には、第1のプラテンガラス19の上部に対応した位置に、原稿2を押圧する弾性部材からなる原稿押圧部材27が設けられている。
上記デジタル複写機では、図1に示すように、上記の如く構成されたスキャナーユニット3及び自動原稿搬送装置4によって原稿2の画像情報が読み取られる。このスキャナーユニット3によって読み取られた原稿2の画像情報は、図示しない一時記憶装置に記憶され、必要に応じて所定の画像処理が施された後、この画像処理が施された画像情報に応じてROS29( Raster Output Scanner)によって感光体ドラム30上に画像露光が施され、静電潜像が形成される。なお、上記感光体ドラム30の表面は、画像露光に先立ってスコロトロンや帯電ロールによって、所定の電位に一様に帯電される。この感光体ドラム30上に形成された静電潜像は、現像装置31により現像されてトナー像となった後、このトナー像は、転写帯電器32によって複写用紙33上に転写される。この複写用紙33は、デジタル複写機本体1内の下部に収容された複数の用紙トレイ34、35、36、37から、所定のサイズの用紙が給紙されるとともに、フィードセンサー38、39、40、41によって検知された後、複数配置された搬送ロール42によって感光体ドラム30手前のレジストロール43まで一旦搬送され、このレジストロール43によって感光体ドラム30上に形成されたトナー像と同期して、当該感光体ドラム30の表面へと搬送されるようになっている。
上記感光体ドラム30からトナー像が転写された複写用紙33は、分離帯電器44によって感光体ドラム30から分離された後、搬送ベルト45によって定着装置46へと搬送され、当該定着装置46で熱及び圧力によってトナー像が複写用紙33上に定着されて、装置の外部に配置された後処理装置51のスタックトレイ47上に排出され、画像の複写工程を終了する。
なお、上記トナー像の転写工程が終了した感光体ドラム30の表面は、クリーニング装置48によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の複写工程に備えるようになっている。
また、上記デジタル複写機で両面複写を行なう場合には、片面に画像が複写された複写用紙33をそのままスタックトレイ47上に排出せずに、搬送経路を切り換えて用紙反転経路49へと一旦搬送して、複写用紙33の表裏を反転した状態で搬送路50を介して、感光体ドラム30下部の画像形成部へと再度搬送することにより、複写用紙33の裏面に画像を複写した後に、当該複写用紙33をスタックトレイ47上に排出するように構成されている。
ところで、上記の如く構成される画像形成装置としてのデジタル複写機は、図1に示すように、その一側面に、当該デジタル複写機から排出された用紙に対して、パンチ処理、丁合処理、あるいはステープル処理等の後処理を行う後処理装置51を備えている。
この後処理装置51のデジタル複写機と対向する側面には、図1に示すように、デジタル複写機によって片面又は両面に画像が形成され、当該デジタル複写機から排出された用紙33を導入する導入口52が設けられている。上記後処理装置51の内部には、導入口52から導入された用紙33を搬送する搬送ロール53が配設されており、当該搬送ロール53の下流側には、後述する用紙供給装置から供給される用紙と合流する合流部54が設けられている。また、上記合流部54の下流側には、後処理部としてのパンチ処理装置55が配設されているとともに、当該パンチ処理装置55の下流側には、切換ゲート56が設けられている。上記デジタル複写機によって画像が形成された用紙33をそのままスタックトレイ57上に排出する場合には、切換ゲート56によって上方の搬送ロール58側に用紙33の搬送方向が切り換えられ、デジタル複写機によって画像が形成された用紙33は、搬送ロール58によってスタックトレイ57上にそのまま排出される。一方、上記デジタル複写機によって画像が形成された用紙33に対して、パンチ処理、丁合処理、あるいはステープル処理等の後処理を行なう場合には、切換ゲート56によって水平方向の搬送ロール59側に用紙33の搬送方向が切り換えられ、必要に応じて、ステープル装置60による丁合処理及び/又はステープル処理が行なわれた後、排出ロール61によってスタックトレイ62上にソーティングされた状態で排出される。
図3乃至図8は上記後処理装置の内部に配設されたパンチ処理装置を示すものである。このパンチ処理装置では、2穴のパンチ処理と、3穴のパンチ処理の2種類のパンチ処理が、選択的に実行可能となっている。
このパンチ処理装置55は、図1に示すように、後処理装置51の内部において、用紙33に対して後処理を施す搬送経路63の上流側に配設されている。上記パンチ処理装置55は、図3及び図4に示すように、上側シュート64と下側シュート65とからなるシュートフレーム66を備えており、上側シュート64と下側シュート65との間には、用紙33が通過するためのスリット状の通路67が形成されている。
