JP4083878B2 - 不純物量の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不純物量の測定方法に係わり、特にイオン注入によって注入した不純物の量を求める不純物量の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータや通信機器の重要部分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達成するように結びつけ、1チップ上に集積化して形成した大規模集積回路(LSI)が多用されている。このため、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結びついている。LSI単体の性能向上は、集積度を高めること、つまり素子の微細化により実現できる。
【0003】
素子の微細化は、例えばソース・ドレイン拡散層などの拡散層を形成する際のイオン注入およびその後の熱処理(アニール)を最適化することにより可能となる。これにより、例えば0.2μm以下の浅いソース・ドレイン拡散層を有するMOSトランジスタを実現することが可能となる。
【0004】
このような浅い拡散層を不純物ドーピングで形成するためには、イオン注入の際に不純物原子を浅く分布させ、その後の熱処理で不純物原子が深く拡散しないように少ない熱予算を組むことが必要である。
【0005】
一方、MOSトランジスタ等の素子が形成されるウェルや、MOSトランジスタのチャネルが誘起される領域(チャネルドーピング層)を不純物ドーピングで形成するためには、イオン注入量を高精度に制御することが要求される。
【0006】
イオン注入量のモニタは、例えばイオン注入装置に設けられたイオン注入量モニタを利用することで簡単に行うことができる。これは、半導体基板中に注入されるのと同じ電流密度のイオンビームをファラデーカップまたは他のイオン電流モニタで測定するものである。
【0007】
この測定の問題点は、イオン注入中に半導体基板から発生する水蒸気、窒素、炭化水素系ガス、ハロゲン系ガス等のガスによりイオンが中性化されると、イオン注入量モニタで測定されるイオン注入量が実際に注入した量よりも少なくなるので、その測定結果に基づいて注入される実際の不純物の量は、設定された注入量よりも多くなってしまうことである。
【0008】
実際に用いられるイオン注入量の測定方法としては、例えば熱処理後にシート抵抗で測定する方法がある。しかし、この測定方法は、不純物を直接測定するのではなく、電気的に活性化した不純物の分布層全体のシート抵抗を評価するため、5〜10%程度の測定誤差が生じてしまう。
【0009】
また、他の測定方法としては、半導体基板を斜めに研磨して、広がり抵抗(spresding resistance)測定法で比抵抗を測定し、比抵抗分布からIrvin の曲線を用いて不純物分布に変換し、それを積分して注入量を求める方法がある。しかし、この測定方法も先の測定方法と同様に電気的な測定方法であり、不純物を直接測定する方法ではないので、5〜10%以上の誤差が生じてしまう。
【0010】
また、キャリア濃度を利用して評価する方法では、電気的に活性化した不純物だけを測定するため、半導体中で電気的に活性化しないイオンの注入量を評価できない。
【0011】
例えば、Si中にSi+ やGe+ をイオン注入した場合、注入量の評価は、RBS(Rutherford Backscattering Spectroscopy)分析や、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy )のような物理分析を併用しないと評価できず、また測定誤差も10%以上生じてしまう。
【0012】
一方、光の反射率を利用した光学的な測定方法としては、例えばイオン注入直後の半導体基板の表面(イオン注入層)に励起光(例えばArレーザー)を照射し、さらにHe−Ne光を照射し、このHe−Ne光の反射率変化を測定し、この測定結果からイオン注入量を求めるというThermal Wave法がある。
【0013】
この方法はイオン注入で生じた結晶欠陥密度の積分値を定量化するものであるが、この方法の問題点は点欠陥がクラスタ状になったり、転移に成長したりすると、反射率変化の測定結果から注入量に換算する際に5%以上の誤差が生じる可能性があることである。
【0014】
