JP2006282162A - 動力出力装置およびその制御方法並びに自動車 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】モータを用いてエンジンをモータリングしている最中に共振状態が継続したときに、モータリングを中止することなく共振状態を脱してエンジンを始動すること。
【解決手段】エンジンの始動指示がなされてエンジンをモータリングしている最中に共振状態が継続する共振継続状態となったときには(ステップS130)、モータMG1のトルクを増加させることができる所定条件の成立を判定し(ステップS150〜S170),所定条件が成立したときにモータのトルク指令Tm1*に共振継続状態でないときより大きな所定トルクT3を設定する(ステップS180)。こうすれば、エンジンをモータリングするモータのトルクを大きくしてエンジンの回転数を上昇させて共振継続状態を抜けることができるから、共振継続状態となってもエンジンを始動することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに自動車に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力可能な内燃機関とこの内燃機関にモータリングトルクを出力可能な電動機とを備える動力出力装置およびその制御方法並びにそのような動力装置を搭載した自動車に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動軸にリングギヤが連結されたプラネタリギヤと、このプラネタリギヤのサンギヤに連結された第1モータと、駆動軸に動力を出力する第2モータとを備え、エンジンの始動時には第1モータを用いてエンジンをモータリングするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、エンジンの始動指示がなされてエンジンをモータリングしている最中に装置が共振する共振状態が所定時間継続したときには、エンジンのモータリングを停止することにより、装置が共振状態に留まるのを抑えている。
特開平10−082332号公報
上述の動力出力装置では、エンジンを始動するためにモータリングしている最中に共振状態が所定時間継続するとエンジンのモータリングを中止してエンジンの始動を中止するが、エンジンの始動指示がなされている以上、共振状態がある程度継続してもモータリングを中止せずにエンジンを始動したいという要請がある。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに自動車は、内燃機関のモータリングが開始されてから共振状態が継続したときに、モータリングを中止することなく共振状態を脱して内燃機関を始動することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに自動車は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
該内燃機関にモータリングトルクを出力可能な電動機と、
前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
該検出された内燃機関の回転数と装置の共振回転数とに基づいて共振を推定する共振推定手段と、
前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御し、前記内燃機関のモータリングが開始されてから前記共振推定手段により共振が推定された状態が所定時間に亘って継続した共振継続状態のときに前記内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう前記電動機を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
本発明の動力出力装置では、内燃機関のモータリングが開始されてから共振推定手段により共振が推定された状態が所定時間にも亘って継続した共振継続状態のときに内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう電動機を制御する。共振継続状態のときには、内燃機関に出力しているモータリングトルクを大きくして内燃機関の回転数を上昇させるから、モータリングを中止することなく共振が推定される状態から抜けることができ、内燃機関を始動することができる。
本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記共振継続状態のときには前記電動機のモータリングトルクを大きくする所定条件に基づいて該モータリングトルクが大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記電動機の温度を検出する電動機温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出された電動機の温度が低くなるほどモータリングトルクを大きくすることができる条件を前記所定条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の温度に応じてモータリングトルクを大きくすることができる。また、前記電動機を駆動するための駆動回路と、該駆動回路の温度を検出する回路温度検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出された駆動回路の温度が低くなるほどモータリングトルクを大きくすることができる条件を前記所定条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機を駆動するための駆動回路の温度に応じてモータリングトルクを大きくすることができる。さらに、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、該蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出された蓄電手段の蓄電状態が所定蓄電以上である条件を前記所定条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の蓄電状態に応じてモータリングトルクを大きくすることができる。
