JP2005156230A - 定量分析方法および補助試料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン基板上のポリシリコン/ゲート酸化膜が形成された積層構造における不純物元素の深さ方向濃度分布を高精度に測定する定量分析方法および補助試料を提供する。
【解決手段】 測定試料と同一の積層構造を有する補助試料中に導入された測定対象元素の一様な深さ方向分布を用いる(302)ことにより、二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する(304)。次に、補正曲線に基づいて測定試料の測定対象元素の二次イオン強度(305)を補正して(306)、測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行う(307)。これにより、ポリシリコン/ゲート酸化膜が形成された積層構造に対するSIMS測定において、マトリックス効果に起因するゲート酸化膜付近の感度変化を補正することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry, SIMS、以降ではSIMSと記す)により、不純物元素の濃度を定量的に分析する方法に関し、特に、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造における不純物元素の深さ方向濃度分布を高精度に測定する定量分析方法および補助試料に関するものである。
MOSFETのゲート酸化膜の薄膜化に伴い、微量有機物汚染が電気的特性や歩留まり、ならびに信頼性に大きな影響を及ぼすようになってきており、シリコンウェーハ表面に付着した有機汚染物質については、ガスクロマトグラフィー-質量分析法(GC-MS法)等の化学分析による評価が、また、実際のMOS構造に近い試料に対しては、SIMSを用いた残留炭素量の評価が行われている。
例えば、強制汚染を行ったシリコンウェーハを用いて作製したMOSキャパシタに対して、SIMSによる炭素の深さ方向濃度分布が測定され、ゲート酸化膜近傍におけるピーク濃度の比較が行われている(例えば、非特許文献1参照)。また、SIMS測定により得られた炭素の深さ方向濃度分布を深さ方向について積分することにより、残留炭素量の面密度換算を行っているものもある(例えば、非特許文献2参照)。
ところで、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造のように、異なる組成の材料からなる2層以上の構造をもつ試料に対して、SIMSを用いて不純物の深さ方向濃度分布の測定を行う場合、それぞれの材料から放出される不純物の二次イオン化率が異なるため(マトリックス効果)、正確な定量を行うためには、組成の異なる材料ごとに標準試料を測定して求めた相対感度係数を用いる必要がある。
しかしながら、ゲート酸化膜の膜厚は10nm程度と非常に薄いため、相対感度係数を用いた濃度定量において、基準となるマトリックス元素の二次イオン強度をゲート酸化膜付近の領域で定義することは困難である。そのため、非特許文献1および2においては、マトリックス効果に対する補正はなされていない。
一方、このようなマトリックス効果を低減するために、SIMS測定装置の試料室に微量の酸素ガスを連続的に導入する方法(酸素ガスリーク法)が知られている。この方法によれば、試料表面は常に酸素で被覆されるので、シリコン表面も見かけ上、常に酸化膜表面と同様の状態となり、ポリシリコン層、ゲート酸化膜およびシリコン基板とも同等の二次イオン化率が得られる(例えば、特許文献1参照)。
K. Soga et al., Appl. Phys. Lett., 71, p.3671 FIG.2 (1997). 池田 聡、他, 応用物理66, p.1328 図5 (1997). 特開2000-162163号公報(第2-3頁).
しかしながら、従来の技術には以下のような問題がある。
マトリックス効果に対する補正がなされていない場合、微量有機物汚染に対して定量的な議論を行うことは困難である。さらに、界面付近の二次イオン化率は、一次イオンの入射エネルギーやスパッタリング速度の影響を強く受けるため、異なる測定条件下で測定したデータを比較することはできない。このため、データの比較は、同一測定バッチ内でのデータ間に限定されてしまうという問題がある。
一方、酸素ガスリーク法では、導入する酸素ガス中の不純物により炭素のバックグラウンドが増加すること、およびガス導入量とイオンビーム電流や加速電圧などの測定条件依存性が大きく、再現性のあるデータを得ることが困難であること、などの問題がある。
本発明は、このような点を解決するためになされたもので、測定対象元素の界面付近における二次イオン強度を補正することにより、測定対象元素の深さ方向濃度分布に対する測定精度を向上することができる定量分析方法および補正試料を提供することを目的としている。
請求項1記載の定量分析方法は、二次イオン質量分析法を用いて、積層構造を有する測定試料における測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析方法であって、
測定試料と同一の積層構造を有する補助試料中に、測定対象元素の一様な深さ方向分布の導入を行い、その二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程と、
補正曲線に基づいて測定試料の測定対象元素の二次イオン強度を補正して、測定試料の測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行う工程とを含むものである。
請求項1記載の定量分析方法によれば、例えばシリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造に対するSIMS測定において、マトリックス効果に起因するゲート酸化膜付近の感度変化を補正することができるから、測定対象元素の深さ方向濃度分布に対する測定精度を向上させることができる。
請求項2記載の定量分析方法は、請求項1において、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程は、測定対象元素を補助試料にイオン注入法により所定の注入深さで導入し、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定する工程と、得られた二次イオン強度の深さ方向分布と、補助試料に対する連続的なイオン注入分布との比を求めて補助曲線を得る工程とを含むものである。
