JP2019038756A - 新規親水性基剤中油型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】水系溶剤と容易に混合して、皮膚や毛髪等に対して優れた浸透性と保湿性を示し、刺激性が低く、分散安定性に優れた乳化化粧料を形成することができる、親水性基剤中油型乳化組成物を提供すること。【解決手段】下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含む、親水性基剤中油型乳化組成物を提供する:成分(A):下記式(I)で表される化合物又はその塩(式中R1−CO−で表されるアシル基は炭素原子数2〜23の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基を表す)成分(B):親水性基剤成分(C):油性成分。【選択図】なし
Description
本発明は、新規親水性基剤中油型乳化組成物、及び該乳化組成物を含む皮膚化粧料に関する。
従来、クリーム、乳液等の乳化化粧料の必要条件としては下記事項が挙げられる:
(1)皮膚、毛髪等に対して刺激性が低く安全であること
(2)分散安定性が高いこと(長期にわたって分離や析出物が生じないこと)
(3)美観を有すること
(4)容器から手に取りやすく、使用時の感触(延展性、さっぱり感、しっとり感等)が良いこと
(5)使用後に皮膚、毛髪等に適度な保湿性を付与すること
(6)長期保存しても変質(変色、異臭の発生等)を起こさないこと。
そして、これらの条件を満足させるために様々の乳化剤及び油分が検討されてきた。
(1)皮膚、毛髪等に対して刺激性が低く安全であること
(2)分散安定性が高いこと(長期にわたって分離や析出物が生じないこと)
(3)美観を有すること
(4)容器から手に取りやすく、使用時の感触(延展性、さっぱり感、しっとり感等)が良いこと
(5)使用後に皮膚、毛髪等に適度な保湿性を付与すること
(6)長期保存しても変質(変色、異臭の発生等)を起こさないこと。
そして、これらの条件を満足させるために様々の乳化剤及び油分が検討されてきた。
例えば、乳化剤として合成界面活性剤(アニオン型、ノニオン型、カチオン型又は両性型界面活性剤)を使用した乳化化粧料は皮膚や毛髪等に強い刺激性を示し、安全性上の問題があった。一方、比較的安全性が高い天然の界面活性剤(大豆由来レシチン、リゾレシチン等のリン脂質誘導体)を使用した乳化化粧料では、使用する油分が制限される上、乳化力が十分ではなく、さらには一般に結晶性が高すぎるために保存中に沈殿を生じる傾向があることから配合量にも制限が有り、多くの場合において、皮膚や毛髪等への刺激性が懸念される乳化助剤との併用や特殊な乳化手段が必要とされるという問題があった(特許文献1〜4)。よって、皮膚や毛髪に対して優れた浸透性と保湿性を示し、刺激性が低く、美観を有し、分散安定性に優れた乳化化粧料が求められていた。
従って、本発明の目的は、水系溶剤と容易に混合して、皮膚や毛髪等に対して優れた浸透性と保湿性を示し、刺激性が低く、分散安定性に優れた乳化化粧料を形成することができる親水性基剤中油型乳化組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、皮膚や毛髪等に対して優れた浸透性と保湿性を示し、刺激性が低く、優れた美観及び分散安定性を有する乳化化粧料を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のアシルプロリン又はその塩、親水性基剤および油分を混合して得られる親水性基剤中油型乳化組成物が、水系溶剤と容易に混合して、皮膚や毛髪に対して優れた浸透性と保湿性を示し、刺激性が低く、分散安定性に優れた乳化化粧料を形成することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、以下の成分(A)、成分(B)、及び成分(C):
成分(A)下記式(I)で表される化合物又はその塩
(式中R1−CO−で表されるアシル基は炭素原子数2〜23の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基を表す)、
(B)親水性基剤、
(C)油性成分、
を含む、親水性基剤中油型乳化組成物を提供する。
成分(A)下記式(I)で表される化合物又はその塩
(B)親水性基剤、
(C)油性成分、
を含む、親水性基剤中油型乳化組成物を提供する。
本発明は、また、親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に、成分(A)を0.01〜10重量%、成分(B)を10〜80重量%、成分(C)を10〜89.99重量%配合する前記の親水性基剤中油型乳化組成物を提供する。
本発明は、また、成分(B)が多価アルコール及び/又は糖類である前記の親水性基剤中油型乳化組成物を提供する。
本発明は、更に、乳化剤(成分(A)に含まれる化合物を除く)を、親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に0.1〜10重量%配合する前記の親水性基剤中油型乳化組成物を提供する。
本発明は、また、前記の親水性基剤中油型乳化組成物を含有する皮膚化粧料を提供する。
本発明は、また、連続相としての水系溶媒中に該親水性基剤中油型乳化組成物を分散してなる、水中油型乳化化粧料(=水中油型エマルション)である、前記の皮膚化粧料を提供する。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)以下の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含む親水性基剤中油型乳化組成物:
