JP2006275765A - 磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のいずれにも感知軸を有するよう、基板に凹部を形成し、凹部の斜面に少なくとも1個のホール素子を設け、基板の平坦面に少なくとも1個のホール素子を設けることによって得られる、小型で簡便な構造の磁気センサとその製法を提供する。
【解決手段】 シリコン基板1の平坦面に形成されたホール素子6および7は、Z軸方向に感知軸を有する。また、凹部2の斜面に形成されたホール素子3ないし5は、いずれも斜面に直交する方向、すなわち、シリコン基板の斜め方向に感知軸を有し、これは、Z軸方向とY軸方向の成分もしくは、Z軸方向とX軸方向の成分に分離することができるため、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の磁界の強さが感知できるものとなる。したがってこの磁気センサは、全体として、3軸方向の磁界の強さを検出できるものとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 シリコン基板1の平坦面に形成されたホール素子6および7は、Z軸方向に感知軸を有する。また、凹部2の斜面に形成されたホール素子3ないし5は、いずれも斜面に直交する方向、すなわち、シリコン基板の斜め方向に感知軸を有し、これは、Z軸方向とY軸方向の成分もしくは、Z軸方向とX軸方向の成分に分離することができるため、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の磁界の強さが感知できるものとなる。したがってこの磁気センサは、全体として、3軸方向の磁界の強さを検出できるものとなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板上に凹部が設けられ、凹部の斜面に少なくとも1個のホール素子が設けられた、磁気センサとその製法に関するものである。
従来、磁気センサに使用される半導体素子としては、ホール素子が知られている。このホール素子は、半導体中に電流を加えた場合、電流と垂直な方向に磁界が加わると、これら電流と磁界のいずれにも垂直な方向に電圧(ホール起電力)が発生する、いわゆるホール効果を利用したものであり、ホール起電力を測定することで、磁界の強さを測定することができる。
具体的には、電流を流すための二つの電極を結ぶ方向をX軸にとり、ホール起電力を検出するための二つの電極を結ぶ方向をY軸にとると、Z軸方向の磁界の強さを検出することができる。
三次元で磁界の強さを測定する3軸磁気センサは、これらホール素子をそれぞれX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の磁界の変化を測定できるよう、一つずつ直交配置することで得られる。このようなセンサとして、以下に示す非特許文献で提案されたものがある。
この提案では、基板表面に平行な平面をX−Y平面にとった場合、基板上にX軸、Y軸およびZ軸方向の磁界を個別に感知するためのホール素子をそれぞれ設け、X軸方向感知用ホール素子を含む基板領域およびY軸方向感知用ホール素子を含む基板領域を、それぞれX−Y平面に対して垂直となるように折り曲げて、直交配置している。
この提案では、基板表面に平行な平面をX−Y平面にとった場合、基板上にX軸、Y軸およびZ軸方向の磁界を個別に感知するためのホール素子をそれぞれ設け、X軸方向感知用ホール素子を含む基板領域およびY軸方向感知用ホール素子を含む基板領域を、それぞれX−Y平面に対して垂直となるように折り曲げて、直交配置している。
具体的には、シリコン基板上にホール素子を形成したのち、ホール素子上にポリイミドの薄膜を積層する。ポリイミド薄膜は、加熱により収縮する性質を有しており、加熱することでホール素子を折り曲げる役割を担う。ポリイミド薄膜を積層後、ホール素子を取り囲むように、シリコン基板上に四角状のパターンを形成し、このパターンの四辺のうち、三辺をエッチングによりシリコン基板から切り離す。これによりホール素子は、残り一辺でシリコン基板と連結された、カンチレバー状のものとなる。加熱することにより、ポリイミドを収縮させ、シリコン基板との連結部を折り目として、シリコン基板に対して垂直となるように、カンチレバー状のホール素子を持ち上げる。
カンチレバー状のホール素子は、X軸方向に対して垂直となるように折り曲げることで、X軸方向感知用の磁気センサとなり、同様に、Y軸方向に対して垂直となるように折り曲げることで、Y軸方向感知用の磁気センサとなる。さらにシリコン基板上にZ軸方向感知用のホール素子を形成することで、3軸磁気センサが得られる。
電学論E,122巻4号,212−216頁,平成14年
電学論E,122巻4号,212−216頁,平成14年
