JP2003161131A - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents
内燃機関のシリンダブロックInfo
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Abstract
ンダブロック1において、オイル落とし通路11は、ボ
ス部5cに隣接して形成されているとともに上端がシリ
ンダブロック1のトップデッキ14に開口する上方通路
部15と、シリンダブロック1下部に下端が開口する下
方通路部16と、上方通路部15と下方通路部16とを
連通させる中間通路部17とからなり、中間通路部17
は、ボス部5cとシリンダブロック1のロアデッキ7と
の間に亙ってシリンダ軸線と平行に形成され、中間通路
部17を囲む外周壁のエンジン気筒列方向の一側部18
がエンジン気筒列方向でボス部5cの中心位置に対応
し、この外周壁の一側部18によって、ボス部5cの下
端とロアデッキ7とが直線的に連結されている。
Description
に関するものであって、より詳しくは、シリンダブロッ
クに形成されるオイル落とし通路の構造に関する。
は、シリンダブロック側壁のシリンダ間に形成されたボ
ス部にてボルトによりシリンダヘッドと締結されてい
る。また、シリンダブロック側壁には、シリンダヘッド
から還流する潤滑オイルを導入するオイル落とし通路が
形成されている。
れるボルト穴が形成されるため、このボス部にオイル戻
し通路を形成しようとすると、上記ボス部を大きく形成
する必要がある。そのため、上記オイル戻し通路は、上
記ボスから離れた位置に形成するのが一般的である。
による締結力は大きくシリンダボアが変形する虞がある
ため、ボス部の下端には、ボス部の剛性を高め、シリン
ダボアの変形を防止する必要があるが、上記オイル落と
し通路が上記ボス部から離れて形成されていると、上記
ボス部の下端からシリンダブロックのロアデッキに向か
って直線的に延びる補強リブを設ける必要があり、シリ
ンダブロックの重量が増加してしまうという問題があ
る。
には、図5及び図6に示すようなシリンダブロック40
が開示されている。このシリンダブロック40に設けら
れたオイル落とし通路41は、上端がシリンダブロック
40のトップデッキに開口し、下端がクランク室の上側
部に開口するよう形成され、特に、その流路断面がシリ
ンダ軸線方向で変化するよう形成されている。すなわ
ち、オイル落とし通路41の下部は、図6中の破線Rで
示すように、オイル落とし通路41の上部に比べてその
通路断面積が拡張されている。
ク1においては、オイル落とし通路41の下端がクラン
ク室の上側部に開口するよう形成されているため、クラ
ンク室内に落ちた潤滑オイルがクランクシャフトによっ
て掻き上げられ、潤滑オイル内にエアが混入してしま
い、潤滑性能が悪化してしまうという問題がある。
ブロック40のトップデッキから、シリンダブロック4
0下部のオイルパンに向かって略直線状に形成されてい
るため、クランク室内で発生したブローバイガスがオイ
ル落とし通路41を経てシリンダヘッドに直接吹き上が
ってしまう虞があり、シリンダブロック40とは別部品
となるオイルセパレータが必要となるという問題があ
る。
の発明は、シリンダブロック側壁のシリンダ間に対応す
る部分に形成されたボス部にてボルトによりシリンダヘ
ッドと締結されていると共に、シリンダヘッドから還流
する潤滑オイルをクランクケースに導入するオイル落と
し通路が上記シリンダブロック側壁に形成された内燃機
関のシリンダブロックにおいて、上記オイル落とし通路
は、上記ボス部に隣接して形成されているとともに上端
が上記シリンダブロックのトップデッキに開口する上方
通路部と、上記シリンダブロック下部に下端が開口する
下方通路部と、上記上方通路部と上記下方通路部とを連
通させる中間通路部と、からなり、上記中間通路部は、
上記ボス部と上記シリンダブロックのロアデッキとの間
に亙ってシリンダ軸線と平行に形成され、上記中間通路
部を囲む外周壁のエンジン気筒列方向の一側部が上記ボ
ス部の下端と上記ロアデッキとを直線的に連結している
ことを特徴としている。ボス部には、シリンダヘッドを
シリンダブロックに締結するボルトの締結圧によってシ
リンダボアが変形しないようにするための高い剛性が要
求される。これによって、ボス部は、中間通路部を囲む
外周壁の一側部で支持される。
の発明において、上記上方通路部と上記下方通路部と
は、エンジン気筒列方向でオフセットするよう形成さ
れ、上記下方通路部の下端が、上記シリンダブロックの
バルクヘッドの下面に開口するよう形成されていること
を特徴としている。これによって、オイル戻し通路から
