JP2006278224A - ロックネジ付コネクタ用プラグ - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、ロックネジ付コネクタ用プラグに関し、金属製シェルにおけるグランドへの接地コースを、コネクタハウジングの構造を簡易にして且つ確実で耐久性に優れたものにすることが課題である。
【解決手段】絶縁性コネクタハウジングにおいてコンタクトが配設された本体と該本体の側部に設けられるロック部とがあり、該ロック部に設けられたネジ孔に挿着される金属製スクリューネジと、前記コネクタハウジングの本体を電気的にカバーする金属製シェルとでなるプラグにおいて、前記シェルの一部を延設して前記ロック部を被覆すると共に、前記スクリューネジ挿通用の貫通孔が設けられ、且つ、該貫通孔の片側の周囲に当該スクリューネジの一部に当接する当接面が電気的シールド用に確保されているロックネジ付コネクタ用プラグ１とするものである。
【選択図】図１

Description

本発明は、例えば、接続状態がネジ締結により強固に維持されるようにしたロックネジ付電気コネクタにおけるプラグに関するものである。

従来、パーソナルコンピュータやＬＡＮ機器、計測器等の接続に使用されるＥＭＩ対策用の金属製シェルを有する電気コネクタは、絶縁性のコネクタハウジングに金属製のシェルを被覆して電気的シールド対策とし、前記電気コネクタにおけるレセプタクル側とプラグ側との各シェル同士の電気的接続には、直接シェル同士の一部を当接させて接続させるものである。また、プリント基板側に実装されるレセプタクルにおいては、レセプタクルのハウジング本体の貫通孔に嵌着された導電性ナットと金属製板材とに金属製シェルがネジにより電気的に接続され、プリント基板に実装された時に、当該プリント基板の導電部に接地されるようにしたものが知られている（特許文献１参照）。
実開平０５−７２０６９号公報

しかし、前記電気コネクタ用レセプタクルに接続されるプラグにおいては、コンタクト同士を嵌合させる際に、シェル同士が当接することで電気的接続がなされる構造であるので、その電気的接続状態は確実とは言えないものであり、経年変化で劣化するおそれがある。更に、ロックネジ付タイプの電気コネクタにおいても、レセプタクルとプラグとの機械的な接続はスクリューネジ及びナットによって確実で強固になるものの、電気的シールド対策におけるレセプタクルとプラグとのシェル同士の接続は、当該シェルの一部を突き当てる当接によるものであって確実性に欠けるものである。本発明に係るロックネジ付コネクタ用プラグは、このような課題を解決するために提案されたものである。

本発明に係るロックネジ付コネクタ用プラグの上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、絶縁性コネクタハウジングにおいてコンタクトが配設された本体と該本体の側部に設けられるロック部とがあり、該ロック部に設けられたネジ孔に挿着される金属製スクリューネジと、前記コネクタハウジングの本体を電気的にカバーする金属製シェルとでなるプラグにおいて、前記シェルの一部を延設して前記ロック部を被覆すると共に、前記スクリューネジ挿通用の貫通孔が設けられ、且つ、該貫通孔の片側の周囲に当該スクリューネジの一部に当接する当接面が電気的シールド用に確保されていることである。

本発明のロックネジ付コネクタ用プラグによれば、相手側の電気コネクタ用レセプタクルに当該ロックネジ付コネクタ用プラグを嵌合させて接続を図り、スクリューネジをレセプタクル側のナットに締結させると、本体をカバーしているシェルが前記電気コネクタ用レセプタクルのシェルに当接して電気的に導通されるとともに、前記スクリューネジとレセプタクル側のナットとの締結により強固な接続となる。そして、コネクタ用プラグのロック部において、前記スクリューネジが締結されることで、その掴み部端面若しくはワッシャ等の当該ネジの一部が前記シェルの延設部分に設けられた貫通孔の周囲の当接面にきつく当接し、このシェルとスクリューネジとレセプタクル側のナットとが電気的に導通する。このナットにレセプタクル側のシェルが電気的に導通していることで、プラグ側のシェルとレセプタクル側のシェルとが電気的に導通することになる。レセプタクル側のシェルがプリント基板のグランドに接地されることで、プラグとレセプタクルとからなる電気コネクタの全体が電気的にシールドされる。
こうして、電気コネクタにおけるレセプタクルとプラグとにおいて、コネクタハウジングをカバーするシェル同士の直接的な当接による電気的導通の経路以外に、前記スクリューネジとナットとによる確実な電気的導通経路が新たに確保されることになる。

