JP2005155907A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軌道輪との滑り接触部分の潤滑性を長期間にわたって良好に維持できる接触形シールを備えた密封性の良好な転がり軸受を提供する。
【解決手段】 深溝玉軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配置された複数の転動体3と、内輪1及び外輪2の間に複数の転動体3を保持する保持器4と、ゴム組成物からなるシールリップ部51を有する接触形シール5と、を備えている。接触形シール5のシールリップ部51は、アクリルゴム,ニトリルゴム等の原料ゴムを主成分とするゴム組成物で構成されており、このゴム組成物は、油,グリース,及び潤滑剤用添加剤のうち少なくとも1つを内包するマイクロカプセルを含有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接触形シールを備えた転がり軸受に関する。
転がり軸受のシールは、外部からの異物(塵埃,水等)の侵入及び内部からの潤滑剤の漏出を防ぐためのものであるが、接触形シールにおいて良好な密封性を維持するためには、接触形シールと軌道輪との滑り接触部分の潤滑性を良好にして、接触形シールの耐摩耗性を良好にする必要がある。
特許文献1には、接触形シールと軌道輪との滑り接触部分の潤滑性を良好に維持するため、油を収納したマイクロカプセルを配合したゴム組成物で構成された接触形シールが開示されている。
特開2002−97448号公報
しかしながら、特許文献1に記載の接触形シールは、ポリマー100質量部に対してマイクロカプセルを最大50質量部配合したゴム組成物で構成されており、マイクロカプセルの含有量が非常に多い。そのため、接触形シールを転がり軸受に取り付けた際には、接触形シールが取り付けられた軌道輪との間に滑りが生じ、転がり軸受の回転時に接触形シールが固定されず滑る(回転する)ことがあった。
そこで、本発明は前述のような従来技術が有する問題点を解決し、軌道輪との滑り接触部分の潤滑性を長期間にわたって良好に維持できる接触形シールを備えた密封性の良好な転がり軸受を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方の軌道輪に取り付けられ他方の軌道輪に滑り接触する接触形シールと、を備える転がり軸受において、前記接触形シールは、前記他方の軌道輪に滑り接触する弾性部材を備え、この弾性部材は、油,グリース,及び潤滑剤用添加剤のうち少なくとも1つを内包するマイクロカプセルを含有するゴム組成物で構成されていることを特徴とする。
転がり軸受の前記他方の軌道輪と接触形シールとの滑り接触によって弾性部材が摩耗すると、ゴム組成物に含有されているマイクロカプセルが破壊する。そうすると、マイクロカプセルに内包されていた油,グリース,及び潤滑剤用添加剤のうち少なくとも1つが、前記他方の軌道輪と接触形シール(弾性部材)との滑り接触部分に供給されるため、該滑り接触部分の潤滑性が良好となり、転がり軸受の回転による騒音,振動や接触形シールの摩耗が抑制される。その結果、転がり軸受の密封性が良好となるので、転がり軸受の外部からの異物(塵埃,水等)の侵入及び内部からの潤滑剤の漏出が十分に防止される。
また、本発明に係る請求項2の転がり軸受は、請求項1に記載の転がり軸受において、前記マイクロカプセルの平均一次粒径は0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする。
マイクロカプセルの平均一次粒径が0.1μm未満であると、内包する油,グリース,潤滑剤用添加剤の量が不十分となる場合がある。一方、100μm超過であると、接触形シールの弾性部材の硬さが不適となる場合がある。このような不都合がより生じにくくするためには、マイクロカプセルの平均一次粒径は1μm以上20μm以下であることがより好ましい。
本発明の転がり軸受は、油,グリース,及び潤滑剤用添加剤のうち少なくとも1つを内包するマイクロカプセルを含有するゴム組成物で構成された接触形シールを備えているので、接触形シールと軌道輪との滑り接触部分の潤滑性が長期間にわたって良好に維持される。よって、本発明の転がり軸受は、密封性が良好である。
本発明に係る転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る転がり軸受の一実施形態である深溝玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。
