JP2006273711A - 貼り合わせ基板の分断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貼り合わせ基板を分断するのに十分な垂直クラックを得て、スクライブラインに沿った精確な分断を行なうことができる貼り合わせ基板の分断方法を提供する。
【解決手段】一対のガラス基板を対向して貼り合わせた貼り合わせ基板を分断する方法であって、当該貼り合わせ基板の両面に薄いフィルムを貼り付けた状態で、スクライブを行なう工程を有し、このスクライブ工程で使用されるカッターホイールは、当該ホイールの両側面間の中央よりも一方の側面寄りに偏位した位置に円周方向に沿って刃先稜線が設けられ、その刃先稜線が近接している一方の側面が貼り合わせ基板の表面に設けられた薄膜に対向する。
【選択図】図24

Description

本発明は、脆性材料にスクライブラインを形成するために使用されるスクライブカッターであるカッターホイール、及び、このカッターホイールを装着したスクライブ装置、脆性材料を分断するためのスクライブラインを形成するスクライブ方法及び貼り合わせ基板の分断方法、並びにこのカッターホイールを製造するためのカッターホイール製造方法及び装置に関する。
脆性材料にはガラス基板や貼り合わせガラス基板に使用されるガラス、半導体ウエハ、セラミックス等が含まれる。
有機エレクトロルミネセンス(EL)素子を用いた有機ELディスプレイは、液晶表示素子(LCD)を用いたディスプレイと比べて、自発光型のためバックライトが不要、このためさらなる極薄化が可能、また低消費電力であり、応答速度も早い、など多くの利点を有することから、近年、LCDディスプレイに代わる次世代のフラットパネルディスプレイ(FPD)として、開発が急速に進んでいる。
有機EL素子は、ガラス基板上に、透明陽極層、有機正孔注入層、有機発光層、金属電極層(陰極)がこの順に積層されてなり、素子に直流電圧を印加することにより陽極から正孔、陰極から電子がそれぞれ有機正孔注入層に注入され、有機発光層内で電子と正孔が再結合して励起状態を形成し、その励起状態から基底状態への移行過程で発光が行われるものである。このようになる有機EL素子も、例えば大規模集積回路(LSI)等の半導体チップと同様、脆性基板上に多数個をマトリックス状に形成し、基板を各素子単位に切断分離するといった工程を経て製造される。
ところで、ガラス、シリコン、セラミックスなどの脆性基板の切断分離に用いられる方法としては、基板を、高速で回転する50〜200μm程度の厚みのダイヤモンドブレードにより切削し、基板に切断用溝を形成するダイシングと、0.6〜2mm程度の厚みを有するダイヤモンド製のカッターホイールで基板の表面を傷つけて基板の厚み方向に垂直クラックを発生させるスクライビングの2つが代表的である。
ダイシングは、上記したようにスクライビングのカッターホイールに比べて極めて薄いブレードを用いるものであるから、上記有機EL素子のような表面に薄膜や凸部が形成された基板を切断するのにあたってそれら薄膜や凸部を損傷しにくいので好適な方法といえる。
ところが、ダイシングにあっては、ブレードが切削している領域で摩擦熱が発生し、切削はこの領域に冷却水を供給しながら行われることから、金属電極層及び金属端子等の金属部分を有している有機EL素子にとっては決して望ましい方法とはいえない。つまり、ダイシングによる場合は、ダイシング後の冷却水の除去に完全を期すことが実際には難しく、冷却水の除去が不完全で残留水分があると有機EL素子の上記金属部分に腐食が発生するおそれがある。また、ダイシングはスクライビングに比べて切断時間が長く、延いては生産性がよくないといった問題もある。
これに対してスクライビングは冷却水が一切不要であるためダイシングによる場合よりも製品歩留りがよく、しかも切断時間がダイシングに比べて短いため生産性に優れるといった利点を有している。
しかしながら、スクライビングにあっては、ダイシングとは全く異質の問題がある。すなわち、スクライビングは、ダイシングとは異なり、基板上に薄膜があるとスクライブが困難であることから、スクライビングによる切断分離が行われる場合には、発光部を含む凸部や薄膜はカッターホイールを差し入れることのできる間隔をもって基板表面に形成される。そして、凸部や薄膜間に露出する基板面をカッターホイールでスクライブすることになるが、図28に示すように、従来のカッターホイールHは、ホイールの両側面間の中央に刃先稜線Cがあるため、スクライブの位置Sは、カッターホイールHが凸部や薄膜Xと干渉することのないよう凸部や薄膜Xから十分離れた箇所とならざるをえない。ところがこのようにスクライブの位置Sが凸部や薄膜Xから離れた位置にあると、素子1個当たりの基板の大きさが必要以上に大きくなってしまうといった問題があった。
図30(a)〜(d)は、それぞれ、液晶マザー基板等の貼り合わせガラス基板を所望の裁断位置にて裁断する従来の手順の一例として、液晶マザー基板の第1の分断方法を、工程毎に説明する断面図である。なお、以下の説明では、便宜上、液晶マザー基板である一対のガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される貼り合わせガラス基板71の一方側のガラス基板をガラス基板7A、他方側のガラス基板をガラス基板7Bとする。
(1)まず、図30(a)に示すように、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Aを上側にして、貼り合わせガラス基板71を第1のスクライブ装置上に載置し、ガラス基板7Aに対して、ガラスカッターホイール72を用いてスクライブしてスクライブラインSaを形成する。
(2)次に、ガラス基板7AにスクライブラインSaを形成した貼り合わせガラス基板71の表裏を反転させて、第2のスクライブ装置に搬送する。そして、この第2のスクライブ装置にて、図30(b)に示すように、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Bに対して、ガラスカッターホイール72を用いてスクライブして、スクライブラインSbをスクライブラインSaに平行に形成する。なお、液晶マザー基板では、複数の液晶パネルが形成され、この各液晶パネルが形成される一方のガラス基板の側縁部上に端子を形成する必要があるために、ガラス基板7Bに形成されるスクライブラインSbは、ガラス基板7Aに形成されたスクライブラインSaと、水平方向にスクライブ位置が互いにずれるように形成されることが多い。
(3)次に、ガラス基板7A及びガラス基板7BのそれぞれにスクライブラインSa及びSbが形成された貼り合わせガラス基板71を、ガラス基板7A及びガラス基板7Bの上下を反転させることなく、ガラス基板7Bを上側にして、第1のブレイク装置に搬送する。この第1のブレイク装置では、図30(c)に示すように、貼り合わせガラス基板71は、マット74上に載置され、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Bに対して、ブレイクバー73がガラス基板7Aに形成されたスクライブラインSaに沿って押し付けられる。これにより、下側のガラス基板7Bは、スクライブラインSaから上方に向かって垂直クラックが伸長し、ガラス基板7Aは、スクライブラインSaに沿ってブレイクされる。
(4)次に、ガラス基板7Aがブレイクされた貼り合わせガラス基板71を、ガラス基板7A及びガラス基板7Bの上下を反転させて、ガラス基板7Aを上側にして、第2のブレイク装置に搬送する。この第2のブレイク装置では、図30(d)に示すように、貼り合わせガラス基板71は、マット74上に載置され、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Aに対して、ブレイクバー73がガラス基板7Bに形成されたスクライブラインSbに沿って押し付けられる。これにより、下側のガラス基板7Bは、スクライプラインSbに沿ってブレイクされる。
上記(1)〜(4)の各工程を実施することにより、貼り合わせガラス基板71は、所望の位置にて2つに分断される。
上記の工程(3)及び(4)で示されているように、上側に位置するガラス板にブレイクバー73が押し付けられることによって、下側のガラス基板がブレイクされる。例えば、図30(c)に示すように、上側のガラス基板7Bに、プレクバー73を押し付けると、ガラス基板7A及びガラス基板7Bは、ブレイクパー73の押し付けられた部分が下方に撓んだ状態になり、ガラス基板7Aに生じていたスクライブラインSaの垂直方向の亀裂(垂直クラック)を両側へ広げる向きに力が加わる。これにより、その垂直クラックが上方に伸長して、ガラス基板7Aの上部に達することにより、ガラス基板7Aが分断される。一方、上側のガラス基板7Bに形成されたスクライブラインSbには、下側のガラス基板の場合と反対に、亀裂(垂直クラック)を両側から抑え込む力が作用するため、上側のガラス基板7Bはブレイクされない。
工程(3)及び(4)にて実施されるブレイク工程において、例えば、図30(c)に示すように、下面側のガラス基板7AのスクライブラインSaでの垂直クラックの深さが浅いと、ガラス基板7Aをブレイクするために比較的大きな押し付け力を加えることが必要となる。しかしながら、ブレイクバー73による押し付け力が強過ぎる場合には、上側のガラス基板7Bが同時にブレイクされるおそれがある。この場合、下側のガラス基板7Aでは、垂直クラックがほぼ垂直方向に延びてブレイクが進むため問題を生じないが、上側のガラス基板7Bでは、ブレイクバー73により押し付ける力が加えられる位置と、ガラス基板7Bに形成されたスクライブラインSbの位置とが異なっており、上側のガラス基板7Bをブレイクするような向きの力が作用しないため、斜め方向の分断面が形成されるおそれがある。また、亀裂の部分が互いに衝突して、その箇所に欠け(水平クラック)が生じるおそれもある。このような斜め方向の分断面、欠け等が発生した貼り合わせガラス基板は、液晶パネルとしての商品価値が消失する。
そこで、本願出願人は、特許文献1の「貼り合わせガラス基板の裁断方法」にて、このような問題を解決することのできる脆性基板の分断方法を提案した。
図31(a)〜(d)は、それぞれ、この特許文献1に記載された脆性材料を分断する第2の分断方法について、工程毎に説明する断面図である。以下、図31(a)〜(d)に基づいて、この特許文献1に記載された方法について説明する。
なお、以下の説明では、上記図30(a)〜(d)と同様、便宜上、液晶マザー基板である一対のガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される貼り合わせガラス基板71の一方側のガラス基板をガラス基板7A、他方側のガラス基板をガラス基板7Bとする。
(1)まず、図31(a)に示すように、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Aを上側にして、第1のスクライブ装置上に載置し、ガラス基板7Aに対して、ガラスカッターホイール72を用いてスクライブラインSaを形成する。
(2)次に、ガラス基板7AにスクライブラインSaを形成した貼り合わせガラス基板71の表裏を反転させて、第1のブレイク装置に搬送する。この第1のブレイク装置では、図31(b)に示すように、貼り合わせガラス基板71は、マット74上に載置され、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Bに対して、ブレイクバー73がガラス基板7Aに形成されたスクライブラインSaに沿って押し付けられる。これにより、下側のガラス基板7Aでは、スクライブラインSaから上方に向かって垂直クラックが伸長し、ガラス基板7AはスクライブラインSaに沿ってブレイクされる。
