JP2006278356A - 固体撮像素子の製造方法及び固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子の製造方法及び固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロレンズ表面に均一な理想的な膜厚分布を有するオーバーコート層を容易に形成することができる固体撮像素子の製造方法、並びに、固体撮像素子の提供。
【解決手段】固体撮像素子基板の受光部の上に形成され、受光部に集光するマイクロレンズと、該マイクロレンズの表面上に形成されたオーバーコート層とを備えた固体撮像素子を製造する方法であって、前記マイクロレンズ表面にオーバーコート材料を塗布する工程と、前記オーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光する工程と、前記露光したオーバーコート材料を現像する工程とを含むことを特徴とする固体撮像素子の製造方法、並びに、前記オーバーコート層が、前記マイクロレンズ表面上に塗布されたオーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光し、該露光後のオーバーコート材料を現像することによって形成されていることを特徴とする固体撮像素子。
【選択図】図4

Description

本発明は、マイクロレンズ表面にオーバーコート層が設けられた固体撮像素子の製造方法及び固体撮像素子に関するものである。
固体撮像素子の代表構成例を、図1を用いて説明する。CCD又はCMOS等に用いられる撮像素子基板は、通常、シリコーンウェハ1、該シリコーンウェハ1上に形成された信号転送部2、及び該信号転送部2の相互間のシリコーンウェハ1表面に形成された受光部(光電変換部)3等から構成される。通常、この撮像素子基板の表面には樹脂からなる下平坦化膜4が全面に設けられている。さらに、下平坦化膜4上の受光部3に対応する位置に各受光部に必要な分光特性に合わせて赤、緑、青(RGB)の組み合わせ、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)の組み合わせ又はその他の色のカラーフィルター層5が形成されている。そして、カラーフィルター層5の上には、樹脂からなる上平坦化膜6が全面に設けられている。さらに、上平坦化膜6上には、受光部3の位置に合わせて設けられた各カラーフィルター層5と対応する位置に、マイクロレンズ7が選択的に設けられている。マイクロレンズ7は、受光部3に入射する光の量を増加させ、固体撮像素子の感度を向上させるために設けられる。
マイクロレンズ7の形成方法としては、次のような方法が知られている。(1)所定のパターンを有するフォトマスクを利用して感光性材料を露光、現像することにより矩形パターンを形成し、得られた矩形パターンに熱処理(熱フロー)を施して融解し、感光性材料の表面張力によってレンズ形状を得る方法、(2)レンズ形成材料層上に、(1)と同様にして感光性材料でレンズ形状を形成し、このレンズ形状の感光性材料とレンズ形成材料層を共にエッチングして、レンズ形成材料層にレンズ形状を転写する方法、(3)感光性材料にパターン露光する際、デフォーカスすることによって解像力を調整し、現像後、レンズ形状を得る方法、(4)透過光量を変化させたグレースケールマスクを使用して、感光性材料を露光、現像することによりレンズ形状に形成する方法(階調露光法)、(5)レンズ形成材料層上に(4)と同様にして感光性材料でレンズ形状を形成し、このレンズ形状の感光性材料とレンズ形成材料層を共にエッチングして、レンズ形成材料層にレンズ形状を転写する方法、等が挙げられる。
これらのうち、レンズ形状の精密なコントロールが可能なことから、グレースケールマスクを用いる階調露光法によるマイクロレンズの作製((4)、(5))が注目されている。グレースケールマスクは、マスク素材に直接濃淡をつけて透過光量分布を制御するもの、マスク基材上に光吸収膜を形成し、その光吸収能を調節することによって透過光量分布を制御するもの、マスク基板に微細なパターンを分布させ、そのパターンの分布状態により透過光量分布を制御するものに大別できる。なかでも、作製が比較的容易であることから微細パターンの分布状態により透過光量分布を制御するグレースケールマスクが注目されている。
マイクロレンズの表面上には、マイクロレンズの性能向上のため、種々の機能を有するオーバーコート層8が設けられることが多い。オーバーコート層には、例えば、マイクロレンズ表面における光の反射を抑制し、受光部に到達する光の量を多くすることを目的とした反射防止膜や、吸水によるマイクロレンズの変形、着色(黄変や白濁等)及び劣化の防止を目的とした撥水層等がある。また、マイクロレンズ間ギャップを狭くし、マイクロレンズの集光効率を向上させることを目的として、或いは、マイクロレンズ間ギャップに入射する光の散乱光やマイクロレンズの裾部に入射する斜め光をカットし、入力画像の質を向上させることを目的として、マイクロレンズの少なくとも一部の表面及びマイクロレンズ間ギャップに設けられるオーバーコート層もある。
従来、これらオーバーコート層のマイクロレンズ表面への形成は、例えば、オーバーコート材料を蒸着やスパッタリング等のドライプロセスによりマイクロレンズ表面に堆積させる方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)や、オーバーコート材料を含む溶液をスピンコート等の塗布方法によってマイクロレンズ表面に直接塗布(ウェットプロセス)、乾燥し、必要に応じて光硬化、熱硬化させる方法(例えば、特許文献3参照)等により行われてきた。
ドライプロセスによるオーバーコート層の形成は、材料選択の自由度が低く、また、コストが高いことから、近年はウェットプロセスによるオーバーコート層の形成が採用されることが多い。しかしながら、ウェットプロセスにおいては、マイクロレンズ表面へオーバーコート材料を塗布した時に、オーバーコート材料がレンズ間に流れ込んでしまい、所望の形状を有するオーバーコート層を形成することが難しいという問題がある。オーバーコート材料がレンズ間に流れ込むと、マイクロレンズ表面の頂部付近にはオーバーコート層がほとんど形成されず、一方、レンズ間には設計よりも膜厚の厚いオーバーコート層が形成されるからである。このようなオーバーコート層が形成されると、レンズの形状及び曲率が変化してしまい、設計された焦点距離や集光効率が得られなくなる場合がある。たとえ、オーバーコート層によるレンズの変形を見越してレンズ形状を設計したとしても、オーバーコート層形成後のレンズが設計通りの形状となる可能性は低い。
そこで、ウェットプロセスによりマイクロレンズ表面に均一な又は理想的な膜厚分布を有するオーバーコート層を形成する技術が提案されている。例えば、特許文献4には、マイクロレンズ間ギャップに塗布液が流れ込んでレンズ形状を損なわないように、マイクロレンズ間ギャップの表面をドライ又はウェットのエッチングなどにより掘り下げておくことが好ましいとの記載がある。また、特許文献5には、マイクロレンズを覆うようにして透明樹脂層(オーバーコート層)を塗布形成したのち、当該透明樹脂層をエッチングして所望の形状とし、レンズ表面に選択的に透明樹脂を配設する方法が記載されている。
特開2000−196052号公報 特開平5−48057号公報 特開2002−33466号公報 特開2003−101001号公報 特開2001−274369号公報
しかしながら、特許文献4に記載のようにマイクロレンズ間ギャップの表面に溝を形成する技術は、外接回転楕円体型レンズ等のいわゆるギャップレスな連続型レンズと比較して、溝部分のレンズ効果が低い。特にギャップに流れ込むオーバーコート材料の屈折率がマイクロレンズよりも低い場合は、溝部分がほとんどレンズとして機能しない。従って、ギャップレスレンズに均一なオーバーコート層が作製できた場合や、溝を形成することなくオーバーコート層によってギャップレスになるように設計されたレンズと比較して、レンズの集光効率が低下する可能性が高い。
また、特許文献5のようにエッチングによりオーバーコート層を理想的な形状とする方法は、エッチングレートや用いるガスの種類等のプロセス条件検討、オーバーコート層の材料検討等に大きな手間を要し、且つ、理想的なオーバーコート層の形状や膜厚分布が実現するとは限らない。
