JP2006280125A - リニアモータアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 断面積が小さく軽量で、剛性が高く、コンパクトなリニアモータアクチュエータを提供する。
【解決手段】 中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材16であって、筒形状の一部に移動ブロック40の幅よりも狭い開口部15を有する断面形状を有し、筒内面の筒軸方向に移動ブロック40を案内する案内部(転動溝14等)を有する軌道部材16と、案内部(転動溝14等)に案内されて軌道部材16内を筒軸方向に移動する移動ブロック40と、軌道部材16内面に存在して磁力を発生する第1の磁石18と、移動ブロック40側に存在して磁力を発生する第2の磁石(電機子46等)とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動対象を案内する運動案内部を備えたリニアモータアクチュエータに関する。
近年、機械製品や電子製品の組立加工の分野において更なる自動化が推進されている。その組立加工を自動化するにあたって直動式のロボットを用いると、組立加工機の機構部及び制御の面で設計が容易になるために、製品の企画から販売までのサイクルが短い製品に対しても組立加工工程の自動化を推進することができる。これにより製品の製造コストを低減させたり、高品質な製品を提供することが可能となる。
従来、外付けのサーボモータによりボールねじを駆動し、ボールねじに螺合させたボールナットによってボールねじの回動運動を直動運動に変換し、ボールナットを浮動機構を介して直動運動案内装置に保持させることによって、一軸のロボットを構成するアクチュエータが知られている。
また、チャネル状に形成された側壁部にボール転動溝が形成された軌道レールと、軌道レールの案内通路内を自在に往復動するテーブル構造体と、軌道レールに固定された界磁マグネットと、かかる界磁マグネットと相まってリニアモータを構成し、前記テーブル構造体に対して軌道レールの長手方向に沿った推力又はブレーキ力を及ぼす電機子とを備えたリニアモータアクチュエータが知られている(例えば特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載のリニアモータアクチュエータでは、リニアモータを構成する電機子及び界磁マグネットが、直動案内装置を構成するスライダ及び軌道レールと一体化して直動案内装置の内部に収まっているので、リニアモータアクチュエータをコンパクトに構成することができる。
また、特許文献1に記載の発明では、リニアモータがチャネル状に形成された軌道レールの外部に露呈していないので、リニアモータの輸送作業や、取付作業における取り扱いが容易となる。リニアモータアクチュエータの電機子は、テーブル構造体の結合天板に対して直接固定される一方、界磁マグネットも軌道レールの固定ベース部上に配設するのみであり、これらをテーブル構造体や軌道レールに取り付けるための特別なブラケット等を一切必要としないことから、リニアモータアクチュエータを安価に製作することが可能となっている。
また、他のリニアモータアクチュエータとして、ベッドやコラム等の固定部上に一対の直動案内装置を用いて前記可動体を往復動自在に支承すると共に、リニアモータを構成する固定子及び可動子を互いに対向するようにして固定部及び可動体に夫々取り付けたものが知られている(例えば特許文献2参照。)。
その他直動案内装置とリニアモータとを組み合わせた構成に関する発明として、特許文献3、特許文献4等が知られている。
特開2004−312983号公報(第1−2図) 特開平10−290560号公報(第1図) 特開2001−25229号公報(第2図) 特開2004−274950号公報(第2図)
特許文献1に記載のリニアモータアクチュエータは、リニアモータを構成する電機子及び界磁マグネットが、直動案内装置を構成するスライダ及び軌道レールと一体化して直動案内装置の内部に収まっているので、他の特許文献2、特許文献3、又は特許文献4に記載のリニアモータアクチュエータよりもコンパクトに構成することができるという利点を有する。
また、リニアモータアクチュエータを用いる生産現場等では、組立加工機械の専有面積をできるだけ狭くし、組立加工機械の小型化によるコストダウンを図りたいという要望がある。高剛性を維持したまま更にコンパクトなリニアモータアクチュエータを提供するためには、上記の特許文献に記載されていない新たな設計を取り入れる必要がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、断面積が小さく、ねじり若しくは曲げに関する剛性が高く、コンパクトなリニアモータアクチュエータを提供することを目的としている。
また、本発明は、断面積が小さく、推力又は保持力が大きく、安価に製作し得るとともに、取り扱いが容易なリニアモータアクチュエータを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するための請求項1に記載のリニアモータアクチュエータは、中空の角柱又は円筒の中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材であって、筒形状の一部に前記移動ブロックの幅よりも狭い開口部を有する断面形状を有し、筒内面の筒軸方向に前記移動ブロックを案内する案内部を有する軌道部材と、前記案内部に案内されて前記軌道部材内を筒軸方向に移動する移動ブロックと、前記軌道部材側内面に存在して磁力を発生する第1の磁石と、前記移動ブロック側に存在して磁力を発生する第2の磁石とを備え、前記第1の磁石又は前記第2の磁石は、前記移動ブロックを移動させるための推力を制御することが可能な電磁石であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記軌道部材の案内部は、ベアリングボール又はベアリングローラ等の転動体が転動する複数の転動溝を有し、前記移動ブロックは、前記転動体を前記転動溝の反対側から保持する転動体案内溝を有し、前記転動体に支持されて前記軌道部材内を筒軸方向に移動することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は2に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