一方、近年のパチンコ機においては、上記した変動表示装置等が大型化される傾向にあり、遊技盤面でその他の部材を使用できる面積が減少し、従来の構造の大入賞口装置を上下方向、あるいは左右方向に2個並べて設置した場合、遊技領域内に収まらないという問題が出てきている。また、大入賞口装置における大入賞口の横幅寸法は、規則上「55mm以上135mm以下」と規定されているため、大入賞口を小さく設計しようとしても限界があった。
例えば、上記した特許文献1に開示されるパチンコ機のように、大入賞口装置を上下方向で2個並べて設置した場合、大入賞口の横幅寸法を最低の「55mm」とした場合であっても、大入賞口装置の高さ寸法が大きくなり、下方に位置する大入賞口装置に対して釘を配置するスペースがなくなってしまい、パチンコ玉を誘導し難いという問題点があった。
また、大入賞口装置を左右方向で2個並べた場合、やはり、大入賞口の横幅寸法を最低の「55mm」とした場合であっても、大入賞口の横幅以外にも大入賞口装置を取り付けるためのフランジ等の部位が必要となるため、遊技領域内に収まらないという問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、規則上の大入賞口の大きさとしながら、その装置全体の大きさを極力抑えた大入賞口装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、図2及び図3に示すように、予め定めた遊技状態となった場合に、遊技球が入賞できない状態から入賞し易い状態に変化する大入賞口装置5を備えたパチンコ機(遊技機)において、前記大入賞口装置5は、左右方向に列設される第1大入賞口21と第2大入賞口22とから構成され、前記第1大入賞口21は、少なくとも、前記大入賞口装置5の縦中心線の左側方に設けられて開閉動作をする左羽根部材30と、該左羽根部材30が開放状態のときに該左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉(遊技球)の直径以下となるように前記左羽根部材30の左側方に設けられてパチンコ玉を前記左羽根部材30側へ向けて誘導する左側方誘導部33と、前記左羽根部材30が閉塞状態のとき該左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記左羽根部材30の上方に設けられてパチンコ玉を前記左側方誘導部33側へ向けて誘導する左上方誘導部31と、を備えて、前記左側方誘導部33の左端と前記左上方誘導部31の右端との間隔が前記第1大入賞口21の横幅寸法を構成し、前記第2大入賞口22は、少なくとも、前記大入賞口装置5の縦中心線の右側方に設けられて開閉動作をする右羽根部材50と、該右羽根部材50が開放状態のときに該右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記右羽根部材50の右側方に設けられてパチンコ玉を前記右羽根部材50側へ向けて誘導する右側方誘導部53と、前記右羽根部材50が閉塞状態のとき該右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記右羽根部材50の上方に設けられてパチンコ玉を前記右側方誘導部53側へ向けて誘導する右上方誘導部51と、を備えて、前記右側方誘導部53の右端と前記右上方誘導部51の左端との間隔が前記第2大入賞口22の横幅寸法を構成し、前記左羽根部材30と前記右羽根部材50との間には、前記第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と前記第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを分離する分離壁24が形成され、前記左羽根部材30と前記右羽根部材50とは、いずれか一方ずつ開放されることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明においては、図2及び図3に示すように、請求項1記載のパチンコ機は、前記第1大入賞口21には、該第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉を検出する第1検出センサ34を備え、前記第2大入賞口22には、該第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉を検出する第2検出センサ54を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明においては、図4に示すように、予め定めた遊技状態となった場合に、パチンコ玉が入賞できない状態から入賞し易い状態に変化する大入賞口装置5を備えたパチンコ機において、前記大入賞口装置5は、左右方向に列設される第1大入賞口21と第2大入賞口22とから構成され、前記第1大入賞口21は、少なくとも、前記大入賞口装置5の縦中心線の左側方に設けられて開閉動作をする左羽根部材30と、該左羽根部材30が開放状態のときに該左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記左羽根部材30の左側方に設けられてパチンコ玉を前記左羽根部材30側へ向けて誘導する左側方誘導部33と、前記左羽根部材30が閉塞状態のとき該左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記左羽根部材30の上方に設けられてパチンコ玉を前記左側方誘導部33側へ向けて誘導する左上方誘導部31と、前記第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉を検出する第1検出センサ34と、を備えて、前記左側方誘導部33の左端と前記左上方誘導部31の右端との間隔が前記第1大入賞口21の横幅寸法を構成し、前記第2大入賞口22は、少なくとも、前記大入賞口装置5の縦中心線の右側方に設けられて開閉動作をする右