クランクケース内に落下する潤滑オイルは、シリンダブ
ロックのクランクケース壁面には当たらず、オイルパン
に直接落下する。
2に記載の発明において、上記上方通路部と上記中間通
路部とは、エンジン気筒列方向でオフセットするよう形
成され、上記上方通路部と上記中間通路部との接続位置
には第1段差部が形成されていると共に、上記中間通路
部の下端は上記下方通路部の上端に接続され、上記中間
通路部と上記下方通路部との接続位置において、上記中
間通路部の通路断面積が上記下方通路部の通路断面積よ
りも小さくなるよう形成され、上記中間通路部と上記下
方通路部との接続位置に第2段差部が形成されているこ
とを特徴としている。これによって、クランクケース内
で発生したブローバイガスは、クランクケースから直接
シリンダヘッドへと吹き上がらず、第1段差部及び第2
段差部に当たることになる。つまり、第1段差部及び第
2段差部にブローバイガスが当たることによって、ブロ
ーバイガスの気液分離を行うことができる。
ずれかに記載の発明において、上記上方通路部は、上記
中間通路部との接続位置から、上記シリンダブロックの
トップデッキに向かって通路断面積を拡大するようエン
ジン気筒列方向に沿って略漏斗状に形成されていること
を特徴としている。
ブロックに締結するボルトの締結圧によってシリンダボ
アが変形しないようにするための高い剛性が要求され
る。そのため、通常、ボス部の下端には補強リブが接続
されているが、請求項1の発明によれば、ボス部は、中
間通路部を囲む外周壁の一側部で支持されているので、
補強リブを設けることなくボス部の剛性を向上させるこ
とができる。また、ボス部とシリンダブロックのロアデ
ッキとの間には、中間通路部が位置しているので、ボス
部の下端に補強リブを設けた場合に比べて、シリンダブ
ロックの重量を増加させることなくボス部の剛性を向上
させることができる。
オイル戻し通路からオイルパン近傍に落下することにな
るので、クランクシャフトによって潤滑オイルが掻き上
げられることがなく、潤滑オイルにエアが混入してしま
うことを防止することができる。
内で発生したブローバイガスを、第1段差部及び第2段
差部に当てることによって、ブローバイガスの気液分離
を行うことができるので、オイル落とし通路にオイルセ
パレータを別途配置する必要がなく、シリンダブロック
のコスト低減を図ることができる。
から還流する潤滑オイルを速やかに集めることができ
る。
基づいて詳細に説明する。図1〜図4は、本発明に係る
シリンダブロック1を示すものであって、図1は側面
図、図2は平面図、図3は底面図、図4は図1のA−A
線に沿った断面図である。
直列4気筒エンジンのシリンダブロック1であって、例
えば、アルミニウム合金や鋳鉄等を用いて一体に鋳造さ
れたものである。
は、4つのシリンダ2が機関の前後方向に沿って直列に
設けられており、これら4つのシリンダ2の外周側には
ウォータジャケット3が形成されている。ここで、図2
における右側が機関前端部であり、図2の右側から左側
に向かって順に第1シリンダ2a、第2シリンダ2b、
第3シリンダ2c、第4シリンダ2dとなっている。
リンダブロック両側壁4a、4bには、ボス部5a〜5
jがそれぞれ形成されている。これらボス部5a〜5j
には、シリンダブロック1とシリンダヘッド(図示せ
ず)とを締結するためのボルト(図示せず)が挿入され
るボルト穴6がそれぞれ形成されている。
クランクケースの上部を構成するスカート部8がシリン
ダブロック1下方、すなわち図1における下方に向かっ
て形成されている。
に示すように、各気筒毎に仕切るように、気筒間位置並
びに機関の前後両端部にバルクヘッド9a〜9eがそれ
ぞれ形成されている。各バルクヘッド9a〜9eの下縁
中央部には、クランクシャフト(図示せず)の上側半分
を支持する軸受部10a〜10eがそれぞれ形成されて
いる。
シリンダヘッドから還流する潤滑オイルを導入するオイ
ル落とし通路11,12,13が形成されている。
bと第3シリンダ2cとの間に形成されたボス部5cに
隣接するよう形成されている。オイル落とし通路12
は、第3シリンダ2cと第4シリンダ2dとの間に形成
されボス部5dに隣接するよう形成されている。オイル
落とし通路13は、第3シリンダ2cと第4シリンダ2
dとの間に形成されたボス部5iに隣接するよう形成さ
れている。
図4に示すように、上端がシリンダブロック1のトップ
デッキ14に開口する上方通路部15と、シリンダブロ
ック1の下部に下端が開口する断面円形の下方通路部1
6と、上方通路部15と下方通路部16とを連通させる
断面円形の中間通路部17とからなっている。
