JP2006273747A - O/w/o型乳化化粧料 - Google Patents

O/w/o型乳化化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミドを安定に配合でき、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の使用感、後肌の保湿効果に優れたO/W/O型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】 すなわち本発明は、セラミド及びリン脂質を配合したO/W型乳化組成物を、シリコーン系界面活性剤を配合した油相中に分散することを特徴とするO/W/O型乳化化粧料を提供するものである。また、更に前記O/W/O型乳化化粧料の外相油中にシリコーン油を配合することを特徴とする前記O/W/O型乳化化粧料を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水中油型(以下O/W型と称する)乳化組成物を油相中に分散してなる油中水中油型(以下O/W/O型と称する)乳化化粧料に関するものであり、より詳細にはリン脂質で乳化したO/W型乳化組成物の内相油中にセラミドを配合し、且つ、外相油中にシリコーン系界面活性剤を配合した、O/W/O型乳化化粧料に関するものである。また、セラミドを安定に配合でき、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の使用感、後肌の保湿効果に優れたO/W/O型乳化化粧料に関するものである。
O/W/O型乳化組成物は、内相油、水相、外相油の夫々に目的の機能を持った成分を配合することにより、相溶性の悪い成分も一つの組成物に組み合わせることが可能である為、同時に様々な機能を発揮させることができる有用な組成物である。しかし、O/W/O型乳化というのは液/液の界面が系中に二種存在するため、配合する成分の組み合わせにより内相油と外相油の合一が生じる場合があり、従来より経時安定性を確保するために食品を初め、化粧料、医薬品等で様々な検討がなされていた。
一方セラミドは、角質細胞間脂質中の鍵成分として脂質バリアーを構成し、皮膚を柔軟でみずみずしく保つための重要な役割を果たしていることが知られており(例えば非特許文献1、2参照)、肌荒れを改善する手段の一つとして、角質層の水分保持力を高めるため化粧料に有効な成分である。
しかしながらセラミドは、長鎖アルキル基等の親油性基と、水酸基などの親水性基との両者を有し、高融点で結晶性が高いことから、水性溶媒、油性溶媒の何れにも溶解しにくく化粧料に安定に配合することが困難であった。特に、O/W型乳化化粧料では、セラミドは界面に配向し易いやすいので、界面付近でゲル構造を形成し、経時的に増粘やゲル化を生じる場合がった。また、このように界面付近でゲル構造を形成すると、高融点のワックスを配合したような伸び広がりの悪さや、べたつき等の好ましくない使用感を生じるという問題があった。
上述した問題を解決するために種々の検討がなされている。O/W/O型乳化化粧料に関しては、リン脂質を配合することにより内相のO/W型乳化物を安定化する技術(例えば特許文献1参照)、内相油に固体油と親水性乳化剤、外相油に液体油と親油性界面活性剤を含有させて、常温で固体の油脂を安定に配合する技術(例えば特許文献2参照)、外相油に有機変性粘土鉱物を配合することにより、安定性を改善する技術(例えば特許文献3、4参照)、シリコーン油に難溶性の油溶性薬剤を配合するために、O/W/O型乳化化粧料の内相油に薬剤を配合し、外相油にシリコーン油と有機変性粘土鉱物を配合する技術(例えば特許文献5参照)、外相油にポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコ−ンを配合し、安定性を改善する技術(例えば特許文献6参照)等が開示されている。
一方、セラミドを安定に配合するためには、セラミドとコレステロール類とを組み合わせて液晶を形成する技術(例えば特許文献7参照)、セラミドと相溶性の良い特定のパラメーターを持った油性基材(多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物)とを組み合わせる技術(例えば特許文献8参照)、セラミドの鎖状構造の炭素数に対応させた炭素数の脂肪酸と組み合わせたO/W型乳化物の製造技術(例えば特許文献9参照)、脂肪族アルコールからなる脂質組成物と組み合わせて液晶分散製剤を調製し、水中油型製品に希釈する技術(例えば特許文献10参照)等が開示されている。
DowningD.T.、et al.,J.Lipid.Res.、24、759(1983) DowningD.T.、et al.,J.Invest.Dermat.,84,410(1985) 特開2001−213749号公報 特開平3−47108号公報 特開平9−255562号公報 特開平09−276676号公報 特開平10−28858号公報 特開平11−180820号公報 特開平07−33633号公報 特開平08−109121号公報 特開2004−161655号公報 特開2004−331595号公報
しかしながら、上記従来技術によりセラミドを配合する化粧料では組み合わせる成分に制約があり、使用感を重視した化粧料の開発に制限があった。また特許文献5のようにO/W/O型乳化化粧料の最外油相にシリコーン油と有機変性粘土鉱物を含有させ、シリコーン油に難溶性の油溶性薬剤を配合した乳化技術を用いても、セラミドが内相油中で析出するという問題は解決されず、使用感が良好で安定な乳化物を作ることが困難であった。従ってセラミドが生体に対して優れたバリアー機能を有しているのもかかわらず、保湿成分として配合し、尚且つ良好な使用感の化粧料は得られていないのが現状である。
