JP2004039635A - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】コネクタ端子のテール端と、コネクタに終端されるケーブルの送信ワイヤとの間にプリント回路板を使用する電気コネクタを提供する。
【解決手段】電気コネクタは、絶縁ハウジングと、該絶縁ハウジング内に受け入れられ、コンタクト端及びテール端を各々有する複数の端子と、第１端、第２端、及びその第１端から第２端へ延びる複数の導電性トレースを有する少なくとも１つの回路基板であって、各端子のテール端が各導電性トレースの第１端に終端されるような回路基板と、導電性トレースの第２端に終端された複数の送信ワイヤを有するケーブルであって、回路基板を介して端子に電気的接続できるケーブルとを備えている。この電気コネクタは、ケーブルアッセンブリの一部分でもよい。
【選択図】　　　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気コネクタに係り、より詳細には、コネクタ端子のテール端と、コネクタに終端されるケーブルの送信ワイヤとの間にプリント回路板を使用する電気コネクタに係る。
【０００２】
【従来の技術】
電気コネクタに対する１つの公知解決策を示した図１を参照すれば、電気コネクタは、絶縁ハウジング１０ａと、該絶縁ハウジング１０ａ内に受け入れられた複数の端子１１ａと、メタル材料で作られて絶縁ハウジング１０ａを覆うシェル１２ａと、複数の送信ワイヤ１４ａを有するケーブル１３ａとを備え、送信ワイヤ１４ａは、互いにツイストされた電気ワイヤ対を構成し、端子１１ａの後端に各々終端される。ケーブル１３ａは、送信ワイヤ１４ａの外部を覆う被覆層１７ａを有する。
【０００３】
更に、公知の電気コネクタは、メタル材料で作られた外部シェル１５ａと、プラスチック材料で作られた外部シース１６ａとを備え、これらは、送信ワイヤ１４ａと端子１１ａとの間の接続部を外側から覆って保護する。
この電気コネクタは、相手コネクタと互いに係合するように使用され、相手コネクタを端子１１ａに電気的に接触させて、ケーブル１３ａに電気的に接続し、電気信号を送信することができる。
【０００４】
送信ワイヤ１４ａは、通常、各々デュアルツイストコードであり、即ち各送信ワイヤ１４ａは、互いにツイストされた２本の電気的ワイヤで構成される。デュアルツイストコードの設計上、差動信号を相殺することができ、信号の送信時に送信ワイヤ１４ａの「クロストーク」の干渉を効果的に減少して、信号ノイズを減少することができる。
ケーブル１３ａは、これが端子１１ａに終端されるときに、ワイヤを予め露出させるよう処理されねばならず、即ちケーブル１３ａの被覆層１７ａをある程度の長さにわたって除去し、送信ワイヤ１４ａの一端を露出させて、端子１１ａに首尾良く終端できるようにしなければならない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した公知技術では、ケーブル１３ａが、ワイヤを露出させるべく処理された後に、送信ワイヤ１４ａの露出部分のデュアルツイストコードの設計が、クロストークを効果的にシールドするよう機能できず、従って、送信ワイヤ１４ａは、クロストークの干渉を効果的に減少せず、その結果、信号ノイズが増加する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の主たる目的は、端子とケーブルとの間に配置された回路基板を有する電気コネクタであって、ケーブルの送信ワイヤを端子に直接終端する必要がなく、送信ワイヤを回路基板に終端することができ、ひいては、露出されるワイヤの長さを相当に短縮することができ、そして送信ワイヤのデュアルツイストコードが破壊するのを防止し、クロストークの干渉を減少すると共に、信号ノイズを低下させることのできる電気コネクタを提供することである。
【０００７】
本発明の１つの特徴によれば、絶縁ハウジングと、該絶縁ハウジング内に受け入れられ、コンタクト端及びテール端を各々有する複数の端子と、第１端、第２端、及びその第１端から第２端へ延びる複数の導電性トレースを有する少なくとも１つの回路基板であって、各端子のテール端が各導電性トレースの第１端に終端されるような回路基板と、導電性トレースの第２端に終端された複数の送信ワイヤを有するケーブルであって、上記回路基板を介して上記端子に電気的接続できるケーブルとを備えた電気コネクタが提供される。
【０００８】
別の実施形態では、上記回路基板は、プリント回路板である。
