JP2006279536A - 圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法 - Google Patents

圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パッケージの軽薄短小化に対応できると共に、圧電素子の接合信頼性を向上できる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】底板体11と枠体12用のセラミックグリーンシート18、18aの焼成体27のキャビティ部13に圧電素子14を接合するための電極端子15を設けると共に、この近傍に枕部材16が設けられる圧電素子収納用セラミックパッケージ10の製造方法であって、底板体11用のセラミックグリーンシート18の上面に導体パターン19を含む導体配線パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシート18にこれと同じ材料からなる絶縁ペースト20と、導体パターン19を囲繞する突起部22を設けたスクリーン印刷用マスク23を用いて導体パターン19との間に隙間を設け、この厚さ以上の絶縁パターン21を形成する工程と、積層、焼成して焼成体27を形成する工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック焼成体のキャビティ部に矩形状の水晶振動子等の圧電素子の長手方向一端部側を接合して他端部側を中空状態として収納するための圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法に関する。
近年、水晶振動子等の圧電素子を収納させるためのセラミックパッケージは、圧電素子を搭載させた装置、例えば、携帯電話等の小型化、高信頼性化等の要求に伴い、ますます軽薄短小化、高信頼性化等への対応が迫られている。また、圧電素子収納用セラミックパッケージに圧電素子を取り付ける方式には、パッケージの電極端子を長手方向両端部のそれぞれに分けて設け、圧電素子の長手方向両端部のそれぞれに設ける電極接合部と接合させる方式がある。あるいは、圧電素子収納用セラミックパッケージに圧電素子を取り付ける方式には、パッケージの電極端子を長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設け、圧電素子の長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設ける電極接合部と接合させる方式とがある。しかしながら、圧電素子の長手方向両端部のそれぞれの電極接合部をパッケージの長手方向両端部のそれぞれの電極端子と接続させる方式は、セラミックと、水晶からなる圧電素子の熱膨張係数の違いから温度変化に対して圧電素子に熱応力が発生し、温度変化による周波数変化に加えて熱応力による周波数変化によって、周波数の温度特性におよぼす影響が大きくなるという問題がある。そこで、圧電素子収納用セラミックパッケージには、電極端子をパッケージの長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設け、圧電素子の電極接合部を圧電素子の長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設けて接合させる方式である片側固定方式が多く採用されている。
図3(A)、(B)に示すように、従来の片側固定方式用の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法で作製される圧電素子収納用セラミックパッケージ50は、気密信頼性の高いセラミック製の底板体51と、セラミック製の窓枠形状をした板状の枠体52を一体化した外形が矩形状のセラミック焼成体からなっている。底板体51には、上面に圧電素子53の長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設ける電極接合部と導電性接着剤54を介して接合させるための高融点金属なる電極端子55や、下面に高融点金属なる外部接続端子パッド(図示せず)等の導体パターンがセラミックと同時焼成されて形成されている。また、枠体52には、上面に高融点金属なる導体金属膜(図示せず)がセラミックと同時焼成されて形成されている。この圧電素子収納用セラミックパッケージ50は、底板体51の平板上面又は階段状上面と、枠体52の内周壁面とで形成される圧電素子53を搭載するためのキャビティ部56を有している。なお、この圧電素子収納用セラミックパッケージ50には、複数層のセラミックに形成するそれぞれの導体パターン間を電気的に導通状態とするためや、複数層のそれぞれの導体パターンの表面に電解めっき被膜を施すためにセラミックに貫通孔を設けて形成するビア(図示せず)や、キャスタレーション(図示せず)が形成されている。この圧電素子収納用セラミックパッケージ50には、キャビティ部56に圧電素子53が搭載され、枠体52の上面に形成された導体金属膜や、この導体金属膜上にろう付けされた金属枠体(図示せず)に金属製蓋体(図示せず)が接合材を介して接合されて圧電素子53がキャビティ部56内に中空状態で気密に封止される。そして、圧電素子53が実装された圧電素子収納用セラミックパッケージ50は、パッケージの下面の外部接続端子パッドで半田等を介してボード等に接合している。