従って、セラミドを安定に配合でき、伸びの広がりの良さ、べたつきの無さ等の使用感が良好で後肌の保湿効果が高く、かつ経時安定性の良好な乳化化粧料の開発が望まれていた。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、リン脂質がセラミドの結晶化を抑えるという特性に着目し、更に、セラミドをO/W/O型乳化の内相油中に配合することにより、セラミドによる界面付近のゲル構造が使用性や粘性に影響を与えないことを見出した。そこで、セラミドを配合した油相をリン脂質により乳化して得たO/W型乳化組成物を、シリコーン系界面活性剤を配合した油相中に分散することにより、上記課題が解決され、セラミドを安定に配合でき、伸びの良さやべたつきの無さ等の使用感、後肌の保湿効果に優れたO/W/O型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。更に、外相油中にセラミドと相溶しないシリコーン油を配合することにより、べたつきが無く、さっぱりとした使用感に優れ、伸び広がりが良く、高い保湿効果及び経時安定性の良好なO/W/O型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、セラミド及びリン脂質を配合したO/W型乳化組成物が、シリコーン系界面活性剤を配合した油相中に分散していることを特徴とするO/W/O型乳化化粧料を提供するものである。また、更に前記O/W/O型乳化化粧料の外相油中にシリコーン油を配合することを特徴とする前記O/W/O型乳化化粧料を提供するものである。
本発明は、セラミドを安定に配合でき、伸び広がりの良さ、べたつきの無さ等の使用感が良好で後肌の保湿効果が高く、かつ経時安定性の良好なO/W/O型乳化化粧料を得ることができる。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明のO/W/O型乳化化粧料は、O/W型乳化組成物を油相中に分散してなるO/W/O型乳化化粧料であり、油中水中油型乳化化粧料とも称される化粧料である。そして、該内相油中にセラミドとリン脂質を配合し、且つ、該外相油中にシリコーン系界面活性剤を配合したO/W/O型乳化化粧料である。
本発明の内相油中に配合するセラミドは、公知のセラミドを使用することができ、天然セラミド、合成セラミド、プソイドセラミド(合成擬似セラミド)の何れも使用することができる。しかし、天然セラミドは価格面、純度の不安定さ面での問題により、大量に高純度品を使用することは容易ではないので、合成セラミドやプソイドセラミドを用いることが好ましい。具体的には、N−アシルスフィンゴシン、N−ヒドロキシアシルフィトスフィンゴシン、N−アシルフィトスフィンゴシンやタイプ1〜4のセラミド等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
本発明において、セラミドは、O/W/O型乳化化粧料の内相油に配合した場合のみ、著しく化粧料の経時安定性を向上させることが可能となる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、セラミドの配合量は、特に限定されないが、0.1質量%(以下、単に「%」と略す。)〜10%が好ましく、0.5〜7.0%がより好ましい。セラミドをこの範囲で配合すると、より優れた保湿効果を得ることができる。
本発明に用いられるリン脂質は、O/W型乳化組成物の乳化剤として配合されるものであり、セラミドの結晶化を抑え、化粧料の経時安定性を向上させる効果がある。このようなリン脂質は、通常の化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、大豆由来リン脂質、大豆由来水素添加リン脂質、大豆由来リゾリン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来リン脂質、卵黄由来水素添加リン脂質、卵黄由来リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質、が挙げられ、これらのリン脂質は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができ、より好ましくは、大豆由来水素添加リン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質が挙げられる。これらのリン脂質は必要に応じて一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらリン脂質は、リン脂質単独で用いて良いが、リン脂質を含有するレシチンとして、配合することも可能である。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、リン脂質の配合量は、特に限定されないが、0.05〜30%が好ましく、1〜20%がより好ましい。また、リン脂質の配合量はセラミドの配合量の0.5倍以上が好ましく、更に2倍以上がより好ましい。リン脂質をこの範囲で配合すると、乳化性及び経時安定性をより良好にすることができる。
