以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態による画像読取装置を概念的に示す側面図である。
図1に示すように、この画像読取装置は、シート状の読み取り原稿を載置する原稿台20と、原稿を読み取りのために原稿台20から装置内へ1枚づつ送り込む給送ローラ19と、原稿を搬送する第1の搬送ローラ対21と、第1の搬送ローラ対21から送られた原稿Sの一面S1(図1では上面)の原稿画像を読み取る第1の読取部11と、第1の読取部11で読み取られた原稿を送る第2の搬送ローラ対22と、第2の搬送ローラ対22により原稿Sを図の下側に案内する大サイズ用搬送路31及び小サイズ用搬送路32と、大サイズ用搬送路31の中程に設けられた搬送ローラ対26と、大サイズ用搬送路31または小サイズ用搬送路32に案内されて搬送された原稿を搬送する第3の搬送ローラ対23と、第3の搬送ローラ対23から送られた原稿Sの、第1の読取部11で読み取られる一面S1(図1では下面)と同一面側の原稿画像を読み取る第2の読取部12と、第2の読取部12で読み取られた原稿を送る第4の搬送ローラ対24と、原稿を排出するため案内する排紙搬送路36と、原稿を排出するために送り出す排紙ローラ25と、排紙ローラ25から排出された原稿が載置される排紙トレイ30とを備えている。
また、画像読取装置は、第2の搬送ローラ対22から送られた原稿が小サイズ用搬送路32の一部を通って原稿の表裏反転のために送られて案内する第1の反転搬送路33と、原稿を図の右方向及び左方向の両方向に搬送するように正逆回転可能な第1の反転搬送ローラ対27及び第3の反転搬送ローラ対29と、第1の反転搬送ローラ対27から送られた原稿を第1の読取部11に循環せしめるように案内する第1の循環搬送路34と、第2の読取部12で読み取られて第4の搬送ローラ対24から送られた原稿を第3の反転搬送ローラ対29へ案内する第2の循環搬送路35と、第4の搬送ローラ対24から送られた原稿の表裏を反転して排紙トレイ30へ排出するための反転排紙経路37と、正逆回転可能な第2の反転搬送ローラ対28とを備えている。
更に、画像読取装置は、第2の読取部12および走査読取部13を備えている。第2の読取部12は、第1のプラテンガラス14と、該第1のプラテンガラス14の直下の位置に静止固定されて原稿画像を読み取る光学系16と、結像光学系55と、CCD撮像素子56とから構成される。第2の読取部12の多数の部材は走査読取部を兼ねており、走査読取部13は、第2のプラテンガラス15と、該第2のプラテンガラス上に載置された原稿の原稿画像を走査して読み取る光学系16’と、結像光学系55と、CCD撮像素子56とから構成されている。
第2の読取部12での原稿Sの読み取りは、プラテンガラス14上を搬送されている原稿Sの原稿画像面に光源51から光が照射され、その反射光はミラー52、53、54によって案内され、その反射光が結像光学系55を介してCCD撮像素子56に取り込まれ、これによりCCD撮像素子56の受光面に原稿画像が結像されて読み取られる。
また、走査読取部13での原稿Sの読み取りは、プラテンガラス15上に載置されて静止した状態の原稿を、プラテンガラス15に沿って図示fの方向に光学系16’を走査しながら光源51’から光を照射することにより、以降は上記第2の読取部と同様にしてCCD撮像素子56により原稿画像が読み取られる。
第1の読取部11の読み取りにおいては、発光ダイオ−ドと受光素子とを組み合わせたコンパクトイメ−ジセンサ(CIS)を用い、第2の読取部12および走査読取部13においては、ハロゲンランプからなる光源51とCCD撮像素子56を組み合わせて用いているが、光源51とCCD撮像素子56を、第1の読取部11と同様の発光ダイオ−ドと受光素子とを組み合わせたコンパクトイメ−ジセンサ(CIS)を用いてもよい。
各搬送ローラ対21〜25はモータ65(図7)とともに搬送機構を構成し、モータ65により回転駆動される各搬送ローラ対21〜25の回転速度を切り替えることによって原稿を搬送する速度を変えることができ、また、第1の読取部11及び第2の読取部12における原稿の搬送速度、即ち、読み取り速度を制御することができる。このような搬送速度の切替を行うために、少なくともローラ対21,22と、ローラ対23,24とは、独立して駆動できるように構成されている。
また、図1に示す画像読取装置は、図2〜図5に示すような各動作を行うために、各搬送路31〜37に原稿の搬送方向を変えるように搬送方向切替機構を備えているが、代表例として、第2の搬送ローラ対22の下流側に配置した搬送方向切替部材40を図6により説明する。図6の搬送方向切替部材40は、切替ガイド41と回動軸42とにより構成され、切替ガイド41が図の回動方向r、r’に回動し経路を切り替えて、シート状の原稿Sを大サイズ用搬送路31または小サイズ用搬送路32に案内するようになっている。切替ガイド41が方向r’に回動した状態では図6(a)のように原稿Sは小サイズ用搬送路32に案内され、方向rに回動した状態では図6(b)のように大サイズ用搬送路31に案内される。切替ガイド41の切替動作はソレノイド、モータ(図示省略)等により回動軸42を適切なタイミングで作動させて行われる。同様に、搬送路35と搬送路36とを切り替えるための搬送方向切替部材43、及び搬送路36と反転排紙経路37とを切り替えるための搬送方向切替部材44が設けられている。