図1の深溝玉軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配置された複数の転動体3と、内輪1及び外輪2の間に複数の転動体3を保持する保持器4と、ゴム組成物からなるシールリップ部(弾性部材)51を有する接触形シール5と、を備えている。また、内輪1と外輪2と接触形シール5,5とにより囲まれた空間には、油,グリース等の潤滑剤(図示せず)が充填され、接触形シール5,5により深溝玉軸受の内部に密封されている。ただし、保持器4や潤滑剤は備えていなくてもよい。
接触形シール5は、環状の板状部材である芯金52の外周縁部に断面が略V字形の係止部53が連続して形成されていて、この係止部53を、外輪2の内周面の両端部に外輪2の全周にわたって設けられている断面略V字形のシール溝21,21に嵌め込むことにより、接触形シール5,5が深溝玉軸受に装着されている。そして、接触形シール5の芯金52の内周縁部に連続して形成されているシールリップ部51は、内輪1の外周面に滑り接触していて、接触形シール5,5が外輪2の内周面と内輪1の外周面との間の開口部分を覆っている。
接触形シール5のシールリップ部51は、アクリルゴム,ニトリルゴム等の原料ゴムを主成分とするゴム組成物で構成されており、このゴム組成物は、油,グリース,及び潤滑剤用添加剤のうち少なくとも1つを内包するマイクロカプセルを含有している。
ゴム組成物中のマイクロカプセルの含有量は、ゴム組成物の主成分である原料ゴム100質量に対して1質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。このように、マイクロカプセルの含有量が適量であるため、接触形シール5を深溝玉軸受に取り付けた際に、接触形シール5と外輪2との間に滑りが生じて、深溝玉軸受の回転時に接触形シール5が固定されず滑る(回転する)ことがほとんどない。
深溝玉軸受が回転し、接触形シール5のシールリップ部51と内輪1の外周面とが滑り接触すると、シールリップ部51に若干の摩耗が生じる。そうすると、ゴム組成物に含有されているマイクロカプセルが破壊して、マイクロカプセルの内包物が、シールリップ部51と内輪1の外周面との滑り接触部分に供給される。マイクロカプセルの内包物が前記滑り接触部分に供給されると、前記滑り接触部分の潤滑性が良好になるので、深溝玉軸受の回転による騒音,振動が抑制されるとともに、回転トルクが低トルクとなる。また、回転時のシールリップ部51の摩耗が抑制される。シールリップ部51の摩耗が抑制されると、深溝玉軸受の密封性が良好となるので、深溝玉軸受の外部からの異物(塵埃,水等)の侵入及び内部からの潤滑剤の漏出が十分に防止される。
以下に、マイクロカプセルとゴム組成物とについて、詳細に説明する。
〔マイクロカプセルについて〕
マイクロカプセルを構成する材料は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂等の樹脂を含有する樹脂組成物が好ましい。具体例としては、ポリウレタン系樹脂組成物,ポリエステル系樹脂組成物,ポリアミド系樹脂組成物,ポリウレア系樹脂組成物,フェノール系樹脂組成物,ポリビニルアルコール系樹脂組成物,メラミン系樹脂組成物等があげられる。
マイクロカプセルを製造する方法は特に限定されるものではなく、内包物の性質やマイクロカプセルを構成する材料の性質等を考慮して選択される。具体例としては、界面重合法,in situ重合法,相分離法,液中乾燥法,オリフィス法,スプレードライ法,気中懸濁被覆法,ハイブリダンザー法等があげられる。
均一な粒径を有するマイクロカプセルを製造するためには、マイクロカプセルの製造条件を適宜調整することが好ましいが、粒度分布を有するマイクロカプセルから、遠心分離法やフィルター法によって均一な粒径を有するマイクロカプセルを分離してもよい。
〔マイクロカプセルに内包される油について〕
マイクロカプセルに内包される油の種類は特に限定されるものではなく、グリースや潤滑油の基油として一般的に使用される油であれば、問題なく使用することができる。
油の具体例としては、鉱油,合成油,及び動植物油等があげられる。鉱油としては、パラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,及びこれらの混合油等があげられるが、減圧蒸留,溶剤脱れき,溶剤抽出,水素化分解,溶剤脱ろう,硫酸洗浄,白土精製,水素化精製等のうち少なくとも1つにより、粘度指数が100以上となるように精製した鉱油が好ましい。そして、粘度指数が120以上となるように精製した、いわゆる高精製度鉱油がより好ましい。
合成油としては、合成炭化水素油,エステル油,エーテル油,シリコーン油,フッ素油等があげられる。