請求項2記載の定量分析方法によれば、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成することができるので、請求項1と同様な効果がある。
請求項3記載の定量分析用補助試料は、二次イオン質量分析法を用いて、積層構造を有する測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析用補助試料であって、測定試料と同一の積層構造を有し、測定対象元素がイオン注入法により所定の注入深さで導入されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の定量分析用補助試料によれば、定量分析用補助試料に対して二次イオン強度の深さ方向分布を測定することにより、マトリックス効果によるゲート酸化膜付近での感度変化を測定することができる。
請求項4記載の定量分析方法は、請求項1において、測定試料が、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造であり、
測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程は、補助試料におけるポリシリコン層を、測定対象元素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下の厚さまで除去する工程と、薄膜化されたポリシリコン層の表面に測定対象元素を堆積する工程と、補助試料に対して測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定する工程と、測定で得られた二次イオン強度の深さ方向分布と表面からの単調減少分布との比を求めて補助曲線を得る工程とを含むものである。
請求項4記載の定量分析方法によれば、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成することができるため、請求項1と同様な効果がある。
請求項5記載の定量分析用補助試料は、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された測定試料と同一の積層構造を有し、二次イオン質量分析法を用いて、測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析用補助試料であって、
ポリシリコン層は、測定対象元素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下の厚さまで薄膜化されており、その表面に測定対象元素が堆積されていることを特徴とするものである。
請求項5記載の定量分析用補助試料によれば、測定試料におけるポリシリコン層は、測定対象元素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下の厚さまで薄膜化されており、その表面に測定対象元素が堆積されているため、この定量分析用補助試料に対して二次イオン強度の深さ方向分布を測定することにより、マトリックス効果によるゲート酸化膜付近での感度変化を測定することができる。
請求項6記載の定量分析方法は、二次イオン質量分析法を用いて、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造における測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析方法であって、
二次イオン質量分析装置の試料室内に、測定対象元素を含有するガスを一定流量で導入しながら、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定する工程と、測定で得られた二次イオン強度の深さ方向分布と、ポリシリコン層中あるいはシリコン基板中の二次イオン強度との比を求める工程と、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程と、補正曲線に基づいて測定対象元素の二次イオン強度を補正して、測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行う工程とを備えたものである。
請求項6記載の定量分析方法によれば、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成することができるので、測定対象元素の深さ方向濃度分布に対する測定精度を向上させることができる。
請求項1記載の定量分析方法によれば、例えばシリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造に対するSIMS測定において、マトリックス効果に起因するゲート酸化膜付近の感度変化を補正することができるから、測定対象元素の深さ方向濃度分布に対する測定精度を向上させることができる。
請求項2記載の定量分析方法によれば、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成することができるので、請求項1と同様な効果がある。
請求項3記載の定量分析用補助試料によれば、定量分析用補助試料に対して二次イオン強度の深さ方向分布を測定することにより、マトリックス効果によるゲート酸化膜付近での感度変化を測定することができる。
請求項4記載の定量分析方法によれば、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成することができるため、請求項1と同様な効果がある。
請求項5記載の定量分析用補助試料によれば、測定試料におけるポリシリコン層は、測定対象元素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下の厚さまで薄膜化されており、その表面に測定対象元素が堆積されているため、この定量分析用補助試料に対して二次イオン強度の深さ方向分布を測定することにより、マトリックス効果によるゲート酸化膜付近での感度変化を測定することができる。
請求項6記載の定量分析方法によれば、測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成することができるので、測定対象元素の深さ方向濃度分布に対する測定精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態について、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造における炭素の深さ方向濃度分布を分析する方法を一例として、図1、図2、および図3を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明における測定試料の断面構造を示したもので、シリコン基板上に、膜厚10nm程度のゲート絶縁膜であるゲート酸化膜が形成され、さらにその上層に膜厚200nmのポリシリコン膜が形成されている。