(3)次に、ガラス基板7Aがブレイクされた貼り合わせガラス基板71を、ガラス基板7A及びガラス基板7Bの表裏を反転させることなく、第2のスクライブ装置に搬送する。そして、この第2のスクライブ装置にて、図31(c)に示すように、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Bに対して、ガラスカッターホイール72を用いてスクライブして、スクライブラインSbをスクライブラインSaに平行に形成する。なお、液晶マザー基板では、複数の液晶パネルが形成され、この各液晶パネルが形成される一方のガラス基板の側縁部上に端子を形成する必要があるために、ガラス基板7Bに形成されるスクライブラインSbは、ガラス基板7Aに形成されたスクライブラインSaと、水平方向にスクライブ位置が互いにずれるように形成されることが多い。
(4)次に、その貼り合わせガラス基板71の表裏を反転させて、ガラス基板7Aを上側にして、第2のブレイク装置へ搬送する。この第2のブレイク装置では、図31(d)に示すように、貼り合わせガラス基板71は、マット74上に載置され、貼り合わせガラス基板71のガラス基板7Aに対して、ガラス基板7Bに形成されたスクライブラインSbの対向する部分に、ブレイクバー73をスクライブラインSbに沿って押し付ける。これにより、下側のガラス基板7Bは、スクライブラインSbに沿ってブレイクされる。上記(1)〜(4)の各工程を実施することにより、貼り合わせガラス基板71は、所望の位置にて分断される。
この脆性材料の第2の分断方法では、工程(2)及び(4)に示されるように、ブレイク工程時には、ブレイク対象となる下側のガラス基板にはスクライブラインが形成されているが、上側のガラス基板にはスクライブラインが存在しないため、下側のガラス基板と同時に、上側のガラス基板がブレイクされることはない。このため、前述の図30(a)〜(d)にて示す第1の分断方法で問題となっている斜め方向の分断面、欠け等が発生するおそれは解消される。
図7には、この第1及び第2の分断方法に使用されるガラスカッターホイール72の回転軸に直交する方向から見た正面図を示している。このガラスカッターホイール72は、ホイール径φ、ホイール厚Wのディスク状とされ、ホイールの周囲に鈍角の刃先角αの刃先が形成されている。
本願出願人は、特許文献2の「ガラスカッターホイール」にて、上記図7に示されるガラスカッターホイール72を改良して、更に、深い垂直クラックを形成することのできるガラスカッターホイールを開示している。
図29(a)及び(b)は、それぞれこの特許文献2に記載のガラスカッターホイールの正面図及び回転軸に沿う方向から見た側面図を示している。
このガラスカッターホイール25は、ホイールの周囲に形成された刃先の稜線部に凹凸を形成している。即ち、刃先の稜線部25aに、U字状もしくはV字状の溝25bが形成されている。この溝25bは、刃先の稜線部25aから深さhに、ピッチP毎に切り欠くことにより形成されている。このような溝25bが形成されていることにより、高さhの突起jがピッチPの間隔毎に形成された形状を有している。
また、図29(a),(b)では、ガラスカッターホイールの稜線部に形成される溝を分かり易くするために、溝を大きくして描いているが、実際には、この溝は、肉眼で見ることができないミクロンオーダーのサイズである。
下記の表1には、ホイール径φ、ホイール厚W等の具体的な数値を示しており、一例として,タイプ1とタイプ2の2種類を示している。
Figure 2006273711
このような稜線部に凹凸が形成されたガラスカッターホイール25は、スクライブ性能、即ち、垂直クラックを形成する能力を飛躍的に向上させることができ、このガラスカッターホイール25を用いてスクライブを行えば、スクライブ時にガラス下面付近にまで到達するような深い垂直クラックを得ることができる。
特開平6−48755号公報 特開平9−188534号公報
ところが、上記した稜線部に凹凸が形成されたガラスカッターホイールは、従来のガラスカッターホイールに比較して、スクライブ性能を大幅に向上させることができるが、稜線部の全周にわたって、精密な凹凸を形成したものであるため、稜線部に凹凸を加工形成するために、長時間を要し、加工性に問題を有している。また、上記のような、稜線部に凹凸が形成されたガラスカッターホイール25を用いて、図31に示す第2の分断方法を行うと、工程(3)において、上側のガラス基板7Bをスクライブした時点で、このガラス基板7Bに深い垂直クラックのスクライブラインSbが形成されて、実質的に、貼り合わせガラス基板71が分断された状態になる場合がある。そのため、工程(3)から工程(4)に移行するために、貼り合わせガラス基板71を、吸引パッド等で吸引して第2のブレイク装置に搬送する際に、分断された貼り合わせガラス基板71の一部分が、第2のスクライブ装置に残される場合があり、さらには、貼り合わせガラス基板71の搬送中に、分断された貼り合わせガラス基板71の一部分が落下する場合があり、貼り合わせガラス基板71を分断するライン装置が正常に作動しなくなるおそれがある。
更に、こうした一連の分断工程では、スクライブ装置が用いられ、0.6〜2mm程度の厚みを有するダイヤモンド製のカッターホイールによって、上記のように、それぞれの基板の表面をスクライブして基板の厚み方向に垂直クラックを発生させ、適宜ブレイクして垂直クラックを伸展させて、分断を行っている。このスクライブ工程においては、切り屑(カレット)が多少に拘らず必然的に発生する。この貼り合わせ基板は、こうしたカレットが残存すると、貼り合わせ基板にキズがつき、貼り合わせ基板の品質を損ねる原因となる。このため、カレットの除去作業を適宜行うことが必要である。
ところが、スクライブ時に発生したカレットの除去作業は、手間がかかり、しかも完全に除去することが困難な場合もある。また、このカレットの除去によりガラス基板表面にキズがつくという問題がある。このキズは液晶表示ガラス基板においても好ましいものではないが、とりわけプロジェクター基板においては、キズが微小なものであっても、投影するとそのキズが拡大され、プロジェクター基板としての品質は低下し、信頼性を確保できず、歩留りは低下する。
本発明は、以上の各装置及び方法についての従来の問題点を解決するためになされたものであり、下記の目的(1)〜(3)を達成するものである。
(1)基板の切断分離に際して、素子の個々について凸部や薄膜の直近を、凸部や薄膜を損傷することなくスクライブすることのできるスクライブ方法及び装置を提供する。
(2)稜線部の全周にわたって凹凸が形成されたガラスカッターホイールの加工性の問題を解消し、さらに、ガラス基板を分断する際に、所望のスクライブ特性、すなわち、所望深さの垂直クラックのスクライブラインを形成することができるガラスカッターホイール、及び、脆性材料を分断するためのスクライブラインを形成するスクライブ方法、並びに、このカッターホイールを装着したスクライブ装置、このカッターホイールを製造するためのカッターホイールの製造方法及び製造装置を提供する。
(3)貼り合わせ基板、とりわけプロジェクター基板の分断工程において発生するカレットによって表面にキズがつくことを回避することができ、品質のよい貼り合わせ基板を提供するとともに、貼り合わせ基板を分断するのに十分な垂直クラックを得て、スクライブラインに沿った精確な分断を行なうことができる貼り合わせ基板の分断方法及び分断装置を提供する。
−スクライブ装置−
上記の目的を達成するため、請求項1に対応する発明のスクライブ装置(発明1)は、その表面に凸部や薄膜が設けられた脆性材料基板を固定する固定手段と、前記脆性材料基板の表面に圧接されてスクライブラインを形成するカッターホイールとを備えるスクライブ装置であって、前記カッターホイールは、当該ホイールの両側面間の中央よりも一方の側面寄りに偏位した位置に円周方向に沿って刃先稜線が設けられ、 かつ、前記刃先稜線が近接している一方の側面が前記脆性材料基板の表面に設けられたの凸部や薄膜に対向して設けられていることを特徴とするものである。
発明1によれば、従来のカッターホイールと同様強度的に必要なホイールの厚みを確保したまま、素子の凸部や薄膜により近い箇所をスクライブすることが可能となる。すなわち、刃先稜線が寄っている側のホイール側面を素子の凸部や薄膜に臨ませることで、刃先稜線を、従来のカッターホイールに比べて、凸部や薄膜に近接させることが可能となる。
また、発明1の構成において、上記の刃先稜線には、その全周の一部分又はその全周全体にわたって所定形状の突起が所定のピッチで形成されていてもよい。この場合、刃先稜線に突起のない従来のカッターホイールに比べ、本発明のスクライブ装置に適用される突起を有するカッターホイールでスクライブすると、脆性基板に板厚を貫通する程の極めて長い垂直クラックが発生する。その理由は、カッターホイールの転動時に、刃先稜線の突起が基板に打点衝撃を与えるため、および、突起がガラス板に深く食い込むためかと思われる。また、脆性基板の表面に不要な水平クラックが発生しにくいという利点も得られる。その理由は、脆性基板へのカッターホイールの食い込みは突起による点接触が中心となるため、スクライブ時に、ガラス板の表面方向に発生する応力が従来と比べて少ないためではないかと思われる。さらに、ガラス板に突起が食い込むことにより、カッターホイールのスリップが皆無となり、このスリップに伴う摩耗などの不都合は全く生じない。
上記の突起のピッチは、1〜20mmのホイール径に応じ20〜200μmとするとよい。
また、突起の深さは、1〜20mmのホイール径に応じ2〜200μmとするとよい。
さらに、ホイールの両側面に軸をホイールと一体的に突設してもよい。
この場合、軸管理が容易となる。すなわち、カッターホイールの使用に際しては、カッターホイールの中心に設けられた挿通孔に軸を挿通するが、ホイール径は数ミリメートルと小さく、それ故、軸の径は1ミリメートル以下となることもある。このように、微小な軸の管理は煩雑であるところ、軸がホイールと一体であれば、軸管理が容易となるのである。
また、請求項6に対応する発明のスクライブ装置(発明2)は、その表面に凸部や薄膜が設けられた脆性材料基板を固定する固定手段と、前記脆性材料基板の表面に圧接されてスクライブラインを形成するカッターホイールとを備えるスクライブ装置であって、前記カッターホイールは、当該ホイールの両側面間の中央よりも一方の側面寄りに偏位した位置に円周方向に沿って刃先稜線部が設けられ、当該カッターホイールの稜線部に所定のピッチでかつ所定形状の複数個の溝が形成されており、この複数個の溝部が近接して連続して形成された領域の長さの前記稜線部の全周に対する割合が1未満であることを特徴とするものである。
発明2のスクライブ装置において、前記複数個の溝部が近接して連続して形成された領域の長さの前記稜線部の全周に対する割合が、1/4より大きく3/4以下であることが好ましい。発明2のスクライブ装置において、前記複数個の溝部が近接して連続して形成された領域の長さの前記稜線部の全周に対する割合が、1/4以下であることが更に好ましい。
また、発明2のスクライブ装置において、上記複数個にわたって形成されている各溝のピッチは、1〜20mmのホイール径に応じて20〜200μmであることが好ましい。
発明2のスクライブ装置において、上記複数個の溝の深さは、1〜20mmのホイール径に応じて、2〜200μmであることが好ましい。
発明2のスクライブ装置において、そのカッターホイールを当該ホイールに挿通させる軸と一体的に形成することが好ましい。
発明2のスクライブ装置において、上記稜線部に形成される各溝の深さが、端部の溝から中央部の溝になるに従って、溝の深さが深くなるように、それぞれ異なっていることが好ましい。
また、請求項13に対応する発明のスクライブ装置において(発明3)は、カッターホイールの稜線部の全周にわたって溝部が形成されており、順次溝の深さが深くなっている領域と順次溝が浅くなっている領域とが連続していることを特徴とするものである。
