JP2006269991A - 検査方法及び半導体基板製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン注入において意図せずに打ち込まれた不純物の量(濃度)を容易な処理により短時間で適切に検査することのできる検査方法を提供する。
【解決手段】本検査方法においては、まず、設定したドーズ量で酸化膜に砒素を注入し、この酸化膜を回収しICP−MSにより分析して実際に打ち込まれた砒素の量(注入量)を検出し、ドーズ量と注入量との関係を求める。実際のアンチモンのイオン注入の際には、酸化膜を介して所望のドーズ量(イオン注入条件)でアンチモンのイオン注入を行い、この酸化膜を回収しICP−MSにより分析して、アンチモンのイオン注入の際に同時に打ち込まれた砒素の量(濃度)を検出する。次に、先に求めたドーズ量と注入量との関係に基づいて、分析値(注入量)をドーズ量に換算し、イオン注入条件としてのドーズ量という指標において、本来のイオン注入元素であるアンチモンのドーズ量と、意図せずに注入された砒素のドーズ量の比率を検出し、これが許容範囲か否か検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばイオン注入処理により不純物を導入する半導体基板の検査方法であって、特に、意図しないで導入される不純物の量あるいは濃度を検査する検査方法、及び、これにより所望の特性の半導体基板を製造することのできる半導体基板製造方法に関する。
半導体デバイスにおける不純物の導入方法の一つとして、目的とする不純物をイオン化し、これを電気的エネルギーにより加速してシリコン基板内に注入するイオン注入方法がある。イオン注入処理によれば、デバイスの設計通りの不純物層、不純物形状を正確に実現できる。そのため、イオン注入処理は、例えばMOSトランジスタのしきい値電圧の制御、ソースドレインの形成、アイソレーション等を行う方法として非常に有効である。また、SIMOX(Separation by Implanted OXygen) 基板を作製する際にも、イオン注入処理により、絶縁層を形成するための高ドーズの酸素イオンがシリコンウエーハの内部に打ち込まれる。
このようなイオン注入処理は、イオン注入装置において行われる。イオン注入装置においては、チャンバ内において、例えば回転するディスク上にウエーハを保持し、このウエーハに対して所望の元素のイオンが打ち込まれる。
なお、このようなイオン注入装置は、1台の装置が複数の試料の打ち込みに使用される場合が多い。1台の装置により、例えば、砒素(As)、アンチモン(Sb)、リン(P)あるいはボロン(B)等の不純物の打ち込みが行われる。
ところで、イオン注入装置においてイオン注入を行うと、イオン注入装置のチャンバ内のウエーハ以外の部分、すなわちウエーハを保持するディスク等の装置構成部にも不純物が打ち込まれる。装置構成部に打ち込まれたイオンは、そのまま付着してチャンバ内に残存することとなる。そのような状態で次の不純物のイオン注入を行うと、チャンバ内の装置構成部に付着していた不純物がスパッタされ、その構成部から飛び出し、ウエーハに打ち込まれる場合がある。その結果、意図しない元素がウエーハに打ち込まれる。
具体的には、例えば図8(A)に示すようにディスク上に保持されたウエーハに対して、図8(B)に示すように砒素(As)を打ち込むと、図示のごとく砒素はディスクにも打ち込まれる。このような処理を行ったイオン注入装置において、新たなウエーハに対して図8(C)に示すようにアンチモン(Sb)を打ち込む処理を行うと、図示のごとくアンチモンの打ち込みによりディスク上に付着していた砒素がスパッタされ、砒素もウエーハに打ち込まれることとなる。
ウエーハに意図しない元素(不純物)が打ち込まれると、例えば、その意図しない元素の拡散係数の影響により、その後の拡散工程において適切な拡散が行えなくなる可能性が生じる。その結果、ウエーハの特性、すなわちデバイス性能に悪影響が生じ、製品の歩留まりが低下する可能性が生じる。
このような状態を避けるためには、打ち込む不純物に応じてイオン注入装置を変更することが考えられるが、それでは製造効率が低下する。また、ディスク等の装置構成部を交換することも考えられるが、煩雑な作業を行わなければならない上に、チャンバ内を再度高真空に引くまでに時間がかかり、やはり製造効率が低下する。
従って、イオン注入の際に意図しないで打ち込まれた元素の濃度を検出し、これを検査することが望まれている。
