JP2006275231A - 鉄道車両用転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水,塵埃等の侵入が生じにくく、且つ、回転トルクが小さい鉄道車両用転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】鉄道車両用転がり軸受装置100は、内輪112と、外輪111と、内輪112及び外輪111の間に転動自在に配された複数のころ115と、内輪112の軸方向両端部に配された油切り121と、外輪111の軸方向両端部に取り付けられ油切り121の外周面に摺接するオイルシール130と、を備えている。オイルシール130は、ゴム等の樹脂で形成されているシール部材132を備えており、シール部材132の内側リップ133及び外側リップ134のうち油切り121の外周面に摺接する部分には、硬質炭素被膜Cが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道車両の車軸を支持する転がり軸受装置に係り、特に、シールと油切りとの間の摩擦が生じにくい鉄道車両用転がり軸受装置に関する。
一般に、転がり軸受の耐久寿命は、潤滑剤中に水分が混入すると大きく低下する。例えば古村らは、潤滑油(#180タービン油)に6%の水が混入すると、混入がない場合に比べて数分の1〜20分の1に転がり疲れ強さが低下することを報告している(非特許文献1を参照) 。また、Schatzbergらは、潤滑油中にわずか100ppmの水分が混入するだけで、鋼の転がり強さが32〜48%も低下することを報告している(非特許文献2を参照)。
鉄道車両の車軸を支持する鉄道車両用転がり軸受装置は、路面より跳ね上げられる泥水や雨水の侵入を受けやすいので、水,塵埃等の軸受内部への侵入を防ぐために、接触形シールが取り付けられている。ただし、鉄道車両用転がり軸受装置の密封性を高めようとすると、回転トルクが大きくなって鉄道車両の燃費が低下するという問題がある。このような問題を解決する技術として、シールリップ部の形状を工夫した接触形シールが提案されている(特許文献1を参照)。
特開平11−82526号公報 特開2002−21863号公報 特開2003−262231号公報 特開2004−225725号公報 古村恭三郎、城田伸一、平川清,「表面起点および内部起点の転がり疲れについて」,NSK Bearing Journal, No.636, p.1-10,1977 P.Schatzberg,I.M.Felsen,"Effects of water and oxygen during rolling contact Lubrication", wear, 12, p.331-342, 1968
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、シールリップ部の形状や寸法に制限があるため、必ずしも全てのシールに対して適用できるわけではない。
そこで、本発明は前述のような従来技術が有する問題点を解決し、接触形シールにより水,塵埃等の侵入が生じにくく、且つ、回転トルクが小さい鉄道車両用転がり軸受装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の鉄道車両用転がり軸受装置は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体と、前記内輪の軸方向端部に配された油切りと、前記外輪の軸方向端部に取り付けられ前記油切りの外周面に摺接するシールと、を備える鉄道車両用転がり軸受装置において、前記シールのうち前記油切りの外周面に摺接する部分に、硬質炭素被膜を形成したことを特徴とする。
硬質炭素被膜は摺動性に優れ低摩擦性であるので、シールが摩耗しにくく鉄道車両用転がり軸受装置の密封性が長期間にわたって維持される。また、鉄道車両用転がり軸受装置の回転トルクが小さいので、鉄道車両の燃費の向上につながる。
本発明の鉄道車両用転がり軸受装置は、水,塵埃等の侵入が生じにくく、且つ、回転トルクが小さい。
本発明に係る鉄道車両用転がり軸受装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る鉄道車両用転がり軸受装置の一実施形態を示す断面図である。また、図2は、図1のA部分を拡大して示した断面図であり、図3は、シールのリップを拡大して示した断面図である。