請求項14に対応する発明のスクライブ装置(発明4)は、その表面に凸部や薄膜が設けられた脆性材料基板を載置するテーブルと、このテーブルの上方に配されたスクライブヘッドと、このスクライブヘッドにより上記テーブル上の脆性基板に相互に交差するスクライブラインを形成させるクロススクライブ手段とを備え、上記スクライブヘッドに、上記のカッターホイールを設けたことを特徴とするものである。
また、このスクライブ装置において、1本のスクライブラインの形成が完了する毎にカッターホイールの向きを180度反転させるカッターホイール反転手段を設けてもよい。
これにより、基板を反転させずに、基板の所定箇所、つまり各素子の凸部や薄膜に近接した箇所をスクライブすることが可能となる。
また、上記スクライブ装置において、カッターホイールを2つ備えたものを用いてもよい。この場合、これら2つのカッターホイールは並列に、且つ、相互の刃先稜線が最も離れた位置となるよう配する。そして、上記2つのカッターホイールは動作プログラムにより選択的に同時或いは個別にスクライブできる。これによって、上記のように1本のスクライブラインが形成される毎にカッターホイールを180度反転させる必要がなくなる。
−スクライブ方法−
請求項18に対応する発明のスクライブ方法(発明5)は、その表面に凸部や薄膜が設けられた脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成するスクライブ方法であって、当該ホイールの両側面間の中央よりも一方の側面寄りに偏位した位置に円周方向に沿って刃先稜線が設けられたカッターホイールを、このカッターホイールの刃先稜線が近接している一方の側面を、前記脆性材料基板の表面に設けられた凸部や薄膜に対向させた状態で当該脆性材料基板の表面に圧接転動させることを特徴とするものである。
この発明5において、上記複数個の溝部が近接して連続して形成された領域の長さの上記稜線部の全周に対する割合が、3/4以下のホイールを用いてスクライブすることが好ましい。この発明5のスクライブ方法において、上記複数個の溝部が近接して連続して形成された領域の長さの上記稜線部に対する割合が、1/4以下のホイールを用いてスクライブすることが更に好ましい。
−貼り合わせ基板の分断方法−
また、請求項21に対応する発明の貼り合わせガラス基板の分断方法(発明6)は、第1のスクライブ工程、第2のスクライブ工程およびブレイク工程からなり、上記第1と第2のスクライブ工程のいずれかにおいて、上記本発明のスクライブ装置を使用することを特徴とするものである。
また、請求項22に対応する発明の貼り合わせガラス基板の分断方法(発明7)は、第1のスクライブ工程、第1のブレイク工程、第2のスクライブ工程および第2のブレイク工程からなり、上記第1と記第2のスクライブ工程のいずれかにおいて、上記本発明のスクライブ装置を使用することを特徴とするものである。
請求項23に対応する発明の貼り合わせ基板の分断方法(発明8)は、一対のガラス基板を対向して貼り合わせた貼り合わせ基板を分断する方法であって、当該貼り合わせ基板の両面に薄いフィルムを貼り付けた状態で、スクライブ工程を行なう工程を有し、この工程で上記本発明のスクライブ装置を使用することを特徴とするものである。
以上の構成により、スクライブ工程において発生するカレットはガラス基板に付着しない。
この構成において、上記スクライブ工程後、上記上層のガラス基板上の上記薄いフィルム上に、上記薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い保護フィルムを貼り付け、その後、所定の工程を経た後、その保護フィルムを、薄いフィルムとともに上層のガラス基板から剥離させる工程を有していてもよい。
この構成において、スクライブ工程時に発生したカレットは、保護フィルムに密着し、この保護フィルムを剥がす際に薄いフィルムとともに除去される。
また、上記構成において、上記貼り合わせ基板の両面に薄いフィルムを貼り付けた後、下層のガラス基板側の上記薄いフィルム上にこのフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の弱い第1の保護フィルムを貼り付けた状態で、上層のガラス基板側の薄いフィルム面側からスクライブすることにより、当該上層のガラス基板に、その下面に到る垂直クラックを形成し、その後、その上層のガラス基板上の上記薄いフィルム上に、当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い第2の保護フィルムを貼り付けるとともに、第1の保護フィルムを剥がした後、上記下層のガラス基板が上層側になるように、当該貼り合わせ基板を反転させ、上層に位置させたガラス基板をその薄いフィルム面側からスクライブすることにより、当該上層に位置させたガラス基板の下面に到る垂直クラックを形成し、その後、その上層に位置させた薄いフィルム上に第2の保護フィルムを貼り付けた後、その第2の保護フィルムを、薄いフィルムとともに上層に位置させたガラス基板から剥離させるように構成してもよい。
この構成では、上記の構成同様、スクライブ工程時にカレットが生じてもガラス基板に付着せず、ガラス基板をキズつけない。また、下側となるガラス基板に貼り付けられた第1及び第2の保護フィルムにより、スクライブ時においてスクライブテーブルとの直接接触から貼り合わせ基板を有効に保護する。最終的に第2の保護フィルムを剥がすことにより、薄いフィルムもともにガラス基板から剥がれるので、ガラス基板上に残存するカレットが第2の保護フィルムとともに除去され、清浄なガラス基板面を確保できる。
請求項26に対応する発明の貼り合わせ基板の分断方法(発明9)は、ガラス基板とシリコン基板とを対向して貼り合わせた貼り合わせ基板を分断する方法であって、上記ガラス基板に薄いフィルムを貼り付けた状態で、スクライブ工程を行なうことによって特徴付けられる。
以上の構成により、発明9は、発明8同様、スクライブ工程において発生するカレットはガラス基板に付着しない。
この構成において、上記スクライブ工程後、上記上層のガラス基板上の上記薄いフィルム上に、当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い保護フィルムを貼り付け、その後、所定の工程を経た後、その保護フィルムを、薄いフィルムとともに上記ガラス基板から剥離させる工程を有していてもよい。
この構成では、スクライブ工程時に発生したカレットは、保護フィルムに密着し、この保護フィルムを剥がす際に薄いフィルムとともに除去される。
上記構成において、上記ガラス基板上に薄いフィルムを貼り付けた後、上記シリコン基板を下層に位置させた状態で、上層のガラス基板側の薄いフィルム面側からスクライブすることにより、当該上層のガラス基板の下面に到る垂直クラックを形成し、その後、その上層のガラス基板上の上記薄いフィルム上に、当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い保護フィルムを貼り付けるとともに、上記下層のシリコン基板が上層側になるように、当該貼り合わせ基板を反転させ、上層に位置させたシリコン基板をスクライブした後、このシリコン基板が下層側になるように、当該貼り合わせ基板を反転させ、上層に位置させたガラス基板側を加圧することにより、シリコン基板に垂直クラックを形成するように構成してもよい。
この構成では、貼り合わせ基板を構成する一方の基板はシリコン基板を用いているので、スクライブによるカレットの発生による影響を受けない。もう一方のガラス基板にのみ、薄いフィルムを貼り付け、この状態でスクライブするので、スクライブ工程時にカレットが生じてもガラス基板に付着せず、ガラス基板をキズつけない。さらに、カレットを除去するために保護フィルムを貼り付け、この保護フィルムを剥がすと、薄いフィルムとともにガラス基板から剥がれるので、カレットを除去できる。また、保護フィルムは、スクライブ時におけるスクライブテーブルとの直接接触及びブレイク操作における加圧によるブレイクテーブルとの直接接触から貼り合わせ基板を保護する。
また、以上の構成において、上記スクライブを行う手段として、カッターホイールを用いるとともに、このカッターホイールは、その刃先稜線部が全周にわたって溝が形成された第1のカッターホイール、あるいは、溝が形成された領域と、溝が形成されていない領域が所定の割合で形成された第2のカッターホイールを選択的に用いてもよい。
これらのカッターホイールを用いることにより、脆性材料の基板の分断が可能となる。さらに第1のカッターホイールを用いた場合、ガラス基板下面に到る垂直クラックが得られる。一方、第2のカッターホイールを用いた場合、周期的に深さが変化する垂直クラックが得られる。
−カッターホイール製造装置−
請求項30に対応する発明のカッターホイール製造装置( 発明10)は、上記本発明のスクライブ装置に使用されるカッターホイールを製造するためのカッターホイール製造装置であって、少なくとも1つの回転可能に支持されたディスク状の研削部材と、研削対象となる少なくとも1つのカッターホイールを支持して、当該研削部材に対して、そのカッターホイールを接近及び離間させる研削機構とを有し、その研削機構は、上記カッターホイールの当該研削部材による研削部分を移動させる回転手段を有していることを特徴とするものである。
発明10のカッターホイール製造装置において、上記研削機構による前記研削部材への接近及び離間手段、上記回転手段を制御する制御手段を有していることが好ましい。
また、発明10のカッターホイール製造装置において、上記制御手段は、上記カッターホイールの稜線部の全周の分割数及び領域数によって、上記回転手段を制御して、稜線部の所望の位置に溝部を形成することが好ましい。
−カッターホイール製造方法−
請求項33に対応する発明のカッターホイールの製造方法(発明11)は、上記発明のスクライブ装置に使用されるカッターホイールを製造するためのカッターホイール製造方法で、少なくとも1つの回転可能に支持されたディスク状の研削部材と、研削対象となる少なくとも1つのカッターホイールを支持して、前記研削部材と前記カッターホイールとを相対的に接近及び離間させる研削機構を用いて所定の位置で、かつ所定の深さまで前記カッターホイールの外周を加工することを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるカッターホイールの正面図、図15は、図1に示すカッターホイールによるスクライビングの状態を示す正面図である。
このカッターホイール1は、刃先稜線2が、ホイールの両側面3,4間の中心5よりいずれか一方の側面(図示例では左側面3)寄りに偏位されるとともに、ホイールの中心に挿通孔6が形成されたものである。刃先稜線2の偏位度合いが大きい程、つまり中心5から刃先稜線2までの距離が長くなる程、換言すると図示例では左側面3と刃先稜線2との距離が短くなる程、図15に示すように、スクライビングの際に素子の凸部や薄膜Xにより近づいてスクライブすることができるので好ましい。このようになるカッターホイール1の大きさとしては、例えば、ホイールの厚みwが0.65mm、刃先稜線2における直径φが2〜3mm、ホイールの左側面3から刃先稜線2までの距離kが30〜150μm、挿通孔6の内径dが0.8mmとされるが、この大きさに限定されるものではない。なお、図15において符号Gは脆性基板を示す。
上記のようになるカッターホイール1で脆性材料基板Gのスクライビングを行うには、図15に示すように、カッターホイール1を、刃先稜線2が寄っている方の側面が素子の凸部や薄膜Xに臨むようにして脆性材料基板Gにあてがわれる。ここで、素子Xは脆性材料基板G上にマトリックス状に配列されているので、一方の列の素子に沿ってそれらの凸部や薄膜Xの直近をスクライブし、1本のスクライブラインEを形成したならば、次にカッターホイール1を180度反転して、先の列に隣接する列の素子に沿ってそれらの凸部や薄膜Xの直近をスクライブし、次のスクライブラインFを形成する。