また、イオン注入された不純物の濃度分布を測定しようとすると、Thermal Wave法単独では評価できないため、例えばSIMS分析を併用する必要があるが、この場合、微妙な試料構造の変化や測定条件の変化によって、イオン化率が変化したり、スパッタエッチング速度が変化するため、測定精度を±10%以下にできない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、イオン注入された不純物(ドーパント)の量の測定方法として、シート抵抗等を利用した電気的な測定方法や、光の反射率を利用したThermal Wave法等の光学的な測定方法が知られていた。
【0016】
しかしながら、これらの方法はいずれも間接的な測定方法であることから、イオン注入された不純物の量を正確に測定することが困難であるという問題があった。
【0017】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、注入された不純物の量を正確に測定することができる不純物量の測定方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
[構成]
上記目的を達成するために、本発明に係る不純物量の測定方法は、半導体基板と、この半導体基板上に形成され、該半導体基板に対して湿式エッチングにより選択的に除去でき、かつ不純物がイオン注入され、かつ膜厚の異なった部分を有する注入層とからなる試料を用いた不純物量の測定方法であって、前記注入層のうち膜厚の同じ部分を湿式エッチングにより選択的に除去する第1の工程と、前記湿式エッチングに供したエッチング溶液を回収する第2の工程と、この回収したエッチング溶液中に含まれる不純物量を湿式分析により測定する第3の工程とを有し、前記第1の工程から前記第3の工程までの工程を前記注入層の全ての同じ膜厚の部分について行うことを特徴とする。
【0022】
本発明のより具体的な構成または好ましい構成は以下の通りである。
(1)湿式エッチングは、酸溶液、アルカリ溶液もしくはこれらを希釈した水溶液、または有機溶媒を用いたエッチングである。
(2)湿式分析は、原子吸光法またはICP質量分析法である。
(3)膜厚の異なる部分が、半導体基板内で同心円状、市松模様または縞状に形成されている。
(4)本発明に係る不純物量の測定方法と同時にその他の不純物量の分析(測定)を行う。
【0023】
[作用]
本発明(請求項1)によれば、注入層中の不純物量を直接測定し、さらにその測定方法に湿式分析を使用しているので、従来の間接的な測定方法に比べて精度の高い不純物量の測定が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る不純物量の測定方法を示す工程断面図である。
【0026】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1上に該シリコン基板1に対して湿式エッチングによって選択的に除去可能な薄膜(被注入層)2を形成し、次に図1(b)に示すように、この薄膜2にAs、B、BF2 、P、Geなどのイオン3を注入する。
【0027】
このようにしてシリコン基板1と、このシリコン基板1上に形成され、該シリコン基板1に対して湿式エッチングにより選択的に除去でき、かつイオン3が注入された薄膜2(注入層)とからなる試料が得られる。
【0028】
ここで、薄膜2としては、例えばシリコン酸化薄膜やシリコン窒化薄膜などがあげられる。ただし、イオン3としてSiイオンを注入する場合には、薄膜2としてボロン酸化薄膜またはカーボン薄膜などSiを含まない薄膜を用いる。
【0029】
また、薄膜2の膜厚は、イオン3の注入分布の深さよりも厚くする。イオン3の注入分布の深さは、イオン3の質量、電荷量、加速エネルギー、注入量で決まる。
【0030】
例えば、加速エネルギー30KeV程度、ドーズ量1×1015cm-2の条件でAsイオンを注入する場合には、薄膜2の膜厚はシリコン酸化膜の膜厚に換算して100〜150nm程度であれば十分である。
【0031】
また、イオン3の注入の際に、図示しないイオン源、ビームライン、ビームストッパ、ウェハサセプタなどの部材がイオン3によってスパッタリングされ、その結果として同部材の構成材料である例えばAl、Fe、Cr、Ni、Mo、Wなどの汚染不純物4がシリコン基板1の表面に付着もしくは堆積したり、またはノックオンによって注入される。
【0032】
次に図1(c)に示すように、薄膜12を酸溶液またはアルカリ溶液により選択的に除去する。例えば、薄膜12がシリコン酸化薄膜であるなら、弗酸溶液または弗化アンモン溶液により選択的に除去できる。また、シリコン窒化薄膜ならリン酸溶液により選択的に除去できる。また、ボロン酸化薄膜なら希釈した酸溶液でも除去できるが、この場合には純水でも除去できる。