このうち合成炭化水素油としては、ノルマルパラフィン,イソパラフィン,ポリブテン,ポリイソブチレン,1−デセンオリゴマー,1−デセンとエチレンとのコオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物などがあげられる。また、モノアルキルベンゼン,ジアルキルベンゼン,ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼンや、モノアルキルナフタレン,ジアルキルナフタレン,ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレンなどもあげられる。
また、エステル油としては、ジブチルセバケート,ジ(2−エチルヘキシル)セバケート,ジオクチルアジペート,ジイソデシルアジペート,ジトリデシルアジペート,ジトリデシルグルタレート,メチルアセチルリシノレート等のジエステル油や、トリオクチルトリメリテート,トリデシルトリメリテート,テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油があげられる。また、トリメチロールプロパンカプリレート,トリメチロールプロパンペラルゴネート,ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート,ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル油や、一塩基酸及び二塩基酸の混合脂肪酸と多価アルコールとのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油などもあげられる。
さらに、エーテル油としては、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリエチレングリコールモノエーテル,ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコールや、モノアルキルトリフェニルエーテル,アルキルジフェニルエーテル,ジアルキルジフェニルエーテル,テトラフェニルエーテル,ペンタフェニルエーテル,モノアルキルテトラフェニルエーテル,ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油などがあげられる。
上記以外の合成油としては、トリクレジルフォスフェート,シリコーン油,パーフルオロアルキルエーテル油などがあげられる。
また、動植物油としては、牛脂,豚脂,大豆油,菜種油,米ぬか油,ヤシ油,パーム油,パーム核油等の油脂系油又はその水素化物などがあげられる。
これらの油は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
なお、ここで示した油の中では、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート(DOS)が潤滑性の点から最も好ましい。このDOSを原料ゴムに直接混合する場合には、ゴム組成物が軟らかくなりすぎたり、DOSがブリードするため、その含有量は10質量%が上限であるが、マイクロカプセルに内包すれば含有量の上限を高めることができる。
〔マイクロカプセルに内包されるグリースについて〕
マイクロカプセルに内包されるグリースの種類は特に限定されるものではなく、潤滑剤として一般的に使用されるグリースであれば、問題なく使用することができる。例えば、増ちょう剤がリチウム石けんで、基油が鉱油,ジエステル油,多価エステル油,シリコーン油のうちの1つであるリチウム石けんグリースや、増ちょう剤がナトリウム石けんで、基油が鉱油であるナトリウム石けんグリースがあげられる。また、増ちょう剤がカルシウム石けんで、基油が鉱油であるカルシウム石けんグリース、増ちょう剤がナトリウム石けんとカルシウム石けんの混合物で、基油が鉱油である混合基グリース、増ちょう剤がカルシウム複合石けん,アルミニウム複合石けん,リチウム複合石けんのうちの1つである複合基グリース、増ちょう剤がウレア,ベントナイト,カーボンブラック,フッ素化合物,耐熱性有機化合物のうちの1つで、基油が合成油(ジエステル油,多価エステル油,合成炭化水素油,シリコーン油,フッ素油)である非石けん基グリースがあげられる。
〔マイクロカプセルに内包される潤滑剤用添加剤について〕
マイクロカプセルに内包される潤滑剤用添加剤の種類は特に限定されるものではなく、潤滑油,グリース等の潤滑剤に添加される添加剤として一般的に使用されるものであれば、問題なく使用することができる。例えば、酸化防止剤,防錆剤,極圧剤,油性剤,及び金属不活性化剤等があげられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。
