JP2006274057A - 冷凍機油 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱・加水分解安定性,冷媒との相溶性及び潤滑性にも優れた冷凍機油の提供。
【解決手段】 本発明の冷凍機油は、下記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とする。(a)脂環式環及び2個以上のカルボキシ基を有し且つ前記カルボキシ基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体(b)下記一般式(1)で表される化合物を含むアルコール R−(OR−OH (1)[式中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rはアルキレン基を示し、mは1以上の整数を示す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は冷凍機油に関する。
近年、オゾン層破壊問題や地球温暖化問題の観点から、冷媒代替化や冷凍システムの高効率化が検討されている。冷媒代替化においては、CFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)等の塩素含有冷媒からHFC(ハイドロフルオロカーボン)への切り替えが進められている。またその一方で、HFC冷媒も地球温暖化問題の観点からは規制の対象となり得るため、二酸化炭素やアンモニア、ハイドロカーボン等の自然系冷媒の適用が検討されている。
このような冷媒代替化の動きにあわせて、代替冷媒用冷凍機油の開発が進められている。冷凍機油には、潤滑性、冷媒相溶性、熱・加水分解安定性、電気絶縁性、低吸湿性等多くの性能が要求されるため、冷媒の種類や用途によってこれら要求性能を満たす化合物が選択される。例えばHFC用冷凍機油としては、冷媒との相溶性を有するエステルやエーテル、カーボネート等の含酸素化合物、あるいは冷媒相溶性に劣るものの潤滑性や熱・加水分解安定性に優れたアルキルベンゼン等が使用されている。
上記の代替冷媒用冷凍機油のうち、エステル系冷凍機油の例としては脂環式多価カルボン酸エステルが挙げられる(例えば、下記特許文献1を参照。)。
特開平9−221690号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の脂環式多価カルボン酸エステルであっても、冷凍機油として実用に供し得るためには未だ改善の余地がある。例えば、構成アルコールとしてアルキル基の炭素数が大きいものを用いた場合、得られる脂環式多価カルボン酸エステルは比較的良好な熱・加水分解安定性を示すが、当該炭素数の増加に伴い冷媒との相溶性が低下してしまう。一方、冷媒との相溶性を確保するために構成アルコールとしてアルコールの炭素数が小さいものを用いた場合、得られる多環式多価カルボン酸エステルは熱・加水分解安定性に劣る上、潤滑性も十分とはいえない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性の全てを高水準でバランスよく達成することが可能な冷凍機油を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍機油は、下記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とする。
(a)脂環式環及び2個以上のカルボキシ基を有し且つ前記カルボキシ基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体
(b)下記一般式(1)で表される化合物を含むアルコール
HO−(RO)−R (1)
[式中、Rはアルキレン基を示し、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、mは1以上の整数を示す。]
本発明によれば、酸成分及びアルコール成分としてそれぞれ上記化合物(a)及び(b)を用いて脂環式多価カルボン酸エステル化合物を構成し、その脂環式多価カルボン酸エステル化合物を冷凍機油に含有せしめることで、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性、更には電気絶縁性の全てを高水準でバランスよく達成することが可能となる。
本発明によれば、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性の全てを高水準でバランスよく達成することが可能な冷凍機油が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の冷凍機油は、下記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有する。
(a)脂環式環及び2個以上のカルボキシ基を有し且つ前記カルボキシ基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体(以下、単に「(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体」という。)
(b)下記一般式(1)で表される化合物を含むアルコール(以下、単に「(b)アルコール」という。)
−(OR−OH (1)
[式中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rはアルキレン基を示し、mは1以上の整数を示す。]
本発明において酸成分として用いられる(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体としては、脂環式環と2個以上のカルボキシル基とを有することが必要である。カルボキシル基が1個である場合には、冷媒相溶性や熱・加水分解安定性が不十分となる。また、カルボキシル基の個数には特に上限値はないが、好ましくは4個以下であり、より好ましくは3個以下であり、最も好ましくは2個である。カルボキシル基の個数が前記上限値を超えると、得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物の低温流動性が不十分となる傾向にある。
また、(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体が有するカルボキシル基のうち少なくとも2個は、脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合していることが必要である。脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した2個のカルボキシル基を有さない場合には、得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物の熱・加水分解安定性が不十分となる。
