JP2006282113A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のタイヤ気室を有する空気入りタイヤにおいて、隔壁の基部を補強して、タイヤの耐久性を向上させることを目的とする。
【解決手段】基部20における内側カーカス22の主気室28側に補強ゴム36を配設しているので、主気室28の内圧よりも第1副気室31及び第2副気室32の内圧を高くするように内圧の組合せ条件を設定した場合だけでなく、主気室28がパンクして第1副気室31及び第2副気室32の少なくとも一方で荷重を支えなければならないような過酷な使用条件でも、外側カーカス21と内側カーカス22との間への剥離入力が抑制され、耐久性が極めて高い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リムに装着した場合に3つのタイヤ気室が形成される空気入りタイヤに関する。
一般のタイヤをリムに装着した場合に得られる、空気を充填可能なタイヤ気室は、従来1室であったが、少なくとも1の隔壁をタイヤ内側に設けて、リムとの間に夫々独立した複数のタイヤ気室が形成されるようにしたタイヤも開発されるに至っている(特許文献1参照)。
特開2003−39914号公報
しかしながら、上記した従来例は、隔壁を設けることで複数のタイヤ気室が形成されるようにしたことを開示するに留まるものであって、隔壁の基部(隔壁と、トレッド部又はサイドウォール部との連結部)の補強については何ら示唆されていない。
本発明は、上記事実を考慮して、複数のタイヤ気室を有する空気入りタイヤにおいて、隔壁の基部を補強して、タイヤの耐久性を向上させることを目的とする。
隔壁を左右に一対設け、リム装着時に3気室が形成されるようにした空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向内側の主気室が主にベルト張力を分担し、そのタイヤ幅方向両側に位置する第1副気室及び第2副気室がサイドウォール部のカーカス張力を分担するようになっており、各気室の内圧を夫々独立に設定可能である。
このため、例えば主気室の内圧を従来タイヤの通常内圧よりも低く設定すると共に、第1副気室及び第2副気室の内圧を従来タイヤの通常内圧よりも高く設定することで、上下剛性(縦ばね)を低くしながら、横剛性(横ばね)を高くするといった、従来タイヤでは不可能であったタイヤ剛性バランスのコントロールが可能となる。
しかしながら、本願発明者が研究を行った結果、各気室の内圧の組合せによっては、サイドウォール部及びトレッド部の少なくとも一方と隔壁とが連結する該隔壁の基部において故障が生じる場合があることが判明した。
そこで、請求項1の発明は、ビードコアを埋設した左右一対の外側ビード部と、該外側ビード部から夫々タイヤ径方向外側へ延びるサイドウォール部と、該サイドウォール部に連なるトレッド部と、前記左右一対の外側ビード部の間に該外側ビード部とはタイヤ幅方向に離間して設けられ、前記サイドウォール部及び前記トレッド部の少なくとも一方におけるタイヤ内面側の基部からタイヤ径方向内側に延び、そのタイヤ径方向内側端に設けられた内側ビード部がリムに接触すると共に、リムに装着したときに該リムとの間に夫々独立した主気室とその左右の第1副気室及び第2副気室とをタイヤ幅方向に形成する左右一対の隔壁と、前記外側ビード部に係留された外側カーカスと、前記内側ビード部に係留された内側カーカスと、を有する空気入りタイヤであって、前記基部における前記内側カーカスの前記主気室側に、補強ゴムを配設したことを特徴としている。
主気室の内圧よりも第1副気室及び第2副気室の内圧の方が高く設定されている場合には、その内圧差によって基部において内側カーカスが外側カーカスから剥離する方向に力が作用する。特に、このような内圧の組合せの状態で、例えば高速道路等を走行すると、タイヤ転動に伴ってタイヤが繰り返したわみ、内側カーカスが外側カーカスから剥離する方向に作用する力が増大する。
この点を考慮して、請求項1に記載の空気入りタイヤでは、内部における内側カーカスの主気室側に補強ゴムを埋設しているので、上記のような内圧設定の場合でも、内側カーカスが外側カーカスから剥離し難く、耐久性が高い。
請求項2の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強ゴムは、タイヤ幅方向断面においてタイヤ赤道面側及び前記内側ビード部側に向かって厚さが夫々漸減するように形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、補強ゴムの厚さが、タイヤ赤道面側及び内側ビード部側に向かって夫々漸減しているので、補強ゴムが内側カーカスコードとなだらかに(大きい曲率半径で)接している。このため、補強ゴムと内側カーカスとの境界が、タイヤ耐久性の向上を阻害する破壊核となることはない。