図1に示す鉄道車両用転がり軸受装置100は、鉄道車両に用いられる軸受の一例である複列円錐ころ軸受(以降は軸受と記す)110を備えており、この軸受110に鉄道車両の車軸120が装着されている。軸受110は、一体型の外輪111と各列に個別に分割された内輪112,112と内輪間座113とを備え、内輪112と外輪111との間には、軸受110の周方向に配され保持器114に保持された複数のころ115が配されている。軸受110の軸方向両端面には、主軸120と一体となって回転し内輪112と当接する筒状の油切り121がそれぞれ配置されている。
油切り121の軸受100寄りの外周側には、異なる内径の円筒部材が連結されて段を有する筒状のシールケース122が配置されている。シールケース122の軸受110側の端部は外輪111に嵌合固定され、他端部は油切り121の外周面付近に配置されている。また、シールケース122の内周側には、環状のオイルシール130(本発明の構成要件であるシールに相当する)が取り付けられ、軸受装置100の内部に、ごみ,水分,異物等が外部から侵入することを防ぐとともに、軸受装置100内のグリース等の潤滑剤が外部に漏出することを防いでいる。
オイルシール130は、全体としては環状で内周側に開口した断面略コ字状の外周部131と、外周部131の内周側端部に接着されたシール部材132と、で構成されている。そして、外周部131は複数の金属部材が組み合わされた部材であり、シール部材132はゴム等の樹脂で形成されている。このようなオイルシール130は、その外周部131の外周側がシールケース122の内周側に固着され、オイルシール130の内周側に位置するシール部材132が油切り121の外周面に摺接することで、軸受内部を外部から密閉している。
ここで、シール部材132は、軸受110寄りの内側リップ133と、内側リップ133から間隔を隔てて配置されている外側リップ134とを有している。これら内側リップ133及び外側リップ134は、オイルシール130の全周にわたって配置されており、鉄道車両用転がり軸受装置100が作動している際には、両リップ133,134が油切り121の外周面と摺動している。そして、両リップ133,134のうち、油切り121の外周面に摺接する部分には、硬質炭素被膜Cが形成されている(図3を参照)。なお、内側リップ133には、内側リップ133を油切り121の外周面に向けて付勢するためのガータスプリング135が取り付けられている。
このような構成の鉄道車両用転がり軸受装置100は、硬質炭素被膜Cが摺動性に優れ低摩擦性であるため、オイルシール130の両リップ133,134が摩耗しにくい。そのため、この鉄道車両用転がり軸受装置100は、長期間にわたって高い密封性を保持するとともに、低トルクである。よって、この鉄道車両用転がり軸受装置100は、鉄道車両の燃費の向上に寄与する。
ここで、硬質炭素被膜について詳細に説明する。硬質炭素は炭素及び水素から構成され、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)とも呼ばれる。鉄道車両用転がり軸受装置に使用されるグリースの基油が、鉱油,ポリα−オレフィン油等の炭化水素油である場合には、硬質炭素と基油との化学構造が近いことから、硬質炭素被膜が被覆されたリップ133,134は基油に対する濡れ性が優れたものとなり、良好な潤滑状態が保たれる。
硬質炭素被膜を形成する方法としては、パルス的(断続的)に発生させたプラズマで炭化水素ガスを分解して成膜するプラズマCVD法、炭素イオン又は炭化水素イオンを用いるイオンビーム蒸着法、プラズマイオン注入法等を例示することができる。
これらの中で、ゴムの表面に硬質炭素被膜を形成可能な方法は、プラズマCVD法及びプラズマイオン注入法である。特に、プラズマイオン注入法は、ゴムの表面と硬質炭素被膜との間に、両者の密着性を向上させる傾斜組成層を形成することができ、ゴムに対する密着性に優れた硬質炭素被膜を形成することができるので、より好ましい。
ここで、プラズマイオン注入法によってゴム表面に硬質炭素被膜を形成する方法を、一例をあげて説明する。まず、アルゴンとメタンの混合ガスプラズマ(加速電圧は中電圧(−5〜−10kV)のパルス電圧)で表面スパッタを行い、ゴム表面のクリーニングを行う。次に、メタンガスプラズマ(加速電圧は比較的高電圧(−15〜−35kV)のパルス電圧)によるイオン注入を行い、ゴムの表面層(深さ0.1μm程度)を炭素とゴムとが混合したミキシング層に改質する。このミキシング層は、ゴム母材側から表面側に向かうにしたがって炭素の割合が徐々に高くなっている傾斜組成層である。