本発明の内相油を構成する油剤は、セラミドを安定に保持し、O/W/O剤型を構成する上で、必須の成分である。このような油剤は、通常の化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、固体、半固体、液状油剤のいずれのものも使用することができ、例えば、天然動植物油脂類、及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、トウモロコシ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等;炭化水素油として、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール等;エステル油としては、オクタン酸イソオクチル、ノナン酸イソノニル、ヘキサデカン酸イソオクチル、ジイソオクタン酸プロピレングリコール、ジイソノナン酸プロピレングリコール、ジイソオクタン酸エチレングリコール、ジイソノナン酸エチレングリコール、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール、アジピン酸2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸n−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソノナン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル等;シリコーン油としては、直鎖状または分岐状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。尚、これらの中でも、液状油を選択することにより、伸び広がりの良さ、べたつき無さ等の使用感の点でより好ましい。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、内相油を構成する油剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜40%が好ましく、0.5〜30%がより好ましい。内相油を構成する油剤をこの範囲で配合すると、O/W乳化組成物の乳化性及び経時安定性をより良好にすることができる。
本発明に用いられる水は、O/W乳化組成物を構成する成分であり、O/W/O型乳化化粧料における水の配合量は、特に限定されないが、1〜90%が好ましく、10〜80%がより好ましい。水をこの範囲で配合すると、伸びの広がりの良さ、べたつきの無さ等の使用感をより良好にすることができる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、O/W型乳化組成物は、通常、公知の製造方法により調製することができる。具体的には、油剤中にセラミド及びリン脂質を分散し、これを水中に添加し、乳化させる方法等が挙げられる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、O/W型乳化組成物の配合量は、特に限定されないが、40〜95%が好ましく、より好ましくは60〜90%である。O/W型乳化組成物をこの範囲で配合すると、乳化性及び経時安定性をより良好にすることができる。
本発明に用いられるシリコーン系界面活性剤は、O/W型乳化組成物を外相油中に分散させるための乳化剤として配合するものであるが、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の優れた使用感も付与することができる。このようなシリコーン系界面活性剤は、シロキサン鎖を必須骨格とし、親油基として、長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基、長鎖アルコキシ基等を含有し、親水基としてポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン基、グリセリン骨格、ポリグリセリン骨格等を含有する化合物であれば、特に限定されない。尚、本発明に用いるシリコーン系界面活性剤は、O/W乳化組成物の外相油中への分散性、経時安定性の観点より、HLB6以下の化合物が好ましい。
このような化合物の市販品としては、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(例えば「KF−6012」、「KF−6015」、「KF−6017」、「KF−6028」、「X−22−4991」、(以上、何れも信越化学工業社製)、「NUCシリコンL7002」(日本ユニカー社製)、「ABIL EM−97」(ゴ−ルドシュミット社製))、ポリオキシアルキレン・アルキル(又はアルケニル)変性オルガノポリシロキサン(例えば「KF−6026」、(信越化学工業社製)、「ABIL EM−90」(ゴ−ルドシュミット社製))、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン(例えば「KF−6105」、(信越化学工業社製))等が挙げられ、必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、シリコーン系界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%が好ましい。シリコーン系界面活性をこの範囲で配合すると、経時安定性をより良好にすることができる。
本発明の外相を構成する油剤としては、前記した内相油を構成する油剤であれば、何れでも良いが、中でも直鎖状または分岐状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン等の低分子量の炭化水素油、オクタン酸イソオクチル、ノナン酸イソノニル、ヘキサデカン酸イソオクチル、ジイソオクタン酸プロピレングリコール、ジイソノナン酸プロピレングリコール、ジイソオクタン酸エチレングリコール、ジイソノナン酸エチレングリコール、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソノナン酸グリセリル、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール等の液状のエステル油等が好ましく、これらを必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。
