JP2006275006A - V型エンジンのシリンダブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】バンク部間の谷間の底部に溜まった水を排出することができると共に優れた強度を有するV型エンジンのシリンダブロックを提供することを課題とする。
【解決手段】2つのバンク部の間に形成された谷間の底部に水が溜まると、この水は排水路6に沿ってブロック後端壁部7の水抜き孔8へ導かれ、この水抜き孔8を介してシリンダブロック後方へ排出される。ここで、ブロック後端壁部7は、いずれの主軸受け壁13の中心線からも離間した位置に形成されているため、主軸受け壁13に加わるエンジン爆発力に起因した応力が水抜き孔8に作用することが防止され、これによりシリンダブロックの強度が向上する。
【選択図】図4
【解決手段】2つのバンク部の間に形成された谷間の底部に水が溜まると、この水は排水路6に沿ってブロック後端壁部7の水抜き孔8へ導かれ、この水抜き孔8を介してシリンダブロック後方へ排出される。ここで、ブロック後端壁部7は、いずれの主軸受け壁13の中心線からも離間した位置に形成されているため、主軸受け壁13に加わるエンジン爆発力に起因した応力が水抜き孔8に作用することが防止され、これによりシリンダブロックの強度が向上する。
【選択図】図4
Description
この発明は、V型エンジンのシリンダブロックに係り、特にクランク軸に沿って直列に配置された複数のシリンダを有する2つのバンク部が互いにほぼV字状に結合するように形成されたシリンダブロックに関する。
V型エンジンのシリンダブロックは、一般に、クランク軸の軸線方向に直列に配置された複数のシリンダを有する2つのバンク部が互いにほぼV字状に結合された構造を有しており、このようなシリンダブロックでは、2つのバンク部間に形成された谷間の底部に降雨や洗車等の際に水が溜まることがある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されているV型エンジンのシリンダブロックでは、その後端部にバンク部間の谷間の底部に連通する水抜き孔を形成し、この谷間に溜まった水を水抜き孔を介して排出するように構成されている。
そこで、例えば、特許文献1に開示されているV型エンジンのシリンダブロックでは、その後端部にバンク部間の谷間の底部に連通する水抜き孔を形成し、この谷間に溜まった水を水抜き孔を介して排出するように構成されている。
しかしながら、特許文献1のシリンダブロックでは、水抜き孔が形成された後端部とクランク軸を支持する主軸受け壁とがほぼ同一面内に位置し、そのため、主軸受け壁に加わるエンジン爆発力等に起因した応力が水抜き孔に集中することによりシリンダブロックの強度が低下するおそれがある。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、バンク部間の谷間の底部に溜まった水を排出することができると共に優れた強度を有するV型エンジンのシリンダブロックを提供することを目的とする。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、バンク部間の谷間の底部に溜まった水を排出することができると共に優れた強度を有するV型エンジンのシリンダブロックを提供することを目的とする。
この発明に係るV型エンジンのシリンダブロックは、クランク軸に沿って直列に配置された複数のシリンダを有する2つのバンク部が互いにほぼV字状に結合するように形成されたV型エンジンのシリンダブロックにおいて、2つのバンク部の端部にこれら2つのバンク部の間に形成された谷間を閉じるように設けられると共に、クランク軸を支持する主軸受け壁の中心線から離間した位置に配置されるブロック端壁部を備え、2つのバンク部間の谷間の底部に溜まる水を外部に排出するための水抜き孔をブロック端壁部に形成したものである。
2つのバンク部の間に形成された谷間の底部に水が溜まると、この水はブロック端壁部の水抜き孔を介して谷間から外部へ排出される。ここで、ブロック端壁部は、主軸受け壁の中心線から離間した位置に形成されているため、主軸受け壁に加わるエンジン爆発力に起因した応力が水抜き孔に作用することが防止され、これによりシリンダブロックの強度が向上する。
ブロック端壁部は、シリンダヘッド固定用のヘッドボルトボスの中心線からも離間した位置に配置されていることが好ましい。
また、ヘッドボルトボスを補強するための補強用リブを、2つのバンク部間の谷間の底部を水抜き孔へと流れる水を阻害しないように配置することもできる。
また、ヘッドボルトボスを補強するための補強用リブを、2つのバンク部間の谷間の底部を水抜き孔へと流れる水を阻害しないように配置することもできる。