さらに、前述と同様の比較的高電圧のパルス電圧を用いて、注入した炭素原子とアセチレンに代表される直鎖状炭化水素とのバインディングを行う。続けて、加速電圧を低く(−2〜−5kV)し、プラズマガス圧を高く(0.5〜2Pa)するとともに、パルス繰り返し数を可能な限り高くして(2000〜10000pps)、十分な成膜速度で硬質炭素被膜を形成する。必要であれば、この後に、窒素,炭素等のイオン注入やアルゴンによる表面トリートメントをさらに行ってもよい。
硬質炭素被膜の膜厚は、0.5μm以上10μm以下とすることが好ましい。膜厚が0.5μm未満であると、部分的に下地が露出し摺動性,耐摩耗性等の性能が不十分となるおそれがある。一方、10μm超過であると、硬質炭素被膜の内部応力が増大して自己破壊が発生しやすくなるので、トルクの増大を招くおそれがある。このような不都合が生じにくくするためには、硬質炭素被膜の膜厚は1μm以上5μm以下とすることがより好ましく、硬質炭素被膜の成膜時間やガス圧の制御等を考えると、1μm以上3μm以下とすることがさらに好ましい。
次に、ゴム等の樹脂で構成されたシール部材132について、詳細に説明する。シール部材132のリップの硬さは、JIS K6301に規定されたスプリング硬さAスケールで、40以上90以下であることが好ましい。スプリング硬さが40未満であると、鉄道車両用転がり軸受装置の回転時にリップが必要以上に変形する。そうすると、発熱やトルク上昇が生じやすくなり、エネルギー効率が悪化する。一方、スプリング硬さが90超過であると、ゴム弾性が低下して鉄道車両用転がり軸受装置の密封性が悪くなる。このような不都合が生じにくくするためには、スプリング硬さは50以上80以下であることがより好ましい。
シール部材132は、ゴムを主成分とするゴム組成物を加硫成形することにより得られる。このゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤,加硫促進剤,加硫促進助剤,老化防止剤,補強剤,可塑剤,カップリング剤等の添加剤を適宜配合してもよい。また、補強性充填剤,加工助剤,摩耗改良剤,潤滑油,潤滑剤等を、必要に応じてさらに添加してもよい。
ゴムとしては、天然ゴム(NR),イソプレンゴム(IR),スチレンブタジエンゴム(SBR),ブタジエンゴム(BR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),ブチルゴム(IIR),エチレンプロピレンゴム(EPDM),ウレタンゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,アクリルゴム等があげられる。これらの中でも、耐摩耗性,耐油性,耐熱性,耐グリース性のバランスを考えると、ニトリルゴム及びアクリルゴムが好ましい。
加硫剤(架橋剤)としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄等の各種硫黄や、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を生成可能な硫黄化合物や、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物等があげられる。
また、硫黄系の加硫剤を用いた場合は、グアニジン系化合物,アルデヒド−アンモニア系化合物,チアゾール系化合物,チオウレア系化合物,スルフェンアミド系化合物,チウラム系化合物,ジチオカルバメート系化合物,キサンテート系化合物等の加硫促進剤を併用してもよい。加硫剤として高分散性硫黄を使用した場合には、チウラム系化合物であるテトラメチルチウラムジスルフィド等又はスルフェンアミド系化合物であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、チアゾール系化合物である2−メルカプトベンゾチアゾール等とを併用してもよい。なお、加硫促進剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物,金属炭酸塩,金属水酸化物,ステアリン酸等の有機酸とその誘導体,及びアミン類等があげられる。なお、加硫促進助剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。ゴム組成物に配合される加硫促進剤と加硫促進助剤との合計量は、通常は、ゴム100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下である。