図7は本実施の形態における画像読取装置および画像形成装置における読み取られた画像データと制御信号の流れおよび制御部のブロック図である。ここで実線は画像データの流れを、破線は制御信号の流れを示している。第1の読取部11、又は第2の読取部12若しくは走査読取部13で読み取られた原稿の画像データは第1の画像処理部57又は第2の画像処理部58にて、データ変換処理、補正処理、圧縮処理、カラー画像処理等の画像処理が施された後に、メモリに記憶される。ここで第1の画像処理部57および第2の画像処理部58において、第1読取部ではCISで読み取られ、第2の読み取り部ではCCD撮像素子で読み取られた場合には、それぞれ異なる画像処理が施され、同種の画像データに変換されてメモリ59に記憶されることが好ましい。それぞれ同種のCISが用いられた場合は、第1の画像処理部57および第2の画像処理部58において同一の画像処理を施してもよい。
画像形成においては、メモリ59の画像データが、第1の画像処理部57又は第2の画像処理部58を経由して、画像形成部の画像書き込み部60に送られる。該画像書き込み部60で感光体に静電潜像として書き込みが行われ、静電潜像が現像され、記録紙に転写および定着されて画像が形成される。
また、図7においては画像読取装置における原稿の搬送速度、読取速度(読み取り時の搬送速度を読取速度と称することもある)、搬送方向の切り替え、各種モード等の制御を行うブロック図を示している。第1の読取部11で読み取られた画像データを第1の画像処理部57にて画像処理しその出力レベルに基づいてその原稿画像がモノクロ画像であるかカラー画像であるか、或いは原稿画像がどのようなサイズであるかを判別する判別部61と、この判別結果に基づいて第2の読取部での読み取り時の搬送速度を、モノクロ画像の場合は高速な第1の搬送速度にて、カラー画像の場合は低速の第2の搬送速度にて原稿を搬送するように制御するCPU等からなる制御部64と、各種モードにおける制御される搬送ローラ対19〜29の回転駆動のためのモータ65と、装置外部から操作が可能で片面−両面モード、モノクロ−カラーモード、混載モード等のモードを選択するためのモード選択部67を備えた操作表示部66、読み取りタイミングを取るための先後端原稿検知センサK1、K2、搬送方向を切り替えるための搬送方向切替部材40、43、44とを備えている。
図7における制御部においては、原稿の搬送速度が制御される。原稿の読み取りにおける生産性を高くするには読み取り時以外において、読み取り時に比べて原稿を高速で搬送することが好ましい。
前述した効果を有する実施の態様として、原稿台から読取部までの搬送速度および読み取り後における読取部から排紙トレイ又は次の読取部までの搬送経路における搬送速度を高速とするように制御される。即ち、原稿台から読取部までを高速の第1の搬送速度で、読み取り時には中速の第2の搬送速度で、読み取り後の排紙トレイ又は次の読取部までを高速の第3の搬送速度で原稿を搬送するように制御部64において制御する。前記高速の搬送速度である第1の搬送速度および第3の搬送速度は、同一の高速な搬送速度とすることが制御の簡略化の点で好ましい。
前述した読み取り時の中速の第2の搬送速度は、モノクロ原稿の場合の搬送速度を示したものであり、カラー原稿の場合には同様の第2の搬送速度を適用してもよいが、カラー原稿においてはより詳細な色分離しても十分な画像データを読み取る必要があるため、低速の第4の搬送速度とすることが好ましい。
また、モノクロ原稿か、カラー原稿かの画像判別のための読取速度は、前記カラー原稿の読み取りの場合の第4の搬送速度としてもよいが、色判別のための画像データを読みとれればよいので、第4の搬送速度よりは高速となる中速の第5の搬送速度とする事が好ましい。この場合、モノクロ原稿に対する第2の搬送速度を適用したり、更に色判別の画像処理が可能であればより高速の第1の搬送速度および第3の搬送速度を適用して制御の簡略化を行うことが好ましい。
更に又、混載原稿モード時における読取速度は、原稿サイズを判別するための外郭部分の画像データが得られれば十分であるため、読取速度を高速の第6の搬送速度とすることが好ましい。この場合、モノクロ原稿に対する第2の搬送速度を適用したり、更にサイズ検知のための画像判別が可能であればより高速の第1の搬送速度および第3の搬送速度を適用して制御の簡略化を行うことが好ましい。
前記第1から第6の搬送速度は、例えば第1の搬送速度を800mm/秒、第2の搬送速度を400mm/秒、第3の搬送速度を800mm/秒、第4の搬送速度を300mm/秒、第5の搬送速度を400mm/秒、第6の搬送速度を400mm/秒とすればよい。