成分(A)式(I)で表される化合物又はその塩、
成分(B)親水性基剤、
成分(C)油性成分。
(2)親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に、成分(A)を0.01〜10重量%、成分(B)を10〜80重量%、成分(C)を10〜89.99重量%配合する(1)に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
(3)成分(B)が多価アルコール及び/又は糖類である(1)又は(2)に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
(4)更に、乳化剤(成分(A)に含まれる化合物を除く)を、親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に0.1〜10重量%配合する(1)〜(3)の何れか1つに記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
(5)(1)〜(4)の何れか1つに記載の親水性基剤中油型乳化組成物を含有する皮膚化粧料。
(6)連続相としての水系溶媒中に該親水性基剤中油型乳化組成物を分散してなる、水中油型乳化化粧料である、(5)に記載の皮膚化粧料。
(1)以下の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含む親水性基剤中油型乳化組成物:
成分(A)式(I)で表される化合物又はその塩、
成分(B)親水性基剤、
成分(C)油性成分。
(2)親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に、成分(A)を0.01〜10重量%、成分(B)を10〜80重量%、成分(C)を10〜89.99重量%配合する(1)に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
(3)成分(B)が多価アルコール及び/又は糖類である(1)又は(2)に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
(4)更に、乳化剤(成分(A)に含まれる化合物を除く)を、親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に0.1〜10重量%配合する(1)〜(3)の何れか1つに記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
(5)(1)〜(4)の何れか1つに記載の親水性基剤中油型乳化組成物を含有する皮膚化粧料。
(6)連続相としての水系溶媒中に該親水性基剤中油型乳化組成物を分散してなる、水中油型乳化化粧料である、(5)に記載の皮膚化粧料。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、乳化剤として成分(A)を含有し、皮膚や毛髪等に対して優れた浸透性と保湿性を示し、刺激性が低く、また水系溶剤と混合することにより、分散安定性に優れた水中油型エマルションを形成することができる。そのため、本発明の親水性基剤中油型乳化組成物を含む皮膚化粧料は、皮膚や毛髪等に対して安全性が高く、浸透性や保湿性、分散安定性に優れ、且つ美観を有する。
一般式(I)中の
は、本明細書中において、R1−CO−とも表される。
R1−CO−で表されるアシル基は、炭素原子数2〜23の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基、すなわち当該飽和又は不飽和脂肪酸のアシル残基であり、例としては、アセチル基、イソプロパノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基、ペンタノイル基、sec−ペンタノイル基、tert−ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、tert−オクタノイル基、ノナノイル基、イソノナノイル基、デカノイル基、イソデカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、ウンデシレノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基及びオレオイル基が挙げられる。
は、本明細書中において、R1−CO−とも表される。
R1−CO−で表されるアシル基は、炭素原子数2〜23の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基、すなわち当該飽和又は不飽和脂肪酸のアシル残基であり、例としては、アセチル基、イソプロパノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基、ペンタノイル基、sec−ペンタノイル基、tert−ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、tert−オクタノイル基、ノナノイル基、イソノナノイル基、デカノイル基、イソデカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、ウンデシレノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基及びオレオイル基が挙げられる。
R1−CO−で表される長鎖アシル基は、単一組成の酸より誘導されるアシル基のほか、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)より誘導されるアシル基であっても良い。これらのうち1種類を使用しても良いし、上記群から選ばれる2種以上を混合して使用しても構わない。
