JP2006278605A - 膜パターン形成方法及びデバイス製造方法並びに液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1導電膜2と、メッキにより第1導電膜2上に成膜された第2導電膜4とを有する膜パターン7を基板1上に形成する。第1導電膜2が製膜された基板1上に膜パターン7に応じた開口部3aを有するマスク層3をパターン形成する工程と、開口部3aを介して第1導電膜2上に第2導電膜4をメッキ形成する工程と、第2導電膜4が形成された基板1からマスク層3を剥離する工程とを有する。
【選択図】 図1
Description
そこで、プロセス耐性があるスパッタ下地膜(Ni−Cr)を配線に用い、その上に低温成膜プロセスであるメッキによりAu配線を厚膜化することで低抵抗化及び応力低減を図っている。
また、この特許文献1には、メッキ前処理として、酸化膜をエッチング液で除去した後に、触媒を付与する技術が開示されている。
プロセス耐性があるスパッタ下地配線は強固な酸化膜を作りやすい性質があるため、この酸化膜に阻害されてメッキによる金属膜の積層が困難であった。特に、O2プラズマアッシングによるレジスト剥離工程を経ることにより、スパッタ下地配線にはさらに強固な酸化膜が形成される可能性が高い。
このように、下地配線に酸化膜が存在すると十分な触媒の付与が行えないため、メッキによる積層が困難であるという問題があった。
本発明の膜パターン形成方法は、第1導電膜と、メッキにより第1導電膜上に成膜された第2導電膜とを有する膜パターンを基板上に形成する膜パターン形成方法であって、前記第1導電膜が製膜された前記基板上に前記膜パターンに応じた開口部を有するマスク層をパターン形成する工程と、前記開口部を介して前記第1導電膜上に前記第2導電膜をメッキ形成する工程と、前記第2導電膜が形成された基板から前記マスク層を剥離する工程とを有することを特徴とするものである。
従って、本発明では、マスク層が成膜されていた領域にも第3導電膜を形成することが可能になり、厚くて低抵抗の膜パターンを得ることができる。
また、本発明では、第1導電膜をパターニングする際に、前記第3導電膜をマスクとして除去する工程を好適に採用できる。
これにより、第1導電膜をパターニングする際に、別途マスクを設ける必要がなくなり、生産性の向上に寄与できる。
従って、本発明の膜パターン形成方法では、第1導電膜に形成された酸化膜をエッチングにより除去できるため、メッキ処理のための触媒を効率的に付与できる。そのため、本発明では、所望の厚さに第2導電膜を積層することが可能になる。
従って、本発明では、エッチング処理後の工程で第1導電膜に酸化膜が形成されることなく、当該第1導電膜に触媒を付与することが可能になる。
また、触媒が混合されたエッチング液を用いる場合には、前記エッチング液と同一の液剤を溶液として溶解したものが用いられることが好ましい。
これにより、本発明では、エッチング用途に濃厚な溶液を用いる場合でも、触媒が分解することなく安定させることが可能になる。
この場合、前記第2導電膜としては、Ni、Cu、Auのうちの少なくとも一つで形成されることが好ましい。また、第1導電膜としては、Ni、Cr、Cr含有合金、Ni含有合金のいずれかで形成されることが好ましい。
これにより、本発明では、所望の厚さに積層した配線パターンを形成することが可能になる。
従って、本発明のデバイス製造方法では、酸化膜を形成しやすい材料を用いる場合でも、十分な厚さの膜パターンを有する基板を得ることができる。
従って、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、酸化膜を形成しやすい材料を用いる場合でも、十分な厚さの膜パターンを形成することができ、膜パターンを介して供給される信号に基づき、安定した液滴吐出動作を確保することが可能になる。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る膜パターン形成方法の第1実施形態について説明する。
図1(a)〜(f)は、膜パターン形成方法の工程を示す図である。
図1(a)に示すように、まず熱酸化したシリコン基板(基板)1の表面にNi−Cr合金(Cr20%)をスパッタ(または真空蒸着法等)してNiCr膜(第1導電膜)2を形成する。
具体的には、Ni−Cr合金は放置しているだけで、強固な酸化膜を形成するため、Ni−Cr合金のエッチング効果が大きいエッチング液としての塩酸と、メッキ処理用のPd触媒を溶解した溶液とを混合した溶液に常温で1〜5分間浸漬した。混合液の濃度としては、塩酸15〜30%、Pd塩10〜100ppmである。
この前処理を行うことで、開口部3aから露出するNiCr膜2の表面に形成された酸化膜を除去しつつ、当該NiCr膜2にPd触媒を付与することが可能になる。
なお、置換Auメッキ及び無電解Auメッキには、亜硫酸浴を用いた。また、上記の化学処理と化学処理との間では、純水による洗浄を3〜5分間行った。
これにより、シリコン基板1には、NiCr膜2a、ニッケル膜4、Au膜5、6からなる配線パターン(膜パターン)7が形成される。
この配線パターン7の電気特性は、スパッタで形成した配線に比べて厚膜化されているため抵抗値は小さく、また配線パターン7が形成されたシリコン基板(ウエハ)1においては、低温成膜プロセスを用いたためパターン形成後の反りが半減した。
続いて、本発明に係る膜パターン形成方法の第2実施形態について、図2を参照して説明する。この図において、図1に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を簡略化する。
次に、シリコン基板1をPd触媒が混合されたエッチング液に浸漬し、NiCr膜2の表面に形成された酸化膜を除去するとともに、Pd触媒を付与する前処理を実施した後に、無電解Niメッキ浴中にシリコン基板1を浸漬し、図2(c)に示すように、開口部3aから露出するNiCr膜2上にニッケル膜4を成膜する。
さらに、置換Auメッキ浴中に、シリコン基板1を浸漬し、ニッケル膜4上にAu膜5を積層形成した。
この工程までは、上記第1実施形態と同様である。
ここで、予めレジストパターン3が除去されており、またメッキは等方成長するため、Au膜6はニッケル膜4及びAu膜5の側面を覆うように成膜される。この場合、ニッケル膜4及びAu膜5が第2導電膜に相当することになる。
これにより、シリコン基板1には、NiCr膜2a、ニッケル膜4、Au膜5、6からなる配線パターン(膜パターン)7が形成される。
次に、上記膜パターン形成方法で配線パターンが形成された基板を有する液滴吐出ヘッドについて図3を参照して説明する。