図4(A)、(B)を参照しながら、代表的な従来の圧電素子収納用セラミックパッケージ50の製造方法を説明する。ここで、図4(A)は個片体の圧電素子収納用セラミックパッケージ50の複数個が平面状に配列する集合体60の上面側部分拡大平面図、図4(B)はC−C’線縦断面図である。図4(A)、(B)に示すように、圧電素子収納用セラミックパッケージ50を構成する底板体51は、1又は複数枚の大型のセラミックグリーンシートのそれぞれ個片体の圧電素子収納用セラミックパッケージ50となるそれぞれ所定の位置にビア用や、キャスタレーション用等の貫通孔を形成している。そして、底板体51用のそれぞれのセラミックグリーンシートには、高融点金属からなる導体ペーストを用いて、表面にスクリーン印刷で各個片体用の電極端子55用等のメタライズパターン形成や、ビア用の貫通孔にスクリーン印刷で充填や、キャスタレーション用貫通孔の壁面にスクリーン印刷で塗布を行っている。また、圧電素子収納用セラミックパッケージ50を構成する枠体52は、1又は複数枚の大型のセラミックグリーンシートのそれぞれ個片体の圧電素子収納用セラミックパッケージ50となるそれぞれ所定の位置にキャビティ部56用や、ビア用等の貫通孔を形成している。そして、枠体52用の最上層となるセラミックグリーンシートの上面には、高融点金属からなる導体ペーストを用いて、スクリーン印刷で各個片体用の導体金属膜用のメタライズパターン形成や、ビア用の貫通孔に導体ペーストの充填を行っている。
次に、底板体51用と、枠体52用のセラミックグリーンシートは、重ね合わされて温度と圧力をかけて積層し、積層体に形成される。そして、この積層体の両面、又は片面には、個片体の圧電素子収納用セラミックパッケージ50の外周となる個片体に分割するための分割用溝57用の窪みが形成される。次に、積層体は、セラミックグリーンシートとメタライズパターンを還元雰囲気中で同時焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体に形成されている。更に、焼成体の外表面に露出する枠体52の上面の導体金属膜上に金属枠体をろう付けした後、あるいは、金属枠体をろう付けしない導体パターン上にNiめっき被膜、及びAuめっき被膜を施して個片体の圧電素子収納用セラミックパッケージ50の複数個がマトリックス状に配列する集合体60を作製している。そして、圧電素子収納用セラミックパッケージ50は、集合体60の状態、又は個片体にされた状態でキャビティ部56に圧電素子53が実装されるようになっている。
従来の圧電素子収納用セラミックパッケージに実装してなる表面実装形圧電デバイスには、熱応力による周波数変化の少ない表面実装形水晶振動子を提供するために、水晶振動子片の一端のみを導電性接着剤を介してベースに固着することにより、水晶振動子片がベースの上面に対して傾斜した片面固定方式にするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、従来の圧電素子収納用セラミックパッケージに実装してなる表面実装型の圧電振動子には、絶縁材製の底板と、この底板の一側板面に設けた少なくとも一対の保持電極と、板面に形成した励振電極を一端部に導出してこの導出端を上記保持電極に導電性接着剤で固着するとともに電気的に導通させた圧電片と、この圧電片の他端部に対応して上記底板の一側面に設けた枕部材と、上記底板の一側板面を気密に封止する蓋体と、を具備することを特徴とするものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−330886号公報 特開平3−88373号公報
しかしながら、前述したような従来の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法は、次のような問題がある。
(1)従来の片側固定方式用の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法で作製される圧電素子収納用セラミックパッケージには、電極接合部を長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設けた圧電素子を、長手方向の一方の端部側に集中させて一対にして設けたパッケージの電極端子に接合し、圧電素子の他方の端部側を中空状態にして接合している。この接合に際し、圧電素子は、圧電素子の他方の端部側を確実に中空状態としてパッケージの電極端子に接合させることが難しいので、通常は、パッケージに圧電素子の他方の端部側を載置させるための枕部材を設けている。しかしながら、従来の圧電素子収納用セラミックパッケージは、圧電素子が枕部材に載置し接触する部分に圧電素子を振動させるための励振電極パターンを設けることができなくて大きさが大きいものとなっているので、最近のパッケージの軽薄短小化要求に応えることができなくなっている。
(2)パッケージに圧電素子の他方の端部側を載置させるための枕部材を設けないで、圧電素子の他方の端部側を確実に中空状態とするためには、パッケージの電極端子のできるだけ近傍に枕部材を設ける方法が考えられる。しかしながら、この圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法においては、枕部材をできるだけ電極端子の近傍に設ける場合に、絶縁ペーストをスクリーン印刷する時のペースト滲みによって電極端子の上部を覆って電極端子の面積が小さくなり、圧電素子の接合信頼性に問題が発生している。