なお、ゴムがカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムである場合には、加硫促進助剤として酸化亜鉛を用いると早期加硫を生じやすいため、過酸化亜鉛とステアリン酸とを併用することが好ましい。過酸化亜鉛は、ゴム組成物の混練り加工時の温度ではそのままゴム組成物中に存在し、加硫成形時に酸化亜鉛を生じるため、混練り加工時及び保管時に早期加硫を生じることがない。
さらに、酸化劣化を防止する老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物,芳香族第二級アミン類,モノフェノール誘導体,ビス又はポリフェノール誘導体,ヒドロキノン誘導体,硫黄系老化防止剤,リン系老化防止剤等があげられる。この中でも、アミン・ケトン縮合生成物系の2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、ジフェニルアミンとアセトンとの縮合反応物、芳香族第二級アミン系のN,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等が特に好ましい。
さらに、熱分解を防止して耐熱性を向上するため、上記の老化防止剤とともに2次老化防止剤を併用してもよい。2次老化防止剤としては、硫黄系化合物である2−メルカプトベンズイミダゾール,2−メルカプトメチルベンズイミダゾール,及びこれらの亜鉛塩等があげられる。
さらに、日光又はオゾンの作用による亀裂が生じることを抑制する日光亀裂防止剤として、融点が55〜70℃程度のワックス類を、ゴム100質量部に対して0.5質量部以上2質量部以下程度添加してもよい。0.5質量部未満であると、オゾンの作用による亀裂を防止する効果がほとんど得られず、また、2質量部超過であると、不必要なワックス類がゴム組成物の表面に滲み出してくるため、加工性に問題が生じるおそれがある。
さらに、成形性を向上させる必要がある場合には、上記のような添加剤の他に、加工助剤として可塑剤が適宜添加される。ただし、成形に特に問題がない場合は添加しなくてもよい。添加する場合は、ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下添加すればよく、必要以上に添加すると、ゴム組成物が軟化するとともに、完全に混合されずにブリードアウトが生じるおそれがある。
可塑剤の具体例としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル,アジペート系可塑剤,セバケート系可塑剤,ホスフェート系可塑剤,ポリエーテル系可塑剤,ポリエステル系可塑剤,ポリエーテルエステル系可塑剤,液状ゴム等があげられる。ただし、近年問題となっている環境ホルモン問題を考慮すると、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル以外のものを用いることが好ましい。
さらに、カップリング剤としては、シラン系,アルミニウム系,チタネート系のカップリング剤があげられる。例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等である。
さらに、補強性充填剤としては、カーボンブラックや白色系充填剤等があげられる。カーボンブラックとしては、具体的には、SAF(Super Abrasion Furnace black),ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace black ),HAF(High Abrasion Furnace black ),MAF(Medium Abrasion Furnace black ),FEF(Fast Extruding Furnace black),GPF(General Purpose Furnace black ),SRF(Semi-Reinforcing Furnace black),FT(Fine Thermal Furnace black),MT(Medium Thermal Furnace black)等を例示することができる。補強性及び追従性を考慮すると、HAF,FEF,SRFがより好ましい。
白色系充填剤としては、具体的には、各種シリカ,塩基性炭酸マグネシウム,活性化炭酸カルシウム,特殊炭酸カルシウム,超微粉ケイ酸マグネシウム,クレー,タルク,珪藻土,ウォラストナイト等があげられる。
