前記(0A)に記載の発明によれば、入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能となる入賞装置と、表示画面を備え当該表示画面に入賞装置の状態に応じた所定の演出表示をする表示手段とが、遊技盤の遊技領域の幅方向の中央箇所で且つ表示装置と入賞装置との順で上から縦方向に並設されている。また、表示手段の表示画面の周囲の少なくとも一部に配置される装飾部材は、遊技球が入球可能な入球口と、この入球口に入球した遊技球を通過案内する案内通路と、この案内通路で案内された遊技球が表示手段の下方位置で表示画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置の上部に排出される排出手段と、を備えている。また、入賞装置は、遊技球が入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入球手段と、この特定入球手段以外の入球手段であって遊技球が入球可能な非特定入球手段と、特定入球手段または非特定入球手段への遊技球の入球を振り分ける可動式の可動役物と、特定入球手段と非特定入球手段と可動役物とが内部空間の所定箇所に配設されて特定入球手段と非特定入球手段と可動役物とのうちで少なくともその可動役物が正面視で外部から視認可能な本体部材と、入球手段に遊技球が入球したことに基づいて排出手段からの遊技球が入球可能な開状態に変移するものであって本体部材の上部で且つ排出手段の直下に設けられた開閉入球手段とを備えている。
したがって、表示手段と入賞装置とを、遊技盤の遊技領域の幅方向の中央個所で縦方向に並べて配置しているので、表示手段の表示画面の一部分が入賞装置内の可動役物の背後に隠れてしまうようなことがなく、表示画面を見易くできるし、入賞装置が横方向に大きくなるようなことや、遊技領域が狭くなるようなこともなく、遊技領域を確保できる。
また、入賞装置の開閉入球手段よりも上方に表示手段を備えているので、開閉入球手段よりも下方に表示手段がある場合に比べて、表示手段での演出表示と開閉入球手段への入球の有無とが見易くできる。つまり、開閉入球手段よりも下方に表示手段がある場合には、入賞装置の状態に応じた所定の演出表示をする表示手段を見た後にそれよりも上方の開閉入球手段を見なければならず、球の流れに逆らって視線移動しなければならないし、開閉入球手段への視線を移動したときにはかかる開閉入球手段への入球の有無が既に終えていることがあり、遊技者にとって見難いという問題があるが、入賞装置の開閉入球手段よりも上方に表示手段を備えているので、演出表示をする表示手段を見た後にそれよりも下方の開閉入球手段に視線移動をする、つまり球の流れに視線移動しており、開閉入球手段への入球の有無を容易に見ることができ、表示手段での演出表示と開閉入球手段への入球の有無とが見易くできる。
また、表示手段とは別の入賞装置の本体部材の内部に可動役物を備えているので、表示画面の手前側(前方箇所)に可動役物が位置しないようにしており、従来のような可動役物の動作制限(つまり、可動役物は表示画面の邪魔にならないような動きに制限されること)を排除でき、可動役物を本体部材の内部で自由に可動させることができ、可動役物の動きの自由度を向上させることができる。
また、表示画面周囲の装飾部材に入球した遊技球は、案内通路で案内されて表示手段の下方位置の排出手段から表示画面幅よりも狭い排出範囲で排出されて、この排出手段の直下で入賞装置の上部の開閉入球手段に入球したりしなかったりする。つまり、表示画面の直下に入賞装置の開閉入球手段が位置しており、排出手段から排出された遊技球が開閉入球手段に入球するかどうかを視線を動かすことなく見ることができるので、表示手段の表示画面と、遊技球が入賞装置に入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示手段の表示画面に遊技者を注視させたとしても、入賞装置への入球有無過程の見落としが低減できる。
その結果、表示画面が見易く、遊技領域を確保でき、且つ、可動役物の動作の自由度を向上させることができ、しかも入賞装置への入球と表示画面の表示情報とを同時に見ることができる遊技機を提供することができる。
前記(0B)に記載の発明によれば、開閉入球手段の可動部は、遊技球が入球可能な開口を形成する開状態と、当該開口を閉じる閉状態とに変移可能となっている。また、可動部が開状態となっても、装飾部材の横幅内に位置しているので、装飾部材の横幅を超えて遊技領域幅が狭くなることがない。
前記(1)に記載の発明によれば、装飾部材の滞在手段は、表示手段の下方位置に備えられ、案内通路で案内された遊技球を視認可能に滞在させる。排出手段は、滞在手段からの遊技球を表示手段の下方位置で表示画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置の上部に排出する。つまり、表示手段の下方位置の滞在手段で滞在する遊技球を確認することができ、遊技球の滞在手段での滞在期間の間その滞在球に注意を喚起させることができ、その後に排出手段から排出されるので、表示手段から入賞装置の上部に排出されようとする遊技球をさらに見落とさないようにでき、排出手段から排出された遊技球が開閉入球手段に入球するかどうかを視線を動かすことなく見ることができるので、表示手段の表示画面と、遊技球が入賞装置に入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示手段の表示画面に遊技者を注視させたとしても、入賞装置への入球有無過程の見落としが低減できる。