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、パッケージの軽薄短小化に対応できると共に、圧電素子の接合信頼性を向上できる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法は、1又は複数枚の底板体用のセラミックグリーンシートの外周辺部に1又は複数枚の枠体用のセラミックグリーンシートを一体化し、焼成して形成するセラミック焼成体の底板体の上面と枠体の内周壁面で形成されるキャビティ部の底面に矩形状の圧電素子の長手方向一端部側を接合するための一対の電極端子が設けられると共に、圧電素子の長手方向他端部側を中空状態とするための電極端子の近傍に1又は複数個の枕部材が設けられる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法であって、セラミック焼成体用の複数枚のセラミックグリーンシートに導体ペーストを用いてスクリーン印刷して底板体用のセラミックグリーンシートの上面の長手方向一端部側に設けられる一対の電極端子用の導体パターンを含む導体配線パターンを形成する工程と、電極端子用の導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートにセラミックグリーンシートと同じ材料からなる絶縁ペーストと、セラミックグリーンシートに当接する面に枕部材用の絶縁パターンを囲繞するようなリング状の突起部を設けたスクリーン印刷用マスクを用いてスクリーン印刷して電極端子用の導体パターンとの間に隙間を設け、電極端子用の導体パターンの厚さ以上の厚さを有する枕部材用の絶縁パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシートを積層し、セラミックグリーンシート、導体配線パターン及び枕部材用の絶縁パターンを焼成して底板体上に電極端子、及び枕部材を有するセラミック焼成体を形成する工程を有する。
ここで、圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法は、絶縁パターン形成用のスクリーン印刷用マスクの突起部が、導体パターンと絶縁パターンの間の隙間と略同等の幅、及び導体パターンの厚さと同等以上の高さを有し、スクリーン印刷用マスクの突起部を導体パターンと隣接させながらセラミックグリーンシートに当接して絶縁ペーストをスクリーン印刷して絶縁パターンを形成するのがよい。
請求項1又はこれに従属する請求項2記載の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法は、底板体用のセラミックグリーンシートに枠体用のセラミックグリーンシートを一体化し、焼成して形成するセラミック焼成体のキャビティ部の底面に矩形状の圧電素子の長手方向一端部側を接合するための一対の電極端子が設けられると共に、圧電素子の長手方向他端部側を中空状態とするための電極端子の近傍に1又は複数個の枕部材が設けられる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法であって、焼成体用の複数枚のセラミックグリーンシートに導体ペーストを用いてスクリーン印刷して底板体用のセラミックグリーンシートの上面の長手方向一端部側に設けられる一対の電極端子用の導体パターンを含む導体配線パターンを形成する工程と、電極端子用の導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートにセラミックグリーンシートと同じ材料からなる絶縁ペーストと、セラミックグリーンシートに当接する面に枕部材用の絶縁パターンを囲繞するようなリング状の突起部を設けたスクリーン印刷用マスクを用いてスクリーン印刷して電極端子用の導体パターンとの間に隙間を設け、電極端子用の導体パターンの厚さ以上の厚さを有する枕部材用の絶縁パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシートを積層し、セラミックグリーンシート、導体配線パターン及び枕部材用の絶縁パターンを焼成して底板体上に電極端子、及び枕部材を有するセラミック焼成体を形成する工程を有するので、枕部材を電極端子の近傍に電極端子の高さ以上に設けて圧電素子の一方の端部側を電極端子に接合して他方の端部側を確実に中空状態とすることができ、圧電素子の他方の端部側の底板体との接触をなくすと共に、枕部材を電極端子の近傍に設けて圧電素子の他方の端部側の圧電素子を振動させるための励振電極パターンを大きくできて圧電素子の大きさを全体として小さくでき、圧電素子を収納するパッケージを軽薄短小化とすることができる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法を提供することができる。
特に、請求項2記載の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法は、絶縁パターン形成用のスクリーン印刷用マスクの突起部が、導体パターンと絶縁パターンの間の隙間と略同等の幅、及び導体パターンの厚さと同等以上の高さを有し、スクリーン印刷用マスクの突起部を導体パターンと隣接させながらセラミックグリーンシートに当接して絶縁ペーストをスクリーン印刷して絶縁パターンを形成するので、電極端子用の導体パターン上に枕部材用の絶縁パターンを滲ませることを防止することができると共に、実装される圧電素子の長手方向他端部側を確実に中空状態とすることができる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法を提供することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法で作製された圧電素子収納用セラミックパッケージの平面図、A−A’線縦断面図、図2(A)〜(F)はそれぞれ同圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法の説明図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法で作製された圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、1又は複数枚(図1では1枚)を重ね合わせる平板状、又は複数枚で上面を階段状とする略矩形状セラミック製の底板体11と、1又は複数枚(図1では2枚)の窓枠形状からなるセラミック製板状の枠体12を積層し焼成してセラミックと導体パターンが一体化されたセラミック焼成体からなっている。この圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、底板体11の外周と、枠体12の外周の大きさが略同じであって、底板体11の上面と枠体12の内周壁面で形成されるキャビティ部13に水晶振動子等の圧電素子14が搭載できるようになっている。この圧電素子収納用セラミックパッケージ10の底板体11の上面には、圧電素子14と電気的に導通状態とするための高融点金属なる電極端子15等の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。また、この圧電素子収納用セラミックパッケージ10の底板体11の下面には、セラミックの層間に形成される導体配線パターン(図示せず)や、それそれの層間を繋ぐためのビア(図示せず)やキャスタレーション(図示せず)等を介して電極端子15と電気的に導通状態とし、ボード等に接合して外部と電気的に導通状態とするための高融点金属なる外部接続端子パッド(図示せず)等の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。更に、この圧電素子収納用セラミックパッケージ10の枠体12の上面には、導体金属膜(図示せず)の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。
この圧電素子収納用セラミックパッケージ10の底板体11の上面に形成される電極端子15の近傍には、1又は複数個からなる枕部材16の絶縁パターンが導体パターンやセラミックと同時焼成して形成されている。この枕部材16は、電極端子15の近傍に電極端子15の高さ以上の高さを有して形成されているので、圧電素子14を枕部材16の上面に載せるようにして長手方向の一方の端部側を電極端子15に導電性接着剤17を介して接合した時に、圧電素子14の長手方向の他方の端部側を確実に底板体11の表面から中空状態にさせることができる。また、この圧電素子収納用セラミックパッケージ10に搭載される圧電素子14は、長手方向の他方の端部側を確実に底板体11の表面から中空状態にさせることができるので、底板体11との接触を防止でき、圧電素子14を振動させるための励振電極パターンを大きくできて圧電素子14の大きさを全体として小さくできる。従って、圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、圧電素子14の大きさが小さくできることからパッケージが取り付けられる装置の小型化によるパッケージの軽薄短小化の要求に対応することができる。なお、この圧電素子収納用セラミックパッケージ10の枠体12の上面には、導体金属膜(図示せず)の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成され、又は更に導体金属膜上に金属枠体がろう付けされて設けられ、圧電素子14を実装した後、金属製蓋体を接合材を介して導体金属膜、又は金属枠体に接合してキャビティ部13内を中空状態にして圧電素子14を気密に封止できるようにしている。そして、圧電素子14が実装された圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、パッケージの下面の外部接続端子パッド(図示せず)で半田等を介してボード等に接合している。また、この圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、外部接続端子パッドの何れかと、導体金属膜及び/又は金属枠体を電気的に導通状態として、導体金属膜及び/又は金属枠体に接合される金属製蓋体を電気回路用のグランドとして使用することもできる。
次いで、図2(A)〜(F)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る圧電素子収納用セラミックパッケージ10の製造方法を説明する。
圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、通常、焼成前の複数の底板体11が平面状に配列する1又は複数枚のセラミックグリーンシートと、焼成前の複数の窓枠形状をした板状の枠体12が平面状に配列する1又は複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、焼成して形成されている。そして、圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、多数個から個片体に分割された時に、それぞれの個片体の中央部に電子部品を搭載するためのキャビティ部13が形成されるようにして作製している。この圧電素子収納用セラミックパッケージ10を構成するためのセラミックグリーンシートは、セラミック基材として、例えば、アルミナや、窒化アルミニウムや、低温焼成セラミック等があげられるが、特に材料が限定されるものではない。例えば、セラミック基材にアルミナを用いる場合には、先ず、酸化アルミニウム粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練して脱泡し、粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって焼成後所望の厚み、例えば、0.12mmになるようにシート状に乾燥させた後、所望の大きさの矩形状に切断している。