この試料に対して、マトリックス元素となるシリコンと、測定対象元素である炭素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定すると、図2に示すような分布が得られる。この際、一次イオンビームとしては14.5keVに加速したCs+ビームを用い、二次イオンとしてシリコンおよび炭素の負イオンを検出した。ゲート酸化膜付近でシリコンの二次イオン強度が複雑に変化しており、この領域での二次イオン化率がポリシリコン層、ゲート酸化膜およびシリコン基板にわたって連続的に変化していることを反映している。
本発明では、ゲート酸化膜付近における二次イオン化率変化の影響を低減するために、二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成し、その関係に基づいて、実際に測定試料に対して得られた二次イオン強度の深さ方向分布を補正するものである。その手順を図3のフローチャートに示す。
まず、ステップ301において測定試料を分割し、一方の試料中に炭素の一様な深さ方向分布P0(x)を導入する(ステップ302)。次にこの試料に対して、炭素の二次イオン強度の深さ方向分布P1(x)を測定する(ステップ303)。この分布は前述のように、ゲート酸化膜付近での二次イオン化率変化を反映したものとなる。ステップ304において、両者の比を求めることにより、炭素の二次イオンの深さ方向分布に対する補正曲線F(x)=P1(x)/P0(x)を導出することができる。次に、ステップ301において分割した残りの試料に対して、炭素の二次イオン強度の深さ方向分布C1(x)を測定する(ステップ305)。この分布もステップ303において得られた分布と同様に、ゲート酸化膜付近での二次イオン化率変化を反映したものとなっているから、C0(x)=C1(x)/F(x)として補正を行うことにより、測定試料中での実際の炭素濃度に対応した二次イオン強度の分布C0(x)を求めることができる(ステップ306)。以上のステップにより得られた炭素の二次イオン強度の深さ方向分布に対して、通常の定量方法を用いて炭素濃度の深さ方向分布を得ることができる(ステップ307)。
(実施形態1)
本発明の第1の実施の形態の定量分析方法における補正曲線の導出方法、および定量分析用補助試料について、図4、図5、図6、および図7を参照しながら説明する。本実施形態では、測定試料中に炭素の一様な深さ方向分布を導入するための手段として、イオン注入法を用いる。
図4は、測定試料に対して炭素原子をイオン注入することによって作製した補助試料中の炭素原子の深さ方向分布を、モンテカルロシミュレーションにより計算した結果である。ゲート酸化膜とシリコンでは阻止能が異なるため、ゲート酸化膜付近で炭素分布に微少な乱れが観測されているが、SIMSの測定精度に比べて無視できる程度であり、実質的には補助試料中のゲート酸化膜付近での炭素分布は一様であるとみなすことができる。
なお、補助試料の作製時におけるイオン注入エネルギーは、イオン注入プロファイルにおけるピーク位置が、ゲート酸化膜の位置よりも十分深くなるように設定することが望ましく、また注入量は、ゲート酸化膜付近における炭素濃度が、測定試料中に残留している炭素(測定対象としている炭素)の濃度よりも十分(1桁以上)多くなるように設定される。
図5は、補助試料に対して炭素の二次イオン強度を観測した結果を示している。ゲート酸化膜付近で、マトリックス効果により二次イオン化率が変化するため、炭素の二次イオン強度はピークをもつように観測されていることがわかる。この分布と、先に述べた一様なイオン注入プロファイルとの比を、各測定深さに対して求めることにより、図6に示す補正曲線を導くことができる。
このようにして得られた補正曲線に基づき、測定試料における炭素の二次イオン強度の深さ方向分布を補正し、炭素濃度の定量を行った結果を図7に示す。同図中、補正を行っていない場合の定量結果を破線で示した。
本発明による定量結果では、ゲート酸化膜付近におけるマトリックス効果の影響が低減されたことにより、ゲート酸化膜およびポリシリコン層付近に残留する炭素濃度が、補正を行っていない場合よりも低く観測されていることがわかる。
(実施形態2)
本発明の第2の実施の形態の定量分析方法における補正曲線の導出方法、および定量分析用補助試料について、図8、図9および図10を参照しながら説明する。本実施形態では、測定試料中に炭素の一様な深さ方向分布を導入するための手段として、SIMS測定時のノックオン現象により形成される表面からの単調減少分布を用いる。
図8は、シリコン基板表面に吸着した炭素原子に対するSIMS測定の結果を示している。SIMS測定では、加速した一次イオンビームを試料に照射しているため、表面に存在する原子が試料内部に順次たたきこまれながらスパッタリングが進行していく(ノックオン現象)。この分布は同図中に示すように、表面からの単調減少分布となる。
図9は、本発明における補助試料の作製方法を示す工程断面図である。
まず、ドライエッチングにより、図9(a)から(b)のように補助試料のポリシリコン層の厚さを薄くする。この厚さは、炭素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下とする。次に、図9(c)のようにこの表面に炭素原子を堆積する。この堆積量は、ゲート酸化膜付近において観測される炭素濃度が、補助試料中に残留している炭素(測定対象としている炭素)の濃度よりも十分(1桁以上)多くなるように設定される。なお、CF4等の炭素を含むガスをエッチングに用いることにより、十分な量の炭素の堆積が発生する場合には、炭素の堆積を追加する必要は無く、また逆に堆積量が少ない場合には、堆積膜の膜厚を増加させてもよい。
ポリシリコン層の膜厚が例えば50nmになるように作製された補助試料に対して、二次イオン強度の深さ方向分布を測定した結果を図10に示す。炭素の二次イオン強度は、表面から連続的に減少していくが、ゲート酸化膜付近でいったん増大していることがわかる。この二次イオン強度の深さ方向分布と、同図中に破線で示した表面からの単調減少分布との比を、各測定深さに対して求めることにより、実施形態1における図6と同様の補正曲線を得ることができる。