また、オーバーコート材料の塗布方法として一般的に用いられているスピンコート法は、その塗布工程が多段階であり、且つ、各段階における細かい条件の設定を要する。しかも、複数のレンズが配列した基板上のような凹凸面へのスピンコートによる溶液の塗布は難しく、オーバーコート層が所望の膜厚となるように条件設定の検討を繰り返さなければならない。その上、その検討により凹凸部に追従した所望の膜厚分布が得られるとは限らない。また、均一にオーバーコート材料を塗布するために、オーバーコート材料中の固形分濃度を小さくし、粘度を低くすることも一般的に行われているが、希薄溶液のため樹脂分がオーバーコート材料中若しくは乾燥途中で凝集してしまう場合がある。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、マイクロレンズ表面に均一な若しくは理想的な膜厚分布を有するオーバーコート層を従来の方法に比べて容易に形成することができる固体撮像素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、均一な若しくは理想的な膜厚分布を有するオーバーコート層を備えた固体撮像素子を提供することを目的とするものである。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、少なくとも、受光部及び信号転送部が形成された固体撮像素子基板と、該固体撮像素子基板の受光部の上に形成され、受光部に集光するマイクロレンズと、該マイクロレンズの表面上に形成されたオーバーコート層とを備えた固体撮像素子を製造する方法であって、前記マイクロレンズ表面にオーバーコート材料を塗布する工程と、前記オーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光する工程と、前記露光したオーバーコート材料を現像する工程とを含むことを特徴とする。
マイクロレンズ表面に設けられるオーバーコート層を形成する方法として、グレースケールマスクを用いる階調露光法を採用した本発明によれば、所望の形状、膜厚を有するオーバーコート層、典型的にはマイクロレンズの全面を覆い、均一な膜厚を有するオーバーコート層を確実に形成することが可能である。
前記グレースケールマスクとしては、作製が容易であることから、前記オーバーコート層を形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するものが好ましい。
本発明において、前記マイクロレンズの形成方法は特に限定されるものではないが、所望の形状を有するマイクロレンズを容易に、しかも、高精度で作製することができること、複雑な形状を有するレンズを作製することができること、高精度のマイクロレンズを短い工程で歩留まり良く形成できることから、グレースケールマスクを用いて階調露光法により形成することが好ましい。
このとき、マイクロレンズを形成するためのグレースケールマスクとしては、作製が容易であることから、前記マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するものが好ましい。
また、本発明により提供される固体撮像素子は、少なくとも、受光部及び信号転送部が形成された固体撮像素子基板と、該固体撮像素子基板の受光部の上に形成され、受光部に集光するマイクロレンズと、該マイクロレンズの表面上に形成されたオーバーコート層とを備える固体撮像素子であって、前記オーバーコート層が、前記マイクロレンズ表面上に塗布されたオーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光し、該露光後のオーバーコート材料を現像することによって形成されていることを特徴とするものである。
本発明の固体撮像素子は、オーバーコート層がグレースケールマスクを用いて形成されているため、マイクロレンズの形状や曲率を変化させることなく、オーバーコート層による機能が付加されている。従って、優れた集光効率を示し、且つ、オーバーコート層による付加的な機能を有するものである。
本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、マイクロレンズの表面に設計通りのオーバーコート層を確実に形成することができるため、オーバーコート層を形成することによるレンズ形状及びレンズ曲率の変化を生じにくい。従って、マイクロレンズの集光効率を低下させることなく、マイクロレンズにオーバーコート層による機能を付加することが可能である。しかも、グレースケールマスクの透過光量分布の制御によって、任意の形状、膜厚を有するオーバーコート層を確実に形成することができるため、オーバーコート層の設計自由度が高く、従来の方法では形成することが困難であった形状を有するオーバーコート層の形成も可能である。
また、本発明によれば、マイクロレンズの形状や配列形態に影響されずに、所望の形状、膜厚を有するオーバーコート層を確実に形成することができるため、従来のウェットプロセスでは、マイクロレンズの性能を大きく低下させてしまっていたような形状及び配列のマイクロレンズであっても、オーバーコート層を形成する前のレンズ性能を低下させることなく、オーバーコート層の機能を付与することができる。
従って、本発明によれば、光学特性のみならず、その他の特性を向上させた優れた固体撮像素子を提供することができる。
本発明において、オーバーコート層の形成には、グレースケールマスクの透過光量分布の制御や露光量等の条件設定等を要するが、従来の方法より手間がかからず、しかも、設計通りのオーバーコート層を確実に形成することができる。例えば、本発明はグレースケールマスクの透過光量分布の制御によって、オーバーコート層の形状、膜厚のコントロールが可能なため、レンズ表面へのオーバーコート材料の塗布に際して、オーバーコート層が均一な又は理想的な膜厚分布となるよう、材料選定や塗工条件等の緻密な条件検討を行う必要がないことが挙げられる。このように、本発明によれば生産性に優れた固体撮像素子を提供することが可能である。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、少なくとも、受光部及び信号転送部が形成された固体撮像素子基板と、該固体撮像素子基板の受光部の上に形成され、受光部に集光するマイクロレンズと、該マイクロレンズの表面上に形成されたオーバーコート層とを備えた固体撮像素子を製造する方法であって、前記マイクロレンズ表面にオーバーコート材料を塗布する工程と、前記オーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光する工程と、前記露光したオーバーコート材料を現像する工程とを含むことを特徴とするものである。
ここで、マイクロレンズ表面とは、マイクロレンズ自体の表面の他、マイクロレンズ自体の表面に設けられた付加的な層の表面も含むものである。
以下、図1〜図11を参照しつつ、本発明の製造方法を順を追って説明する。
まず、撮像素子基板を準備する。撮像素子の具体的な構成、製造方法等は特に限定されない。撮像素子基板としては、例えば、シリコーンウェハ1、該シリコーンウェハ1上に形成された信号転送部2、及び該信号転送部2の相互間のシリコーンウェハ1表面に形成された受光部3等から構成されるものが挙げられる。撮像素子基板の表面全面には、通常、樹脂からなる下平坦化膜4、次に下平坦化膜4上の受光部3に対応する位置に各受光部に必要な分光特性に合わせて赤、緑、青(RGB)の組み合わせ、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)の組み合わせ又はその他の色のカラーフィルター層5、さらに、カラーフィルター層5の上には、樹脂からなる上平坦化膜6が全面に設けられる(図1参照)。これら各層の形成は、一般的な方法により行うことができる。
次に、受光部3の位置に合わせて設けられた各カラーフィルター層5と対応する位置の上平坦化膜6上に、マイクロレンズ7を設ける。マイクロレンズ7の形成方法については、後で詳述する。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、以上のような撮像素子基板上に形成されたマイクロレンズ7の表面に、グレースケールマスク(以下、単にマスクということがある)を用いる所謂階調露光法によってオーバーコート層8を形成することを特徴とするものである。オーバーコート層8を形成するオーバーコート材料としては、露光量に応じて残膜厚が変化する感光性材料が用いられる。