前記(2)に記載の発明によれば、装飾部材の排出手段と入賞装置の開閉入球手段とが別体で個別に遊技盤に取り付けられる構成の場合では排出手段と開閉入球手段との位置関係が両者の遊技盤への取り付け精度により変化してしまうが、装飾部材と入賞装置とは一体的に形成されたものであるので、排出手段と開閉入球手段との位置関係が両者の遊技盤への取り付け精度により変化するということが無く、両者の取付位置調整も不要であり、取付作業性に優れる。
前記(3)に記載の発明によれば、遊技盤を正面視した状態で装飾部材と入賞装置との間の両側に、装飾部材および入賞装置の横幅よりも小さい幅としたくびれ部を備えているので、そのくびれ部を形成している分だけ遊技領域を広くすることができる。つまり、装飾部材と入賞装置との間のくびれ部まで遊技球が流下して来ることがある。また、開閉入球手段はくびれ部に設けられているので、表示手段の表示画面と、その表示画面直下のくびれ部に設けられた開閉入球手段に遊技球が入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示手段の表示画面に遊技者を注視させたとしても、入賞装置への入球有無過程の見落としが低減できる。
前記(4)に記載の発明によれば、開閉入球手段での横方向に並んだ一対の可動部は、その下端側の軸部を軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技球が入球可能な開口を形成する開状態となり、逆に、その軸部を軸心として先端側が互いに近づくように回動して閉じることで当該開口を閉じる閉状態とに変移可能なものである。また、一対の可動部が開状態となっても、装飾部材および入賞装置の横幅内に位置しているので、装飾部材および入賞装置の横幅を超えて遊技領域幅が狭くなることがない。
前記(5)に記載の発明によれば、遊技領域は、その正面視で円形、略円形、楕円形または略楕円形となっており、くびれ部は、遊技領域の正面視で横幅が最も大きい部分に位置しているので、表示手段や入賞装置の横幅は最大限に確保しながら、一対の可動部が開状態となってもその可動部は装飾部材および入賞装置の横幅以内に止まっていることから、可動部の可動によって遊技領域幅が狭くなることもなく、遊技領域の遊技球の流下態様によっても面白味を付与できる構成とすることができる。
前記(6)に記載の発明によれば、入賞装置は、正面視で中央が高く両端がそれよりも低い円弧状通路部を、その中央箇所が排出手段の直下に位置するように備えている。排出手段から排出された遊技球は、円弧状通路部の中央箇所から左端または右端に向けて流下可能となっている。円弧状通路部の両端には一対の可動部がそれぞれ配設されている。したがって、表示手段の装飾部材に入球して排出手段から排出される遊技球は、入賞装置の円弧状通路部の中央箇所に必ず排出され、この円弧状通路部の左端または右端に向かって流下していき、その左端および右端にそれぞれ設けられた可動部の方に案内できる。例えば、一対の可動部が開状態であれば円弧状通路部を通ってきた遊技球が入賞装置に入球することになるし、逆に一対の可動部が閉状態であれば入賞装置に入球せずに通り過ぎて行くことになる。つまり、表示手段の装飾部材に入球した遊技球を必ず入賞装置の開閉入球手段(一対の可動部)に案内することができ、この開閉入球手段(一対の可動部)の開状態または閉状態によって入球の可否を決することができる。
前記(7)に記載の発明によれば、滞在手段の揺動面では、正面視で幅方向に遊技球が揺動するので、この滞在手段の後段の排出手段で排出される前にかかる滞在手段で揺動される遊技球に注視させることができる。
前記(8)に記載の発明によれば、滞在手段の一方向経路部は、案内通路と排出手段とを直接結ぶ直線経路よりも長い経路となっており、且つ、遊技球を所定の経路を一方向にのみ通過させる経路となっている。したがって、遊技球を一方向経路部で一方向に通過案内することで、装飾部材内に遊技球を滞在させることができ、この滞在手段の後段の排出手段で排出される前にかかる滞在手段において一方向に通過案内されることで滞在される遊技球に注視させることができる。
前記(9)に記載の発明によれば、装飾部材と入賞装置とは、その両者の間を遊技球が横方向に通過可能なように当該装飾部材および入賞装置を間隔を空けて配設しているので、遊技盤の左側を流下する遊技球が装飾部材と入賞装置との間を通って遊技盤の右側に流下していくことや、それとは逆に右から左に流下していくことができ、さらに多様性のある遊技盤を提供することができる。
前記(10)に記載の遊技機によれば、表示画面が見易く、遊技領域を確保でき、且つ、可動役物の動作の自由度を向上させることができ、しかも入賞装置への入球と表示画面の表示情報とを同時に見ることができるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)するものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された入賞装置(可変入賞手段や特定入賞口など)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の概略正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図である。