本発明の動力出力装置において、前記共振継続状態に至った頻度を演算する頻度演算手段を備え、前記制御手段は、前記演算された頻度が所定頻度以上である条件を前記所定の条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、共振継続状態に至った頻度に応じてモータリングトルクを大きくすることができる。
本発明の動力出力装置において、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記電動機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2の電動機と、前記駆動軸に要求される要求動力を設定する要求動力設定手段と、を備え、前記制御手段は、前記要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されると共に前記内燃機関が始動されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記第2の電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、要求動力に基づく動力を駆動軸に出力しながら内燃機関を始動することができる。
本発明の自動車は、上述したいずれかの態様の本発明の動力出力装置、すなわち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関にモータリングトルクを出力可能な電動機と、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、該検出された内燃機関の回転数と装置の共振回転数とに基づいて共振を推定する共振推定手段と、前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御し、前記内燃機関のモータリングが開始されてから前記共振推定手段により共振が推定された状態が所定時間に亘って継続した共振継続状態のときに前記内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう前記電動機を制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなることを要旨とする。
本発明の自動車では、上述したいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載しているから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、共振継続状態のときには、内燃機関に出力しているモータリングトルクを大きくして内燃機関の回転数を上昇させるから、モータリングを中止することなく共振が推定される状態から抜けることができ、内燃機関を始動することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関にモータリングトルクを出力可能な電動機と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御し、前記内燃機関のモータリングが開始されてから前記内燃機関の回転数と装置の共振周波数とに基づいて推定される装置の共振状態が所定時間に亘って継続したときに前記内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう前記電動機を制御する
ことを要旨とする。
本発明の動力出力装置の制御方法では、内燃機関のモータリングが開始されてから内燃機関の回転数と装置の共振周波数とに基づいて推定される装置の共振状態が所定時間に亘って継続したときに内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう電動機を制御する。内燃機関に出力しているモータリングトルクを大きくして内燃機関の回転数を上昇させるから、モータリングを中止することなく共振が推定される状態から抜けることができ、内燃機関を始動することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてクランクシャフト26に取り付けられエンジン22の回転数を検出する回転数センサ23からのエンジン22の回転数Neなどエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流,モータMG1の温度を検出する温度センサ45からの温度Tmg1,インバータ41の温度を検出する温度センサ46からの温度Tinv1などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転を停止しているエンジン22を始動する際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,モータMG1の温度Tmg1,インバータ41の温度Tinv1,エンジン22の始動指示がなされてからの時間tm,共振が発生してからの時間tre,バッテリ50の出力制限Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23aからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、モータMG1の温度Tmg1やインバータ41の温度Tinv1は、温度センサ45,46により検出されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。そして、バッテリ50の出力制限Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。また、エンジン22の始動指示がなされてからの時間tmは、エンジン22の始動指示がなされると計時が開始されるタイマの計時時間を入力するものとした。さらに、共振が発生してからの時間treは、後述する共振の判定がなされると計時が開始されると共に共振が発生している状態から抜けたらリセットされるタイマの計時時間を入力するものとし、本ルーチンが実行されたときには初期値として値0が入力されているものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。