記移動ブロックを複数有し、当該複数の移動ブロックを連結する連結部材を設けたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記軌道部材の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの第1の断面内に前記案内部と嵌合する被案内部を有し、前記第1の断面内とは異なる第2の断面内に前記第2の磁石を配置したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上記請求項2に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記軌道部材の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの第1の断面内に前記転動体案内溝を有し、前記第1の断面内とは異なる第2の断面内に前記第2の磁石を配置したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記請求項1又は2に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記軌道部材の筒軸と直交する同一断面内に、前記移動ブロックと前記第2の磁石とを配置したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、上記請求項1ないし6に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記軌道部材の全体を覆うとともに前記軌道部材の筒軸方向に伸縮自在な覆い部材を備えたことを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項8に記載のリニアモータアクチュエータは、中空の角柱又は円筒の閉鎖された中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材であって、筒内面の筒軸方向に前記移動ブロックを案内する案内部を有する軌道部材と、前記案内部に案内されて前記軌道部材内を筒軸方向に移動する移動ブロックと、前記移動ブロックの変位を軌道部材の外部に伝達するマグネットカップリングと、前記軌道部材側内面に存在して磁力を発生する第1の磁石と、前記移動ブロック側に存在して磁力を発生する第2の磁石とを備え、前記第1の磁石又は前記第2の磁石は、前記移動ブロックを移動させるための推力を制御することが可能な電磁石であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、リニアモータアクチュエータの軌道部材として、中空の角柱又は円筒の中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材であって、筒形状の一部に前記移動ブロックの幅よりも狭い開口部を有する断面形状を有し、筒内面の筒軸方向に前記移動ブロックを案内する案内部を有する軌道部材を備えたので、軌道部材の断面形状を閉曲線に近くすることができ、軌道部材の断面二次モーメントを大きくすることが可能となる。したがって、断面積が小さく軽量でコンパクトながら、曲げ剛性及びねじり剛性が高いリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。
また、請求項1の発明によれば、リニアモータアクチュエータにおける出力軸の開口部を狭くすることができるので、外部からゴミや異物が入りにくいリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。また、リニアモータや転動溝等を、C形断面等の筒形状をしている軌道部材の内部に設けたので、リニアモータアクチュエータの輸送作業や、取付作業における取り扱いが容易となる。また、移動ブロックが案内部で案内されて移動するので、第1の磁石及び第2の磁石への部材の接触がなく、取り扱い上安全である。
また、請求項1の発明によれば、軌道部材を中空の角柱又は円筒とすることによって、防塵用覆い部材の取り付けを容易にすることが可能となる。
また、請求項1の発明によれば、軌道部材の断面形状を実質的な円弧形状に形成したので、例えばパイプから軌道部材を製造することができるので、加工工程を単純化することが可能となり、安価なリニアモータアクチュエータを提供することができる。
また、請求項2の発明によれば、軌道部材の案内部にベアリングボール又はベアリングローラ等の転動体が転動する複数の転動溝を設け、移動ブロックには転動体を転動溝の反対側から保持する転動体案内溝を設け、移動ブロックが転動体に支持されて軌道部材内を筒軸方向に移動するように構成したので、コンパクトなリニアモータアクチュエータの移動ブロックを円滑に移動させることができる。
また、請求項3の発明によれば、リニアモータアクチュエータ内に移動ブロックを複数設け、この複数の移動ブロックを連結する連結部材を設けたので、移動ブロックの案内剛性を向上させるとともに、コンパクトながら推力の大きなリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。
また、請求項4及び5の発明によれば、リニアモータアクチュエータにおける軌道部材の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの第1の断面内に被案内部を備え、前記第1の断面内とは異なる第2の断面内に第2の磁石を配置したので、大きな磁石を用いることができ、推力又は保持力の大きなリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。また、電機子から発する熱を効果的に放熱することができるので、電機子の温度上昇をある程度押さえることができ、より多くの電流を電機子に流すことが可能となる。したがって推力又は保持力の大きなリニアモータアクチュエータとすることができる。
また、請求項6の発明によれば、リニアモータアクチュエータにおける軌道部材の筒軸と直交する同一断面内に、移動ブロックと第2の磁石とを配置したので、筒軸方向(長手方向)に対してコンパクトな小型のリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。