R1−CO−で表されるアシル基は、炭素原子数4〜18の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることが好ましく、炭素原子数6〜12の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることがより好ましく、炭素原子数8〜10の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることがさらに好ましく、デカノイル基がさらに好ましい。
従って、式中R1は炭素原子数1〜22の炭化水素基を示す。「炭化水素基」としては、例えば、アルキル基及びアルキニル基等の鎖状炭化水素基が挙げられる。鎖状炭化水素基が好ましく、直鎖又は分岐鎖のものをいずれも使用することができる。アルキル基がより好ましい。炭素原子数3〜17がより好ましく、5〜11がより好ましく、7〜9がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容しうる塩等が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;及び塩基性有機物塩などが挙げられる。これらのうち、溶解性の観点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
さらに式(I)で表される化合物は、水和物であっても、非水和物であっても、無溶媒和物であっても、溶媒和物であってもよい。
本発明における一般式(I)で表される化合物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を組み合わせて容易に製造することができる。具体的には、プロリンと酸クロライドを、酸クロライドと水酸化ナトリウム等の塩基を同時滴下することによるショッテンバウマン法により調製することができる。当該プロリンは、L体でも、D体でも、又その混合物でもよいが、好ましくはL体である。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物における一般式(I)で表される化合物(成分(A))の配合量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.03重量%以上、さらにより好ましくは0.05重量%以上である。一方組成物の塗布時の感触の観点から、10重量%以下、好ましくは8重量%以下である。
[成分(B)]
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、成分(B)として親水性基剤を含有する。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、成分(B)として親水性基剤を含有する。
前記親水性基剤としては、分子内に水酸基を2個以上有する多価アルコールや糖類等を挙げることができる。前記多価アルコールとしては、例えば、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン(例えば、ジグリセリン、テトラグリセリン)等を挙げることができる。前記糖類としては、例えば、グルコース、ショ糖、果糖、ソルビトール、マルチトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、トレハロース等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
[成分(C)]
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、成分(C)として油性成分を含有する。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、成分(C)として油性成分を含有する。
前記油性成分としては、皮膚化粧料に使用される公知の油性物質を用いることができ、例えば、1分子のグリセロールにパルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、及びリシノール酸等から選択される1種又は2種以上の脂肪酸3分子がエステル結合して得られるトリグリセライド類;セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類及び誘導体;アラルキルアルコール(ベンジルアルコール等)及び誘導体;長鎖脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸等)、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸類のアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の金属石けん類;前記高級脂肪酸類のアミド誘導体等の含窒素誘導体類;パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、固形パラフィン、プリスタン等の炭化水素類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モクロウ、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類;牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類;鯨ロウ、オレンジラフィー油等の動物性ロウ類;