羽根部材50と、該右羽根部材50が開放状態のときに該右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記右羽根部材50の右側方に設けられてパチンコ玉を前記右羽根部材50側へ向けて誘導する右側方誘導部53と、前記右羽根部材50が閉塞状態のとき該右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように前記右羽根部材50の上方に設けられてパチンコ玉を前記右側方誘導部53側へ向けて誘導する右上方誘導部51と、前記第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉を検出する第2検出センサ54と、を備えて、前記右側方誘導部53の右端と前記右上方誘導部51の左端との間隔が前記第2大入賞口22の横幅寸法を構成し、前記左羽根部材30と前記右羽根部材50とは、いずれか一方ずつ開放されることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明においては、図2乃至図4に示すように、請求項2又は請求項3のいずれかに記載のパチンコ機は、前記第1検出センサ34及び前記第2検出センサ54は、パチンコ玉を検出することにより賞球を払い出すための第1払出信号及び第2払出信号をそれぞれ出力し、前記第1払出信号に基づいて払い出される賞球の個数と前記第2払出信号に基づいて払い出される賞球の個数とは異なることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明においては、図6に示すように、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパチンコ機は、前記左側方誘導部33には、前記左羽根部材30が開放するときに点灯する第1側方電飾部材36が設けられ、前記右側方誘導部53には、前記右羽根部材50が開放するときに点灯する第2側方電飾部材56が設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明においては、図6に示すように、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のパチンコ機は、前記左上方誘導部31には、前記左羽根部材30が開放するときに点灯する第1上方電飾部材35が設けられ、前記右上方誘導部51には、前記右羽根部材50が開放するときに点灯する第2上方電飾部材55が設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明においては、図6に示すように、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のパチンコ機は、前記左羽根部材30が閉塞している状態で前記第1検出センサ34が遊技玉を検出したとき又は前記右羽根部材50が閉塞している状態で前記第2検出センサ54が遊技玉を検出したときには、エラーである旨を報知するエラー報知手段が設けられていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明においては、図5に示すように、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ機は、前記第1大入賞口21又は前記第2大入賞口22のいずれか一方には、入賞したパチンコ玉が通過することによりそれぞれ前記左羽根部材30又は前記右羽根部材50の開放を継続させる特定領域38と、入賞したパチンコ玉が通過することによりそれぞれ前記左羽根部材30又は前記右羽根部材50の開放を継続させない一般領域39と、が設けられていることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明においては、図7に示すように、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のパチンコ機は、前記左上方誘導部31と前記右上方誘導部51との間には、前記右上方誘導部51側に傾斜することによりパチンコ玉を前記左上方誘導部31側に誘導する状態と、前記左上方誘導部31側に傾斜することによりパチンコ玉を前記右上方誘導部51側に誘導する状態と、に変化する切換誘導部25が設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明においては、大入賞口装置5は、左右方向に列設される第1大入賞口21と第2大入賞口22とから構成され、第1大入賞口21は、少なくとも、開閉動作をする左羽根部材30と、左羽根部材30が開放状態のときに左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように設けられてパチンコ玉を左羽根部材30側へ向けて誘導する左側方誘導部33と、左羽根部材30が閉塞状態のとき左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように左羽根部材30の上方に設けられてパチンコ玉を左側方誘導部33側へ向けて誘導する左上方誘導部31と、を備えて、左側方誘導部33の左端と左上方誘導部31の右端との間隔が第1大入賞口21の横幅寸法を構成し、第2大入賞口22は、少なくとも、大入賞口装置5の縦中心線の右側方に設けられて開閉動作をする右羽根部材50と、右羽根部材50が開放状態のときに右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように右羽根部材50の右側方に設けられてパチンコ玉を右羽根部材50側へ向けて誘導する右側方誘導部53と、右羽根部材50が閉塞状態のとき右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように右羽根部材50の上方に設けられてパチンコ玉を右側方誘導部53側へ向けて誘導する右上方誘導部51と、を備えて、右側方誘導部53の右端と右上方誘導部51の左端との間隔が第2大入賞口22の横幅寸法を構成し、左羽根部材30と右羽根部材50との間には、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを分離する分離壁24が形成され、左羽根部材30と右羽根部材50とは、いずれか一方ずつ開放されるようになっている。