また、請求項7の発明によれば、リニアモータアクチュエータにおける軌道部材の全体を覆うとともに、軌道部材の筒軸方向に伸縮自在な覆い部材を備えたので、アクチュエータとしての機能を保ったまま高い防塵効果を得ることが可能となる。更に、塵埃の多い環境下や研削液がかかるような環境下であっても使用可能なリニアモータアクチュエータを提供することができる。
また、請求項8の発明によれば、リニアモータアクチュエータの軌道部材として、中空の角柱又は円筒の閉鎖された中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材を備えたので、軌道部材の断面二次モーメントを大きくすることが可能となる。したがって、断面積が小さく、軽量、コンパクトながら、曲げ剛性及びねじり剛性が高いリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。
また、請求項8の発明によれば、軌道部材の中空部を移動する移動ブロックの変位を、軌道部材の外部に伝達するためのマグネットカップリングを備えたので、リニアモータアクチュエータの開口部を無くすことが可能となる。したがって、特別に覆い部材を設けなくとも、外部からゴミや異物の混入を防止するリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。
また、請求項8の発明によれば、パイプ材から軌道部材を製造することができるので、加工工程を簡単にし、安価なリニアモータアクチュエータを提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの斜視図である。
同図に示すように、リニアモータアクチュエータ10の軌道部材16は、中空の角柱又は円筒等の筒形状の一部に移動ブロック40の幅よりも狭い開口部15を有するC形断面の筒形状を有し、筒内面の筒軸方向に移動ブロック40を案内する案内部(転動溝14等)を有する筒形状をしている。
リニアモータアクチュエータ10は、前記軌道部材16を両端から固定するハウジング30、32と、前記案内部と嵌合させることが可能な被案内部(転動体案内溝42等)を備えることによって軌道部材16の筒軸方向に対して移動自在な移動ブロック40とを備えている。
前記案内部には、案内部と被案内部とが嵌合するすべり軸受けを用いてもよいし、転がり軸受けを用いてもよい。同図に示す例では、案内部として、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14を用いている。
移動ブロック40は、前記転動体12を前記転動溝14の反対側から保持して案内する転動体案内溝42(被案内部の一形態)と、前記転動体12を内部で循環させる無限循環路44とを有しており、軌道部材16の筒軸方向に対して移動自在な構成としている。
軌道部材16の内部には、軌道部材16の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18(第1の磁石の一形態)と、移動ブロック40側の移動量を計測する際に用いる光学式や磁気式等のスケール20とを備えている。
移動ブロック40側には、軌道部材16に設けた磁石18が出力する磁力を利用して、軌道部材16の筒軸方向に推力を生じさせるための磁力を発生する電機子46(第2の磁石の一形態)と、移動ブロック40側の移動量を計測する際に用いる光学式や磁気式等の読取装置であるエンコーダヘッド48と、軌道部材16の開口部15から移動ブロック40の変位を駆動対象物に伝達するスライダ50と、移動ブロック40とスライダ50とを連結する連結部材52とを備えている。
図1に示す例では、前記第1の磁石又は前記第2の磁石は、前記移動ブロック40を移動させるための推力を制御することが可能な電磁石である。いずれか一方に永久磁石を用いるようにしてもよい。
移動ブロック40の無限循環路44には、転動体12と、ベアリングボール又はベアリングローラ等の転動体12の外周面に合った形状を有して転動体12を保持するとともに、隣り合う転動体12同士の接触による抵抗や摩耗を減少させるリテーナ54が配置されている。なお、用途に応じてリテーナ54を省略するようにしてもよい。
移動ブロック40の両端には、無限循環路44等を保持するエンドプレート60、62が設けられている。このエンドプレート60に、ケーブル64を固定するケーブルクランパ66(図3参照)を設けるようにしてもよい。ケーブル64は、エンコーダヘッド48や磁極センサ72に供給する電力及び出力される出力信号、電機子46に供給する電力等を伝達するものである。ケーブルクランパ66により移動ブロック40側に固定されたケーブル64の他端は、ハウジング30に設けたコネクタに接続されている。
図1に示す例では、リニアモータアクチュエータ10の出力軸となるスライダ50は、ベアリングボール又はベアリングローラ等の転動体12により軌道部材16の筒軸方向の軸に対して移動自在に支持されている。したがって、磁石18、電機子46、ヨーク47、磁極センサ72、スケール20、エンコーダヘッド48等から構成されるリニアモータが推力を発生することによって、直接スライダ50と接続した駆動対象物に対して、位置又は速度の制御を行うことが可能となる。
同図に示すリニアモータアクチュエータ10のハウジング30、32を牽引用車両(トラクタ)の後部に取り付けることによって、スライダ50に設けられているヒッチボール(球形の突出部)を牽引用車両(トラクタ)のスライド式の第5軸とする用途に用いることが可能である。
この用途に用いる場合には、牽引車両(トレーラ)のカプラをリニアモータアクチュエータ10のヒッチボールに連結して、右折又は左折時における牽引車両(トレーラ)の後輪の内輪差を減少させ、後退時には牽引車両(トレーラ)の回頭性を向上させるために、牽引用車両(トラクタ)のハンドルの切角等に応じてスライダ50を左右に移動させる。
図2は、図1に示した第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータ10のA−A’断面を示す図である。
図1のA−A’断面は、軌道部材16の筒軸と直交する断面である。図2に示す実施例は、軌道部材16の筒軸と直交する同一断面内に、移動ブロック40と電機子46(第2の磁石)とを配置した実施例である。
図2に示すように、リニアモータアクチュエータ10の軌道部材16は、筒形状の一部を切除した形状の開口部15を有するC形断面の筒形状を有している。軌道部材16の内部には、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14を有している。