中でも、セラミドと相溶性のないシリコーン油(直鎖状または分岐状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等)を外相油に配合した場合、伸び広がりの良さ、べたつきの無さ等の使用感を付与できるため、より好ましい。
本発明のO/W/O型乳化化粧料における、外相を構成する油剤の配合量は、特に限定されないが、5〜60%が好ましく、10〜40%が好ましい。外相を構成する油剤をこの範囲で配合すると、経時安定性をより良好にすることができる。
なお、本発明のO/W/O型乳化化粧料において、外相油中のシリコーン油の配合量は50%〜90%が好ましくこの範囲で配合すると、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の使用感を調整できる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料には、更に乳化安定性を向上させる成分として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム等の電解質を配合することが好ましい。このような電解質の配合量は、特に限定されないが、0.1〜5%が好ましい。
本発明のO/W/O型乳化化粧料には、前期成分の他に本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、上記成分以外の成分として、通常の化粧料に使用される、界面活性剤、ゲル化剤、粉体、アルコール、水溶性高分子、油溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌あれ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を配合することができる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料は、製造方法により限定されるものではないが、例えば、内相油を構成する油剤にセラミドとリン脂質を添加して、セラミドを溶解し、これを水中に分散し、O/W型乳化組成物を調製し、これをシリコーン系界面活性剤を配合した外相油中に、分散することにより得る方法等が挙げられる。
本発明のO/W/O型乳化化粧料の形態としては、室温下で流動性のある低粘度のものから、クリーム状、さらには固形状のものまで、各種性状のものが含まれる。また、本発明のO/W/O型乳化化粧料の用途は特に限定されず、例えば、美容液、乳液、クリーム、パック、クレンジング、洗顔クリーム、マッサージ料等のスキンケア化粧料、下地、ファンデーション、口紅、アイシャドウ、アイライナー等のメーキャップ化粧料、サンプロテクト等の日焼け止め化粧料、洗浄料、入浴剤等のボディ用化粧料、ヘアトリートメント、育毛剤等のヘアケア化粧料等が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
実施例1〜14及び比較例1〜4:O/W/O型乳化化粧料保湿クリーム
下記表1〜4に示す組成のO/W/O型乳化化粧料を調製し、(1)経時安定性、(2)使用感(伸び広がりの良さ、べたつきの無さ)、(3)保湿効果、の各評価項目について下記の方法によりに評価し、結果を併せて表1〜4に示した。
(製造方法)
A.成分1〜8を均一に混合溶解する。(70℃)
B.成分9、10を均一に混合する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。(O/W型乳化組成物を得る)
D.Cを室温まで冷却する。
E.成分11〜16を均一に混合する。(35℃以下)
F.EにDを分散する。
G.Fを容器に充填して保湿クリームを得た。(O/W/O型乳化化粧料)
〔評価方法:経時安定性〕
実施例及び比較例のO/W/O型乳化化粧料(保湿クリーム)を40℃の恒温槽に2ヶ月間保管し、外観変化を目視にて観察し以下の(A)4段階判定基準を用いて判定した。
(A)4段階判定基準
(判定) (評価)
◎ : 2ヶ月で分離が認められない
○ : 1ヶ月で分離が認められない
△ : 2週間で分離が認められる
× : 1日で分離が認められる
〔評価方法:使用感(伸びの良さ、べたつきの無さ)〕
化粧品評価専門パネル20名により、実施例及び比較例のO/W/O型乳化化粧料保湿クリームを使用してもらい、下記(B)評価基準にて5段階評価し、更にパネルの評点の平均値により(C)4段階判定基準を用いて判定した。
(B)5段階評価基準
評点): (評価)
5 : 非常に良好な使用感であった
4 : 良好な使用感であった
3 : 普通
2 : あまり良好な使用感ではなかった
1 : 良好な使用感はまったく得られなかった
(C)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
4.5以上 : ◎
3.5以上、4.5未満 : ○
2.5以上、3.5未満 : △
2.5未満 : ×
〔評価方法:保湿効果〕
化粧品評価専門パネル20名により、実施例及び比較例のO/W/O型乳化化粧料保湿クリームを一日二回、一ヶ月間使用してもらい、後肌の保湿効果を以下の(D)4段階評価基準にて評価し、更にパネルの評点の平均値により(E)4段階判定基準を用いて判定した。
(D)4段階評価基準
(評点): (評価)
5 : 非常に保湿効果があった
4 : 保湿効果があった
3 : 普通
2 : あまり保湿効果はなかった
1 : まったく保湿効果はなかった
(E)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
◎ : 平均点4.5点以上
○ : 平均点3.5点以上4.5点未満
△ : 平均点2.5点以上3.5点未満
× : 平均点2.5点未満