図7において液晶タッチパネル等からなる操作表示部66のモード選択部67にて、両面原稿の原稿画像を読み取るための両面モード、カラー原稿のカラー原稿画像を読み取るためのカラーモード、混載原稿の各原稿毎に原稿サイズを検知して原稿画像を読み取るための混載モードを選択してモードを設定することができる。なお、前述のモード以外に片面モード、モノクロモード、同一原稿サイズモードを選択できるようにモード選択部66に各モードを設けてもよいが、デフォルト設定しておくことにより両面モードが選択されていない場合は片面モードに、カラーモードが選択されていない場合はモノクロモードに、混載モードが選択されていない場合は同一原稿サイズモードが選択されて設定されるようにしておくことが好ましい。
モード選択部67にて、両面モードが選択されて設定されると制御部64においては、両面原稿に対応した原稿の搬送を行うように各搬送ローラを駆動するためのモータ65を制御する。なお、デフォルト設定により両面モードが選択されていない場合は片面原稿に対応した原稿の搬送を行うように各搬送ローラを駆動するためのモータ65を制御する。
モード選択部67にて、カラーモードが選択されると制御部64においては、カラー原稿に対応した搬送速度となるように読み取り時に第5の搬送速度で各搬送ローラを駆動するようにモータ65および各部を制御するすると共に読み取り後においてカラー画像に適した画像処理を行うためのカラー原稿か、モノクロ原稿かを判別する画像判別がなされる。なお、デフォルト設定によりカラーモードが選択されていない場合はモノクロ原稿に対応した読取速度となるようにモノクロ原稿に対応した第2の搬送速度となるように各搬送ローラを駆動するためのモータ65および各部を制御する。
前記画像判別において、カラー原稿であると判別された場合には第2の読取部でカラー原稿に対応した読み取りを行うように第4の搬送速度で搬送するように制御される。
前記画像判別において、モノクロ原稿であると判別された場合には第2の読取部でモノクロ原稿に対応した読み取りを行うように制御される。或いは、第1の読取部で画像判別に用いたデータを原稿の画像データとしてメモリに記憶して保持するようにしても良く、この第1の読取部でモノクロ原稿を読み取った場合の以降の原稿の搬送の制御は、モノクロモードと同様の搬送の制御を行えばよい。
モード選択部67にて、混載モードが選択されると制御部64においては、各原稿について第1の読取部11にて第6の搬送速度で原稿を搬送して読み取りを行うと共に、読み取り後において読み取られた画像データから原稿サイズを判別し、検知された原稿サイズの情報に基づき第2の読取部12にて、原稿サイズに対応した読み取りの制御を行うと共に読み取り時において第2の搬送速度で原稿の搬送を行うように各搬送ローラを駆動するモータ65および各部を制御する。なお、デフォルト設定により混載モードが選択されていない場合は、同一原稿サイズに対応した原稿の搬送を行うように各搬送ローラを駆動するためのモータ65および各部を制御する。
また、カラーモードにおける前記画像判別においては、カラー原稿の判別と共に原稿サイズの判別を行うことが好ましい。この場合においては、ユ−ザ−は敢えて混載モードを選択しなくてもよいため操作性の向上となる。
前述の画像読取装置によれば、原稿が片面原稿または両面原稿、モノクロ原稿またはカラー原稿、原稿サイズの混載、およびモノクロ原稿とカラー原稿の混載であっても、生産性の高い読み取りを行うことができる。以下原稿の各条件毎に画像読取装置の動作を図2から図5により詳細に説明する。なお、図2から図5では、図1に示されている部分で動作に使用しない部分の図示を省略している。
1.モノクロモードで片面原稿である場合の動作(図2)
図2に示すように、複数枚のモノクロ(白黒)原稿S1、S2の原稿画像を読み取る場合、図7の操作表示部66のモード選択部67にて何れのモードも選択されていないとモノクロモードで動作することととなり、原稿トレイ20から1枚目の原稿S1を給送ローラ19にて送り込み、第1の搬送速度で第1の読取部11にて読み取りを行わず通過させて搬送ローラ21、22により搬送し、原稿S1が例えばA4、B5等の小サイズである場合は、図2(a)に示すように搬送方向切替部材40にて搬送路32に案内し、又は原稿S1が例えばA3、B4等の大サイズである場合は、搬送方向切替部材40にて搬送路31に案内して搬送ローラ26で搬送し、第2の読取部12の近傍まで搬送する。第2の読取部12の近傍に設けられたセンサK2により原稿S1の先端が検知されると原稿S1の搬送速度をモノクロ原稿読み取りのための搬送速度である第2の搬送速度に切り替え、搬送ローラ23、24により搬送しながらセンサK2により原稿S1の先端が検知された情報に基づき原稿Sの先端位置にタイミングを合わせて第2の読取部12にて原稿S1の一面(片面)の原稿画像を読み取る。なお、センサK2を設けず原稿の搬送を開始した後の所定のタイミングにて搬送速度を切り替えるようにしてもよい。このような場合のタイミングは、原稿の搬送開始からの経過時間や、駆動源として用いられる例えばステッピングモータの駆動のステップ数の情報を適用することができる。前記読み取りのタイミングとは、光源51による露光を開始した後にCCD撮像素子により画像データの取り込みを開始するタイミングである。