しかし、携帯電話をはじめとする、近年の半導体デバイスを使用した小型商品に使用するためには、安価で小型な高感度センサの実用化が望まれる。それに対し、上記文献で提案されている3軸磁気センサは、X軸、Y軸およびZ軸の方向を別々に感知する、3個のホール素子を直交配置するため、センサの構造が複雑かつ大きくなるという問題点があった。また、カンチレバー状のホール素子を、シリコン基板に対して垂直に折り曲げるという、微小かつ精密な組立工程を必要とし、センサの製造工程が複雑になるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のいずれにも感知軸を有するよう、基板に凹部を形成し、凹部の斜面に少なくとも1個のホール素子を設け、基板の平坦面に少なくとも1個のホール素子を設けることによって得られる、小型で簡便な構造の3軸磁気センサとその製法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、基板に形成された凹部の斜面に、少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサである。
請求項1に記載の発明は、基板に形成された凹部の斜面に、少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサである。
請求項2に記載の発明は、基板に形成された凹部の斜面に、少なくとも1個のホール素子が形成され、基板の平坦面に少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサである。
請求項3に記載の発明は、基板に形成された凹部の、互いに平行でない二つ以上の斜面に、一つの斜面につき少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサである。
請求項4に記載の発明は、凹部の形状が切頭四角錐状である、請求項1、2または3記載の磁気センサである。
請求項5に記載の発明は、切頭四角錐状の凹部の底部に、ホール素子の共通電流取り出し用電極が形成された請求項4記載の磁気センサである。
請求項6に記載の発明は、基板に凹部を形成し、この凹部の斜面にホール素子を形成すると同時に、基板の平坦面にトランジスタを形成することを特徴とする磁気センサの製法である。
請求項7に記載の発明は、基板に凹部を形成し、この凹部の斜面にホール素子を形成すると同時に、基板の平坦面にトランジスタとホール素子の形成を行うことを特徴とする磁気センサの製法である。
本発明によれば、基板に切頭四角錐状などの凹部を形成し、凹部の斜面に少なくとも1個のホール素子を設けることで1軸磁気センサが得られ、加えて、基板の平坦面に少なくとも1個のホール素子を設けることで、一つの基板からなる2軸磁気センサを作成することができる。
また、凹部の互いに平行でない二つ以上の斜面に、一つの斜面につき、少なくとも1個以上のホール素子を設けることで、2軸の磁気センサが得られ、加えて基板平坦部に少なくとも1個のホール素子を設けることで、一つの基板からなる3軸磁気センサを作成することができる。
また、凹部の互いに平行でない二つ以上の斜面に、一つの斜面につき、少なくとも1個以上のホール素子を設けることで、2軸の磁気センサが得られ、加えて基板平坦部に少なくとも1個のホール素子を設けることで、一つの基板からなる3軸磁気センサを作成することができる。
凹部の斜面に設けたホール素子の、共通の電流取り出し用電極を、凹部の底部に設けることで、構造を簡略化することができ、簡便な組立工程で磁気センサを得ることができる。
基板の斜面あるいは平坦面に設けたホール素子と、トランジスタを、半導体プロセスで同時に形成し、構造と組立工程を簡略化することで、小型かつ安価な磁気センサを得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の磁気センサの一例を模式的に示すものである。符号1はシリコン基板を示し、このシリコン基板1には、切頭四角錐状の凹部2が形成されている。この凹部2は、その底部の平面形状が正方形であり、底部が基板表面と平行になるように形成されている。また凹部2は、四つの斜面を有しており、これら斜面は、底部を含む平面と、30度ないし60度、好ましくは45度の角度を持つように形成されている。
図1は、本発明の磁気センサの一例を模式的に示すものである。符号1はシリコン基板を示し、このシリコン基板1には、切頭四角錐状の凹部2が形成されている。この凹部2は、その底部の平面形状が正方形であり、底部が基板表面と平行になるように形成されている。また凹部2は、四つの斜面を有しており、これら斜面は、底部を含む平面と、30度ないし60度、好ましくは45度の角度を持つように形成されている。