cに隣接するよう形成され、その全長に亙って同一断面
形状となるよう形成されている。
ロアデッキ7とシリンダブロック1の下面との間に亙っ
てシリンダ軸線と平行に形成され、その下端がシリンダ
ブロック1のバルクヘッド9cの下面に開口していると
共に、その全長に亙って同一断面形状となるよう形成さ
れている。すなわち、下方通路部16のシリンダヘッド
側の部分は、シリンダブロック側壁4aの一部となるス
カート部8の外壁に形成されているものの、下方通路部
16の下側の部分は、スカート部8の外壁に近接したバ
ルクヘッド9cの端部近傍を貫通するよう形成されてい
る。
下方に位置し、下方通路部16のエンジン気筒列方向に
沿った幅W1がボス部5cのエンジン気筒列方向に沿っ
た幅W2と略等しくなるよう形成されていると共に、上
方通路部15とはエンジン気筒列方向でオフセットする
よう形成されている。
ブロック1のロアデッキ7との間に亙ってシリンダ軸線
と平行に形成されていると共に、その全長に亙って同一
断面形状となるよう形成されている。より詳しくは、中
間通路部17のエンジン気筒列方向に沿った通路幅W3
は、ボス部5cのエンジン気筒列方向に沿った幅W2の
略1/2になっている。
ン気筒列方向の一側部18は、エンジン気筒列方向でボ
ス部5cの中心位置に対応しており、この外周壁の一側
部18によって、ボス部5cの下端とロアデッキ7とが
直線的に連結されている。
とエンジン気筒列方向でオフセットするよう形成されて
おり、上方通路部15と中間通路部17との接続位置に
は第1段差部19が形成されている。
16の上端に接続されており、中間通路部17と下方通
路部16との接続位置には、第2段差部20が形成され
ている。すなわち、中間通路部17と下方通路部16と
の接続位置において、中間通路部17の通路断面積が下
方通路部の通路断面積よりも小さくなっているので、中
間通路部17と下方通路部16との接続位置に第2段差
部20が形成される。
路部15と中間通路部17との連通部分の通路面積が、
潤滑オイルの還流を妨げない必要最小限の通路面積とな
るように、ボス部5cの下端位置(中間通路部17の上
端位置)よりもシリンダブロック1のロアデッキ7側に
位置している。
ブロック1のトップデッキ7に開口する上方通路部21
と、シリンダブロック1の下部に下端が開口する断面円
形の下方通路部22と、上方通路部21と下方通路部2
2とを連通させる断面円形の中間通路部23とからなっ
ている。
び下方通路部22は、上述したオイル落とし通路11の
中間通路部17及び下方通路部16と略同一構成となっ
ているが、このオイル落とし通路12における上方通路
部21は、上述したオイル落とし通路11の上方通路部
15と異なり、中間通路部23との接続位置からシリン
ダブロック1のトップデッキ14に向かってその通路断
面積が拡大するようエンジン気筒列方向に沿って略漏斗
状に形成されている。
通路部23との接続位置に形成された第1段差部、図1
中の25は中間通路部23と下方通路部22との接続位
置に形成された第2段差部、図1中の26はこの中間通
路部23を囲む外周壁のエンジン気筒列方向の一側部で
あり、この一側部23は、エンジン気筒列方向でボス部
5dの中心位置に対応しており、この外周壁の一側部2
3によって、ボス部5dの下端とロアデッキ7とが直線
的に連結されている。また、上方通路部21の下端位置
は、上方通路部21と中間通路部23との連通部分の通
路面積が、潤滑オイルの還流を妨げない必要最小限の通
路面積となるように、ボス部5dの下端位置(中間通路
部23の上端位置)よりもシリンダブロック1のロアデ
ッキ側に位置している。
ブロック1のトップデッキ7に開口する上方通路部27
と、シリンダブロック1の下部に下端が開口する断面円
形の下方通路部28と、上方通路部27と下方通路部2
8とを連通させる断面円形の中間通路部29とからなっ
ている。このオイル落とし通路13は、上述したオイル
落とし通路11と同一構成となっており、上方通路部2
7と中間通路部29との接続位置には第1段差部(図示
せず)が形成され、中間通路部29と下方通路部28と
の接続位置には第2段差部(図示せず)が形成されてい
る。
様に、中間通路部29を囲む外周壁のエンジン気筒列方
向の一側部(図示せず)は、エンジン気筒列方向でボス
部5iの中心位置に対応しており、この外周壁の一側部
によって、ボス部5iの下端とロアデッキ7とが直線的
に連結されている。
においては、ボス部5c,5d,5iとシリンダブロッ
クのロアデッキとの間には、中間通路部17,23,2
9がそれぞれ位置しているので、ボス部5c,5d,5
iの下端に補強リブを設けた場合に比べて、シリンダブ