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質(スフィンゴミエリン等)、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類;サポゲニン類;サポニン類;リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、クエン酸トリエチル、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド、ロジントリグリセリド、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(商品名T.I.O)、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸エチレングリコール、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等のエステル類;ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体;天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類;ジメチコン、高重合ジメチコン、シクロメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノ変性シリコーン(アミノプロピルジメチコン、アモジメチコン等)、カチオン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(ジメチコンコポリオール等)、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類;ジカプリリルエーテル等のエーテル類等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
[親水性基剤中油型乳化組成物]
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、上記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有することを特徴とする。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、上記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有することを特徴とする。
成分(A)の配合量(2種以上を使用する場合はその総量)は、親水性基剤中油型乳化組成物全量(100重量%)において、例えば0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上である。また、皮膚化粧料とした際の感触を考慮すると10重量%以下、好ましくは8重量%以下である。
成分(B)の配合量(2種以上を使用する場合はその総量)は、親水性基剤中油型乳化組成物全量(100重量%)において、例えば10重量%以上、好ましくは25重量%以上である。また、皮膚化粧料とした際の感触を考慮すると80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
成分(C)の配合量(2種以上を使用する場合はその総量)は、親水性基剤中油型乳化組成物全量(100重量%)において、例えば10重量%以上、好ましくは20重量%以上である。また、皮膚化粧料とした際の感触を考慮すると89.99重量%以下、好ましくは70重量%以下である。
成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を上記範囲で配合すると、親水性基剤中油型乳化組成物中において成分(A)、成分(B)、及び成分(C)が会合体を形成し、安定なゲルを形成することができる。そして、安定なゲル状の親水性基剤中油型乳化組成物を水等で希釈することにより、安定な水中油型乳化化粧料を提供することができる。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、上記成分(A)、成分(B)、成分(C)以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分を含有していてもよい。本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、他の成分として成分(A)以外の乳化剤(以後、「他の乳化剤」とも言う)を含有することができる。他の乳化剤には、例えば、リン脂質誘導体(水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、大豆リゾレシチン等)、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等)、ポリグリセリンモノアルキルエステル(デカグリセリンモノミリステート等のグリセリン重合度が2〜10のポリグリセリンモノC12−18アルキルエステル)、グリチルリチン酸誘導体、カゼインソーダ等の天然由来の界面活性剤;非イオン界面活性剤;アニオン界面活性剤;カチオン界面活性剤;両性界面活性剤等が含まれる。
他の乳化剤の配合量(2種以上を使用する場合はその総量)は、親水性基剤中油型乳化組成物全量(100重量%)において、例えば0.1〜10重量%程度であり、好ましくは0.1〜2.0重量%である。他の乳化剤を上記範囲で配合すると、親水性基剤中油型乳化組成物の分散安定性をより一層向上することができる。一方、他の乳化剤の配合量が上記範囲を上回ると、皮膚や毛髪等に対する刺激性が強まり、低刺激性と分散安定性を兼ね備える皮膚化粧料を得ることが困難となる傾向がある。