上記パンチ処理装置59には、用紙33に2穴を開けるための第1の穿孔機構部68と、3穴を開けるための第2の穿孔機構部69が、一体的に設けられている。上記第1の穿孔機構部68は、2穴用穿孔刃70と、これらの2穴用穿孔刃70を駆動する2穴用カム71と、2穴用穿孔刃70の上端部を2穴用カム71に圧接させる圧縮バネ72とを備えている。上記2穴用穿孔刃70は、用紙33の搬送方向と直交する方向に、用紙33の中心線に対して対称な位置に所定の距離を隔てて配置されている。また、第2の穿孔機構部69は、3穴用穿孔刃73と、これらの3穴用穿孔刃73を駆動する3穴用カム74と、3穴用穿孔刃73を3穴用カム74方向に付勢する圧縮バネ75とを備えている。上記3穴用穿孔刃73は、用紙33の搬送方向と直交する方向に、用紙33の中心線に対応した位置と、当該中心線に対して対称な位置に2穴用穿孔刃70よりも大きな距離を隔てた位置に、合計3つ配置されている。
上記2穴用穿孔刃70と3穴用穿孔刃73は、図6に示すように、上側シュート64及び下側シュート65からなるシュートフレーム66を貫通して上下方向に移動可能となっている。上側シュート64及び下側シュート65には、2穴用穿孔刃70及び3穴用穿孔刃73の径に対応する貫通孔76及び77が形成されており、下側の貫通孔77の周囲は穿孔刃70、73に対する受け刃を構成している。また、上側シュート64には、受け刃を案内するための穿孔刃ガイド部材78が設けられている。用紙33は、上側シュート64と下側シュート65の間の通路67を矢印A方向に通過し、用紙33が静止状態にあるときに、穿孔刃70、73を用紙搬送面に貫通して突出させることにより穿孔処理が行なわれる。
上記2穴用穿孔刃70及び3穴用穿孔刃73によってパンチ処理が施された用紙33のパンチ屑は、図7に示すように、当該2穴用穿孔刃70及び3穴用穿孔刃73が、下側シュート65の貫通孔77を貫通した状態で、パンチ屑回収箱79内に回収されるようになっている。
前記2孔用カム71と3孔用カム74は、図3乃至図6に示すように、共通のカム軸80に取り付けられている。2孔用カム71と3孔用カム74は、それぞれ略楕円形状に形成されている。図6に示すように、2孔用カム71の形状と3孔用カム74の形状は同一であるが、カム軸80に対する取り付け位置が180度異なっている。すなわち、カム軸80の回転に対する位相が180度異なっている。
カム軸80は、図3及び図4に示すように、上側シュート65に設けられた軸受部材81により回転自在に支持されている。カム軸80の一端にはプーリ82が取り付けられており、このプーリ82には、駆動モータ83の回転がタイミングベルト84を介して伝えられる。この実施の形態においては、駆動モータ83として、正転及び逆転可能なDCモータ或いはパルスモータが使用される。また、カム軸80の一端には、図8に示すように、カム軸80の中心から半径方向に突出する遮光板85が取り付けられている。カム軸80に関して対称位置にカムホームセンサ86とカムポジションセンサ87が配置されており、遮光板85がカムホームセンサ86或いはカムポジションセンサ87に対向したときに、カムホームセンサ86或いはカムポジションセンサ87がオンとなる。
そして、上記パンチ処理装置59では、カム軸80を180度異なる方向に回転させることにより、2穴のパンチ処理と3穴のパンチ処理とが選択的に実行可能となっているとともに、カム軸80を360度回転させることにより、5穴のパンチ処理も実行可能となっている。
更に、シュートフレーム64の用紙入口側には、図5に示すように、用紙33の進入を検出する用紙センサ88が設けられている。
図9は上記後処理装置の内部に配設されたステープラを示すものである。
上記搬送ロール59によって搬送された用紙33が載置されるシート載置部材90は、図9に示すように、後処理装置本体51の内部に傾斜した状態で取付けられており、このシート載置部材90の先端部には、図10に示すように、用紙33の一端縁を整合させる基準フェンス91が回動可能に取付けられている。そして、上記搬送ロール59によって搬送された用紙33は、傾斜した状態で取付けられたシート載置部材90上に載置されるとともに、Y方向は図9に示すようにタンパー92によって、X方向は紙揃え手段としての複数のブレードを備えたパドル93によって、シート載置部材90の傾斜に従って移動し、用紙33の端縁が基準フェンス91に当接した状態で紙揃えされるようになっている。その結果、上記搬送ロール59によって順次搬送される用紙33は、その一端縁が基準フェンス91で整合された状態で、シート載置部材90上に順次積層される。なお、上記基準フェンス91の先端部91aは、シート載置部材90上に積層される用紙33の脱落を確実に防止するため、手前側に折り返されている。
さらに、上記基準フェンス91は、下方に回動することによって退避可能となっている。この基準フェンス91は、図6に示すように、回転シャフト94に取付けられており、当該回転シャフト94は、シート載置部材90上に立設された支持板95にベアリング96を介して回転自在に軸支されている。上記回転シャフト94の一端には、基準フェンス91を回動させるため、軸部97を備えたL字形板98がネジ止めされている。さらに、上記L字形板98の軸部97は、図11に示すように、回動部材99に設けられたU字形状の溝部100に緩く挿入されており、この回動部材99は、駆動モータ101によって回転駆動されるギア102を噛合するギア部103を備えている。そして、上記基準フェンス91は、駆動モータ101を回転駆動することによって回動部材99を回動させ、この回動部材99のU字形状の溝部100に緩挿された軸部97を介して、下方に例えば100度の角度に渡って回動可能となっている。