(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体におけるカルボキシル基の立体配置については特に制限はなく、脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合するカルボキシル基の配向に関してcis体、trans体のいずれであってもよい。また、cis体又はtrans体を単独で用いてもよく、両者の混合物として用いてもよい。しかしながら、熱・加水分解安定性の観点からはcis体が好ましく、熱・加水分解安定性と潤滑性の両立という観点からはtrans体が好ましい。また、cis体とtrans体との混合物を用いる場合、そのモル比は好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは25/75〜75/25、さらに好ましくは30/70〜70/30である。cis体とtrans体とのモル比が前記の範囲内であると、より高い潤滑性とより高い熱・加水分解安定性とを両立することができる。
本発明で用いられる脂環式多価カルボン酸としては、シクロアルカンポリカルボン酸、シクロアルケンポリカルボン酸等のうち、カルボキシル基の少なくとも2個が脂環式環上の互いに隣接した炭素原子に結合したものが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。このような構造を有する脂環式多価カルボン酸としては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸が挙げられる。このうち、得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物の長期又は過酷な条件下での使用時における粘度の上昇を抑えるという観点からは、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸が好ましく、一方長期又は過酷な条件下での使用時における酸価の上昇を抑えるという観点からは、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸が好ましい。また、これらの脂環式多価カルボン酸の脂環式環にメチル基等の置換基が結合したものを用いてもよい。
また、脂環式多価カルボン酸の誘導体としては、脂環式多価カルボン酸の酸無水物、エステル、酸ハロゲン化物等が挙げられ、より具体的には、上記脂環式多価カルボン酸の説明において例示された化合物の酸無水物、エステル、酸ハロゲン化物等が挙げられる。
(a)脂環式多価カルボン酸及びその誘導体の製造方法には特に制限はなく、任意の方法で得られたものが使用可能である。具体的には例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸は、ブタジエンとマレイン酸無水物とを、ベンゼン溶媒中、100℃で反応せしめて得ることができる。
また、脂環式カルボン酸エステル化合物を構成する(b)アルコールは、上記一般式(1)で表される化合物を含むものである。
上記一般式(1)中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示す。Rで示される1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられ、中でもアルキル基が好ましく、炭素数1〜30のアルキル基がより好ましい。
で示される炭素数1〜30のアルキル基は直鎖状又は分枝状のいずれであってもよいが、潤滑性の点からは直鎖状アルキル基が好ましく、また、熱・加水分解安定性及び冷媒相溶性の点からは分枝状アルキル基が好ましい。
で示される炭素数1〜30のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が例示できる。これらの中でも、冷媒との相溶性の点から、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が一層好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
また、上記一般式(1)中、Rはアルキレン基を示し、当該アルキレン基は直鎖状又は分枝状のいずれであってもよい。Rで示されるアルキレン基の炭素数は、冷媒との相溶性の点から、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である。好ましいアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、直鎖状又は分枝状のプロピレン基、直鎖状又は分枝状のブチレン基などが挙げられる。これらのアルキレン基の中でも、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、エチレン基が特に好ましい。
また、上記一般式(1)中のmは1以上の整数である。冷媒との相溶性の点から、mは1〜6の整数であることが好ましく、1〜4の整数であることがより好ましく、1〜3の整数であることが更に好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の好ましい例としては、カルビトール(COCHCHOCHCHOH)、ブチルカルビトール(COCHCHOCHCHOH)、セロソルブ(COCHCHOH)、ブチルセロソルブ(COCHCHOH)などが挙げられる。
本発明にかかる(b)アルコールの好ましい例として、下記(b−1)〜(b−4)に示すアルコールが挙げられる。
(b−1)上記一般式(1)で表される化合物のみからなるアルコール
(b−2)上記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを含む混合アルコール
(b−3)上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールとを含む混合アルコール
(b−4)上記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物と、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールとを含む混合アルコール。
−OH (2)
[式中、Rは1価の炭化水素基を示す。]