グレースケールマスクは透過光量分布を有しており、グレースケールマスクを介して露光された感光性材料は、グレースケールマスクの透過光量分布に応じた透過光量(露光量)で露光され、現像後、透過光量に応じた残膜厚分布を有する立体パターンを形成する。グレースケールマスクの透過光量分布を制御する方法は特に限定されず、既述したように、例えば、マスク素材に直接濃淡をつけることによって、或いは、マスク基材上に光吸収膜を形成し、その光吸収能を調節することによって、或いは、マスク基板上に形成したオーバーコート層を形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態によって行うことができる。マスクの作製が容易であるという観点からは、オーバーコート層を形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態によって露光する際の透過光量分布を制御することが好ましい。ここでは、図2を用いて、マスクの作製が容易な、上記微細なパターンの分布状態によって透過光量分布を制御したグレースケールマスクについて説明する。
図2に示すグレースケールマスク9は、光透過性支持体10上に、ドット11を位置選択的に描画することでドット分布状態を変化させたドットパターンにより、遮光パターンが形成されて構成されている。なお、遮光パターンを形成する微細なパターンは、感光性材料を露光する光の波長では解像しない大きさを有し、マスクの透過光量を制御できればドットパターンに限定されず、ラインの分布状態を変化させたラインパターンでもよい。ここでは、グレースケールマスクの遮光パターンを形成する微細なパターンとして、便宜上、ドットパターンを例に説明していく。
図2のグレースケールマスクでは、中心付近でドット11の密度が最も高く、略同心円状に周辺に向かって階調的にドット11の密度が疎になるようにドット11が分布している。図2に示すパターンを有するグレースケールマスクを透過する光は、上記ドットの分布状態に対応して、マスク中心部では透過光量が少なく、略同心円状に周辺に向かうにしたがって、階調的に透過光量が多くなる。従って、このグレースケールマスクを介して露光を行ったポジ型感光性材料は、マスク中心部に対応する位置では、現像後もほぼ溶解せずに残存し、中心部から周辺へと向かうにしたがって溶解の度合いが大きくなり、マスク中心部に対応する位置を頂部とする凸型の曲面状立体パターンを形成することとなる。一方、図2に示すマスクを介して露光されたネガ型感光性材料は、現像によってマスク中心部に対応する位置が最も溶解し、中心部から周辺へと向かうにしたがって溶解の度合いが小さくなり、凹型の曲面状立体パターンを形成することとなる。
以上のように、グレースケールマスクを用いた階調露光法によれば、グレースケールマスクの透過光量分布を制御することによって現像後の感光性材料の膜厚をコントロールし、所望の形状を有する立体パターンを確実に得ることができる。しかも、階調露光法における膜厚のコントロールは、立体パターンを形成する下層の表面形状に影響されずに透過光量分布の制御によって可能である。本発明は、曲面形状を有するマイクロレンズ表面にオーバーコート層を形成する方法としてこの階調露光法を採用することによって、レンズ表面に所望の形状、膜厚を有するオーバーコート層、典型的には、マイクロレンズ全面を覆い均一な膜厚を有するオーバーコート層の形成を可能とするものである。
このように本発明によれば、従来ウェットプロセスのようにマイクロレンズの形状や曲率の変化を生じさせることがないため、マイクロレンズの光学的性質を低下させることなく、オーバーコート層の目的とする機能をマイクロレンズに付与することができる。しかも、グレースケールマスクの透過光量分布の制御によって、任意の形状、膜厚を有するオーバーコート層を確実に形成することができるため、オーバーコート層の設計自由度が高く、従来の方法では形成することが困難であった形状を有するオーバーコート層の形成も可能である。
例えば、均一な膜厚を有するオーバーコート層や、所望の膜厚分布を有するオーバーコート層を形成することができる。具体的には、マイクロレンズ表面の頂部(最もレンズの膜厚が大きい箇所)におけるオーバーコート層の厚みをH1、レンズ間ギャップ若しくはレンズ間の境界部(最もレンズの膜厚が小さい箇所)におけるオーバーコート層の厚みをH2としたときに、従来のウェットプロセスによる方法ではマイクロレンズ表面に均一な膜厚を有するオーバーコート層を形成しようとしても、H1/H2を0.87以上にすることが非常に困難であったが、本発明によればH1/H2を0.87以上、さらには0.95以上とすることが可能である。
また、表面に微細な凹凸(ボイド)を有するオーバーコート層も形成可能である。表面に微細凹凸を形成することで見かけ上の屈折率を小さくした層を、マイクロレンズ表面に設けることによって、マイクロレンズ表面での入射光の反射を防止できることが知られている(例えば、特開2003−37257号公報参照)が、本発明によればこのような微細凹凸を有するオーバーコート層も容易に形成できる。
また、マイクロレンズの様々な形状、配列状態にも対応することが可能である。例えば、従来のウェットプロセスでは、外接回転楕円体型のようにレンズ間ギャップをなくすことによってレンズの有効面積を最大限拡大させたマイクロレンズにオーバーコート層を形成すると、レンズの凹部にオーバーコート材料が流れ込むことによって、レンズの変形や曲率の変化に加えて、折角拡大させたレンズ有効面積の縮小を招いていた。これに対して、本発明の方法によれば、オーバーコート層の形状、膜厚を制御することが可能であるため、上記のような問題が生じない(図3参照)。
従って、本発明の製造方法によれば、光学特性のみならず、その他の特性を向上させた優れた固体撮像素子を提供することができる。
さらに、マスクの透過光量分布の制御によって膜厚分布のコントロールが可能なため、レンズ表面へのオーバーコート材料の塗布に際して、オーバーコート層が均一な又は理想的な膜厚分布となるよう、材料の選定や塗工条件等の緻密な条件検討を行う必要がない。本発明の製造方法は、オーバーコート層の形成に際して、グレースケールマスクの透過光量分布の制御や露光量等の条件設定等を要するが、上記したような従来の方法と比べて手間がかからず、しかも、設計通りのオーバーコート層を確実に形成することができる。
このように、本発明によれば生産性に優れた固体撮像素子を提供することが可能である。
グレースケールマスクの透過光量分布は、感光性材料より形成するオーバーコート層の形状や膜厚、及びマイクロレンズの形状に応じて、適宜設計する。具体的なパターングレースケールマスクのパターンデータの作成については、後で説明する。
尚、図2においてはレンズ1つに対応するドットパターンを中心に説明しているが、実際に使用するグレースケールマスクには、通常、一度の露光により複数のレンズにオーバーコート層を一括形成することができるようにドットパターンが形成されている。また、ここでは、光透過性支持体上にドットを位置選択的に描画することで遮光パターンを形成し、透過光量分布を変化させたグレースケールマスクについて説明しているが、一面に遮光膜が形成された光透過性支持体に、遮光膜を開口させるドットを位置選択的に描画することでマスクの透過光量分布を変化させることもできる。
ここで、グレースケールマスクを用いたオーバーコート層8の形成方法を、図4を用いて説明する。図4において、上平坦化膜6より下の層は省略している。
まず、マイクロレンズ7を覆うように、オーバーコート層8を形成するオーバーコート材料8’(感光性材料)を塗布する(図4a)。このとき、オーバーコート材料8’は、マイクロレンズ7が配置される下層(図1、図4においては、上平坦化膜6)の表面からオーバーコート材料8’の表面までの高さHが、レンズの位置に関わらずほぼ一定となるように、すなわち、マイクロレンズが形成された下層を平坦化するように塗布する。グレースケールマスクの透過光量分布によって、設計通りの膜厚や形状を有するオーバーコート層を形成できるようにするためである。
オーバーコート材料8’の表面までの高さHは、オーバーコート層の厚み、マイクロレンズの形状、用いるオーバーコート材料や露光条件等に応じて適宜決定すればよい。また、オーバーコート材料をマイクロレンズ7表面に塗布する方法は特に限定されず、例えば、スピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーター等の任意の塗工方法を用いることができる。特に、マイクロレンズ上にオーバーコート材料を平坦になるように塗布できることから、スピンコート、ダイコート法が好ましい。