この凹部2のそれぞれの斜面には、4個のホール素子が設けられている。なお、図1では、便宜上3個のホール素子3,4,5を描いており、以下の説明では、この3個のホール素子3,4,5について述べているが、図示していない残り1個のホール素子についても、同様の構造となっている。
また、シリコン基板1の平坦面には、ホール素子6、7が設けられている。
また、シリコン基板1の平坦面には、ホール素子6、7が設けられている。
これらホール素子が設けられたシリコン基板1の表面には、トランジスタ、絶縁膜、配線層などが順次形成され、最後に酸化ケイ素、窒化ケイ素などからなる絶縁膜で被覆され、外界より保護されている。(図示略)
これらのホール素子3ないし7は、いずれも基板1に形成された、n型シリコン薄膜からなる帯状の本体部と、この本体部に設けられた一対の制御電流用電極8,8と、一対の電圧検出用電極9,9とから構成されている。
ホール素子3ないし7のうち、凹部2の斜面に形成されたホール素子3ないし5にあっては、その本体部が、凹部2の低部から斜面を経てシリコン基板1の平坦面にかけて形成されている。
またシリコン基板1の平坦面に形成されたホール素子6および7にあっては、その本体部は、シリコン基板1の平坦面に形成されている。
またシリコン基板1の平坦面に形成されたホール素子6および7にあっては、その本体部は、シリコン基板1の平坦面に形成されている。
また、凹部2の斜面に形成されたホール素子3ないし5では、制御電流用電極8,8の一方が、本体部のうち底部に形成された部分に設けられ、ホール素子3ないし5に共通の、電流取り出し用電極となっている。他方は、本体部のうち平坦面に形成された部分に設けられている。
また、電圧検出用電極9,9は、本体部のうち、斜面に形成された部分の両側の位置に、対峙して設けられている。
また、電圧検出用電極9,9は、本体部のうち、斜面に形成された部分の両側の位置に、対峙して設けられている。
さらに、シリコン基板1の平坦面に形成されたホール素子6および7にあっては、制御電流用電極8,8は、本体部の長手方向の両端部に対峙して設けられ、電圧検出用電極9,9は、本体部の長手方向の中間部において、その両側の位置に対峙して設けられている。
そして、すべてのホール素子3ないし7では、一対の制御電流用電極8,8を結ぶ方向と、一対の電圧検出用電極9,9を結ぶ方向とが、直交するようになっている。
このような磁気センサにあっては、シリコン基板1の平坦面に形成されたホール素子6および7は、いずれも図1に示す座標軸において、Z軸方向に感知軸を有する。また、凹部2の斜面に形成されたホール素子3ないし5は、いずれも斜面に直交する方向、すなわち、シリコン基板の斜め方向に感知軸を有し、これは、Z軸方向とY軸方向の成分もしくは、Z軸方向とX軸方向の成分に分離することができるため、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の磁界の強さが感知できるものとなる。
したがってこの磁気センサは、全体として、3軸方向の磁界の強さを検出できるものとなる。
したがってこの磁気センサは、全体として、3軸方向の磁界の強さを検出できるものとなる。
図2は、シリコン基板1に形成された凹部2と、凹部2を含むホール素子部40およびトランジスタ部39の具体的な構造を示すものである。
シリコン基板1には、トランジスタ部39およびホール素子部40が設けられており、トランジスタ部39の基板表面側の部位は、Pウェル29およびNウェル30の領域に分かれている。ホール素子部40の基板表面側の部位は、凹部2を含むPウェル31の領域となっている。凹部2は、先に述べた構造のものであり、切頭四角錐状で、底部は基板表面と平行であり、その平面形状は正方形である。また、底部を含む平面と四つの斜面は45度の角度を形成している。
シリコン基板1には、トランジスタ部39およびホール素子部40が設けられており、トランジスタ部39の基板表面側の部位は、Pウェル29およびNウェル30の領域に分かれている。ホール素子部40の基板表面側の部位は、凹部2を含むPウェル31の領域となっている。凹部2は、先に述べた構造のものであり、切頭四角錐状で、底部は基板表面と平行であり、その平面形状は正方形である。また、底部を含む平面と四つの斜面は45度の角度を形成している。
ウェル表面には、素子間の電気的な干渉を防止する役割を担う、酸化ケイ素からなる素子分離酸化膜17が設けられ、素子分離酸化膜17が設けられていないウェル表面には、トランジスタ、ホール素子等が形成されている。
Pウェル29に対して、ポリシリコン20およびシリコンとタングステンとからなるシリサイド21が順次積層された構造をもつ、nチャネル電界効果トランジスタのゲート電極18が、ゲート絶縁膜16を挟んで設けられ、Nウェル30に対しては、同様の構造を持つpチャネル電界効果トランジスタのゲート電極19が、ゲート絶縁膜16を挟んで設けられている。