第2の読取部12にて一面(片面)の原稿画像が読み取られた後の原稿S1は、第2の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、搬送ローラ24、搬送方向切替部材43、44により排紙搬送路36に案内して搬送され、排紙ローラ25にて排出されて排紙トレイ30上に読み取られた一面が下面になるように順次積載される。
次の原稿S2は、前記原稿S1の搬送中に引き続いて同様に送り出され、第1の搬送速度にて第1の読取部の近傍まで搬送される。第1の読取部11の近傍に設けられたセンサK1により原稿S2の先端が検知されると原稿S2の搬送速度をモノクロ原稿読み取りのための搬送速度である第2の搬送速度に切り替え、搬送ローラ21、22により搬送しながらセンサK1により原稿S2の先端が検知された情報に基づき原稿S2の先端位置にタイミングを合わせて第1の読取部11にて原稿S2の一面(片面)の原稿画像が読み取られる。
第1の読取部11にて一面(片面)の原稿画像が読み取られた後の原稿S2は、第2の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、第2の読取部12で読み取りを行わずに通過させて原稿S1と同様に排紙トレイ30上に読み取られた一面が下面になるように排紙されて前記原稿S1の上に順次積載される。
上述した複数の原稿S1、S2の読み取りにおいては、ほぼ同時に読み取りが実行されるように原稿S1、S2の搬送が制御される。即ち、先の原稿である原稿S1が第2の読取部12の近傍に到達すると同じ時刻に、後の原稿である原稿S2が第1の読取部11の近傍に到達するように搬送が制御される。このような搬送を行うためには、先の原稿S1の搬送を開始した後に、所定の原稿間隔となるように先の原稿S1の搬送を開始してから所定の時間が経過した後に次の原稿S2の搬送を開始するように搬送を制御すればよい。
更に原稿S2に引き続く次の原稿S3は、原稿S2の搬送中に引き続いて所定の原稿間隔となるように先の原稿S2の搬送を開始してから所定の時間が経過した後に送り出され、原稿S1と同様に搬送するように制御される。
更に原稿S3に引き続く原稿S4は前記した原稿S2と同様に搬送されるように制御される。以降、原稿S5、S6、・・・は前記した原稿S3又は原稿S4と同様に搬送が制御される。
また、原稿S1、S2がA3、B4等の大サイズである場合、図2(b)のように、搬送経路31を通って、図2(a)と同様にして原稿S1,S2の原稿画像を読み取る。なお、原稿トレイ20には原稿が載置されると載置された原稿の原稿サイズを検知する機構を設けることが好ましく、この検知された原稿の原稿サイズ情報に基づいて図6(a)、(b)に示すように切替ガイド40を切り替えるように制御する。
上述の図2(a)、(b)の何れの場合でも、原稿S1、S2の一面(片面)から第2の読取部12及び第1の読取部11で読み取られた2頁分の画像データは、図7の第2の画像処理部58又は第1の画像処理部57に送られて同時期に圧縮処理、データ変換等の画像処理がなされた後にメモリ59に記憶される。
図2で読み取りのための原稿が多数ある場合には、図2(c)の表のように、第2の読取部12で1,3,5,・・・の各奇数頁を順に読み取り、第1の読取部11で2,4,6,・・・の各偶数頁を順に読み取り、第1の画像処理部57又は第2の画像処理部58に送られて、ほぼ同時期に1,2頁のそれぞれの画像処理がなされた後にメモリ59に記憶され、引き続く3、4頁も同様にほぼ同時期に3,4頁の画像処理がなされた後にメモリ59に記憶され、といったように2頁づつ順次ほぼ同時期に複数の原稿画像が読み取られて画像処理がなされ、その後にメモリ59に記憶される。
以上のように、複数枚の原稿を順次搬送し、複数の読取部、例えば2つの読取部11,12にてほぼ同時期に複数の各原稿画像を読み取り、複数の画像処理部、例えば第1の画像処理部57、第2の画像処理部58にてほぼ同時期に複数の画像処理がなされるため、複数の片面の原稿を効率的に読み取ることができ、画像形成(複写)の生産性の向上となる。更に、読み取り時以外の原稿の搬送速度を読み取り時よりも高速とすることにより、複数の片面の原稿を一層効率的に読み取ることができ、生産性の一層の向上となる。
2.モノクロモードで両面である場合の動作(図3)
図3(a)に示すように、複数枚のモノクロ(白黒)原稿S1、S2のそれぞれの両面、即ち、原稿S1の表面(S1−1)と裏面(S1−2)、原稿S2の表面(S2−1)と裏面(S2−2)の原稿画像を読み取る場合、図7の操作表示部66のモード選択部67にて両面モードを選択する。両面モードが選択されると両面モードで動作することととなり、原稿トレイ20から1枚目の原稿S1を給送ローラ19にて送り込み、第1の搬送速度にて第1の読取部の近傍まで搬送される。第1の読取部11の近傍に設けられたセンサK1により原稿S1の先端が検知されると原稿S1の搬送速度をモノクロ原稿読み取りのための搬送速度である第2の搬送速度に切り替え、搬送ローラ21、22により搬送しながらセンサK1により原稿S1の先端が検知された情報に基づき原稿S1の先端位置にタイミングを合わせて第1の読取部11にて原稿S1の表面S1−1の原稿画像が読み取られる。