従来、このような意図しない不純物の元素と濃度を調べる方法として、二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)法が広く用いられている。二次イオン質量分析法は、高速の一次イオンビームを固体表面に照射し、試料表面からスパッタリング現象により放出される二次イオンを質量分析器で検出し、表面を構成する元素の情報を得る方法である。このSIMSによる分析方法に関しては、より正確に不純物濃度を検出する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開09−260448号公報
しかしながら、SIMSによる分析方法は、分析を行い結果を得るために時間がかかるという問題がある。そのため、分析結果に基づいて、例えばイオン注入処理の条件を最適化する等、イオン注入処理にフィードバックを行う場合には、分析結果が出るまでは装置を稼動できないこととなり、装置の稼動効率を低下させ、半導体デバイスの製造効率を低下させるという問題が生じる。
また、SIMSによる分析は、測定のための装置が非常に高価な上に、調整が面倒であると言う問題もある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、イオン注入において意図せずに打ち込まれた不純物の量(濃度)を容易な処理により短時間で適切に検査し、これにより、生産へのフィードバックを早めて装置稼動効率及び半導体デバイスの製造効率を向上させることのできる検査方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような検査方法を適用して意図しない不純物の量(濃度)が許容範囲内か否か効率よく検査することにより、高性能で信頼性の高い電子デバイスを製造することができる半導体基板製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る検査方法は、基板に第1の元素をイオン注入する際に当該基板に注入される前記第1の元素とは異なる第2の元素の量を検査する検査方法であって、基板に形成された酸化膜に前記第2の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入し、当該イオン注入した前記酸化膜を誘導結合プラズマ質量分析して当該酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を検出し、当該第2の元素の前記注入条件としての前記ドーズ量と前記分析結果の前記注入量との関係を検出し、基板に酸化膜を形成して当該基板に対して前記第1の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入し、前記基板の前記酸化膜を誘導結合プラズマ質量分析し、前記第1の元素のイオン注入の際に前記酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を検出し、前記検出された前記第2の元素の注入量を、前記予め検出された当該第2の元素の前記注入条件としての前記ドーズ量と前記分析結果の前記注入量との関係に基づいて、前記注入条件としてのドーズ量に換算し、前記換算して得られた前記第2の元素の前記注入条件としてのドーズ量と、前記第1の元素のイオン注入の際の当該第1の元素の前記注入条件としてのドーズ量とを比較することにより前記第1の元素のイオン注入の際に注入された前記第2の元素の注入量を検査する。
また、本発明に係る半導体基板製造方法は、イオン注入により所望の第1の元素を半導体基板に導入する不純物導入工程を有する半導体基板製造方法であって、前記不純物導入工程においては、基板に酸化膜を形成し、前記酸化膜を形成した前記基板に前記第1の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入し、前記酸化膜を溶解した試料溶液を誘導結合プラズマ質量分析して前記第1の元素のイオン注入の際に前記酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を検出し、予め検出された当該第2の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入した時の当該注入条件としてのドーズ量と当該イオン注入により実際に注入された当該第2の元素の注入量との関係に基づいて、前記検出された前記第1の元素のイオン注入の際に前記酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を、当該第2の元素の前記注入条件としてのドーズ量に換算し、前記換算して得られた前記第2の元素の前記注入条件としてのドーズ量と、前記第1の元素のイオン注入の際の当該第1の元素の前記注入条件としてのドーズ量とを比較することにより前記第1の元素のイオン注入の際に注入された前記第2の元素の注入量を検査する。