上記一般式(2)中、Rで示される1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられ、中でもアルキル基が好ましく、炭素数2〜18のアルキル基がより好ましく、炭素数3〜12のアルキル基が更に好ましく、炭素数4〜9のアルキル基が特に好ましい。なお、Rがアルキル基である場合、当該アルキル基は直鎖状又は分枝状のいずれであってもよいが、潤滑性の点からは直鎖状アルキル基が好ましく、また、熱・加水分解安定性及び冷媒相溶性の点からは分枝状アルキル基が好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物としては、より具体的には、一価アルコール、一価フェノール等が挙げられる。これらの中でも、炭素数3〜18の直鎖状の一価アルコール、炭素数3〜18の分枝状の一価アルコール又は炭素数5〜10の一価シクロアルコールを用いることが好ましい。このような一価アルコールとしては、具体的には、直鎖状又は分枝状のプロパノール(n−プロパノール、1−メチルエタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のブタノール(n−ブタノール、1−メチルプロパノール、2−メチルプロパノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のペンタノール(n−ペンタノール、1−メチルブタノール、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のヘキサノール(n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のヘプタノール(n−ヘプタノール、1−メチルヘキサノール、2−メチルヘキサノール、3−メチルヘキサノール、4−メチルヘキサノール、5−メチルヘキサノール、2,4−ジメチルペンタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のオクタノール(n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のノナノール(n−ノナノール、1−メチルオクタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、1−(2’−メチルプロピル)−3−メチルブタノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のデカノール(n−デカノール、iso−デカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のウンデカノール(n−ウンデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のドデカノール(n−ドデカノール、iso−ドデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のトリデカノール、直鎖状又は分枝状のテトラデカノール(n−テトラデカノール、iso−テトラデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のペンタデカノール、直鎖状又は分枝状のヘキサデカノール(n−ヘキサデカノール、iso−ヘキサデカノール等を含む)、直鎖状又は分枝状のヘプタデカノール、直鎖状又は分枝状のオクタデカノール(n−オクタデカノール、iso−オクタデカノール等を含む)、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらの中でも、2−メチルプロパノール(イソブチルアルコール)、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノールが特に好ましい。
また、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールとは、すなわち一般式(1)中のRが水素原子である化合物(HO−(RO)−H)以外の多価アルコールを意味する。かかる多価アルコールは、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜8のものであり、その分子中にはエーテル結合が含まれていてもよい。このような多価アルコールとしては、具体的には例えば、グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタパン、ペンタエリスリトール、1,3,5,−ペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、イソソルバイド、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、メチルグルコシド、並びにこれらの部分エーテル化物等が挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールとして、上記多価アルコールの縮合物を用いることもできる。かかる多価アルコール縮合物は、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8の多価アルコールを縮合させて得られるものである。電気特性や製造容易性の観点から、多価アルコール縮合物の縮合度は好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜5である。このような構造を有する多価アルコール縮合物としては、具体的には例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ジ(ネオペンチルグリコール)、トリ(ネオペンチルグリコール)、テトラ(ネオペンチルグリコール)、ペンタ(ネオペンチルグリコール)、ジ(トリメチロールエタン)、トリ(トリメチロールエタン)、テトラ(トリメチロールエタン)、ペンタ(トリメチロールエタン)、ジ(トリメチロールプロパン)、トリ(トリメチロールプロパン)、テトラ(トリメチロールプロパン)、ペンタ(トリメチロールプロパン)、ジ(トリメチロールブタン)、トリ(トリメチロールブタン)、テトラ(トリメチロールブタン)、ペンタ(トリメチロールブタン)、ジ(ペンタエリスリトール)、トリ(ペンタエリスリトール)、テトラ(ペンタエリスリトール)、ペンタ(ペンタエリスリトール)等が挙げられる。
上記(b−2)の混合アルコールにおける各アルコールの含有割合は特に制限されないが、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性の点から、(一般式(1)で表される化合物/一般式(2)で表される化合物)の比が、モル比で、10/90〜90/10であることが好ましく、80/20〜20/80であることがより好ましく、70/30〜30/70であることが更に好ましく、60/40〜40/60であることが特に好ましい。
