JPH1028858A - シリコーン系油分含有複合エマルジョン及びその製造方法 - Google Patents

シリコーン系油分含有複合エマルジョン及びその製造方法

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JPH1028858A
JPH1028858A JP20542896A JP20542896A JPH1028858A JP H1028858 A JPH1028858 A JP H1028858A JP 20542896 A JP20542896 A JP 20542896A JP 20542896 A JP20542896 A JP 20542896A JP H1028858 A JPH1028858 A JP H1028858A
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phase
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Katsunori Yoshida
克典 吉田
Toshio Hariki
利男 梁木
Michihiro Yamaguchi
道広 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーン系油分を含有するO/W/O型複
合エマルジョンにおいて、乳化安定性が高く、使用感が
良好なエマルジョンを提供する。また、シリコーン系油
分難溶性の脂溶性薬剤や易酸化性の脂溶性薬剤を配合し
た場合には、該薬剤の結晶析出や酸化分解が抑制され、
薬剤安定性にも優れる複合エマルジョンを提供すること
にある。 【解決手段】 外油相10中にO/W型エマルジョンが
分散されたシリコーン系油分含有O/W/O型複合エマ
ルジョンにおいて、外油相10中に有機変性粘土鉱物2
0を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーン系油分含
有複合エマルジョンおよびその製造方法、特にその乳化
安定性の改良と、さらには、シリコーン系油分に対して
難溶性の脂溶性薬剤を含有した場合の薬剤安定性の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、そののびの良さ、さっぱり感、べ
とつきのなさ等の良好な使用性や、耐水性、耐油性に優
れて汗や水にながれにくいなどの機能を有することか
ら、皮膚外用剤や化粧料の基剤としてジメチルポリシロ
キサンなどのシリコーン系基剤が広く使用されている。
特にサンケア化粧料においては、夏場に汎用されるた
め、さっぱりとした使用感や、汗や皮脂、水浴等で容易
に流れ落ちないものが要求されるので、このようなシリ
コーン系基剤の使用頻度は高まってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常化
粧料や皮膚外用剤に配合される脂溶性薬剤にはシリコー
ン系油分に難溶性のものが少なくない。例えば、サンケ
ア化粧料に配合される油溶性紫外線吸収剤の中にはシリ
コーン系基剤に対する溶解度が著しく低いものも多い。
そのため、シリコーン系基剤を多く含む化粧料において
このような紫外線吸収剤を配合すると、経時的に紫外線
吸収剤の結晶が析出するという問題点があった。
【0004】このような結晶析出を防止するために、シ
リコーン系油分に難溶性の脂溶性薬剤の使用量を制限し
たり、該薬剤の溶解性が高い極性油等の油分を多量に併
用したりすることが必要であった。しかし、薬剤の効果
は通常その添加量に依存し、使用量を制限すればその薬
剤の効果を充分に得ることができない。また、極性油等
の非シリコーン系油分を多量に使用すると、例えば乳化
組成物では製剤上の問題からシリコーン系油分の配合量
が制限され、シリコーン系油分を多量に配合できず、充
分な使用感や耐水性、耐油性を得ることが困難となるこ
とがあった。
【0005】また、シリコーン系油分は他の極性油や非
極性油とその構造や性質が全く異なるため、W/O型や
O/W型等のエマルジョンの油相にシリコーン系油分と
ともに非シリコーン系油分を配合した場合には、乳化剤
や乳化条件等の選択が難しく、一般に良好な乳化安定性
を有する乳化組成物を得ることが非常に困難であった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は油相中にシリコーン系油分と非シリコー
ン系油分を配合したエマルジョンにおいて、乳化安定性
が良好で、しかもシリコーン系油分に難溶性の脂溶性薬
剤を配合した場合にも該薬剤の析出が防止されるエマル
ジョンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、外油相中にO/W型エマルジョンを
分散させたO/W/O型複合エマルジョンの応用を考え
た。水中油型(以下、O/W型と称する)エマルジョン
をさらに油相中に乳化分散させた油中水中油型(以下、
O/W/O型と称する)乳化組成物は、別名複合エマル
ジョンまたはマルチプルエマルジョンとも呼ばれる。通
常のW/O型エマルジョンが単に油相中に水相を分散さ
せたものであるのに対して、複合エマルジョンの粒子構
造は図1に示すように外油相10中に分散された水相1
2中にさらに内油相14が分散された構造を有してい
る。
【0007】従って、このようなO/W/O型複合エマ
ルジョンでは、内油相14と外油相10が水相12によ
り隔てられているため、2種の異なる性質を有する油
分、例えばシリコーン系油分と非シリコーン系油分とい
うような性質の異なる油分を一つのエマルジョン中に独
立して存在させるということが理論上可能であり、例え
ば、一方の油相中にはシリコーン系油分難溶性の脂溶性
薬剤と該薬剤を溶解する非シリコーン系油分を、他方の
油相中にはシリコーン系油分をそれぞれ別々に配合すれ
ば、これらを一つのエマルジョン中に安定に共存させな
がら、該薬剤の析出を防止することができると考えたの
である。
【0008】しかしながら、従来より公知の複合エマル
ジョンの製造方法では、充分な乳化安定性を有するシリ
コーン系油分含有複合エマルジョンは得ることはできな
かった。例えば、複合エマルジョンの製法としては、親
水性界面活性剤16を用いて調製したO/W型エマルジ
ョンを、親油性界面活性剤18を溶解した外油相中に再
乳化する、いわゆる二段階乳化法が従来よりよく知られ
ている。しかしながら、このようにして調製された複合
エマルジョンは、その乳化安定性が著しく悪く、経時的
に内相油14と外相油10が融合したり、水相12の合
一が認められ、ついには油分や水分の分離に至ってしま
う。
【0009】これらの問題を改善するため、様々な取り
組みもなされており、例えば、特公昭55−33294
号公報には乳蛋白質、ショ糖脂肪酸エステルを併用した
方法、特公平4−54709公報にはポリグリセリン脂
肪酸エステルを外相油に配合する方法が記載されてい
る。又、特開昭63−30405号公報には特定のベン
トナイトを水相に、デキストリン脂肪酸エステルを外相
油に、それぞれ配合する方法が記載されている。また、
最近、紫外線吸収剤や抗酸化剤をその内油相に配合した
O/W/O型複合エマルジョンも報告されている(特開
平7−101844)。しかしながら、これらの方法に
よって調製された何れのO/W/O型複合エマルジョン
にあっても、やはり内相油が外相油と融合し、内相油の
残存量が経時的に少なくなる傾向にあり、充分な乳化安
定性を得るには至っていない。
【0010】このことは、内相油14と外相油10が、
水相12及び界面活性剤16,18の親水基をはさんで
相対しており、両油相10,14が融合する隔壁は極め
て小さいことに起因するものと考えられる。しかも、内
相油14を存在させる必要上、物理的にもあるいは製造
上も水相12の粒径を小さくすることは困難であり、不
安定化の要素は一般のO/W型あるいはW/O型のエマ
ルジョンに比較して著しく大きく、O/W/O型複合エ
マルジョンの安定化を困難にしているものと推察され
る。
【0011】このような従来法では、例え調製の際にシ
リコーン系油分難溶性の油溶性薬剤や非シリコーン系油
分と、シリコーン系油分を別々の油相に配合したとして
も、経時的に内油相が外油相に合一してしまい、また、
該薬剤はシリコーン系油分との接触で析出してしまうの
で、所望の乳化安定性や薬剤安定性を得ることはできな
かった。
【0012】そこで、本発明者らが鋭意検討を行った結
果、シリコーン系油分含有O/W/O型複合エマルジョ
ンの外相油中に有機変性粘土鉱物を存在させることによ
って、エマルジョンの乳化安定性を格段に向上させるこ
とができ、また、シリコーン系油分難溶性薬剤の結晶析
出も効果的に防止できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明にかかるシリコーン系油分
含有複合エマルジョンは、外油相中にO/W型エマルジ
ョンが分散されたO/W/O型複合エマルジョンにおい
て、前記外油相中に有機変性粘土鉱物を含有し、且つ油
相中にシリコーン系油分を含有することを特徴とする。
【0013】なお、前記有機変性粘土鉱物は水膨潤性粘
土鉱物を第4級アンモニウム型カチオン界面活性剤と非
イオン性界面活性剤とで処理して得られたものであるこ
とが好適である。また、O/W型エマルジョンと外相油
との配合比が2:3〜19:1であることが好適であ
る。また、本発明にかかるO/W/O型複合エマルジョ
ンにおいて、シリコーン系油分は外油相中に配合される
ことが好適である。また、シリコーン系油分が複合エマ
ルジョン全量に対して5〜60重量%配合されることが
好適である。また、シリコーン系油分が沸点200℃以
下の低沸点シリコーン油であることが好適である。ま
た、本発明にかかるO/W/O型複合エマルジョンは、
内油相中に脂溶性薬剤を含有することが好適である。
【0014】なお、本発明にかかる複合エマルジョンに
おいて、内油相に配合される脂溶性薬剤がシリコーン系
油分に対して難溶性の薬剤であり、且つシリコーン系油
分が外油相に配合されることが好適である。また、本発
明において脂溶性薬剤は易酸化性の脂溶性ビタミン、油
溶性紫外線吸収剤、不飽和脂肪酸及びその誘導体から選
ばれる1種又は2種以上であることが好適である。
【0015】本発明のシリコーン系油分含有複合エマル
ジョンの製造方法は、親水性非イオン界面活性剤を水溶
性溶媒中に添加し、これに内油相油分を添加する水溶性
溶媒中油型エマルジョン調製工程と、前記水溶性溶媒中
油型エマルジョンに水を添加するO/W型エマルジョン
調製工程と、前記O/W型エマルジョンを、有機変性粘
土鉱物を含有する外油相油分に分散乳化してO/W/O
型複合エマルジョンとする複合化工程と、を備え、且つ