図3は、本実施例のパチンコ機10の電気的接続を例示するブロック図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、後述する図9に示すベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図3参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカ48(図3参照)からの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部102(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部103(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部104(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部102および第2電飾部103には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙S1(図2参照)などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図1参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部55(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30の右側が仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
また、遊技盤30は、図2に示すように、盤面下方の左側および右側の2箇所にそれぞれ配置された第1始動口31と、盤面下方左側の第1始動口31の下方に配置された第2始動口33とを備えている。
遊技盤30は、図2に示すように、表示画面61を備え且つこの表示画面61に所定の演出表示(例えば、入賞装置40の状態に応じた所定の演出表示)をする表示装置60と、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて遊技球Bの入球が可能となる入賞装置40とを備えている。また、表示装置60は、図2に示すように、その表示画面61の周囲の少なくとも一部に配置されるセンターフレーム90を備えている。この実施例のセンターフレーム90は、表示画面61の外周全体に配置され、且つ、表示画面61の角部を隠した状態で配置されたものとしているが、表示画面61の端部を隠した状態で配置されたものであってもよいし、表示画面61を隠さずにこの表示画面61の周囲の少なくとも位置に配置されたものとしてもよい。
ここで、表示装置60と入賞装置40とセンターフレーム90との構造について、図4〜図6を用いてもう少し詳細に説明する。図4(a)は羽根41a,41bが閉状態の場合でのセンターフレーム90および入賞装置40を示す正面図であり、図4(b)は羽根41a,41bが開状態の場合でのセンターフレーム90および入賞装置40を示す正面図である。図5は羽根41a,41bが閉状態の場合でのセンターフレーム90および入賞装置40の要部箇所を示す概略斜視図である。図6は羽根41a,41bが開状態の場合でのセンターフレーム90および入賞装置40の要部箇所を示す概略斜視図である。
図2,図4に示すように、表示装置60と入賞装置40とは、遊技領域30aの幅方向の中央箇所で且つその順に上から縦方向に並設されている。
また、図4に示すように、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成されたものである。つまり、センターフレーム90と入賞装置40の後述する本体部材214とが分離不可に例えば樹脂成型された一体物構造となっている。
また、遊技盤30は、その遊技領域30aでの最下部箇所に、第1始動口31や第2始動口33や入賞装置40などに入らなかった遊技球Bを回収するアウト口36を備えている。
これらの第1始動口31,第2始動口33,入賞装置40,センターフレーム90等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側からネジ等により取り付けられている。なお、上述した第1始動口31,第2始動口33は本発明における入球手段に相当する。
ここで、センターフレーム90の構造について説明する。センターフレーム90は、図2,図4,図5に示すように、遊技球Bが入球可能な入球口91を例えば左右両側箇所にそれぞれ備えている。また、センターフレーム90は、図2,図4,図5に示すように、この入球口91に入球した遊技球Bを通過案内する案内通路部92と、この案内通路部92で案内された遊技球Bを視認可能に滞在させる、表示装置60の下方位置に設けられたステージ93と、このステージ93で滞在案内された遊技球Bを表示装置60の下方位置で表示画面61のその画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出する排出部94とを備えている。
排出部94は、図5,図6に示すように、ステージ93からの遊技球Bを表示装置60の下方位置で表示画面61の画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出するものである。
ステージ93は、図5,図6に示すように、正面視で幅方向に遊技球Bが揺動する複数段(実施例では3段)の揺動面を備えている。具体的には、この3段の揺動面は、最奥側で最上段の第1揺動面93aと、それよりも手前側で且つ下位置の第2揺動面93bと、それよりも手前側で且つ下位置の第3揺動面93cとで構成されており、第1揺動面93a、第2揺動面93b、第3揺動面93cの順に遊技球Bが流下していくようになっている。