スクライビングに際しては、このように、1本のスクライブラインの形成を完了する毎にカッターホイール1を180度反転させる他に、2個のカッターホイール1,1を、図15に示すような関係となるよう、すなわち2個のカッターホイール1,1が並列に、且つ、相互の刃先稜線2,2が最も離れた位置となるよう配されたチップホルダー(図示省略)を使用してもよい。このように2個のカッターホイール1,1を用いた場合は、スクライブヘッドを各素子間に1回走らせるだけで、隣接する各素子の凸部や薄膜X,Xにそれぞれ近接した箇所E,Fを同時にスクライブすることが可能となり、上記のように1本のスクライブラインが形成される毎にカッターホイール1を180度反転させる必要がなくなり、作業性が向上する。また、2個のカッターホイール1,1は、動作プログラムにより、選択的に、同時または個別にスクライブすることができるようになっている。
次に、図2(a)は、刃先稜線に突起を形成したカッターホイールの正面図である。また、図2(b)は同ホイールの部分拡大図を伴う側面図である。ここでは、カッターホイール11の刃先稜線21に、拡大図Aに示すように、U字形状の溝71を切り欠くことで、高さhの突起81をピッチPの間隔で得ている。
ここで例示したホイール11は、ホイール径(φ) が2. 5mm、ホイール厚(w) が0. 65mm、刃先角度(α) が125°、突起数が125個、突起の高さ(h) が5μm、ピッチ(P) が63μmであり、このガラスカッターホイール11を用い、刃先荷重2. 6Kgf、スクライブ速度300mm/secの条件で1. 1mm厚のガラス板をスクライブした時のガラス断面を図16に示している。
図16において、ガラス板Gの上面にあるくぼみLがスクライブ時に生じたガラスの溝であり、これをスクライブラインと称している(このラインは紙面に対し垂直方向に延在する) 。このスクライブラインLの刻設と同時に、このスクライブラインLから直下方向に延びるクラック(垂直クラック) Kが発生するが、この場合、ガラス板Gを板厚方向にほぼ貫通するような長いクラック(実測962μm) が発生している。
このように、突起81を設けたカッターホイール11は、刃先荷重を大きくしても、水平クラックの発生はなく、その荷重の大きさに比例する深さで長い垂直クラックKが得られる。この垂直クラックKが長いと、次工程のブレイク作業において、スクライブラインに沿った精確なブレイクが行え、歩留りが向上する。又、ブレイク作業が容易なことから、ブレイク工程の内容を緩和あるいは簡素化でき、場合によってはブレイク工程を省略することも可能となる。
図3は、上記とは異なる形状を有する突起82の例を示しており、刃先稜線22にV字形状の溝72を切り欠くことで突起82を形成している。
図4は、さらに上記とは異なる形状を有する突起83の例を示しており、刃先稜線23に鋸形状の溝73を切り欠くことで突起83を形成している。
図5は、またさらに上記とは異なる形状を有する突起84の例を示しており、刃先稜線24に矩形の溝74を切り欠くことで突起84を形成している。
上述のカッターホイール1は、挿通孔6を有しており、この挿通孔6に軸(図示省略)を挿通して図示しないスクライブヘッドのチップホルダに装着されるが、図6に示すように、ホイールの両側面3,4に軸9をホイールと一体的に突設してもよい。
この場合、軸管理が容易となる。すなわち、カッターホイール1の使用に際しては、カッターホイール1の中心に設けられた挿通孔6に軸を挿通するが、ホイール径は数ミリメートルと小さく、それ故、軸の径は1ミリメートル以下となることもある。このように、微小な軸の管理は煩雑であるところ、軸9がホイールと一体であれば、軸管理が容易となるのである。
図8は、本実施の形態の発明2のカッターホイール16を示す側面図である。 このカッターホイール16は、図8に示すように、刃先稜線部を溝が形成された領域Aと溝が形成されていない領域Bとを有するものとしている。このような溝が形成された領域Aの稜線部の全周(A領域十B領域)に対する比率(以下、全周に対する領域Aの比率と称する)は、カッターホイール16の稜線に溝を形成する加工性を考慮すると、3/4以下であることが好ましい。このような比率であれば、溝を形成するための加工に長時間を要することがなく、加工性に優れたものとすることができる。
また、全周に対する領域Aの比率3/4以下であって、1/4より大きい範囲であると、後述の図23に示すような、周期的に深さが変化する垂直クラックが得られる。ただし、全周に対する領域Aの比率がこのような範囲である場合には、上記の周期的なクラックを得るためには、限られた条件にすることが必要になる。
これに対して、全周に対する領域Aの比率が1/4以下の範囲にすると、広い条件で安定して周期的に深さが変化する垂直クラックが得られる。全周に対する領域Aの比率が、この範囲に設定されていると、スクライブラインを形成した脆性基板を搬送する場合に、搬送途中で脆性材料基板の一部分が分断して落下する等の問題が生じることを防ぐために適している。
稜線部のA領域に形成される溝6bは、ミクロンオーダーで意図的に周期的に加工されたものであり、刃先稜線を形成する研削加工の際に、必然的に形成されるサブミクロンオーダーの研磨条痕とは区別される。
図9は、他の実施の形態のガラスカッターホイールの例を示しており、図9(a)は、刃先全周を6領域に区分して、領域Aと領域Bとが交互に形成されるように設定したものである。図9(b)は、刃先全周を8領域に区分して、領域Aと領域Bとを交互に形成されるように設定したものである。
図9(b)では、溝が形成された領域AがA1〜A4の複数の領域にわたって形成され、溝が形成されていない領域BがB1〜B4の複数の領域にわたって形成されている。各領域A1〜A4及びB1〜B4の長さは、例えば、
A1=A2=A3=A4 A1+A2十A3十A4=A
B1=B2=B3=B4 B1+B2+B3+B4=B
A/B=1
となるように設定される。この場合、各領域A1〜A4が全て等しく、また、B1〜B4が全て等しくなっている。また、A/B=1となっているので、領域Aの全周に対する比率は、2/4となっている。
また、別の例では、
A1=A2≠A3≠A4 A1+A2十A3十A4=A
B1=B2≠B3≠B4 B1+B2+B3+B4=B
A/B=1
となるように設定される。この場合、各領域A1〜A4及びB1〜B4で、A3及びA4が、A1及びA2と異なっており、また、B3及びB4が、B1及びB2と異なっている。また、全体として、A/B=1となっているので、領域Aの全周に対する比率は、2/4となっている。
さらに他の例では、
A1=A2≠A3≠A4 A1+A2十A3十A4=A
B1=B2≠B3≠B4 B1+B2十B3十B4=B
A/B=3/1
となるように設定される。この場合、各領域A1〜A4及びB1〜B4で、A3及びA4が、A1及びA2と異なっており、また、B3及びB4が、B1及びB2と異なっている。また、全体として、A/B=3/1となっているので、領域Aの全周に対する比率は、3/4となっている。
このカッターホイール16は、このホイール16に挿通される軸と一体的に形成されてもよい。一体的に形成する方法としては素材よりホイールと軸とを一体に研削加工する方法、刃先と軸とを接着および/またはろう付けする方法等が用いられる。
図23は、上記のカッターホイール16を用いてガラス基板にスクライブラインを形成した場合にガラス基板に発生する垂直クラックを概略的に示す模式図である。
カッターホイール16を用いたスクライブにより生じるスクライブラインは、カッターホイールの稜線部において、溝が形成されたA領域により形成されたスクライブラインSA と、溝が形成されていないB領域により形成されたスクライブラインSB とで、垂直クラックの深さが異なっており濃淡が確認された。即ち、スクライブラインSA では、稜線部に形成された凹凸により深い垂直クラックDA が形成され、スクライブラインSB では、稜線部に凹凸が形成されていないため、浅い垂直クラックDB が形成されることが確認された。
このように、本実施形態のカッターホイール16を用いたスクライブでは、垂直クラックの深さが周期的に変化していることから、本実施の形態では、そのスクライブ性能は、図7の従来のカッターホイール72におけるスクライブ性能と図2のカッターホイール11におけるスクライブ性能との中間になることがわかる。さらに、カッターホイールの全周に対して、溝が形成された領域Aと溝が形成されていない領域Bとの比率を適宜変更することにより、所望のスクライブ特性を得ること、すなわち、ガラス基板を分断するための所望の垂直のクラックのライン(スクライブライン)が得られる。
以下、本実施の形態のカッターホイールの具体例を示す実施例1〜5について説明する。
(実施例1)
図10に、実施例1のカッターホイールの形態を示し、下記の表2には、本実施例1のカッターホイールのホイール径等の寸法を示している。
Figure 2006273711
本実施例1のカッターホイール16は、稜線部の全周長さの1/10(8分割/80分割)の部分に一箇所、同じ深さの溝(7μm)が連続して形成されるように設定している。
このカッターホイール16を用いて、厚み0.7mmの無アルカリガラスに対して、刃先荷重0.16〜0.40MPa、スクライブ速度400mm/secとして、スクライブを行った。この実施例1のカッターホイール16を用いたスクライブでは、図23に示すように、垂直クラックの深さが周期的に変化するスクライブラインが形成され、0.18MPaの荷重を用いた場合、図23の深い垂直クラックDA は、約400μm、浅い垂直クラックDB は、約100μmとなった。
(実施例2)
図11に実施例2のカッターホイール16の形態を示し、下記の表3には、本実施例2のカッターホイールのホイール径等の寸法を示している。
Figure 2006273711
本実施例2のカッターホイール16は、稜線部の全周長さの1/10(8分割/80分割)の長さに、二箇所にわたって、同じ深さの溝(7μm)が連続して形成された領域A1及びA2を設けている。各溝が形成された領域、A1及びA2は、カッターホイール16の中心軸を挟んで反対側になるように設定されている。
このカッターホイール16を用いて、厚み0.7mmの無アルカリガラスに対して、刃先荷重0.16〜0.40MPa、スクライブ速度400mm/secとして、スクライブを行った。この実施例2のカッターホイール16を用いたスクライブでは、図23に示すように、垂直クラックの深さが周期的に変化するスクライブラインが形成され、0.20MPaの荷重を用いた場合、図23の深い垂直クラックDA は、約400μm、浅い垂直クラックDB は、約100μmとなった。
(実施例3)
図12に実施例3のカッターホイール16の形態を示し、下記の表4には、本実施例3のカッターホイール16のホイール径等の寸法を示している。
Figure 2006273711
本実施例3のカッターホイール16は、稜線部の全周長さの1/10( 8分割/80分割)の長さに、三箇所にわたって、同じ深さの溝(7μm)が連続して形成された領域A1、A2及びA3を設けている。領域A1、A2及びA3は、それぞれ均等な間隔となるように設定されている。
このカッターホイール16を用いて、厚み0.7mmの無アルカリガラスに対して、刃先荷重0.16〜0.40MPa、スクライブ速度400mm/secとして、スクライブを行った。この実施例3のカッターホイール16を用いたスクライブでは、図23に示すように、垂直クラックの深さが周期的に変化するスクライブラインが形成され、0.20MPaの荷重を用いた場合、図23の深い垂直クラックDA は、約400μm、浅い垂直クラックDB は、約100μmとなった。
(実施例4)