酸化防止剤としては、従来のグリースに慣用される公知のものを問題なく使用することができる。例えば、アミン系酸化防止剤,フェノール系酸化防止剤,硫黄系酸化防止剤,ジチオリン酸亜鉛等である。
このうちアミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニル−1−ナフチルアミン,フェニル−2−ナフチルアミン,ジフェニルアミン,フェニレンジアミン,オレイルアミドアミン,フェノチアジン等があげられる。
また、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、p−t−ブチル−フェニルサリシレート、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−フェニルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−オクチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−6−t−ブチル−m−クレゾール、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2−n−オクチル−チオ−4,6−ジ(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のヒンダードフェノールなどがあげられる。
防錆剤としては、スルホン酸金属塩(金属はアルカリ金属,アルカリ土類金属等)やエステル類等があげられる。また、アルキルコハク酸エステル,アルケニルコハク酸エステル等のようなアルキルコハク酸誘導体,アルケニルコハク酸誘導体も、防錆剤として好ましく使用できる。
スルホン酸金属塩の具体例としては、ジノニルナフタレンスルホン酸や重質アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩(カルシウムスルフォネート,バリウムスルフォネート,ナトリウムスルフォネートなど)等があげられる。
また、エステル類の具体例としては、多塩基カルボン酸及び多価アルコールの部分エステルであるソルビタンモノラウレート,ソルビタントリステアレート,ソルビタンモノオレエート,ソルビタントリオレエート等のソルビタンエステル類や、ポリオキシエチレンラウレート,ポリオキシエチレンオレエート,ポリオキシエチレンステアレート等のアルキルエステル類などがあげられる。
さらに、極圧剤としては、リン系極圧剤,ジチオリン酸亜鉛,有機モリブデン等があげられる。油性剤としては、オレイン酸,ステアリン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコール,オレイルアルコール等のアルコールや、ステアリルアミン,セチルアミン等のアミンや、リン酸トリクレジル等のリン酸エステルや、動植物油等があげられる。さらに、金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール,亜硝酸ソーダ等があげられる。その他には、ベントン,シリカゲル等のゲル化剤や、ポリメタクリレート,ポリイソブテン,ポリスチレン等の粘度指数向上剤等も使用可能である。
〔シールリップ部について〕
次に、ゴム組成物で構成されたシールリップ部について、詳細に説明する。シールリップ部の硬さは、JIS K6301に規定されたスプリング硬さAスケールで、40以上90以下であることが好ましい。スプリング硬さが40未満であると、転がり軸受の回転時にシールリップ部が必要以上に変形する。そうすると、発熱やトルク上昇が生じやすくなり、エネルギー効率が悪化する。一方、スプリング硬さが90超過であると、ゴム弾性が低下して転がり軸受の密封性が悪くなる。このような不都合が生じにくくするためには、シールリップ部のスプリング硬さは50以上80以下であることがより好ましい。
〔ゴム組成物について〕
シールリップ部は、原料ゴムを主成分とするゴム組成物を加硫成形することによって得られる。このゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤,加硫促進剤,加硫促進助剤,老化防止剤,補強剤,可塑剤,カップリング剤等の配合剤を適宜配合してもよい。また、補強性充填剤,加工助剤,摩耗改良剤,潤滑油,潤滑剤等を、必要に応じてさらに添加してもよい。このゴム組成物の各成分の具体例について、以下に説明する。