Pウェル29の上部には、側面の一つが素子分離酸化膜17に接するように、二つのn+拡散層23、23が、互いに向き合う形で設けられている。同様に、Nウェル30の上部には、二つのp+拡散層26、26が、互いに向き合う形で設けられている。
また、Pウェル31の上部には、n形拡散層41が設けられている。
また、Pウェル31の上部には、n形拡散層41が設けられている。
さらに、Pウェル29内には、信頼性を向上するため必要に応じて、側面の一つがn+拡散層23に接するように、電界緩和層24,25が、互いに向き合う形で設けられている。同様に、Nウェル30内には、側面の一つがp+拡散層26に接するように、電界緩和層27,28が互いに向き合う形で設けられている。
nチャネル電界効果トランジスタのゲート電極18は、電界緩和層24,25に挟まれた領域の、絶縁膜16上に設けられた形となっており、同様に、pチャネル電界効果トランジスタのゲート電極19は、電界緩和層27,28に挟まれた領域の、絶縁膜16上に設けられた形となっている。
また、トランジスタ、ホール素子等の素子領域および素子分離酸化膜17上には、酸化ケイ素からなる層間絶縁膜35が積層され、さらに層間絶縁膜35上には、配線層が形成されている。(図示略)
さらに、層間絶縁膜35には、タングステン等が充填されたコンタクトホール32,33および34が設けられており、層間絶縁膜35上に形成されている配線層(図示略)と、ホール素子とを電気的に接続している。
図3ないし図8は、凹部2の形成プロセスの一例と、ホール素子部40およびトランジスタ部39を、半導体プロセスで同時にシリコン基板1に形成する方法の一例を、工程順に示すものである。
図3に示すように、シリコン基板1の表面に、マスク41でパターンを形成し、TMAH等からなるエッチング液で、(111)面の速度が遅いウエットエッチングを行う。このプロセスで、シリコン基板上に、底部を含む平面と、四つの斜面が45度の角度を持つ、切頭四角錐状の凹部を形成する。
図3に示すように、シリコン基板1の表面に、マスク41でパターンを形成し、TMAH等からなるエッチング液で、(111)面の速度が遅いウエットエッチングを行う。このプロセスで、シリコン基板上に、底部を含む平面と、四つの斜面が45度の角度を持つ、切頭四角錐状の凹部を形成する。
図4に示すように、マスクを除去した後、凹部を含むシリコン基板1の表面全体を熱酸化して、厚さ15nm程度の酸化ケイ素からなる、パッド酸化膜36を形成する。パッド酸化膜36は、シリコン基板1のひずみを抑制するものである。
さらにパッド酸化膜36上に、化学気相成長法(CVD法)により、耐酸化膜である150nm程度の窒化ケイ素膜37を積層する。
さらにパッド酸化膜36上に、化学気相成長法(CVD法)により、耐酸化膜である150nm程度の窒化ケイ素膜37を積層する。
図5に示すように、後の工程で、素子分離酸化膜(図示略)を形成する部位の窒化ケイ素膜37とパッド酸化膜36を、エッチングにより除去し、凹部38を形成する。残った窒化ケイ素膜被覆部が、この後、素子形成領域となる。
図6に示すように、凹部38を熱酸化することで、酸化ケイ素からなる素子分離酸化膜17を形成する。素子分離酸化膜17を形成後、窒化ケイ素膜37とパッド酸化膜36を除去し、イオン注入により、シリコン基板1中にPウェル29、31およびNウェル30を形成する。
図7に示すように、ウェル部分の表面を熱酸化して、酸化ケイ素からなる絶縁膜16を形成し、シリコン基板1の表面全体を被覆した後、絶縁膜16上に、ゲート電極の材料となる、ポリシリコン20を堆積し、ポリシリコン20上に、シリコンとタングステンとからなる、シリサイド21を堆積し、シリサイド21上にレジスト(図示略)を堆積する。Pウェル29とNウェル30上の、ゲート電極を形成する部位をマスクし、エッチングにより、絶縁膜16、ポリシリコン20およびシリサイド21を除去する。(図示略)ゲート電極上のマスクとレジストを除去し、Pウェル29上に絶縁膜16上を介して、nチャネル電界効果トランジスタとなるゲート電極18を作成し、Nウェル30上に絶縁膜16を介して、pチャネル電界効果トランジスタとなるゲート電極19を作成する。
ホール素子部を構成するPウェル31と、トランジスタ部を構成するPウェル29およびNウェル30に、拡散法により不純物を注入し、ツインウェル型のトランジスタを形成する。
不純物注入による、ホール素子の拡散層の具体的条件は、不純物濃度は1×1015cm−3ないし1×1019cm−3、望ましくは、1×1016cm−3ないし1×1018cm−3であり、拡散深さは、0.2ないし1.0μm程度である。不純物の注入条件は、例えばリンを用いた場合は、注入エネルギー40keV、注入量2×1013cm−2程度である。