本発明によれば、イオン注入において意図せずに打ち込まれた不純物の量(濃度)を容易な処理により短時間で適切に検査し、これにより、生産へのフィードバックを早めて装置稼動効率及び半導体デバイスの製造効率を向上させることのできる検査方法を提供することができる。
また、本発明によれば、意図しない不純物の量(濃度)が許容範囲内か否か効率よく検査することにより、所望の高性能で信頼性の高い電子デバイスを製造することができる半導体基板製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の濃度検査方法について、図1〜図7を参照して説明する。
本実施形態においては、例えば砒素(As)のイオン注入を以前に行ったイオン注入装置を用いて、シリコンウエーハにアンチモン(Sb)をイオン注入する際に、シリコンウエーハに意図せずに注入される不純物たる砒素の濃度を検出し、これが適切か否かを検査する方法について説明する。その際、本実施形態の濃度検査方法においては、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いて実際に打ち込まれた砒素の濃度を検出する。
なお、以下の説明において、イオン注入の条件としてのドーズ量、及び、イオン注入の結果実際に基板に注入される元素の量(注入量)は、主に、単位面積あたりドーズ量及び注入量、すなわち濃度で示す。従って、意図せずに注入された砒素の濃度を検査する本実施形態の濃度検査方法が、すなわち本発明に係る意図せずに注入された砒素の量を検査する検査方法の一実施形態となる。
図1は、本実施形態に係る意図せずに注入される砒素の濃度(量)を検査する処理の手順を示すフローチャートである。
この濃度検査処理においては、実際に製造工程に投入されているウエーハにおける前述した砒素濃度の検出を行う前に、まず、砒素を意図してイオン注入するとした場合に設定される注入条件としての砒素のドーズ量(濃度)と、その条件でイオン注入が行われた結果、基板に実際に打ち込まれた砒素の注入量(濃度)との関係を検量線として検出する処理を行う(ステップS10)。
そのために、まず、図2(A)に示すシリコンウエーハ表面に、図2(B)に示すようにシリコン酸化膜(SiO2膜)を形成する(ステップS11)。砒素を検出する本実施形態の場合には、200×10-10〔m〕(200オングストローム)のSiO2膜を形成する。
次に、SiO2膜の形成されたウエーハに、図2(C)に示すようにイオン注入装置により砒素をイオン注入する(ステップS12)。イオン注入は、砒素イオンがSiO2膜中にトラップされる程度のエネルギーで行う。また、イオン注入の条件として、打ち込む砒素の量(砒素ドーズ量)を予め設定した所定の量(濃度)に制御する。
所定量の砒素注入が終了したら、図2(D)に示すように、SiO2膜を回収してICP−MSにより分析する(ステップS13,S14)。ICP−MSは、試料溶液を例えばネブライザでエアロゾル化してアルゴンプラズマ中に導入することにより、試料溶液中の物質をばらばらの原子状態に分解してイオン化し、プラズマ中に生成したイオンを真空中に引き込み質量分析計で各イオンの質量数ごとに分離し、各元素の定性及び定量を行う分析方法である。ここでは、ウエーハにフッ化水素(HF)を作用させてウエーハ表面のSiO2膜を溶解して試料溶液とし(ステップS13)、ICP−MS分析を行い、試料溶液中の砒素を検出し、その量(濃度)を検出する(ステップS14)。
実際に打ち込まれた砒素の量(濃度)を検出したら、ドーズ量を変更して同様の処理を繰り返し行う(ステップS15)。すなわち、新たなシリコンウエーハ表面にSiO2膜を形成し(ステップS11)、そのSiO2膜に前回とは異なる所定量の砒素を打ち込み(ステップS12)、SiO2膜を回収し(ステップS13)、ICP−MS分析を行う(ステップS14)。
このような処理を所定回数繰り返したら、イオン注入の条件としての砒素ドーズ量と、ICP−MSの分析値として得られる実際に打ち込まれた砒素注入量とに基づいて、例えば図3に示すような検量線を検出する。また、砒素ドーズ量と砒素注入量(ICP−MS分析値)との関係式を求める。これにより、イオン注入条件としての砒素ドーズ量と実際に打ち込まれた砒素注入量(ICP−MS分析値)との関係が検出される(ステップS16)。