同図に示す例では、転動体12が軌道部材16の転動溝14にボール1個あたり2カ所で接触するようにして、2列の転動体循環系を用いて2方向の荷重を支える2列ゴシックアーチ接触構造としている。本発明は2列の転動溝14を設けた例に限定するものではなく、1列のボール転動体あたり1方向の力を支持する転動体循環系を、支持方向が互いに直角となるように4列設けて、2方向の荷重を支える4列サーキュラー接触構造を用いるようにしてもよい。また、アンギュラコンタクトの形式による2条の転動溝を2カ所(合計転動溝を4カ所)設けるようにしてもよいし、4カ所以上設けるようにしてもよい。
なお、軌道部材と移動ブロックとの間に転動体を介在させずに、移動ブロックを軌道部材に対してすべり運動させる構成とすることも可能である。
同図に示すように移動ブロック40は、転動体12を案内する転動体案内溝42と、転動体12を内部で循環させる無限循環路44とを有している。軌道部材16の内面には、軌道部材16の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18を設けてある。また、軌道部材16の内面には、移動ブロック40側の移動量を計測する際に用いるスケール20を備えている。
同図に示すように移動ブロック40は、軌道部材16に設けた磁石18が出力する磁力を利用して軌道部材16の筒軸方向に推力を生じさせるための磁力を発生する複数の電機子46と、電機子46が発生させた磁力線を通すヨーク47と、電機子46から発生する熱を移動ブロック40に伝達させないようにする断熱材70とを備えている。
また、移動ブロック40には、移動ブロック40とリニアモータアクチュエータ10外部の機器とを接続するスライダ50と、スライダ50と移動ブロック40とを連結する連結部材52とが固定されている。
図2に示すように、本発明のリニアモータアクチュエータ10では、軌道部材16が移動ブロック40を取り囲む構成としているので、仮に転動体12が軌道部材16の転動溝14から脱落した場合であっても、移動ブロック40が軌道部材16から抜けることがない。
図3は、図2に示した第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータ10のB−B’断面を示す図である。
同図に示すように、リニアモータアクチュエータ10の軌道部材16内面には、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14を設けてある。したがって、移動ブロック40は軌道部材16の内部を筒軸方向に対して円滑且つ自在に移動することが可能となっている。
軌道部材16の内部には、軌道部材16の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18と、移動ブロック40側の移動量を計測する際に用いるスケール20とを備えている。
移動ブロック40は、軌道部材16に設けた磁石18が出力する磁力を利用して軌道部材16の筒軸方向に推力を生じさせるための磁力を発生する複数の電機子46と、電機子46が発生させた磁力線を通すヨーク47と、電機子46から発生する熱を移動ブロック40に伝達させないようにする断熱材70とを備えている。また、移動ブロック40は、移動ブロック40とリニアモータアクチュエータ10外部の機器とを接続するスライダ50と、スライダ50と移動ブロック40とを連結する連結部材52とを備えている。
移動ブロック40には、転動体12を内部で循環させる無限循環路44と、無限循環路44等を保持するエンドプレート60、62を設けてある。また、同図に示す例では、移動ブロック40のエンドプレート62には、移動ブロック40側の移動量を計測するエンコーダヘッド48を取り付けてある。
また、移動ブロック40のエンドプレート60には、磁石18が発生する磁力を測定する磁極センサ72を取り付けてある。磁極センサ72の取り付け位置は、図3に示す位置に限定するものではなく、磁石18の磁極を検出することが可能な位置であればどこでもよい。また、いわゆる力率検知などの方法によって磁石18と電機子46の位置を確定して使用する場合には、磁極センサ72を省くことが可能であるので、リニアモータアクチュエータ10を更に小型化することができる。
移動ブロック40には、エンコーダヘッド48や磁極センサ72、電機子46に接続するケーブル64を、移動ブロック40側に固定するケーブルクランパ66を設けてある。
ケーブルクランパ66から出る各種のケーブル64は、巻き取り式のケーブルベア68等を介してハウジング30に設けたコネクタに接続してある。なお、同図には示していないが、リニアモータアクチュエータ10内にエンコーダ用の原点センサや、駆動のリミットスイッチを設けるようにしてもよい。
また、同図に示すように、推力を発生するヨーク47は、断熱材70を介して筒軸方向に自在に移動する移動ブロック40に取り付けられている。移動ブロック40には、連結部材52を介してスライダ50が取り付けられているので、ヨーク47に発生した推力によって、スライダ50は筒軸方向に移動し、位置又は速度の制御を行うことが可能となっている。
なお、同図に示すスライダ50に対して位置又は速度の制御を行う場合には、リニアモータアクチュエータ10に、例えば複数の電機子46をサーボ制御するための制御電力を出力するドライバ(図示せず)を接続することによって実現する。
ドライバには、エンコーダヘッド48が出力する位置情報や磁極センサ72が出力する磁石の位置情報を入力するとともに、位置指令や速度指令を出力する上位のコンピュータ若しくはシーケンサ等を接続しておく。
ドライバに上位のコントローラ等から位置指令に関する情報若しくは速度指令に関する情報が入力されると、ドライバはエンコーダヘッド48が出力する位置情報や磁極センサ72が出力する磁石の位置情報に基づいて、制御用の駆動電流を各電機子46に出力して、スライダ50の位置又は速度を制御する。
図4は、本発明の第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの筒形の軌道部材の断面形状と、従来のU字形の軌道部材の断面形状のとを比較した図である。