また、上記シート載置部材90には、当該シート載置部材90上に載置され、ステープリング処理された複数枚の用紙33のセットを排出するためのイジェクトロール104が、図示しない駆動手段によって回転可能に、幅方向に沿って2つ配置されている。
さらに、上記イジェクトロール104の上方には、当該イジェクトロール104とともに積層された用紙33を挟持した状態で保持し、かつステープリング処理が終了した後に、用紙33を後処理装置本体51の外部に設けられた排出トレイ62上に搬送するピンチロール61が配置されている。このピンチロール61は、図9に示すように、板バネからなる取付板105の先端部に回転自在に取付けられており、当該取付板105は、回転シャフト106を中心にして回動可能に取付けられている。上記回転シャフト106の一端部には、図12に示すように、当該取付板105を回動させるための腕部材108が取付けられており、この腕部材108には、駆動モータ109によって回転駆動され、かつ当該駆動モータ109の回転軸110に対して偏心した位置に取付けられた偏心コロ111が当接するようになっている。また、上記駆動モータ109の回転軸110には、所定の角度に渡ってスリット112が設けられたスリット板113が取付けられており、このスリット板113のスリット112は、180度対向する位置に配置された2つのセンサー114、115によって検知されるようになっている。そして、上記取付板105は、駆動モータ109を回転駆動すると、当該駆動モータ109によって回転駆動される偏心コロ116が腕部材108を押し下げ、腕部材108が取付けられた回転シャフト106を回動することによって、ピンチロール61がインジェクトロール104とともに用紙33を挟持するようになっている。その際、上記ピンチロール61の移動量及び移動タイミングは、スリット板113とセンサー114、115とによって制御される。
また、上記後処理装置本体51の内部には、シート載置部材90上に載置され、その端縁が基準フェンス91で整合された複数枚の用紙33を綴じるステープラ60が取付けられたステープラ部116が、移動機能117によって用紙33の端縁に沿って平行に移動可能に配置されている。
上記ステープラ部116の移動機構117は、図13に示すように、ステープラ部116を用紙33の端縁に沿って平行に案内するガイドレール118を備えており、このガイドレール118は、A4サイズの用紙33であってその長手方向の長さに対応した直線部118aと、この直線部118aの両端に45度傾斜するようにそれぞれ連設された傾斜部118b、118cとを有している。上記ガイドレール118は、ステープラ部116の上端部に移動方向に沿って設けられた2つのガイドローラ119、120が、嵌合された状態で走行するようになっている。そのため、上記ステープラ部116が移動する軌跡は、ガイドレール118の形状に規定されている。また、上記ガイドレール118は、図9及び図13に示すように、ガイド板121に設けられた凹所122に嵌合された状態でネジ止めされており、当該ガイド板121上は、図9及び図13に示すように、ステープラ部116の上端部に当該ステープラ部116の移動方向と直交する方向に、片側に2つ、反対側に1つ回転自在に取付けられたガイドローラ123、123、124が走行するようになっている。その結果、上記ステープラ部116は、移動方向と直交する方向の位置がガイドレール118内を走行する2つのガイドローラ119、120によって規制されるとともに、上下方向の位置がガイド板121上を走行する3つのガイドローラ123、123、124によって規制された状態で、移動するように構成されており、当該ステープラ部116が移動する平面は、シート載置部材90上に載置された用紙33と同一の平面を形成するようになっている。
さらに、上記ガイドレール118が取付けられたガイド板121は、図9に示すように、後処理装置本体51に傾斜した状態で固定配置された取付基板125によって、図14に示すように、ブッシュ126を介して一定の間隔を維持するように、複数の個所でネジ127止めされている。また、上記取付基板125には、ステープラ部116を移動させるための駆動ベルト128を、循環移動自在に支持する5つの従動プーリ129が回転自在に取付けられている。上記駆動ベルト128は、図13に示すように、5つの従動プーリ129に掛け回されているとともに、その一部128aがステープラ部116に連結固定されている。上記5つの従動プーリ129のうち、中央部の従動プーリ129aは、ステープラ部116の移動方向と直交する方向に移動自在に支持されているとともに、図示しないスプリングによって駆動ベルト128に常に一定の張力を付与するように付勢されている。
また、上記5つの従動プーリ129のうち、一端部の従動プーリ129bには、図15に示すように、駆動モータ130によって回転駆動される駆動プーリ131との間に、駆動力伝達用のベルト132が掛け回されている。そして、上記駆動ベルト128は、駆動モータ130を回転駆動することによって、任意の方向に任意の量だけ往復移動可能となっており、当該駆動ベルト128に連結されたステープラ部116を移動させるものである。なお、上記従動プーリ129や駆動プーリ131は、ガイド板121と取付基板125との間に配設されている。