図13に実施例4のカッターホイール16の形態を示し、下記の表5には、本実施例4のカッターホイール16のホイール径等の寸法を示している。
Figure 2006273711
本実施例4のカッターホイール16は、稜線部の全周長さの1/10(8分割/80分割)の長さに、一箇所にわたって、連続して溝が形成された領域A1を設けている。この領域A1には、7つの溝が形成されており、各溝の深さはそれぞれ異なっており、順に、3,5,7,7,7,5,3μmになるように設定されている。
このカッターホイール16を用いて、厚み0.7mmの無アルカリガラスに対して、刃先荷重0. 16〜0.40MPa、スクライブ速度400mm/secとして、スクライブを行った。この実施例4のガラスカッターホイール16を用いたスクライブでは、図23に示すように、垂直クラックの深さが周期的に変化するスクライブラインが形成され、0.22MPaの荷重を用いた場合、図23の深い垂直クラックDA は、約400μm、浅い垂直クラックDB は、約100μmとなった。
(実施例5)
図14に実施例5のカッターホイール16の形態を示し、下記の表6には、本実施例5のカッターホイール16のホイール径等の寸法を示している。
Figure 2006273711
本実施例5のカッターホイール16は、稜線部の全周を106分割して、全周にわたって、3,5,7,7,7,5,3μmの深さの溝が、この順に形成されるように設定されている。
このカッターホイール16を用いて、厚み0.7mmの無アルカリガラスに対して、刃先荷重0.16〜0.40MPa、スクライブ速度400mm/secとして、スクライブを行った。この実施例5のカッターホイールを用いたスクライブでは、図23に示すように、垂直クラックの深さが周期的に変化するスクライブラインが形成され、0. 29MPaの荷重を用いた場合、図23の深い垂直クラックDA は、約400μm、浅い垂直クラックDB は、約100μmとなった。
さらに、上記実施例1〜5の結果により、複数個にわたって形成されている各溝のピッチは、1〜20mmのホイール径に応じて20〜200μmであることが好ましく、また、複数個の溝の深さは、1〜20mmのホイール径に応じて、2〜200μmであることが好ましいことが明らかになっている。
上記したカッターホイールの説明に用いた図においては、カッターホイールの稜線に形成される溝を分かり易くするために、溝を大きく描いているが、実際には、この溝は、肉眼で見ることができないミクロンオーダーのサイズである。
−スクライブ装置−
図17は、上記したカッターホイールを装着したスクライブ装置の一実施の形態を示す概略正面図である。
図18は、図17のスクライブ装置の側面図である。
このスクライブ装置は、載置された脆性材料基板Gを真空吸着手段によって固定する水平回転可能なテーブル51と、このテーブル51をY方向(紙面に直交する方向)に移動可能に支承する平行な一対の案内レール52,52と、この案内レール52,52に沿ってテーブル51を移動させるボールネジ53と、X方向(この図における左右方向)に沿ってテーブル51の上方に架設されたガイドバー54と、このガイドバー54にX方向に摺動可能に設けられたスクライブヘッド55と、このスクライブヘッド55を摺動させるモータ56と、スクライブヘッド55の下部に昇降動可能且つ首振り自在に設けられたチップホルダ57と、このチップホルダ57の下端に回転可能に装着された上述のカッターホイール1と、ガイドバー54の上方に設置されテーブル51上の脆性材料基板Gに表示されたアラインメントマークを認識する一対のCCDカメラ58とを備えたものである。また、上記スクライブヘッド55内には、1本のスクライブラインの形成が完了する毎に前述の如くカッターホイール1を180度反転させるべくチップホルダ57を180度反転させるカッターホイール反転手段が内蔵されている。
また、スクライブ装置は、上記したようなカッターホイール反転手段を設けずに、2個のチップホルダ57,57に2個のカッターホイール1,1を並列に、且つ、相互の刃先稜線2,2が最も離れた位置となるよう取り付けてもよい。このように2個のカッターホイール1,1を用いた場合は、スクライブヘッドを各素子間を1回走らせるだけで、隣接する各素子の凸部や薄膜X,Xにそれぞれ近接した箇所E,Fを同時にスクライブすることが可能(図15参照)となり、上記のように1本のスクライブラインが形成される毎にカッターホイール1を180度反転させる必要がなくなり、作業性が向上する。
さらに、2個のカッターホイール1,1は、動作プログラムにより、選択的に、同時または個別にスクライブすることができるようになっており、スクライブヘッド55には2個のチップホルダ57,57を個別に昇降させることができる昇降手段を内蔵している。
−貼り合わせガラス基板の分断方法−
次に、本実施の形態のカッターホイールを備えた分断装置を用いて貼り合わせガラス基板を分断する方法について説明する。
図24(a)〜(c)は、それぞれ、本実施の形態のカッターホイールを備えた分断装置を用いて貼り合わせガラス基板10を分断する方法を、工程毎に説明する断面図である。なお、以下の説明では、便宜上、液晶マザー基板である一対のガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される貼り合わせガラス基板の一方側のガラス基板をガラス基板10A、他方側のガラス基板をガラス基板10Bとする。
(1)まず、図24(a)に示すように、貼り合わせガラス基板10のガラス基板10Aを上側にして、貼り合わせガラス基板10を第1のスクライブ装置上に載置し、ガラス基板10Aに対して、図1のカッターホイールの稜線に図2に示す溝を形成したカッターホイール11を用い、スクライブしてスクライブラインSa’を形成する。このガラスカッターホイール11を用いて形成されるスクライブラインSa’は、図24(b)に示すように、ガラス基板10Aの下面付近にまで到達するような深い垂直クラックVaが形成されている。
(2)次に、ガラス基板10AにスクライブラインSa’を形成した貼り合わせガラス基板10の表裏を反転させて、第2のスクライブ装置に搬送する。そして、この第2のスクライブ装置にて、図24(b)に示すように、貼り合わせガラス基板10のガラス基板10Bに対して、図1のカッターホイール1の稜線に図8に示す溝を形成したカッターホイール16を用い、スクライブして、スクライブラインSa’に平行に、スクライブラインSb’を形成する。この第2のスクライブ装置は、実施例1〜5のいずれかに記載されたカッターホイールを使用しており、このカッターホイール16を用いて形成されるスクライブラインSb’は、浅く形成された部分と深く形成された部分が交互に周期的に変化する垂直クラックVbが形成される。なお、液晶マザー基板では、複数の液晶パネルが形成され、この各液晶パネルが形成される一方のガラス基板の側縁部上に端子を形成する必要があるために、ガラス基板10Bに形成されるスクライブラインSb’は、ガラス基板10Aに形成されたスクライブラインSa’と、水平方向にスクライブ位置が互いにずれるように形成されることが多い。
(3)次に、ガラス基板10A及びガラス基板10BのそれぞれにスクライブラインSa’及びSb’が形成された貼り合わせガラス基板10を、ガラス基板10A及びガラス基板10Bの上下を反転させて、ガラス基板10Aを上側にして、ブレイク装置に搬送する。このブレイク装置では、図24(c)に示すように、貼り合わせガラス基板10は、マット44上に載置され、貼り合わせガラス基板10のガラス基板10Aに対して、ブレイクバー39をガラス基板10Bに形成されたスクライブラインSb’に沿って押し付ける。これにより、下側のガラス基板10Bは、スクライブラインSb’から上方に向かって垂直クラックが伸長し、ガラス基板10Bは、スクライブラインSb’に沿ってブレイクされる。
上記(1)〜(3)の工程を順次行うことにより、貼り合わせガラス基板10は分断される。
既述したようにカッターホイール16によるスクライブでは、浅く形成された部分と深く形成された部分が交互に周期的に変化する垂直クラックVbが形成され、垂直クラックVbがガラス基板の厚み方向に完全に貫通した状態とはならない。このため、上記の工程(2)において、第2のスクライブ装置からブレイク装置に、貼り合わせガラス基板10を搬送する途中で、ガラス基板10Aが完全に分断された状態になっていても、ガラス基板10Aが、ガラス基板10Bにシール剤で貼り合わされた状態になっているため貼り合わせガラス基板10が分離するおそれはない。
図25(a)〜(d)は、それぞれ、本実施の形態1のガラスカッターホイール1を備えた分断装置を用いて貼り合わせガラス基板10を分断する第2の方法を工程毎に説明する断面図である。なお、以下の説明では、便宜上、液晶マザー基板である一対のガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される貼り合わせガラス基板の一方側のガラス基板をガラス基板10A、他方側のガラス基板をガラス基板10Bとする。
(1)まず、図25(a)に示すように、貼り合わせガラス基板10のガラス基板10Aを上側にして、貼り合わせガラス基板10を第1のスクライブ装置上に載置し、ガラス基板10Aに対して、カッターホイール1(または15、16)を用いてスクライブしてスクライブラインScを形成する。
(2)次に、ガラス基板10AにスクライブラインScを形成した貼り合わせガラス基板10の表裏を反転させて、第1のブレイク装置に搬送する。この第1のブレイク装置では、図25(b)に示すように、貼り合わせガラス基板10は、マット44上に載置され、貼り合わせガラス基板10のガラス基板10Bに対して、ブレイクバー39をガラス基板10Aに形成されたスクライブラインScに沿って押し付ける。これにより、下側のガラス基板10Aは、スクライブラインScから上方に向かって垂直クラックが伸長し、ガラス基板10Aは、スクライブラインScに沿ってブレイクされる。
(3)次に、ガラス基板10Aが分断された貼り合わせガラス基板10を、ガラス基板10A及びガラス基板10Bの表裏を反転させることなく、第2のスクライブ装置に搬送する。そして、この第2のスクライブ装置にて、図25(c)に示すように、貼り合わせガラス基板のガラス基板10Bに対して、カッターホイール16を用いてスクライブして、スクライブラインSdをスクライブラインScに平行に形成する。なお、液晶マザー基板では、複数の液晶パネルが形成され、この各液晶パネルが形成される一方のガラス基板の側縁部上に端子を形成する必要があるために、ガラス基板10Bに形成されるスクライブラインSdは、ガラス基板10Aに形成されたスクライブラインScと、水平方向にスクライブ位置が互いにずれるように形成されることが多い。
(4)次に、その貼り合わせガラス基板10の表裏を反転させて、ガラス基板10Aを上側にして、第2のブレイク装置に搬送する。この第2のブレイク装置では図25(d)に示すように、貼り合わせガラス基板は、マット44上に載置され、貼り合わせガラス基板10のガラス基板10Aに対して、ブレイクバー39をガラス基板10Bに形成されたスクライブラインSdに沿って押し付ける。これにより、下側のガラス基板10Bは、スクライブラインSdから上方に向かって垂直クラックが伸長し、ガラス基板10Bは、スクライブラインSdに沿ってブレイクされる。工程(3)でのガラス基板10BへのスクライブラインSdの形成による垂直クラックを、図25(d)において、Vdで示している。