続いて、このオーバーコート材料8’をプリベークする。プリベークは、使用するオーバーコート材料やその厚みに適した温度及び時間で行えばよい。通常は、70〜160℃で、1〜10分間程度でよい。
次に、オーバーコート材料8’をグレースケールマスク9(図示せず)を介して露光し、グレースケールマスク9のパターンをオーバーコート材料8’に転写する(図4b)。より精密な露光を行うためには、ステッパーを用いた投影露光法により露光することが好ましい。すなわち、半導体製造用ステッパーを用いてレンズによりマスクパターンを縮小投影させた状態で、オーバーコート材料8’に光線を照射することが好ましい。露光に用いる光線としては、可視及び非可視領域の波長の紫外線、電磁波及び放射線の中から、オーバーコート材料8’に含まれる感光性成分の反応を引き起こす波長を有するものを適宜選んで用いればよいが、g線、h線、i線等の紫外線、特にi線が好ましく用いられる。
露光量は、適宜決定すればよいが、通常、残膜率飽和露光量とする。残膜率飽和露光量は、感光性材料をマスクを介さずに直接露光した時に残膜率を飽和させる露光量であり、露光部分が現像時に溶解するポジ型感光性材料の場合には、残膜率がこれ以上小さくならない、すなわち、残膜率が最小(0%)となる露光量であり、露光部分が硬化するネガ型感光性材料の場合には、残膜率がこれ以上大きくならない、すなわち、残膜率が最大となる露光量である。残膜率飽和露光量は、使用する感光性材料及び感光性材料を用いて形成した当初の膜厚によって異なるが、通常、10〜500mJ/cm2程度である。
設計した通りの露光量分布でオーバーコート材料を露光し、より確実に設計通りのオーバーコート層を形成するためには、オーバーコート層より下の層、好ましくはレンズ層に、オーバーコート層形成時に照射する紫外線を吸収する化合物を含有させることが好ましい。オーバーコート層の下層が紫外線を吸収する化合物を含有することによって、露光時における下層からの微量なハレーションを防止することができるからである。
次に、露光したオーバーコート材料8’を、適切な現像剤に接触させて露光部(ポジ型の場合)又は未露光部(ネガ型の場合)を溶解、除去し、残った未露光部(ポジ型)又は露光部(ネガ型)を必要に応じて洗浄することによって、現像する(図4c)。現像剤の組成及び現像の条件は、用いるオーバーコート材料に合わせて適切に選択する。現像剤としては、オーバーコート材料の未露光部(ポジ型)又は露光部(ネガ型)はほとんど溶解せず、露光部(ポジ型)又は未露光部(ネガ型)を完全に溶解できるものが好ましいことは言うまでもない。アルカリ現像性を有する感光性材料をオーバーコート材料として用いる場合には、以下のようなアルカリ性溶液を現像剤として用いることができる。
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後、水で洗浄する。
オーバーコート材料として用いる感光性材料がアルカリ現像性を有していない場合には、溶剤や界面活性剤溶液等その他の溶液を現像液として用いればよい。現像方法は、浸漬法、スプレー法、パドル法等、一般的な方法を用いることができる。
現像後、適切な条件でポストベークする。ポストベークは、使用するオーバーコート材料やオーバーコート層の厚み等に適した温度及び時間で行えばよい。通常は、170〜280℃で、3〜60分間程度でよい。
尚、オーバーコート層の形成工程には、上記以外の工程を含んでいても良く、例えば、露光工程と現像工程の間に加熱工程を含んでいてもよい。オーバーコート材料が、光酸発生剤や光塩基発生剤を含むような化学増幅型感光性材料の場合には、通常、露光によって発生した酸やアルカリを拡散させるために、この加熱工程が設けられる。この加熱工程における加熱温度、加熱時間等は適宜設定すればよい。
また、現像工程とポストベーク工程との間に再度露光工程を含んでいてもよい。オーバーコート材料が、キノンジアジド化合物を含む場合には、現像後に再度露光を行うことによって、キノンジアジド化合物を分解し、オーバーコート層の光(特に可視光)透過性を向上させることができる。この露光工程における露光量は、通常、10〜2000mJ/cm2程度とすればよい。
本発明において、オーバーコート層は、マイクロレンズ表面に形成され、レンズの性能を向上させることを目的として設けられるものであり、その具体的な機能、形状、膜厚等に特に限定はない。オーバーコート層の機能としては、例えば、反射防止膜、撥水層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、酸素遮断層、その他保護層等が挙げられる。また、マイクロレンズ間ギャップを狭くし、マイクロレンズの集光効率を向上させることを目的として、或いは、マイクロレンズ間ギャップに入射する光の散乱光やマイクロレンズの裾部に入射する斜め光をカットし、入力画像の質を向上させることを目的として、マイクロレンズの少なくとも一部の表面及びマイクロレンズ間ギャップに選択的に設けられる層も含まれる。
従って、オーバーコート層を形成するオーバーコート材料は、オーバーコート層の機能等に応じて適宜選択すればよい。
グレースケールマスクの透過光量分布による膜厚のコントロールが容易であり、且つ、グレースケールマスクの作成が容易であるという観点からは、グレースケールマスクを介してオーバーコート材料に残膜率飽和露光量を照射、現像した時のマスク開口率と残膜率の関係において、マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲である感光性材料をオーバーコート材料として用いることが好ましい。
ここで、残膜率とは下記式にて表されるものである。
残膜率(%)=(現像後膜厚(μm)÷現像前膜厚(μm))×100
また、マスク開口率とは、フォトマスクの透過光量が均一となるようにドットパターンを設けた領域(面積一定。例えば、100mm×50mm)における、遮光されていない面積の割合を示すものであり、{1−(前記領域中のドットパターンの面積)/(前記領域の面積)}×100(%)で表される。このとき、ドットパターンが全くない領域のマスク開口率は100%、ドットパターンによって完全に遮光されている領域のマスク開口率は0%となる。
マスク開口率と残膜率との関係は、例えば、一定面積(例えば、100mm×50mm)内では透過光量が均一となるようにドットパターンを設けた領域を、予め複数個形成したフォトマスクを用いて得ることができる。このフォトマスク上には、開口率100%の領域、完全に遮光されている開口率0%の領域、及び開口率0%〜100%間を多段階に分ける開口率を有する領域が複数形成されている。このとき、多段階の段数は特に限定されないが、段数が多いほどより精密なデータが得られるため、例えば、10段階以上が好ましく、特に16段階以上が好ましい。
感光性材料の残膜率とマスク開口率との関係は、通常、上述したような感光性材料を用いて実際にオーバーコート層を作製する工程とほぼ同様の条件の下、上記開口率の異なる領域が複数形成されたフォトマスクを用いて評価する。当該感光性材料の評価を行う際の条件は、感光性材料を用いて実際にレンズを作製する工程の条件と完全に一致している必要はないが、できる限り一致していることが好ましい。
具体的には、オーバーコート層を形成しようとするマイクロレンズが配置された固体撮像素子基板と同等の基板上(マイクロレンズなし)に、感光性材料(オーバーコート材料)を所定の膜厚で塗布し、この塗膜を適切な条件で、プリベークする。このとき、所定の膜厚とは、実際にマイクロレンズ上にオーバーコート層を形成する際の、マイクロレンズ7が配置される層(図1、図4においては、上平坦化膜6)の表面からオーバーコート材料の表面までの高さHである(図4a参照)。ただし、感光性材料の残膜率とマスク開口率との関係を評価する際に使用する基板上にはマイクロレンズはないので、平面な基材上にオーバーコート材料を膜厚Hでベタ塗りすることとなる点が、実際のオーバーコート層形成時とは異なる。
そして、プリベーク後、残膜率飽和露光量を上記フォトマスクを介して一括露光し、フォトマスクの開口率の異なる領域に対応する各位置の塗膜の膜厚を測定する。この段階で測定した膜厚を「現像前膜厚」とする。