上記駆動ベルト128によって駆動されるステープラ部116は、図9及び図13に示すように、当該ステープラ部116に取付けられた位置検知用部材133を、後処理装置本体51側に設けられた基準位置センサ134で検知することによって基準位置が検出され、その後の駆動ベルト128を駆動する駆動モータ130の回転量を制御することによって、移動位置が制御されるようになっている。
また、上記ステープラ60は、図9に示すように、当該ステープラ部116に固定した状態で取付けられた固定部135と、固定部135に対して当接するように支点を中心にして回動し、内部に収容されたステープラの針を突出させて、積層された複数枚の用紙33を貫通し、固定部135のダイによって針の先端部を互いに向き合うように折り返してステープリング処理を行なう可動部136とから構成されている。このステープラ60の可動部136は、駆動モータ137によって回転駆動される複数のギア138を介して、支点を中心にして固定部135に対して当接するように回動可能となっている。また、上記ステープラ60は、基準フェンス91が退避した後に、固定部135と可動部136が用紙33の端縁部を介して対向するように移動する。その際、上記ステープラ60の固定部135と用紙33の表面とは、図9に示すように、互いに平行となるようにステープラ60がガイドレール118及びガイド板121に取付けられている。
ところで、この実施の形態では、少なくとも1つ以上の後処理部と、画像形成装置から排出される用紙を受け取り後処理部へ搬送する搬送手段とを有する後処理装置と組み合わせて使用される用紙供給装置において、複数枚の用紙を積載した状態で収容する用紙積載台と、前記用紙積載台に積載された用紙を1枚ずつ搬送する給紙手段とを有する用紙供給部を複数備え、前記複数の用紙供給部から供給された用紙を、前記後処理装置の後処理部の上流で用紙を後処理部に搬送する搬送手段と合流させるように構成されている。
また、この実施の形態では、前記複数の用紙供給部が、上下方向に沿って配設されるように構成されている。
さらに、この実施の形態では、前記複数の用紙供給部が、前記後処理装置の搬送手段との合流位置から離れた用紙供給部から順番に着脱可能に構成されているとともに、装着されている用紙供給部の数を認識する認識手段を設けるように構成されている。
すなわち、この実施の形態では、図1に示すように、後処理装置本体51の下方に、当該後処理装置本体51に用紙を供給する用紙供給装置140が配設されている。この用紙供給装置140は、図16に示すように、複数枚の用紙を積載した状態で収容する用紙積載台141と、前記用紙積載台141に積載された用紙142を1枚ずつ搬送する給紙手段としてのナジャーロール143、フィードロール144及びリタードロール145を有する用紙供給部146が、複数(図示例では、2つ)配設されている。
上記用紙供給装置140の各用紙供給部146は、すべて同様に構成されている。この各用紙供給部146は、図に示すように、後処理装置本体51の下部に複数段(図示例では、2段)上下方向に沿って積載した状態で配置されており、当該用紙供給部1461 、1462 は、給紙カセット147を備えている。
上記給紙カセット147は、図8に示すように、上面が開口した平面矩形状の箱体状に形成されており、当該給紙カセット147は、用紙供給部146の手前側に引き出し可能となっている。上記給紙カセット147の内部には、内部に収納された多数枚の用紙142を載置するための用紙積載台(ボトムプレート)141が、傾動自在に設けられている。また、上記給紙カセット147の内部に収容される用紙142としては、例えば、後処理装置で後処理が施される1セットの用紙の束の表紙や裏表紙、あるいはこの1セットの用紙の中に挿入されるカラー画像を形成した用紙などが挙げられる。この用紙積載台141は、図16に示すように、給紙カセット147内の背面側の両側面に突設された回転軸148に、傾動自在に取り付けられている。また、上記給紙カセット147の内部には、用紙積載台141の先端側の下方に、当該用紙積載台141を押し上げる押上げレバー149が配置されており、この押上げレバー149は、負荷軸150の断面矩形状の部分にネジ止め等の手段により固着されている。上記負荷軸150は、給紙カセット147の底部に設けられた軸受け部に回動自在に軸支されている。そして、上記負荷軸150を図示しないモータで回転駆動することにより、用紙積載台141を上下動させるようになっている。
上記給紙カセット147の用紙積載台141上に載置された用紙142は、ナジャーロール143によって給紙され、フィードロール144とリタードロール145によって1枚ずつ分離された状態で供給されるようになっている。上記フィードロール144及びリタードロール145によって1枚ずつ分離された状態で供給される用紙142は、テイクアウエイロール151によって、後処理装置本体51の内部へと搬送される。上記用紙供給装置140の用紙供給部1461 、1462 から供給された用紙142は、後処理装置本体51の内部へと搬送され、当該後処理装置本体51の内部に設けられた搬送経路63の合流部54において、当該搬送経路63と合流するようになっている。上記後処理装置本体51内の合流部54は、パンチ処理装置55の上流側に位置するように配置されている。なお、図18中、152は各用紙供給部146の左側の端部に設けられ、下方の用紙供給部146から給紙される用紙を上方へ搬送するための搬送路を示している。