上述のように、ガラスカッターホイール16によるスクライブでは、浅く形成された部分と深く形成された部分が交互に周期的に変化する垂直クラックVdが形成され、垂直クラックVdがガラス基板の厚み方向に完全に貫通した状態とはならない。このため、上記の工程(4)において、第2のスクライブ装置から第2のブレイク装置に、貼り合わせガラス基板10を搬送する途中で、ガラス基板10Aが完全に分断された状態になっていても、ガラス基板10Bが分断された状態にはならず、貼り合わせガラス基板10が分断するおそれはない。 上記においては、貼り合わせガラス基板のスクライブ方法について説明したが、特別な場合として、他の脆性材料を本願発明のスクライブ方法を用いてスクライブしてもよく、この場合においても、他の脆性材料に浅い形成された部分と深く形成された部分とが周期的に変化するように垂直クラックを形成することができる。そして、このような周期的に深さが異なる垂直クラックを形成することで、脆性材料を搬送途中に完全分断が生じることなく、次工程に送ることが可能になる。
−別の貼り合わせ基板の分断方法(1)−
(実施例1)
図26(a)〜(i)は、本発明の実施例1を説明するための工程図である。また、図27はその工程に対応して用いられる装置の配置を示す模式図である。図27(a)は工程順に対応する装置を略一列に並べて配置した例を示す。また、図27(b)は対応する装置を搬送ロボットの周りに配置させた例である。脆性材料基板の一種であるガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される平面表示パネルマザーガラス基板80の分断方法に本発明を適用する。平面表示パネルマザーガラス基板80の一方側のガラス基板をガラス基板80A、他方側のガラス基板をガラス基板80Bとし、ガラス基板80A及びガラス基板80Bのガラスの材質が例えば、無アルカリガラスとする。また、カッターホイールには周期的に深さが変化する垂直クラックがガラス基板に対して得られる図8のカッターホイール16を用いた。
(1)まず、第1のフィルム処理装置201は液晶マザーガラス基板の製造工程における偏光板の貼り付け装置に用いられている貼り付け機構と同様の機構を備えており、図26(a)に示すように、平面表示パネルマザーガラス基板80の両面に薄いフィルム85を貼り付ける。この薄いフィルム85は上記基板の分断に先立って貼り付けられることが好ましく、厚さが10μm前後である。また、下層のガラス基板80B側の薄いフィルム85上にこのフィルム85と比べて厚みが大きく、かつ、粘着力の弱い第1の保護フィルム86を貼り付ける。なお、この第1の保護フィルム86は、厚さは40〜80μmである。
(2)次に、この平面表示パネルマザーガラス基板80を、搬送ロボットR1により第1のスクライブ装置202に搬送し、図26(b)に示すように、上層のガラス基板側の薄いフィルム85側からカッターホイール16でスクライブすることにより、上層のガラス基板80Aに浅い周期的に深さが変化した垂直クラックVeを形成する。この垂直クラックVeを形成することにより、以降の装置への平面表示パネルマザーガラス基板を搬送する際、上記のマザーガラス基板からそのガラス基板の一部分が脱落することを防止することができると同時にブレイク工程での分断操作の簡便化を図ることができる。
(3)その後、この第1の保護フィルム86を貼り付けた平面表示パネルマザーガラス基板80を搬送ロボットR2により第2のフィルム処理装置203へ搬送する。この第2のフィルム処理装置203には、液晶マザーガラス基板の製造工程における偏光板の貼り付け装置に用いられている貼り付け機構と同様の機構を備えており、図26(c)に示すように、その上層のガラス基板80A上に薄いフィルム85と比べて厚みが大きく、かつ、粘着力の強い第2の保護フィルム87を貼り付ける。この第2の保護フィルム87は、第1の保護フィルム86同様、厚さは40〜80μmである。
(4)さらに、この平面表示パネルマザーガラス基板80を、ガラス基板80Aが下層側になるように反転させ、搬送ロボットR3により第1のブレイク装置204に搬送し、図26(d)に示すように、ガラス基板80B側をブレイクバー39で加圧することにより、ガラス基板80Aに形成された浅い周期的に深さが変化した垂直クラックVeを垂直クラックVE に伸展させる。
(5) そして、この平面表示パネルマザーガラス基板80を搬送ロボットR4により第3のフィルム処理装置205へ搬送し、少なくとも1つの吸引パッドを備えたロボットにより、吸着パッドで第1の保護フィルム86の一つのコーナーを吸引保持し、この吸着パッドを平面表示パネルマザーガラス基板80の対角線方向に移動させるとともに上昇させて第1の保護フィルム86を剥がす。
(6)次に、この平面表示パネルマザーガラス基板80を搬送ロボットR5により第2のスクライブ装置206へ搬送し、図26(e)に示すように、この第1の保護フィルム86を剥がした平面表示パネルマザーガラス基板80のガラス基板80Bをその薄いフィルム85側からカッターホイール16でスクライブすることにより、上層に位置させたガラス基板80Bに浅い周期的に深さが変化した垂直クラックVfを形成する。この垂直クラックVfを形成することにより、以降の装置への平面表示パネルマザーガラス基板を搬送する際、上記のマザーガラス基板からそのガラス基板の一部分が脱落することを防止することができる。
(7)その後、この平面表示パネルマザーガラス基板80を搬送ロボットR6により第4のフィルム処理装置207へ搬送する。この第4のフィルム処理装置207には、液晶マザーガラス基板の製造工程における偏光板の貼り付け装置に用いられている貼り付け機構と同様の機構を備えており、図26(f)に示すように、その上層に位置させたガラス基板80B上の薄いフィルム85上に、さらに、第2の保護フィルム87を貼り付ける。
(8)さらに、この平面表示パネルマザーガラス基板80を、このガラス基板80Bが下層側になるように反転させ、搬送ロボットR7により第2のブレイク装置208へ搬送し、図26(g)に示すように、上層に位置させたガラス基板80A側をブレイクバー39で加圧することにより、ガラス基板80Bに形成された浅い周期的に変化した垂直クラックVfを垂直クラックVF に伸展させる。
(9)次に、この平面表示パネルマザーガラス基板80を搬送ロボットR8により第5のフィルム処理装置209へ搬送し、図26(h)に示すように、ガラス基板80Aに貼られた第2の保護フィルム87を、少なくとも1つの吸引パッドを備えたロボットにより、吸着パッドで第2の保護フィルム87の一つのコーナーを吸引保持し、この吸着パッドを平面表示パネルマザーガラス基板の対角線方向に移動させるとともに上昇させて薄いフィルム85とともに上層に位置させたガラス基板80Aから剥離させる。
(10)次に、この平面表示パネルマザーガラス基板80を搬送ロボットR9により分離装置210へ搬送する。この分離装置210には、球面形状のテーブルとテーブルに載置される基板をテーブル吸引固着する吸引手段とテーブルの上方へ基板を突き上げる突き上げピンと製品をピックアップするロボットrを備えており、図26(i)に示すように、球面形状のテーブル(図26では基板が分離されている状態をわかり易くするため平面状のテーブルで示している。)に平面表示パネルマザーガラス基板80を載置し、吸引固着させて垂直クラックVE 、VF に沿って製品110毎に分離する。そして、図示はしていないが、UV照射してガラス基板80Bに貼られた第2の保護フィルム87及び薄いフィルム85の粘着力を弱め、上記の球面形状のテーブルの下側よりピンを製品110へ向けて突き出すとともにロボットrにて製品110を保持して取り出す。
以上の実施例1の工程において、工程(1)で平面表示パネルマザーガラス基板80の両面に薄いフィルム85が貼り付けられ、工程(2)でのスクライブはこの薄いフィルム85上で行なわれる。この時、カレットが生じても、薄いフィルム85上に散乱するだけで、ガラス基板80Aには付着しないので、ガラス基板80Aにキズがつくことを回避できる。また、下側となるガラス基板には、第1の保護フィルム86が貼り付けられており、スクライブ時には、平面表示パネルマザーガラス基板80の下面に位置する第1の保護フィルム86によってガラス基板80Bは平面表示パネル用マザー基板を保持するテーブルと直接に接することが無いため、基板表面にキズがつくことから保護される。工程(3)においては、ガラス基板80A上に第2の保護フィルムが貼られ、工程(4)においてはガラス基板80Aが下層側になるように平面表示パネル用マザー基板を反転させ、第1のブレイク装置のテーブルに載置され、ブレイクバー39によりガラス基板80Aが分断される。工程(5)において保護フィルム86を剥がしても、この第1の保護フィルム86の粘着力が、その直下の薄いフィルム85より小さいので薄いフィルム85がガラス基板80Bから剥がれることはない。工程(7)においては、第2の保護フィルム87をガラス基板80Bに貼り付け、この状態で平面表示パネルマザーガラス基板80の上下を反転させることにより、第2の保護フィルム87が平面表示パネルマザーガラス基板80の下面に位置し、第2の保護フィルム87によってガラス基板80Aは平面表示パネル用マザー基板を保持するテーブルと直接に接することが無いため、基板表面にキズがつくことから保護される。また、工程(9)においては、第2の保護フィルム87をガラス基板80Aに貼り付けた後、剥がすと第2の保護フィルム87の粘着力が、その直下の薄いフィルム85より大きいのでその直下の薄いフィルム85とともにガラス基板80Aから剥がれる。この工程により、ガラス基板80A上に残存するカレットが第2の保護フィルム87とともに除去される。
(実施例2)
脆性材料基板の一種であるガラス基板とシリコン基板を互いに対向して貼り合わせて形成される反射型プロジェクター基板の分断方法に本発明を適用した実施例について説明する。反射型プロジェクター基板の一方側のガラス基板をガラス基板80A、他方側のシリコン基板をシリコン基板80Cとし、ガラス基板80Aのガラスの材質が例えば、無アルカリガラスとする。また、カッターホイールには、垂直クラックの深さがガラス基板内で周期的に変化する垂直クラックが得られる図8のカッターホイール16を用いた。
シリコン基板80Cを図8のカッターホイール16でスクライブしたときに得られる垂直クラックは連続した浅いものとなる。
従って、上記の条件での分断工程は図26のガラス基板80Bがシリコン基板80Cに置き替わるのみで第1の実施形態を示す図26と同一の分断工程となる。このためここでは分断工程の説明を省略する。
(実施例3)
脆性材料基板の一種であるガラス基板とガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される透過型プロジェクター基板の分断方法に本発明を適用した実施例について説明する。透過型プロジェクター基板の一方側のガラス基板をガラス基板80A、他方側のガラス基板を80Bとし、ガラス基板80A及びガラス基板80Bのガラスの材質が例えば、石英ガラスとする。また、カッターホイールには図2のカッターホイール11または図8のカッターホイール16を用いた。
図26のガラス基板80A及びガラス基板80Bの材質が石英のような硬質脆性材料であるため、スクライブ時に形成される垂直クラックは実施例1で浅い周期的に深さが変化していたものとは異なり、連続した浅いものとなる。
上記の条件での分断工程は実施例1を示す図26と同一の分断工程となる。このためここでは分断工程の説明を省略する。
(実施例4)
脆性材料基板の一種であるガラス基板とシリコン基板を互いに対向して貼り合わせて形成される反射型プロジェクター基板の分断方法に本発明を適用した実施例について説明する。反射型プロジェクター基板の一方側のガラス基板をガラス基板80A、他方側のシリコン基板をシリコン基板80Cとし、ガラス基板80Aのガラスの材質が例えば、石英ガラスとする。また、カッターホイールには図2のカッターホイール11または図8のカッターホイール16を用いた。
図26のガラス基板80Aの材質が石英のような硬質脆性材料であるため、ガラス基板80Aのスクライブ時に形成される垂直クラックは実施例1で浅い周期的に深さが変化していたものとは異なり、連続した浅いものとなり、シリコン基板80Cに形成される垂直クラックも連続した浅いものとなる。