また、本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、水、アルコール、脂肪酸等の粘度調整剤を含有していてもよい。粘度調整剤の配合量は、親水性基剤中油型乳化組成物全量(100重量%)において、0.01〜10重量%程度である。粘度調整剤の添加量が上記範囲を上回ると、親水性基剤中油型乳化組成物を形成することが困難となる傾向がある。
本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び必要に応じて他の成分の所定量を均一に混合することによって製造できる。混合方法は、上記成分を均一に混合できるものであれば特に限定されることはなく、一般的な方法(例えば、ホモジナイザーを用いて撹拌する方法等)を用いることができる。また、混合は加熱しながら行ってもよい。
このようにして得られる本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は、連続相としての親水性基剤中に油性成分が分散されてなる、均一の組成を有する、透明若しくは半透明のゲル状又は粘稠な液体状の組成物であり、水系溶媒を加えると分散安定性を有する水中油型エマルションを形成することができる。従って、本発明の親水性基剤中油型乳化組成物は皮膚化粧料又はその原料として好適に使用することができる。
[皮膚化粧料]
本発明の皮膚化粧料は、上記親水性基剤中油型乳化組成物を含有することを特徴とする。例えば、連続相としての水系溶媒(例えば、水、水溶性高分子分散液、アルコール溶液等)中に上記親水性基剤中油型乳化組成物を分散させることにより水中油型乳化化粧料を形成することができる。
本発明の皮膚化粧料は、上記親水性基剤中油型乳化組成物を含有することを特徴とする。例えば、連続相としての水系溶媒(例えば、水、水溶性高分子分散液、アルコール溶液等)中に上記親水性基剤中油型乳化組成物を分散させることにより水中油型乳化化粧料を形成することができる。
水中油型エマルション中の分散相粒子の平均粒子径としては、例えば15μm以下、好ましくは0.5〜10μmである。分散相粒子が前記範囲の平均粒子径である水中油型エマルションは、美観に優れる点で好ましい。
皮膚化粧料全量(100重量%)における上記親水性基剤中油型乳化組成物の配合量は、特に制限はなく、目的とする皮膚化粧料の特性(保湿感、浸透感、エモリエント作用等)に応じて適宜調整することができる。
本発明の皮膚化粧料は、上記親水性基剤中油型乳化組成物以外にも、必要に応じて通常化粧料に用いられる各種成分を含有していてもよい。前記化粧料に用いられる各種成分としては、例えば、保湿剤・感触向上剤、増粘剤・ゲル化剤、溶剤・噴射剤類、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、キレート剤、pH調整剤、粉体類、無機塩類、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体、糖類、アミノ酸類、消炎剤・抗炎症剤、育毛用薬剤・血行促進剤・刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス類、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、核酸類、香料、色素・着色剤・染料・顔料、防腐剤等を挙げることができる。これらの他、化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、日本化粧品工業連合会成分表示名称リスト、INCI辞書(The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、医薬部外品原料規格、日本薬局方、医薬品添加物規格、食品添加物公定書等に記載されている成分、及び、国際特許分類IPCがA61K7及びA61K8の分類に属する日本国及び諸外国特許公報及び特許公開公報(公表公報・再公表を含む)に記載されている成分等、公知の化粧料成分、医薬品成分、食品成分等を適宜含有させることが可能である。
本発明の皮膚化粧料は上記親水性基剤中油型乳化組成物、及び必要に応じて用いられる各種成分の所定量を水系溶媒と均一に混合することによって製造できる。
本発明の皮膚化粧料のpHとしては、例えば3〜13の範囲が好ましい。pHは公知のpH調整剤を用いて調節することができる。
本発明の皮膚化粧料には、クリーム、乳液、化粧水等の基礎化粧料;口紅、リップグロス、リップクリーム、ファンデーション、アイライナー等のメークアップ化粧料;日焼け・日焼け止め化粧料;ヘアクリーム、ヘアローション等の頭髪用化粧料;清浄用化粧料;芳香化粧品;爪化粧品;口腔化粧品;入浴化粧品等が含まれる。
本発明の皮膚化粧料は通常の皮膚化粧料と同様に使用することができる。本発明の皮膚化粧料は皮膚や毛髪等に対して優れた浸透性と保湿性を示し、安全性が高く、分散安定性及び使用感触に優れ、且つ美観(透明若しくは半透明である、艶がある、きめが細かい等)を有する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下に示す配合量は、全て重量%である。
<合成例1>デカノイルプロリンの合成
プロリン(味の素社製)34.54gを100gの水に溶解後、デカノイルクロライド(東京化成社製)52.01gと25%水酸化ナトリウム水溶液をpH12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水と酢酸エチルを加え、水層を除去した。酢酸エチルを減圧留去し、デカノイルプロリンを68.12g得た。