要求トルクTr*を設定すると、エンジン22の回転数Neに基づいて車両や車両に搭載した機器などに共振が発生しているか否かを判定し(ステップS120)、共振が発生していると判定されたときには、共振が発生してからの時間treが共振の継続を許容できる時間の閾値tref1より長いか否かを判定する(ステップS130)。ここで、ステップS120の処理における共振の判定は、車両や車両に搭載した機器などに共振が発生するときのエンジン22の回転数を共振回転数Nre(例えば、400rpm)として予め実験などで定めておき、エンジン22の回転数Neが共振回転数Nreを含む所定範囲内(例えば、300rpmから500rpmの範囲内)の回転数であるときに共振の発生を判定するものとした。
共振が発生していないときや、共振が発生していても共振が発生してからの時間treが閾値tref1以下であるときには、通常のモータリングが可能であると判断して、モータリングが開始されてからの時間tmに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS140)。モータMG1のトルク指令Tm1*は、実施例では、モータリングが開始されてからの時間tmとトルク指令Tm1*との関係を予め定めてトルク指令設定用マップとしてROM74に記憶しておき、時間tmが与えられると記憶したマップから対応するトルク指令Tm1*を導出して設定するものとした。トルク指令設定用マップの一例を図4に示す。モータMG1のトルク指令Tm1*は、図示するように、エンジン22の始動要求がなされた時間t0の直後から徐々に大きくなって時間t1以降に比較的大きな所定トルクT1となり、時間t1から所定時間tref2が経過した時間t2から徐々に小さくなって時間t3に所定トルクT2となり、時間t3から所定時間tref3が経過した時間t4から徐々に小さくなって時間t5に値ゼロになるよう設定される。ここで、所定トルクT1および所定時間tref2は、エンジン22の回転数Neを迅速に上昇させ共振回転数Nrefを迅速に超えることができるトルクおよび時間として設定され、エンジン22やバッテリ50の性能などにより定められる。また、所定トルクT2および所定時間tref3は、モータMG1の消費電力の上昇を抑えながらエンジン22の回転数Neをさらに上昇させることができるトルクおよび時間として設定され、エンジン22やバッテリ50の性能などにより定められる。
共振が発生してからの時間treが閾値tref1より長いときには、つまり、共振が発生している状態が所定期間(閾値tref1)継続している共振継続状態でありこれ以上共振が継続すると共振による振動で車両に搭載された機器などに影響が生じることがあると判断して、モータMG1の温度Tmg1がモータMG1に印加する相電流を増加させるとモータMG1のコイルが高温に至ることが推定される温度の閾値Tref1より低いか否かや(ステップS150)、インバータ41の温度Tinv1がインバータ41の電流を増加させるとインバータ41が高温に至ることが推定される温度の閾値Tref2より低いか否かや(ステップS160)、バッテリ51の残容量(SOC)がモータMG1をより高いトルクで駆動することが可能な残容量の閾値SOCrefより大きいか否かを判定する(ステップS170)。モータMG1の温度Tmg1が閾値Tref1より低く、インバータ41の温度Tinv1が閾値Tref2より低く、且つ、バッテリの残容量(SOC)が閾値SOCrefより大きいときには、モータMG1のトルクを増加させることが可能であると判断して、モータトルク指令Tm1*に所定トルクT1より大きい所定トルクT3を設定する(ステップS180)。ここで、所定トルクT3は、所定トルクT3をモータトルク指令Tm1*としたときにエンジン22の回転数を上昇させることができるようなトルクとして設定されており、モータMG1の温度Tmg1が低くなるほど大きくなり、インバータ41の温度Tinv1が低くなるほど大きくなるよう設定される。このように設定するのは、モータMG1の温度Tmg1が低くなり、インバータ41の温度Tinv1が低くなるほどモータMG1のコイルやインバータ41が高温に至るまでの温度余裕があるため、モータMG1から出力するトルクをより大きくすることができるからである。
こうして、モータMG1のトルク指令Tm1*が設定されると、バッテリ50の出力制限Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tmaxを次式(1)により計算する(ステップS200)。
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (1)
続いて、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(1)により計算する(ステップS210)。式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。図5はエンジン22をモータリングしている最中における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2に減速ギヤ35のギヤ比Grを乗じたリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、図5の共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、図5中のR軸上の2つの太線矢印は、モータMG1からトルク指令Tm1*のトルクを出力してエンジン22をクランキングする際に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する反力としてのトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示している。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、モータMG1によりエンジン22をクランキングする際に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する反力としてのトルクを受け持つと共に運転者が要求する要求トルクTr*に応じたトルクを出力することができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (2)