したがって、上記の条件での分断工程は第1の実施の形態を示す図26と同一の分断工程となる。このためここでは分断工程の説明を省略する。
(実施例5)
脆性材料基板の一種であるガラス基板を互いに対向して貼り合わせて形成される平面表示パネルマザーガラス基板1の分断方法に本発明を適用した実施例について説明する。平面表示パネルマザーガラス基板80の一方側のガラス基板をガラス基板80A、他方側のガラス基板をガラス基板80Bとし、ガラス基板80A及びガラス基板80Bのガラスの材質が例えば、無アルカリガラスとする。また、カッターホイールにはガラス基板を板厚方向に略貫通する長い垂直クラックが得られる図2のカッターホイール11を用いた。
上記の条件での分断工程は実施例1の分断工程を示した図26より(d)と(g)の工程が不要となり、(h)と(i)の工程でガラス基板80Aと80Bの上下が入れ替わり、ガラス基板80Bが上層の基板、ガラス基板80Aが下層の基板となる。また(b)と(e)の工程(スクライブ工程)ではガラス基板80Aとガラス基板80Bにガラス基板を板厚方向に略貫通する長い垂直クラックが得られる。
(実施例6)
脆性材料基板の一つであるガラス基板とシリコン基板を互いに対向して貼り合わせて形成される反射型プロジェクター基板の分断方法に本発明を適用した実施例について説明する。反射型プロジェクター基板の一方側の基板をガラス基板80A、他方側の基板をシリコン基板80Cとし、ガラス基板80Aのガラスの材質が例えば、無アルカリガラスとする。また、カッターホイールにはガラス基板を板厚方向に略貫通する長い垂直クラックが得られる図2のカッターホイール11を用いた。
上記の条件においてガラス基板80Aをスクライブすると、ガラス基板を板厚方向に略貫通する長い垂直クラックが得られ、一方シリコン基板80Cをスクライブすると連続した浅い垂直クラックが得られる。
上記の条件の分断工程は実施例1の分断工程を示した図26において、ガラス基板80Bをシリコン基板80Cに置き換えて、(a)の工程においてはシリコン基板80Cに貼られる薄いフィルム85と第1の保護フィルム86が省略される。そして(d)、(f)及び(h)の工程が不要で、(g)の工程からプロジェクター基板を反転させて分離装置のテーブルに載せられる。
また、実施例6ではガラス基板80Aをスクライブした後、シリコン基板80Cをスクライブし、ブレイクする例を示したが、初めに、シリコン基板80Cをスクライブし、ブレイクした後にガラス基板80Aをスクライブしてもよい。
さらに、スクライブ時に発生するカレットの影響を最小限にくい止めるために、シリコン基板80Cの表面にも、適宜工程に応じて、薄いフイルムや保護フィルムが貼り付けられていることが好ましい。
本発明では薄いフィルム85、第1の保護フィルム86、第2の保護フィルム87の材質としてポリエチレンを使用したが、伸縮性のあるフィルム材料であればポリエチレンに限らず使用できる。
図27(a)は実施例1で示された平面表示パネルマザーガラス基板の分断工程に倣って、この分断工程に含まれる装置を一直線上に配した、貼り合わせ脆性材料基板の分断装置を示した図である。この分断装置の動作は実施例1の工程の説明の箇所で既に説明されているので省略する。
また、実施例5及び実施例6のように不要な工程がある場合は、その不要な工程に対応する加工装置及びその加工装置へ搬送する搬送ロボットが図27(a)に示された自動分断ライン装置から取り除かれる。
図27(b)は図27(a)の分断装置の個々の加工装置の配置をクラスター型にしたもので、第1のスクライブ装置202〜第5のフィルム処理装置209の8つの加工装置を円状に配した構成である。上記の8つの加工装置間の搬送は1台の搬送ロボットRで行い、第1のフィルム処理装置201から第1のスクライブ装置202への搬送は搬送ロボットR1が行い、第5のフィルム処理装置209から分離装置210への搬送は搬送ロボットR9が行う。
図27(b)ではスクライブ装置202〜第5のフィルム処理装置209の8つの加工装置を反時計回りに順に配した構成としているが、自動分断装置ラインの加工タクトタイムの向上やライン装置を構成する各構成装置の設置スペースの制限のために、上記8つの加工装置の配置は必ずしも順番に配置しなくてもよい。
また、実施例5及び実施例6のように不要な工程がある場合は、その不要な工程の加工装置及びその加工装置へ搬送する搬送ロボットを図27(b)に示された自動分断装置ラインの構成装置には含ませなくてもいいことになる。
本発明の実施の形態の分断方法では、貼り合わせ基板として、2つの基板を貼り合わせた構成の、大きな寸法のマザー基板を小さな寸法の複数の平面表示パネルに分断する工程において、特殊な加工がされていない外側の基板面からスクライブする場合について説明をした。しかしながら、特殊な加工がされている内側の基板面からスクライブする場合もある。そうした特殊な加工の例としては、例えば貼り合わせ基板の対向面側に形成されている電子制御回路の形成時に用いられたアルミニウム膜やレジスト膜や、貼り合わせ基板パネルへの電源や信号供給の為の通電手段としての端子部において、基板内部に形成されているITO膜やクロムめっき膜がある。また、その他の例としては、必要な表示機能を発揮させる為に予め貼り合わせ基板の対向面側にアルミニウムの薄膜が形成されていたり、薄いフィルム状のポリイミド膜が貼り付けられていたりする。そうした膜付け処理された部分を分断位置での膜の剥離を避けて精度よく所定の位置で分断する為には、膜が形成されている側からスクライブする必要がある。そうした要求にも本願で開示した刃先が有効に応じることが可能である。
−カッターホイール製造装置−
次に、図2及び図8に示すような刃先稜線部に凹凸が形成されたカッターホイール11及び16を製造するためのカッターホイール製造装置について説明する。
図19は、カッターホイール製造装置の実施の形態の概略構成を示す平面図である。
このカッターホイール製造装置400は、稜線部に刃先が形成されたカッターホイールに対して、刃先の稜線部を研削することにより、刃先に凹凸を形成するための構成を備えている。
このカッターホイール製造装置400は、スピンドルモータ111によって回転自在に支持されて固定されている砥石92が配置されたハウジング93を有し、このハウジング93の前面には、研削対象となるカッターホイールを搬出入するために開放可能になっている扉部94が設けられている。この扉部94は、安全扉になっており、カッターホイールの研削中に、開放された場合には、研削工程が中断するような安全制御装置(図示しない)が設けられている。
このハウジング93の内部には、砥石92に対して、接近または離間することができるように、研削機構102が設けられている。研削機構102の砥石92に対する接近及び離間は、送り用モータ98によって操作される。この送り用モータ98は、図示しないボールネジを回転させることによって、研削機構102を所定の位置に送り及び戻しを調整することができるようになっている。
研削機構102は、研削時にカッターホイールを支持するホイール支持部99を有している。このホイール支持部99の後部には、カッターホイールを予め固定された角度回転させる刃先回転用モータ120が設けられている。また、研削機構102には、水平方向アライメント用ハンドル101及び垂直方向アライメント用ハンドル103が設けられており、これらによって、水平方向及び垂直方向のアライメントが手動又は図示しない制御機構によって自動で調整される。
ハウジング93の外部には、研削機構102の位置及び動作を制御するための制御装置95が設けられている。また、この制御装置95には、研削機構102によるカッターホイールの研削条件を指定するための操作部97が設けられる。
この操作部97は、例えば、図20に示すようなタッチパネルによって構成される。図20に一例として示すタツチパネルでは、装置全体の各種運転モード、設定条件、警報等の指定条件簿が表示されるタッチパネル操作部31が設けられており、下部には、制御電源の投入及び停止を操作する電源スイッチ32、運転準備に入ることを指定する照光式押しボタンスイッチ33、警報情報を発するための警報ブザー34、非常時に運転を停止指示するための非常停止押しボタンスイッチ35が設けられている。
また、ハウジング93の上部には、異常発生中であること、自動運転中であること、扉開閉しても問題がないこと等のハウジング内の状態を示す表示灯であるシグナルタワー100が設けられている。図21には、このシグナルタワー100の一例を示しており、この例では、ハウジング93内が異常発生中であることを表示する「赤色」表示灯41、ハウジング93内が自動運転中であることを表示する「緑色」表示灯42,扉を開閉しても問題がない状態であることを表示する「黄色」表示灯43が設けられている。
次に、上記構成のカッターホイール製造装置400の動作について説明する。 まず、操作部97を操作して、研削対象となるカッターホイールの研削条件についての初期設定を行う。
この初期設定としては、例えば、次の条件が入力される。
・第1番目の領域の回転角度F1 ;溝の深さ、D11,…,D1n
・第2番目の領域の回転角度F2 ;溝の深さ、D21,…,D2n
・第m番目の領域の回転角度Fm ;溝の深さ、Dm1,…,Dmn
・1領域当たりの分割数:N
・領域数:R
初期設定の入力が終了すると、カッターホイールの研削工程が開始される。
図22は、このカッターホイールの研削工程を説明するためのフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいてカッターホイールの研削工程について説明する。
まず、分割数n=0を設定し(S1)、続いて領域数m=1を設定する(S2)。
次に、研削対象となるカッターホイールをホイール支持部99に取り付ける(S3)。
次に、操作部97を操作して、研削機構102の自動運転を開始させる(S4)。さらに、ステーション待機位置へ移動した(S5)後、n=n+1の演算を実行する(S6)。次に、Dmn=0か否かの判断を行なう(S7)。ここでDmn≠0と判断された場合、以下のステップ8(S8)に進み、Dmn=0と判断された場合、その刃先位置での加工は不要であるので、後述するステップ12(S12)に進む。ステップ8では、砥石92の先端がカッターホイールの刃先に接触する位置が検出される。この接触位置の検出には、光学的手段、機械的手段、電気的手段が用いられる。このカッターホイールの刃先の砥石92に対する接触の検出は、砥石92による加工精度を上げるために、刃先が砥石に接触する毎に検出される。
砥石92の先端が刃先に接触する位置が検出された後、送り用モータ98によって、研削機構102を刃先加工位置に移動させる(S9)。
次に、研削機構102を刃先が砥石92に強く接触するように砥石92の方向に移動させて、第m,n番目の溝を深さDmnの深さに加工する(S10)。
このステップ10では、第m番目の領域における第n番目の溝の深さについて、予め、上記初期設定にて設定された入力値の溝の深さDmnになるように、各溝が形成される。また、同様に、第m番目の領域の回転角度についても、上記初期設定にて設定された入力値の回転角度Fmによって、予め設定される。
次に、研削機構102を待機位置に移動させる(S11)。
次に、分割数nと分割数Nとを比較して、n<Nであるか否かを判定する(S12)。n<Nである場合には、ステップ13に進み、n<Nでない場合にはステップ14に進む。
ステップ13では、刃先回転用モータ120を微小角度Fmだけ回転させる。続いて、ステップ6、ステップ7及びステップ8を経由して、ステップ9に戻り、微小角度回転させた刃先の位置にて、研削加工を行う。
ステップ12にて、n<Nでないと判断された場合には、分割数nが予め設定されている分割数Nに達していることを意味しており、ステップ14に進み、ここでは、m<Rであるか否かを判定する(S14)。