上記表1〜4の結果から明かなように、本発明品の実施例1〜14のO/W/O型乳化化粧料は、比較例1〜4のO/W/O型乳化化粧料に比較して、経時安定性に優れ、良好な使用感(伸びの良さ、べたつきのなさ)を有し、かつ保湿効果に優れたものであった。一方、セラミドを配合しない比較例1は保湿効果がなく、リン脂質を配合しない比較例2は経時的に分離を生じ、外相油にシリコーン系界面活性剤の代わりにセスキオレイン酸ソルビタンを配合した比較例3は経時安定性、使用感ともに劣り、特許文献5の技術を用い外相油に有機変性粘土鉱物を配合した比較例4は乳化物を形成せず、伸びの良さ、べたつきの無さにも劣っていた。
実施例15:乳液
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 4.0
2.グリセリン 7.0
3.1,3−ブチレングリコール 10.0
4.イソステアリン酸 5.0
5.コレステロール 1.0
6.セラミド2(注4) 1.0
7.精製水 残量
8.エタノール 5.0
9.メチルパラベン 0.3
10.塩化ナトリウム 1.0
11.シリコーン系界面活性剤(注5) 4.0
12.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
13.ジメチルポリシロキサン 5.0
14.香料 適量
(注4)セラミドTIC−001(高砂香料社製)
(注5)KF−6028(信越化学工業社製)
(製造方法)
A.成分1〜6を均一に混合する。(70℃)
B.成分7〜10を均一に混合する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。(O/W型乳化組成物を得る)
D.Cを室温まで冷却する。
E.Dに成分11〜14を均一に混合する。
F.EにDを分散する。
G.Fを容器に充填して乳液を得た。(O/W/O型乳化化粧料)
実施例15の乳液は、セラミドを安定に配合でき、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の使用感、後肌の保湿効果に優れたO/W/O型乳化化粧料であった。
実施例16:クリーム
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 5.0
2.グリセリン 15.0
3.1,3−ブチレングリコール 15.0
4.トリオクタン酸グリセリル 7.0
5.フィトステロール 1.5
6.セラミド3(注1) 2.0
7.精製水 残量
8.エタノール 5.0
9.エチルパラベン 0.1
10.乳酸ナトリウム 3.0
11.シリコーン系界面活性剤(注6) 2.0
12.シリコーン系界面活性剤(注7) 0.5
13.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
14.ジメチルポリシロキサン 5.0
15.ジカプリン酸プロピレングリコール 5.0
16.香料 適量
(注6)KF−6015(信越化学工業社製)
(注7)ABIL EM−90(ゴ−ルドシュミット社製)
(製造方法)
A.成分1〜6を均一に混合する。(70℃)
B.成分7〜10を均一に混合する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。(O/W型乳化組成物を得る)
D.Cを室温まで冷却する。
E.成分11〜16を均一に混合する。
F.EにDを分散する。
G.Fを容器に充填してクリームを得た。(O/W/O型乳化化粧料)
実施例16のクリームは、セラミドを安定に配合でき、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の使用感、後肌の保湿効果に優れたO/W/O型乳化化粧料あった。
実施例17:美容液(室温下で流動性のある乳液状)
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 1.5
2.グリセリン 5.0
3.1,3−ブチレングリコール 3.0
4.ホホバオイル 1.5
5.コレステロール 0.2
6.セラミド3(注1) 2.0
7.精製水 残量
8.エタノール 5.0
9.エチルパラベン 0.1
10.L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム 1.0
11.シリコーン系界面活性剤(注8) 1.0
12.シリコーン系界面活性剤(注7) 0.5
13.デカメチルシクロペンタシロキサン 8.0
14.ジメチルポリシロキサン 5.0
15.ジカプリン酸プロピレングリコール 5.0
16.香料 適量
(注8)KF−6105(信越化学工業社製)
(製造方法)
A.成分1〜6を均一に混合する。(70℃)
B.成分7〜10を均一に混合する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。(O/W型乳化組成物を得る)
D.Cを室温まで冷却する。
E.Dに成分11〜16を均一に混合する。
F.EにDを分散する
G.Fを容器に充填して美容液を得た(O/W/O型乳化化粧料)。
実施例17の美容液は、セラミドを安定に配合でき、伸び広がりの良さやべたつきの無さ等の使用感、後肌の保湿効果に優れたO/W/O型乳化化粧料であった。
以 上

Claims (2)

  1. セラミド及びリン脂質を配合したO/W型乳化組成物が、シリコーン系界面活性剤を配合した油相中に分散していることを特徴とするO/W/O型乳化化粧料。
  2. 更に、前記O/W/O型乳化化粧料の外相油中にシリコーン油を配合することを特徴とする請求項1記載のO/W/O型乳化化粧料。
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