ロックの重量を増加させることなくボス部5c,5d,
5iの剛性を向上させることができる。特に、各中間通
路部17,23,29を囲む各外周壁のエンジン気筒列
方向の一側部18,26等(中間通路部29を囲む外周
壁の一側部については図示せず)がエンジン気筒列方向
でボス部5c,5d,5iのそれぞれの中心位置に対応
し、これら外周壁の一側部18,26等によって、ボス
部の下端5c,5d,5iとロアデッキ7とが直線的に
連結されているので、ボス部5c,5d,5iの下端に
補強リブを設けることなく、図1及び図4の斜線で示す
領域の駄肉を削除しつつ、ボス部5c,5d,5iの剛
性を向上させることができるので、シリンダブロック1
の軽量化を効果的に図ることができる。
ス部5c,5d,5iにそれぞれ隣接させることによっ
て、図2の斜線で示す領域の駄肉を削除することができ
る。
下端が、バルクヘッド9c、9dの下面に開口するよう
形成されているので、各オイル戻し通路11,12,1
3からクランクケース内に落下する潤滑オイルは、シリ
ンダブロック1のクランクケース壁面には当たらず、オ
イルパン近傍に落下することになり、クランクシャフト
によって潤滑オイルが掻き上げられることがなく、潤滑
オイルにエアが混入してしまうことを防止することがで
きる。
れぞれ第1段差部19,24及び第2段差部20,25
を有し、全体として略クランク形状となっているので、
クランクケース内で発生したブローバイガスを、第1段
差部19,24及び第2段差部20,25に当てること
によって、ブローバイガスの気液分離を行うことがで
き、オイル落とし通路11,12にオイルセパレータを
別途配置する必要がなく、シリンダブロック1のコスト
低減を図ることができる。同様に、オイル落とし通路1
3も第1段差部及び第2段差部を有し、全体として略ク
ランク形状となっているので、オイルセパレータを別途
配置する必要がない。
は、上方通路部21が略漏斗状に形成されているので、
シリンダヘッドから還流する潤滑オイルを速やかに集め
ることができ、潤滑オイルを可及的速やかにオイルパン
に落下させることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリンダブロック側壁のシリンダ間に対
応する部分に形成されたボス部にてボルトによりシリン
ダヘッドと締結されていると共に、シリンダヘッドから
還流する潤滑オイルをクランクケースに導入するオイル
落とし通路が上記シリンダブロック側壁に形成された内
燃機関のシリンダブロックにおいて、 上記オイル落とし通路は、上記ボス部に隣接して形成さ
れているとともに上端が上記シリンダブロックのトップ
デッキに開口する上方通路部と、上記シリンダブロック
下部に下端が開口する下方通路部と、上記上方通路部と
上記下方通路部とを連通させる中間通路部と、からな
り、 上記中間通路部は、上記ボス部と上記シリンダブロック
のロアデッキとの間に亙ってシリンダ軸線と平行に形成
され、上記中間通路部を囲む外周壁のエンジン気筒列方
向の一側部が上記ボス部の下端と上記ロアデッキとを直
線的に連結していることを特徴とする内燃機関のシリン
ダブロック。 - 【請求項2】 上記上方通路部と上記下方通路部とは、
エンジン気筒列方向でオフセットするよう形成され、上
記下方通路部の下端が、上記シリンダブロックのバルク
ヘッドの下面に開口するよう形成されていることを特徴
とする請求項1に記載の内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項3】 上記上方通路部と上記中間通路部とは、
エンジン気筒列方向でオフセットするよう形成され、上
記上方通路部と上記中間通路部との接続位置には第1段
差部が形成されていると共に、 上記中間通路部の下端は上記下方通路部の上端に接続さ
れ、上記中間通路部と上記下方通路部との接続位置にお
いて、上記中間通路部の通路断面積が上記下方通路部の
通路断面積よりも小さくなるよう形成され、上記中間通
路部と上記下方通路部との接続位置に第2段差部が形成
されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
内燃機関のシリンダブロック。 - 【請求項4】 上記上方通路部は、上記中間通路部との
接続位置から、上記シリンダブロックのトップデッキに
向かって通路断面積を拡大するようエンジン気筒列方向
に沿って略漏斗状に形成されていることを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のシリンダブロ
ック。
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