この発明によれば、バンク部間の谷間の底部に溜まった水を排出することができると共に優れた強度を有するV型エンジンのシリンダブロックを実現することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜3を参照して、この発明の実施の形態に係るV型エンジンのシリンダブロックを説明する。このシリンダブロックは、図示しないクランク軸を収容するための上部クランクケース部1と、この上部クランクケース部1からその上部にV字状に分岐するように配置された2つのバンク部2及び3とを有している。各バンク部2及び3には、クランク軸に沿って、すなわちこのシリンダブロックの前後方向に沿って、複数のシリンダ4が直列に配置されている。また、2つのバンク部2及び3の間に形成された谷間5の底部に排水路6が形成されている。また、バンク部2及び3の後端部には、これらバンク部2及び3に共通のブロック後端壁部7がバンク部2及び3間の谷間5を閉じるように配置されており、このブロック後端壁部7に排水路6に連通する2つの水抜き孔8が貫通形成されている。
図1〜3を参照して、この発明の実施の形態に係るV型エンジンのシリンダブロックを説明する。このシリンダブロックは、図示しないクランク軸を収容するための上部クランクケース部1と、この上部クランクケース部1からその上部にV字状に分岐するように配置された2つのバンク部2及び3とを有している。各バンク部2及び3には、クランク軸に沿って、すなわちこのシリンダブロックの前後方向に沿って、複数のシリンダ4が直列に配置されている。また、2つのバンク部2及び3の間に形成された谷間5の底部に排水路6が形成されている。また、バンク部2及び3の後端部には、これらバンク部2及び3に共通のブロック後端壁部7がバンク部2及び3間の谷間5を閉じるように配置されており、このブロック後端壁部7に排水路6に連通する2つの水抜き孔8が貫通形成されている。
また、2つのバンク部2及び3の互いに対向する側面には、各バンク部2及び3の上部に図示しないシリンダヘッドを固定するための複数のヘッドボルトボス9が突出しており、各ヘッドボルトボス9の側面から谷間5の底部にかけてヘッドボルトボス9の剛性を高めるための補強用リブ10が形成されている。各補強用リブ10は、谷間5の底部に形成された排水路6を遮断しないように配置されている。なお、バンク2及び3間の谷間5の底部には、その内部にオイル通路が形成されたオイル通路部材11がシリンダブロックの前後方向に沿って配置され、このオイル通路部材11の両側に排水路6がそれぞれ配置されている。また、ブロック後端壁部7の水抜き孔8の上部には、図示しないスタータを取り付けるための円形状の取り付け孔部12が形成されている。
ここで、図1におけるA−A線に沿う断面図を図4に示す。図4に示されるように、上部クランクケース部1の内側には、図示しないクランク軸を支持するための複数の主軸受け壁13がクランク軸の軸線方向に、すなわちシリンダブロックの前後方向に所定の間隔で配置されており、ブロック後端壁部7は、複数の主軸受け壁13のうち最も後部に位置する主軸受け壁13aよりもさらに後方に位置し、この主軸受け壁13aの中心線Tから離間した位置に形成されている。また、ブロック後端壁部7は、複数のヘッドボルトボス9のうち最も後部に位置するヘッドボルトボス9aよりもさらに後方に位置し、このヘッドボルトボス9aの中心線Sからも離間した位置に形成されている。すなわち、ブロック後端壁部7は、いずれの主軸受け壁13の中心線及びいずれのヘッドボルトボス9の中心線からも離間した位置にある。
次に、この発明の実施の形態に係るV型エンジンのシリンダブロックの作用を説明する。降雨や洗車等の際にバンク部2及び3間の谷間5の底部に水が溜まると、この水は排水路6に沿ってブロック後端壁部7の水抜き孔8へ導かれ、この水抜き孔8を介してシリンダブロック後方へ排出される。
ここで、ブロック後端壁部7は、それ自身によりシリンダブロックの強度向上に寄与するだけでなく、いずれの主軸受け壁13の中心線からも離間した位置に形成されることにより主軸受け壁13に加わるエンジン爆発力に起因した応力が水抜き孔8に作用することを防止でき、これにより応力集中による水抜き孔8の破断等が防止されると共に優れた強度を有するシリンダブロックを実現することができる。
ここで、ブロック後端壁部7は、それ自身によりシリンダブロックの強度向上に寄与するだけでなく、いずれの主軸受け壁13の中心線からも離間した位置に形成されることにより主軸受け壁13に加わるエンジン爆発力に起因した応力が水抜き孔8に作用することを防止でき、これにより応力集中による水抜き孔8の破断等が防止されると共に優れた強度を有するシリンダブロックを実現することができる。