こうして、トルク制限Tmaxと仮モータトルクTm2tmpとが計算されると、計算したトルク制限Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS220)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS230)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。そして、エンジン22の回転数Neがエンジン22の燃料噴射制御などの開始の基準となる制御開始回転数Nrefより大きいか否かを判定する(ステップS240)。エンジン22の回転数Neが制御開始回転数Nrefより大きいければ、エンジンECU24にエンジン22の燃料噴射制御などの開始を指示し(ステップS250)、始動時駆動制御ルーチンを終了する。一方、エンジン22の回転数Neが制御開始回転数Nrefより小さければ、エンジン22のモータリングを継続する必要があるから、ステップS100の処理に戻る。
一方、共振が発生してからの時間treが閾値Tref1より長いときに(ステップS130,)、モータMG1の温度Tmg1が閾値Tref1以上であったり(ステップS150)、インバータ41の温度Tinv1が閾値Tref2以上であったり(ステップS160)、バッテリ51の残容量(SOC)が閾値SOCrefより小さいときには(ステップS170)、これ以上モータリングを継続するとモータMG1やインバータ41が高温に至ったり、バッテリ51の残容量(SOC)が少なくなってしまうと判断して、エンジン22のモータリングを中止して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
図6は、エンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neとの時間変化の様子を示す説明図である。図中、実線Aは、共振継続状態が生じたときの時間変化を示し、破線Bはエンジン22を始動する際に共振継続状態が生じないときの時間変化を示す。共振継続状態が生じたときも生じないときも、時間t0でエンジン22の始動要求がなされると、モータMG1のトルク指令Tm1*に所定トルクT1を設定し、このトルクによりエンジン22の回転数を共振回転数Nreを含む所定範囲内に上昇させる。ここで、破線Bに示すように、共振継続状態を生じることなくエンジン22の回転数が上昇しエンジン22の回転数が共振回転数Nreを含む所定範囲を超えると、モータMG1のトルク指令Tm1*にトルクT2を設定し、このトルクによりエンジン22の回転数を上昇させる。そして、エンジン22の回転数Neが制御開始回転数Nrefに至ると、エンジンCU24に燃料噴射制御などの開始を指示してエンジン22を始動する。このように、エンジン22を始動することにより、エンジン22を迅速に始動できると共に共振による振動を抑えることができる。
一方、実線Aに示すように、共振継続状態が生じたときには、所定トルクT1より大きい所定トルクT3をモータMG1のトルク指令Tm1*として設定して(ステップS180)、エンジン22の回転数Neが上昇して共振回転数Nreを含む所定範囲内から抜ける。エンジン22の回転数Neが共振回転数Nreを含む所定範囲内から抜けた後は、図4に示したトルク指令設定用マップと始動指示がなされてからの時間tmとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してエンジン22の回転数Neをさらに上昇させて、エンジン22の回転数Neが閾値Nrefに至ったときにエンジン22の燃料噴射および点火を開始してエンジン22を始動する。このように、エンジン22を始動することにより、共振継続状態のときでも共振継続状態を抜けてエンジン22を始動することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の始動要求がなされてエンジン22をモータリングしている最中に共振継続状態となったときには、モータMG1のトルク指令Tm1*に大きな所定トルクT3を設定して、エンジン22をモータリングする。この結果、エンジン22の回転数を上昇させて共振継続状態を脱することができ、エンジン22を始動することができる。
次に、本発明の第2実施例としてのハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図1に例示した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成をしている。したがって、重複した説明を回避するため、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハード構成については、第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、図2の始動時駆動制御ルーチンに代えて図7の始動時駆動制御ルーチンが実行される。この図7のルーチンは、ステップS130Bの処理で共振が発生してからの時間を閾値tref4,tref5と比較する点、ステップS132BからステップS138Bの処理で累積共振回数Nを用いて共振継続頻度Hreを演算する点,ステップS139Bの処理で共振継続頻度Hreを閾値Hrefと比較する点,ステップS260Bの処理でフラグFを値0に設定する点を除いて図2の始動時駆動制御ルーチンと同一である。したがって、図2のルーチンと異なる処理を中心に第2実施例のハイブリッド自動車20Bの動作を説明する。なお、図7のルーチンのうち図2のルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付している。