図2(A)に示すように、底板体11用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート18には、必要に応じてキャスタレーションや、ビア等を形成するための挿通孔(図示せず)をドリルマシン、パンチングマシーン、金型等を用いる打ち抜き加工や、レーザー光を用いるレーザー加工等で穿設して設けている。そして、所定のセラミックグリーンシート18のキャスタレーション用の挿通孔には、例えば、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストを用いて貫通孔壁面にスクリーン印刷で塗布している。また、ビア用の挿通孔には、例えば、上記と同様の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷で充填している。底板体11用のセラミックグリーンシート18の最上層となるセラミックグリーンシート18の上面には、上記と同様の高融点金属からなる導体ペーストを用いて底板体11の長手方向一端部側となる部分に、圧電素子14と電気的に接続するための電極端子15用の導体パターン19を含む導体配線パターンを形成している。なお、図示していないが、底板体11が複数枚からなる場合には、その中間層となるセラミックグリーンシート18の表面に導体配線パターン等をスクリーン印刷で形成している。また、底板体11用のセラミックグリーンシート18の最下層となるセラミックグリーンシート18の下面には、上記と同様の高融点金属からなる導体ペーストを用いて、ボード等に接合して外部と電気的に導通状態とするための外部接続端子パッド用の導体配線パターン等をスクリーン印刷で形成している。
次に、図2(B)、(C)に示すように、電極端子15用の導体パターン19が形成された底板体11用のセラミックグリーンシート18には、セラミックグリーンシート18と同じ材料からなる絶縁ペースト20と、セラミックグリーンシート18に当接する面に印刷後に枕部材16用の絶縁パターン21を囲繞するようなリング状の突起部22を設けたスクリーン印刷用マスク23、及び絶縁ペースト20をスクリーン印刷用マスク23から押し出すためのスキージ24を用いてスクリーン印刷して絶縁パターン21を形成している。この絶縁パターン21は、電極端子15用の導体パターン19との間に隙間を設け、電極端子15用の導体パターン19の厚さ以上の厚さを有して形成されている。
次に、図2(D)に示すように、枠体12用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート18aには、キャビティ部13を形成するための貫通孔24をドリルマシン、パンチングマシーン、金型等を用いる打ち抜き加工や、レーザー光を用いるレーザー加工等で穿設して設けている。また、枠体12用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート18aには、必要に応じてキャスタレーションや、ビア等を形成するための挿通孔(図示せず)をドリルマシン、パンチングマシーン、金型等を用いる打ち抜き加工や、レーザー光を用いるレーザー加工等で穿設して設けている。そして、所定のセラミックグリーンシート18aのキャスタレーション用の挿通孔には、例えば、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストを用いて貫通孔壁面にスクリーン印刷で塗布している。また、ビア用の挿通孔には、例えば、上記と同様の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷で充填している。更に、枠体12用のセラミックグリーンシート18aの最上層となるセラミックグリーンシート18aの上面には、上記と同様の高融点金属からなる導体ペーストを用いて金属製蓋体を接合する時に用いるための導体金属膜用の導体配線パターンを形成している。
次に、図2(E)に示すように、電極端子15用の導体パターン19を含む導体配線パターン、及び枕部材16用の絶縁パターン21が形成された底板体11用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート18と、導体配線パターンが形成された枠体12用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート18aは、重ね合わされて温度と、圧力をかけることで積層して積層体25を形成している。そして、通常、積層体25は、複数個の焼成前の圧電素子収納用セラミックパッケージ10の集合体として形成されているので、積層体25の一方の面又は両面には、焼成後に個片の圧電素子収納用セラミックパッケージ10とするための分割用溝26を形成している。