また、このブロック後端壁部7は、いずれのヘッドボルトボス9の中心線からも離間した位置に形成されているため、図示しないシリンダヘッドをこのシリンダブロックに締結する締結力に起因した応力が水抜き孔8に作用することも防止でき、これによりシリンダブロックの強度をより向上させることができる。したがって、このシリンダブロックは、エンジン高出力化などに起因したエンジン爆発力やシリンダヘッド締結力の増大に対して強度的に有利な構造を有し、高い信頼性を確保することができる。
また、ヘッドボルトボス9の延長線上には補強用リブ10が排水路6を遮断しないように設けられているため、排水能力を確保しながらヘッドボルトボス9及びその周辺の強度を向上させることができ、これによりシリンダブロック全体の強度がさらに向上する。
また、ヘッドボルトボス9の延長線上には補強用リブ10が排水路6を遮断しないように設けられているため、排水能力を確保しながらヘッドボルトボス9及びその周辺の強度を向上させることができ、これによりシリンダブロック全体の強度がさらに向上する。
なお、上述の実施の形態において、水抜き孔8をブロック後端壁部7に形成したが、バンク部2及び3の前端部にブロック前端壁部が配置されている場合には、ブロック前端壁部に水抜き孔8を形成することもできる。
また、水抜き孔8の形状は、どのような形状でもよく、また、その数は1つでも3つ以上でもよい。
さらに、補強リブ10は、排水路6を遮断しないでヘッドボルトボス9の強度を向上させることができれば、どのような形状や配置にすることもできる。
また、水抜き孔8の形状は、どのような形状でもよく、また、その数は1つでも3つ以上でもよい。
さらに、補強リブ10は、排水路6を遮断しないでヘッドボルトボス9の強度を向上させることができれば、どのような形状や配置にすることもできる。
1 上部クランクケース部、2,3 バンク部、4 シリンダ、5 谷間、6 排水路、7 ブロック後端壁部、8 水抜き孔、9,9a ヘッドボルトボス、10 補強用リブ、11 オイル通路部材、12 取付け孔部、13,13a 主軸受け壁、S,T 中心線。
Claims (3)
- クランク軸に沿って直列に配置された複数のシリンダを有する2つのバンク部が互いにほぼV字状に結合するように形成されたV型エンジンのシリンダブロックにおいて、
2つのバンク部の端部にこれら2つのバンク部の間に形成された谷間を閉じるように設けられると共に、クランク軸を支持する主軸受け壁の中心線から離間した位置に配置されるブロック端壁部を備え、
前記ブロック端壁部に、2つのバンク部間の谷間の底部に溜まる水を外部に排出するための水抜き孔が形成されていることを特徴とするV型エンジンのシリンダブロック。 - 前記ブロック端壁部は、シリンダヘッド固定用のヘッドボルトボスの中心線からも離間した位置に配置されている請求項1に記載のV型エンジンのシリンダブロック。
- 前記ヘッドボルトボスを補強するための補強用リブが、2つのバンク部間の谷間の底部を前記水抜き孔へと流れる水を阻害しないように配置されている請求項1または2に記載のV型エンジンのシリンダブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005098842A JP2006275006A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | V型エンジンのシリンダブロック |
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Family
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010071262A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Honda Motor Co Ltd | V型内燃機関の排水構造 |
KR101249280B1 (ko) * | 2010-05-17 | 2013-04-01 | 지엠 글로벌 테크놀러지 오퍼레이션스 엘엘씨 | 엔진, 및 엔진 조립체 |
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2005
- 2005-03-30 JP JP2005098842A patent/JP2006275006A/ja active Pending
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