図7の始動時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accやシステムを起動してから後述する共振継続状態に至ったルーチンの回数としての累積共振回数N,共振継続状態に至っているか否かを示すフラグFなど制御に必要なデータを入力する処理を実行し(ステップS100)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとしての要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。ここで、累積共振回数Nは、システムが起動されて図7の始動時駆動制御ルーチンが初めて実行されたときには、初期値として値0を設定する。また、フラグFは、後述する共振継続状態に至っているか否かを示すフラグであり、初期値として値0を設定するものとする。
続いて、エンジン22の回転数Neに基づいて車両や車両に搭載した機器などに共振が発生しているか否かを判定する(ステップS120)。共振が発生していると判定されたときには、さらに、共振が発生してからの時間treを共振が継続している共振継続状態に至ったと判断する時間の閾値tref4や共振の継続を許容できる時間の閾値tref5と比較する(ステップS130B)。共振が発生していないときや、共振が発生していても共振が発生してからの時間treが閾値tref4以下であるときには、通常のモータリングが可能であると判断して、モータリングが開始されてからの時間tmに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS140)。
一方、共振が発生してからの時間treが閾値tref4より長く閾値tref5より短いときには、共振継続状態に至っているがさらに共振の継続させても構わないと判断して、フラグFが値0のときには、本ルーチンが実行されて初めて共振継続状態に至ったと判断して、累積共振回数Nを値1だけ増加させる(ステップS134B)と共にフラグFを値1に設定し(ステップS136B)、累積共振回数Nを車両が最初に起動したときからイグニッションスイッチ80がオンされている時間の積算値としてのシステム動作時間tsで除した値、すなわち、単位時間あたりの累積共振回数としての共振継続頻度Hreとして演算する(ステップS138B)。なお、フラグFが値1のときには、ステップS132Bの処理が実行される前に既に共振継続状態に至っていて累積共振回数Nの更新や共振継続頻度Hreの演算をする必要がないと判断して、ステップS136BやステップS138Bの処理を実行せずにステップS139Bの処理に進む。
続いて、演算された共振継続頻度Hreが閾値Hrefより大きいか否かを判定する(ステップS139B)。ここで、閾値Hrefは、車両の推定寿命に基づいてシステムに要求される動作時間として要求時間tmax(例えば、10年)と要求時間tmaxの間にエンジン22のクランクシャフト26の耐久性を考慮して車両が許容できる共振継続状態に至った回数の上限回数Nmaxとの関係から規格回数直線を求めて、規格回数直線の傾き,つまり、単位時間あたりに共振継続状態に至る回数の閾値として閾値Hrefを設定するものとする。図8に規格回数直線の一例を示す。
共振継続頻度Hreが閾値Hrefより小さいときには、共振状態に至る頻度が小さくエンジン22のクランクシャフト26への共振による劣化がさほど進んでいないためさらに共振を継続させても差し支えないと判断して、ステップS140の処理に進み、モータリングが開始されてからの時間tmに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS140)。
一方、共振継続頻度Hreが閾値Hrefより大きいときには、さらに共振が継続すると共振による振動でエンジン22のクランクシャフト26に影響が生じることがあると判断して、モータMG1の温度Tmg1が閾値Tref1より低いか否かやインバータ41の温度Tinv1が閾値Tref2より低いか否か、バッテリ51の残容量(SOC)が閾値SOCrefより大きいか否かを判定し(ステップステップS150〜S170)、モータMG1の温度Tmg1が閾値Tref1より低く、インバータ41の温度Tinv1が閾値Tref2より低く、且つ、バッテリの残容量(SOC)が閾値SOCrefより大きいときには、モータMG1のトルクを増加させることが可能であると判断して、モータトルク指令Tm1*に所定トルクT1より大きい所定トルクT3を設定する(ステップS180)。
こうして、モータMG1のトルク指令Tm1*が設定されると、バッテリ50の出力制限Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1とモータMG2の回転数Nm2とに基づいてモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tmaxを計算して(ステップS200)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを計算し(ステップS210)、トルク制限Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS220)、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS230)。そして、エンジン22の回転数Neが制御開始回転数Nrefより大きいければ、エンジンECU24にエンジン22の燃料噴射制御などの開始を指示する(ステップS240,S250)と共にフラグFが値0でなければフラグFに値0を設定して(ステップS260B)、始動時駆動制御ルーチンを終了し、エンジン22の回転数Neが制御開始回転数Nrefより小さければ、エンジン22のモータリングを継続する必要があるから、ステップS100の処理に戻る。
モータMG1の温度Tmg1が閾値Tref1以上であったり(ステップS150)、インバータ41の温度Tinv1が閾値Tref2以上であったり(ステップS160)、バッテリ51の残容量(SOC)が閾値SOCrefより小さいときには(ステップS170)、これ以上モータリングを継続すると,モータMG1やインバータ41が高温に至ったり、バッテリ51の残容量(SOC)が少なくなってしまうと判断して、エンジン22のモータリングを中止して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