上記のように、左羽根部材30が開放したときには、この左羽根部材30の先端と左側方誘導部33との間隔がパチンコ玉の直径以下となり、左側方誘導部33によってパチンコ玉が左羽根部材30側へ誘導されると共に、左上方誘導部31によってパチンコ玉が左側方誘導部33側へ向けて誘導されるようになるため、左側方誘導部33の左端と左上方誘導部31の右端との間隔が実質的に第1大入賞口21の横幅寸法となる。同様に、右側方誘導部53の右端と右上方誘導部51の左端との間隔が実質的に第2大入賞口22の横幅寸法となる。
このように、固定された左側方誘導部33と右側方誘導部53をそれぞれ第1大入賞口21及び第2大入賞口22の開口部分の一部としているため、開放動作させる部分を第1大入賞口21及び第2大入賞口22の一端に位置する左羽根部材30及び右羽根部材50だけにすることができる。これにより、左羽根部材30及び右羽根部材50が位置する大入賞口装置5の中央部分だけにソレノイド等の駆動装置を設置すればよく、大入賞口装置5の両側方部分が大きくなることがないと共に、第1大入賞口21と第2大入賞口22との間に取付フランジ等の部位が形成されないため、大入賞口装置5の左右方向の寸法を小さくすることができる。
また、第1大入賞口21と第2大入賞口22との間に分離壁24が形成されているため、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを区別することができるため、それぞれの入賞球に対して異なった効果を付与する等の構成が可能となる。
また、左羽根部材30と右羽根部材50とは、いずれか一方ずつ開放されるものであるため、入賞率が高くなり過ぎることを防止することができる。
また、請求項2に係る発明においては、第1大入賞口21には、第1検出センサ34を備え、第2大入賞口22には、第2検出センサ54を備えているため、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを迅速且つ確実に検出し分けることができ、それぞれの検出センサ34,54から出力される検出信号をデータ収集等のために活用することができる。
また、請求項3に係る発明においては、大入賞口装置5は、左右方向に列設される第1大入賞口21と第2大入賞口22とから構成され、第1大入賞口21は、少なくとも、大入賞口装置5の縦中心線の左側方に設けられて開閉動作をする左羽根部材30と、左羽根部材30が開放状態のときに左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように左羽根部材30の左側方に設けられてパチンコ玉を左羽根部材30側へ向けて誘導する左側方誘導部33と、左羽根部材30が閉塞状態のとき左羽根部材30の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように左羽根部材30の上方に設けられてパチンコ玉を左側方誘導部33側へ向けて誘導する左上方誘導部31と、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉を検出する第1検出センサ34と、を備えて、左側方誘導部33の左端と左上方誘導部31の右端との間隔が第1大入賞口21の横幅寸法を構成し、第2大入賞口22は、少なくとも、大入賞口装置5の縦中心線の右側方に設けられて開閉動作をする右羽根部材50と、右羽根部材50が開放状態のときに右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように右羽根部材50の右側方に設けられてパチンコ玉を右羽根部材50側へ向けて誘導する右側方誘導部53と、右羽根部材50が閉塞状態のとき右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように右羽根部材50の上方に設けられてパチンコ玉を右側方誘導部53側へ向けて誘導する右上方誘導部51と、第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉を検出する第2検出センサ54と、を備えて、右側方誘導部53の右端と右上方誘導部51の左端との間隔が第2大入賞口22の横幅寸法を構成し、左羽根部材30と右羽根部材50とは、いずれか一方ずつ開放されるようになっている。
上記のように、左羽根部材30が開放したときには、この左羽根部材30と左側方誘導部33との間隔がパチンコ玉の直径以下となり、左側方誘導部33によってパチンコ玉が左羽根部材30側へ誘導されると共に、左上方誘導部31によってパチンコ玉が左側方誘導部33側へ向けて誘導されるようになるため、左側方誘導部33の左端と左上方誘導部31の右端との間隔が実質的に第1大入賞口21の横幅寸法となる。同様に、右側方誘導部53の右端と右上方誘導部51の左端との間隔が実質的に第2大入賞口22の横幅寸法となる。
このように、固定された左側方誘導部33と右側方誘導部53をそれぞれ第1大入賞口21及び第2大入賞口22の開口部分の一部としているため、開放動作させる部分を第1大入賞口21及び第2大入賞口22の一端に位置する左羽根部材30及び右羽根部材50だけにすることができる。これにより、左羽根部材30及び右羽根部材50が位置する大入賞口装置5の中央部分だけに駆動装置を設置すればよく、大入賞口装置5の両側方部分が大きくなることがないと共に、第1大入賞口21と第2大入賞口22との間に取付フランジ等の部位が形成されないため、大入賞口装置5の左右方向の寸法を小さくすることができる。