請求項3の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強ゴムの硬度は、前記内側カーカスに使用されている被覆ゴムの硬度よりも高いことを特徴としている。
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、補強ゴムの硬度が、内側カーカスにおいて使用されている被覆ゴムの硬度よりも高く、かつ周辺ゴムとの剛性差が大き過ぎないように適切に設定しているので、タイヤ耐久性を向上させることができる。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記補強ゴムの100%伸長モジュラスは、2.5乃至15MPaであることを特徴としている。
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、補強ゴムの100%伸長モジュラスを適切に設定したので、タイヤ耐久性を向上させることができる。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面において、前記補強ゴムの最大厚さをTとすると、5mm≦T≦15mmであることを特徴としている。
請求項5に記載の空気入りタイヤでは、補強ゴムの最大厚さTを適切に設定しているので、タイヤの質量増加を最小限に抑制しながら、タイヤの耐久性を向上させることができる。
ここで、T≧5mmとしたのは、T<5mmであると、補強ゴムのボリュームが小さいため、タイヤのたわみ変形を変化させるまでの効果がないからである。即ち、外側カーカスと内側カーカスとの間への剥離入力を抑制する効果の発現がなく、タイヤ耐久性を向上させるまでには至らないからである。
また、T≦15mmとしたのは、T>15mmであると、補強ゴムのボリュームが十分に大きいので、タイヤのたわみ変形を変化させることができ、外側カーカスと内側カーカスとの間への剥離入力を抑制する効果も十分にあるが、ゴムボリュームが大き過ぎて、ゴム自身の発熱が増加するという悪影響が発生し、剥離以外のタイヤ故障(例えば、発熱大によりコード−ゴム間の接着力低下によるタイヤ故障等)によりタイヤ耐久性が低下してしまうからである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面において、タイヤ幅方向断面において、前記補強ゴムの最大厚さ位置における該補強ゴムの最も前記内側カーカス側の最外点から前記タイヤ赤道面側の端部までの距離をW1とし、前記最外点から前記内側ビード部側の端部までの距離をW2とすると、10mm≦W1≦40mm、かつ、10mm≦W2≦40mmであることを特徴としている。
ここで、W1≧10mmかつW2≧10mmとしたのは、W1<10mm又はW2<10mmであると、補強ゴムのボリュームが小さいため、タイヤのたわみ変形を変化させるまでの効果がないからである。即ち、外側カーカスと内側カーカスとの間への剥離入力を抑制する効果の発現がなく、タイヤ耐久性を向上させるまでには至らないからである。
また、W1≦40mmかつW2≦40mmとしたのは、W2>40mm又はW2>40mmであると、補強ゴムのボリュームが十分に大きいので、タイヤのたわみ変形を変化させることができ、外側カーカスと内側カーカスとの間への剥離入力を抑制する効果も十分にあるが、ゴムボリュームが大き過ぎて、ゴム自身の発熱が増加するという悪影響が発生し、剥離以外のタイヤ故障(例えば、発熱大によりコード−ゴム間の接着力低下によるタイヤ故障等)によりタイヤ耐久性が低下してしまうからである。
請求項6に記載の空気入りタイヤでは、補強ゴムの大きさを適切に設定しているので、タイヤの質量増加を最小限に抑制しながら、タイヤの耐久性を向上させることができる。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記外側カーカスは、一対の前記外側ビード部間をトロイド状に跨って配設され、前記内側カーカスは、一対の前記内側ビード部間をトロイド状に跨って配設されていることを特徴とする。
請求項7に記載の空気入りタイヤでは、3気室を独立に任意の圧力に設定しても、左右のサイドウォール部及び左右の隔壁が、ケース強度不足により吹抜け破壊するようなことがなく、狙い通りに耐久性向上を達成することができる。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤ中心から前記外側ビード部のリムベースラインまでの半径をROとし、前記タイヤ中心から前記内側ビード部のリムベースラインまでの半径をRIとすると、0<RO−RI<50mmであることを特徴としている。