次に、露光した塗膜を現像し、ポストベークする。ポストベーク後、フォトマスクの開口率の異なる領域に対応する各位置の塗膜の厚さを測定し、「現像後膜厚」とする。
尚、残膜率とマスク開口率の関係を評価するための工程には、上記以外の工程を含んでいても良く、実際のオーバーコート層作製工程に合わせてその他の工程を追加してよい。このようにして測定された、フォトマスクの開口率の異なる領域に対応する各位置における塗膜の現像前膜厚と現像後膜厚とから、上記した残膜率を表す式に従って残膜率を計算する。なお、最小二乗法については周知技術であるためその説明を省略する。
以上のようにして得られたマスク開口率と残膜率とが、マスク開口率20〜80%の範囲において、最小二乗法により直線近似した時のRが0.950〜1.000の範囲である感光性材料は、マスク開口率20〜80%の範囲において、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量がほぼ一定、すなわち、マスク開口率と残膜率との関係がほぼ線形である。つまり、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量がマスク開口率の範囲によって大きく異ならない。よって、マスク開口率によって残膜率を制御することが容易である。また、マスクの開口率によって残膜率をコントロールすることが可能なマスク開口率の範囲が20〜80%と広い。さらに、マスク開口率と残膜率との関係が略線形性を有していることから、オーバーコート層を形成するマスクの透過光量分布を容易に求めることができ、しかも、残膜率をコントロールすることが可能なマスク開口率の範囲が広いため、従来一般的に使用されてきた感光性材料と比較して、グレースケールマスクの作製も容易である。
従って、上記したようなマスク開口率と残膜率の関係を有する感光性材料を、オーバーコート材料として用いる場合には、オーバーコート層の設計における自由度がより高く、且つ、設計通りの形状、膜厚を有するオーバーコート層を形成することが可能であり、オーバーコート層の形状及び厚みを精密に制御することが可能である。
さらに、感光性材料が上記のような略線形性を有し、得られる近似直線の傾きが等しく、且つ、当該各感光性材料で形成されるオーバーコート層の形状や膜厚が同じである場合、感光性材料を構成する成分が異なっていても、同じマスクを用いてオーバーコート層を作製することが可能である。すなわち、いくつかの感光性材料に対して、1つのマスクを使いまわしすることができるため、グレースケールマスクの製造の手間が省け、さらには、製造コストを削減することができる。
また、感光性材料はマスク開口率が0〜100%の範囲における最大残膜率が75%以上であることが好ましく、さらに80%以上、特に85%以上であることが好ましい。マスク開口率と残膜率との関係がほぼ線形である上に、最大残膜率が75%以上であることによって、開口率によってコントロールできる残膜率の範囲が広く、よりオーバーコート層の設計における自由度が高くなるからである。しかも、最大残膜率が75%以上であることによって、マスク開口率と残膜率との直線近似により得られる直線が適度な傾きを有するものとなる。マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が小さすぎたり、或いは大きすぎると、得られるオーバーコート層の形状、膜厚のコントロールが難しくなってしまう。
オーバーコート材料は、ポジ型感光性材料でも、ネガ型感光性材料でもよいが、レンズ上に塗布したオーバーコート材料において、光が照射された部分の上面側から現像時の溶解性が付与されるポジ型の方が、設計通りのオーバーコート層を得やすいため好ましい。
以下、オーバーコート層を形成するオーバーコート材料について、反射防止膜、紫外線吸収膜、赤外線吸収膜を例に説明する。
これら反射防止膜、紫外線吸収膜、赤外線吸収膜は、以下のような感光性材料としての基本成分を含むものを用いて形成される。
まず、ポジ型の感光性材料としては、例えば、ナフトキノンジアジド化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、メラミン、エポキシ、オキセタン等の熱硬化成分と、溶剤を基本成分とするものが挙げられる。また、ポジ型感光性材料として、光酸発生剤若しくは光塩基発生剤と、光酸発生剤若しくは光塩基発生剤による加水分解によってアルカリ可溶性樹脂を示す樹脂と、メラミン、エポキシ、オキセタン等の熱硬化成分と、溶剤を基本成分とするものも挙げられる。
ネガ型の感光性材料としては、例えば、カチオン重合性モノマー及び/又はラジカル重合性モノマーと、アルカリ可溶性樹脂と、光重合開始剤と、メラミン、エポキシ、オキセタン等の熱硬化成分と、溶剤を基本成分とするものが挙げられる。
オーバーコート層材料であるポジ型感光性材料又はネガ型感光性材料は、上記した基本成分に、必要に応じてその他の成分、例えば、塗布性や現像性をコントロールするための界面活性剤、熱硬化剤を硬化させるための熱潜在性開始剤、他層との密着性を改善させるためのシランカップリング剤等を適宜含んでいてもよい。
反射防止膜は、マイクロレンズ表面における光の反射を抑制し、受光部に到達する光の量を多くすることを目的として設けられ、マイクロレンズよりも低い屈折率を有する。
反射防止膜用材料は、通常、上記したような基本成分を主成分として含むものが用いられ、得られる反射防止膜の屈折率がマイクロレンズの屈折率よりも低くなるように、各成分が選定される。必要に応じて、屈折率を低くするための低屈折率樹脂を添加してもよい。反射防止膜の屈折率は、所望の屈折率を有する反射防止膜が得られるように、反射防止膜用材料全体として屈折率を調節すればよいが、主に、アルカリ可溶性樹脂、又は、光酸発生剤若しくは光塩基発生剤による加水分解によってアルカリ可溶性を示す樹脂や、光/熱感光剤(ナフトキノンジアジド化合物、光酸発生剤、光塩基発生剤、光重合開始剤等)、熱硬化成分によって低く調節されることが一般的である。
また、より効果的に屈折率を低下させるために、ボイドや空隙を有する低屈折率なフィラーを添加することも可能である。
紫外線吸収膜は、紫外線吸収膜より下側に設けられた層の材料が紫外線によって劣化することを防止するために設けられる。或いは、感光性材料を用いて紫外線吸収膜より上側の位置に層を形成する際、パターン露光時における下層からの光の散乱や光の照り返しを防ぐことによって、よりマスクに忠実にパターン露光をするために設けられる。
紫外線吸収膜用材料は、通常、上記したような基本成分に紫外線吸収剤を添加したものを主成分として含むものが用いられる。紫外線吸収剤の一例としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸系化合物、クマリン系化合物などが挙げられる。これら紫外線吸収剤と共に、例えば、紫外線エネルギーにより生じるフリーラジカルを捕捉し、フリーラジカルによる当該紫外線吸収膜の下層の劣化を抑制する光安定化剤や、紫外線エネルギーを吸収して生成した励起種を元の基底状態に戻し、励起種による当該紫外線吸収膜の下層の劣化を抑制するクエンチャー等を添加してもよい。光安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物等、クエンチャーとしては、例えば、一重項酸素クエンチャー等が挙げられる。
赤外線吸収膜は、赤外部にも高い感度を持つCCDやCMOS等の固体撮像素子を、デジタルカメラ等の可視領域用途に使用する場合に、受光部に赤外線が入るのを防止するために設けられる。赤外線吸収機能を有する部材は、現状では固体撮像素子以外の光学系に組み込まれることが多く、その膜厚が大きいため、デバイス(デジタルカメラ等)の小型化を阻む要因の一つとなっているが、マイクロレンズ表面等の固体撮像素子上に形成することによってデバイスを小型化できる等の利点がある。
赤外線吸収膜用材料は、通常、上記したような基本成分に赤外線吸収剤を添加したものを主成分として含むものが用いられる。赤外線吸収剤としては、アントラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ポリメチレン系化合物、アルミニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、イモニウム系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。赤外線吸収剤の多くは、その吸収波長域が限定されるため、一層の赤外線吸収膜に2種から6種類程度の複数の赤外線吸収剤を混合して用いるか、或いは、赤外線吸収膜を多層とし、全体として2種から6種類程度の赤外線吸収剤を含有するようにすることが好ましい。