また、第1大入賞口21には、第1検出センサ34を備え、第2大入賞口22には、第2検出センサ54を備えているため、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを迅速且つ確実に検出し分けることができ、それぞれの検出センサ34,54から出力される検出信号をデータ収集等のために活用することができる。
また、左羽根部材30と右羽根部材50とは、いずれか一方ずつ開放するものであるため、入賞率が高くなり過ぎることを防止することができる。
また、請求項4に係る発明においては、第1検出センサ34及び第2検出センサ54は、パチンコ玉を検出することにより賞球を払い出すための第1払出信号及び第2払出信号をそれぞれ出力し、第1払出信号に基づいて払い出される賞球の個数と第2払出信号に基づいて払い出される賞球の個数とは異なるため、第1大入賞口21と第2大入賞口22とのいずれにパチンコ玉が入賞するかということに遊技者が期待感を持つことができる。
また、請求項5に係る発明においては、左側方誘導部33には、左羽根部材30が開放するときに点灯する第1側方電飾部材36が設けられ、右側方誘導部53には、右羽根部材50が開放するときに点灯する第2側方電飾部材56が設けられているため、遊技者は、側方電飾部材36,56を見るだけで第1大入賞口21と第2大入賞口22のいずれが開放されるか、及び開放する側の大入賞口の位置を容易に認識することができる。
また、請求項6に係る発明においては、左上方誘導部31には、左羽根部材30が開放するときに点灯する第1上方電飾部材35が設けられ、右上方誘導部51には、右羽根部材50が開放するときに点灯する第2上方電飾部材55が設けられているため、遊技者は、上方誘導部材23を見るだけで第1大入賞口21と第2大入賞口22のいずれが開放されるか、及び開放する側の大入賞口の位置を容易に認識することができる。
また、請求項7に係る発明においては、左羽根部材30が閉塞している状態で第1検出センサ34が遊技玉を検出したとき又は右羽根部材50が閉塞している状態で第2検出センサ54が遊技玉を検出したときには、エラーである旨を報知するエラー報知手段が設けられているため、大入賞口装置5あるいは検出センサ等が異常を来たしていることを認識することができ、修理等の処置を迅速に行なうことができる。
また、請求項8に係る発明においては、第1大入賞口21又は第2大入賞口22のいずれか一方には、入賞したパチンコ玉が通過することによりそれぞれ左羽根部材30又は右羽根部材50の開放を継続させる特定領域38と、入賞したパチンコ玉が通過することによりそれぞれ左羽根部材30又は前記右羽根部材50の開放を継続させない一般領域39と、が設けられている。このため、特定領域38と一般領域39とが設けられている側の大入賞口にパチンコ玉が入賞した場合には、羽根部材の開放が継続するときと継続しないときがあり、一方、特定領域38と一般領域39とが設けられていない側の大入賞口にパチンコ玉が入賞した場合には、無条件に羽根部材の開放が継続する。これにより、第1大入賞口21と第2大入賞口22とのいずれにパチンコ玉が入賞するかということに遊技者が期待感を持つことができる。
また、請求項9に係る発明においては、左上方誘導部31と右上方誘導部51との間には、右上方誘導部51側に傾斜することによりパチンコ玉を前記左上方誘導部31側に誘導する状態と、左上方誘導部31側に傾斜することによりパチンコ玉を右上方誘導部51側に誘導する状態と、に変化する切換誘導部25が設けられている。
上記のように、切換誘導部25は、左上方誘導部31側と右上方誘導部51側とのいずれかに傾斜するものであり、左側方誘導部33の左側端部と切換誘導部25の先端との間隔が実質的に第1大入賞口21の横幅寸法となり、右側方誘導部53の右側端部と切換誘導部25の先端との間隔が実質的に第2大入賞口22の横幅寸法となる。このため、切換誘導部25が右上方誘導部51側に傾斜した場合には、第1大入賞口21の横幅寸法の横幅寸法が拡大され、また、切換誘導部25が左上方誘導部31側に傾斜した場合には、第2大入賞口22の横幅寸法の横幅寸法が拡大されることとなる。このように、切換誘導部25が傾斜した分だけ大入賞口の横幅寸法を拡大することができるため、大入賞口装置5の左右方向の寸法をより小さくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、パチンコ機の正面に備えられる遊技盤1について説明する。図1は、遊技盤1の正面図である。遊技盤1は、ほぼ正方形状の合板(図示しない)により形成され、その表面には、円形うず巻き状に誘導レール2が取り付けられ、該誘導レール2の内側が遊技領域3とされて発射されたパチンコ玉が流下するものである。遊技領域3には、図示の場合、変動表示装置4、大入賞口装置5、普通入賞口装置6、通過口7等が設けられると共に、単にパチンコ玉を入賞とする入賞口8、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車16又は多数の障害釘が設けられ、また、遊技領域3の最下方には、いずれの入賞装置にも入賞しないパチンコ玉が取り込まれるアウト口9が設けられている。
遊技領域3の構成をその遊技動作に従ってより詳細に説明すると、変動表示装置4の下方に普通入賞口装置6が設けられ、この普通入賞口装置6の両側方には、それぞれ通過口7が設けられている。この通過口7をパチンコ玉が通過すると、変動表示装置4の上方に設けられる左右一対のLEDからなる普通図柄表示器10を可変表示(点灯移動)して表示結果を導出する(左右いずれか一方のLEDのみを点灯表示する)。しかして、普通図柄表示器10の表示結果が予め定められた当りLEDの点灯(図示の場合は、右側のLED)である場合に、普通入賞口装置6が所定時間開放される。なお、普通図柄表示器10の可変時間は、後述する非特別遊技状態のときに相対的に長く(例えば、30秒)、後述する特別遊技状態のときに相対的に短く(例えば、3〜5秒)設定されている。また、普通図柄表示器10の左右両側方には、通過口7を通過したパチンコ玉数を記憶表示する普通図柄始動記憶表示LED15(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。