ここで、m<Rであると判定された場合には、刃先回転用モータ120によって設定角度だけ刃先が回転される(S15)。続いて、設定された領域数mに1を加えて、領域数(m+1)に更新する。また、n=0の初期設定を行なう(S16)。その後、ステップ6、ステップ7、ステップ8を経由して、ステップ9に戻り、研削加工を引き続いて行う。
ステップ14にて、m<Rでないことが判定されると、領域数mが初期設定された領域数Rに達していることを示しており、ステップ17に進み、研削機構102を原点位置に戻す(S17)。
次に、刃先が研削されたガラスカッターを取り出し(S18)、研削加工が終了する。
以上説明したカッターホイール製造装置400を用いれば、刃先全周の所望の位置に、所望の深さの溝を、良好な精度に形成することが可能である。
なお、図19に示すカッターホイール製造装置では、砥石92に対して、一つの研削機構102を設けているが、ハウジングの中央付近に砥石を配置して、その砥石の周辺を取り囲むように複数の研削機構を設ける構成にしてもよい。このようにすれば、設置される研削機構の数に比例して、カッターホイールの加工効率を大幅に向上することができる。
さらに、複数の砥石を縦に積み重ねて設置し、それぞれの砥石に加工対象となる複数のカッターホイールの刃先が各砥石に対向して配置するようにしてもよい。
また、研削機構における一つのカッターホイール支持部に、複数のカッターホイールを取り付け可能として、一回の研削工程で、複数個のカッターホイールを同時に研削できる構成にしてもよい。このようにすれば、さらに、カッターホイールの加工効率を向上することができる。
さらに、製造装置の構成として、上記実施例では回転する砥石を回転自在に支持固定されている取付部112が固定であって、研削機構102が移動可能である機器構成の場合について説明したが、その逆に研削機構102が固定であって、砥石取付部112が移動可能な機器構成を採用しても同様にして、カッターホイールの稜線付近を加工し、凹凸形状を有する刃先を製造することが可能である。
以上説明したように、本発明のスクライブ装置は、強度的に必要なホイールの厚みを確保したまま、素子の凸部や薄膜により近い箇所をスクライブすることが可能となる。すなわち、刃先稜線が寄っている側のホイール側面を素子の凸部や薄膜に臨ませることで、刃先稜線を、従来のカッターホイールに比べて、凸部や薄膜に近接させることが可能となり、基板の切断分離に際して、素子の個々について凸部や薄膜の直近を、凸部や薄膜を損傷することなくスクライブすることができる。
また、カッターホイールの刃先稜線に突起を設けた場合は、刃先荷重を大きくしても、水平クラックの発生はなく、その荷重の大きさに比例する深さで長い垂直クラックが得られる。この垂直クラックが長いと、次工程のブレイク作業において、スクライブラインに沿った精確なブレイクが行え、歩留りが向上する。また、ブレイク作業が容易なことから、ブレイク工程の内容を緩和あるいは簡素化でき、場合によってはブレイク工程を省略することも可能となる。
さらに、本発明のスクライブ装置に適用されるカッターホイールは、刃先稜線がホイールの両側面間の中心よりいずれか一方の側面より変位されたカッターホイールにおいて、刃先全周の3/4以下に対し、刃先稜線部に所定のピッチで所定形状の溝が形成されており、刃先全周に溝部を形成したカッターホイールに比較して、加工性は良好である。また、このガラスカッターホイールにおいて、刃先全周の1/4以下に対して、所定のピッチで所定形状の溝部を形成したカッターホイールは、基板の下面近傍にまで達するような垂直クラツクが形成されることを防止することができる。全周長さに対する溝部の割合を変化させることにより、所望のスクライブ特性を得ることができる。そのためスクライブ特性を変化させることにより、ガラス基板の搬送時に、スクライブラインの箇所で分断してその一部分が落下するといったようなことを未然に防止することが可能になる。
さらに、本発明の分断方法では、貼り合わせ基板のガラス基板表面に薄いフィルムを貼り付けた状態で、スクライブ工程を行なうようにしたので、スクライブ工程において発生するカレットはガラス基板に付着せず、ガラス基板をキズつけない。
また、この構成において、スクライブ工程後、上層のガラス基板上の薄いフィルム上に保護フィルムを貼り付け、その後、その保護フィルムを、薄いフィルムとともに上層のガラス基板から剥離させる工程を有した構成とした場合は、スクライブ工程時に発生したカレットは、この保護フィルムに密着し、この保護フィルムを剥がす際に薄いフィルムとともに除去される。
本発明の装置及び方法によって、品質のよい、信頼性の高い製品を供給でき、有用である。
本発明のスクライブ装置に適用されるカッターホイールの外観形状を模式的に示す正面図である。 (a)は、刃先稜線に突起を形成したカッターホイールの正面図であり、(b)は同ホイールの側面図及び部分拡大図である。 刃先稜線に突起を形成した図2(b)のカッターホイールの別の実施の形態を示す部分拡大図である。 刃先稜線に突起を形成した図2(b)のカッターホイールのさらに別の実施の形態を示す部分拡大図である。 刃先稜線に突起を形成した図2(b)のカッターホイールのさらに別の実施の形態を示す部分拡大図である。 ホイールの両側面に軸をホイールと一体的に突設させて形成させたカッターホイールの実施の形態を示す正面図である。 従来のガラスカッターホイールの正面図である。 本発明の1実施形態に適用されるカッターホイールの側面図である。 本発明の別の実施形態に適用されるカッターホイールの側面図である。 実施例1のカッターホイールを示す側面図である。 実施例2のカッターホイールを示す側面図である。 実施例3のカッターホイールを示す側面図である。 実施例4のカッターホイールを示す側面図である。 実施例5のカッターホイールを示す側面図である。 本発明に適用されるカッターホイールによるスクライビングの状態を説明する図である。 刃先稜線に突起を形成したカッターホイールによりガラス板をスクライブした時に生じるクラックを示す断面図である。 本発明に係るスクライブ装置の実施の形態を示す概略正面図である。 図17のスクライブ装置の側面図である。 カッターホイール製造装置の概略構成を示す平面図である。 カッターホイール製造装置の操作部に備えられるタッチパネルの一例を示す図である。 カッターホイール製造装置に備えられる信号タワーの一例を示す図である。 カッターホイールの研削工程を説明するためのフローチャートである。 本発明のスクライブ装置でスクライブしたときの垂直クラックの様子を示した図である。 本発明のスクライブ装置による分断手順を示した図である。 本発明のスクライブ装置による別の分断手順を示した図である。 本発明の分断工程の実施の形態を説明するための工程図である。 本発明の分断ライン工程の実施の形態を説明するための分断ライン配置図である。 従来のカッターホイールによるスクライビングの状況を説明する図である。 (a)は、刃先稜線部に溝が形成されたガラスカッターホイールの正面図、(b)は同ホイールの側面図である。 貼り合わせガラスに対する従来の一般的な分断手順を示した工程図である。 貼り合わせガラスに対し、従来の別の分断手順を示した図である。

Claims (7)

  1. 一対のガラス基板を対向して貼り合わせた貼り合わせ基板を分断する方法であって、当該貼り合わせ基板の両面に薄いフィルムを貼り付けた状態で、スクライブを行なう工程を有し、このスクライブ工程で使用されるカッターホイールは、当該ホイールの両側面間の中央よりも一方の側面寄りに偏位した位置に円周方向に沿って刃先稜線が設けられ、その刃先稜線が近接している一方の側面が貼り合わせ基板の表面に設けられた薄膜に対向することを特徴とする貼り合わせ基板の分断方法。
  2. 前記スクライブ工程後、前記上層のガラス基板上の前記薄いフィルムに、当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い保護フィルムを貼り付け、その後、所定の工程を経た後、その保護フィルムを、薄いフィルムとともに上層のガラス基板から剥離させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせ基板の分断方法。
  3. 前記貼り合わせ基板の両面に薄いフィルムを貼り付けた後、下層のガラス基板側の前記薄いフィルム上にこのフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の弱い第1の保護フィルムを貼り付けた状態で、上層のガラス基板側の薄いフィルム面側からスクライブすることにより、当該上層のガラス基板に、その下面に到る垂直クラックを形成し、その後、その上層のガラス基板上の薄いフィルムに当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い第2の保護フィルムを貼り付けるとともに、第1の保護フィルムを剥がした後、前記下層のガラス基板が上層側になるように、当該貼り合わせ基板を反転させ、上層に位置させたガラス基板をその薄いフィルム面側からスクライブすることにより、当該上層に位置させたガラス基板の下面に到る垂直クラックを形成し、その後、その上層に位置させた薄いフィルム上に第2の保護フィルムを貼り付けた後、その第2の保護フィルムを、薄いフィルムとともに上層に位置させたガラス基板から剥離させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貼り合わせ基板の分断方法。
  4. ガラス基板とシリコン基板とを対向して貼り合わせた貼り合わせ基板を分断する方法であって、前記ガラス基板に薄いフィルムを貼り付けた状態で、スクライブを行なう工程を有し、このスクライブ工程で使用されるカッターホイールは、当該ホイールの両側面間の中央よりも一方の側面寄りに偏位した位置に円周方向に沿って刃先稜線が設けられ、その刃先稜線が近接している一方の側面が貼り合わせ基板の表面に設けられた薄膜に対向することを特徴とする貼り合わせ基板の分断方法。
  5. 前記スクライブ工程後、前記上層のガラス基板上の前記薄いフィルムに、当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い保護フィルムを貼り付け、その後、所定の工程を経た後、その保護フィルムを、薄いフィルムとともに前記ガラス基板から剥離させる工程を有することを特徴とする請求項4に記載の貼り合わせ基板の分断方法。
  6. 前記ガラス基板上に薄いフィルムを貼り付けた後、前記シリコン基板を下層に位置させた状態で、上層のガラス基板側の薄いフィルム面側からスクライブすることにより、当該上層のガラス基板の下面に到る垂直クラックを形成し、その後、その上層のガラス基板上の前記薄いフィルム上に、当該薄いフィルムより厚みが大きく、かつ、粘着力の強い保護フィルムを貼り付けるとともに、前記下層のシリコン基板が上層側になるように、当該貼り合わせ基板を反転させ、上層に位置させたシリコン基板をスクライブした後、このシリコン基板が下層側になるように、当該貼り合わせ基板を反転させ、上層に位置させたガラス基板側を加圧することにより、シリコン基板に垂直クラックを形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の貼り合わせ基板の分断方法。
  7. 前記スクライブを行う手段として、カッターホイールを用いるとともに、このカッターホイールは、その刃先稜線部が全周にわたって溝が形成された第1のカッターホイール、あるいは、溝が形成された領域と、溝が形成されていない領域が所定の割合で形成された第2のカッターホイールを選択的に用いることを特徴とする請求項1,2,4,5,6のいずれかに記載の貼り合わせ基板の分断方法。
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