前記油相油分としてシリコーン系油分を配合することを
特徴とする。
【0016】なお、本発明の複合エマルジョンの製造方
法において、シリコーン系油分を外油相油分として配合
することが好適である。また、本発明の複合エマルジョ
ンの製造方法において、内油相中に脂溶性薬剤を配合す
ることが好適である。なお、内油相に配合される脂溶性
薬剤が、シリコーン系油分に対して難溶性の薬剤であ
り、且つシリコーン系油分を外油相油分として配合する
ことが好適である。また、本発明の複合エマルジョンの
製造方法において、内油相に配合される脂溶性薬剤が易
酸化性の脂溶性ビタミン、油溶性紫外線吸収剤、不飽和
脂肪酸及びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上で
あることが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】まず本発明者らは、各種界面活性
剤を用いO/W型エマルジョン、W/O型エマルジョ
ン、O/W/O型エマルジョンを表1〜3の処方で各常
法により調製した。以下、表中の配合量は特に指定のな
い限り全て重量%である。なお、各安定性の評価は、後
述する複合エマルジョンの乳化安定性評価方法に準じ
た。
【0018】
【表1】 上記表1に記載の(a)成分を均一に溶解混合したもの
に、(b)成分を撹拌しながら混合・乳化した後、
(c)成分を添加混合しO/W型エマルジョンを得た。
【0019】
【表2】 W/O型エマルジョン ──────────────────────────────────── 試 験 例 構 成 成 分 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── (a)界面活性剤 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体*1 1 5 10 − − − POEメチルホ゜リシロキサン共重合体*2 − − − 1 5 10 (b)油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 39 35 30 − − − オクタメチルシクロテトラシロキサン − − − 39 35 30 (c)水相 イオン交換水 60 60 60 60 60 60 ──────────────────────────────────── 乳化安定性(形態観察) 室温 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 50℃ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 使用感 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── *用いたPOEメチルポリシロキサン共重合体の商品名は次の通り。 *1:シリコ−ンSC9450N(信越化学工業(株)製) *2:シリコ−ンKF6015 (信越化学工業(株)製)
【0020】上記表2の(a)成分と(b)成分とを混
合し、これに(c)成分を撹拌しながら混合、乳化する
ことにより目的とするW/O型エマルジョンを得た。
【0021】
【表3】 O/W/O型エマルジョン ──────────────────────────────────── 試 験 例 構 成 成 分 8 9 10 11 12 13 ──────────────────────────────────── (a)O/W相 試験例1のO/W型エマルジョン 70 70 70 70 70 70 (b)外油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 29 25 20 − − − オクタメチルシクロテトラシロキサン − − − 29 25 20 (c)親油性界面活性剤 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体*1 1 5 10 − − − POEメチルホ゜リシロキサン共重合体*2 − − − 1 5 10 ──────────────────────────────────── 乳化安定性 形態観察(室温) × × × × × × (50℃) × × × × × × 内相油残存率(50℃8週間後) <5 <5 <5 <5 <5 <5 使用感 △ △ △ △ △ △ ──────────────────────────────────── *1〜2:表2と同じ。
【0022】上記表3において(b)成分と(c)成分
を混合し、試験例1のO/W型エマルジョン(a)を
(b)+(c)成分中に撹拌しながら混合、乳化して目
的とするO/W/O型エマルジョンを調製した。
【0023】前記表1および表2を参酌すると、非シリ
コーン系油分を油相とするO/W型エマルジョンも、シ
リコーン系油分を油相とするW/O型エマルジョンもそ
れぞれ適切な界面活性剤を選択することにより、かなり
高い乳化安定性を得ることができる。しかしながら、こ
のような安定なO/W型エマルジョンをシリコーン系油
分を含有する油相中に分散させ、O/W/O型エマルジ
ョンとした場合には、表3に示すように保存安定性が大
きく低下し、特に、内油相が外油相中に浸出しているこ
とが明らかである。
【0024】そこで本発明者らはシリコーン系油分含有
複合エマルジョンにおける安定化、特にこのような内相
油と外相油の合一を防止するため、有機変性粘土鉱物の
採用に至ったのである この有機変性粘土鉱物は、例えば特公平2−32015
などに示されており、安定なW/O型エマルジョンを調
製するのに有効であることは公知であるが、O/W/O
型複合エマルジョンの安定化、特にその内相油と外相油
の合一防止に有効である点は明らかにされていなかっ
た。本発明者らは次の実験を行い、有機変性粘土鉱物の
複合エマルジョン安定化に対する効果について検証を行
った。
【0025】
【表4】 ──────────────────────────────────── 試 験 例 構 成 成 分 14 15 16 17 18 ──────────────────────────────────── (a)O/W相 試験例1のO/W型エマルジョン 70 70 70 70 70 (b)外油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 28 28 28 28 28 (c)外油相中の界面活性剤 有機変性粘土鉱物 2 − − − − 未変性粘土鉱物 − 2 − − − ヘ゛ンシ゛ルシ゛メチルステアリルアンモニウムクロリト゛ − − 2 − − POEメチルホ゜リシロキサン共重合体* − − − 2 − ヘ゛ンシ゛ルシ゛メチルステアリルアンモニウムクロリト゛ +POEメチルホ゜リシロキサン共重合体* − − − − 2 ──────────────────────────────────── 乳化安定性 形態観察(室温) ○ × × × × (50℃) ○ × × × × 内相油残存率(50℃8週間後) 98 <5 <5 <5 <5 使用感 ◎ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── *用いたPOEメチルポリシロキサン共重合体の商品名は次の通り。 シリコーンSC9450N(信越化学工業(株)製)
【0026】上記表3の製法に準じて表4の処方でシリ
コーン系油分含有O/W/O型複合エマルジョンを調製
した。上記表4より明らかなように、有機変性粘土鉱物
を外油相に配合した場合には、その乳化安定性は乳化形
態、内相油残存率共に極めて良好であるが、該有機変性
粘土鉱物の構成要素である未変性粘土鉱物、ベンジルジ
メチルステアリルアンモニウムクロリド、POEメチル
ポリシロキサン共重合体を単独で、あるいは組み合わせ
て用いたとしても有機変性粘土鉱物を配合した場合のよ
うな高い乳化安定性は得られなかった。このことから、
有機変性粘土鉱物による安定化作用が極めて特異的であ
ることが理解される。
【0027】また、有機変性粘土鉱物を外油相に配合し
た試験例14の複合エマルジョンでは、皮膚に塗布した
際にのびが非常によく、さっぱりとしたべたつきのない
使用感で、油分としてシリコーン系油分を用いた表2の
W/O型エマルジョンや表3の複合エマルジョンに比し
てもその使用感が非常に優れていた。なお、表4におい
てデカメチルシクロペンタシロキサンの代わりにオクタ
メチルシクロテトラシロキサンを用いた場合にも同様の
結果が得られた。
【0028】以上のように、単に安定なO/W型エマル
ジョンを、安定なW/O型エマルジョンの水相に置き換
えるのみでは、安定なシリコーン系油分含有複合エマル
ジョンを得ることはできず、調製時にシリコーン系油分
と非シリコーン系油分をそれぞれ別々の油相に配合した
としても、これらを安定に保持することはできない。こ
れに対して、有機変性粘土鉱物を外油相に配合すれば、
内油相と外油相の合一が抑制され、安定なシリコーン系
油分複合エマルジョンを得ることができ、調製時にシリ
コーン系油分と非シリコーン系油分をそれぞれ別々の油
相に配合すれば、これらを一つのエマルジョン中に独立
して安定に保持することができる。また、その使用感は
シリコーン系油分を含有するW/O型エマルジョンに比
して、非常に良好である。
【0029】次に、本発明者らは、このような複合エマ
ルジョンにおける結晶析出防止効果について、シリコー
ン系油分難溶性の脂溶性薬剤として、紫外線吸収剤の1
種である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイ
ルメタンを用いて検証を行った。また、併せて使用感に
ついても調べた。なお、これらの評価方法は後述の薬剤
安定性試験及び使用感評価試験によった。
【0030】
【表5】 上記表1に記載の(a)成分を均一に溶解混合したもの
に、(b)成分を撹拌しながら混合・乳化した後、
(c)成分を添加混合しO/W型エマルジョンを得た。
【0031】
【表6】 W/O型エマルジョン ───────────────────────────── 試 験 例 構 成 成 分 20 21 ───────────────────────────── (a)界面活性剤 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体* 5 5 (b)油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 33 − オクタメチルシクロテトラシロキサン − 33 4-tert-フ゛チル-4'-メトキシシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタン 2 2 (c)水相 イオン交換水 60 60 ───────────────────────────── 乳化安定性(形態観察) 室温 ○ ○ 50℃ ○ ○ 結晶析出 ×(有り) ×(有り) 使用感 ○ ○ ───────────────────────────── *表4で用いたものと同じ。