普通入賞口装置6は、遊技領域3のほぼ中央に配置される変動表示装置4と遊技領域3のアウト口9の上部に配置される大入賞口装置5との間に配置され、ソレノイド(図示しない)によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通入賞口装置6は、開放中にパチンコ玉を受け入れるようになっており、パチンコ玉が入賞すると変動表示装置4が可変表示を開始する。なお、普通入賞口装置6の開放時間は、非特別遊技状態のときに相対的に短く(例えば、0.5秒)、特別遊技状態のときに相対的に長く(例えば、2秒)設定されている。なお、普通入賞口装置6が開放していない場合でもパチンコ玉を受け入れることができるようになっている。
変動表示装置4は、識別情報(特別図柄)を可変表示する画像表示部12を有した液晶タイプの表示器であり、この画像表示部12は、左・中・右の3つの表示領域に識別情報を表示するものである。この画像表示部12の前方外周には、横長形状の窓開口が開設された装飾部材13が設けられている。この装飾部材13の外周には、装飾部材13を遊技盤1に取り付けるための取付穴14が穿設されている。そして、変動表示装置4の変動停止時における図柄の組合せが予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合;「777」、「333」等)である特定表示結果となった場合に特定遊技状態(いわゆる大当り状態)となり、大入賞口装置5を次に説明する所定の態様で開閉駆動するものである。ただし、特定表示結果の一部は、特別表示結果(例えば、「777」)として設定され、この特別表示結果で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における普通図柄表示器10での当り(当りLEDの点灯)の出現確率や、変動表示装置4での大当り図柄の出現確率が高くなる遊技者に有利な特別遊技状態となるように設定されている。これに対し、特別表示結果以外の特定表示結果(例えば、「555」)は、特別遊技状態よりも遊技者に不利な非特別遊技状態となる非特別表示結果として設定されている。また、変動表示装置4の表示領域下部には、特別図柄の可変動作中に普通入賞口装置6に入賞したパチンコ玉数を記憶表示する特別図柄始動記憶表示部11(最高4個まで記憶表示する)が表示される。
特定遊技状態となったときに駆動制御される大入賞口装置5は、左右方向に列設される第1大入賞口21と第2大入賞口22とにより構成されるものである。この第1大入賞口21と第2大入賞口22とは、いずれか一方ずつ開放されるものであり、両方同時に開放することはないため、入賞率が高くなり過ぎるということはない。
例えば、変動表示装置4において、上記した特別表示結果によって大当りになったときには、第1大入賞口21が開放し、特別表示結果以外の特定表示結果によって大当りになったときには、第2大入賞口22が開放する、というようにいずれか一方ずつ開放するようになっている。従って、この場合には、第1入賞口21が開放される特別遊技状態の終了後には、普通図柄表示器10での当りの出現確率や変動表示装置4での大当り図柄の出現確率が高くなる遊技者に有利な特別遊技状態となる。
上記した大入賞口装置5には、この大入賞口5の縦中心線の左側方に設けられて開閉動作をする左羽根部材30と、大入賞口5の縦中心線の右側方に設けられて開閉動作をする右羽根部材50と、が備えられており、この左羽根部材30及び右羽根部材50は、大入賞口装置5に内蔵されたソレノイド(図示しない)によって、開閉動作するようになっている。そして、特定遊技状態となった場合には、一定時間(例えば、28秒)が経過するまで又はその一定時間内に所定個数(例えば、10個)の入賞球が入賞するまで左羽根部材30又は右羽根部材50を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、所定回数(例えば、最高16回)の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。なお、大入賞口装置5の構成については、以下に詳述する。
以上、パチンコ機の正面に備えられる遊技盤1について説明したが、次に、本発明の要部を構成する大入賞口装置5について図2乃至図7を参照して説明する。図2は、第1実施形態に係る大入賞口装置5の正面図であり、図3は、第1実施形態に係る大入賞口装置5の横幅寸法及びパチンコ玉の流れを示す正面図であり、図4は、第2実施形態に係る大入賞口装置5の横幅寸法及びパチンコ玉の流れを示す正面図であり、図5は、第3実施形態に係る大入賞口装置5及びそのパチンコ玉の流れを正面図であり、図6は、第4実施形態に係る大入賞口装置5の正面図であり、図7は、第5実施形態に係る大入賞口装置5の横幅寸法及びパチンコ玉の流れを示す正面図である。
図2において、大入賞口装置5は、左右方向に列設される第1大入賞口21と第2大入賞口22とから構成されるものである。そこで、以下、大入賞口装置5の構成について説明する。
大入賞口装置5は、少なくとも、大入賞口装置5を遊技盤1に取り付けるためのベース部材20と、このベース部材20の表面のほぼ中央に形成される開閉式入賞装置29と、ベース部材20の表面の左側方に形成される左側方誘導部材32と、ベース部材20の表面の右側方に形成される右側方誘導部材52と、から構成されている。
まず、ベース部材20は、平板形状に形成されるものであり、その四隅には、大入賞口装置5を遊技盤1に取り付ける際、取付用の取付ネジが挿通される取付穴20aが複数箇所(図の場合、4箇所)穿設されている。