原料ゴムとしては、天然ゴム(NR),イソプレンゴム(IR),スチレンブタジエンゴム(SBR),ブタジエンゴム(BR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),ブチルゴム(IIR),エチレンプロピレンゴム(EPDM),ウレタンゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,アクリルゴム(ACM)等があげられる。これらの中でも、耐油性,耐熱性,耐グリース性のバランスを考えると、ニトリルゴム及びアクリルゴムが好ましい。特に、グリース不足状態になると摩擦係数が大きくなるという問題点を有しているアクリルゴムの場合に、本発明は有効である。
加硫剤(架橋剤)としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、高分散性硫黄等の各種硫黄や、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を生成可能な硫黄化合物や、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物等があげられる。
また、硫黄系の加硫剤を用いた場合は、グアニジン系化合物,アルデヒド−アンモニア系化合物,チアゾール系化合物,チオウレア系化合物,スルフェンアミド系化合物,チウラム系化合物,ジチオカルバメート系化合物,キサンテート系化合物等の加硫促進剤を併用してもよい。加硫剤として高分散性硫黄を使用した場合には、チウラム系化合物であるテトラメチルチウラムジスルフィド等又はスルフェンアミド系化合物であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、チアゾール系化合物である2−メルカプトベンゾチアゾール等とを併用してもよい。なお、加硫促進剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物,金属炭酸塩,金属水酸化物,ステアリン酸等の有機酸とその誘導体,及びアミン類等があげられる。なお、加硫促進助剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。ゴム組成物に配合される加硫促進剤と加硫促進助剤との合計量は、通常は、原料ゴム100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下である。
なお、原料ゴムがカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴムである場合には、加硫促進助剤として酸化亜鉛を用いると早期加硫を生じやすいため、過酸化亜鉛とステアリン酸とを併用することが好ましい。過酸化亜鉛は、ゴム組成物の混練り加工時の温度ではそのままゴム組成物中に存在し、加硫成形時に酸化亜鉛を生じるため、混練り加工時及び保管時に早期加硫を生じることがない。
さらに、酸化劣化を防止する老化防止剤としては、アミン・ケトン縮合生成物,芳香族第二級アミン類,モノフェノール誘導体,ビス又はポリフェノール誘導体,ヒドロキノン誘導体,硫黄系老化防止剤,リン系老化防止剤等があげられる。この中でも、アミン・ケトン縮合生成物系の2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、ジフェニルアミンとアセトンとの縮合反応物、芳香族第二級アミン系のN,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等が特に好ましい。
さらに、熱分解を防止して耐熱性を向上するため、上記の老化防止剤とともに2次老化防止剤を併用してもよい。2次老化防止剤としては、硫黄系化合物である2−メルカプトベンズイミダゾール,2−メルカプトメチルベンズイミダゾール,及びこれらの亜鉛塩等があげられる。
さらに、日光又はオゾンの作用による亀裂が生じることを抑制する日光亀裂防止剤として、融点が55〜70℃程度のワックス類を、原料ゴム100質量部に対して0.5質量部以上2質量部以下程度添加してもよい。0.5質量部未満であると、オゾンの作用による亀裂を防止する効果がほとんど得られず、また、2質量部超過であると不必要なワックス類がゴム組成物の表面に滲み出してくるため、加工性に問題が生じるおそれがある。
さらに、成形性を向上させる必要がある場合には、上記のような配合剤の他に、加工助剤として可塑剤が適宜添加される。ただし、成形性に特に問題がない場合は添加しなくてもよい。添加する場合は、原料ゴム100質量部に対して3質量部以上20質量部以下添加すればよく、必要以上に添加すると、ゴム組成物が軟化するとともに、完全に混合されずにブリードアウトが生じるおそれがある。