【0032】上記表6の(a)成分と(b)成分とを混
合し、これに(c)成分を撹拌しながら混合、乳化する
ことにより目的とするW/O型エマルジョンを得た。
【0033】
【表7】 O/W/O型エマルジョン ──────────────────────────────── 試 験 例 構 成 成 分 22 23 ──────────────────────────────── (a)O/W相[内油相に4-tert-フ゛チル-4'-メトキシシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタンを含有する] 試験例19のO/W型エマルジョン 70 70 (b)外油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 25 − オクタメチルシクロテトラシロキサン − 25 (c)親油性界面活性剤 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体* 5 5 ──────────────────────────────── 乳化安定性 形態観察(室温) × × (50℃) × × 内相油残存率(50℃8週間後) <5 <5 結晶析出 ×(有り) ×(有り) 使用感 △ △ ──────────────────────────────── *表6で用いたものと同じ。
【0034】上記表3において(b)成分と(c)成分
を混合し、試験例1のO/W型エマルジョン(a)を
(b)+(c)成分中に撹拌しながら混合、乳化して目
的とするO/W/O型エマルジョンを調製した。
【0035】前記表5および表6から解るように、油相
中に脂溶性薬剤(4−tert−ブチル−4’−メトキ
シジベンゾイルメタン)を配合した場合にも乳化安定性
の高いO/W型エマルジョン及びW/O型エマルジョン
を得ることはできるが、シリコーン油を配合していない
場合は薬剤の析出は認められないものの使用感が劣り、
一方、シリコーン油を配合すると使用感は向上するが、
経時的に薬剤の析出が認められる。そして、シリコーン
系油分の使用感と、薬剤の結晶析出防止効果を期待し
て、表5の安定なO/W型エマルジョンをシリコーン系
油分を含有する油相中に分散させ、O/W/O型エマル
ジョンを調製すると、表7のように前記表3の場合と同
様乳化安定性が大きく低下し、内油相が外油相中に浸出
してしまうため、期待された結晶析出防止効果は得られ
なかった。また、使用感も低下する傾向にあった。そこ
で、本発明者らは有機変性粘土鉱物を外油相に配合した
場合の乳化安定性、薬剤安定性、使用感について調べ
た。
【0036】
【表8】 ────────────────────────────────── 試 験 例 構 成 成 分 24 25 ────────────────────────────────── (a)O/W相[内油相に4-tert-フ゛チル-4'-メトキシシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタンを含有する] 試験例19のO/W型エマルジョン 70 70 (b)外油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 28 − オクタメチルシクロテトラシロキサン − 28 (c)外油相中の界面活性剤 有機変性粘土鉱物* 2 2 ───────────────────────────────── 乳化安定性 形態観察(室温) ○ ○ (50℃) ○ ○ 内相油残存率(50℃8週間後) 98 98 結晶析出 ○(なし) ○(なし) 使用感 ◎ ◎ ───────────────────────────────── *表4で用いたものと同じである。
【0037】上記表7の製法に準じて表8の処方でO/
W/O型複合エマルジョンを調製した。
【0038】上記表より明らかなように、有機変性粘土
鉱物を外油相に配合した場合には、乳化安定性は乳化形
態、内相油残存率共に極めて良好であった。そして、該
複合エマルジョンにおいては内油相と外油相の合一が抑
制されるため、内油相に配合した難溶性薬剤(4−te
rt−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン)が
外油相中のシリコーン系油分と接触することが極めて少
なく、外油相に移行することもないため、紫外線吸収剤
の結晶析出が効果的に防止された。また、その使用感も
べたつきのない非常に良好なものであった。以上のよう
に、本発明の複合エマルジョンにおいては、外油相中に
有機変性粘土鉱物を存在させることにより、内油相と外
油相の合一が抑制されるので、内油相と外油相を一つの
系に独立して安定に存在せしめることが可能である。従
って、例えば、一方の油相にシリコーン系油分難溶性の
薬剤と非シリコーン系油分を配合し、他方の油相にシリ
コーン系油分を配合すれば、これらを一つの系に安定に
共存させながら、該薬剤の析出を防止することができ、
しかもその使用感も非常に優れるエマルジョンを得るこ
とができる。
【0039】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。本発明のシリコーン系油分含有複合エマルジョン
は、親水性界面活性剤を用い、O/W型エマルジョンを
調製した後、該エマルジョンと、有機変性粘土鉱物を添
加した外相油とを混合乳化することにより構成される。
本発明において用いられる有機変性粘土鉱物は、上述の
通り、水膨潤性粘土鉱物を第4級アンモニウム塩型カチ
オン界面活性剤と非イオン性界面活性剤とで処理して得
られる。
【0040】ここで用いられる水膨潤性粘土鉱物として
は、三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウ
ムの一種で、一般に下記一般式 (X,Y)A(Si,Al)410(OH)2B・nH2
O (但し、X=Al,FeIII,MnIII,CrIII Y=Mg,FeII,Ni,Zn,Li Z=K,Na,Ca また、Aは2〜3,Bは1/3を表す。)で表され、具
体的にはモンモリロナイト、サポナイトおよびヘクトラ
イトなどの天然または合成{この場合、式中の(OH)
基がフッ素で置換されたもの}のモンモリロナイト群
(市販品ではビーガム、クニピア、ラポナイトなどがあ
る)およびナトリウムシリシックマイカナトリウムまた
はリチウムテニオライトの名称で知られる合成雲母(市
販品ではダイモナイト;トピー工業(株)等がある)な
どである。
【0041】また、第4級アンモニウム塩型カチオン界
面活性剤としては下記一般式化1でで表されるものが用
いられる。
【化1】 (式中、R1は炭素数10〜22のアルキル基またはベ
ンジル基、R2はメチル基または炭素数10〜22のア
ルキル基、R3とR4は炭素数1〜3のアルキル基または
ヒドロキシアルキル基、Xはハロゲン原子またはメチル
サルフェート残基を表す。)
【0042】例えば、ドデシルトリメチルアンモニウム
クロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリ
ルトリメチルアンモニウムクロリド、アラキルトリメチ
ルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、ミリスチルジメチルエチルアンモニウム
クロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロリ
ド、ステアリルジメチルエチルアンモニウムクロリド、
アラキルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ベヘニ
ルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ミリスチルジ
エチルメチルアンモニウムクロリド、セチルジエチルメ
チルアンモニウムクロリド、ステアリルジエチルメチル
アンモニウムクロリド、アラキルジエチルメチルアンモ
ニウムクロリド、ベヘニルジエチルメチルアンモニウム
クロリド、ベンジルジメチルミリスチルアンモニウムク
ロリド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリ
ド、ベンジルジメチルベヘニルアンモニウムクロリド、
ベンジルメチルエチルセチルアンモニウムクロリド、ベ
ンジルメチルエチルステアリルアンモニウムクロリド、
ジベヘニルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、
および相当するブロミド等、さらにジパルミチルプロピ
ルエチルアンモニウムメチルサルフェートなどが挙げら
れる。本発明においては、これらの内一種または二種以
上が任意に選択される。
【0043】つぎに、非イオン界面活性剤について述べ
る。本発明で用いられる非イオン界面活性剤は、HLB
値が2〜16の範囲に存在し、3〜12のものがさらに
好適である。ここでいうHLB値は、下記の川上式によ
り算出される。 HLB=7+11.7・log(Mw/Mo) ここで、Mwは親水性基部の分子量、Moは親油基部の
分子量をそれぞれ表す。
【0044】例示すれば、ポリオキシエチレン2〜30
モル付加{以下POE(2〜30)と略す}オレイルエ
ーテル、POE(2〜35)ステアリルエーテル、PO
E(2〜20)ラウリルエーテル、POE(1〜20)
アルキルフェニルエーテル、POE(6〜18)ベヘニ
ルエーテル、POE(5〜25)2−デシルペンタデシ
ルエーテル、POE(3〜20)2−デシルテトラデシ
ルエーテル、POE(3〜20)2−デシルテトラデシ
ルエーテル、POE(8〜16)2−オクチルデシルエ
ーテル等のエーテル型活性剤、およびPOE(4〜6
0)硬化ヒマシ油、POE(3〜14)脂肪酸モノエス
テル、POE(6〜30)脂肪酸ジエステル、POE
(5〜20)ソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型
活性剤、更にPOE(2〜30)グルセリルモノイソス
テアレート、POE(10〜60)グルセリルトリイソ
ステアレート、POE(7〜50)硬化ヒマシ油モノイ
ソステアレート、POE(12〜60)硬化ヒマシ油ト
リイソステアレート等のエーテルエステル型活性剤等の
エチレンオキシド付加型界面活性剤、及びデカグリセリ
ルテトラオレート、ヘキサグリセリルトリイソステアレ