また、開閉式入賞装置29は、左右対称形状に形成されるものであり、その左右両側方には、互いに対称なほぼ三角形状で、開閉動作する左羽根部材30及び右羽根部材50がそれぞれ備えられている。この左羽根部材30及び右羽根部材50の上方には、中央から左右両側方に向かって下り傾斜する三角形状の上方誘導部材23が形成されており、この上方誘導部材23の左側傾斜面が、パチンコ玉を後述する左側方誘導部33側へ向けて誘導する左上方誘導部31、右傾斜面が、パチンコ玉を後述する右側方誘導部53側へ向けて誘導する右上方誘導部51として形成されている。
また、開閉式入賞装置29の下部には、開閉式入賞装置29の前面側を装飾すると共に、左羽根部材30及び右羽根部材50を開閉動作ができるように支持する正面装飾部材26が備えられている。
そして、上方誘導部材23から正面装飾部材26に亘って、空間を左右で区画するように、分離壁24が上下方向で設けられている。このように、第1大入賞口21と第2大入賞口22との間に分離壁24が形成されているため、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを区別することができるため、それぞれの入賞球に対して異なった効果を付与する等の構成が可能となる。
また、分離壁24で区画された左側の空間であって左羽根部材30の下方には、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉を検出するための第1検出センサ34が、分離壁24で区画された右側の空間であって右羽根部材50の下方には、第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉を検出するための第2検出センサ54が、それぞれ備えられている。この第1検出センサ34及び第2検出センサ54は、パチンコ玉を検出することにより賞球を払い出すための第1払出信号及び第2払出信号をそれぞれ出力し、第1払出信号に基づいて払い出される賞球の個数と第2払出信号に基づいて払い出される賞球の個数とは異なるため、第1大入賞口21と第2大入賞口22とのいずれにパチンコ玉が入賞するかということに遊技者が期待感を持つことができる。
また、左側方誘導部材32は、左側方から開閉式入賞装置29側に向って下り傾斜する三角形状のものであり、その傾斜面がパチンコ玉を左羽根部材30側へ向けて誘導する左側方誘導部33として形成されている。また、右側方誘導部材52は、右側方から開閉式入賞装置29側に向って下り傾斜する三角形状のものであり、その傾斜面がパチンコ玉を右羽根部材50側へ向けて誘導する右側方誘導部53として形成されている。
大入賞口装置5は、上記した部材により構成されるものであるが、第1大入賞口21は、上記した部材のうち、少なくとも、左羽根部材30と左側方誘導部33と左上方誘導部31とを備えるものである。そして、図3(A)に示すように、左側方誘導部33の左端と左上方誘導部31の右端との間隔が第1大入賞口21の横幅寸法を構成しており、その寸法は59mmとなっている。
また、第2大入賞口22は、上記した部材のうち、少なくとも、右羽根部材50と右側方誘導部53と右上方誘導部51とを備えるものである。そして、図3(A)に示すように、右側方誘導部53の右端と右上方誘導部51の左端との間隔が第2大入賞口22の横幅寸法を構成しており、その寸法は59mmとなっている。
また、左側方誘導部33及び右側方誘導部53は、図2の実線で示すように、左羽根部材30又は右羽根部材50がそれぞれ開放状態のときに、左羽根部材30及び右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように、左羽根部材30の左側方及び右羽根部材50の右側方にそれぞれ設けられている。このため、図3(B)の第1大入賞口21側で示すように、左側方誘導部33(右側方誘導部53)上を転動するパチンコ玉は、左側方誘導部33(右側方誘導部53)と左羽根部材30(右羽根部材50)との間から落下することなく、左羽根部材30(右羽根部材50)に誘導されて第1大入賞口21(第2大入賞口22)へ入賞し、第1検出センサ34(第2検出センサ54)によって検出される。
また、左上方誘導部31及び右上方誘導部51は、図2の破線で示すように、左羽根部材30又は右羽根部材50がそれぞれ閉塞状態のときに、左羽根部材30及び右羽根部材50の先端との間隔がパチンコ玉の直径以下となるように、左羽根部材30の及び右羽根部材50の上方にそれぞれ設けられている。このため、図3(B)の第2大入賞口22側で示すように、右側方誘導部53(左側方誘導部33)上を転動するパチンコ玉は、右側方誘導部53(左側方誘導部33)と右羽根部材50(左羽根部材30)との間から落下し、第2大入賞口22(第1大入賞口21)へ入賞することはない。
なお、上記した実施形態(第1実施形態)においては、第1大入賞口21及び第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉をそれぞれ検出する第1検出センサ34及び第2検出センサ54が、左羽根部材30又は右羽根部材50の下方に備えられているものを示したが、このようなものに限らず、第1検出センサ34及び第2検出センサ54がそれぞれ左上方誘導部31及び右上方誘導部51の下流端の下方に備えられているものであってもよい。このような実施形態(第2実施形態)について、図4を参照して説明する。なお、第2実施形態に係る大入賞口装置5については、第1実施形態に係る大入賞口装置5と異なる部分のみ説明する。また、図4において、第1実施形態に係る大入賞口装置5と同様の機能を奏する部材には、同じ符号を付してある。