可塑剤の具体例としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル,アジペート系可塑剤,セバケート系可塑剤,ホスフェート系可塑剤,ポリエーテル系可塑剤,ポリエステル系可塑剤,ポリエーテルエステル系可塑剤,液状ゴム等があげられる。ただし、近年問題となっている環境ホルモン問題を考慮すると、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステル以外のものを用いることが好ましい。
さらに、カップリング剤としては、シラン系,アルミニウム系,チタネート系のカップリング剤があげられる。例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等である。
さらに、補強性充填剤としては、カーボンブラックや白色系充填剤等があげられる。カーボンブラックとしては、具体的には、SAF(Super Abrasion Furnace black),ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace black ),HAF(High Abrasion Furnace black ),MAF(Medium Abrasion Furnace black ),FEF(Fast Extruding Furnace black),GPF(General Purpose Furnace black ),SRF(Semi-Reinforcing Furnace black),FT(Fine Thermal Furnace black),MT(Medium Thermal Furnace black)等を例示することができる。補強性及び追従性を考慮すると、HAF,FEF,SRFがより好ましい。
さらに、白色系充填剤としては、具体的には、各種シリカ,塩基性炭酸マグネシウム,活性化炭酸カルシウム,特殊炭酸カルシウム,超微粉ケイ酸マグネシウム,クレー,タルク,珪藻土,ウォラストナイト等があげられる。
補強性充填剤の添加量は、カーボンブラックの場合は、原料ゴム100質量部に対し20質量部以上90質量部以下とすることが好ましい。20質量部未満であると十分な補強性が発現されず、また、90質量部超過であると、ゴム組成物の硬さが高くなるとともに伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
白色系充填剤の場合は、原料ゴム100質量部に対し20質量部以上150質量部以下とすることが好ましい。20質量部未満であると十分な補強性が発現されず、また、150質量部超過であると、ゴム組成物の硬さが高くなるとともに伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
さらに、補強性充填剤としてカーボンブラックと白色系充填剤とを混合して使用する場合は、原料ゴム100質量部に対し、合計で20質量部以上200質量部以下とすることが好ましい。このうち、カーボンブラックは10質量部以上90質量部以下で、白色系充填剤は10質量部以上110質量部以下である。補強性充填剤が20質量部未満であると十分な補強性が発現されず、また、200質量部超過であると、ゴム材料組成物の硬度が高くなるとともに伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下してしまう。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては転がり軸受の例として深溝玉軸受をあげて説明したが、本発明は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。下記の各種材料を表1〜3に示すような組成(数値の単位は質量部である)で配合して、実施例1〜12及び比較例1〜4のゴム組成物を製造した。
Figure 2005155907
Figure 2005155907
Figure 2005155907
・原料ゴムA:アクリルゴム(トウペ株式会社製のAR620)
・原料ゴムB:ニトリルゴム(日本ゼオン株式会社製のDN3380)
・加硫剤A:硫黄(鶴見化学工業株式会社製の粉末硫黄)
・加硫剤B:ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(大内新興化学工業株式会社製のノクセラーPZ)
・加硫促進剤A:テトラメチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業株式会社製のノクセラーTT−P)