補強性充填剤の添加量は、カーボンブラックの場合は、ゴム100質量部に対し20質量部以上90質量部以下とすることが好ましい。20質量部未満であると十分な補強性が発現されず、また、90質量部超過であると、ゴム組成物の硬さが高くなるとともに伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
白色系充填剤の場合は、ゴム100質量部に対し20質量部以上150質量部以下とすることが好ましい。20質量部未満であると十分な補強性が発現されず、また、150質量部超過であると、ゴム組成物の硬さが高くなるとともに伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
さらに、補強性充填剤としてカーボンブラックと白色系充填剤とを混合して使用した場合は、ゴム100質量部に対し、合計で20質量部以上200質量部以下とすることが好ましい。このうち、カーボンブラックは10質量部以上90質量部以下で、白色系充填剤は10質量部以上110質量部以下である。補強性充填剤が20質量部未満であると十分な補強性が発現されず、また、200質量部超過であると、ゴム材料組成物の硬度が高くなるとともに伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては鉄道車両用転がり軸受装置の例として、軸受が円錐ころ軸受である場合をあげて説明したが、軸受は他種のものでもよい。例えば、深溝玉軸受,アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。また、軸受は複列に限らず、単列でもよい。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。下記の各種材料を表1に示すような組成(単位は質量部である)で配合して、ゴム組成物を製造した。
Figure 2006275231
・ゴム :ニトリルゴム(日本ゼオン株式会社製のDN3350)
・加硫剤:硫黄(鶴見化学工業株式会社製の「Sulfax PMC」)
・加硫促進剤A:テトラメチルチウラムジスルフィド(川口化学工業株式会社製の「アクセルTMT」)
・加硫促進剤B:テトラエチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業株式会社製の「ノクセラーTET」)
・加硫促進剤C:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド(川口化学工業株式会社製の「アクセルCZ−R」)
・加硫促進助剤A:ステアリン酸(花王株式会社製の「Lunac S−35」)
・加硫促進助剤B:酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製の「フランス法1号」)
・加硫促進助剤C:有機アミン(吉富製薬株式会社製の「アクチングSL」)
・可塑剤:旭電化工業株式会社製の「アデカルーブ60Z01A」
・老化防止剤A:4,4’−ビス(α, α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業株式会社製の「ノクラックCD」)
・老化防止剤B:特殊ワックス(大内新興化学工業株式会社製の「サンノック」)
・カーボンブラック:SRF(東海カーボン株式会社製の「シーストS」)
・白色系充填剤:焼成クレー(土屋カオリン工業株式会社製の「SATINTONE No.5」)
・カップリング剤:東芝シリコーン株式会社製の「TSL8380」
次に、ゴム組成物を製造する方法について説明する。加硫剤(架橋剤),加硫促進助剤以外の材料をバンバリーミキサーに投入し、混練りを行った(第一混練工程)。混練りした材料をバンバリーミキサーから取り出し、2本ロールを有するゴム用混練ロールに投入した。そして、加硫剤(架橋剤),加硫促進助剤を投入し、均一になるまで切り返し操作を行った(第二混練工程)。
得られたゴム組成物をシート状に成形し、SPCC材製の芯金とともにシール成形用の加硫金型内に入れ、加熱及び加圧することによりシートと芯金とを一体化してシールを製造した。
次に、上記のようにして得られたシールのリップに、硬質炭素被膜を形成する処理を施した。まず、シールのうち硬質炭素被膜を形成しない部分及び芯金部分にマスキングを施した後に真空容器中に入れ、株式会社栗田製作所製の3Dプラズマパック表面処理装置を用いて、リップの表面に膜厚1μmの硬質炭素被膜を形成した。なお、硬質炭素被膜の形成前に、窒素によるプラズマイオンスパッタクリーニングに続けてプラズマによるカーボンイオン注入を行い、基材と硬質炭素被膜との剥離強度を向上させる傾斜組成層(厚さは0.1μm)を形成してある。