更に別の実施形態では、上記端子は、絶縁ハウジングの前端と後端との間に延びるコンタクト受け入れ空洞内に受け入れられる。
更に別の実施形態では、電気コネクタは、ケーブルアッセンブリの一部分である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の特定の実施形態を詳細に説明するが、これは、本発明を単に例示するものに過ぎず、本発明を何ら限定するものではないことを理解されたい。
【００１０】
図２ないし４を参照すれば、本発明は、絶縁ハウジング１０と、複数の端子２０と、少なくとも１つの回路基板、好ましくは、プリント回路板４０と、ケーブル５０とを備えた電気コネクタに係り、絶縁ハウジング１０は、プラスチック材料で作られたほぼ長方形の本体であり、そして絶縁ハウジング１０は、その前端から後端へと延びる複数のコンタクト受け入れ空洞１１を有する。電気コネクタは、金属性シールド３０を含むのも任意である。
【００１１】
複数の端子２０の各々は、導電性材料で作られ、そしてコンタクト端２１及びテール端２２を有し、更に、複数の端子２０は、コンタクト受け入れ空洞１１に各々受け入れられ、各端子２０のテール端２２及びコンタクト端２１は、ハウジング１０の前端及び後端へと各々突出し、相手コネクタ及び回路板４０に電気的接続することができる。
【００１２】
金属性シールド３０は、良好にシールドするメタル材料で作られ、この金属性シールド３０は、ハウジング１０の外部を覆う中空のケーシングであって、保護即ちシールド作用を与える。金属性シールド３０は、その外壁から延びるプレート素子３１を有し、このプレート素子３１の両側縁付近には２つの穴３２が形成されている。
【００１３】
回路板４０は、ハウジング１０の後部に配置され、この実施形態では、３つの回路板４０が設けられるが、回路板の数は、端子２０及びケーブル５０の送信ワイヤ５１の数及び配置に基づいて適切に決定することができる。回路板４０の各々は、基体４１（図５に示す）と、この基体４１上に配置された金属性材料の接地層４２と、この接地層４２上に配置された絶縁層４３と、この絶縁層４３上に配置された導電層４４とを有し、この導電層４４は、エッチングにより形成された複数の分離スペース４５を有し、これにより、複数の導電性トレース４６が絶縁層４３上に形成されて、回路板の第１端４０ａから第２端４０ｂへと延び、これら導電性トレース４６は、ケーブル５０の送信ワイヤ５１に対応する。端子２０のテール端２２は、回路板４０の導電性トレース４６の一端（前端）４６ａに終端され、端子２０を回路板４０に電気的接続することができる。
【００１４】
ケーブル５０は、複数の送信ワイヤ５１を有し、その各々は、デュアルツイストコードであって、その設計上、差動信号を相殺して、「クロストーク」の干渉を効果的に減少し、そして信号ノイズを減少することができる。ケーブル５０は、送信ワイヤ５１の外部に被覆された被覆層５２を有し、送信ワイヤ５１を回路板４０に接続するときには、ケーブル５０は、ワイヤを露出するように前処理しなければならず、ケーブル５０の被覆層５２が、ある長さにわたって剥離されて、各送信ワイヤ５１の一端を適切な長さだけ露出させ、各送信ワイヤ５１の露出端を、回路板４０の各導電性トレース４６の別の端（後端）４６ｂに終端し、これにより、ケーブル５０を、回路板４０を経て端子２０に電気的接続することができる。
【００１５】
電気コネクタは、更に、外部シェル６０及び外部シース７０を備え、これらは、各送信ワイヤ５１と端子２０のテール端２２との間の接続部分を外部から覆って保護する。
外部シェル６０は、充分なシールド作用を与えるメタル材料で作られた中空のケーシングであって、ハウジング１０の後半分を覆って、シールド−保護作用を与える。外部シェル６０は、その後端に、ケーブル５０の端に接続するためのスリーブ６１を有し、そして外部シェル６０の前端は、メタルシールド３０のプレート素子３１の後端に接続される。各送信ワイヤ５１と端子２０のテール端２２との間の接続部分と、外部シェル６０内にシールされた回路板４０とにより、好ましいシールド−保護作用が与えられる。
【００１６】
外部シース７０は、プラスチック材料から作られ、外部シェル６０を外部から覆うように外部シェル６０に対応する形状を定める受け入れスペース７１を有する。外部シース７０は、その両側に２本のスクリュー７２を有し、該スクリュー７２は、これを回転するためのノブ７３をその後端に有し、そして２本のスクリュー７２は、メタルシールド３０の２つの穴３２を経てプレート素子３１の前端へ適切な距離だけ突出し、電気コネクタを相手コネクタに係合したときに、電気コネクタを相手コネクタにしっかり結合するように２本のスクリューで固定することができる。