プロリン(味の素社製)34.54gを100gの水に溶解後、デカノイルクロライド(東京化成社製)52.01gと25%水酸化ナトリウム水溶液をpH12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水と酢酸エチルを加え、水層を除去した。酢酸エチルを減圧留去し、デカノイルプロリンを68.12g得た。
<合成例2>デカノイルプロリンナトリウム塩の調製
合成例1で得られたデカノイルプロリンを、適当な量の水と懸濁後、水酸化ナトリウムでpHを5まで中和することにより、デカノイルプロリンナトリウム塩を得た。
なお、以下の実施例、比較例、処方例において使用したデカノイルプロリンNaは、商品名「プロデュウ(登録商標)P−DS−12」(味の素株式会社製)である。
合成例1で得られたデカノイルプロリンを、適当な量の水と懸濁後、水酸化ナトリウムでpHを5まで中和することにより、デカノイルプロリンナトリウム塩を得た。
なお、以下の実施例、比較例、処方例において使用したデカノイルプロリンNaは、商品名「プロデュウ(登録商標)P−DS−12」(味の素株式会社製)である。
実施例1〜14
表1の処方に従って、成分(1)を加熱撹拌し、75℃の均一な溶液を調製した。ホモジナイザーを作動させながら、この溶液に75℃に加温した成分(2)をゆっくり添加し、さらに20分間撹拌した。その後、成分(3)をゆっくりと添加し、室温まで冷却して表1の親水性基剤中油型乳化組成物を調製した。
表1の処方に従って、成分(1)を加熱撹拌し、75℃の均一な溶液を調製した。ホモジナイザーを作動させながら、この溶液に75℃に加温した成分(2)をゆっくり添加し、さらに20分間撹拌した。その後、成分(3)をゆっくりと添加し、室温まで冷却して表1の親水性基剤中油型乳化組成物を調製した。
比較例1〜6
比較例として、実施例1〜14と同様の方法を用い、表2の処方の組成物を調製した。
比較例として、実施例1〜14と同様の方法を用い、表2の処方の組成物を調製した。
実施例1〜14、および比較例1〜6で得られた親水性基剤中油型乳化組成物の状態を目視で観察した。また、得られた親水性基剤中油型乳化組成物(10mL)に水(90mL)を常温にて撹拌しながら加えて水中油型エマルション(O/Wエマルション)を調製し、乳化直後の水中油型エマルションの乳化状態を観察し、さらに40℃環境下で1ヶ月経過後の乳化状態も観察した。40℃環境下で1ヶ月経過後の乳化状態は、デジタルマイクロスコープ(商品名「VH−7000」、キーエンス製)を用いて、1000倍で観察し、下記の基準に従い分散相(油)粒子の合一の有無にて判定した。その結果を、実施例1〜14については表1に、比較例1〜6については表2に示す。なお、各成分の数字は重量部である。
<O/Wエマルションの判定(40℃、1ヶ月経過後)>
○:分散相(油)粒子の合一がなく、エマルションが安定である
△:分散相(油)粒子の合一が僅かにみられるが、エマルションの破壊はみられない
×:分散相(油)粒子の合一とエマルションの破壊がみられる。
○:分散相(油)粒子の合一がなく、エマルションが安定である
△:分散相(油)粒子の合一が僅かにみられるが、エマルションの破壊はみられない
×:分散相(油)粒子の合一とエマルションの破壊がみられる。
処方例1:モイスチャージェルクリーム
表3に記載される成分(1)を加熱撹拌し、75℃の均一な溶液を調製した。これとは別に、成分(2)と成分(4)を混合し均一な溶液を調製した。ホモジナイザーを作動させながら、上記成分(1)の溶液に75℃に加温した成分(2)と(4)の混合物をゆっくりと添加し20分間撹拌した。その後、成分(3)でpH5.5に調整した。次いで、脱泡を行い、モイスチャージェルクリームを得た。
表3に記載される成分(1)を加熱撹拌し、75℃の均一な溶液を調製した。これとは別に、成分(2)と成分(4)を混合し均一な溶液を調製した。ホモジナイザーを作動させながら、上記成分(1)の溶液に75℃に加温した成分(2)と(4)の混合物をゆっくりと添加し20分間撹拌した。その後、成分(3)でpH5.5に調整した。次いで、脱泡を行い、モイスチャージェルクリームを得た。
[角層への影響テスト]
親水性基剤中油型乳化組成物を使用した製剤(表3:試験試料)を皮膚へ塗布し、「角層水分量」および「角質への浸透性」の変化を見るために、肌試験を行った。使用機器は角層膜厚水分計ASA−M2(日本アッシュ株式会社製)である。対照試料として、ミリスチン酸ポリグリセリル−10による親水性基剤中油型乳化組成物を用いて乳化した製剤(対照試料1)、および成分(A)を水相へ添加し乳化を行い調製した製剤(対照試料2)の2点を用いて試験を行った。「角層水分量(μS)」および「高水分域角層膜厚(μm)」の比較を行った。高水分域角層膜厚とは、角層中水分の70%が存在する深さを表しており、数値が大きいほど保湿浸透性が高まったと捉え評価を行った。
親水性基剤中油型乳化組成物を使用した製剤(表3:試験試料)を皮膚へ塗布し、「角層水分量」および「角質への浸透性」の変化を見るために、肌試験を行った。使用機器は角層膜厚水分計ASA−M2(日本アッシュ株式会社製)である。対照試料として、ミリスチン酸ポリグリセリル−10による親水性基剤中油型乳化組成物を用いて乳化した製剤(対照試料1)、および成分(A)を水相へ添加し乳化を行い調製した製剤(対照試料2)の2点を用いて試験を行った。「角層水分量(μS)」および「高水分域角層膜厚(μm)」の比較を行った。高水分域角層膜厚とは、角層中水分の70%が存在する深さを表しており、数値が大きいほど保湿浸透性が高まったと捉え評価を行った。
(試験方法)