また、(b−3)の混合アルコールにおいて、上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールとを含む混合アルコールとの含有割合は特に制限されないが、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性の点から、(一般式(1)で表される化合物/一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコール)の比が、モル比で、10/90〜90/10であることが好ましく、80/20〜20/80であることがより好ましく、70/30〜30/70であることが更に好ましく、60/40〜40/60であることが特に好ましい。
また、(b−4)の混合アルコールにおいて、上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(2)で表される化合物と、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールとの含有割合は特に制限されないが、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性の点から、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、上記一般式(2)で表される化合物が好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.2〜5モル、上記一般式(1)で表される化合物以外の多価アルコールが好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.2〜5モルである。
上記(b−1)〜(b−4)のアルコールの中でも、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性を一層高水準でバランスよく達成でき、特に熱・加水分解安定性に優れた脂環式多価カルボン酸エステル化合物を得ることができる点から、(b−2)の混合アルコールを用いることがより好ましい。さらに、(b−2)の混合アルコールとしては、下記(b−2−1)〜(b−2−12)の混合アルコールが特に好ましい。
(b−2−1)カルビトールとイソブチルアルコールとの混合アルコール
(b−2−2)カルビトールと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−3)カルビトールと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−4)ブチルカルビトールとイソブチルアルコールとの混合アルコール
(b−2−5)ブチルカルビトールと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−6)ブチルカルビトールと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−7)セロソルブとイソブチルアルコールとの混合アルコール
(b−2−8)セロソルブと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−9)セロソルブと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−10)ブチルセロソルブと2−エチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−11)ブチルセロソルブと3,5,5−トリメチルヘキサノールとの混合アルコール
(b−2−12)ブチルセロソルブとイソブチルアルコールとの混合アルコール
ここで、(a)脂環式多価カルボン酸及びその誘導体として脂環式ジカルボン酸を、(b)アルコールとして(b−2)の混合アルコールをそれぞれ用いた場合に得られる脂環式ジカルボン酸エステル化合物について詳述する。このような酸成分とアルコール成分との組合せで得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物は、通常、下記一般式(3)〜(5)で表される化合物の混合物である。
Figure 2006274057
Figure 2006274057
Figure 2006274057
上記一般式(3)〜(5)中、Xは2個の炭素原子と共に脂環式環を構成する原子群を示す。Xで示される原子群及び2個の炭素原子で構成される脂環式環としては、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロヘプテン環等が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。これらの中では、シクロヘキサン環およびシクロヘキセン環が好ましい。さらに、シクロヘキサン環は長期又は過酷な条件下での使用時において粘度上昇が小さいことからより好ましく、シクロヘキセン環は長期又は過酷な条件下での使用時において酸価の上昇が小さいことからより好ましい。
また、上記一般式(3)、(4)中のR、R及びmはそれぞれ一般式(1)中のR、R及びmと同一の定義内容を示す。さらに、上記一般式(4)、(5)中のRは一般式(2)中のRと同一の定義内容を示す。
脂環式多価カルボン酸エステル化合物が上記一般式(3)〜(5)の混合物である場合、当該混合物における各化合物の含有割合は特に制限されないが、熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性を一層高水準でバランスよく達成できる点から、上記一般式(4)で表される化合物の含有割合が、混合物全量を基準として、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。
本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物は、(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体と、(b)アルコールとを、常法に従って、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下、エステル化触媒の存在下又は無触媒下で加熱しながら、エステル化することによって得ることができる。
また、(a)として脂環式多価カルボン酸又はその誘導体として脂環式ジカルボン酸の低級アルコールエステルを用いたエステル交換反応、あるいは(b)アルコールの代わりに当該アルコールの酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を用いたエステル交換反応によって、本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を得ることも可能である。