また、この実施の形態では、図1に示すように、複数の用紙供給部1461 、1462 が、用紙供給装置140に対して着脱可能に構成されているとともに、これら複数の用紙供給部1461 、1462 は、後処理装置本体51の搬送経路63との合流部54から離れた用紙供給部1462 、図示例では下方の用紙供給部から順番に着脱されるようになっている。上記用紙供給装置140は、用紙供給部146を3つ装着する場合には、図1に示すように、既に装着されている用紙供給部1462 の下方に、他の用紙供給部146を増設するように構成されている。
さらに、この実施の形態では、図1に示すように、用紙供給装置140に装着されている用紙供給部146の数を認識する認識手段151が設けられている。この認識手段151としては、例えば、用紙供給部146の背面側に設けられたマイクロスイッチ等からなるものが用いられる。
図17は、後処理装置及び用紙供給装置の動作を制御するための電気回路の原理的なブロック図である。なお、この実施の形態では、後処理装置及び用紙供給装置の動作を制御するための電気回路は、画像形成装置としてのデジタル複写機の内部に設けられている。従って、上記デジタル複写機と用紙供給装置140が装着された後処理装置とは、図示しない制御ケーブルを介して互いに電気的に接続されている。しかし、これに限定されるものではなく、後処理装置及び用紙供給装置の動作を制御するための電気回路を、当該用紙供給装置が装着される後処理装置51等に設けても良いことは勿論である。
コントロールパネル160は、後処理装置及び用紙供給装置の動作モードの設定を含む各種の指示をデジタル複写機に対して入力したり、入力された情報やデジタル複写機の動作状態を表示するためのものである。コントロールパネル160からは、用紙供給装置から所望の用紙を供給するか否か、後処理装置51内のパンチ処理装置59を動作させるか否か、すなわち、パンチモードを設定するか否かの指示、パンチ処理装置59を2穴モードで動作させるか3穴モードで動作させるかの指示、用紙33の排出モードを、ノンソートモード、ソートモード、スタックモードのどのモードにするかの指示等を入力する。
コントロールパネル160からの信号は、認識手段151、カムホームセンサ86、カムポジションセンサ87、用紙センサ88等からの入力信号と共にマイクロプロセッサ91に供給される。パンチモードが設定されたか否かの情報、2穴モードであるか3穴モードであるかの情報、用紙排出モードの情報等は、マイクロプロセッサ161内のRAM等に格納される。
マイクロプロセッサ161は、これらの入力信号に応じて、用紙供給装置140、後処理装置のパンチモータ制御回路92を介してパンチモータ83の回転の開始及び停止と回転方向を制御し、また、用紙搬送モータ制御回路93を介して用紙搬送モータ94を制御する。用紙搬送モータ94は、各ロール55、56、57、58、61等を回転駆動するものである。
以上の構成において、この実施の形態に係る用紙供給装置を用いた画像形成システムでは、次のようにして、非常に簡単な操作で、所望の用紙を後処理装置に供給することができ、しかも構成が簡単で低コスト化が可能であり、希望に応じて複数種類の用紙を供給することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態では、用紙供給装置を備えた後処理装置の電源が、デジタル複写機の電源投入と同時にON状態となると、図18に示すように、当該用紙供給装置に用紙供給部がいくつ装着されているかを認識する動作が行われる。この図18に示すフローチャートは、2つの用紙供給部が標準で装備されている用紙供給装置のケースを示すものである。
まず、マイクロプロセッサ161は、マイクロスイッチ等からなる認識手段151によって、追加の用紙供給部146があるか否かを判別し(ステップ101)、追加の用紙供給部146がない場合には、用紙供給装置140の用紙供給部146を設定する設定手段を兼ねるマイクロプロセッサ161は、用紙供給部146の段数を2段に設定する(ステップ102)。
一方、追加の用紙供給部146があることを検知した場合には、追加された用紙供給部146が1段か否かを判別し(ステップ103)、追加された用紙供給部146が1段である場合には、用紙供給部146の段数を3段に設定する(ステップ104)。また、追加の用紙供給部146があり、しかも追加された用紙供給部146が1段でない場合には、用紙供給部146の段数を4段に設定する(ステップ105)。
なお、この実施の形態では、用紙供給装置140が4つの用紙供給部146を装着可能に構成されているものである。
また、画像形成装置のコントロールパネル160の画像を用いて、いくつの用紙供給部146が用紙供給装置140に装着されているかを設定するように構成しても良い。さらに、画像形成装置等の制御回路がバッテリーを搭載しており、電源が切られても設定を維持するように構成されている場合には、電源投入の度に図18に示すような認識動作を実行する必要はない。
図19は標準で用紙供給装置に用紙供給部が1つも装着されていない場合の制御動作を示すものである。