第1の読取部11にて表面S1−1の原稿画像が読み取られた後に、原稿S1は、第2の搬送速度から第1の搬送速度に切り替えられて搬送路33に搬送される。搬送路33に搬送された原稿S1は後端が第1の反転ローラ対27近傍に達したところでセンサK3により後端が検知され、後端の検知情報に基づき第1の反転ローラ対27に挟持された状態で第1の反転ローラ対27の回転方向が切り替えられ、反転搬送されて第2の読取部12へと搬送される。第2の読取部12の近傍まで搬送され、第2の読取部12の近傍に設けられたセンサK2により原稿S1の先端が検知されると、原稿S1の搬送速度をモノクロ原稿読み取りのための搬送速度である第2の搬送速度に切り替え、搬送ローラ23、24により搬送しながらセンサK2により原稿S1の先端が検知された情報に基づき原稿Sの先端位置にタイミングを合わせて第2の読取部12にて原稿S1の裏面S1−2の原稿画像を読み取る。第2の読取部12にて裏面S1−2の原稿画像が読み取られた後の原稿S1は、第2の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、搬送ローラ24、搬送方向切替部材43、44により搬送経路37に案内して搬送され、原稿S1の後端が第2の反転ローラ対28近傍に達したところでセンサK4により後端が検知され、後端の検知情報に基づき第2の反転ローラ対28に挟持された状態で第2の反転ローラ対28の回転方向が切り替えられ、反転搬送されて搬送方向切替部材44により上方の排紙ローラ25に向けて案内され、排紙ローラ25にて排出されて排紙トレイ30上に表面S1−1が下面になるように順次積載される。
次の原稿S2は、原稿S1の搬送中に引き続いて同様に送り出され、第1の搬送速度にて第1の読取部の近傍まで搬送される。第1の読取部11の近傍に設けられたセンサK1により原稿S2の先端が検知されると原稿S2の搬送速度をモノクロ原稿読み取りのための搬送速度である第2の搬送速度に切り替え、搬送ローラ21、22により搬送しながらセンサK1により原稿S2の先端が検知された情報に基づき原稿S2の先端位置にタイミングを合わせて第1の読取部11にて原稿S2の表面S2−1の原稿画像が読み取られる。
第1の読取部11にて表面S2−1の原稿画像が読み取られた後の原稿S2は、前記原稿S1と同様にして以降の搬送、第2の読取部での裏面S2−2の原稿画像の読み取り、および排紙トレイ30上への排紙がなされる。
上述した複数の原稿S1の裏面S1−2の第2の読取部での読み取りと原稿S2の表面S2−1の第1の読取部での読み取りにおいては、ほぼ同時に読み取りが実行されるように原稿S1、S2の搬送が制御される。即ち、先の原稿である原稿S1が第2の読取部12の近傍に到達すると同じ時刻に、後の原稿である原稿S2が第1の読取部11の近傍に到達するように搬送が制御される。
更に、原稿S2に引き続く原稿S3は、原稿S2と同様に搬送され両面が読み取られる(図3(b))。
上述のようにして、例えば原稿S1の裏面S1−2と原稿S2の表面S2−1からの第2の読取部12および第1の読取部11で読み取られたそれぞれの2頁分の画像データは、図7の第2の画像処理部58又は第1の画像処理部57にそれぞれ送られて同時期に圧縮処理、データ変換等の画像処理がなされた後にメモリ59に記憶される。
図3で読み取りのための原稿が多数ある場合には、図3(c)の表のように、第1の読取部11で1,3,5,・・・のように各原稿の表面の各頁を順に読み取り、第2の読取部12で2,4,6,・・・のように各原稿の裏面の各頁を順に読み取り、第1の画像処理部57又は第2の画像処理部58に送られて、ほぼ同時期に先の原稿の裏面の頁と後の原稿の表面の頁のそれぞれの画像処理がなされた後にメモリ59に記憶される。
この場合において、図3(c)にも示すように、最初の原稿S1の表面S1−1および最後の原稿の裏面の読み取りにおいては、それぞれ第1の読取部11又は第2の読取部12での単独の読み取りを行い、同時期での読み取りを行わない。
以上のように、複数枚の原稿を順次搬送し、複数の読取部、例えば2つの読取部11,12にてほぼ同時期に複数枚の原稿の両面の各原稿画像を同時期に読み取り、複数の画像処理部、例えば第1の画像処理部57、第2の画像処理部58にてほぼ同時期に複数の画像処理がなされるため、複数枚の両面の原稿を効率的に読み取ることができ、画像形成(複写)の生産性の向上となる。更に、読み取り時以外の原稿の搬送速度を読み取り時よりも高速とすることにより、複数の片面の原稿を一層効率的に読み取ることができ、生産性の一層の向上となる。
3.カラーの片面原稿である場合(図4)
図4(a)に示すように、複数枚のカラー原稿S1、S2の原稿画像を読み取る場合、図7の操作表示部66のモード選択部67にてカラーモードを選択するとカラーモードで動作することととなり、原稿トレイ20から1枚目の原稿S1を給送ローラ19にて送り込み、第1の読取部11の近傍まで搬送する。第1の読取部11の近傍に設けられたセンサK1により原稿S1の先端が検知されると原稿S1の搬送速度を画像判別の読み取りのための搬送速度である第5の搬送速度に切り替え、搬送ローラ21、22により搬送しながらセンサK1により原稿S1の先端が検知された情報に基づき原稿S1の先端位置にタイミングを合わせて第1の読取部11にて原稿S1の一面(片面)の原稿画像を読み取る。