上記のエステル化反応におけるエステル化触媒としては、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、チタン誘導体等のルイス酸類;ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等のスルホン酸類、等が例示されるが、これらの中でも、得られた脂環式ジカルボン酸エステル化合物の熱・加水分解安定性に及ぼす影響を考慮すると、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、チタン誘導体等のルイス酸類が好ましく、中でも反応効率の点でスズ誘導体が特に好ましい。また、前記エステル化触媒の使用量は、例えば、原料である酸成分及びアルコール成分の総量に対して、0.1〜1質量%程度である。
上記のエステル化反応における反応温度としては150〜230℃が例示され、通常3〜30時間で反応は完結する。
エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧下又は常圧下において留去し、引き続いて慣用の精製方法、例えば液液抽出、減圧蒸留、活性炭処理等の吸着精製処理等により、エステル化合物を精製することができる。
なお、ここではエステル化反応を利用した脂環式多価カルボン酸エステル化合物の製造方法について説明したが、本発明にかかる脂環式多価カルボン酸エステル化合物は、その分子中における酸成分の構造が(a)脂環式多価カルボン酸又はその誘導体に相当するものであり、アルコール成分の構造が(b)アルコールに相当するものである限り、その製造方法は上記のエステル化反応による方法に制限されるものではない。例えば、芳香環の互いに隣接する炭素原子に2個のカルボキシル基を有する芳香族多価カルボン酸と、(b)アルコールと、のエステル化反応により芳香族多価カルボン酸エステル化合物を得た後、得られた芳香族多価カルボン酸エステルに水素添加処理(水添処理)を行うことによって、目的の脂環式多価カルボン酸エステル化合物を得ることが可能である。
本発明の冷凍機油は、上記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物のみからなるものであってもよく、当該脂環式多価カルボン酸エステルと他の基油及び/又は添加剤との混合物であってもよいが、脂環式多価カルボン酸エステルの含有量は、冷凍機油全量基準で、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。脂環式多価カルボン酸エステル化合物の含有量が上記の条件を満たすと、脂環式多価カルボン酸エステル化合物に起因する優れた各種特性がより効果的に発揮される。
本発明の冷凍機油が上記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物以外の基油(以下、「その他の基油」という。)を含有する場合、当該その他の基油としては、ポリオールエステルやコンプレックスエステル等の、上記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物以外のエステル、ポリグリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテル等の酸素を含有する合成油が挙げられる。
本発明の冷凍機油が上記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物以外の酸素を含有する合成油を含有する場合、当該合成油の含有量は特に制限されない。しかしながら、冷凍機油の熱・加水分解安定性、冷媒との相溶性及び潤滑性の点からは、当該合成油の含有量が、質量換算で、上記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物の含有量の1.5倍以下であることが好ましく、1倍以下であることがより好ましく、0.5倍以下であることがさらに好ましく、0.25倍以下であることがさらにより好ましく、0.1倍以下であることが一層好ましく、0.05倍以下であることが特に好ましい。
本発明の冷凍機油は、上記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物及び必要に応じてその他の酸素を含有する合成油を含有するものであり、これらの成分は主として基油として用いられる。本発明の冷凍機油は、添加剤未添加の状態(すなわち基油100質量%)でも好適に用いることができるが、必要に応じて後述する各種添加剤を配合した態様で使用することもできる。
すなわち、本発明の冷凍機油の耐摩耗性、耐荷重性をさらに改良するために、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル及びチオリン酸エステルから選ばれる少なくとも1種のリン化合物を配合することができる。これらのリン化合物は、リン酸又は亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
本発明で用いられるリン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、上記の酸性リン酸エステルと、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンと、の塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等;
チオリン酸エステルとしては、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等、
が挙げられる。本発明においては、これらのリン化合物のうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の冷凍機油における上記リン化合物の含有量は特に制限されないが、冷凍機油全量基準で、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.02〜3.0質量%である。
また、本発明の冷凍機油においては、下記化合物(i)〜(viii)から選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物を配合することができる。これらのエポキシ化合物を用いると、冷凍機油の熱・加水分解安定性が向上する傾向にある。
(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(ii)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(iii)グリシジルエステル型エポキシ化合物