この場合には、まず、マイクロプロセッサ161は、用紙供給装置140が装着されているか否かを判別し(ステップ201)、用紙供給装置140が装着されていない場合には、用紙供給設定手段を画像形成装置のコントロールパネル160に表示しない(ステップ202)。一方、用紙供給装置が装着されている場合には、当該用紙供給装置140の用紙供給部146が1段か否かを判別し(ステップ203)、用紙供給部146が1段の場合には、用紙供給装置設定手段を1段に設定する(ステップ204)。また、上記用紙供給装置140の用紙供給部146が1段でない場合には、用紙供給部146が2段か否かを判別し(ステップ205)、用紙供給部146が2段の場合には、用紙供給装置設定手段を2段に設定する(ステップ204)。さらに、上記用紙供給装置140の用紙供給部146が2段でない場合には、用紙供給部146が3段か否かを判別し(ステップ207)、用紙供給部146が3段の場合には、用紙供給装置設定手段を3段に設定するとともに(ステップ208)、用紙供給部146が3段でない場合には、用紙供給装置設定手段を4段に設定する(ステップ209)。
図20は用紙供給装置140に3段の用紙供給部146が装着されている場合であって、しかも各用紙供給部146に対して各々異なった用紙を収容する、例えば、第1の用紙供給部146と第2の用紙供給部146の両方に対して表紙を供給するという設定ができないように設定された場合を示すものである。
この実施の形態の例では、用紙供給装置140に対して用紙供給部146を4つまで装着可能となっているが、用紙供給部146が3つのみ装着されているため、4つ目の用紙供給部146を表示するボタンは消えた状態となっている。なお、用紙供給装置140に用紙供給部146が1台も装着されていない場合には、図20に示す画面そのものが、画像形成装置のコントロールパネル160に表示されない。
また、上記画像形成装置のコントロールパネル160の表示部は、図20に示すように、例えば、用紙供給1のボタン171を押すと、用紙供給1のボタンの色が変わり、第1の用紙供給部146から供給される用紙142を、どこに挿入するかを設定できるようになっている。その際、上記用紙の挿入位置を示す表紙、裏表紙は、ボタン175、176が設けられているが、1セットの用紙の途中に挿入する場合は、コピー枚数設定ボタン等を使って設定し、また矢印ボタン177、178で1ページずつ変化させることが可能となっている。
さらに、上記用紙供給装置140の各用紙供給部146には、当該用紙供給部146に収容された用紙142の有無を検知する図示しない検知スイッチが設けられており、用紙供給ボタンを押すと、それに対応する用紙供給部146に用紙142が有るか無いかを認識して、用紙142が無ければ用紙補給表示を、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部等に表示するようになっている。
なお、上記の如く用紙供給ボタンを押した時点ではなく、画像形成動作の開始時に、用紙が無ければ用紙補給表示を、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部等に表示するように構成してもよい。これは、ユーザーが用紙供給装置140によって用紙供給の設定をしてから、実際に供給する用紙を用紙供給部146にセットすることがあり、設定する毎に警告表示を出していると煩わしいことも考えられるためである。
また、上記用紙供給装置140で設定したすべての用紙供給部146が紙有りでなければ、画像形成動作の開始を受け付けず、その旨を画像形成装置のコントロールパネル160の表示部等に表示するように設定されている。
さらに、上記用紙供給装置140の各用紙供給部146が互いに近接して、そのままでは用紙のセットができない場合には、各用紙供給部146の給紙カセット147を手前側に引き出し可能に構成し、当該各用紙供給部146の給紙カセット147を手前側に引き出した状態で、用紙142をセットするように構成される。
この場合には、各用紙供給部146の給紙カセット147が用紙供給可能な位置に設定されていなければならず、これを検知するため、各用紙供給部146の給紙カセット147が用紙供給可能な位置にあることを検知する図示しない検知スイッチが設けられている。
そして、用紙供給ボタンを押すと、それに対応する用紙供給部146の給紙カセット147が用紙供給可能な位置にあるか否かが検知され、給紙カセット147が用紙供給可能な位置になければ、給紙カセット147を所定の位置にセットするように表示を出すようになっている。また、この表示は、用紙供給ボタンを押した時点ではなく、画像形成動作の開始時に表示するようにしても良い。そして、設定されている用紙供給部146の給紙カセット147のすべてが、用紙供給可能な位置になければ、画像形成動作の開始は受け付けない。
上記のような一連の動作の後、この実施の形態では、画像形成動作開始ボタンが押されて、画像形成動作が開始されると、図1に示すように、デジタル複写機において、一連の原稿の画像が読み取られ、当該原稿の画像がデジタル複写機によって用紙33の片面又は両面に複写される。上記デジタル複写機によって原稿の画像が複写され、当該デジタル複写機本体1から排出された用紙33は、導入口52から後処理装置本体51の内部に搬送される。