続いて、センターフレーム90の真下に設けられた入賞装置40について説明する。
入賞装置40は、図2,図4に示すように、遊技球Bが入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部210(Vゾーン)と、この特定入賞部210(Vゾーン)とは別で遊技球Bが入球可能な普通入賞部212と、特定入賞部210(Vゾーン)または普通入賞部212への遊技球Bの入球を振り分ける可動式の駆動体42(可動役物)と、特定入賞部210(Vゾーン)と普通入賞部212と駆動体42とが内部空間の所定箇所に配設されて特定入賞部210(Vゾーン)と普通入賞部212と駆動体42とのうちで少なくとも駆動体42が正面視で外部から視認可能な本体部材214と、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて排出部94からの遊技球Bが入球可能な開状態に変移するものであって本体部材214の上部で且つセンターフレーム90の排出部94の直下に設けられた開閉入球部216とを備えている。
開閉入球部216は、図2に示すように、入賞装置40の上部にて左右一対となるように配置された羽根41a,41bを有しており、この羽根41a,41bは羽根駆動装置49(図3参照)によって開閉動作が駆動される。もう少し具体的に言えば、羽根41a,41bは、第1始動口31への入球検出から所定時間(例えば1秒)後に開放され、所定時間(1回開きの場合は例えば2秒)の開放後に閉じられるようになっている。また、羽根41a,41bは、第2始動口33への入球検出から所定時間(例えば1秒)後に開放され、所定時間(2秒開きが2回)の開放後に閉じられるようになっている。この羽根41a,41bは例えばキャラクタを象った形状としている。この羽根41a,41bが開くと遊技球Bは入賞装置40内へ入賞することが可能となり、この羽根41a,41bが閉じると遊技球Bは入賞装置40内へ入賞することが不可能となる。なお、1回につき羽根41a,41bが開いた状態(開放状態)となる時間は2秒となっている。なお、この開放時間を2秒以外の任意の時間(例えば1.8秒などの任意の時間)に変更してもよい。
具体的には、図4に示すように、開閉入球部216は、一対の羽根41a,41bがその下端側の軸部41cを軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技球Bが入球可能な開口41e(図4(b)、図6参照)を形成する開状態と、一対の羽根41a,41bが軸部41cを軸心として先端側が互いに近づくように回動して閉じることで開口41eを閉じる閉状態とに変移可能なものであり、且つ、一対の羽根41a,41bはその開状態においてセンターフレーム90および入賞装置40の横幅内に位置している(図4(b)参照)。
さらに詳細に言えば、入賞装置40は、図2,図5に示すように、その上部箇所に、遊技球が通過当接する面の形状が正面視で円弧状となっている円弧状通路部41dを備え、この円弧状通路部41dは、正面視で中央が高く両端がそれよりも低い通路であり、その中央箇所が排出部94の直下に位置している。センターフレーム90の排出部94から排出された遊技球Bは、円弧状通路部41dの中央箇所から左端または右端に向けて流下可能となっている。円弧状通路部41dの両端には、前述した一対の羽根41a,41bが配設されている。
なお、一対の羽根41a,41bが開状態となることで形成される開口41e(図4(b)、図6参照)を介してこの入賞装置40に入球した遊技球Bは、図4(b)に示す二点鎖線矢印に示すように、図示省略の通路部を通って、駆動体42の方に案内されるようになっている。なお、入賞装置40の図示省略の通路部に設けられた入賞個数検出用通過センサ226(図3参照)によって、当該入賞装置40への遊技球の入球検出がされている。
また、本実施例のパチンコ機10は、図3に示すように、パチンコ機10全体を制御するメイン制御装置70を備えている。
図2に示した第1始動口31は、図3に示すように、遊技球Bが通過したことを検出可能な第1始動口通過センサ32を備えている。この第1始動口通過センサ32は、遊技球Bの通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。メイン制御装置70は、第1始動口通過センサ32からの検出信号を受けると、入賞装置40の羽根41a,41bを同時に1回開放(2秒間開放)させるという動作を行う。また、図2に示した第2始動口33は、図3に示すように、遊技球Bが通過したことを検出可能な第2始動口通過センサ34を備えている。この第2始動口通過センサ34は、遊技球Bの通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。メイン制御装置70は、第2始動口通過センサ34からの検出信号を受けると、入賞装置40の羽根41a,41bを同時に2回開放させる(2秒間開放を2回行う)という動作を行う。
また、入賞装置40の駆動体42は、所定のキャラクタ形状(例えば、男性キャラクタ形状)に形成された部材であって所定の動作(例えば、横方向の揺動と上下動とを組み合わせた動作)で駆動されるようになっている。この駆動体42は、遊技球Bが転動する転動面220上に駆動自在に配設されたものであり、その駆動により、転動面220上を転動する遊技球Bの転動態様に影響を与えることがあり、かかる遊技球Bは転動面220の下流側に位置する特定入賞部210(Vゾーン)または普通入賞部212のいずれかに入賞する。