本発明の第1の実施形態における軌道部材16の断面は、従来の軌道部材416と異なり、軌道部材16の延長部17が移動ブロック40の上方まで張り出しているとともに、移動ブロック40の幅よりも狭い開口部15を有する部分に特徴がある。
これにより、軌道部材16の断面形状が閉曲線に近くなり、コンパクトな外形寸法でありながら軌道部材16の断面二次モーメントを大きくすることができる。このため、曲げ剛性、ねじり剛性等の剛性が高いリニアモータアクチュエータを得ることができる。
図5は、本発明の第1の実施形態における軌道部材16と従来のU字形断面形状の軌道部材416とで、xx軸回りの断面二次モーメント「IX−X」を略一致させた場合の形状を比較したものである。同図の中で「AREA」の値は、軌道部材の筒軸と直交する面の断面積を表し、この断面積の値は軌道部材の質量に比例する。
同図に示すように、軌道部材16の断面形状を筒形状にすることによって、U字形断面状の軌道部材416と同じXX軸回りの断面二次モーメントを得ようとした場合、断面積「AREA」の値を約1/3まで低減することができる。このことは、剛性を維持しながら軌道部材の質量を約1/3まで低減することができるということである。
また、本発明のリニアモータアクチュエータでは、XX軸回りの断面二次モーメント「IX−X」及びYY軸回りの断面二次モーメント「IY−Y」のいずれも略等しい値とすることができるので、あらゆる方向の荷重に対しでも均等な曲げ剛性を得ることが可能となる。
図6は、本発明のリニアモータアクチュエータに防塵用の覆い部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
同図は、リニアモータアクチュエータの筒軸方向に移動可能なスライダ50に、リング状の覆い取付部材90を取り付けた例を示している。そして、この覆い取付部材90の両側に、軌道部材の筒軸方向に伸縮自在な蛇腹状の防塵用の覆い部材92を取り付けている。
この覆い部材92は、バンドや固定金具を介して覆い取付部材90及びハウジング94に取り付ける。覆い部材92の材質として、ゴム、布、アルミ繊維等を用いることが可能である。
図7は、本発明の第2の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの、軌道部材の筒軸と直交する断面の図である。
図7に示すように、リニアモータアクチュエータ110の軌道部材116は、閉鎖された筒形状の断面形状を有し、軌道部材116のマグネットカップリングの磁力が通過する部分(外部マグネットカップリング94と内部マグネットカップリング96との間)は非磁性体で構成してある。
軌道部材116の内部には、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14(案内部の一形態)を有している。同図に示す例では、転動溝14は2カ所に設けてあるが、2条の転動溝を2カ所(合計転動溝を4カ所)設けるようにしてもよいし、4カ所以上設けるようにしてもよい。
図7に示す移動ブロック40は、図1、図2、又は図3に示した移動ブロックと同様の構成を有している。また、同様に、軌道部材116の内面には、軌道部材116の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18を設けてある。また、軌道部材116の内面には、移動ブロック40側の移動量を計測する際に用いるスケール20を備えている。
図7に示す移動ブロック40の上部には、リニアモータアクチュエータ110の外部に駆動力を非接触で伝達するために、移動ブロック240等の変位を外部に伝達する内部マグネットカップリング96を設けてある。内部マグネットカップリング96は、軌道部材116の外部に向けて磁力線を放射している。
軌道部材116の外部には、内部マグネットカップリング96が放射する磁力と吸引して、リニアモータアクチュエータ110の外部に設けたスライダ98を駆動する外部マグネットカップリング94を設けてある。なお、スライダ98は、例えば真空中やクリーンルーム内でも使用可能なものであり、案内軸99等に沿って案内されるものである。
図8は、図7に示したリニアモータアクチュエータ110のB1−B1’断面を示す図である。
図8に示すように、リニアモータアクチュエータ110の軌道部材116の内面には、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14(案内部の一形態)を設けてある。また、軌道部材116の内部には、軌道部材116の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18と、移動ブロック40側の移動量を計測する際に用いるスケール20とを備えている。
移動ブロック40は、軌道部材116に設けた磁石18が出力する磁力を利用して軌道部材116の筒軸方向に推力を生じさせるための複数の電機子46と、電機子46が発生させた磁力線を通すヨーク47と、電機子46から発生する熱を移動ブロック40に伝達させないようにする断熱材70とを備えている。
軌道部材116の外部には、内部マグネットカップリング96が放射する磁力と吸引して、リニアモータアクチュエータ110の外部に設けたスライダ98を駆動する外部マグネットカップリング94を設けてある。
図8に示すように、リニアモータアクチュエータ110の軌道部材116を閉鎖された筒形状の断面形状とすることによって、軌道部材116内部と軌道部材116外部とを遮断することが可能となる。したがって、例えば真空雰囲気中での使用のように、転動体12の潤滑剤の蒸発等による影響を避けたい分野への応用や、研削液や切屑などがふりかかる塵埃の多い分野への応用、異物の混入を避けたい食品加工等の分野への応用、クリーンルームを使用する種々の産業分野への応用が可能となる。
図9は、本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの斜視図である。
同図に示すように、リニアモータアクチュエータ210は、中空の角柱又は円筒等の筒形状の一部に移動ブロック240等の幅よりも狭い開口部15を有するC形断面の筒形状を有するとともに、筒内面の筒軸方向に移動ブロック240等を案内する案内部(転動溝14等)を有する筒形状の軌道部材16と、軌道部材16を両端から固定するハウジング30、32と、前記案内部と嵌合させることが可能な被案内部(転動体案内溝42等)を備えることによって軌道部材16の筒軸方向に対して移動自在な移動ブロック240等とを備えている。