・加硫促進剤B:テトラエチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業株式会社製のノクセラーTET−G)
・加硫促進剤C:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業株式会社製のノクセラーCZ−G)
・加硫促進助剤A:ステアリン酸(花王株式会社製のLunac S−35)
・加硫促進助剤B:日本油脂株式会社製のNonserl SK−1
・加硫促進助剤C:半硬化牛脂脂肪酸ソーダ石けん(花王株式会社製のNSソープ)
・老化防止剤A:2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(日本メクトロン株式会社製のケミノックスCL−T−Y)
・老化防止剤B:4,4’−ビス(α, α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業株式会社製のノクラックCD)
・カップリング剤:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製のKBM803)
・可塑剤:旭電化株式会社製のアデカルーブ60Z01A
・カーボンブラック:HAF(東海カーボン株式会社製のシースト3)
・シリカ:塩野義製薬株式会社製のカープレックス#1120
・マイクロカプセル:メラミン樹脂からなるマイクロカプセルであり、内包物は40℃における動粘度が100mm2 /sの鉱油である。原料の比率及び反応時間を適宜調整した界面重合法で製造した後、遠心分離法やフィルター法で分離することにより、所望の平均一次粒径を有するマイクロカプセルを得た。
次に、ゴム組成物を製造する方法について説明する。加硫剤,加硫促進剤以外の材料をバンバリーミキサーに投入し、混練りを行った(第一混練工程)。混練りした材料をバンバリーミキサーから取り出し、2本ロールを有するゴム用混練ロール機に投入した。そして、加硫剤,加硫促進剤を投入し、均一になるまで切り返し操作を行った(第二混練工程)。
得られたゴム組成物をシート状に成形し、SPCC材製の芯金とともにシール成形用の加硫金型内に入れ、加熱及び加圧することにより加硫するとともにシートと芯金とを一体化してシールを製造した。
このようにして得られたシールを、深溝玉軸受(内径17mm,外径52mm,幅16mm)に組み込んで試験軸受を得て、この試験軸受を日本精工株式会社製の回転試験機(内輪回転)に装着し下記のような各種試験を行った。なお、シールは外輪の内周面に取り付け、内輪の外周面に滑り接触するものとした。また、深溝玉軸受の内部空間には、該軸受空間容積の15%のグリース(協同油脂株式会社製のマルテンプSRL)が封入してある。
さらに、ゴム組成物をシート状に成形したものについて引張試験を行い、引張強度(破断強度)を測定した。
以下に、各種試験の内容と試験条件について説明する。
〔試験A:シール滑り試験について〕
回転試験終了後に、外輪に対してシールの滑り(回転)が生じた試験軸受の個数を確認した。回転試験に供した試験軸受の数は20個であり、回転試験時の雰囲気温度は室温である。また、回転条件は、回転速度8000min-1での回転を5分間行った後に、5分間回転を停止するというサイクルを、連続して5サイクル行うというものである。試験Aの結果を表4に示す。
Figure 2005155907
〔試験B:シール摩耗試験について〕
回転試験終了後に、シールリップ部の摩耗量を測定した。回転試験に供した試験軸受の数は2個であり、この2個の試験軸受の平均値を試験結果とした。また、回転試験時の雰囲気温度は室温であり、回転速度は2000min-1、試験時間は200時間とした。試験Bの試験結果を表4に示す。
なお、表4に示した摩耗量の数値は、原料ゴムがアクリルゴム(ACM)の場合は、マイクロカプセルの含有量が0質量部である比較例1の摩耗量を100とした場合の相対値で示してあり、原料ゴムがニトリルゴム(NBR)の場合は、マイクロカプセルの含有量が0質量部である比較例3の摩耗量を100とした場合の相対値で示してある。
〔試験C:トルク試験について〕
回転試験中の試験軸受の回転トルクを測定した。試験条件は試験Bと同様であり、回転開始12時間後の安定した回転トルクを測定した。試験Cの試験結果を、表4及び図2に示す。
なお、表4及び図2に示した回転トルクの数値は、原料ゴムがアクリルゴムの場合は、マイクロカプセルの含有量が0質量部である比較例1の回転トルクを100とした場合の相対値で示してあり、原料ゴムがニトリルゴムの場合は、マイクロカプセルの含有量が0質量部である比較例3の回転トルクを100とした場合の相対値で示してある。
〔試験D:グリース漏洩試験について〕