この後処理装置本体51の内部に搬送された用紙33は、当該後処理装置本体51の内部に配設されたパンチ処理装置55や、ステープラ60によって所望の後処理が施される。上記パンチ処理装置55によって穿孔処理を施す場合には、デジタル複写機本体1から排出された用紙33や、用紙供給装置140から供給される用紙142に対して、1枚ずつ穿孔処理が施される。また、上記ステープラ60によってステープリング処理を施す場合には、図9に示すように、1セットの用紙をシート載置部材90上に整合した状態で載置し、ステープラ60によってステープリング処理が施される。
その際、上記デジタル複写機本体1から排出された1セットの用紙33に対して、表紙や裏表紙を追加したり、1セットの用紙33の途中にカラー画像を形成した用紙等を挿入したりする場合には、図1に示すように、用紙供給装置140から表紙や裏表紙、あるいはカラー画像を形成した用紙等からなる用紙142が供給される。この用紙供給装置140から供給される用紙142は、当該用紙供給装置140の複数の用紙供給部1461 、1462 に収容される。上記用紙供給装置140には、例えば、上側の用紙供給部1461 に1セットの用紙33の表紙が収容され、下側の用紙供給部1462 に1セットの用紙33の裏表紙が収容される。
そして、上記用紙供給装置140によって1セットの用紙33の表紙と裏表紙を供給し、1セットの用紙33に表紙と裏表紙を追加した状態で、後処理装置によってステープリング処理を施す場合には、図1に示すように、用紙供給装置140の上側の用紙供給部1461 から、表紙となるべき用紙142を後処理装置本体51の内部に供給し、当該表紙となるべき用紙142を、搬送経路63を介して、シート載置部材90上に搬送する。これに続いて、上記デジタル複写機本体1から排出される1セットの用紙33を、後処理装置本体51内のシート載置部材90上に搬送して載置した後、用紙供給装置140の下側の用紙供給部1462 から、裏表紙となるべき用紙142を後処理装置本体51の内部に供給し、シート載置部材90上に搬送する。その後、上記後処理装置本体51のシート載置部材90上に載置された表紙と、1セットの用紙33と、裏表紙は、当該シート載置部材90上に載置された状態で整合され、ステープラ60によってステープリング処理が施される。
その際、画像形成動作中に、上記用紙供給装置140に設定されている用紙供給部146のいずれかが紙無しを検知したり、給紙カセット147が用紙供給可能位置にないことを検知した場合には、現在、画像形成動作中の用紙で画像形成動作を終了させ、画像形成動作を中断する。そして、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部等に、用紙供給装置140の用紙補給表示または給紙カセットのセット表示を表示するようになっている。
実施の形態2
図21はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、用紙積載台上に積載された用紙の有無を検知する用紙検知手段を有した用紙供給装置と、前記用紙供給装置から供給される用紙を、画像形成装置で画像が形成された1セットの用紙のどの位置に挿入するかを設定する設定手段とを有した画像形成装置とを備えた画像形成システムであって、前記用紙供給装置に装着された2つ以上の用紙供給部は、1セットの用紙の同じ位置に用紙を供給することが可能に設定され、前記1セットの用紙の同じ位置に用紙を供給するように設定された2つ以上の用紙供給部は、用紙を供給する優先順位が決められており、供給すべき用紙の有無に応じて優先順位に従って用紙を供給するように構成したものである。
すなわち、この実施の形態2では、図21に示すように、用紙供給装置140の2つ以上の用紙供給部146に同じ用紙をセットして、これら2つ以上の用紙供給部146から、1セットの用紙142の同じ位置に用紙を供給することが可能に設定されている。
図21に示す例では、第1及び第2の用紙供給部146の両方に表紙を、第3及び第4の用紙供給部146の両方に裏表紙をセットした場合を示している。ここでは、用紙供給装置140に4つの用紙供給部146が装着可能となっていて、4つの用紙供給部146がすべて装着されているため、すべての用紙供給ボタンが設定可能となっている。
このように、2つ以上の用紙供給部146に同じ用紙をセット可能とした場合には、複数の用紙供給部146の給紙動作における優先順位を決めることが必要であるが、この例では、2つ以上の用紙供給部146のうち、後処理装置に対して近い方を優先としている。こうすることによって、用紙供給部146から後処理装置51までの用紙搬送距離を短くすることができるため、紙詰まり等の発生率を低くすることができるためである。
図21に示す実施の形態の場合には、表紙は第1の用紙供給部146が第1優先、第2の用紙供給部146が第2優先、裏表紙は第3の用紙供給部146が第1優先、第4の用紙供給部146が第2優先となっている。次に、第1及び第3の用紙供給部146が紙無し時は、第2及び第4の用紙供給部146がそれぞれ第1優先となる。
こうすることにより、ジョブの途中で第1又は第3の用紙供給部146が紙無し状態となった場合でも、第2及び第4の用紙供給部146から同じ用紙を供給することができるため、ジョブを中断することなく、用紙の供給及び補給が可能となる。
また、上記用紙供給装置140の設定時には、用紙供給ボタンを押すと、それに対応する用紙供給部146に用紙142が有るか無いかを検知し、用紙が無ければ用紙補給表示を、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部に表示する。