外側ビード部の半径ROと内側ビード部の半径RIとの関係が、RO=RIであると、隔壁に形成された内側ビード部のタイヤ軸方向外側への移動を阻止するための背の高いハンプ部を設けたリムを用いなければならず、組み付け作業が非常に困難にならざるを得なくなる。また、RO−RI≧50mmとなると、現行のタイヤ製法でのタイヤ製作が困難、かつ非現実的になる。
更に、外側ビード部の半径ROと内側ビード部の半径RIとの関係が、RO−RI≧50mmとなると、外側ビード部の半径に対して内側ビード部の半径が小さくなりすぎ、それに伴ってリムの半径が小さくなるので、結果的にリム内側に装着可能なブレーキの径が小さくなってしまう。これは、車輌運動性能を低下させる要因となる可能性があり好ましくない。
従って、0<RO−RI<50mmを満足させると、上記の如く不都合が生じることを防止することができるので好適である。
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤによれば、複数のタイヤ気室を有する空気入りタイヤにおいて、隔壁の基部を補強して、タイヤの耐久性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1において、本実施の形態に係る空気入りタイヤ10は、外側ビード部12と、サイドウォール部14と、該サイドウォール部14に連なるトレッド部16と、隔壁18と、外側カーカス21と、内側カーカス22と、補強ゴム36とを有し、一般のタイヤと同様に、例えば外側カーカス21のタイヤ径方向外側にベルト層40が配設されている。
外側ビード部12は、タイヤ赤道面CLの左右に一対設けられ、夫々ビードコア30が埋設されている。
サイドウォール部14は、左右一対の外側ビード部12から夫々タイヤ径方向外側へ延びるように形成されている。
隔壁18は、左右一対の外側ビード部12の間に該外側ビード部12とはタイヤ幅方向に離間して、例えばタイヤ赤道面CLの左右に一対設けられ、サイドウォール部14及びトレッド部16の少なくとも一方におけるタイヤ内面側の基部20からタイヤ径方向内側に延びて形成されている。隔壁18は、空気入りタイヤ10をリム26に装着して、そのタイヤ径方向内側端に設けられた内側ビード部24をリム26に接触させると、該リム26との間に夫々独立した主気室28、第1副気室31及び第2副気室32がタイヤ幅方向に形成されるようになっている。
外側カーカス21は、左右一対の外側ビード部12間をトロイド状に跨って配設され、該外側ビード部12に埋設されたビードコア30に対して夫々内側から外側に巻き返されて終端している。
内側カーカス22は、左右一対の内側ビード部24間をトロイド状に跨って配設され、該内側ビード部24に埋設されたビードコア34に対して、例えば夫々内側から外側に巻き返されて終端している。なお、図5に示されるように、内側カーカス22を、ビードコア34に対して、外側から内側に巻き返すようにしてもよい。
空気入りタイヤ10では、外側ビード部12の内径よりも内側ビード部24の内径の方が小さく形成されている。具体的には、図示しないタイヤ中心から外側ビード部12のリムベースラインBLOまでの半径をROとし、タイヤ中心から内側ビード部24のリムベースラインBLIまでの半径をRIとすると、0<RO−RI<50mmである。
外側ビード部12の半径ROと内側ビード部24の半径RIとの関係が、RO=RIであると、隔壁18に形成された内側ビード部24のタイヤ軸方向外側への移動を阻止するための背の高いハンプ部を設けたリムを用いなければならず、組み付け作業が非常に困難にならざるを得なくなる。また、RO−RI≧50mmとなると、現行のタイヤ製法でのタイヤ製作が困難、かつ非現実的になる。
更に、外側ビード部12の半径ROと内側ビード部24の半径RIとの関係が、RO−RI≧50mmとなると、外側ビード部12の半径に対して内側ビード部24の半径が小さくなりすぎ、それに伴ってリムの半径が小さくなるので、結果的にリム内側に装着可能なブレーキの径が小さくなってしまう。これは、車輌運動性能を低下させる要因となる可能性があり好ましくない。
従って、0<RO−RI<50mmを満足させると、上記の如く不都合が生じることを防止することができるので好適である。
空気入りタイヤ10では、このように、外側ビード部12の内径よりも内側ビード部24の内径の方が小さく形成されているので、空気入りタイヤ10を装着するためのリム26は、該空気入りタイヤ10を正しく装着できるように構成されている必要がある。