前腕内側部を洗浄し、測定環境(温度20℃/湿度50%)に20分間順化させた後、角層水分量および高水分域角層膜厚を測定した。その後、試験試料および対照試料を前腕内側部にそれぞれ塗布し、5時間通常の生活活動を行った後、肌を洗浄し、20分間順化させた後における角層水分量および高水分領域角層膜厚を測定した。
前腕内側部を洗浄し、測定環境(温度20℃/湿度50%)に20分間順化させた後、角層水分量および高水分域角層膜厚を測定した。その後、試験試料および対照試料を前腕内側部にそれぞれ塗布し、5時間通常の生活活動を行った後、肌を洗浄し、20分間順化させた後における角層水分量および高水分領域角層膜厚を測定した。
本処方例のモイスチャージェルクリームは、塗布前と比較して、塗布後の角層水分量および高水分領域角層膜厚の増加効果を有し、優れた保湿性と浸透性を示した。さらに、本処方例の試験試料は、本発明の親水性基剤中油型乳化組成物を使用して調製することで、最も高い保湿性および浸透性を示した(図1および2)。
処方例2:モイスチャージェルクリーム
(製法)
表4に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(1)を添加し、均一混合物とした。その後、成分(4)を添加して全体を均一に混合し、成分(3)を加えてpH5.5に調整した。次いで、脱泡を行い、モイスチャージェルクリームを得た。
(製法)
表4に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(1)を添加し、均一混合物とした。その後、成分(4)を添加して全体を均一に混合し、成分(3)を加えてpH5.5に調整した。次いで、脱泡を行い、モイスチャージェルクリームを得た。
得られたモイスチャージェルクリームは良好な使用感を示し、40℃で1ヶ月経過後の乳化状態も安定であった。また、得られたモイスチャージェルクリームの「外観」、「塗布後ののび」、「塗布時の肌なじみ感」について官能評価を行った。女性パネラー15名が本処方例のモイスチャージェルクリームを通常の方法で使用して、「5点:非常に良い」、「4点:良い」、「3点:普通」、「2点:やや悪い」、「1点:悪い」の5段階で評価した。評価した総得点をパネラーの数で割り、下記基準により評価した。さらに刺激感の有無も確認し、結果をパーセント表示した。その結果、本処方例のモイスチャージェルクリームは外観、使用感に優れ、刺激感もなく安全性が高いことがわかった(表5参照)。
評価基準
◎:4.5点を超え、5点以下
○:3.5点を越え、4.5点以下
△:2.5点を越え、3.5点以下
×:2.5点以下。
評価基準
◎:4.5点を超え、5点以下
○:3.5点を越え、4.5点以下
△:2.5点を越え、3.5点以下
×:2.5点以下。
処方例3:モイスチャーエッセンス
(製法)
表6に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(3)を添加してpH6.0に調整し、均一混合物とした。その後、成分(1)、成分(4)を順次添加して均一混合し、脱泡を行い、モイスチャーエッセンス(pH:6.0)を得た。
(製法)
表6に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(3)を添加してpH6.0に調整し、均一混合物とした。その後、成分(1)、成分(4)を順次添加して均一混合し、脱泡を行い、モイスチャーエッセンス(pH:6.0)を得た。
得られたモイスチャーエッセンスは良好な使用感を示し、40℃で1ヶ月経過後の乳化状態も安定であった。また、得られたモイスチャーエッセンスの「外観」、「塗布後ののび」、「塗布時の肌なじみ感」について官能評価を行った。女性パネラー15名が本処方例のモイスチャーエッセンスを通常の方法で使用して、「5点:非常に良い」、「4点:良い」、「3点:普通」、「2点:やや悪い」、「1点:悪い」の5段階で評価した。評価した総得点をパネラーの数で割り、下記基準により評価した。さらに刺激感の有無も確認し、結果をパーセント表示した。その結果、本処方例のモイスチャーエッセンスは外観、使用感に優れ、刺激感もなく安全性が高いことがわかった(表7参照)。
評価基準
◎:4.5点を超え、5点以下
○:3.5点を越え、4.5点以下
△:2.5点を越え、3.5点以下
×:2.5点以下。
評価基準
◎:4.5点を超え、5点以下
○:3.5点を越え、4.5点以下
△:2.5点を越え、3.5点以下
×:2.5点以下。
処方例4:ホワイトニングクリーム
(製法)
表8に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(3)を添加してpH6.5に調整し、均一混合物とした。これとは別に、成分(4)を混合し均一な溶液を調製した。その後、成分(2)と(3)の混合物に、成分(1)、成分(4)の混合物、成分(5)を順次添加して全体を均一に混合した。次いで、脱泡を行い、ホワイトニングクリーム(pH:6.5)を得た。
(製法)
表8に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(3)を添加してpH6.5に調整し、均一混合物とした。これとは別に、成分(4)を混合し均一な溶液を調製した。その後、成分(2)と(3)の混合物に、成分(1)、成分(4)の混合物、成分(5)を順次添加して全体を均一に混合した。次いで、脱泡を行い、ホワイトニングクリーム(pH:6.5)を得た。