(iv)アリルオキシラン化合物
(v)アルキルオキシラン化合物
(vi)脂環式エポキシ化合物
(vii)エポキシ化脂肪酸モノエステル
(viii)エポキシ化植物油。
(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、フェニルグリシジルエーテル又はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものが挙げられ、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するもの、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル等が好ましいものとして例示できる。
(ii)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が例示できる。
(iii)グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、具体的には下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006274057

[式(6)中、Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表す]
上記一般式(6)中、Rで表される炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、フェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルフェニル基が好ましい。
このようなグリシジルエステル型エポキシ化合物の中でも、好ましいものとしては、具体的には例えば、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
(iv)アリルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレン等が例示できる。
(v)アルキルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサン等が例示できる。
(vi)脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(7)で表される化合物のように、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している化合物が挙げられる。
Figure 2006274057
このような脂環式エポキシ化合物としては、具体的には、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン等が例示できる。
(vii)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、具体的には、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8のアルコール又はフェノール、アルキルフェノールとのエステル等が例示できる。特にエポキシステアリン酸のブチルエステル、ヘキシルエステル、ベンジルエステル、シクロヘキシルエステル、メトキシエチルエステル、オクチルエステル、フェニルエステル及びブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。
(viii)エポキシ化植物油としては、具体的には、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物等が例示できる。
これらのエポキシ化合物の中でも、熱・加水分解安定性をより向上させることができることから、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステルが好ましく、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物がより好ましい。
本発明の冷凍機油におけるエポキシ化合物の含有量は特に制限されないが、冷凍機油全量基準で好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.2〜2.0質量%である。なお、本発明においては、上記のエポキシ化合物のうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、本発明における冷凍機油に対して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系の酸化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤;ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤;塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤;脂肪酸等の油性剤;シリコーン系化合物等の消泡剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤;粘度指数向上剤;流動点降下剤:清浄分散剤等の添加剤のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて配合することも可能である。本発明のジフルオロメタン冷媒用冷凍機油におけるこれらの添加剤の含有量の総和は、特に制限されないが、冷凍機油全量基準で好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の冷凍機油の動粘度は特に限定されないが、40℃における動粘度が好ましくは3〜100mm/s、より好ましくは4〜50mm/s、最も好ましくは5〜40mm/sとすることができる。また、100℃における動粘度は好ましくは1〜20mm/s、より好ましくは2〜10mm/sとすることができる。さらに、低粘度化しても熱・加水分解安定性が良好であるという本発明の冷凍機油の特徴は、40℃における動粘度が好ましくは5〜35mm/s、より好ましくは5〜25mm/s、さらにより好ましくは5〜20mm/s、最も好ましくは5〜15mm/sの場合により顕著となる。
また、本発明の冷凍機油の体積抵抗率は特に限定されないが、好ましくは1.0×1011Ω・cm以上、より好ましくは1.0×1012Ω・cm以上、最も好ましくは1.0×1013Ω・cm以上とすることができる。特に、密閉型冷凍機用に用いる場合には高い電気絶縁性が必要となる傾向にある。なお、本発明において、体積抵抗率とは、JIS C 2101「電気絶縁油試験方法」に準拠して測定した25℃での値を表す。