本発明において、オーバーコート層は、一層に限らず、2層以上を積層することもできる。2層以上を積層する場合には、各オーバーコート層毎に、オーバーコート材料の塗布から現像、ポストベークまでの一連の工程を行う。
次に、オーバーコート層を形成するためのグレースケールマスクの作製方法について説明する。ここでは、オーバーコート層を形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により透過光量分布を制御するグレースケールマスクを例に説明する。このようなグレースケールマスクとしては、例えば、マスクのパターン形成平面をX−Y座標とし、その座標値x、yを関数として、所望する透過光量分布をZ座標上のz値として求め、求められたz値に対応してX−Y座標上の位置にドットパタ−ンを配置するパターンデータを用いて作製されたものを使用することができる。以下、このグレースケールマスクのパターンデータの作成方法について説明する。
上記マスクのパターンデータの作成方法は、詳しくは、順に、(a)感光性材料(オーバーコート材料)のポストベーク後において所望の形状を得るためのマスクのパターンの透過光量分布を得て、マスクのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yを関数として、目的とするマスクの透過光量分布をZ座標上のz値として表す透過光量分布の把握処理と、(b)露光においてマスク面上は均一照度とし、Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムを用いて、X−Y座標の領域毎に、露光波長では解像しない所定サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた所定サイズのX−Y座標の領域にはドットパターンを生成配置するドットパターンの生成処理を行なう。
透過光量分布の把握処理の方法は特に限定されないが、例えば、上記した残膜率とマスク開口率の関係を評価する方法が挙げられる。すなわち、マスクパターンのある座標上の理想的なマスク開口率を、理論的なオーバーコート層の形状から逆算して得られる残膜率から求めて、グレースケールマスクのパターンの透過光量分布を得ることができる。マスク開口率を透過光量分布に対応させる時に、シミュレーションを併用することも可能である。
このとき、残膜率とマスク開口率が上記したような略線形の関係(マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲である)を有している感光性材料をオーバーコート層として用いる場合には、ある露光波長におけるマスク開口率と残膜率との間に線形の関係が既に把握されており、この関係をマスクの透過光量分布の把握処理に利用して、マスクの透過光量分布を把握することができるので、所望の形状を有するオーバーコート層を形成するマスクを容易に作製することができる。しかし、作製するオーバーコート層の形状や配置、密度によっては、マスク開口率と残膜率との関係データを適宜追加することが好ましい。より細かなデータを得ることで、より精密なマスクを作製することができるからである。
オーバーコート層の形成するための感光性材料のマスク開口率と残膜率との関係データを用い、被加工物であるオーバーコート層の所望の形状に適合したマスクのパターンの透過光量分布を求める。この一連の処理が透過光量分布把握処理である。
次に、マスクのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yを関数として透過光量分布をZ座標上のz値として表す。ここでは、z=F(x,y)と表し、図5に示すように求められるとする。図5はグレースケールマスクのパタ−ン形成平面をX−Y座標とし、その座標値x、yを関数として、所望の露光する際の透過光量分布をZ座標上の値zとして表した図である。
一方、マスクの、決められた露光波長では解像しないパターン領域のサイズを決定しておく。次いで、求められた、z=F(x,y)の関係データと、決められた露光波長では解像しないパターン領域のサイズとから、再現性のある所定のアルゴリズムを用いて、露光波長では解像しないサイズのドットパターンを、X−Y座標上の該サイズに分割された各領域毎に、配置の有無を決定する。所定のアルゴリズムとしては、誤差分散法やオーダードディザ(Ordered Dither)法が挙げられる。そして、この決定に基づき、CADツールにより、X−Y座標上の所定の位置にドットパターンを配置してパターンデータを作成する。この一連の処理がドットパターンの生成処理である。
このようにして、グレースケールマスクのパターンデータを作成することができる。例えば、図5に示す透過光量分布であるz=F(x,y)に対応するパターンデータは、図6に示すようなマスクパターンになる。
ここで、所望の現像後のレンズ形状を得る露光量分布が、図7(a)に示す露光量分布、z=F1(x,y)であり、各位置(x,y)のz値が図7(b)の表のようになる場合について、オーダードディザ法を適用する場合を、図8に基づいて、その手順のみを簡単に説明しておく。図8(a)の表は、図7(b)に示す表と同じであり、各位置(x,y)におけるz値が配列される。一方、例えば、図8(a)に示す表の配列に合せ、最大値を1とした4行×4列のディザ行列を、図8(b)のように配列させておく。
ここで、図8(a)の表の配列と、図8(b)の表の配列について、対応する位置毎に、その大小を比較し、ディザ行列を示す図8(b)の表の値が元データである図8(a)の値よりも小の場合を1、そうでない場合を0として、図8(c)に示すように、オーダードディザ法による2値化データを求める。図8(c)では、1の領域の場合はドットパターンを配置しない領域とし、0の領域(黒部)の場合はドットパターンを配置する領域とする。このとき、ドットパターンのX方向、Y方向サイズと図8(a)に示す各位置間距離との関係は特に限定されないが、ドットパターンのX方向、Y方向サイズと図8(a)に示す各位置間距離を同じにする方法もある。
次に、所定のアルゴリズムとして誤差分散法を適用する場合について説明する。先ず、図9に基づいて、誤差分散法の手順を簡単に説明しておく。例えば、表の横方向、縦方向を、X方向、Y方向とし、それぞれ、所定ピッチでセル(画素とも言い、ピッチに対応するサイズである)を設け、各セルに図9(a)のように、値が配列されている場合について、表の左上から右下方向にかけて以下の処理を順次行なう。先ず、左上セルの値0.1について、中間値(0.5)を閾値とし、2値化を行なうと、左上セルの値0.1は2値化により0となる(図9(b))。次いで、このセルに隣接するセルに重み付け加算(あるいは減算)して、図9(c)のようになる。次に、隣のセルに移り、2値化、重み付け加算(あるいは減算)して図9(d)を得る。更に、その隣のセルに移り、同様に、値化、重み付け加算(あるいは減算)して図9(e)を得る。以降、図9(e)の矢印の方向に順次、各セルに対して同様の処理を行ない、得られた結果が求めるものである。
図7(b)に示す表の場合、誤差分散法により求められる2値化データは、図10のようになる。即ち、図7(a)に示す露光量分布、Z=F1(x,y)の場合、図10に示す1の領域の場合はドットパターンを配置しない領域とし、図10に示す0の領域(黒部)の場合はドットパターンを配置する領域とする。上記は、表の左上から右下方向にかけて処理を順次行なったが、処理方向はこれに限定はされない。
上記操作を、図11に示すように、誤差分散行列を用いて、座標(0,0)からはじめて、順次全セルに対して繰り返す誤差分散方法もある。図11で、f(x,y)を元データ、fnew(x,y)を誤差分散を行った後のデータ、g(x,y)を閾値0. 5で2値化したデータ、Exyを2値化により生じた誤差とした場合、それぞれの関係は、図11に示す式のように表される。これらの関係式に基づいて、上記と同様にして、図10に相当する配列を求めることもできる。