ート、テトラグリセリルジイソステアレート、ジグリセ
リルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エス
テル、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモ
ノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル等の多価アル
コール脂肪酸エーテル型界面活性剤、例えば下記一般式
化2で示されるジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体等のノニオン変性シリコーン活性剤など
が挙げられる。
【0045】
【化2】 これらの中で特に、デカグリセリルテトラオレート、ヘ
キサグリセリルトリイソステアレート、テトラグリセリ
ルジイソステアレート等のトリグリセリン以上のポリグ
リセリン脂肪酸エステル、POE(2〜12)オレイル
エーテル、POE(3〜12)ステアリルエーテル、
POE(2〜10)ラウリルエーテル、POE(2〜1
0)ノニルフェニルエーテル、 POE(6〜15)ベ
ヘニルエーテル、POE(5〜20)2−デシルペンタ
デシルエーテル、 POE(5〜17)2−デシルテト
ラデシルエーテル、 POE(8〜16)2−オクチル
デシルエーテル等のPOE付加エーテル型活性剤、及び
POE(10〜20)硬化ヒマシ油、POE(5〜1
4)オレイン酸モノエステル、 POE(6〜20)オ
レイン酸ジエステル、POE(5〜10)ソルビタンオ
レイン酸エステル等のPOE付加エステル型活性剤、P
OE(3〜15)グリセリルモノイソステアレート、P
OE(10〜40)グリセリルトリイソステアレート等
のPOE付加エーテルエステル型活性剤等のエチレンオ
キシド付加型の非イオン性界面活性剤、前記化2のジメ
チルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体等のノニ
オン変性シリコーン活性剤が好適に用いられる。
【0046】本発明において、これら非イオン性界面活
性剤の中から一種または二種以上が任意に選択されて用
いることができる。本発明に用いる有機変性粘土鉱物の
処理方法としては、例えば、水、アセトン、あるいは低
級アルコール等の低沸点溶剤中で水膨潤性粘土鉱物と第
四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤と非イオン性
界面活性剤とを分散撹拌処理するか、またはあらかじめ
水膨潤性粘土鉱物と第四級アンモニウム塩型カチオン界
面活性剤とを低沸点溶剤中で処理してカチオン変性粘土
鉱物を得てから非イオン性界面活性剤で処理し、次いで
低沸点溶剤を除去することによって得られる。
【0047】以上のように調製された有機変性粘土鉱物
について説明する。粘土鉱物のうち、例えばスメクタイ
ト族に属し、水膨潤性を示すNa型モンモリロナイト
は、第四級アンモニウム塩型有機カチオンとのカチオン
交換反応で、疎水性の有機変性モンモリロナイトとな
る。さらに、非イオン界面活性剤を包接して、包接化合
物(複合体)を生成し、油中で膨潤し、粘調な油性ゲル
を生成する。非イオン界面活性剤は、カチオン交換反応
に関与しないモンモリロナイト層間(シリケイト層)の
極性サイトに包接されるものと考えられ、油性ゲルの生
成はこの層間へ、さらに油が侵入して膨潤、ゲル化する
ものと考えられる(油化学第40巻、第6号、491−
496頁、1991)。
【0048】得られた有機変性粘土鉱物の構造は、第四
級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤と非イオン界面
活性剤とが層間に入り込むことにより水膨潤性粘土鉱物
の層間隔は広がった状態になっている。従って、X線回
折で長面間隔を測定することにより第四級アンモニウム
塩型カチオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の吸着の
有無を確認できる。また、得られた有機変性粘土鉱物を
クロロホルム、エーテルなどを用いてソックスレー抽出
すれば層間の界面活性剤は洗い流されてくるので、該抽
出液をガスクロマトグラフィー分析、熱分解温度測定あ
るいは熱分解量測定(DTA−TG測定)等にかけて界
面活性剤の存在を確かめることができる。
【0049】本発明に用いる有機変性粘土鉱物中の第四
級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の含有量は特に
限定されないが、水膨潤性粘土鉱物100gに対して6
0〜140ミリ等量(以下meqと略す)であることが
望ましい。また有機変性粘土鉱物中の非イオン界面活性
剤の含有量は、水膨潤粘土鉱物100gに対して5〜1
00gが好ましく、更に好ましくは15〜50gであ
る。有機変性粘土鉱物の使用量としては、組成物中0.
1〜5%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3%で
ある。0.1%よりも少ない場合、有機変性粘土鉱物の
添加効果が得られず、安定な複合エマルジョンは得られ
ない。具体的には、経時で内油相が消失し、複合エマル
ジョンを保持し得ない。また、5%を越えると調製され
るエマルジョンの粘度が高く、のびが悪く、ざらつく、
透明感がないなど、実使用上の問題が生じる。
【0050】本発明においては、シリコーン系油分とし
て様々なシリコーン油を幅広く用いることができるが、
使用感や製剤上の観点から常圧における沸点が200℃
以下のものが好適である。例えば、ジメチルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペン
タシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、
テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキ
サン等の環状ポリシロキサン等が挙げられる。この中
で、低重合度ジメチルポリシロキサン(重合度3〜7)
等の揮発性鎖状ポリシロキサンや、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン
等の環状揮発性ポリシロキサン等の揮発性シリコーン油
を用いた場合には、通常のシリコーン油の比較して皮膚
に塗布した際にオイル感が残りにくく、さっぱりとした
使用感が求められる場合には特に好適である。
【0051】なお、これらのシリコーン系油分は場合に
よっては内油相に配合することも可能であるが、好まし
くは外油相に配合される。本発明の複合エマルジョンに
おいて、シリコーン系油分の配合量は適宜選択すること
ができるが、好ましくは複合エマルジョン全量に対して
5〜60重量%、特に好ましくは5〜40重量%、さら
に好ましくは15〜40重量%である。シリコーン系油
分の配合量が少ない場合には、耐水性や耐油性、使用感
等が充分に得られず、シリコーン系油分が多い場合には
エマルジョンの安定化が困難となる場合がある。なお、
シリコーン系油分を外油相に配合する場合、シリコーン
系油分の外油相に対する配合量としては、外油相の複合
エマルジョンに対する割合によって8〜100重量%の
範囲で選択可能であるが、好ましくは60重量%以上、
特に好ましくは90重量%以上である。
【0052】また、本発明の複合エマルジョンにおいて
は、非シリコーン系油分として、極性油〜非極性油まで
幅広い範囲から選択される油分が用いられる。例示すれ
ば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分
岐鎖状軽パラフィン等の炭化水素油、イソプロピルミリ
ステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリ
オクタノエート等のエステル油等が挙げられる。これら
の油分は、場合によっては外油相に添加することも可能
であるが、好ましくは内油相に配合される。なお、本発
明にかかるシリコーン系油分含有O/W/O型複合エマ
ルジョンにおいて最も好ましい形態の一つは、内油相油
分を非シリコーン系油分、外油相油分をシリコーン系油
分とすることである。また、内油相油分を非シリコーン
系油分、外油相油分をシリコーン系油分と非シリコーン
系油分の混合物とすることも好ましい形態の一つであ
る。
【0053】本発明にかかる、親水性界面活性剤を用い
たO/W型エマルジョンの調製法は、特に限定されず、
安定なエマルジョンの得られる方法であればよく、例え
ば、第1段階として親水性非イオン界面活性剤を水溶性
溶媒中に添加し、次にこれに油相を添加して水溶性溶媒
中油型エマルジョンを製造し、第2段階として該エマル
ジョンに水を添加することにより調製する方法がある
(特公昭57−29213号など)。O/W型エマルジ
ョンの調製にこのような乳化法を用いると、例えば内油
相中に脂溶性薬剤を配合した場合にも内相油が微細且つ
安定に配合され、本発明に係る複合エマルジョンの調製
に特に好適である。この乳化法に用いられる水溶性溶媒
は、親水性非イオン界面活性剤を溶解し、その後に添加
する油相との界面に効率よく配向させる効果を持つもの
であり、低級一価アルコール類、低級多価アルコール
類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、アミン類、
低級脂肪酸類、その他親水性で非イオン界面活性剤を溶
解するものであれば極めて広い範囲の物質から選択する
ことができる。
【0054】さらに、得られたO/W型エマルジョンを
上述の有機変性粘土鉱物を含有する外油相となる油分に
撹拌しながら混合・乳化することにより、O/W/O型
複合エマルジョンが得られる。このとき用いる乳化機は
特に限定されるものではないが、ディスパー(TK HOMD
DISPER; TOKUSHU KIKA KOGYO CO.,LTD)等を用いること
が好ましい。ここで、O/W型エマルジョンと、外油相
の割合としては、2:3から19:1が好ましく、更に
好ましくは1:1〜4:1である。2:3よりもO/W
型エマルジョンの混合比が低くなると、調製される複合
エマルジョンの粘度が低く、経時での乳化安定性が悪く
なることもある。また19:1よりもO/W型エマルジ
ョンの混合比が高くなると、撹拌乳化中に転相し複合エ
マルジョンとはならない。
【0055】以上のように形成される複合エマルジョン
は、図2に示すように水相12と外油相10の境界面に
有機変性粘土鉱物20が配向しており、内相油14と外
相油10は有機変性粘土鉱物20により構造的、物理的
に隔離されている。この結果、内油相14が外油相10
に合一されてしまうことを有効に防止することができ