図4において、第2実施形態に係る大入賞口装置5においては、第1検出センサ34及び第2検出センサ54が備えられている位置が、第1実施形態に係る大入賞口装置5と異なっている。具体的には、第2実施形態に係る大入賞口装置5では、第1検出センサ34及び第2検出センサ54がそれぞれ左上方誘導部31及び右上方誘導部51の下流端の下方に備えられている。このため、左羽根部材30又は右羽根部材50で誘導されたパチンコ玉が入賞すると同時に第1検出センサ34又は第2検出センサ54によって検出され、検出信号を迅速に出力することができる。また、それぞれの検出センサによって検出された後は、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉か、あるいは第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉かを区別する必要がないため、空間を仕切る上下に長い分離壁24を設ける必要がない。この場合、分離壁24をまったく無くしてしまうと、一方の検出センサで検出されたパチンコ玉が、中央部分を通過して他方の検出センサで再び検出されるおそれがあるため、他方の検出センサで再び検出されないよう、図4に示すように、分離壁24の代わりに分離壁24よりも短い防護壁27が設けられている。また、防護壁27の下方には、第1大入賞口21又は第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉が排出される共通の排出口28が形成されている。
上記のように、左羽根部材30が開放したときには、この左羽根部材30の先端と左側方誘導部33との間隔がパチンコ玉の直径以下となり、左側方誘導部33によってパチンコ玉が左羽根部材30側へ誘導されると共に、左上方誘導部31によってパチンコ玉が左側方誘導部33側へ向けて誘導されるようになるため、左側方誘導部33の左端と左上方誘導部31の右端との間隔が実質的に第1大入賞口21の横幅寸法となる。同様に、右側方誘導部53の右端と右上方誘導部51の左端との間隔が実質的に第2大入賞口22の横幅寸法となる。
このように、固定された左側方誘導部33と右側方誘導部53をそれぞれ第1大入賞口21及び第2大入賞口22の開口部分の一部としているため、開放動作させる部分を第1大入賞口21及び第2大入賞口22の一端に位置する左羽根部材30及び右羽根部材50だけにすることができる。これにより、左羽根部材30及び右羽根部材50が位置する大入賞口装置5の中央部分だけに駆動装置を設置すればよく、大入賞口装置5の両側方部分が大きくなることがないと共に、第1大入賞口21と第2大入賞口22との間に取付フランジ等の部位が形成されないため、大入賞口装置5の左右方向の寸法を小さくすることができる。
また、上記のように、第1大入賞口21には、第1検出センサ34を備え、第2大入賞口22には、第2検出センサ54を備えているため、第1大入賞口21に入賞したパチンコ玉と第2大入賞口22に入賞したパチンコ玉とを迅速且つ確実に検出し分けることができ、それぞれの検出センサ34,54から出力される検出信号をデータ収集等のために活用することができる。
なお、上記した第1実施形態及び第2実施形態に係る大入賞口装置5は、大当り状態となったときに行なわれる第1大入賞口21又は第2大入賞口22の開放サイクルが、無条件に所定回数(例えば、16回)行なわれるものとして説明したが、このようなものに限らず、開放サイクル中に入賞したパチンコ玉が特定の検出センサによって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に所定回数の開放サイクルを繰り返すことができるものであってもよい。このような実施形態(第3実施形態)ついて、図5を参照して説明する。なお、第3実施形態に係る大入賞口装置5については、第1実施形態に係る大入賞口装置5と異なる部分のみ説明する。また、図5において、第1実施形態に係る大入賞口装置5と同様の機能を奏する部材には、同じ符号を付してある。
図5において、第3実施形態に係る大入賞口装置5においては、上方誘導部材23及び正面装飾部材26の左右方向の長さが第1実施形態に係る大入賞口装置5よりも長く形成されると共に、大入賞口装置5全体の左右方向の長さも長く形成されている。また、第1入賞口21側には、入賞したパチンコ玉を検出する検出センサとしての特定領域38及び一般領域39が備えられている。第3実施形態に係る大入賞口装置5の第1入賞口21では、遊技状態が大当り状態となって左羽根部材30の開放サイクルが開始された場合、第1入賞口21に入賞したパチンコ玉が特定領域38を通過した場合に、次の開放サイクルが実行されるようになっている。即ち、開放サイクルが開始されて所定時間経過する前あるいは所定個数のパチンコ玉が第1入賞口21に入賞するまでの間に、入賞したパチンコ玉が1つも特定領域38を通過することなく、一般領域39しか通過しなかったときには、開放サイクルの継続権が成立することなく、現在の開放サイクルだけで終了してしまうようになっている。一方、第2入賞口22の開放サイクルは、第1実施形態と同様に、無条件で所定回数実行されるようになっている。なお、特定領域38及び一般領域39は、第1入賞口21へ入賞したパチンコ玉を検出するものであるため、特定領域38及び一般領域39によって第1検出センサ34としての機能を有するものである。
このように、第3実施形態に係る大入賞口装置5においては、第1大入賞口21には、入賞したパチンコ玉が通過することにより左羽根部材30の開放を継続させる特定領域38と、入賞したパチンコ玉が通過することにより左羽根部材30の開放を継続させない一般領域39と、が設けられているため、第1大入賞口21にパチンコ玉が入賞した場合には、左羽根部材30の開放が継続するときと継続しないときがあり、一方、特定領域38と一般領域39とが設けられていない側の第2大入賞口22にパチンコ玉が入賞した場合には、無条件に羽根部材の開放が継続する。これにより、第1大入賞口21と第2大入賞口22とのいずれにパチンコ玉が入賞するかということに遊技者が期待感を持つことができる。
なお、第1大入賞口21には特定領域38と一般領域39とが設けられておらず、第2大入賞口22に特定領域38と一般領域39とが設けられているものや、あるいは、第1大入賞口21及び第2大入賞口22の両方に特定領域38と一般領域39とが設けられているものであってもよい。