このため、リム26には、左右一対の外側ビード部12の内周面にそれぞれ接触する左右一対の外側ビードシート26Aと、該外側ビードシート26Aの各々のリム軸方向内側に段部26Dを介して設けられ外側ビードシート26Aよりも小径に設定されて左右一対の内側ビード部24の各々の内周面に接触する左右一対の内側ビードシート26Bと、該左右一対の内側ビードシート26Bの一方と他方の間に設けられ、内側ビードシート26Bよりも小径に設定されたドロップ部26Cと、が設けられている。
リム26の構成について更に詳しく説明すると、外側ビードシート26Aは、外側ビード部12の内径に合わせて形成されており、内側ビードシート26Bは、内側ビード部24の内径に合わせて形成されている。本例では、上述のように、外側ビード部12の内径が内側ビード部24の内径よりも大きくなっているので、これに合わせて、内側ビードシート26Bは、外側ビードシート26Aよりも小径に設定されている。
外側ビードシート26Aの軸方向外側には、外側ビード部12がタイヤ幅方向外側に押し出されるのを防止する役割をするフランジ26Fが形成されており、内側ビードシート26Bと外側ビードシート26Aとの間には、内側ビード部24がタイヤ幅方向外側に押し出されるのを防止する役割をする段部26Dが形成されている。
また、リム26の軸方向中央には、溝底の径が内側ビードシート26Bよりも小径とされたドロップ部(ウエル)26Cが設けられている。
なお、図示は省略するが、リム26には、第1副気室31に気体を充填するための第1エアバルブと、第2副気室32に気体を充填するための第2エアバルブと、主気室28に気体を充填するための第3エアバルブが夫々設けられている。
このリム26に空気入りタイヤ10を装着することで、タイヤ・リム組立体38が構成される。
次に、図1及び図2において、補強ゴム36は、基部20における内側カーカス22の主気室28側に配設されている。具体的には、図2に示されるように、補強ゴム36は、タイヤ幅方向断面において、内側カーカス22の形状に沿うように、かつタイヤ赤道面CL側及び内側ビード部24側に向かって厚さが夫々漸減するように形成されている。
図3に示されるように、タイヤ幅方向断面において、補強ゴムの最大厚さをTとすると、5mm≦T≦15mmであり、また、タイヤ幅方向断面において、補強ゴム36の最大厚さ位置における該補強ゴム36の最も内側カーカス側の最外点36Cからタイヤ赤道面CL側の端部36Aまでの距離をW1とし、最外点36Cから内側ビード部24側の端部36Bまでの距離をW2とすると、10mm≦W1≦40mm、かつ、10mm≦W2≦40mmである。
ここで、T≧5mm、W1≧10mmかつW2≧10mmとしたのは、T<5mm、W1<10mm又はW2<10mmであると、補強ゴムのボリュームが小さいため、タイヤのたわみ変形を変化させるまでの効果がないからである。即ち、外側カーカスと内側カーカスとの間への剥離入力を抑制する効果の発現がなく、タイヤ耐久性を向上させるまでには至らないからである。
また、T≦15mm、W1≦40mmかつW2≦40mmとしたのは、T>15mm、W2>40mm又はW2>40mmであると、補強ゴムのボリュームが十分に大きいので、タイヤのたわみ変形を変化させることができ、外側カーカスと内側カーカスとの間への剥離入力を抑制する効果も十分にあるが、ゴムボリュームが大き過ぎて、ゴム自身の発熱が増加するという悪影響が発生し、剥離以外のタイヤ故障(例えば、発熱大によりコード−ゴム間の接着力低下によるタイヤ故障等)によりタイヤ耐久性が低下してしまうからである。
補強ゴム36の硬度は、内側カーカス22において使用されている被覆ゴム(図示せず)の硬度よりも高い。
補強ゴム36の100%伸長モジュラスは、2.5乃至15MPa(25乃至150kgf/cm2)である。ここで、補強ゴム36の100%伸長モジュラスの下限を2.5MPaとしたのは、これに満たないと、補強ゴム36が低モジュラス過ぎて、外側カーカス21及び内側カーカス22間の剥離を抑制できないからであり、上限を15MPaとしたのは、これを超えると補強ゴム36が高モジュラス過ぎて、該補強ゴム36が接触する周辺ゴムとの剛性差が大き過ぎて、ゴムとゴムとの界面で剥離が発生し易くなるからである。
(作用)
タイヤ・リム組立体38におけるリム26では、外側ビード部12の半径ROが内側ビード部24の半径RIよりも大きく設定されており、中間部にドロップ部26Cが設けられているので、空気入りタイヤ10を装着する際に、外側ビード部12、及び内側ビード部24をドロップ部26Cに落とし込むことができ、従来一般の空気入りタイヤの組み付けと同様に、空気入りタイヤ10のリム26への組付け作業が容易になっている。