通常の遊技状態、つまり、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞部210(Vゾーン)に遊技球Bが入球(入賞)すると大当たり状態が発生することになるが、普通入賞部212に入球するとその入球に対しての賞球が与えられるだけで大当たり状態は発生しない。
つまり、入賞装置40に入球した遊技球Bは、特定入賞部210または普通入賞部212のいずれかに入球するようになっている。特定入賞部210(Vゾーン)には、V検出センサ43が配置されており(図3参照)、特定入賞部210(Vゾーン)に入賞された遊技球Bを通過検出する。V検出センサ43からの検出信号はメイン制御装置70に出力される。また、普通入賞部212に入球した遊技球Bは、検出センサ44で入球検出される。この検出センサ44からの検出信号はメイン制御装置70に出力される。
また、表示装置60は、特別遊技のラウンド回数を表示したり、1回のラウンドにおいて入賞装置40内に入賞した遊技球Bのカウント数を表示したり、各種の遊技状態に関する情報や合図などを表示したりする機能も備えている。このパチンコ機10では、通常の遊技状態で遊技球BがVゾーンを通過したときに遊技者にとって有利な遊技状態に移行して最大で8ラウンドの特別遊技が行われる。
遊技盤30には、この他、入賞装置40の左右に配置された風車37なども取り付けられている。また、遊技球Bをガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数本の釘(図示省略)も遊技盤30に配置されている。
ここで、メイン制御装置70について図3を用いてもう少し詳細に説明する。メイン制御装置70は、図3に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,時間計測を行うタイマ77,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス79によって接続されている。メイン制御装置70には、第1始動口通過センサ32,第2始動口通過センサ34からの検出信号や、V検出センサ43からの検出信号などが入出力処理回路80を介して入力される。また、メイン制御装置70からは、1対の羽根41a,41bの開閉を駆動する羽根駆動装置49への駆動信号や、表示装置60の表示制御を司る表示制御装置45への制御信号や、賞球の払い出しを司る払出制御装置46への制御信号や、スピーカ48が接続された音声制御装置47への制御信号や、図示しない各種ランプへの点灯信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
また、第2始動口33は、図2に示すように、遊技球Bが入球可能な通常状態よりもさらに容易に遊技球Bが入球する入球容易状態とに変移する開閉羽根を備えている。遊技盤30は、例えば、風車37の上方箇所に、遊技球Bが通過可能なスルーゲート35を備えている。スルーゲート35は、遊技球Bの通過を検出するスルーゲート通過センサ35aを備えており、この通過センサ35aからの検出信号はメイン制御装置70に出力される。
メイン制御装置70は、スルーゲート通過センサ35aでの通過検出に基づいて、第2始動口33の開放抽選を行い、当選であれば第2始動口33の開放羽根33aを所定時間(例えば、2秒間)開放するし、落選であれば第2始動口33の開放を行わない。かかる抽選についての表示は、メイン制御装置70からの指示に基づいて表示制御装置45によって表示装置60の表示画面61の一部の領域に表示されるようになっている。例えば当選であることを示す図柄である「○」と、落選であることを示す図柄「×」とを交互に表示する変動表示を行い、その変動表示が図柄「○」で停止した場合に第2始動口33の開放羽根33aが開放される。
また、図2に示すように、遊技盤30を正面視した状態でセンターフレーム90と入賞装置40との間の両側に、センターフレーム90および入賞装置40の横幅よりも小さい幅としたくびれ部200を備え、羽根41a,41bはくびれ部200に設けられている。
遊技領域30aは、図2に示すように、その正面視で縦長の略楕円形となっている。くびれ部200は、遊技領域30aの正面視で横幅が最も大きい部分に位置している。
なお、上述した表示装置60は本発明における表示手段に相当し、上述したセンターフレーム90は本発明における装飾部材に相当し、上述した案内通路部92は本発明における案内通路に相当し、上述した排出部94は本発明における排出手段に相当し、上述した特定入賞部210(Vゾーン)は本発明における特定入球手段に相当し、上述した普通入賞部212は本発明における非特定入球手段に相当し、上述した駆動体42は本発明における可動役物に相当し、上述した開閉入球部216は本発明における開閉入球手段に相当し、上述したステージ93は本発明における滞在手段に相当し、上述した一対の羽根41a,41bは本発明における一対の可動部に相当する。
次に、センターフレーム90に入球した遊技球Bの流れについて以下に説明する。
図4に示すように、センターフレーム90の左右のいずれかの入球口91に入球した遊技球Bは、二点鎖線矢印で示すように案内通路部92内を通ってステージ93の方に案内される。このステージ93に案内された遊技球Bは、第1揺動面93aで左右方向に揺動するなどして、それよりも下段の第2揺動面93bに流下し、この第2揺動面93bでも左右方向に揺動してさらに下段の第3揺動面93cに流下したり、あるいは第2揺動面93bで揺動せずに第3揺動面93cに流下したりし、第3揺動面93cの排出部94から円弧状通路部41dに排出される。