以上、第1実施形態乃至第3実施形態に係る大入賞口装置5について説明したが、次に、第1大入賞口21と第2大入賞口22のいずれが開放サイクルを実施しているかを報知する実施形態(第4実施形態)について、図6を参照して説明する。なお、第4実施形態に係る大入賞口装置5については、第1実施形態に係る大入賞口装置5と異なる部分のみ説明する。また、図6において、第1実施形態に係る大入賞口装置5と同様の機能を奏する部材には、同じ符号を付してある。
図6(A)に示すように、第4実施形態に係る大入賞口装置5においては、左側方誘導部33には、左羽根部材30が開放するときに点灯する第1側方電飾部材36が設けられ、右側方誘導部53には、右羽根部材50が開放するときに点灯する第2側方電飾部材56が設けられている。また、左上方誘導部31には、左羽根部材30が開放するときに点灯する第1上方電飾部材35が設けられ、右上方誘導部51には、右羽根部材50が開放するときに点灯する第2上方電飾部材55が設けられている。更に、正面装飾部材26の第1大入賞口21側には、左羽根部材30が開放するときに点灯する第1前面電飾部材37が設けられ、正面装飾部材26の第2大入賞口22側には、右羽根部材50が開放するときに点灯する第2前面電飾部材57が設けられている。
上記のように、左羽根部材30が開放するときには、図6(B)に示すように、第1上方電飾部材35,第1側方電飾部材36及び第1前面電飾部材37が点灯し、右羽根部材50が開放するときには、第2上方電飾部材55、第2側方電飾部材56及び第2前面電飾部材57が点灯するため、遊技者は、上方誘導部材23、側方誘導部材32,5236,56及び前面電飾部材37,57正面装飾部材26のいずれかを見るだけで第1大入賞口21と第2大入賞口22のいずれが開放されるか、及び開放する側の大入賞口の位置を容易に認識することができる。
なお、上方誘導部材23電飾部材31,51、側方誘導電飾部材36,56及び前面電飾部材37,57のうち1種又は2種以上のものが設けられていればよい。また、第4実施形態に係る大入賞口装置5については、第1実施形態に係る大入賞口装置5に上方誘導部材23電飾部材31,51、側方誘導電飾部材36,56及び前面電飾部材37,57が設けられているものを示したが、上記した第2実施形態及び第3実施形態にも適用することができる。
なお、上記した上方誘導部材23電飾部材31,51、側方誘導電飾部材36,56及び前面電飾部材37,57は、左羽根部材30が閉塞している状態で第1検出センサ34が遊技玉を検出したとき又は右羽根部材50が閉塞している状態で第2検出センサ54が遊技玉を検出したときには、エラーである旨を報知するエラー報知手段としての機能を有するものである。このようにエラーが発生したときには、上方誘導部材23電飾部材31,51、側方誘導電飾部材36,56及び前面電飾部材37,57のすべてが点灯してエラーである旨の報知をするようになっているため、大入賞口装置5あるいは検出センサ等が異常を来たしていることを認識することができ、修理等の処置を迅速に行なうことができる。なお、エラーを報知するエラー報知手段は、上方誘導部材23電飾部材31,51、側方誘導電飾部材36,56及び前面電飾部材37,57に限らず、例えば、エラー時に点灯する呼出ランプや報知音を発生するスピーカ等であってもよい。
以上、第1実施形態乃至第4実施形態に係る大入賞口装置5について説明したが、次に、パチンコ玉を前記左上方誘導部31側に誘導する状態と、右上方誘導部51側に誘導する状態と、に変化する切換誘導部25が上方誘導部材23に設けられている実施形態(第5実施形態)について、図7を参照して説明する。なお、第5実施形態に係る大入賞口装置5については、第1実施形態に係る大入賞口装置5と異なる部分のみ説明する。また、図7において、第1実施形態に係る大入賞口装置5と同様の機能を奏する部材には、同じ符号を付してある。
図7(A)に示すように、第5実施形態に係る大入賞口装置5においては、上方誘導部材23の頂点部、即ち、左上方誘導部31と右上方誘導部51との間には、右上方誘導部51側に傾斜することによりパチンコ玉を前記左上方誘導部31側に誘導する状態と、左上方誘導部31側に傾斜することによりパチンコ玉を右上方誘導部51側に誘導する状態と、に変化する切換誘導部25が設けられている。図7(A)に示すように、切換誘導部25が垂直の状態である場合、左側方誘導部33の左端と切換誘導部25の先端との間隔が第1大入賞口21の横幅寸法を構成し、右側方誘導部53の右端と切換誘導部25の左端との間隔が第2大入賞口22の横幅寸法を構成することとなり、いずれも59mmである。
切換誘導部25が垂直の状態から、図7(B)に示すように、右上方誘導部51側に傾斜することにより、パチンコ玉を左上方誘導部31側に誘導する状態となったときには、左側方誘導部33の左側端部と切換誘導部25の先端との間隔が最大72mm程度となり、第1大入賞口21の横幅寸法が拡大される。
このように、切換誘導部25は、左上方誘導部31側と右上方誘導部51側とのいずれかに傾斜するものであり、左側方誘導部33の左側端部と切換誘導部25の先端との間隔が実質的に第1大入賞口21の横幅寸法となり、右側方誘導部53の右側端部と切換誘導部25の先端との間隔が実質的に第2大入賞口22の横幅寸法となる。このため、切換誘導部25が右上方誘導部51側に傾斜した場合には、第1大入賞口21の横幅寸法の横幅寸法が拡大され、また、切換誘導部25が左上方誘導部31側に傾斜した場合には、第2大入賞口22の横幅寸法の横幅寸法が拡大されることとなる。このように、切換誘導部25が傾斜した分だけ大入賞口の横幅寸法を拡大することができるため、大入賞口装置5の左右方向の寸法をより小さくすることができる。
なお、第5実施形態に係る大入賞口装置5については、第1実施形態に係る大入賞口装置5に切換誘導部25が設けられているものを示したが、上記した第2実施形態乃至第4実施形態にも適用することができる。