このようにして得られた実施例1〜3のシールを、深溝玉軸受(内径17mm,外径52mm,幅16mm)に装着して試験軸受Aを製造した。また、試験軸受Aと同様の深溝玉軸受の内輪の端面に油切りに相当する間座を取り付け、さらに実施例1〜3のシールを装着して試験軸受Bを製造した。なお、試験軸受Aの場合は、シールを外輪の内周面に取り付け、硬質炭素被膜が形成されたリップを内輪の外周面に滑り接触させ、試験軸受Bの場合は、シールを外輪の端面に取り付け、硬質炭素被膜が形成されたリップを間座の外周面に滑り接触させた。また、深溝玉軸受の内輪及び外輪は軸受鋼SUJ2で構成され、通常の焼入れ及び焼戻しが施されている。さらに、間座は炭素鋼S45Cで構成され、高周波焼入れが施されている。
そして、日本精工株式会社製の回転試験機を用いてこれらの試験軸受の回転トルク(内輪回転)を測定して、その結果から摩擦係数を求めた。回転試験時の雰囲気温度は室温とし、回転速度は1000min-1とした。また、回転トルクは、90分間回転させた後の回転が安定した状態において測定した。さらに、シールのリップと内輪又は間座の外周面との接触部分は、潤滑せず乾燥状態とした。
表1に、回転試験により得られた各試験軸受の摩擦係数を示す。なお、実施例1〜3のシールを装着した試験軸受A,B(全6種)について、硬質炭素被膜が形成されていないシールを装着した軸受、すなわちシールに硬質炭素被膜が形成されていないことを除いては各試験軸受A,Bと全く同一構成の軸受(基準軸受A,B)を用意して、その摩擦係数も求めた。表1に記載の摩擦係数の数値は、各基準軸受Aの摩擦係数を100とした場合の相対値で示してある。つまり、実施例1のシールを装着した各軸受の場合は、実施例1のシールを装着した基準軸受Aを基準(100)として、試験軸受A,B及び基準軸受Bの摩擦係数を表示している。そして、表1においては、欄の左側に試験軸受、右側に基準軸受の摩擦係数を示した。
表1から分かるように、実施例1〜3のシールを装着した軸受は、間座の有無に関係なく硬質炭素被膜が形成されている試験軸受の方が基準軸受よりも摩擦係数が小さく、硬質炭素被膜の優れた効果が確認された。
また、基準軸受については、間座を有する軸受の方が間座を有していない軸受よりも摩擦係数が大きかった。これは、シール摺動面の粗さ及び材質に起因するものと考えられる。これに対して、試験軸受の場合は、間座の有無に関係なく摩擦係数はほぼ同等の値であり、基準軸受からの摩擦係数の減少率は間座を有する軸受の方が大きかった。このことから、油切りの外周面とシールとが接触する鉄道車両用転がり軸受装置に硬質炭素被膜を適用することは、鉄道車両用転がり軸受装置のシール摺動面に特有の課題を解決することに有効であると言える。
なお、油切りに相当する間座として、炭素鋼S45Cで構成され高周波焼入れが施されたものを用いたが、本発明における油切りはこのようなものに限定されるものではなく、例えば、軸受鋼で構成され焼入れが施されたものや、炭素鋼や軸受鋼で構成されリン酸塩処理や硬質クロムメッキが施されたものを用いることもできる。リン酸塩処理や硬質クロムメッキが施されたものを用いると、シールに形成した硬質炭素被膜との組合せにより更なる摩擦の低減が可能となる。
本発明に係る鉄道車両用転がり軸受装置の一実施形態を示す断面図である。 図1のA部分を拡大して示した断面図である。 シールのリップを拡大して示した断面図である。
符号の説明
100 鉄道車両用転がり軸受装置
110 軸受
111 外輪
112 内輪
115 ころ
121 油切り
130 オイルシール
132 シール部材
133 内側リップ
134 外側リップ
C 硬質炭素被膜

Claims (1)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体と、前記内輪の軸方向端部に配された油切りと、前記外輪の軸方向端部に取り付けられ前記油切りの外周面に摺接するシールと、を備える鉄道車両用転がり軸受装置において、前記シールのうち前記油切りの外周面に摺接する部分に、硬質炭素被膜を形成したことを特徴とする鉄道車両用転がり軸受装置。
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