本発明の冷凍機油の水分含有量は特に限定されないが、冷凍機油全量基準で好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下とすることができる。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、油の熱・加水分解安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分含有量が少ないことが求められる。
また、本発明の冷凍機油の酸価は特に限定されないが、冷凍機又は配管に用いられている金属への腐食を防止するため、好ましくは0.1mgKOH/g以下、より好ましくは0.05mgKOH/g以下とすることができる。なお、本発明において、酸価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に準拠して測定した酸価の値を表す。
また、本発明の冷凍機油の灰分は特に限定されないが、本発明の冷凍機油の熱・加水分解安定性を高めスラッジ等の発生を抑制するため、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下とすることができる。なお、本発明において、灰分とは、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」に準拠して測定した灰分の値を表す。
本発明の冷凍機油は、HFC冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテル等の非フッ素含有エーテル系冷媒及び二酸化炭素や炭化水素等の自然系冷媒と共に好適に使用される。これらの冷媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
HFC冷媒としては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等のHFC、又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HFC−134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物等が好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、HFC−134a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物(R410A);HFC−32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)等が挙げられる。
また、自然系冷媒としては二酸化炭素や炭化水素等が挙げられる。ここで、炭化水素冷媒としては、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアルカン、シクロアルカン、アルケン又はこれらの混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン又はこれらの2種以上の混合物等があげられる。これらの中でも、プロパン、ブタン、イソブタン又はこれらの混合物が好ましい。
本発明の冷凍機油は、通常、冷凍システム内では上記冷媒と混合された冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流体組成物における冷凍機油及び冷媒の含有割合は特に制限されないが、冷凍機油の含有量が、質量換算で、冷媒の含有量の0.01〜5倍であることが好ましく、0.02〜4倍であることが好ましい。
本発明の冷凍機油は、その優れた電気特性や低い吸湿性から、あらゆる冷凍機の冷媒圧縮機の潤滑油として用いられる。使用される冷凍機としては、具体的にはルームエアコン、パッケージエアコン、冷蔵庫、自動車用エアコン、除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置等が挙げられる。また、本発明の冷凍機油は、密閉型圧縮機を有する冷凍機に特に好ましく用いられる。さらに、本発明の冷凍機油は、往復動式、回転式、遠心式等の何れの形式の圧縮機にも使用可能である。
本発明の冷凍機油は、前述の通り様々な冷凍機に好適に用いることが可能であるが、その冷凍機が備える冷媒循環サイクルの代表的な構成としては、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器、並びに必要に応じて乾燥器を具備するものが例示される。
圧縮機としては、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモーターと、前記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、前記モーターに連結された圧縮機部とを収納し、前記圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器内に滞留する高圧容器方式の圧縮機、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモーターと、前記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、前記モーターに連結された圧縮機部とを収納し、前記圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器外へ直接排出される低圧容器方式の圧縮機、等が例示される。
モーター部の電機絶縁システム材料である絶縁フィルムとしては、ガラス転移点50℃以上の結晶性プラスチックフィルム、具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド群から選ばれる少なくとも一種の絶縁フィルム、あるいはガラス転移温度の低いフィルム上にガラス転移温度の高い樹脂層を被覆した複合フィルムが、引っ張り強度特性、電気電気絶縁性の劣化現象が生じにくく、好ましく用いられる。また、モーター部に使用されるマグネットワイヤとしては、ガラス転移温度120℃以上のエナメル被覆、例えば、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド及びポリアミドイミド等の単一層、あるいはガラス転移温度の低い層を下層に、高い層を上層に複合被覆したエナメル被覆を有するものが好ましく用いられる。複合被覆したエナメル線としては、ポリエステルイミドを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/EI)、ポリエステルを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/PE)等が挙げられる。