ホール素子の拡散層は、トランジスタの電界緩和層24,25と同じ工程で作ることも可能である。
ホール素子の拡散層は、トランジスタの電界緩和層24,25と同じ工程で作ることも可能である。
基板表面にレジストを堆積し、ゲート電極18および19と電界緩和層形成部位以外の部分をマスクする。(図示略)レジストを除去したのち、不純物を注入することにより、図8に示すように、Pウェル29内に、電界緩和層24,25とn+拡散層23を形成し、Nウェル30内に電界緩和層27,28とp+拡散層26を形成する。この時、ゲート電極18および19がマスクの役割を果たすため、ゲート電極18および19直下の、絶縁膜16を介したウェル部分には、不純物は注入されず、図8に示すような構造のトランジスタを得る。
続いて、シリコン基板1の表面全体に、CVD法により酸化ケイ素膜を積層し、層間絶縁膜(図示略)を形成したのち、エッチングにより、半導体と外部回路を接続するためのコンタクトホール(図示略)を形成する。
続いて、レジストを積層し、ホール素子部のレジストをフォトリソ工程で除去したのち、ホール素子部にのみ、n型不純物であるリンを注入し、レジストを除去する。(図示略。)
コンタクトホールにタングステンを埋め込むことにより、シリコン基板1に、ホール素子部40とトランジスタ部39が同時に形成され、図2に示す構造の基板を得る。
この後、配線層、保護膜(図示略)などを積層し、3軸磁気センサを得る。
よって、この磁気センサは、基板の凹部の斜面および平坦面のホール素子と、トランジスタが、半導体プロセスで同時に形成されるため、簡略な基板組立工程で得られる、小型で簡便な構造の3軸磁気センサとなる。
この後、配線層、保護膜(図示略)などを積層し、3軸磁気センサを得る。
よって、この磁気センサは、基板の凹部の斜面および平坦面のホール素子と、トランジスタが、半導体プロセスで同時に形成されるため、簡略な基板組立工程で得られる、小型で簡便な構造の3軸磁気センサとなる。
なお、上記説明では、シリコン基板の切頭四角錐状の凹部の4つの斜面に、それぞれ1個ずつホール素子を設け、シリコン基板の平坦面に2個のホール素子を設けた例を示したが、本発明では、凹部の形状は、上記例に限られず、一つ以上の斜面を有していれば、どのような形状でも良い。
また、凹部の斜面に設けるホール素子の数も、上記例に限られず、1個以上であればいくつであっても良く、また、凹部の一つの斜面に2個以上設けても良い。
また、凹部の斜面に設けるホール素子の数も、上記例に限られず、1個以上であればいくつであっても良く、また、凹部の一つの斜面に2個以上設けても良い。
本発明の磁気センサは、基板に形成した凹部の斜面にホール素子を設けることで、小型で簡便な構造とすることができ、ホール素子とトランジスタを同時に形成することで、組立工程を簡略化することできる。したがって、携帯電話など各種電子デバイスを搭載する、小型かつ高性能な携帯機器を中心に、広範かつ重要な用途を有する。例を挙げると、外乱磁場の影響を回避するための誤動作防止システム、医療用内視鏡やカテーテルの、挿入した体内での先端の位置あるいは姿勢の検出システムなどである。また今後期待される用途は、道路に埋め込まれた磁石の磁界を車両に搭載したセンサで検出することにより、車両の操縦を半自動的に行う運転補助システム、あるいは車両の操縦を完全自動で行う高度道路交通システムへの展開などである。
1・・・シリコン基板、 2・・・切頭四角錐状の凹部、 3,4,5,6,7・・・ホール素子、 8・・・制御電流用電極、 9・・・電圧検出用電極
Claims (7)
- 基板に形成された凹部の斜面に、少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサ。
- 基板に形成された凹部の斜面に、少なくとも1個のホール素子が形成され、基板の平坦面に少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサ。
- 基板に形成された凹部の、互いに平行でない二つ以上の斜面に、一つの斜面につき少なくとも1個のホール素子が形成された磁気センサ。
- 凹部の形状が切頭四角錐状である、請求項1、2または3記載の磁気センサ。
- 切頭四角錐状の凹部の底部に、ホール素子の共通電流取り出し用電極が形成された請求項4記載の磁気センサ。
- 基板に凹部を形成し、この凹部の斜面にホール素子を形成すると同時に、基板の平坦面にトランジスタを形成することを特徴とする磁気センサの製法。
- 基板に凹部を形成し、この凹部の斜面にホール素子を形成すると同時に、基板の平坦面にトランジスタとホール素子の形成を行うことを特徴とする磁気センサの製法。
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