また、リム26には、外側ビード部12が装着される外側ビードシート26Aと内側ビード部24が装着される内側ビードシート26Bとの間に、両者の径差によって、内側ビード部24のタイヤ幅方向外側への移動を阻止する段部26Dが形成されるため、リム組みの際に内側ビード部24が引っ掛かり、作業性を悪化させる背の高いハンプ部を内側ビード部24のタイヤ幅方向外側に形成する必要がなく、リム組みが容易になる。
更に、本実施形態のタイヤ・リム組立体38では、空気入りタイヤ10とリム26との間に、隔壁18で区画された第1副気室31、主気室28、及び第2副気室32がタイヤ幅方向に形成されているので、トレッド部16の釘踏み等による接地面でのパンクや、縁石擦れなどによるサイドウォール部14のパンク等の何れにおいても、他のパンクしていない2つの気室が荷重を支持するので、多少のタイヤ高さの低下、若干の操縦安定性と振動乗心地の悪化は伴うが、問題なく安全に走行を続けることができる。
ここで、第1副気室31の内圧と、第2副気室32の内圧と、主気室28の内圧とは、夫々異なる任意の圧力に設定することができ、第1副気室31の内圧と、第2副気室32の内圧と、主気室28の内圧とは同一であっても、また、互いに異なっていてもよい。
例えば、第1副気室31の内圧と、第2副気室32の内圧と、主気室28の内圧とを同一にすれば、従来の空気入りタイヤと同様の特性が得られる。
また、上記のように3つの気室の内圧を同じに設定した状態から、主気室28の空気を抜いて第1副気室31の内圧及び第2副気室32の内圧よりも主気室28の内圧を低下させると、タイヤ縦方向の剛性がダウンすると共に接地面積がアップするので、悪路走行時の振動乗心地性や氷雪路走行時のグリップ性を向上させることができる。
更に、第1副気室31と第2副気室32に空気を充填して内圧を増加させると、タイヤの横剛性及び前後剛性をアップさせることが可能となるので、悪路走行時の振動乗心地性や氷雪路走行時のグリップ性を向上させたまま、操縦安定性をアップさせることができる。
また、空気入りタイヤ10では、基部20における内側カーカス22の主気室28側に補強ゴム36を配設しているので、該基部20が補強されて外側カーカス21と内側カーカス22間の剥離故障等が生じ難くなり、タイヤの耐久性が向上する。
具体的には、図4に示されるように、例えば主気室28の内圧よりも第1副気室31及び第2副気室32の内圧を高くした内圧組合せ条件では、例えば高速道路等の路面42を走行すると、荷重Fの作用及びタイヤ転動に伴ってタイヤが繰り返したわみ、特に隔壁18が矢印I方向にたわんだ際に、内側カーカス22が外側カーカス21から剥離しようとする力(剥離入力)が増大する。大きな剥離入力が繰返し作用すると、隔壁18の基部20(トレッド部又はサイドウォール部の少なくとも一方、即ち外側タイヤケースと連結する部分)を始点とした外側カーカス21と内側カーカス22間の剥離が進行し、故障核となる傾向があるが、空気入りタイヤ10では、補強ゴム36が隔壁18の変形を抑制し、内側カーカス22の動きを拘束するので、該外側カーカス21及び内側カーカス22間への剥離入力が抑制される。
また、釘踏み等により主気室28がパンクした場合には、第1副気室31又は第2副気室32のどちらか1つ、又はその両方で荷重を支えてランフラット走行をすることになり、外側カーカス21と内側カーカス22との間に更に大きな剥離入力が加わるが、このような過酷な使用条件でも、補強ゴム36が配設されていることにより、外側カーカス21と内側カーカス22との間の剥離進行が抑制されるので、その耐久性は極めて高い。
しかも、補強ゴム36の断面を適切な大きさに設定しているので、タイヤの質量増加を最小限に抑制しながら、タイヤの耐久性を向上させることができる。
(試験例)
表1に示す条件で、従来例、比較例1〜3、実施例1〜5に係るタイヤを試作し、高速耐久性試験を行った。
タイヤサイズは、225/55R17であり、主気室内圧は、高速耐久性試験においては220kPaであり、ランフラット耐久性試験においては0である。
高速耐久性の評価は、JIS規格の高速性能試験B条件でのタイヤ故障時の速度によるものであり、従来例を100とした指数により示しており、数値が大きいほど良好な結果であることを示している。
この試験例によれば、比較例1,2では、補強ゴムは入っているものの、その大きさが適切ではないため、高速耐久性は従来例と同等以下の結果となっている。一方、実施例1〜4では、補強ゴムの大きさが適切であるため、何れも従来例を上回る結果が得られており、特に実施例2と実施例4の結果が良好であることがわかる。実施例4は、図5の構成を有していて、内側ビード部における内側カーカスの折返し方が、図1の構成を有する他の実施例と異なっているが、補強ゴムの大きさは実施例2と同様であり、試験結果も同様であるので、内側カーカスの折返し方の違いは特に影響しないと考えられる。