る。そして、例えば内油相にシリコーン系油分に対して
難溶性の脂溶性薬剤と該薬剤の溶解性が高い極性油を配
合し、外油相にシリコーン系油分を配合すれば、両者を
ひとつのエマルジョンの系に共存させながら、該薬剤の
結晶析出を防止することができる。また、その使用感も
のびが良くてべたつきがなく、シリコーン系油分を含有
する単純なW/O型エマルジョンに比しても非常に優れ
ている。
【0056】また、後述するようにこのような複合エマ
ルジョンの内油相に易酸化性の脂溶性薬剤を配合した場
合には、該薬剤の酸化分解を抑制することも明らかとな
った。これは、内油相に配合せしめた脂溶性薬剤が外油
相に移行することがないため、外気に直接接触する確率
が非常に少ないことに起因するものと考えられる。さら
に、工程中加熱の必要が特にないので、調製中の熱分解
も非常に少なく、熱安定性が悪い成分の配合も十分に可
能である。本発明において用いられる脂溶性薬剤として
は、目的に応じて選択されれば良く通常化粧料や医薬品
において用いられているものであれば特に限定されない
が、シリコーン系油分に対して難溶性の脂溶性薬剤は、
前述の様にシリコーン系油分を配合した油相と別の油相
に該薬剤を配合することで結晶析出や、液状のものであ
れば分離を防止できるので、本発明の脂溶性薬剤として
特に好適である。また、脂溶性薬剤が易酸化性の薬剤で
ある場合には内油相に配合することでその酸化安定性も
向上することができる。
【0057】シリコーン系油分に対して難溶性の脂溶性
薬剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,
2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,
2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキ
シ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキ
シ-4'-メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,1-カンファ
ー、3-ベンジリデン-d,1-カンファー、4-メトキシ-4'-t
-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤が特に好
適である。また、サンスクリーン剤の被膜剤としてアン
タロン(ポリビニルピロリドンアルキル共重合体)や、
ヘキセノール、3−オクタノール、1-オクテン-3-オー
ル、9-デセノール、リナロール、ゲラニオール等、極性
が比較的高く、シリコーン系油分に対して相溶性が低い
液状の香料なども挙げられる。
【0058】易酸化性の脂溶性薬剤としては、例えば、
脂溶性ビタミンや油溶性紫外線吸収剤、不飽和脂肪酸及
びその誘導体等が挙げられ、脂溶性ビタミンとしては、
例えば、ビタミンA類としては、レチノール、3-デヒド
ロレチノール、レチナール、3-デヒドロレチナール、レ
チノイン酸、3-デヒドロレチノイン酸やビタミンAアセ
テート、ビタミンAパルミテートなどのエステル類が挙
げられるほか、プロビタミンAとしてα-、β-、γ-カ
ロテン、β-クリプトキサンチン、エキネノン等のカロ
テノイドやキサントフィルが挙げられる。ビタミンDと
しては、ビタミンD2からD7等が挙げられる。ビタミン
Eとしては、α-、β-、γ-、δ-トコフェロール、α
-、β-、γ-、δ-トコトリエノールやビタミンEアセテ
ート、ニコチン酸ビタミンEなどのエステル類が挙げら
れる。ビタミンKとしては、ビタミンK1からK3等が挙
げられる。油溶性紫外線吸収剤としては、前記紫外線吸
収剤が挙げられる。
【0059】不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン
酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ジ
ホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタ
エン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。また、そ
の誘導体として、メチルエステル、エチルエステル、プ
ロピルエステル等のアルコールエステル類、モノグリセ
リド、ジグリセリド、トリグリセリド等のグリセライ
ド、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミン、スフィンゴミエリン等のリン脂質、グルコシル
セラミド等の糖脂質、セラミド、ワックス、コレステロ
ールエステル等が挙げられる。本発明においては、この
ような不飽和脂肪酸の中でも不飽和度の高い、例えば一
分子中に不飽和結合が3個以上あるような不飽和脂肪酸
においても非常に高い薬剤安定性を得ることができる。
【0060】本発明にかかるシリコーン系油分含有複合
エマルジョンは、使用感、耐水性、耐油性が良好で、乳
化安定性や薬剤安定性に優れるので、特に化粧料や皮膚
外用剤として有用である。例えば、乳液、クリーム、フ
ァンデーションのような皮膚化粧料や皮膚外用剤の他、
シャンプー、リンス等の毛髪化粧料等も挙げられる。ま
た、本発明の複合エマルジョンには本発明の効果を損な
わない範囲で通常化粧料や皮膚外用剤に配合される成分
を配合することが可能である。例えば、アルコール類、
保湿剤、美白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、キレート剤、
香料、色素、顔料、染料、界面活性剤、その他の薬剤が
挙げられる。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、配合量は特に指定のない限り重量%で示す。
【0062】有機変性粘土鉱物の調製 まず、本発明に用いられる有機変性粘土鉱物の調製法及
びその確認法につき詳述する。 (調製例1)ベンジルジメチルステアリルアンモニウム
クロリド45g(約100meqに相当)とPOE
(6)ラウリルエーテル30gを50℃で溶解して水溶
液500mlに水膨潤性粘土鉱物であるビーガム(米国
バンダービルト社の商品名)100gを添加し、約30
分間ディスパーにて充分に分散し混合する。次いで濾過
器により水を除去後、約一昼夜乾燥して目的の有機変性
粘土鉱物を得た。ベンジルジメチルステアリルアンモニ
ウムクロリド{(A)と略す}とPOE(6)ラウリル
エーテル{(B)と略す}の吸着の有無は、X線回折及
びDTA−TG法による界面活性剤の熱分解量を測定
し、水膨潤性粘土鉱物(ビーガム)と比較することによ
り判定した。結果を表9に示す。
【0063】
【表9】 ──────────────────────────────────── 処理前の水膨潤性 調製例1の 測定項目 粘土鉱物(ビーガム) 有機変性粘土鉱物 ──────────────────────────────────── X線回折による 13.2 40.1 層間隔値 (オングストローム) (オングストローム) ──────────────────────────────────── DTA−TGによる (A) (B) 界面活性剤の熱分解量* 0 101meq 29g ──────────────────────────────────── *水膨潤性粘土鉱物100gに対する量として表す。
【0064】表9から明らかなように、調製例1の有機
変性粘土鉱物は、処理前の水膨潤性粘土鉱物より層間隔
が著しく広がっている。これはDTA−TG測定の結果
からも明らかなように、ベンジルジメチルステアリルア
ンモニウムクロリドとPOE(6)ラウリルエーテルの
結合によってもたらされていることがわかる。
【0065】(調製例2)POE(15)2−オクチル
デシルエーテル{(C)と略す}20gを溶解したエタ
ノール50mlに有機変性粘土鉱物であるベントン−3
8{モンモリロナイト100gを100meqのジステ
アリルジメチルアンモニウムクロリド(以下(D)と略
す)で処理した有機変性粘土鉱物で米国ナショナルレッ
ド社製の商品名}100gをラボホモジナイザーで充分
に分散混合する。次いでエバポレーターでエタノールを
除去した後、50℃で約一昼夜乾燥し目的の有機変性粘
土鉱物を得た。調製例1と同様に、改質の有無をX線回
折及びクロロホルムによるソックスレー抽出液中の界面
活性剤量(DTA−TGで測定)から評価した。結果を
表10に示す。
【0066】
【表10】 ──────────────────────────────────── 調製例2の 測定項目 ベントン−38 有機変性粘土鉱物 ──────────────────────────────────── X線回折による 26.8 36.8 層間隔値 (オングストローム) (オングストローム) ──────────────────────────────────── ソックスレー抽出に (D) (C) (D) (C) より抽出された界面活 12meq 0 12meq 20g 性剤の熱分解量* ──────────────────────────────────── *表9と同じ
【0067】表10から明らかなように、あらかじめ
(D)の第四級アンモニウム型カチオン界面活性剤で処
理された有機変性粘土鉱物(ベントン−38)を用いて
も、(C)の非イオン性界面活性剤で処理することによ
り層間隔が更に広がることがわかった。これは調製例1
と同様、非イオン性界面活性剤の結合によって生じてい
ると考えられる。なお、ソックスレー抽出で抽出された
第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤量は、カチ
オン交換反応により有機変性化せしめた有機変性粘土鉱
物(ベントン−38)中の物理的に吸着されている第四
級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の量(化学的に
吸着しているものは抽出されない)でありDTA−TG
法によれば全ての第四級アンモニウム塩型カチオン界面
活性剤の量も定量可能であることは調製例1に示したと
おりである。
【0068】複合エマルジョンの乳化安定性評価方法 形態観察 調製したエマルジョンを室温(RT)で6カ月間もしく
は50℃の恒温槽内に1カ月保存し、光学顕微鏡及び肉
眼で形態観察を行った。全く異常が認められない場合
(乳化状態及び粒子が均一である)は良好(◎)とし、
顕微鏡観察では粒子にややバラツキが認められるが、肉
眼判定では異常が認められない場合を(○)、異常が認
められる場合(水や油が分離した、粒子が粗大になった
場合等)は不良(×)とした。 内油相残存率(内油相が外油相に吸収されない点を示