前記案内部には、案内部と被案内部とが嵌合するすべり軸受けを用いてもよいし、転がり軸受けを用いてもよい。同図に示す例では案内部として、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14を用いている。
移動ブロック240又は移動ブロック241は、前記転動体12を前記転動溝14の反対側から保持して案内する転動体案内溝42(被案内部の一形態)と、前記転動体12を内部で循環させる無限循環路44とを備えることによって軌道部材16の筒軸方向に対して円滑に移動自在な構成としている。また、移動ブロック240と移動ブロック241とは、断熱材270を介して連結部材252によって連結されている。
軌道部材16の内部には、軌道部材16の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18(第1の磁石の一形態)と、移動ブロック240及び移動ブロック241側の移動量を計測する際に用いるスケール20とを備えている。
移動ブロック240及び移動ブロック241の中間には、軌道部材16に設けた磁石18が出力する磁力を利用して軌道部材16の筒軸方向に推力を生じさせるための磁力を発生する電機子246(第2の磁石の一形態)と、電機子246が発生させた磁力線を通すヨーク247とを設けてある。これらの電機子246及びヨーク247は、連結部材252に取り付けてある。
図9に示す例では、前記第1の磁石又は前記第2の磁石は、前記移動ブロック240等を移動させるための推力を制御することが可能な電磁石である。第1の磁石又は第2の磁石のいずれか一方に永久磁石を用いるようにしてもよい。
図9に示すように、本発明の第3の実施形態では、軌道部材16の筒軸と直交する複数の断面のうちの第1の断面内に転動体案内溝42等の被案内部を配置し、前記第1の被案内部を有する断面内とは異なる第2の断面内に前記第2の磁石を配置している。
また、同図に示す例では、第2の磁石を、移動ブロック240の転動体案内溝42(被案内部)と移動ブロック241の転動体案内溝42(被案内部)との間に配置した例で示しているが、本発明はこの実施例に限定するものではなく、第2の磁石を移動ブロック240と移動ブロック241の両側に設けるようにしてもよい。
また、移動ブロック240と移動ブロック241との、2つの移動ブロックが必ずしも必要ではなく、移動ブロック240又は移動ブロック241のうちのいずれか1つを用い、いずれかの移動ブロックの片側又は両側に前記第2の磁石を配置するようにしてもよい。
移動ブロック240及び移動ブロック241の側には、移動量を計測する際に用いる光学式や磁気式等の読取装置であるエンコーダヘッド48と、リニアモータアクチュエータ210外部の機器と接続して軌道部材16の開口部15から移動ブロック40の変位を伝達するスライダ50と、移動ブロック240、移動ブロック241及びヨーク247等をスライダ50と連結する連結部材252とを備えている。
移動ブロック240及び移動ブロック241の無限循環路44には、転動体12と、転動体12の外周面に合った形状を有して転動体12を保持するとともに、隣り合う転動体12同士の接触による抵抗や摩耗を減少させるリテーナ54が配置されている。
移動ブロック240の両端には、無限循環路44等を保持するエンドプレート260、261が設けられている。同図に示す例では、エンドプレート260には、磁極センサ72や電機子246と接続するケーブル64を、移動ブロック240側に固定するケーブルクランパ66を設けてある。ケーブルクランパ66から出る各種のケーブル64は、巻き取り式のケーブルベア68等を介してハウジング30に設けたコネクタに接続してある。
移動ブロック241の両端にも、同様に無限循環路44等を保持するエンドプレート262、263が設けられている。図9に示す例では、エンコーダヘッド48はエンドプレート263に取り付けてある。
図9に示すように、リニアモータアクチュエータ210の出力軸となるスライダ50は、ベアリングボール又はベアリングローラ等の転動体12により軌道部材16の筒軸方向に対して移動自在に支持されているので、磁石18、電機子246、ヨーク247、磁極センサ72、スケール20、エンコーダヘッド48等から構成されるリニアモータが推力を発生することによって、直接スライダ50と接続した駆動対象物に対して、位置又は速度の制御を行うことが可能となる。
図10は、図9に示した本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータ210のC−C’断面を示す図である。
図9のC−C’断面は、軌道部材16の筒軸と直交する第2の断面と定義する。図10に示す実施例は、軌道部材16の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの、被案内部(例えば転動体案内溝42等)を有さない第2の断面内に電機子246(第2の磁石)を配置した実施例である。
図10に示すリニアモータアクチュエータ210の軌道部材16は、筒形状の一部を切除した開口部15を有するC形断面の筒形状を有しているが、図7に示したような閉鎖された筒形状の断面形状を採用してもよい。
図10に示すように軌道部材16の内部には、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14(案内部の一形態)を有している。同図に示す例では、転動溝14は2カ所に設けてあるが、2条の転動溝を2カ所(合計転動溝を4カ所)設けるようにしてもよいし、4カ所以上設けるようにしてもよい。
連結部材252には、電機子246が発生させた磁力線を通すとともに電機子246が発生した熱を伝達するヨーク47が取り付けてある。電機子246は、軌道部材16に設けた磁石18が出力する磁力を利用して、軌道部材16の筒軸方向に推力を発生させることが可能となっている。また、電機子246から発生する熱は、ヨーク247と連結部材252とを介してスライダ50に伝達され、リニアモータアクチュエータ210の外部に放射される。
図11は、図9に示した本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータ210のD−D’断面を示す図である。