第1の読取部11で読み取られた原稿S1の画像データは、第1の画像処理部47へ送られ、更に判別部61にて画像判別の処理が行われる。この画像判別としては、カラー原稿か、モノクロ原稿かの判別を行い、この判別結果に基づいて制御部64はモータ65の駆動を制御して搬送ローラ23,24の回転速度を変えることにより、第2の読取部12での読み取りのための搬送速度を、カラー原稿である場合には低速の第4の搬送速度に、モノクロ原稿である場合には中速の第2の搬送速度に制御する。
第1の読取部11にて画像判別のための一面(片面)の原稿画像が読み取られた後の原稿S1は、第5の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、第2の読取部12の近傍まで搬送され、第2の読取部12の近傍に設けられたセンサK2により原稿S1の先端が検知されると、原稿S1の搬送速度を、原稿S1がカラー原稿である場合にはカラー原稿読み取りのための搬送速度である第4の搬送速度に切り替え、或いは原稿S1がモノクロ原稿である場合にはモノクロ原稿読み取りのための搬送速度である第2の搬送速度に切り替え、搬送ローラ23、24により搬送しながら前記センサK2により原稿S1の先端が検知された情報に基づき原稿S1の先端位置にタイミングを合わせて第2の読取部12にて原稿S1のカラー又はモノクロの原稿画像が読み取られる。
第2の読取部12にて原稿画像が読み取られた後の原稿S1は、第4の搬送速度又は第2の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、搬送ローラ24、搬送方向切替部材43、44により排紙搬送路36に案内して搬送され、排紙ローラ25にて排出されて排紙トレイ30上に読み取られた一面が下面になるように順次積載される。
次の原稿S2は、原稿S1の搬送中に引き続いて同様に送り出され、第1の搬送速度にて第1の読取部の近傍まで搬送される。第1の読取部11の近傍に設けられたセンサK1により原稿S2の先端が検知されると原稿S2の搬送速度を画像判別の読み取りのための搬送速度である第5の搬送速度に切り替え、搬送ローラ21、22により搬送しながら前記センサK1により原稿S1の先端が検知された情報に基づき原稿S1の先端位置にタイミングを合わせて第1の読取部11にて原稿S2の一面(片面)の原稿画像を読み取る。
第1の読取部11にて原稿S2の原稿画像が読み取られた後の原稿S2は、前記原稿S1と同様にして以降の搬送、第2の読取部での原稿画像の読み取り、および排紙トレイ30上への排紙がなされる。
上述した複数の原稿S1の原稿画像の読み取りのための第2の読取部での読み取りと、原稿S2の画像判別のための第1の読取部での読み取りにおいては、ほぼ同時に読み取りが実行されるように原稿S1、S2の搬送が制御される。即ち、先の原稿である原稿S1が第2の読取部12の近傍に到達すると同じ時刻に、後の原稿である原稿S2が第1の読取部11の近傍に到達するように搬送が制御される。
更に原稿S2に引き続く原稿S3は、原稿S2と同様に搬送され画像判別がなされ、画像判別結果に従って原稿画像が読み取られる。
上述のようにして、例えば原稿S1の第2読取部12での原稿画像の読み取りと原稿S2の第1の読取部11で画像判別のために読み取られたそれぞれの読み取り画像データおよび画像判別のための画像データは、それぞれ図7の第2の画像処理部58又は第1の画像処理部57にそれぞれ送られて同時期に圧縮処理、データ変換等の画像処理、又は画像判別処理がなされ、メモリ59に記憶されると共に、判別結果に基づいた制御部による原稿の搬送制御がなされる。
図4で読み取りのための原稿が多数ある場合には、図4(b)の表のように、第1の読取部11で1,2,3,・・・のように各原稿の各頁を順に読み取り画像判別を行った後に、判別結果に基づいて第2の読取部12で1,2,3,・・・のように各原稿の各頁を順に読み取り、第1の画像処理部57又は第2の画像処理部58に送られて、ほぼ同時期に先の原稿の画像処理と後の原稿の画像判別の処理が同時期になされる
この場合において、図4(b)にも示すように、最初の原稿S1の画像判別のための読み取りおよび最後の原稿の原稿画像の読み取りにおいては、それぞれ第1の読取部11又は第2の読取部12での単独の読み取りを行い、同時期での読み取りを行わない。
以上のように、複数枚のカラー原稿を順次搬送し、複数の読取部、例えば2つの読取部11,12にてほぼ同時期に複数枚の原稿の各原稿画像を同時期に読み取り、複数の画像処理部、例えば第1の画像処理部57に付設された判別部61にて画像判別を行い、第2の画像処理部58にてほぼ同時期に読み取られた画像データの画像処理がなされるため、複数枚のカラー原稿を効率的に読み取ることができ、画像形成(複写)の生産性の向上となる。更に、読み取り時以外の原稿の搬送速度を読み取り時よりも高速とすることにより、複数のカラー原稿を一層効率的に読み取ることができ、生産性の一層の向上となる。