このようにして、検査対象である砒素のイオン注入条件としてのドーズ量と実際の打ち込み結果としての注入量との関係を検出した後に、実際の製造工程において、所望の不純物をウエーハに打ち込んだ時に意図せずに同時にウエーハに打ち込まれる砒素の濃度の検査を行う(ステップS20)。具体的には、実際にウエーハに打ち込まれた砒素の注入量(濃度)を検出し、この注入量のドーズ量換算値を求め、この換算値を所望の不純物のイオン注入時のドーズ量(イオン注入条件として設定されるドーズ量)と比較することにより、砒素の濃度の検査を行う。
ここでは、以前に砒素のイオン注入処理が行われたイオン注入装置において、アンチモンのイオン注入を行う際に、意図せずにウエーハに注入される砒素の濃度を検査する処理について説明する。
ウエーハが保持されるディスクには、図4(A)に示すように、以前のイオン注入により打ち込まれた砒素(As)が付着している。まず、シリコンウエーハ表面に、図4(B)に示すようにシリコン酸化膜(SiO2膜)を形成する(ステップS21(図1))。砒素濃度を検査する本実施形態の場合には、検量線を検出する際と同様に200×10-10〔m〕(200オングストローム)のSiO2膜を形成する。
次に表面にSiO2膜の形成したウエーハに対して、図4(C)に示すように、アンチモン(Sb)のイオンを所定のドーズ量(設定条件値)で打ち込む(ステップS22)。この時には、図示のごとく、ディスクに付着していた砒素がスパッタ現象により飛び出し、アンチモンと一緒にウエーハに打ち込まれる。
アンチモンのイオン注入が終了したら、図4(D)に示すように、ウエーハ表面にフッ化水素(HF)を作用させてSiO2膜を溶解させて試料溶液として回収し(ステップS23)、これをICP−MSにより分析し、SiO2膜に実際に注入されている砒素の量(濃度)を検出する(ステップS24)。
実際の砒素の注入量(濃度)が検出されたら、これを砒素のイオン注入条件としてのドーズ量に換算し、本来のイオン注入対象であったアンチモンのドーズ量と比較することにより、意図せずに注入された砒素の量(濃度)の検査を行う(ステップS25)。具体的には、先に検出していた例えば図3に示す検量線に基づいて、すなわち予め検出しておいたイオン注入条件としての砒素のドーズ量と実際に打ち込まれた砒素注入量との関係に基づいて、ICP−MSの分析結果である今回のアンチモンのイオン注入に伴い実際に打ち込まれた砒素の注入量を、砒素のドーズ量に換算する。そして、この砒素のドーズ量と、ステップS22においてアンチモンのイオン注入を行う時に設定したアンチモンのドーズ量との比率を検出し、この比率が所定の許容範囲内であるか否かを検出することにより、砒素の濃度が適切か否か検査する。
なお、この許容範囲は、イオン注入の本来の対象である不純物の種類、イオン注入により形成する構造部に対する特性及びその許容誤差等に応じて決定される。
また、半導体デバイスの製造工程において、このような砒素濃度の検査は、イオン注入工程の動作条件を設定する際に行っても良いし、実際のロット処理の中でウエーハの検査のために行っても良い。ロット処理の中で行う場合には、ロット内の任意のウエーハを選択的に検査しても良いし、ロット内の全てのウエーハに対して検査しても良い。検査の結果、砒素濃度の本来のイオン注入元素の濃度に対する比率が、許容される範囲内であれば、そのウエーハあるいはそのウエーハを含むロットの製造が適切に行われているものとして、それらを後段の工程に投入する。また、検査により許容される範囲を越えた砒素が検出された場合には、そのウエーハあるいはそのウエーハを含むロットについては、特性の信頼性が低いものとして、製造ラインから除外する等の対応を行う。
このように砒素濃度の検査を行うことにより、信頼性が高く高性能な半導体デバイスを製造することができる。
このような方法により実際に行った砒素濃度検査の処理の結果を図5及び図6に示す。
シリコンウエーハ上に200×10-10〔m〕(200オングストローム)のシリコン酸化膜(SiO2)層を形成し、これに対して、10KeVのエネルギーにより、3.0×1011、3.0×1012、1.0×1013及び3.0×1013〔atoms/cm〕のドーズ量(イオン注入条件)で各々砒素(As)をイオン注入した。
次に、各ドーズ量の処理について、SiO2膜をフッ化水素(HF)により溶解し、その溶液をICP−MSにより分析し、実際に打ち込まれた砒素の注入量を検出した。