また、共振が発生してからの時間treが閾値tref5より長いときには、これ以上共振の継続を許容できないと判断して、エンジン22のモータリングを中止して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
次に、図7の始動時駆動制御ルーチンを用いてエンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neとについて説明する。共振継続状態が生じたときも生じないときも、時間t0でエンジン22の始動要求がなされると、モータMG1のトルク指令Tm1*に所定トルクT1を設定し、このトルクによりエンジン22の回転数を共振回転数Nreを含む所定範囲内に上昇させる。ここで、共振継続状態を生じることなくエンジン22の回転数が上昇しエンジン22の回転数が共振回転数Nreを含む所定範囲を超えると、モータMG1のトルク指令Tm1*にトルクT2を設定し、このトルクによりエンジン22の回転数を上昇させる。そして、エンジン22の回転数Neが制御開始回転数Nrefに至ると、エンジンCU24に燃料噴射制御などの開始を指示してエンジン22を始動する。このように、エンジン22を始動することにより、エンジン22を迅速に始動できると共に共振による振動を抑えることができる。
一方、共振継続状態が生じた場合には、共振継続頻度Hreを閾値Hrefと比較して、共振継続頻度Hreが閾値Hrefより大きいとき、すなわち、共振による振動によりエンジン22のクランクシャフト26に影響が生じることがあるときには所定トルクT1より大きい所定トルクT3をモータMG1のトルク指令Tm1*として設定して(ステップS180)、このトルクによりエンジン22の回転数Neが上昇して共振回転数Nreを含む所定範囲内から抜ける。エンジン22の回転数Neが共振回転数Nreを含む所定範囲内から抜けた後は、図4に示したトルク指令設定用マップと始動指示がなされてからの時間tmとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してエンジン22の回転数Neをさらに上昇させて、エンジン22の回転数Neが閾値Nrefに至ったときにエンジン22の燃料噴射および点火を開始してエンジン22を始動する。このように、エンジン22を始動することにより、共振による振動によりエンジン22のクランクシャフト26に影響が生じることがあるときには、共振継続状態を抜けてエンジン22を始動することができる。
さらに、共振継続状態が生じた場合であったも、共振継続頻度Hreが閾値Href以下であるとき、すなわち、共振によるエンジン22のクランクシャフト26の劣化がさほど進んでいないときには、図4に示したトルク指令設定用マップと始動指示がなされてからの時間tmとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定して(ステップS140)、このトルクによりエンジン22のモータリングを継続する。このようにエンジン22のモータリングを継続しても共振が継続して、共振が発生してからの時間treが閾値tref5を超えたときにはエンジン22のモータリングを中止する。このように、エンジン22のクランクシャフト26の劣化が進んでいないときには、モータMG1のトルク指令Tm1*を図4に示したトルク指令設定用マップのトルク指令Tm1*より大きくする処理を行なわないから、トルク指令Tm1*を大きくすることによるモータMG1やインバータ41,バッテリ50の劣化を抑えることができる。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、共振継続状態が生じた場合には、共振による振動のために生じるエンジン22のクランクシャフト26の影響を考慮してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定することができる。また、共振による振動に起因するエンジン22のクランクシャフト26の劣化が進んでいないときにはモータMG1から出力するトルクを図4に示したトルク指令設定用マップのトルクより大きくする処理を行なわないから、モータMG1から出力するトルクが大きくなることによるモータMG1やインバータ41,バッテリ50の劣化を抑えることができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、要求時間tmaxと共振継続状態に至った回数の上限回数Nmaxとの関係を直線として求めて、この直線を用いて閾値Hrefを設定するものとしが、閾値Hrefは、要求時間tmaxと上限回数Nmaxとの関係は、エンジン22のクランクシャフト26の経時変化などを考慮して単位時間あたりに共振継続状態に入る回数としての頻度の閾値として求めるものとすればよく、例えば、要求時間tmaxと上限回数Nmaxとを曲線で結び、この曲線を用いて閾値Hrefを設定するものとしてもよい。また、閾値Hrefは、始動時制御ルーチンが実行された回数のうち共振継続状態に至ることが許容できる回数の割合として設定するものとしてもよい。この場合、共振継続頻度Hreの演算は、実際に共振継続状態に至った回数を図7の始動時制御ルーチンが実行された回数で除した値として演算するものとすればよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、共振継続状態のときには、モータMG1の温度Tmg1が閾値Tref1より低い条件やインバータ41の温度Tinv1が閾値Tref2より低い条件,バッテリ51の残容量(SOC)が閾値SOCrefより高い条件については、これらの条件のすべてが成立したときにモータトルク指令Tm1*に所定トルクT3を設定するものとしたが、これらの条件のうちのいずれか一つやこれらの条件のうちのいずれか二つの条件が成立したときにモータトルク指令Tm1*に所定トルクT3を設定するものとしてもよいし、モータMG1の状態を推測する他の条件、例えば、モータMG1に印加される相電流値やインバータ41を構成する個々のトランジスタの電流値が所定値以上である条件などが成立したときにモータトルク指令Tm1*に所定トルクT3を設定するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、共振継続状態のときには、モータトルク指令Tm1*に所定トルクT1より大きい所定トルクT3を設定するものとしたが、モータトルク指令Tm1*により大きなトルクを設定すればよいから、図4のトルク指令設定用マップから時間tmに対応するトルクを求め、求めたトルクに所定の増分ΔTを加えたトルクをモータトルク指令Tm1*として設定するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 