図3は、液滴吐出ヘッドHの断面構成図である。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜(50)を兼ねる構成とすることもできる。
圧電素子300を含む振動板400上の領域を覆って、リザーバ形成基板20が設けられており、リザーバ形成基板20の上面(流路形成基板10と反対側面)には、封止膜31と固定板32とを積層した構造のコンプライアンス基板30が接合されている。このコンプライアンス基板30において、内側に配される封止膜31は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)からなり、この封止膜31によってリザーバ部21の上部が封止されている。他方、外側に配される固定板32は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さ30μm程度のステンレス鋼)からなる板状部材である。
この固定板32には、リザーバ100に対応する平面領域を切り欠いてなる開口部33が形成されており、この構成によりリザーバ100の上部は、可撓性を有する封止膜31のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部22となっている。
溝部700によってX軸方向に関し区画されるリザーバ形成基板20のうち、回路駆動部200Aと接続される複数の圧電素子300を封止している部分を第1封止部20Aとし、駆動回路部200Bと接続される複数の圧電素子300を封止ししている部分を第2封止部20Bとする。これらの第1封止部20A及び第2封止部20Bには、それぞれ圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保するとともに、その空間を密封する圧電素子保持部24が設けられている。圧電素子300のうち、少なくとも圧電体膜70は、この圧電素子保持部24内に密封されている。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル開口15より液滴が吐出される。
そのため、本実施形態に係る液滴吐出ヘッドHは、十分な厚さに積層され低抵抗の配線を介して信号が確実に伝達され、また反り等による駆動回路部200A、200Bの接合不良等が生じず、安定した液滴吐出動作を確保することが可能になる。
次に、上述した液滴吐出ヘッドHを備えた液滴吐出装置の一例について図4を参照しながら説明する。本例では、その一例として、前述の液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット式記録装置について説明する。
また、メッキ形成する第2導電膜としてニッケル膜を成膜する例を示したが、これに限定されるものではなく、CuやAu、さらには、これらを2種類以上組み合わせることも可能である。
Claims (13)
- 第1導電膜と、メッキにより前記第1導電膜上に成膜された第2導電膜とを有する膜パターンを基板上に形成する膜パターン形成方法であって、
前記第1導電膜が製膜された前記基板上に前記膜パターンに応じた開口部を有するマスク層をパターン形成する工程と、
前記開口部を介して前記第1導電膜上に前記第2導電膜をメッキ形成する工程と、
前記第2導電膜が形成された基板から前記マスク層を剥離する工程とを有することを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項1記載の膜パターン形成方法において、
前記マスク層を剥離した後に、前記第2導電膜上に第3導電膜をメッキ形成する工程を有することを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項2記載の膜パターン形成方法において、
前記第3導電膜をマスクとして前記第1導電膜を除去する工程を有することを特徴とする配線形成方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の膜パターン形成方法において、
前記第2導電膜をメッキ形成する前に、前記第1導電膜に対してエッチングするとともに、メッキ処理の触媒を付与する工程を有することを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項4記載の膜パターン形成方法において、
前記触媒は、前記第1導電膜に対するエッチング液に混合されることを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項5記載の膜パターン形成方法において、
前記触媒は、前記エッチング液と同一の液剤を溶液として溶解したものが用いられることを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項1から6のいずれかに記載の膜パターン形成方法において、
前記マスク層を剥離する工程は、O2プラズマ処理を含むことを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項1から7のいずれかに記載の膜パターン形成方法において、
前記メッキは、無電解メッキであることを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項8記載の膜パターン形成方法において、
前記第2導電膜は、Ni、Cu、Auのうちの少なくとも一つで形成されることを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項1から9のいずれかに記載の膜パターン形成方法において、
前記第1導電膜は、Ni、Cr、Cr含有合金、Ni含有合金のいずれかで形成されることを特徴とする膜パターン形成方法。 - 請求項1から10のいずれかに記載の膜パターン形成方法において、
前記膜パターンを線状に形成することを特徴とする膜パターン形成方法。 - 膜パターンが形成された基板を有するデバイスの製造方法であって、
前記膜パターンを、請求項1から11のいずれかに記載の膜パターン形成方法により形成することを特徴とするデバイス製造方法。 - 膜パターンが形成された基板を有し、前記膜パターンを介して供給される信号により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
前記膜パターンを、請求項1から11のいずれかに記載の膜パターン形成方法により形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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