す実験) (1) 定性的実験;O/W/O型複合エマルジョンを調製
し、経時での状態変化を顕微鏡下で観察する。安定性の
悪い系では、経時で内油相が消失し、最終的には単純な
W/O型エマルジョンになる。加速的に試験するため、
50℃の高温下で行う。 (2) 定量的実験;内油相に油溶性のマーカー物質(フタ
ル酸ジエステル)を溶解し、O/W/O型複合エマルジ
ョンを調製する。次にエマルジョンを遠心分離し、強制
的に外油相油分を分離させる。外油相中に含まれるマー
カー濃度を定量し、全体の濃度と差し引き内油相中のマ
ーカー濃度を算出する。これを経時的に行うことで、外
油相への移行状態を観察でき、内油相残存率を算出する
ことができる。
【0069】薬剤安定性評価方法 結晶析出 試料を50℃の恒温室内に1ヶ月保存後、薬剤の析出の
有無を光学顕微鏡にて観察した。 ○…結晶の析出が認められない(なし)。 △…結晶の析出が僅かに認められる(僅かに有り)。 ×…結晶の析出が著しい(有り)。 薬剤残存率 試料を50℃の恒温室内に1ヶ月保存後、各試料中の薬
剤濃度をHPLC法により定量、各薬剤の仕込量に対す
る残存率(%)を算出した。残存率により次のように薬
剤安定性を示した。 ◎…仕込量に対する薬剤残存率が90%以上 ○…仕込量に対する薬剤残存率が80%以上90%未満 △…仕込量に対する薬剤残存率が60%以上80%未満 ×…仕込量に対する薬剤残存率が60%未満
【0070】使用感評価方法 専門パネル10名により、調製した試料を実際に皮膚に
塗布し、官能試験を行った。評価結果は下記の表示で示
した。 ◎:10名中8名以上がべたつかないと回答した。 ○:10名中6名〜7名がべたつかないと回答した。 △:10名中4名〜5名がべたつかないと回答した。 ×:10名中3名以下がべたつかないと回答した。
【0071】(実施例1) (1)組成
【表11】 O/W型エマルジョンの組成 ──────────────────────────── 構 成 成 分 含有量 ──────────────────────────── (a)界面活性剤相 1,3−ブタンジオール 21 精製水 2 POE(60)硬化ヒマシ油 2 ──────────────────────────── (b)内油相 コハク酸ジオクチル 31 4-tert-フ゛チル-4'-メトキシシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタン 2 ──────────────────────────── (c)水相 精製水 42 ────────────────────────────
【0072】
【表12】 外油相の組成 ──────────────────────────── 構 成 成 分 含有量 ──────────────────────────── (d)界面活性剤 調製例1で調製した有機変性粘土鉱物 7 ──────────────────────────── (e)外油相 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 93 ────────────────────────────
【0073】
【表13】 O/W/O型エマルジョンの構成比 ──────────────────────────── 例 O/W型エマルジョン量 外油相量 ──────────────────────────── 実施例1−1 50 50 実施例1−2 60 40 実施例1−3 70 30 実施例1−4 80 20 実施例1−5 35 65 実施例1−6 97 3 ────────────────────────────
【0074】(2)調製方法 まず、上記表11に記載の(a)成分を均一に溶解混合
したものに、(b)成分を撹拌しながら、混合・乳化し
たのち、(c)成分を添加混合しO/W型エマルジョン
を得た。表12の外油相成分を混合し、上記により調製
したO/W型エマルジョンを外油相中に撹拌しながら混
合・乳化し目的のO/W/O型複合エマルジョンを得
た。なお、O/W型エマルジョンと外油相の割合は上記
表13のように変化させ、それぞれ実施例1−1乃至1
−6とした。各複合エマルジョンの乳化安定性及び薬剤
安定性の評価結果を表14に示す。
【0075】
【表14】 エマルジョンの特性評価 ──────────────────────────────────── エマルジョンの形態 乳化安定性 内油相* 結晶 (調製直後) RT 50℃ 残存率 析出 ──────────────────────────────────── 実施例1−1 O/W/O ○ ○ 92% ○(なし) 実施例1−2 O/W/O ◎ ○ 93 ○(なし) 実施例1−3 O/W/O ◎ ◎ 98 ○(なし) 実施例1−4 O/W/O ◎ ○ 93 ○(なし) 実施例1−5 O/W/O × × − ×(有り) 実施例1−6 O/W/O+O/W × × − ×(有り) ──────────────────────────────────── *内相残存率は50℃,1ヶ月後に測定した。
【0076】上記表14からわかるように、実施例1−
5のようにO/W型エマルジョンと外油相との比が2:
3よりも油相量過多の場合には、乳化直後にはO/W/
O型エマルジョンを形成するが乳化安定性が悪く、室温
保存、50℃保存いずれも油浮きが認められた。また、
実施例1−6のように19:1よりもO/W型エマルジ
ョンが過多となると、乳化分散中に転相し、調製される
エマルジョンはO/W/O型とO/W型との混在が確認
された。このように、O/W型エマルジョンと外油相の
比が2:3〜19:1の範囲外であるような場合には安
定な複合エマルジョンが得られず、内油相に配合した薬
剤(4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイ
ルメタン)の結晶析出が認められた。これに対して、実
施例1−1〜1−4のようにO/W型エマルジョンと外
油相の比が2:3〜19:1の範囲内にある場合には系
の乳化安定性が良好で、しかも内油相中に配合した薬剤
の結晶析出が防止されることが理解される。
【0077】(実施例2)次に、本発明のO/W/O型
複合エマルジョンの結晶析出防止効果について、脂溶性
薬剤を変えて調べた。すなわち、表15に示す処方で種
々のシリコーン系油分難溶性の紫外線吸収剤を配合した
O/W/O型エマルジョン又はW/O型エマルジョンを
調製し、その乳化安定性とともに結晶析出防止効果及び
使用感を前記の方法で調べた。 (1)組成
【0078】
【表15】 ──────────────────────────────────── 構 成 成 分 実施例2 比較例1 比較例2 (O/W/O) (W/O) (W/O) ──────────────────────────────────── (a)界面活性剤相 1,3-フ゛チレンク゛リコール 5 5 5 POE(60)硬化ヒマシ油 1 − − メチルハ゜ラヘ゛ン 0.1 0.1 0.1 ──────────────────────────────────── (b)内油相 スクワラン 5 − − テトラ2-エチルヘキサン酸ヘ゜ンタエリスリット 5 − − 紫外線吸収剤(表16参照) 2 − − ──────────────────────────────────── (c)水相 精製水 48.9 59.9 59.9 ──────────────────────────────────── (d)外油相 コハク酸ジオクチル 9 9 30 ジメチルポリシロキサン 10 10 − デカメチルシクロペンタシロキサン 10 10 − シリコーンゴム 1 1 − 有機変性粘土鉱物(調製例1) 1 1 1 POE(6)ステアリルエーテル 1 1 1 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体* 1 1 1 紫外線吸収剤(表16参照) − 2 2 ──────────────────────────────────── *表4で用いたものと同じ。
【0079】(2)製法 実施例2 (a)成分を均一に溶解混合し、これに(b)成分を撹
拌しながら混合し、分散乳化して界面活性剤相中油型乳
化組成物とした後、これに(c)成分を添加、混合して
O/W型エマルションを得た。次いで、このO/W型エ
マルションを、予め混合分散しておいた(d)成分中に
撹拌しながら混合、乳化することにより目的とするO/
W/O型複合エマルジョンを得た。
【0080】比較例1及び比較例2 (a)成分を均一に溶解混合した後、(a)成分と
(c)成分を混合した。(d)成分中に(a)+(c)
成分を撹拌しながら混合、乳化することにより、目的と
するW/O型エマルションを得た。
【0081】(3)評価方法 表15のエマルジョンに対して前記の方法で形態観察を
行い、粒径の変化や分離等の乳化状態の変化を調べ、乳
化安定性を評価した。なお、保存期間は25℃6ヶ月も
しくは50℃2ヶ月であった。また、前記の方法で結晶
析出防止効果及び使用感を評価した。結果を表16に示
す。
【0082】
【表16】 ──────────────────────────────────── 紫外線吸収剤 乳化安定性 結晶析出 使用感 ──────────────────────────────────── 実施例(O/W/O) 2−1 2,4-シ゛ヒト゛ロキシヘ゛ンソ゛フェノン ◎ ○(なし) ◎ 2 2,2'-シ゛ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン ◎ ○(なし) ◎ 3 2,2'-シ゛ヒト゛ロキシ-4,4'-シ゛メトキシヘ゛ンソ゛フェノ ◎ ○(なし) ◎ 4 2,2',4,4'-テトラヒト゛ロキシヘ゛ンソ゛フェノン ◎ ○(なし) ◎ 5 2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン ◎ ○(なし) ◎ 6 2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシ-4'-メチルヘ゛ンソ゛フェノン ◎ ○(なし) ◎ 7 3-(4'-メチルヘ゛ンシ゛リテ゛ン)-d,1-カンファー ◎ ○(なし) ◎ 8 3-ヘ゛ンシ゛リテ゛ン-d,1-カンファー ◎ ○(なし) ◎ 9 4-メトキシ-4'-t-フ゛チルシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタン ◎ ○(なし) ◎ ──────────────────────────────────── 比較例(W/O:シリコーン系油分含有) 1−1 2,4-シ゛ヒト゛ロキシヘ゛ンソ゛フェノン × ×(有り) ○ 2 2,2'-シ゛ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン × ×(有り) ○ 3 2,2'-シ゛ヒト゛ロキシ-4,4'-シ゛メトキシヘ゛ンソ゛フェノ × ×(有り) ○ 4 2,2',4,4'-テトラヒト゛ロキシヘ゛ンソ゛フェノン × ×(有り) ○ 5 2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン × ×(有り) ○ 6 2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシ-4'-メチルヘ゛ンソ゛フェノン × ×(有り) ○ 7 3-(4'-メチルヘ゛ンシ゛リテ゛ン)-d,1-カンファー × ×(有り) ○ 8 3-ヘ゛ンシ゛リテ゛ン-d,1-カンファー × ×(有り) ○ 9 4-メトキシ-4'-t-フ゛チルシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタン × ×(有り) ○ ──────────────────────────────────── 比較例(W/O:シリコーン系油分配合) 2−1 2,4-シ゛ヒト゛ロキシヘ゛ンソ゛フェノン × ○(なし) × 2 2,2'-シ゛ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン × ○(なし) × 3 2,2'-シ゛ヒト゛ロキシ-4,4'-シ゛メトキシヘ゛ンソ゛フェノ × ○(なし) × 4 2,2',4,4'-テトラヒト゛ロキシヘ゛ンソ゛フェノン × ○(なし) × 5 2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン × ○(なし) × 6 2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシ-4'-メチルヘ゛ンソ゛フェノン × ○(なし) × 7 3-(4'-メチルヘ゛ンシ゛リテ゛ン)-d,1-カンファー × ○(なし) × 8 3-ヘ゛ンシ゛リテ゛ン-d,1-カンファー × ○(なし) × 9 4-メトキシ-4'-t-フ゛チルシ゛ヘ゛ンソ゛イルメタン × ○(なし) × ────────────────────────────────────
【0083】表16に示すように、比較例1の外油相に
紫外線吸収剤とともにシリコーン油が配合したW/O型
エマルジョンにおいては、べたつきのなさという点では
比較的良好であったが、紫外線吸収剤が溶解性の低いシ
リコーン油と同じ油相中に配合されているために保存中
に紫外線吸収剤の析出が認められた。一方、比較例2の
ように外油相にシリコーン油を配合せず、代わりに紫外
線吸収剤の溶解性が高い極性油分を用いたW/Oエマル
ジョンの場合には、紫外線吸収剤の経時的な析出は認め
られなかったがべたつき感があり、使用感が悪かった。
【0084】これに対して、本発明のO/W/O型複合
エマルジョン(実施例2−1〜9)では結晶が析出する
ことがなく、乳化安定性も良好であった。しかもその使
用感はさっぱりとしてべたつきがなく、比較例1のエマ
ルジョンに比しても良好な使用感のクリームを得ること
ができた。以上のように、本発明の複合エマルジョンに
おいてはシリコーン系油分難溶性の薬剤、非シリコーン
系油分、シリコーン系油分という相溶性の低い成分を一
つのエマルジョンの系に共存させながら、該薬剤の結晶
析出を防止でき、乳化安定性や使用感も非常に良好なエ
マルジョンを得ることができるので、使用性及び安定性
に優れたサンケア化粧料等の調製が可能である。
【0085】(実施例3及び実施例4)脂溶性薬剤とし
て易酸化性の脂溶性ビタミン(ビタミンAパルミテー
ト)又は易酸化性の油溶性紫外線吸収剤(オクチルジメ
チルPABA)を用い、下記表17及び表18の処方に
示すように、各成分の配合量を変化させて前記実施例1
の調製方法に準じてO/W/O型複合エマルジョンを調
製した。その結果、本発明の複合エマルジョンにおいて
は薬剤の酸化分解を抑制することができ、前記表14と
同様、O/W型エマルジョンと外油相の比が2:3〜1
9:1の範囲内であれば、系の乳化安定性や薬剤の酸化
安定性が良好であることが示された。
【0086】
【表17】 ──────────────────────────────────── 実施例 構 成 成 分 3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 ──────────────────────────────────── (a)界面活性剤相 1,3-フ゛チレンク゛リコール 5 5 5 5 5 グリセリン 2 2 2 2 2 POE(60)硬化ヒマシ油 1 1 1 1 1 メチルハ゜ラヘ゛ン 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 ──────────────────────────────────── (b)内油相 スクワラン 5 5 5 5 5 ヒ゛タミンAハ゜ルミテート 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 ──────────────────────────────────── (c)水相 精製水 82.2 76.7 56.7 36.7 16.7 ──────────────────────────────────── (d)外油相 オクタメチルシクロテトラシロキサン 2.1 7.6 27.6 47.6 67.6 カチオン変性粘土鉱物* 2 2 2 2 2 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体** 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 ──────────────────────────────────── O/Wエマルシ゛ョン:外油相(重量比) 21:1 9:1 7:3 5:5 3:7 ──────────────────────────────────── 乳化安定性(形態観察) 50℃ × ○ ◎ ○ × 薬剤残存率 × ◎ ◎ ◎ × ──────────────────────────────────── *商品名:ヘ゛ントン-38(米国ナショナルレット゛社製、前記調製例2で用いたものと同じ) **表4で用いたものと同じ。
【0087】
【表18】 ──────────────────────────────────── 実施例 構 成 成 分 4-1 4-2 4-3 4-4 4-5 ──────────────────────────────────── (a)界面活性剤相 1,3-フ゛チレンク゛リコール 5 5 5 5 5 グリセリン 2 2 2 2 2 POE(60)硬化ヒマシ油 1 1 1 1 1 メチルハ゜ラヘ゛ン 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 ──────────────────────────────────── (b)内油相 オクチルメトキシシンナメート 5 5 5 5 5 トリ2-エチルヘキサン酸ク゛リセリル 10 10 10 10 10 オクチルシ゛メチルPABA 1 1 1 1 1 ──────────────────────────────────── (c)水相 精製水 70.75 65.3 45.3 25.3 5.3 ──────────────────────────────────── (d)外油相 流動パラフィン 0.65 2.6 9.2 16.0 22.6 テ゛カメチルシクロヘ゜ンタシロキサン 1.5 5.0 18.4 31.6 45.0 カチオン変性粘土鉱物* 1 1 1 1 1 POE(10)ソルヒ゛タン脂肪酸エステル 1 1 1 1 1 POEメチルホ゜リシロキサン共重合体** 1 1 1 1 1 ──────────────────────────────────── O/Wエマルシ゛ョン:外油相(重量比) 21:1 9:1 7:3 5:5 3:7 ──────────────────────────────────── 乳化安定性(形態観察) 50℃ × ○ ◎ ○ × 薬剤残存率 △ ◎ ◎ ◎ △ ──────────────────────────────────── *商品名:ヘ゛ントン-38(米国ナショナルレット゛社製、前記調製例2で用いたものと同じ) **表4で用いたものと同じ。
【0088】(実施例5)さらに、内油相に配合する易
酸化性薬剤として種々の脂溶性ビタミンを用いた場合に
ついても、その薬剤残存率を調べた。 (1)組成
【0089】
【表19】 ──────────────────────────────────── 構 成 成 分 実施例5 比較例3 比較例4 (O/W/O) (W/O) (O/W/O) ──────────────────────────────────── (a)界面活性剤相 1,3-フ゛チレンク゛リコール 5 5 5 POE(60)硬化ヒマシ油 1 − − ベントナイト − − 0.5 メチルハ゜ラヘ゛ン 0.1 0.1 0.1 ──────────────────────────────────── (b)内油相 スクワラン 5 − 5 テトラ2-エチルヘキサン酸ヘ゜ンタエリスリット 5 − 5 セタノール − − 3 POE(20)ソルヒ゛タントリステアレート − − 1 シ゛ク゛リセリンモノオレエート − − 2 脂溶性ビタミン(表20参照) 1 − 1 ──────────────────────────────────── (c)水相 精製水 51.9 52.9 37.4 ──────────────────────────────────── (d)外油相 流動パラフィン 10 10 10 ジメチルポリシロキサン 10 10 10 デカメチルシクロペンタシロキサン 10 10 10 有機変性粘土鉱物(調製例1) 1 1 1 スクワラン − 5 − テトラ2-エチルヘキサン酸ヘ゜ンタエリスリット − 5 − テ゛キストリンハ゜ルミチン酸エステル − − 1 セタノール − − 3 ミツロウ − − 2 ソルヒ゛タンセスキオレエート − − 3 ソルヒ゛タンモノステアレート − − 1 脂溶性ビタミン(表20参照) − 1 − ────────────────────────────────────
【0090】(2)調製方法 実施例5 前記実施例4に準じた。 比較例3 前記比較例1に準じた。 比較例4 (a)+(c)成分と(b)成分を別々に70℃に加熱
溶解した後、(a)+(c)成分に(b)成分を撹拌し
ながら混合し、分散乳化してO/W型エマルションを得
た。次いで、このO/W型エマルションを、予め80℃