外輪温度120℃、ラジアル荷重及びアキシアル荷重98N、回転速度10000min-1で20時間連続して回転させ、回転中に試験軸受から漏洩したグリース量を測定し、初期のグリース封入量からグリースの漏洩率を算出した。シールの滑りが生じた場合でも、回転試験は続行した。なお、試験Dの場合のみ、深溝玉軸受へのグリースの封入量は、軸受空間容積の35%とした。試験Dの試験結果を、表4及び図3に示す。
〔試験E:引張試験について〕
ゴム組成物をシート状に成形したものからJIS3号試験片を得て、室温にて引張試験を行い、引張強度(破断強度)を測定した。試験Eの試験結果を、表4及び図4に示す。なお、表4及び図4に示した引張強度の数値は、原料ゴムがアクリルゴムの場合は、マイクロカプセルの含有量が0質量部である比較例1の引張強度を100とした場合の相対値で示してあり、原料ゴムがニトリルゴムの場合は、マイクロカプセルの含有量が0質量部である比較例3の引張強度を100とした場合の相対値で示してある。
表4及び図2から分かるように、マイクロカプセルを含有するゴム組成物でシールリップ部が構成されたシールは耐摩耗性が優れており、該シールを備えた深溝玉軸受は低トルクであった。また、マイクロカプセルの含有量を適切に調節することにより、シールの滑り及び引張強度の低下が抑制された。図2〜4のグラフから、マイクロカプセルの含有量は1質量部以上30質量部以下が好ましいことが分かる。そして、図2,3のグラフから、マイクロカプセルの含有量の下限値は5質量部とすることがより好ましいことが分かり、図3,4のグラフから、マイクロカプセルの含有量の上限値は20質量部とすることがより好ましいことが分かる。
なお、マイクロカプセルにグリースを内包する場合は、軸受内部に封入したグリースと同一のグリースを内包すると、前述の種々の効果がより発揮される。
次に、実施例3のゴム組成物において、マイクロカプセルの平均一次粒径のみを種々変更したものを用意した。そして、これらのゴム組成物から製造したシールを深溝玉軸受に組み込んで、前述の試験A〜Dを行った。また、これらのゴム組成物からJIS3号試験片を得て、室温にて引張試験(試験E)を行った。結果を表5に示す。なお、ゴム組成物の製造方法、シールの製造方法、深溝玉軸受の構成、及び各種試験の方法については、前述のものと全く同様であるので、その説明は省略する。
Figure 2005155907
表5から分かるように、マイクロカプセルの平均一次粒径によって、シールの滑り,シールの耐摩耗性,深溝玉軸受の回転トルク,グリースの漏洩量,及び引張強度を好適なものに調整することが可能であった。そして、表5から、マイクロカプセルの平均一次粒径は0.1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましいことが分かる。
本発明の転がり軸受は、高温,高速,高荷重条件下で、しかも水,塵埃等の異物が侵入しやすいような条件下での使用に好適である。例えば、本発明の転がり軸受は、自動車の電装部品、自動車のエンジン補機(オルタネータ,中間プーリ,カーエアコンディショナ用電磁クラッチ,水ポンプ,ハブユニット等)、ガスヒートポンプ用電磁クラッチ、コンプレッサ等に使用される転がり軸受として好適である。
本発明に係る転がり軸受の一実施形態である深溝玉軸受の構造を示す部分縦断面図である。 マイクロカプセルの含有量と深溝玉軸受の回転トルクとの相関を示すグラフである。 マイクロカプセルの含有量と深溝玉軸受からのグリースの漏洩率との相関を示すグラフである。 マイクロカプセルの含有量と引張強度との相関を示すグラフである。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 転動体
5 接触形シール
51 シールリップ部

Claims (2)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記内輪及び前記外輪のいずれか一方の軌道輪に取り付けられ他方の軌道輪に滑り接触する接触形シールと、を備える転がり軸受において、
    前記接触形シールは、前記他方の軌道輪に滑り接触する弾性部材を備え、この弾性部材は、油,グリース,及び潤滑剤用添加剤のうち少なくとも1つを内包するマイクロカプセルを含有するゴム組成物で構成されていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記マイクロカプセルの平均一次粒径は0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
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