乾燥器に充填する乾燥剤としては、細孔径3.3オングストローム以下、25℃の炭酸ガス分圧250mmHgにおける炭酸ガス吸収容量が、1.0%以下であるケイ酸、アルミン酸アルカリ金属複合塩よりなる合成ゼオライトが好ましく用いられる。具体的には例えば、ユニオン昭和(株)製の商品名XH−9,XH−10,XH−11,XH−600等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜10、比較例1〜6]
実施例1〜10及び比較例1〜6においては、それぞれ以下に示す基油及び添加剤を用いて、表1〜4に示す組成を有する冷凍機油を調製した。表1〜4には得られた冷凍機油の40℃及び100℃における動粘度、粘度指数及び酸価を併せて示す。
(基油)
基油1:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸とブチルセロソルブとを用いて得られたエステル
基油2:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とブチルセロソルブとを用いて得られたエステル
基油3:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と、セロソルブ及び2−エチルヘキサノールの混合アルコール(セロソルブ/2−エチルヘキサノール比:50/50(モル比))とを用いて得られたエステル
基油4:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と、セロソルブ及び2−エチルヘキサノールの混合アルコール(セロソルブ/2−エチルヘキサノール比:60/40(モル比))とを用いて得られたエステル
基油5:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と、セロソルブ及びイソヘプタノールの混合アルコール(セロソルブ/イソヘプタノール比:30/70)とを用いて得られたエステル
基油6:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と、セロソルブ及び3,5,5−トリメチルヘキサノールの混合アルコール(セロソルブ/3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール比:50/50)とを用いて得られたエステル
基油7:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と、カルビトール及び2−エチルヘキサノールの混合アルコール(カルビトール/2−エチルヘキサノール比:50/50)とを用いて得られたエステル
基油8:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と、カルビトール及び3,5,5−トリメチルヘキシルアルコールの混合アルコール(カルビトール/3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール比:50/50)とを用いて得られたエステル
基油9:アジピン酸と2−エチルヘキサノールとを用いて得られたエステル
基油10:アジピン酸と2−メチルノナノールとを用いて得られたエステル
基油11:セバシン酸と2−エチルヘキサノールとを用いて得られたエステル
基油12:テレフタル酸と2−エチルヘキサノールとを用いて得られたエステル
基油13:シュウ酸と3,5,5−トリメチルヘキサノールとを用いて得られたエステル
基油14:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸とウンデカノールとを用いて得られるエステル
(添加剤)
添加剤1:グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート
添加剤2:トリクレジルホスフェート。
次に、実施例1〜10及び比較例1〜6の各冷凍機油について、以下に示す試験を行った。
[冷媒との相溶性試験]
JIS−K−2211「冷凍機油」の「冷媒との相溶性試験方法」に準拠して、HFC−134a冷媒40gに対して各冷凍機油を10g配合し、−70〜40℃の間で冷媒と冷凍機油との分離温度を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。なお、表1、2中、「>40」は冷媒/冷凍機油混合物を40℃まで加温しても当該混合物が分離又は白濁していたことを意味する。また、「<−70」は冷媒/冷凍機油混合物を−70℃まで冷却しても当該混合物の分離又は白濁が見られなかったことを意味する。
[電気絶縁性試験]
JIS−C−2101「電気絶縁油試験方法」に準拠して、25℃における各冷凍機油の体積抵抗率を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。
[熱安定性試験]
JIS K 2211に準拠して、以下の手順で熱安定性試験を行った。先ず、冷凍機油1mlをシールドグラスチューブに秤取し、HFC134a冷媒1ml及び触媒(鉄、銅、アルミニウムの各線)を加えてチューブを封管した。このチューブを175℃に加熱して2週間保持した後、冷凍機油の外観、触媒の外観、析出物の有無を目視により観察した。得られた結果を表1〜4に示す。
[潤滑性試験]
ASTM D 2670“FALEX WEAR TEST”に準拠して、冷凍機油の温度100℃の条件下で、慣らし運転を150lb荷重の下に1分行った後に、250lb荷重の下に2時間試験機を運転した。各冷凍機油について試験後のテストジャーナル(ピン)の摩耗量を測定した。得られた結果を表1〜4に示す。
Figure 2006274057
Figure 2006274057
Figure 2006274057
Figure 2006274057


Claims (1)

  1. 下記化合物(a)及び(b)を用いて得られる脂環式多価カルボン酸エステル化合物を含有することを特徴とする冷凍機油。
    (a)脂環式環及び2個以上のカルボキシ基を有し且つ前記カルボキシ基の少なくとも2個が前記脂環式環上の互いに隣接する炭素原子に結合した脂環式多価カルボン酸又はその誘導体
    (b)下記一般式(1)で表される化合物を含むアルコール
    −(OR−OH (1)
    [式中、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Rはアルキレン基を示し、mは1以上の整数を示す。]

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