また、モノクロ原稿とカラー原稿が混在していても、モノクロ原稿か、カラー原稿かを判別部61にて判別することで、モノクロ原稿およびカラー原稿のそれぞれに適した読み取りの搬送速度を適用することができ、更に一層のカラー原稿の画像形成(複写)の生産性の向上となる。
4.カラーの両面原稿である場合(図5)
図5(a)に示すように、複数枚のカラーの両面原稿S1、S2の原稿画像を読み取る場合、図7の操作表示部66のモード選択部67にてカラーモードおよび両面モードを選択するとカラー両面モードで動作することととなる。この場合において、1枚目の原稿S1の表面S1−1の第2の読取部12までの原稿の搬送、および次の原稿S2の表面S2−1の第1の読取部11での画像判別のための読み取りまでの原稿S1、S2の搬送は、前述したカラーの片面原稿である場合と同様に搬送するように制御される。
第2の読取部12にて原稿画像が読み取られた後の原稿S1は、第4の搬送速度又は第2の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、搬送ローラ24、搬送方向切替部材43により搬送経路35に案内され、引き続く搬送経路34へ搬送される(図5(b))。原稿S1の後端が搬送経路33に設けた第3の反転ローラ対29近傍に達したところでセンサK5により後端が検知され、後端の検知情報に基づき第3の反転ローラ対29に挟持された状態で第3の反転ローラ対29の回転方向が切り替えられ、反転搬送されて搬送方向切替部材45により上方に案内され、第1の読取部11へ循環搬送される。第1の読取部11へ循環搬送された原稿S1の裏面S1−2は、以降の第2の読取部12での読み取りまでは前記した表面S1−1と同様になされる。
この原稿S1の裏面S1−2の第1の読取部11での裏面S1−2の画像判別のための読み取り時において、次の原稿S2の表面S2−1の第2の読取部12での原稿画像の読み取りが行われるようにそれぞれ原稿S1、S2を搬送するように制御する。
更に、原稿S1の裏面S1−2の第2の読取部12での裏面S1−2の原稿画像の読み取り時と同時期に、次の原稿S2の裏面S2−2の第1の読取部11での画像判別のための読み取りが行われるようにそれぞれ原稿S1、S2をそれぞれ搬送又は循環搬送する。
第2の読取部12にて両面の原稿画像が読み取られた後の原稿S1は、第4の搬送速度又は第2の搬送速度から第3の搬送速度に切り替えられて、搬送ローラ24、搬送方向切替部材43、44により搬送経路37に案内して搬送され、原稿S1の後端が第2の反転ローラ対28近傍に達したところでセンサK4により後端が検知され、後端の検知情報に基づき第2の反転ローラ対28に挟持された状態で第2の反転ローラ対28の回転方向が切り替えられ、反転搬送されて搬送方向切替部材44により上方の排紙ローラ25に向けて案内され、排紙ローラにて排出されて排紙トレイ30上に原稿S1の表面が下面になるように順次積載される(図5(c))。
次の原稿S2および引き続く原稿S3は、原稿S1の排紙トレイへの搬送中に、原稿S2を第1の読取部11から第2の読取部12へ搬送すると共に、次の原稿S3を原稿トレイ20から送り出し、第1の搬送速度にて第1の読取部の近傍まで搬送する。
第2の読取部で原稿S2の裏面S2−2の読み取りと同時期に、第1の読取部11にて原稿S3の表面S3−1の画像判別のための読み取りを行う。
第2の読取部12にて原稿S2の両面の原稿画像が読み取られた後の原稿S2は、前記原稿S1と同様にして排紙トレイ30上への排紙がなされる。
第1の読取部11にて原稿S3の表面S3−1の画像判別のための読み取りが行われた後の原稿S3は、前記原稿S1と同様にして以降の第2の読取部12での表面S3−1の原稿画像の読み取り、循環搬送、第1読取部11での裏面S3−2の画像判別のための読み取り、第2読取部12での裏面S3−2の原稿画像の読み取り、および排紙トレイ30上への排紙がなされる。
更に原稿S3に引き続く原稿S4は、原稿S2と同様に搬送され、表裏両面の画像判別、画像判別結果に従った原稿画像の読み取りが行われる。以降、原稿S1、S2と同様にして複数の2枚単位の原稿の組として同様に両面が読み取られる。
上述のようにして、例えば原稿S1の表面S1−1の第2読取部12での原稿画像の読み取りと原稿S2の表面S2−1の第1の読取部11で画像判別のために読み取られたそれぞれの読み取り画像データおよび画像判別のための画像データは、それぞれ図7の第2の画像処理部58又は第1の画像処理部57にそれぞれ送られて同時期に圧縮処理、データ変換等の画像処理、又は画像判別処理がなされ、メモリ59に記憶されると共に、判別結果に基づいた制御部による原稿の搬送制御がなされる。
図5で読み取りのための原稿が多数ある場合には、図5(d)の表のように、第1の読取部11で1,3,2,4,・・・のように各両面原稿の各頁を順に読み取り画像判別を行った後に、判別結果に基づいて第2の読取部12で1,3,2,4,・・・のように各両面原稿の各頁を順に読み取り、第1の画像処理部57又は第2の画像処理部58に送られて、ほぼ同時期に先の原稿の画像処理と後の原稿の画像判別の処理が同時期になされる。