得られたホワイトニングクリームは良好な使用感を示し、40℃で1ヶ月経過後の乳化状態も安定であった。また、得られたホワイトニングクリームの「外観」、「塗布後ののび」、「塗布時の肌なじみ感」について官能評価を行った。女性パネラー15名が本処方例のホワイトニングクリームを通常の方法で使用して、「5点:非常に良い」、「4点:良い」、「3点:普通」、「2点:やや悪い」、「1点:悪い」の5段階で評価した。評価した総得点をパネラーの数で割り、上記モイスチャージェルクリームにおける評価基準と同じ基準により評価した。さらに刺激感の有無も確認し、結果をパーセント表示した。その結果、本処方例のホワイトニングクリームは外観、使用感に優れ、刺激感もなく安全性が高いことがわかった(表9参照)。
処方例5:ブライトニングエッセンス
(製法)
表10に記載される成分(1)を加熱撹拌し、75℃の均一な溶液を調製した。ホモミキサーを作動させながら、この溶液に75℃に加温した成分(2)をゆっくり添加して乳化させ、室温まで冷却して均一な溶液とした。そこに成分(3)を添加して全体を均一にした。その後、脱泡を行い、ブライトニングエッセンス(pH:6.5)を得た。
(製法)
表10に記載される成分(1)を加熱撹拌し、75℃の均一な溶液を調製した。ホモミキサーを作動させながら、この溶液に75℃に加温した成分(2)をゆっくり添加して乳化させ、室温まで冷却して均一な溶液とした。そこに成分(3)を添加して全体を均一にした。その後、脱泡を行い、ブライトニングエッセンス(pH:6.5)を得た。
得られたブライトニングエッセンスは良好な使用感を示し、40℃で1ヶ月経過後の乳化状態も安定であった。また、得られたブライトニングエッセンスの「外観」、「塗布後ののび」、「塗布時の肌なじみ感」について官能評価を行った。女性パネラー15名が本処方例のブライトニングエッセンスを通常の方法で使用して、「5点:非常に良い」、「4点:良い」、「3点:普通」、「2点:やや悪い」、「1点:悪い」の5段階で評価した。評価した総得点をパネラーの数で割り、上記モイスチャーエッセンスにおける評価基準と同じ基準により評価した。さらに刺激感の有無も確認し、結果をパーセント表示した。その結果、本処方例のブライトニングエッセンスは外観、使用感に優れ、刺激感もなく安全性が高いことがわかった(表11参照)。
処方例6:ボディーソープ
(製法)
表12に記載される成分(1)を80℃まで加温し、均一に溶解するまで攪拌し、室温まで冷却した。ここに成分(2)を添加して全体を均一にした。その後、脱泡を行ってボディーソープを得た。
(製法)
表12に記載される成分(1)を80℃まで加温し、均一に溶解するまで攪拌し、室温まで冷却した。ここに成分(2)を添加して全体を均一にした。その後、脱泡を行ってボディーソープを得た。
得られたボディーソープの「泡立ち」、「すすぎ後のしっとり感」について官能評価を行った。女性パネラー15名が本処方例のボディーソープを通常の方法で使用し(1日2回(朝晩)、1ヶ月継続して使用)、「5点:非常に良い」、「4点:良い」、「3点:普通」、「2点:やや悪い」、「1点:悪い」の5段階で評価した。評価した総得点をパネラーの数で割り、上記モイスチャージェルクリームにおける評価基準と同じ基準により評価した。さらに刺激感の有無も確認し、結果をパーセント表示した。その結果、本処方例のボディーソープは、泡立ちとすすぎ後のさっぱり感に優れ、刺激感もなく安全性が高いことがわかった(表13参照)。
処方例7:ボディジェルクリーム
(製法)
表14に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(3)を添加しpH6.0に調整して均一混合物とした。その後、成分(1)、成分(4)を順次添加して均一混合し、脱泡を行い、ボディジェルクリーム(pH:6.0)を得た。
本処方例のボディジェルクリームはなめらかで良好な使用感を示し、40℃で1ヶ月経過後の乳化状態も安定であった。
(製法)
表14に記載される成分(2)を混合し、均一な溶液とした。ここに成分(3)を添加しpH6.0に調整して均一混合物とした。その後、成分(1)、成分(4)を順次添加して均一混合し、脱泡を行い、ボディジェルクリーム(pH:6.0)を得た。
本処方例のボディジェルクリームはなめらかで良好な使用感を示し、40℃で1ヶ月経過後の乳化状態も安定であった。
以上から明らかなように、本発明の親水性基剤中油型乳化組成物を含有する皮膚化粧料は、安全性が高く、浸透性や保湿性、分散安定性に優れ、良好な使用感を示し、且つ美観に優れていた。本発明の皮膚化粧料は、安全性等が問題視されている従来の合成界面活性剤を配合させる必要がなく、皮膚や毛髪等に対して安全性の高いものである。
Claims (6)
- 該親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に、成分(A)を0.01〜10重量%、成分(B)を10〜80重量%、成分(C)を10〜89.99重量%配合する、請求項1に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
- 成分(B)が多価アルコール及び/又は糖類である、請求項1又は2に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
- 更に、乳化剤(成分(A)に含まれる化合物を除く)を、親水性基剤中油型乳化組成物中(100重量%)に0.1〜10重量%配合する、請求項1〜3の何れか1項に記載の親水性基剤中油型乳化組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の親水性基剤中油型乳化組成物を含有する、皮膚化粧料。
- 連続相としての水系溶媒中に該親水性基剤中油型乳化組成物を分散してなる、水中油型乳化化粧料である、請求項5に記載の皮膚化粧料。
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