排出部94から排出された遊技球Bは、図4〜図6に示すように、円弧状通路部41dの中央箇所から左端または右端に向けて流下する。
このとき、図4(a),図5に示すように、入賞装置40の一対の羽根41a,41bが閉状態であれば、入球装置40に入球せずに落下していくことになる。これに対して、図4(b),図6に示すように、入賞装置40の一対の羽根41a,41bが開状態であれば、入球装置40の一対の羽根41a,41bによる開口41eから遊技球Bが入球し、当該入賞装置40の内部の駆動体42の方に案内され、転動面220上を流下して特定入賞部210(Vゾーン)または普通入賞部212のいずれかに入賞する。
通常の遊技状態(大当たり状態以外の状態)において、特定入賞部210(Vゾーン)に遊技球Bが入球(入賞)すると大当たり状態(後述する「羽根モノ大当たり」状態)が発生することになるが、普通入賞部212に入球するとその入球に対しての賞球が与えられるだけで大当たり状態は発生しない。
続いて、大当たり状態等について説明する。なお、入賞装置40が大当たり状態(つまり、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉が所定ラウンド行われる状態)において、入賞装置40への遊技球Bの入賞(入球)個数を入賞個数検出用通過センサ226(図3参照)で検出しており、当該大当たり状態での遊技球Bの入賞個数が所定数(ここでは10個)に達するとそのラウンドを終了するようにしている。また、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉が所定回数(18回)に達した場合にもそのラウンドを終了するようにしている。つまり、当該大当たり状態での1ラウンドは、入賞装置40の羽根41a,41bの開放回数(18回)、または、遊技球Bの入賞個数(10個)のうち、いずれかが所定数に達成するとそのラウンドが終了するようになっている。
つまり、メイン制御装置70は、羽根駆動装置49を駆動して羽根41a,41bを18回開閉させるが、その間に、入賞装置40内に所定数(ここでは10個)の遊技球Bが入賞したときには、開閉動作が18回に満たない場合であっても羽根駆動装置49に指令を出力して羽根41a,41bを閉鎖状態としそのラウンドを終了し、それを所定の最大ラウンドまで継続する。例えば、「羽根モノ大当たり」つまり、入賞装置40の特定入賞部210(Vゾーン)への入球(入賞)することで生じる大当たり状態では、特定入賞部210(Vゾーン)への入球(入賞)に基づいて、最大ラウンド(例えば、2、7、15ラウンド)が決定されるようになっている。つまり、メイン制御装置70は、最大ラウンド決定用乱数を備え、特定入賞部210(Vゾーン)への入球(入賞)検出時の最大ラウンド決定用乱数に基づいて、2ラウンド(発生確率33%)、7ラウンド(発生確率34%)、15ラウンド(発生確率33%)のいずれかが決定される。なお、特別遊技状態が限度回数まで行われた後には、基本的には通常の遊技状態に戻るが、時短状態となる場合もある。ここで言う「時短状態」とは、大当たり状態終了後の羽根41a,41bの開放回数が所定回数(例えば20回)に達するまでの間、この羽根41a,41bの開放時間を所定時間に延長した状態が挙げられる。
また、このパチンコ機10は、前述の「羽根モノ大当たり」以外に、「直撃大当たり」つまり、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)に基づいて行われる抽選により生じる大当たり状態も有している。具体的には、メイン制御装置70は、大当たり抽選用乱数を備えており、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)検出時の大当たり抽選用乱数に基づいて、大当たりか外れかが決定されるようになっている。なお、「直撃大当たり」の確率は、例えば1/112程度となっている。また、かかる大当たり状態としては7ラウンド(発生確率60%)と14ラウンド(発生確率40%)との二種類があり、例えば大当たり抽選用乱数の値に基づいて7ラウンド(発生確率60%)と14ラウンド(発生確率40%)のいずれかが決定されるようになっている。
また、メイン制御装置70は、この大当たり抽選用乱数が当りである場合には、表示装置60の表示画面61に識別情報の変動表示を行うように表示制御装置45を制御し、大当たりを示す表示態様の識別情報表示で停止させるという変動表示演出も行うようになっている。なお、この大当たり抽選用乱数が外れであり、且つ、外れ変動表示条件成立の場合に、識別情報の変動表示を行い、外れを示す表示態様の識別情報表示で停止させるという変動表示演出を行う。なお、外れ変動表示条件成立を低確率とした場合には、外れ変動表示の実行数が低くなり、それ以外の変動表示は大当たりの変動表示であるため、識別情報の変動表示が大当たりとなる印象を遊技者に与えることができる。