砒素ドーズ量とICP−MS分析値である砒素注入量との関係の一例を図5に示す。また、図5に示す砒素ドーズ量とICP−MS分析値とを、両対数グラフにプロットして得られる検量線を図6(A)に示す(図6(A)に、プロット「○」で示す)。砒素ドーズ量とICP−MSの分析値である砒素注入量とは、図示のような直線関係にあることがわかる。
次に、前述したように以前に砒素のイオン注入を行ったイオン注入装置を用いて、シリコンウエーハ上に200×10-10〔m〕(200オングストローム)のシリコン酸化膜(SiO2)層を形成し、これに対して、60eVのエネルギーにより、4.0×1015〔atoms/cm〕のドーズ量(イオン注入条件値)でアンチモン(Sb)をイオン注入した。
そして、SiO2膜をフッ化水素(HF)により溶解し、その溶液をICP−MSにより分析し、このアンチモンのイオン注入の際にSiO2膜に打ち込まれた砒素の量(濃度)を検出した。その結果、6.1×1011〔atoms/cm〕の濃度で、砒素が検出された。
このICP−MSの分析値(砒素注入量)を、図6(A)に示す検量線に基づいて、砒素をイオン注入したとした場合のイオン注入条件としての砒素ドーズ量に換算する。このICP−MSの分析値を、図6(A)に示す検量線上にプロットすると、図6(A)にプロット「△」で示す位置となる。このプロット近傍の拡大図を図6(B)に示す。このグラフより、このプロット(ICP−MS分析値が6.1×1011〔atoms/cm〕に対応する砒素ドーズ量は、約3.4×1012〔atoms/cm〕であることが検出される。
前述したように、本来のイオン注入対象の元素であるアンチモンは、4.0×1015〔atoms/cm〕のドーズ量でイオン注入されている。従って、砒素のドーズ量のアンチモンのドーズ量に対する比率は、約1/1000であることが検出される。そして、この比率が所定の閾値と比較され、許容範囲か否か判定される。これにより砒素注入量(濃度)の検査が行われる。
比較のために、従来のSIMSを用いて砒素濃度を検出した結果を図7に示す。図7は、60eVのエネルギーにより4.0×1015〔atoms/cm〕のドーズ量でアンチモン(Sb)をイオン注入したウエーハにおける深さと元素濃度の関係を示す図である。アンチモン(Sb)及び砒素(As)について、各々濃度の最大値を比較してみると、アンチモン(Sb)は、表面から330×10-10〔m〕(200オングストローム)付近において7×1020〔atoms/cm〕の濃度を示しており、砒素(As)は、ウエーハ表面において8×1017〔atoms/cm〕の濃度を示している。
この結果から明らかなように、SIMSによる計測結果でも、意図せず注入された砒素の量は、アンチモンのドーズ量の約1/1000となっている。
従って、本実施形態に係るICP−MSを用いた砒素濃度検査方法は、従来のSIMSによる方法と同様の精度で砒素濃度が検出できることがわかり、検査が適切に行えることがわかる。
このように、本実施形態の濃度検査方法においては、まず、設定したドーズ量で酸化膜に砒素を注入し、この酸化膜を回収しICP−MSにより分析して実際に打ち込まれた砒素の注入量を検出し、ドーズ量と注入量との関係を求めている。その上で、実際のイオン注入の際には、酸化膜を介して所望のドーズ量(イオン注入条件)でイオン注入を行い、この酸化膜を回収しICP−MSにより分析して、このイオン注入により意図せずに酸化膜に打ち込まれた砒素の量(濃度)を検出する。次に、先に求めたドーズ量と注入量との関係に基づいて、分析値(注入量)をドーズ量に換算し、イオン注入条件としてのドーズ量という指標において、本来のイオン注入元素であるアンチモンのドーズ量と、意図せずに注入された砒素のドーズ量の比率を検出し、結果的に砒素濃度の検査を行っている。
このような方法によれば、半導体ウエーハ内に意図しない砒素がどの程度注入されたかを、ICP−MSの手法を用いて高精度に検出し、その砒素の濃度(量)について適切に検査を行うことができる。
また、この方法による砒素濃度の検査に要する時間は30分程度であり、従来のSIMSによる検出よりも大幅に時間を短縮することができる。
その結果、検査結果の生産へのフィードバックを迅速に行うことができ、半導体デバイスの製造工程における装置非稼動時間を低減し、半導体デバイスの製造効率を向上させることのできる検査方法を提供することができる。
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