図9のD−D’断面は、軌道部材16の筒軸と直交する第1の断面と定義する。図11に示す実施例は、軌道部材16の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの、第2の磁石(例えば電機子246等)を有さない第1の断面内に転動体案内溝42(被案内部の一形態)を配置した実施例である。
図11に示すように移動ブロック241は、転動体12を案内する転動体案内溝42(被案内部の一形態)と、転動体12を内部で循環させる無限循環路44とを有している。
軌道部材16の内面には、軌道部材16の筒軸方向にわたり磁力線を交互に出力するための複数の磁石18(第1の磁石の一形態)を設けてある。また、軌道部材16の内面には、移動ブロック240側の移動量を計測する際に用いるスケール20を備えている。
図12は、図10に示した本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータ210のE−E’断面を示す図である。
同図に示すように、リニアモータアクチュエータ210の軌道部材16内面には、ベアリングボール又はベアリングローラ等の多数の転動体12が筒軸方向に転動する複数の転動溝14(案内部の一形態)を設けてあるので、移動ブロック240及び移動ブロック241は、軌道部材16の内部を筒軸方向に円滑且つ自在に移動することが可能となっている。
軌道部材16の内部には、磁石18(第1の磁石の一形態)と、移動ブロック240及び移動ブロック241側の移動量を計測する際に用いるスケール20とを備えている。
連結部材252側には、軌道部材16に設けた磁石18が出力する磁力を利用して軌道部材16の筒軸方向に推力を生じさせるための磁力を発生する複数の電機子246と、電機子246が発生させた磁力線を通すヨーク247と、電機子246から発生する熱を移動ブロック240及び移動ブロック241に伝達させないようにする断熱材270とが設けられている。
電機子246から発生する熱は、ヨーク247、連結部材252及びスライダ50を介してリニアモータアクチュエータ210の外部へ放射される。したがって電機子246の温度上昇はある程度押さえることができるので、より多くの電流を電機子246に流すことが可能となり、推力の大きなリニアモータアクチュエータとすることができる。
移動ブロック240及び移動ブロック241には、転動体12を内部で循環させる無限循環路44と、無限循環路44等を保持するエンドプレート260、261、262、263とを設けてある。また、同図に示す例では、移動ブロック241側のエンドプレート263等には、移動ブロック241側の移動量を計測するエンコーダヘッド48を取り付けてある。エンコーダヘッド48は、移動ブロック241の下側に取り付けるようにしてもよい(図12のエンコーダヘッド48’参照。)。
また、移動ブロック240側のエンドプレート260には、磁石18が発生する磁力を測定する磁極センサ72を取り付けてある。磁極センサ72の取り付け位置は、図12に示す位置に限定するものではなく、磁石18の磁極を検出することが可能な位置であればどこでもよい。リニアモータアクチュエータ210を、磁石18の磁極に関してオープンループで使用する場合には、磁極センサ72を省くことが可能である。また、磁極センサ72を移動ブロック240の下側に取り付けるようにしてもよい(図12の磁極センサ72’参照。)。
また、同図に示すように、推力を発生するヨーク247は連結部材252に取り付けられており、この連結部材252には断熱材270を介して筒軸方向に自在に移動する移動ブロック240及び移動ブロック241が取り付けられている。したがって、ヨーク247に発生した推力により、連結部材252に取り付けられているスライダ50は筒軸方向に移動し、位置又は速度の制御を行うことが可能となっている。
図10及び図11に示すように、本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータ210も、軌道部材16が移動ブロック240及び移動ブロック241を取り囲む構成としているので、仮に転動体12が軌道部材16の転動溝14から脱落した場合であっても、移動ブロック240及び移動ブロック241が軌道部材16から抜けることがない。
なお、同図に示すリニアモータアクチュエータ210のスライダ50に対して位置又は速度の制御を行う場合には、リニアモータアクチュエータ210に、例えば複数の電機子246をマイクロステップ制御するための制御電力を出力するドライバ(図示せず)を接続することによって実現する。
ドライバに上位のコントローラ等から位置指令に関する情報若しくは速度指令に関する情報が入力されると、ドライバはエンコーダヘッド48が出力する位置情報や磁極センサ72が出力する磁石の位置情報に基づいて、制御用の駆動電流を各電機子246に出力して、スライダ50の位置又は速度を細かく制御する。
上記の第3の実施形態のリニアモータアクチュエータ210の場合も、図4に示した第1の実施形態と同様に、軌道部材16の延長部17が移動ブロック240又は移動ブロック241の上方まで張り出している形状に特徴がある。
これにより、軌道部材16の断面形状が閉曲線に近くなり、コンパクトな外形寸法でありながら軌道部材16の断面二次モーメントを大きくすることができる。このため、曲げ剛性、ねじり剛性等の剛性が高いアクチュエータを得ることができる。
また、軌道部材16の断面形状を略筒形状にすることによって、軌道部材16の断面二次モーメントを高く維持しつつ、断面積の値及び質量を低減することができる。また、あらゆる方向の荷重に対しでも均等な曲げ剛性を得ることが可能となる。
また、上記の第3の実施形態のリニアモータアクチュエータ210に対しても、前述の図6に示したものと同様の防塵用の覆い部材を取り付けることが可能である。
また、図7及び図8に示したように、上記の第3の実施形態のリニアモータアクチュエータ210の軌道部材16を、閉鎖された筒形状の断面形状を有する軌道部材とするとともに、マグネットカップリングを用いて駆動対象物を制御するように構成することも可能である。この場合にも、軌道部材を閉鎖された筒形状の断面形状とすることによって、軌道部材内部と軌道部材外部とを遮断することができるので、例えば真空雰囲気中での使用、塵埃の多い環境下での使用、食品加工分野での使用、クリーンルーム内での使用などの用途に用いることが可能となる。
本発明によれば、小さい断面積ながら、ねじり剛性や曲げ剛性が高く、より軽量でコンパクトなリニアモータアクチュエータを提供することができる。したがって、例えば多関節ロボットの先端軸のように、リニアモータアクチュエータ自体が振り回される位置にも好適に用いることができる。