に加熱溶解しておいた(d)成分中に撹拌しながら混合
した後、撹拌しつつ30℃まで冷却し、目的とするO/
W/O型複合エマルションを得た。
【0091】(3)評価方法 このようにして調製したエマルジョンに対して前記の方
法で形態観察及び薬剤残存率を評価した。また、50℃
の恒温槽内に1ヶ月保存後の変色、変臭についても判定
し、下記の基準に従って評価を行った。変色(目視判定) ◎:全く変色しない ○:やや変色した △:かなり変色した ×:変色が著しい変臭 ◎:全く変化しない ○:ほとんど変化しない △:僅かに異臭がした ×:著しく異臭がした 結果を表20に示す。
【0092】
【表20】 ──────────────────────────────────── 脂溶性ビタミン 乳化安定性 薬剤残存率 変色 臭い 形態観察 (%) ──────────────────────────────────── 実施例5−1 レチノール ◎ ◎ ○ 90.1 (O/W/O) 2 ヒ゛タミンAハ゜ルミテート ◎ ◎ ○ 97.5 3 ヒ゛タミンAアセテート ◎ ◎ ○ 95.1 4 α-トコフェロール ◎ ◎ ○ 92.2 5 ヒ゛タミンEアセテート ◎ ◎ ○ 99.8 6 ヒ゛タミンD2 ◎ ◎ ○ 93.2 7 β-カロチン ◎ ◎ ○ 99.1 ──────────────────────────────────── 比較例3−1 レチノール × × ○ 48.9 (W/O) 2 ヒ゛タミンAハ゜ルミテート △ △ ○ 67.5 3 ヒ゛タミンAアセテート △ △ ○ 50.8 4 α-トコフェロール △ ○ ○ 63.2 5 ヒ゛タミンEアセテート ○ ○ ○ 70.4 6 ヒ゛タミンD2 △ ○ ○ 83.3 7 β-カロチン △ ○ ○ 87.1 ──────────────────────────────────── 比較例4−1 レチノール × × × 12.1 (O/W/O) 2 ヒ゛タミンAハ゜ルミテート × × × 22.3 3 ヒ゛タミンAアセテート × × × 30.6 4 α-トコフェロール △ △ × 63.7 5 ヒ゛タミンEアセテート △ △ × 72.4 6 ヒ゛タミンD2 △ △ × 77.7 7 β-カロチン △ ○ △ 69.6 ────────────────────────────────────
【0093】表20から明らかなように、比較例3−1
〜3−7のW/O型においては油相の分離等は認められ
ず、安定な乳化状態が得られるが、薬剤(脂溶性ビタミ
ン)が外油相に配合されているため、酸化分解による薬
剤の残存量の低下が顕著であった。また、比較例4−1
〜4−7のように従来法によるO/W/O型複合エマル
ジョンの場合には乳化安定性が悪く容易に分離してしま
い、また、調製工程において加熱を伴うため、内油相中
に配合した薬剤の分解が著しく、変色や変臭の程度も大
きかった。これに対して、本発明の複合エマルジョン
(実施例5−1〜5−7)においては、油分等の分離や
変色、変臭がなく、乳化安定性に優れ、薬剤残存率も極
めて高いエマルジョンを得ることができた。
【0094】以上のように、本発明によれば外油相中に
有機変性粘土鉱物を配合することにより、乳化安定性及
び使用感に非常に優れたシリコーン系油分含有複合エマ
ルジョンを得ることができる。そして、本発明の複合エ
マルジョンにおいては内油相と外油相の合一が抑制され
るので、内油相と外油相に性質の異なる油分を安定に独
立して保持することができ、例えば内油相にシリコーン
系油分に対して難溶性の薬剤とこれを溶解する非シリコ
ーン系油分、外油相にシリコーン系油分をそれぞれ配合
すれば、これらを一つの系に共存させながら、薬剤の結
晶析出を防止することができる。また、内油相に配合し
た脂溶性薬剤が易酸化性の場合には、該薬剤の酸化分解
を抑制することもできる。さらに、本発明の製造方法に
よれば、特殊な乳化機や加熱急冷工程を必要とせず、常
温で簡便な調製が可能となるため、安価、且つ簡便に複
合エマルジョンを調製でき、しかも熱に対して不安定な
成分の配合も十分に可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるシリ
コーン系油分含有複合エマルジョン及びその製造方法に
よれば、外油相中に有機変性粘土鉱物を存在させること
により、乳化安定性、薬剤安定性、使用感に優れるシリ
コーン系油分含有O/W/O型製剤を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な複合エマルジョンの概念図である。
【図2】本発明にかかる複合エマルジョンの概念図であ
る。
【符号の説明】
10 外相油 12 水相 14 内相油 20 有機変性粘土鉱物

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外油相中にO/W型エマルジョンが分散
    されたO/W/O型複合エマルジョンにおいて、前記外
    油相中に有機変性粘土鉱物を含有し、且つ油相中にシリ
    コーン系油分を含有することを特徴とするシリコーン系
    油分含有複合エマルジョン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合エマルジョンにおい
    て、有機変性粘土鉱物は水膨潤性粘土鉱物を第4級アン
    モニウム型カチオン界面活性剤と非イオン性界面活性剤
    とで処理して得られたものであることを特徴とする複合
    エマルジョン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の複合エマルジョン
    において、O/W型エマルジョンと外相油との配合比が
    2:3〜19:1であることを特徴とするシリコーン系
    油分含有複合エマルジョン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の複合エマ
    ルジョンにおいて、シリコーン系油分が外油相中に配合
    されたことを特徴とするシリコーン系油分含有複合エマ
    ルジョン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の複合エマ
    ルジョンにおいて、シリコーン系油分が複合エマルジョ
    ン全量に対して5〜60重量%配合されたことを特徴と
    するシリコーン系油分含有複合エマルジョン。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の複合エマ
    ルジョンにおいて、シリコーン系油分が沸点200℃以
    下の低沸点シリコーン油であることを特徴とするシリコ
    ーン系油分含有複合エマルジョン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の複合エマ
    ルジョンにおいて、内油相中に脂溶性薬剤を含有するこ
    とを特徴とするシリコーン系油分含有複合エマルジョ
    ン。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の複合エマルジョンにおい
    て、内油相に配合される脂溶性薬剤がシリコーン系油分
    に対して難溶性の薬剤であり、且つシリコーン系油分が
    外油相に配合されたことを特徴とするシリコーン系油分
    含有複合エマルジョン。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の複合エマルジョン
    において、内油相に配合される脂溶性薬剤が易酸化性の
    脂溶性ビタミン、油溶性紫外線吸収剤、不飽和脂肪酸及
    びその誘導体から選ばれる1種又は2種以上であること
    を特徴とするシリコーン系油分含有複合エマルジョン。
  10. 【請求項10】 親水性非イオン界面活性剤を水溶性溶
    媒中に添加し、これに内油相油分を添加する水溶性溶媒
    中油型エマルジョン調製工程と、 前記水溶性溶媒中油型エマルジョンに水を添加するO/
    W型エマルジョン調製工程と、 前記O/W型エマルジョンを、有機変性粘土鉱物を含有
    する外油相油分に分散乳化してO/W/O型複合エマル
    ジョンとする複合化工程と、を備え、前記油相油分とし
    てシリコーン系油分を配合することを特徴とするシリコ
    ーン系油分含有複合エマルジョンの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の複合エマルジョンの
    製造方法において、シリコーン系油分を外油相油分とし
    て配合することを特徴とするO/W/O型複合エマルジ
    ョンの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載のO/W/O
    型複合エマルジョンの製造方法において、内油相中に脂
    溶性薬剤を配合することを特徴とする複合エマルジョン
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のO/W/O型複合エ
    マルジョンの製造方法において、内油相に配合される脂
    溶性薬剤がシリコーン系油分に対して難溶性の薬剤であ
    り、且つシリコーン系油分を外油相油分として配合する
    ことを特徴とする複合エマルジョンの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13記載のO/W/O
    型複合エマルジョンの製造方法において、内油相に配合
    される前記脂溶性薬剤が易酸化性の脂溶性ビタミン、油
    溶性紫外線吸収剤、不飽和脂肪酸及びその誘導体から選
    ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする複合エ
    マルジョンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006273747A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kose Corp O/w/o型乳化化粧料
JP2008013517A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Pola Chem Ind Inc エステティック施術に好適な皮膚外用剤
CN101790571A (zh) * 2007-09-18 2010-07-28 贝克休斯公司 包含乳化的水相的逆乳液流体体系,所述乳化的水相包含分散的必备的乳胶颗粒

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