グレースケールマスクに形成されるドットパターンは、照射する光の波長やマスクの投影倍率等を考慮して、その寸法を決定すればよい。例えば、露光波長365nm(i線)で5倍マスクを用いた場合、マスク上でのドットパターンの一辺の寸法が0.6μm(0.6×0.6μm)以上であると、ドットパターンが感光性材料に解像して微細な凹凸が生じてしまい、設計通りの立体パターンを作製することができない。しかし、ドットパターンの寸法が0.5μm(0.5×0.5μm)である場合には、露光波長365nmでは解像せず、設計通りの立体パターンを作製することが可能である。一方、ドットパターンの寸法を小さくして0.2μm(0.2×0.2μm)以下にすると、電子ビームまたはレーザビームを用いるマスクの作製に多大な時間と費用が必要となってしまい、実用的ではない。従って、露光波長365nmで5倍マスクを用いた場合には、ドットパターンの一辺の寸法が、5倍マスクであるマスク上で、0.3μm〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。この場合、パターンデータの作成上、ドットパターンは正方形状が望ましい。
次に、オーバーコート層を表面に形成するマイクロレンズの作製方法について説明する。マイクロレンズの形成方法は、特に限定されず、例えば、既述した(1)所定のパターンを有するフォトマスクを利用して感光性材料を露光、現像することにより矩形パターンを形成し、得られた矩形パターンに熱処理(熱フロー)を施して融解し、感光性材料の表面張力によってレンズ形状を得る方法や、(2)レンズ形成材料層上に、(1)と同様にして感光性材料でレンズ形状を形成し、このレンズ形状の感光性材料とレンズ形成材料層を共にエッチングして、レンズ形成材料層にレンズ形状を転写する方法、(3)感光性材料にパターン露光する際、デフォーカスすることによって解像力を調整し、現像後、レンズ形状を得る方法、(4)グレースケールマスクを使用して感光性材料を露光、現像することによりレンズ形状に形成する方法(階調露光法)、(5)マイクロレンズを形成するための材料からなる平坦層上に(4)と同様にして感光性材料でレンズ形状を形成し、このレンズ形状の感光性材料とレンズ形成材料層を共にエッチングして、レンズ形成材料層にレンズ形状を転写する方法、等が挙げられる。
所望の形状を有するマイクロレンズを容易に、しかも、高精度で作製することができること、(1)や(2)のような熱フロー方式及び(3)のようなデフォーカス方式では形成できない複雑な形状を有するレンズを作製することができること、高精度のマイクロレンズを従来より短い工程で歩留まり良く形成できることから、グレースケールマスクを用いる階調露光法((4)や(5)等)が好ましい。階調露光法は、現像後のポストベークによって感光性樹脂のパターンを加熱溶融させた際の表面張力によって、レンズ曲面を形成する熱フロー方式とは異なり、ポストベークの温度を低くすることが可能であるため、レンズ材料の熱による劣化、及び撮像素子基板及びその上に設けられる層へのダメージを小さくできるという利点も有している。さらに、階調露光法では、1つの固体撮像素子に形状の異なる複数のマイクロレンズを一括露光で作製することも可能である。
グレースケールマスクを用いてマイクロレンズを作製する方法としては、上記(4)、(5)の他、例えば、グレースケールマスクを用いて感光性材料を露光、現像することによってマイクロレンズ用の型を形成し、当該型を使用して、例えば、射出し成形等によりマイクロレンズを形成する方法や、基材上に塗布した感光性材料をグレースケールマスクを用いて露光、現像し、残存した感光性材料と基材をエッチングすることによってマイクロレンズ用の型を形成し、当該型を使用して射出し成形やスタンピング成形等によりマイクロレンズを形成する方法等もある。このうち、工程が簡便であること、条件出しにかかる負荷が小さいこと、より理想的な形状のレンズの形成が可能であることから、(4)のレンズ用感光性樹脂組成物をグレースケールマスクを介して露光、現像することによってマイクロレンズを形成する方法が好ましい。
ここでは(4)のグレースケールマスクを用いたマイクロレンズ形成方法について簡単に説明する。このグレースケールマスクを用いてマイクロレンズを形成する方法は、上記したオーバーコート層をマイクロレンズ表面に形成する方法と同様である。すなわち、図1に示すような固体撮像素子基板上に設けられた上平坦化膜6表面に、マイクロレンズを形成するための感光性材料をスピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター等の任意の塗工方法により塗布して塗膜を形成し、続いて適切な条件で、例えば70〜160℃で、1〜10分間、プリベークする。レンズ用感光性材料の塗膜の厚みは、作製するレンズの形状と寸法、レンズ用感光性材料の最大残膜率等を考慮して、適宜決定すればよく、通常は、プリベーク後の膜厚が0.3〜2.0μm程度となるようにすればよい。
そしてプリベーク後、レンズ用グレースケールマスクを介して、光を照射する。レンズ用グレースケールマスクは、作製が容易であるという理由からマイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するものが好ましい。露光量は、用いる感光性材料によって異なるが、通常、10〜500mJ/cm2程度である。露光方法としては、ステッパーを用いた投影露光法が好ましく、露光に用いる光線としては、可視及び非可視領域の波長の紫外線、電磁波及び放射線の中から適宜選択すればよく、g線、h線、i線等の紫外線、特にi線が好ましい。
続いて、浸漬法、スプレー法、パドル法等により露光部分を現像液で溶解して現像することによってレンズ形状を形成する。現像液としては、上記したようなアルカリ性水溶液、その他溶剤や界面活性剤溶液等用いることができる。現像後、適切な条件で、例えば170〜240℃で、3〜60分間、ポストベークする。
マイクロレンズの製造工程には、上記工程以外の工程、例えば、露光工程と現像工程の間に加熱工程や、現像工程とポストベーク工程との間に再度露光工程を含んでいてもよい。また、レンズ用グレースケールマスクの作製方法についても、オーバーコート層用のグレースケールマスクの作製方法に準じることができる。
以上のようにして、製造される固体撮像素子は、優れた集光効率を示し、且つ、オーバーコート層によって付加的な機能が付与されているものであり、特に高解像度のCCD素子やCMOS等の固体撮像素子や携帯電話用等の小型の固体撮像素子に好適に使用することができる。尚、本発明の固体撮像素子は、図1に示す構造を有するものに限定されず、例えば、パッシベーション膜等の他の付加的な層や構造を有するものでもよい。
(実施例1)
まず、シリコーンウェハに信号転送部、及び受光部を備えた撮像素子基板に下平坦下膜、カラーフィルター層、上平坦化膜が設けられた基板(以下、単に基板という)上に、3μm角の外接回転楕円体型マイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップゼロ)が作製されたものを準備した。次にこのマイクロレンズが形成された基板上に、上面が平らになるように(上平坦化膜の表面からの厚みが均一となるように)オーバーコート材料(MFR401L、JSR製:ナフトキノンジアジド−ポリヒドロキシスチレン系ポジ型感光性樹脂組成物)をスピンコーターによって塗布し、続いて100℃で2分間プリベークした。
次に、上記オーバーコート材料を用いてマイクロレンズ上に均一な膜厚を有するオーバーコート層を形成できるようにマイクロレンズの曲率から算出、設計されたグレースケールマスク(i線では解像しない微細なドットパターンによって透過光量分布を制御)を介して、上記基板上に塗布されたオーバーコート材料をi線ステッパーで露光した。続いて、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液を用いて60秒間パドル現像を行った。現像後、高圧水銀灯で300mJ/cm全面露光を行い、さらにポストベークを200℃で15分間行った。
得られたオーバーコート層は、H1/H2が0.97であった。
(実施例2)
まず、表面に、3μm角のマイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップ0.6μm)が作製された基板を準備した。次にこのマイクロレンズが形成された基板上に、上面が平らになるようにオーバーコート材料(MFR401L、JSR製)をスピンコーターによって塗布し、100℃で2分間プリベークした。