また、本発明によれば、塵埃の多い環境下、研削液がかかるような環境下、また、クリーンルーム内の清浄環境下であっても、リニアモータアクチュエータを使用することが可能となる。
本発明の第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの斜視図である。 図1に示した第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータのA−A’断面を示す図である。 図2に示した第1の実施形態におけるリニアモータアクチュエータのB−B’断面を示す図である。 本発明の第1の実施形態の筒形断面形状の軌道部材と、従来のU字形断面形状の軌道部材とを比較した図である。 本発明の第1の実施形態における軌道部材と従来のU字形断面形状の軌道部材とで、xx軸回りの断面二次モーメント「IX−X」を略一致させた場合の形状を比較したものである。 本発明のリニアモータアクチュエータに防塵用の覆い部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの、軌道部材の筒軸と直交する断面の図である。 本発明の第2の実施形態におけるリニアモータアクチュエータのB1−B1’断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータの斜視図である。 図9に示した本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータのC−C’断面を示す図である。 図9に示した本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータのD−D’断面を示す図である。 図10に示した本発明の第3の実施形態におけるリニアモータアクチュエータのE−E’断面を示す図である。
符号の説明
10、110、210 リニアモータアクチュエータ
12 転動体
14 転動溝(案内部の一形態)
15 開口部
16、116 軌道部材
17 延長部
18 磁石(第1の磁石の一形態)
20 スケール
30、32 ハウジング
40、240、241 移動ブロック
42 転動体案内溝(被案内部の一形態)
44 無限循環路
46、246 電機子(第2の磁石の一形態)
47、247 ヨーク
48 エンコーダヘッド
50 スライダ
52、252 連結部材
54 リテーナ
60、62、260、261、262、263 エンドプレート
64 ケーブル
66 ケーブルクランパ
68 ケーブルベア
70、270 断熱材
72 磁極センサ
90 覆い取付部材
92 覆い部材
94 外部マグネットカップリング
96 内部マグネットカップリング
98 スライダ
99 案内軸
416 軌道部材(従来の軌道部材)

Claims (8)

  1. 中空の角柱又は円筒の中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材であって、筒形状の一部に前記移動ブロックの幅よりも狭い開口部を有する断面形状を有し、筒内面の筒軸方向に前記移動ブロックを案内する案内部を有する軌道部材と、
    前記案内部に案内されて前記軌道部材内を筒軸方向に移動する移動ブロックと、
    前記軌道部材側内面に存在して磁力を発生する第1の磁石と、
    前記移動ブロック側に存在して磁力を発生する第2の磁石と、を備え、
    前記第1の磁石又は前記第2の磁石は、前記移動ブロックを移動させるための推力を制御することが可能な電磁石であることを特徴とするリニアモータアクチュエータ。
  2. 前記軌道部材の案内部は、ベアリングボール又はベアリングローラ等の転動体が転動する複数の転動溝を有し、
    前記移動ブロックは、前記転動体を前記転動溝の反対側から保持する転動体案内溝を有し、前記転動体に支持されて前記軌道部材内を筒軸方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のリニアモータアクチュエータ。
  3. 前記移動ブロックを複数有し、当該複数の移動ブロックを連結する連結部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアモータアクチュエータ。
  4. 前記軌道部材の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの第1の断面内に前記案内部と嵌合する被案内部を有し、前記第1の断面内とは異なる第2の断面内に前記第2の磁石を配置したことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータアクチュエータ。
  5. 前記軌道部材の筒軸と直交する複数の相異なる断面のうちの第1の断面内に前記転動体案内溝を有し、前記第1の断面内とは異なる第2の断面内に前記第2の磁石を配置したことを特徴とする請求項2に記載のリニアモータアクチュエータ。
  6. 前記軌道部材の筒軸と直交する同一断面内に、前記移動ブロックと前記第2の磁石とを配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアモータアクチュエータ。
  7. 前記軌道部材の全体を覆うとともに前記軌道部材の筒軸方向に伸縮自在な覆い部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリニアモータアクチュエータ。
  8. 中空の角柱又は円筒の閉鎖された中空部を移動ブロックが移動する筒形状の軌道部材であって、筒内面の筒軸方向に前記移動ブロックを案内する案内部を有する軌道部材と、
    前記案内部に案内されて前記軌道部材内を筒軸方向に移動する移動ブロックと、
    前記移動ブロックの変位を軌道部材の外部に伝達するマグネットカップリングと、
    前記軌道部材側内面に存在して磁力を発生する第1の磁石と、
    前記移動ブロック側に存在して磁力を発生する第2の磁石と、を備え、
    前記第1の磁石又は前記第2の磁石は、前記移動ブロックを移動させるための推力を制御することが可能な電磁石であることを特徴とするリニアモータアクチュエータ。
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