【００１７】
本発明は、主として、端子２０とケーブル５０との間に配置された回路板４０と、ケーブル５０の送信ワイヤ５１及び端子２０のテール端２２に終端するためにこの回路板４０上に形成された複数の導電性トレース４６とに係る。ケーブル５０の送信ワイヤ５１は、端子２０のテール端２２に直接終端されず、回路板４０に終端され、ひいては、露出されるワイヤの長さを相当に短縮できるので、ケーブル５０の長さは、公知技術の場合の約２０％ないし３０％となる。従って、ケーブル５０の露出ワイヤの長さが相当に短縮され、送信ワイヤのデュアルツイストコードが破壊されるのを防止し、「クロストーク」の干渉を減少し、信号ノイズを低下することができる。
【００１８】
更に、本発明は、接地作用を与えるために回路板４０の導電性トレース４６の下に配置された接地層４２にも係り、これは、送信ワイヤ５１間の信号干渉を吸収し、送信ワイヤ５１間の「クロストーク」の干渉を減少し、そして信号ノイズを減少することができる。
【００１９】
更に、図６を参照すれば、本発明は、接地層４２に代わって、回路板４０の導電性トレース４６間に配置された複数の接地ワイヤ４７にも係り、即ち導電層４４を回路板４０の基体４１上に直接配置することができ、この導電層４４は、エッチングにより形成された複数の分離スペース４５を有し、これにより、複数の導電性トレース４６が形成されると共に、接地ワイヤ４７が分離スペース４５に配置され、従って、導電性トレース４６間に接地ワイヤ４７を配置して接地作用を得ることができ、ひいては、送信ワイヤ５１間の信号干渉を吸収し、送信ワイヤ５１間の「クロストーク」の干渉を減少し、そして信号ノイズを減少することができる。
【００２０】
本発明の好適な実施形態を図示して説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに種々の変更や修正がなされ得ることが当業者に明らかであろう。従って、上記説明は、本発明を単に例示するものに過ぎず、本発明をそれに限定するものではないことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】公知技術による電気コネクタの断面図である。
【図２】本発明による電気コネクタの分解斜視図である。
【図３】本発明による電気コネクタの斜視図である。
【図４】本発明による電気コネクタの断面図である。
【図５】本発明の一実施形態による電気コネクタの回路板の部分断面図である。
【図６】本発明の別の実施形態による電気コネクタの回路板の部分断面図である。

Claims (6)

1. 複数の送信ワイヤを有するケーブルに終端するための電気コネクタにおいて、
   絶縁ハウジングと、
   上記絶縁ハウジング内に受け入れられ、コンタクト端及びテール端を各々有する複数の端子と、
   第１端、第２端、及びその第１端から第２端へ延びる複数の導電性トレースを有する少なくとも１つの回路基板と、
   を備え、各々の上記端子のテール端が上記回路基板の第１端に配置された導電性トレースに終端されると共に、上記送信ワイヤの各々が上記回路基板の第２端における導電性トレースに終端され、上記ケーブルを、上記回路基板を介して上記端子に電気的接続できるようにした電気コネクタ。
2. 上記回路基板はプリント回路板である請求項１に記載の電気コネクタ。
3. 上記絶縁ハウジングの外面を金属シールドで覆うようにした請求項１に記載の電気コネクタ。
4. 少なくとも１つの電気コネクタと、該電気コネクタに終端されたケーブルとを備え、上記電気コネクタは、絶縁ハウジングと、該絶縁ハウジング内に受け入れられ、コンタクト端及びテール端を各々有している複数の端子と、第１端、第２端、及びその第１端から第２端へ延びる複数の導電性トレースを有する少なくとも１つの回路基板とを備え、各々の上記端子のテール端は、この回路基板の第１端に配置された導電性トレースに終端され、そして
   上記ケーブルは、複数の送信ワイヤを含み、これら送信ワイヤは、上記回路基板の第２端に配置された導電性トレースに終端され、上記ケーブルを、上記回路基板を介して上記端子に電気的接続できるようにしたケーブルアッセンブリ。
5. 上記回路基板はプリント回路板である請求項４に記載のケーブルアッセンブリ。
6. 上記送信ワイヤはデュアルツイストコードである請求項４に記載のケーブルアッセンブリ。

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