次に、上記オーバーコート材料を用いてマイクロレンズ上に均一な膜厚を有するオーバーコート層を形成できるようにマイクロレンズの曲率から算出、設計されたグレースケールマスク(i線では解像しない微細なドットパターンによって透過光量分布を制御)を介して、上記基板上に塗布されたオーバーコート材料をi線ステッパーで露光した。続いて、2.38%TMAH水溶液を用いて60秒間パドル現像を行った。現像後、高圧水銀灯で300mJ/cm全面露光を行い、さらにポストベークを200℃で15分間行った。
得られたオーバーコート層は、H1/H2が0.95であった。
(実施例3)
まず、表面に、3μm角の外接回転楕円体型マイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップゼロ)が作製された基板を準備した。次にこのマイクロレンズが形成された基板上に、上面が平らになるようにオーバーコート材料(TMR−P11PM、東京応化製:ナフトキノンジアジド−ポリヒドロキシスチレン系ポジ型感光性樹脂組成物)をスピンコーターによって塗布し、続いて100℃で2分間プリベークした。
次に、上記オーバーコート材料を用いてマイクロレンズ上に均一な膜厚を有するオーバーコート層を形成できるようにマイクロレンズの曲率から算出、設計されたグレースケールマスク(i線では解像しない微細なドットパターンによって透過光量分布を制御)を介して、上記基板上に塗布されたオーバーコート材料をi線ステッパーで露光した。続いて、2.38%TMAH水溶液を用いて50秒間パドル現像を行った。現像後、高圧水銀灯で500mJ/cm全面露光を行い、さらにポストベークを200℃で15分間行った。
得られたオーバーコート層は、H1/H2が0.95であった。
(実施例4)
まず、表面に、3μm角のマイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップ0.6μm)が作製された基板を準備した。次にこのマイクロレンズが形成された基板上に、上面が平らになるようにオーバーコート材料(TMR−P11PM、東京応化製)をスピンコーターによって塗布し、100℃で2分間プリベークした。
次に、上記オーバーコート材料を用いてマイクロレンズ上に均一な膜厚を有するオーバーコート層を形成できるようにマイクロレンズの曲率から算出、設計されたグレースケールマスク(i線では解像しない微細なドットパターンによって透過光量分布を制御)を介して、上記基板上に塗布されたオーバーコート材料をi線ステッパーで露光した。続いて、2.38%TMAH水溶液を用いて50秒間パドル現像を行った。現像後、高圧水銀灯で500mJ/cm全面露光を行い、さらにポストベークを200℃で15分行った。
得られたオーバーコート層は、H1/H2が0.94であった。
(比較例1)
まず、表面に、3μm角の外接回転楕円体型のマイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップゼロ)が作製された基板を準備した。次に、このマイクロレンズが形成された基板上に、オーバーコート材料(TMR−P11PM、東京応化製)を、スピンコーターによって8インチSi基板表面(平坦面)にできるだけ薄く均一な膜厚を有する塗膜が形成される条件で塗布し、続いて100℃で2分間プリベークした。その後、高圧水銀灯で500mJ/cm全面露光を行い、さらにポストベークを200℃で15分間行った。
得られたオーバーコート層は、H1/H2が0.53であり、膜厚を均一にすることはできなかった。
(比較例2)
まず、表面に、3μm角の外接回転楕円体型のマイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップゼロ)が作製された基板を準備した。次に、このマイクロレンズが形成された基板上に、オーバーコート材料(MFR401L、JSR製)を、スピンコーターによって8インチSi基板表面にできるだけ薄く均一な膜厚を有する塗膜が形成される条件で塗布し、続いて100℃で2分間プリベークした。その後、高圧水銀灯で500mJ/cm全面露光を行い、さらにポストベークを200℃で15分間行った。
得られたオーバーコート層は、H1/H2が0.67であり、膜厚を均一にすることはできなかった。
(比較例3)
まず、表面に、3μm角の外接回転楕円体型マイクロレンズ(隣接するレンズ間のギャップゼロ)が作製された基板を準備した。次にこのマイクロレンズが形成された基板上に、オーバーコート材料(オプツールDSX、ダイキン工業製:含フッ素硬化性樹脂組成物)を、スピンコーターによって、8インチSi基板表面に出来るだけ薄く均一な膜厚を有する塗膜が形成されるように種々の条件で塗布し、続いて80℃で5分間加熱した。その後、室温大気下(約25℃)で1時間以上放置して硬化させた。どの塗布条件によっても、得られたオーバーコート層のH1/H2は0.69以上にならず、膜厚を均一にすることはできなかった。
固体撮像素子の代表的な構造を示す図である。 グレースケールマスクの微細パターンの一例を示す図である。 連続型レンズとその表面に設けられたオーバーコート層の一例を示す図である 本発明の固体撮像素子の製造方法の概要を示す図である。 グレースケールマスクのパターン形成平面をX−Y座標とし、その座標値x、yを関数として、所望の露光する際の透過光量(露光量)分布をZ座標上の値zとして表した図である。 図5のパターンデータをグレースケールマスク上にドットパターンとして表した上面図である。 図7(a)は所望のレンズ形状を得るためのグレースケールマスクのパターンの露光量分布を表した図で、図7(b)は図7(a)に示す露光量分布における所定のX−Y座標位置でのZ座標上のz値の一覧を示した図である。 オーダードディザ法を説明するための図である。 誤差分散法を説明するための図である。 図7に示す所定のX−Y座標位置でのZ座標上のz値の一覧に基づき誤差分散法を実施した結果を示した図である。 誤差分散行列を用いた誤差分散法を数式により説明するための図である。
符号の説明
1…シリコーンウェハ
2…信号転送部
3…受光部
4…下平坦化膜
5(5R,5G,5B)…カラーフィルター層
6…上平坦化膜
7…レンズ
8…オーバーコート層(8’…オーバーコート材料)
9…グレースケールマスク
10…光透過性支持体
11…ドット

Claims (5)

  1. 少なくとも、受光部及び信号転送部が形成された固体撮像素子基板と、該固体撮像素子基板の受光部の上に形成され、受光部に集光するマイクロレンズと、該マイクロレンズの表面上に形成されたオーバーコート層とを備えた固体撮像素子を製造する方法であって、前記マイクロレンズ表面にオーバーコート材料を塗布する工程と、前記オーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光する工程と、前記露光したオーバーコート材料を現像する工程とを含むことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  2. 前記グレースケールマスクが、前記オーバーコート層を形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するものである、請求項1に記載の固体撮像素子の製造方法。
  3. 前記マイクロレンズが、グレースケールマスクを用いて形成される、請求項1又は2に記載の固体撮像素子の製造方法。
  4. 前記マイクロレンズを形成する際に用いるグレースケールマスクが、前記マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するものである、請求項3に記載の固体撮像素子の製造方法。
  5. 少なくとも、受光部及び信号転送部が形成された固体撮像素子基板と、該固体撮像素子基板の受光部の上に形成され、受光部に集光するマイクロレンズと、該マイクロレンズの表面上に形成されたオーバーコート層とを備える固体撮像素子であって、
    前記オーバーコート層が、前記マイクロレンズ表面上に塗布されたオーバーコート材料をグレースケールマスクを介して露光し、該露光後のオーバーコート材料を現像することによって形成されていることを特徴とする固体撮像素子。
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