トルク指令設定用マップの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 エンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neとの時間変化の様子を示す説明図である 第2実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 規格回数直線の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,20B,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 回転数センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45,46 温度センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    該内燃機関にモータリングトルクを出力可能な電動機と、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
    該検出された内燃機関の回転数と装置の共振回転数とに基づいて共振を推定する共振推定手段と、
    前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御し、前記内燃機関のモータリングが開始されてから前記共振推定手段により共振が推定された状態が所定時間に亘って継続した共振継続状態のときに前記内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう前記電動機を制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記制御手段は、前記共振継続状態のときには前記電動機のモータリングトルクを大きくする所定条件に基づいて該モータリングトルクが大きくなるよう制御する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 請求項2記載の動力出力装置であって、
    前記電動機の温度を検出する電動機温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記検出された電動機の温度が低くなるほどモータリングトルクを大きくすることができる条件を前記所定条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  4. 請求項2または3記載の動力出力装置であって、
    前記電動機を駆動するための駆動回路と、
    該駆動回路の温度を検出する回路温度検出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検出された駆動回路の温度が低くなるほどモータリングトルクを大きくすることができる条件を前記所定条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  5. 請求項2ないし4いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
    該蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検出された蓄電手段の蓄電状態が所定蓄電以上である条件を前記所定条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  6. 請求項2ないし5いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記共振継続状態に至った頻度を演算する頻度演算手段を備え、
    前記制御手段は、前記演算された頻度が所定頻度以上である条件を前記所定の条件としてモータリングトルクが大きくなるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と前記電動機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を出力可能な第2の電動機と、
    前記駆動軸に要求される要求動力を設定する要求動力設定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されると共に前記内燃機関が始動されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記第2の電動機とを制御する手段である
    動力出力装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなる自動車。
  9. 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、該内燃機関にモータリングトルクを出力可能な電動機と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記内燃機関の始動指示がなされたときには前記内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御し、前記内燃機関のモータリングが開始されてから前記内燃機関の回転数と装置の共振周波数とに基づいて推定される装置の共振状態が所定時間に亘って継続したときに前記内燃機関に出力しているモータリングトルクが大きくなるよう前記電動機を制御する
    動力出力装置の制御方法。
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