Figure 2006282113
内側ビード部において内側カーカスがビードコアの内側から外側に巻き返された空気入りタイヤを、リムに装着してなる、タイヤ・リム組立体の断面図である。 基部における内側カーカスの主気室側に補強ゴムが配設されている状態を示す、拡大断面図である。 補強ゴムの断面形状を示す拡大断面図である。 主気室の内圧よりも第1副気室及び第2副気室の内圧を高くしたタイヤ・リム組立体において、該タイヤが接地し、荷重が作用したときの隔壁の変形を示す断面図である。 内側ビード部において内側カーカスがビードコアの外側から内側に巻き返された空気入りタイヤを、リムに装着してなる、タイヤ・リム組立体の断面図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
12 外側ビード部
14 サイドウォール部
16 トレッド部
18 隔壁
20 基部
21 外側カーカス
22 内側カーカス
24 内側ビード部
26 リム
30 ビードコア
34 ビードコア
36 補強ゴム
36A 端部
36B 端部
36C 最外点
BLI リムベースライン
BLO リムベースライン

Claims (8)

  1. ビードコアを埋設した左右一対の外側ビード部と、
    該外側ビード部から夫々タイヤ径方向外側へ延びるサイドウォール部と、
    該サイドウォール部に連なるトレッド部と、
    前記左右一対の外側ビード部の間に該外側ビード部とはタイヤ幅方向に離間して設けられ、前記サイドウォール部及び前記トレッド部の少なくとも一方におけるタイヤ内面側の基部からタイヤ径方向内側に延び、そのタイヤ径方向内側端に設けられた内側ビード部がリムに接触すると共に、リムに装着したときに該リムとの間に夫々独立した主気室とその左右の第1副気室及び第2副気室とをタイヤ幅方向に形成する左右一対の隔壁と、
    前記外側ビード部に係留された外側カーカスと、
    前記内側ビード部に係留された内側カーカスと、を有する空気入りタイヤであって、
    前記基部における前記内側カーカスの前記主気室側に、補強ゴムを配設したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強ゴムは、タイヤ幅方向断面においてタイヤ赤道面側及び前記内側ビード部側に向かって厚さが夫々漸減するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強ゴムの硬度は、前記内側カーカスに使用されている被覆ゴムの硬度よりも高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強ゴムの100%伸長モジュラスは、2.5乃至15MPaであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ幅方向断面において、前記補強ゴムの最大厚さをTとすると、
    5mm≦T≦15mmであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ幅方向断面において、前記補強ゴムの最大厚さ位置における該補強ゴムの最も前記内側カーカス側の最外点から前記タイヤ赤道面側の端部までの距離をW1とし、前記最外点から前記内側ビード部側の端部までの距離をW2とすると、
    10mm≦W1≦40mm、かつ、10mm≦W2≦40mmであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記外側カーカスは、一対の前記外側ビード部間をトロイド状に跨って配設され、
    前記内側カーカスは、一対の前記内側ビード部間をトロイド状に跨って配設されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. タイヤ中心から前記外側ビード部のリムベースラインまでの半径をROとし、前記タイヤ中心から前記内側ビード部のリムベースラインまでの半径をRIとすると、
    0<RO−RI<50mmであることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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CN103692866A (zh) * 2013-12-18 2014-04-02 好孩子儿童用品有限公司 一种童车车轮

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