この場合において、図5(d)にも示すように、最初の原稿S1の表面S1−1も画像判別のための読み取りおよび最後の原稿の裏面の原稿画像の読み取りにおいては、それぞれ第1の読取部11又は第2の読取部12での単独の読み取りを行い、同時期での読み取りを行わない。
以上のように、複数枚のカラーの両面原稿を順次搬送し、複数の読取部、例えば2つの読取部11,12にてほぼ同時期に複数枚の両面原稿の各原稿画像を同時期に読み取り、複数の画像処理部、例えば第1の画像処理部57に付設された判別部61にて画像判別を行い、第2の画像処理部58にてほぼ同時期に読み取られた画像データの画像処理がなされるため、複数枚のカラーの両面原稿を効率的に読み取ることができ、画像形成(複写)の生産性の向上となる。更に、読み取り時以外の原稿の搬送速度を読み取り時よりも高速とすることにより、複数のカラーの両面原稿を一層効率的に読み取ることができ、生産性の一層の向上となる。
また、モノクロ原稿とカラー原稿が混在していても、モノクロ原稿か、カラー原稿かを判別部61にて判別することで、モノクロ原稿およびカラー原稿のそれぞれに適した読み取りの搬送速度を適用することができ、更に一層のカラー原稿の画像形成(複写)の生産性の向上となる。
以上のように、図1,図6,図7に示した画像読取装置によれば、モノクロモード(またはカラーモード)に固定された場合に原稿画像が片面でも両面でも、図2,図3のように、2つの読取部11,12で原稿画像を効率的に読み取ることができ、2つの画像処理部57,58で同時に画像処理を行うことができるから、より効率的な読み取り動作が可能となり、生産性を向上させることができる。また、カラーとモノクロの混在モードの場合原稿画像が片面でも両面でも、図4,図5のように、2つの読取部11,12で原稿画像を読み取りながらカラーかモノクロかを判別しかつ本スキャンを行うことができるから、より効率的な読み取り動作が可能となり、生産性を向上させることができ、また、判別スキャンによる判別処理を判別部61で行うと同時に本スキャンによる画像情報の画像処理を画像処理部で行うことができ、効率的な画像処理が可能である。このように、2つの読取部を全モードでフルに活用することによって、原稿の種別(モノクロ/カラー及び両面/片面)に関わらず常に最高の生産性を実現できる画像読取装置(スキャナ)を提供することができる。
上述の画像読取装置の画像処理部57,58から画像処理信号が例えばインクジェット式や電子写真方式のプリンタに送られ、その画像処理信号に基づいてプリンタで画像が形成される。また、上述の画像読取装置が画像形成装置に内蔵された場合には、画像処理信号が図7のような画像書込装置60に送られ、画像情報書込装置60から例えば画像処理信号に基づいて変調されたレーザ光を感光ドラムに照射することにより画像情報を書き込み、この感光ドラムに書き込まれた画像情報を現像し、記録紙に転写することにより画像を形成する。かかる画像形成装置の例を図8により説明する。
図8は、画像形成装置の概略的構成を示す側面図である。図8に示す画像形成装置70は、その上部に図1の画像読取装置を備え、図1のCCD撮像素子56からの画像信号が送られる図7の画像書込部60を画像読取装置の下部に備える。また、画像形成装置70は、画像書込部60で画像処理信号に基づいて変調されたレーザ光が露光されて潜像を形成する感光ドラム71と、感光ドラム71の周囲に配置された帯電器72,現像器73,転写器74,75,クリーニング部76とを備える。
図8の画像形成装置70では、次のようにして画像が記録紙30に形成される。画像書込部60からのレーザ光が回転中の感光ドラム71に露光されて潜像を形成し、この潜像が現像器73によりトナー現像される。図8の下方の給紙カセットOAまたはOBから搬送ローラ対により図の上方に送られた記録紙30が搬送ローラ対61により感光ドラム71の回転と同期してタイミングよく感光ドラム71と転写器74,75との間に送られ、記録紙に現像された画像が転写される。次に、記録紙は図の矢印方向に搬送ベルト77により搬送され、定着器78でトナー像が定着されて記録紙上に画像が形成される。
記録紙は、片面の画像形成で終了の場合は、搬送方向切替部材81の作動により搬送ローラ対85により排出部80に排出される。また、記録紙の反対面にも画像を形成する場合には、搬送方向切替部材81が作動して記録紙が反転ローラ対82等により下方の反転部83に送られてから上方に送られて搬送部84を通り、感光ドラム71の下方に反転した状態で搬送され、同様にして反対面に画像が形成されてから排出部80に排出される。
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、第1の読取部11をCCD撮像素子から構成してもよく、また、第2の読取部12をコンパクトイメージセンサ(CIS)から構成してもよい。また、カラー画像を読み取る読取速度を複数段階に設定してもよい。