本発明に係るロックネジ付コネクタ用プラグ１は、図１に示すように、絶縁性の合成樹脂製コネクタハウジング２と、該コネクタハウジング２に複数個併設されたコンタクト３と、前記コネクタハウジング２を電気的にカバーする上シェル４と下シェル５と、該下シェル５の止め金部５ａにケーブルの外側に折り返されたシールド線（編組網線）がかしめられるケーブル６と、前記コネクタハウジング２の側部にあるロック部２ｂに設けられたネジ孔２ｃに挿通されたスクリューネジ７と、前記ロック部２ｂと上・下シェル４，５の一部とケーブル６の端部とをインサート成形により覆うハウジングカバー８とケーブルカバー９とで、概ね構成されている。

前記コネクタハウジング２は、図２に示すように、中央部に本体２ａがあり、その後方側部に設けられるロック部２ｂとがある。この本体２ａは、前部が相手方のレセプタクル嵌合部に装着され、接続用のコンタクト３が併設されている。また、前記ロック部２ｂには、前後方向に貫通したネジ孔２ｃが設けられている。

このネジ孔２ｃには、その途中に孔径の細くなった部分があり、後に、金属製のスクリューネジ７が最初にこのネジ孔２ｃに挿通される際に、そのネジ先端部のタップでネジ溝が刻設されるものである。よって、スクリューネジ７は、このネジ孔２ｃに挿通された後は、抜け止めされて当該ネジ孔２ｃに保持される。

前記上シェル４と下シェル５とは、図３乃至図４に示すように、コネクタハウジング２の本体２ａとロック部２ｂとを、電気的にカバーするものである。前記ロック部２ｂをカバーする部分には、スクリューネジ７を挿通させるための孔４ａ，５ｂが夫々に設けられている。

前記コネクタハウジング２に前記上シェル４と下シェル５とを装着してカバーさせたものが、図５乃至図６に示す状態である。その後、下シェル５の止め金部５ａに、コンタクト３へ各素線を接続させたケーブル６を通して、シールド用の編組網線を外側に折り返して、それをかしめる。

次に、前記コネクタハウジング２にシェル４，５とケーブル６を取り付けた状態のコネクタ用プラグ１を、図７（Ａ）に示すように、金型１０に配置する。このとき、コネクタハウジング２のロック部２ｂにおいては、ネジ孔２ｃ及び孔４ａを塞がないようにすると共に、スクリューネジ７の一部として、掴み部端面７ａが上シェル４の延設部に当接出来るように、前記孔４ａの周囲に当接面４ｂが確保されるように、金型１０を設計する。
なお、前記当接面４ｂは、このほかにも、前記孔４ａの内側に折り込まれたバネ片によって確保されている場合でも良く、また、その場合には、スクリューネジ７の一部は、該ネジと一体的なフランジ若しくは当該ネジに嵌着させた別体のワッシャ・管等であっても良い。

そして、前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を流し込んで、ハウジングカバー８とケーブルカバー９を形成する。こうして、本発明に係るロックネジ付コネクタ用プラグ１が完成する。このプラグ１の使用方法は、図８に示すように、例えば、モジュラータイプの相手方のコネクタ用レセプタクル１１に接続させるものであり、プラグ１のコンタクト３がレセプタクル側のコンタクト１１ａと接続し、プラグ１側のシェル４，５がレセプタクル１１側のシェル１１ｂ等と当接して接続され、レセプタクル１１が実装されたプリント基板１２のグランドに接地される。