(実施形態3)
本発明の第3の実施の形態の定量分析方法における補正曲線の導出方法について、図11を参照しながら説明する。
図11は、SIMS測定装置の試料室に、炭素を含むガスの一例として、CH4を一定流量で導入しながら、炭素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定した結果を示している。この場合、絶えず一定量の炭素原子が試料表面に吸着されると同時にスパッタが進行していくから、炭素の二次イオン強度は一定のはずであるが、実際には、同図に示すように、ゲート酸化膜付近における二次イオン強度増加が観測される。したがって、得られた二次イオン強度の深さ方向分布と、ポリシリコン層中、あるいはシリコン基板中に対応する二次イオン強度(一定値)との比を、各測定深さに対して求めることにより、実施形態1における図6と同様の補正曲線を得ることができる。
本発明にかかる定量分析方法および補助試料は、測定対象元素の深さ方向濃度分布に対する測定精度を向上することができるという効果があり、定量分析方法および補助試料等として有用である。
測定試料の断面図である。 測定試料に対して観測される炭素およびシリコンの二次イオン強度の深さ方向分布を示す図である。 定量手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態における補助試料中の炭素の深さ方向分布を示す図である。 第1の実施の形態において、補助試料に対して観測される炭素の二次イオン強度の深さ方向分布を示す図である。 第1の実施の形態により得られた補正曲線図である。 第1の実施の形態により得られた炭素濃度の深さ方向分布を示す図である。 シリコン基板表面に吸着した炭素原子に対するSIMS測定の結果を示す図である。 第2の実施の形態における補助試料の作製手順を示す工程断面図である。 第2の実施の形態において、補助試料に対して観測される炭素の二次イオン強度の深さ方向分布を示す図である。 第3の実施の形態において観測される炭素の二次イオン強度の深さ方向分布を示す図である。

Claims (6)

  1. 二次イオン質量分析法を用いて、積層構造を有する測定試料における測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析方法であって、
    測定試料と同一の積層構造を有する補助試料中に、前記測定対象元素の一様な深さ方向分布の導入を行い、その二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程と、
    前記補正曲線に基づいて前記測定試料の前記測定対象元素の二次イオン強度を補正して、前記測定試料の前記測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行う工程とを含む定量分析方法。
  2. 測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程は、測定対象元素を補助試料にイオン注入法により所定の注入深さで導入し、前記測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定する工程と、得られた二次イオン強度の深さ方向分布と、前記補助試料に対する連続的なイオン注入分布との比を求めて補助曲線を得る工程とを含む請求項1記載の定量分析方法。
  3. 測定試料と同一の積層構造を有し、二次イオン質量分析法を用いて、測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析用補助試料であって、前記測定試料と同一の積層構造を有し、前記測定対象元素がイオン注入法により所定の注入深さで導入されていることを特徴とする定量分析用補助試料。
  4. 測定試料は、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造であり、
    前記測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程は、補助試料におけるポリシリコン層を、前記測定対象元素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下の厚さまで除去する工程と、薄膜化された前記ポリシリコン層の表面に前記測定対象元素を堆積する工程と、前記補助試料に対して前記測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定する工程と、前記測定で得られた二次イオン強度の深さ方向分布と前記表面からの単調減少分布との比を求める工程とを含む請求項1記載の定量分析方法。
  5. シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された測定試料と同一の積層構造を有し、二次イオン質量分析法を用いて、測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析用補助試料であって、
    ポリシリコン層は、前記測定対象元素の二次イオン強度がバックグラウンドレベルまで減少する深さ以下の厚さまで薄膜化されており、その表面に測定対象元素が堆積されていることを特徴とする定量分析用補助試料。
  6. 二次イオン質量分析法を用いて、シリコン基板上に順次ゲート酸化膜およびポリシリコン層が形成された積層構造における測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行うための定量分析方法であって、
    二次イオン質量分析装置の試料室内に、測定対象元素を含有するガスを一定流量で導入しながら、前記測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布を測定する工程と、前記測定で得られた二次イオン強度の深さ方向分布と、前記ポリシリコン層中あるいは前記シリコン基板中の二次イオン強度との比を求める工程と、前記測定対象元素の二次イオン強度の深さ方向分布に対する補正曲線を作成する工程と、前記補正曲線に基づいて前記測定対象元素の二次イオン強度を補正して、測定対象元素の深さ方向濃度分布測定を行う工程とを備えた定量分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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