次に、図2(F)に示すように、セラミックグリーンシート18、18a、導体配線パターン、及び絶縁パターン21からなる積層体25は、還元雰囲気中の約1650℃程度の温度で焼成して、底板体11上に電極端子15、及び枕部材16を有するセラミック焼成体27を形成している。このセラミック焼成体27には、必要に応じてNiめっき被膜が施された導体金属膜上に金属枠体がろう付けされたりした後、外部に露出する全ての金属面にNiめっき被膜、及びAuめっき被膜が施されることで、複数個の集合体からなる圧電素子収納用セラミックパッケージ10を作製している。この複数個の集合体からなる圧電素子収納用セラミックパッケージ10は、集合体の状態で圧電素子14を実装した後、分割用溝26で個片に分割したり、先に分割用溝26で個片に分割した後に圧電素子14を実装したりしている。
上記の圧電素子収納用セラミックパッケージ10の製造方法においては、枕部材16用の絶縁パターン21形成用のスクリーン印刷用マスク23の突起部22が、電極端子15用の導体パターン19と絶縁パターン21の間の隙間と略同等の幅、及び導体パターン19の厚さと同等以上の高さを有するのがよい。また、底板体11用のセラミックグリーンシート18には、スクリーン印刷用マスク23の突起部22を電極端子15用の導体パターン19と隣接させながら当接させて、絶縁ペースト20をスクリーン印刷して絶縁パターン21を形成するのがよい。導体パターン19上には、絶縁パターン21を滲ませることを防止することができるので、圧電素子14の電極端子15への接合面積を狭くすることを防止でき接合強度を強固にできる。また、実装される圧電素子14は、電極端子15への接合側と反対側の長手方向他端部側を確実に中空状態とすることができて底板体11との接触を防止できるので、圧電素子14の大きさを全体として小さくしても圧電素子14の励振電極パターンを大きくでき、圧電素子14を収納するパッケージを軽薄短小化とすることができる。
本発明の圧電素子収納用セラミックパッケージは、水晶振動子等の圧電素子を実装させて、小型で、高信頼性が要求される、例えば、携帯電話等の電子装置に組み込まれて用いることができる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法で作製された圧電素子収納用セラミックパッケージの平面図、A−A’線縦断面図である。 (A)〜(F)はそれぞれ同圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法の説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ従来の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法で作製された圧電素子収納用セラミックパッケージの平面図、B−B’線縦断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法の説明図である。
符号の説明
10:圧電素子収納用セラミックパッケージ、11:底板体、12:枠体、13:キャビティ部、14:圧電素子、15:電極端子、16:枕部材、17:導電性接着剤、18、18a:セラミックグリーンシート、19:導体パターン、20:絶縁ペースト、21:絶縁パターン、22:突起部、23:スクリーン印刷用マスク、24:貫通孔、25:積層体、26:分割用溝、27:セラミック焼成体

Claims (2)

  1. 1又は複数枚の底板体用のセラミックグリーンシートの外周辺部に1又は複数枚の枠体用のセラミックグリーンシートを一体化し、焼成して形成するセラミック焼成体の前記底板体の上面と前記枠体の内周壁面で形成されるキャビティ部の底面に矩形状の圧電素子の長手方向一端部側を接合するための一対の電極端子が設けられると共に、前記圧電素子の長手方向他端部側を中空状態とするための前記電極端子の近傍に1又は複数個の枕部材が設けられる圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法であって、
    前記セラミック焼成体用の複数枚のセラミックグリーンシートに導体ペーストを用いてスクリーン印刷して前記底板体用のセラミックグリーンシートの上面の長手方向一端部側に設けられる一対の前記電極端子用の導体パターンを含む導体配線パターンを形成する工程と、
    前記電極端子用の導体パターンが形成された前記セラミックグリーンシートに該セラミックグリーンシートと同じ材料からなる絶縁ペーストと、前記セラミックグリーンシートに当接する面に前記枕部材用の絶縁パターンを囲繞するようなリング状の突起部を設けたスクリーン印刷用マスクを用いてスクリーン印刷して前記電極端子用の導体パターンとの間に隙間を設け、前記電極端子用の導体パターンの厚さ以上の厚さを有する前記枕部材用の絶縁パターンを形成する工程と、
    前記セラミックグリーンシートを積層し、該セラミックグリーンシート、前記導体配線パターン及び前記枕部材用の絶縁パターンを焼成して前記底板体上に前記電極端子、及び前記枕部材を有するセラミック焼成体を形成する工程を有することを特徴とする圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法。
  2. 請求項1記載の圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法において、前記絶縁パターン形成用の前記スクリーン印刷用マスクの前記突起部が、前記導体パターンと前記絶縁パターンの間の隙間と略同等の幅、及び前記導体パターンの厚さと同等以上の高さを有し、前記スクリーン印刷用マスクの前記突起部を前記導体パターンと隣接させながら前記セラミックグリーンシートに当接して前記絶縁ペーストを前記スクリーン印刷して前記絶縁パターンを形成することを特徴とする圧電素子収納用セラミックパッケージの製造方法。
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