更に、図９に示すように、前記スクリューネジ７を、相手方のロック用ナット１３に締結することで、掴み部端面７ａが上シェル４の当接面４ｂにしっかりと当接し、ネジ先端部７ｂがレセプタクル側ロック部１１ｄのナット１３に接続され、該ナット１３がレセプタクル側のシェル１１ｃに当接して接続され、結果的に、シェル４とシェル１１ｃとが電気的に導通して、電気的シールドがなされることになる。このように、シェル４，１１ｃの直接的な当接によるシールド経路の他に、前記スクリューネジ７とナット１３とを介したシールド経路が形成され、確実性が担保される。なお、図１０に示すように、レセプタクル１１との間にパネル１４を挟む場合には、スクリューネジ７の先端側にオフセットスクリューネジ１５を介装させて、ネジ締結するものである。これによって、前記と同様に、スクリューネジ７・ナット１３による新たなシールド経路が確保される。

本発明に係るロックネジ付コネクタ用プラグ１の、平面図（Ａ）、正面図（Ｂ）、背面図（Ｃ）、側面図（Ｄ）である。 同ロックネジ付コネクタ用プラグ１におけるコネクタハウジング２の、平面図（Ａ）、正面図（Ｂ）、背面図（Ｃ）、側面図（Ｄ）、底面図（Ｅ）である。 同ロックネジ付コネクタ用プラグ１における上シェル４の、平面図（Ａ）、正面図（Ｂ）、背面図（Ｃ）、側面図（Ｄ）、底面図（Ｅ）である。 同ロックネジ付コネクタ用プラグ１における下シェル５の、平面図（Ａ）、正 面図（Ｂ）、背面図（Ｃ）、側面図（Ｄ）、底面図（Ｅ）である。 同コネクタハウジング２に上下シェル４，５を装着した状態の、平面図（Ａ）、正面図（Ｂ）、背面図（Ｃ）、側面図（Ｄ）、底面図（Ｅ）である。 図５（Ａ）におけるＡ−Ａ線に沿った断面図である。 ロックネジ付コネクタ用プラグ１をインサート成形している様子の一部を示す断面図（Ａ）、同成形後の断面図（Ｂ）である。 同ロックネジ付コネクタ用プラグ１の使用状態を示す断面図である。 同ロックネジ付コネクタ用プラグ１の使用状態の一部を示す断面図である。 他の実施例に係るロックネジ付コネクタ用プラグ１の使用状態を示す断面図である。

符号の説明

１ ロックネジ付コネクタ用プラグ、
２ コネクタハウジング、 ２ａ 本体、
２ｂ ロック部、 ２ｃ ネジ孔、
３ コンタクト、
４ 上シェル、 ４ａ 孔、
４ｂ 当接面、
５ 下シェル、 ５ａ 止め金部、
５ｂ 孔、
６ ケーブル、
７ スクリューネジ、 ７ａ 掴み部端面、
８ ハウジングカバー、
９ ケーブルカバー、
１０ 金型、
１１ レセプタクル、 １１ａ コンタクト、
１１ｂ シェル、 １１ｃ シェル、
１１ｄ ロック部、
１２ プリント基板、
１３ ナット、
１４ パネル、
１５ オフセットスクリューネジ。

Claims (1)

1. 絶縁性コネクタハウジングにおいてコンタクトが配設された本体と該本体の側部に設けられるロック部とがあり、該ロック部に設けられたネジ孔に挿着される金属製スクリューネジと、前記コネクタハウジングの本体を電気的にカバーする金属製シェルとでなるプラグにおいて、
   前記シェルの一部を延設して前記ロック部を被覆すると共に、前記スクリューネジ挿通用の貫通孔が設けられ、且つ、該貫通孔の片側の周囲に当該スクリューネジの一部に当接する当接面が電気的シールド用に確保されていること、
   を特徴とするロックネジ付コネクタ用プラグ。

Images