上述したように本実施例の遊技機によれば、遊技盤30は、遊技球が入球可能な第1始動口31,第2始動口33を遊技領域30aの所定箇所に備え、さらに遊技盤30は、第1始動口31,第2始動口33に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能となる入賞装置40と、表示画面61を備え当該表示画面61に入賞装置40の状態に応じた所定の演出表示をする表示装置60とを、遊技領域30aの幅方向の中央箇所で且つ表示装置60と入賞装置40との順で上から縦方向に並設し、表示装置60は、その表示画面61の周囲の少なくとも一部に配置されるセンターフレーム90を備え、このセンターフレーム90は、遊技球が入球可能な入球口91と、この入球口91に入球した遊技球を通過案内する案内通路部92と、この案内通路部92で案内された遊技球を表示装置60の下方位置で表示画面61の画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出する排出部94と、を備え、入賞装置40は、遊技球が入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部210(Vゾーン)と、この特定入賞部210とは別で遊技球が入球可能な普通入賞部212と、特定入賞部210または普通入賞部212への遊技球の入球を振り分ける可動式の駆動体42と、特定入賞部210(Vゾーン)と普通入賞部212と駆動体42とが内部空間の所定箇所に配設されて特定入賞部210(Vゾーン)と普通入賞部212と駆動体42とのうちで少なくとも駆動体42が正面視で外部から視認可能な本体部材214と、第1始動口31または第2始動口33に遊技球が入球したことに基づいて排出部94からの遊技球が入球可能な開状態に変移するものであって本体部材214の上部で且つ排出部94の直下に設けられた開閉入球部216と、を備えている。つまり、表示装置60と入賞装置40とを、遊技盤30の遊技領域30aの幅方向の中央個所で縦方向に並べて配置しているので、表示装置60の表示画面61の一部分が入賞装置40内の駆動体42(可動役物)の背後に隠れてしまうようなことがなく、表示画面61を見易くできるし、入賞装置40が横方向に大きくなるようなことや、遊技領域が狭くなるようなこともなく、遊技領域を確保できる。
また、入賞装置40の開閉入球部216よりも上方に表示装置60を備えているので、演出表示をする表示装置60を見た後にそれよりも下方の開閉入球部216に視線移動をする、つまり球の流れに視線移動しており、開閉入球部216への入球の有無を容易に見ることができ、表示装置60での演出表示と開閉入球部216への入球の有無とが見易くできる。
また、表示装置60とは別の入賞装置40の本体部材214の内部に駆動体42(可動役物)を備えているので、表示画面61の前方箇所に駆動体42(可動役物)が位置しないようにしており、従来のような可動役物の動作制限(つまり、可動役物は表示画面61の邪魔にならない動きに制限されること)を排除でき、駆動体42(可動役物)を本体部材214の内部で自由に可動させることができ、駆動体42(可動役物)の動きの自由度を向上させることができる。
また、表示画面61周囲のセンターフレーム90に入球した遊技球は、案内通路部92で案内されて表示装置60の下方位置の排出部94から表示画面61の画面幅よりも狭い排出範囲で排出されて、この排出部94の直下で入賞装置40の上部の開閉入球部216(羽根41a,41b)に入球したりしなかったりする。つまり、表示画面61の直下に入賞装置40の開閉入球部216(羽根41a,41b)が位置しており、排出部94から排出された遊技球が開閉入球部216(羽根41a,41b)に入球するかどうかを視線を動かすことなく見ることができるので、表示装置60の表示画面61と、遊技球が入賞装置40に入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示装置60の表示画面61に遊技者を注視させたとしても、入賞装置40への入球有無過程の見落としが低減できる。
その結果、表示画面61が見易く、遊技領域30aを確保でき、且つ、駆動体42(可動役物)の動作の自由度を向上させることができ、しかも入賞装置40への入球と表示画面61の表示情報とを同時に見ることができる遊技機を提供することができる。
また、センターフレーム90のステージ93は、表示装置60の下方位置に備えられ、案内通路部92で案内された遊技球を視認可能に滞在させる。排出部94は、ステージ93からの遊技球を表示装置60の下方位置で表示画面61の画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出する。つまり、表示装置60の下方位置のステージ93で滞在する遊技球を確認することができ、遊技球のステージ93での滞在期間の間その滞在球に注意を喚起させることができ、その後に排出部94から排出されるので、表示装置60から入賞装置40の上部に排出されようとする遊技球をさらに見落とさないようにでき、排出部94から排出された遊技球が開閉入球部216に入球するかどうかを視線を動かすことなく見ることができるので、表示装置60の表示画面61と、遊技球が入賞装置40に入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示装置60の表示画面61に遊技者を注視させたとしても、入賞装置40への入球有無過程の見落としが低減できる。
また、センターフレーム90の排出部94と入賞装置40の開閉入球部216とが別体で個別に遊技盤30に取り付けられる構成の場合では排出部94と開閉入球部216との位置関係が両者の遊技盤30への取り付け精度により変化してしまうが、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成されたものであるので、排出部94と開閉入球部216との位置関係が両者の遊技盤30への取り付け精度により変化するということが無く、両者の取付位置調整も不要であり、取付作業性に優れる。