ここで、他の用紙供給部146で同じ用紙142を供給するように設定されており、他の用紙供給部146に同じ用紙142が有る場合には、用紙補給表示を表示しない。これに対して、同じ用紙142を供給するように設定されている用紙供給部146のすべてが紙無しの場合には、用紙補給表示を表示するようになっている。
また、上記の如く用紙供給ボタンを押した時点ではなく、画像形成動作の開始時に、用紙が無ければ用紙補給表示を、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部等に表示するように構成してもよい。その理由は、前述した通りである。
そして、同じ設定となっている複数の用紙供給部146を、1つのグループとした場合、いずれかのグループのすべての用紙供給部146が紙無し状態である場合には、画像形成動作の開始は、受け付けないようになっている。
さらに、上記複数の用紙供給部146の給紙カセット147が、用紙供給可能位置に有るか無いかを検知する手段を備えている場合には、第1優先の用紙供給部146が紙無し又は用紙供給可能位置になければ、第2優先の用紙供給部146が第1優先となる。
そして、用紙供給ボタンが押されると、それに対応する用紙供給部146に用紙142が有るか無いか、及び給紙カセット147が用紙供給可能位置に有るか無いかを検知し、紙無し又は用紙供給可能位置に無い場合には、いずれかの表示を出力する。ここで、他の用紙供給部146で同じ設定がされており、当該他の用紙供給部146で紙有りで、且つ用紙供給可能位置に有るならば、上記の表示は出力しない。また、上記の如く用紙供給ボタンを押した時点ではなく、画像形成動作の開始時に、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部に表示するように構成してもよい。
そして、同じ設定となっている複数の用紙供給部146を、1つのグループとした場合、いずれかのグループのすべての用紙供給部146が紙無し状態である場合には、画像形成動作の開始は、受け付けないようになっている。
次に、画像形成動作中にいずれかのグループのすべての用紙供給部146が紙無し状態又は用紙供給可能位置にないと検知した場合には、現在、画像形成動作中の用紙で画像形成動作を終了させ、画像形成動作を中断する。そして、画像形成装置のコントロールパネル160の表示部等に、用紙供給装置140の用紙補給表示または給紙カセットのセット表示を表示するようになっている。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
実施の形態3
図22及び図23はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、用紙供給装置を画像形成装置と後処理装置の間に配置するように構成したものであり、又、後処理装置における後処理部が、前記実施の形態1と異なっている。
すなわち、この実施の形態3では、図22に示すように、用紙供給装置140を画像形成装置1と後処理装置51の間に配置するように構成されており、当該用紙供給装置140によって多数の種類が異なる用紙を供給する場合など、図示例では、用紙供給装置140の用紙供給部146が4つ示されているが、各用紙供給部146を大型なものとして、用紙の収容枚数を増やすか、あるいは用紙供給部の数を更に増設することが可能であり、用紙供給装置140を頻繁にしかも大量に使用するユーザーに適したものとなっている。
また、この実施の形態3では、用紙供給装置140から供給された用紙142が、後処理装置全体の上流側180で、当該後処理装置51の搬送手段と合流するように構成されている。
また、上記後処理装置は、サイドステープラー以外に、サドルステープラーホルダー181を備えており、積層された1セットの用紙の中央部にも、ステープリング処理が可能となっているとともに、中綴じ製本が施された1セットの用紙に対して、中折り手段によって2つに折る中折り処理等も可能となっている。
図23は上記用紙供給装置140の変形例を示すものであり、この例では、用紙供給装置140が後処理装置51の下方ではなく、後処理装置51の上部に載置した状態で取り付けられており、当該用紙供給装置140から供給された用紙142は、パンチ処理装置55の上流側182で後処理装置51の搬送手段と合流するように構成されている。
なお、前記実施の形態1〜3では、用紙供給装置に用紙供給部を2つ装着した場合について説明したが、用紙供給部を2つ装着すると、ある程度高価となるため、用紙供給部は1つでも、あるいは標準は無しという設定でもよく、ユーザーが所望の数の用紙供給部を、オプションで装着可能に構成しても勿論良い。
また、前記実施の形態1〜3では、用紙供給装置の用紙供給部が、後処理装置に近い方から順に装着可能となっている。これは、用紙供給装置の用紙供給部から後処理装置までの用紙搬送距離を短くすることができるため、紙詰まり等の発生率が低く、しかも搬送路を含め用紙供給装置としてユニット構成にした際、後処理装置に離れた順に装着可能となっていると、途中に用紙供給部が装着されていないと用紙搬送路もなくなって、この用紙供給装置とともに設けられる搬送路も存在しなくなり、別途搬送路だけを準備しなければならないためである。