例えば、本実施形態においては意図しないで打ち込まれた砒素の濃度検査を行う場合を例示したが、砒素に限らず任意の不純物(元素)の検出が可能である。検出対象の不純物を適切にトラップできるように、ウエーハ表面に形成するSiO2膜の膜厚を調整すれば、任意の元素の検出が可能である。
図1は、本発明の一実施形態の濃度検査処理の流れを示す図である。 図2は、図1に示した検量線検出処理を説明するための図である。 図3は、図2に示した処理により検出された検量線の概念図である。 図4は、図1に示した砒素濃度検査処理を説明するための図である。 図5は、図1に示した検量線検出処理の結果の例を示す図である。 図6は、図5に示した結果に基づく検量線を示す図である。 図7は、比較例としての従来のSIMS法による濃度検出結果を示す図である。 図8は、イオン注入処理時の意図しない元素が打ち込まれる状態を示す図である。
符号の説明
S10〜S25…処理工程

Claims (3)

  1. 基板に第1の元素をイオン注入する際に当該基板に注入される前記第1の元素とは異なる第2の元素の量を検査する検査方法であって、
    基板に形成された酸化膜に前記第2の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入し、当該イオン注入した前記酸化膜を誘導結合プラズマ質量分析して当該酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を検出し、当該第2の元素の前記注入条件としての前記ドーズ量と前記分析結果の前記注入量との関係を検出し、
    基板に酸化膜を形成して当該基板に対して前記第1の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入し、
    前記基板の前記酸化膜を誘導結合プラズマ質量分析し、前記第1の元素のイオン注入の際に前記酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を検出し、
    前記検出された前記第2の元素の注入量を、前記予め検出された当該第2の元素の前記注入条件としての前記ドーズ量と前記分析結果の前記注入量との関係に基づいて、前記注入条件としてのドーズ量に換算し、
    前記換算して得られた前記第2の元素の前記注入条件としてのドーズ量と、前記第1の元素のイオン注入の際の当該第1の元素の前記注入条件としてのドーズ量とを比較することにより前記第1の元素のイオン注入の際に注入された前記第2の元素の注入量を検査する
    ことを特徴とする検査方法。
  2. 前記第1の元素は所望の第1の不純物であり、
    前記第2の元素は意図しない第2の不純物であって、
    半導体基板に対する所望の第1の不純物のイオン注入処理の際に、前記半導体基板に注入される意図しない第2の不純物の量を検査する
    ことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. イオン注入により所望の第1の元素を半導体基板に導入する不純物導入工程を有する半導体基板製造方法であって、前記不純物導入工程においては、
    基板に酸化膜を形成し、
    前記酸化膜を形成した前記基板に前記第1の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入し、
    前記酸化膜を溶解した試料溶液を誘導結合プラズマ質量分析して前記第1の元素のイオン注入の際に前記酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を検出し、
    予め検出された当該第2の元素を所定のドーズ量条件でイオン注入した時の当該注入条件としてのドーズ量と当該イオン注入により実際に注入された当該第2の元素の注入量との関係に基づいて、前記検出された前記第1の元素のイオン注入の際に前記酸化膜中に実際に注入された前記第2の元素の注入量を、当該第2の元素の前記注入条件としてのドーズ量に換算し、
    前記換算して得られた前記第2の元素の前記注入条件としてのドーズ量と、前記第1の元素のイオン注入の際の当該第1の元素の前記注入条件としてのドーズ量とを比較することにより前記第1の元素のイオン注入の際に注入された前記第2の元素の注入量を検査する
    ことを特徴とする半導体基板製造方法。
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