また、遊技盤30を正面視した状態でセンターフレーム90と入賞装置40との間の両側に、センターフレーム90および入賞装置40の横幅よりも小さい幅としたくびれ部200を備えているので、そのくびれ部200を形成している分だけ遊技領域30aを広くすることができる。つまり、センターフレーム90と入賞装置40との間のくびれ部200まで遊技球が流下して来ることがある。また、開閉入球部216はくびれ部200に設けられているので、表示装置60の表示画面61と、その表示画面61直下のくびれ部200に設けられた開閉入球部216に遊技球が入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示装置60の表示画面61に遊技者を注視させたとしても、入賞装置40への入球有無過程の見落としが低減できる。
また、開閉入球部216での横方向に並んだ一対の羽根41a,41bは、その下端側の軸部41cを軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技球が入球可能な開口41eを形成する開状態となり、逆に、その軸部41cを軸心として先端側が互いに近づくように回動して閉じることで当該開口41eを閉じる閉状態とに変移可能なものである。また、一対の羽根41a,41bが開状態となっても、センターフレーム90および入賞装置40の横幅内に位置しているので、センターフレーム90および入賞装置40の横幅を超えて遊技領域幅が狭くなることがない。
また、遊技領域30aは、その正面視で円形、略円形、楕円形または略楕円形となっており、くびれ部200は、遊技領域30aの正面視で横幅が最も大きい部分に位置しているので、表示装置60や入賞装置40の横幅は最大限に確保しながら、一対の可動部(羽根41a,41b)が開状態となってもその羽根41a,41bはセンターフレーム90および入賞装置40の横幅以内に止まっていることから、羽根41a,41bの可動によって遊技領域幅が狭くなることもなく、遊技領域30aの遊技球の流下態様によっても面白味を付与できる構成とすることができる。
また、入賞装置40は、正面視で中央が高く両端がそれよりも低い円弧状通路部41dを、その中央箇所が排出部94の直下に位置するように備え、排出部94から排出された遊技球は、円弧状通路部41dの中央箇所から左端または右端に向けて流下可能となっており、円弧状通路部41dの両端には一対の可動部(羽根41a,41b)がそれぞれ配設されている。したがって、表示装置60のセンターフレーム90に入球して排出部94から排出される遊技球は、入賞装置40の円弧状通路部41dの中央箇所に必ず排出され、この円弧状通路部41dの左端または右端に向かって流下していき、その左端および右端にそれぞれ設けられた可動部(羽根41a,41b)の方に案内できる。例えば、一対の可動部(羽根41a,41b)が開状態であれば円弧状通路部41dを通ってきた遊技球が入賞装置40に入球することになるし、逆に一対の可動部(羽根41a,41b)が閉状態であれば入賞装置40に入球せずに通り過ぎて行くことになる。つまり、表示装置60のセンターフレーム90に入球した遊技球を必ず入賞装置40の開閉入球部216(一対の羽根41a,41b)に案内することができ、この開閉入球部216(一対の羽根41a,41b)の開状態または閉状態によって入球の可否を決することができる。
また、ステージ93の揺動面では、正面視で幅方向に遊技球が揺動するので、このステージ93の後段の排出部94で排出される前に、このステージ93で揺動される遊技球に注視させることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、滞在手段としてのステージ93は第1揺動面93a〜第3揺動面93cとを備えたものとしているが、案内通路部92と排出部94とを直接結ぶ直線経路よりも長い経路であって遊技球を所定の経路を一方向にのみ通過させる一方向経路部を備え、この一方向経路部で遊技球を通過案内することでセンターフレーム90内に滞在させる滞在手段(ステージ)を採用してもよい。一方向経路部としては、蛇行した一本の通路(一方通行通路)やクルーン(孔が開いた皿状の役物)などが挙げられる。
この場合には、遊技球を一方向経路部で一方向に通過案内することで、センターフレーム90内に遊技球を滞在させることができ、この滞在手段の後段の排出部94で排出される前にかかる滞在手段において一方向に通過案内されることで滞在される遊技球に注視させることができる。
(2)上述した実施例では、大当たり状態での入賞装置40への入球は、遊技球の通過を検出する入賞個数検出用通過センサ226で検出しているが、この入賞個数検出用通過センサ226を用いることなく、V検出センサ43および検出センサ44で検出するようにしてもよい。
(3)上述した実施例では、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成されたものとしているが、図7に示すように、センターフレーム90と入賞装置40とは、その両者間を遊技球が横方向に通過可能なように当該センターフレーム90と入賞装置40を間隔を空けて配設してもよい。この場合には、センターフレーム90と入賞装置40とは、その両者の間を遊技球が横方向に通過可能なように当該センターフレーム90および入賞装置40を間隔を空けて配設しているので、遊技盤30の左側を流下する遊技球がセンターフレーム90と入賞装置40との間を通って遊技盤30の右側に流下していくことや、それとは逆に右から左に流下していくことができ、さらに多様性のある遊技盤を提供することができる。
(4)上述した実施例では、いわゆる1種パチンコ機と2種パチンコ機とを融合したパチンコ機を例に挙げて説明しているが、1種パチンコ機または2種パチンコ機に採用してもよい。