【0033】
この後、イオン3および汚染不純物4を含むエッチング溶液を回収し、これを原子吸光分析またはICP質量分析などの湿式分析によって測定することによって、イオン3および汚染不純物4の種類および量を特定する。
【0034】
基板(ウェハ)面内での濃度分布を求める場合には、図2に示すように薄膜2上にレジストパターン5を形成し、薄膜2の一部分だけを湿式エッチングで除去し、それに供したエッチング溶液を回収し、これを湿式分析にて分析する。このような部分的な測定を繰り返すことにより、面内の濃度分布を求めることができる。
【0035】
図3は、本実施形態の測定方法および従来のThermal Wave法に従って測定したイオン注入量と実際のイオン注入量との関係を示す図である。
試料としては、シリコン基板上に厚さ200nmのシリコン酸化膜を熱酸化にて形成し、それに加速電圧10KeVの条件でAs+ をイオン注入したものを使用した。
【0036】
従来法(Thermal Wave法)では1×1011cm-2のところで校正しているが、図から1×1011cm-2未満の領域と1×1012cm-2以上の領域で直線性が崩れており、測定精度が低下することが分かる。
【0037】
一方、本実施形態によれば、誤差が3%以内の高精度の測定が可能であり、5×1010cm-2から1×1016cm-2までの広範囲にわったて高精度の測定可能であることが分かる。
【0038】
従来法での高注入量側での直線性の崩れの理由は、イオン注入により発生した欠陥が連続してアモルファス層となって、イオン注入量の増加に対して結晶欠陥密度が単調に増加しなくなったことと、不純物がシリコンの原子密度に対して1〜10%程度存在し、欠陥による熱伝導度の変化と不純物による熱伝導度の変化が混在していることがあげられる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を示す工程断面図である。なお、図1と対応する部分には図1と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する(以下の他の実施形態についても同様)。
【0039】
まず、次に図4(a)に示すように、シリコン基板1上に薄膜2として厚さ100nmのシリコン酸化膜を形成する。
次に図4(b)に示すように、薄膜2上にその右側端部から左側に所定距離d1だけ離れた領域が選択的に露出するマスクパターン51 を形成した後、このマスクパターン51 をマスクにして薄膜2を所定量(5〜10nm程度)だけエッチングする。この後、マスクパターン51 を除去する。
【0040】
次に図4(c)に示すように、薄膜2上にその右側端部から左側に所定距離d2(>d1 )だけ離れた領域が選択的に露出するマスクパターン52 を形成した後、このマスクパターン52 をマスクにして薄膜2を所定量(5〜10nm程度)だけエッチングする。この後、マスクパターン52 を除去する。
【0041】
このようなエッチングを繰り返すことによって、図4(d)に示すように、薄膜2の表面形状を階段形状にする。ここでは、同図(d)に示すように、薄膜2を互いに膜厚の異なる5つの領域A1〜A5に区分するが、6つ以上の複数の領域に区分しても良いし、あるいは4つ以下の複数の領域に区分しても良い。
【0042】
次に図4(e)に示すように、全面にイオン3を注入する。このとき、薄膜2がエッチングされた領域では、その下のシリコン基板1の表面にもイオン3が注入される。したがって、薄膜2の膜厚の違いによって、イオン3の注入分布Di の深さは同図(e)に示すように変化する。
【0043】
次に各領域A1〜A5の薄膜2を順次選択的にウエットエッチングにより除去し、領域A1〜A5の薄膜2を除去した各エッチング溶液をそれぞれ回収し、これらを原子吸光分析またはICPによって分析することによって、各領域A1〜A5の薄膜2のイオン3および汚染不純物4の種類および量を特定する。
【0044】
また、各領域A1〜A5の薄膜2中の不純物量は、図4(e)に示すように変化するため、各領域間の不純物量の差からエッチング前の初期膜厚の薄膜2中の不純物の濃度分布を求めることができる。
【0045】
図5は、本実施形態の測定方法により得られたGeの深さ方向の濃度分布を示す図である。
試料としては、シリコン基板上に厚さ200nmのシリコン酸化膜をウエット熱酸化にて形成し、それに加速電圧30KeVの条件でGe+ をイオン注入したものを使用した。
【0046】
シリコン酸化膜のエッチングは、市販されている48%のHF水溶液を純水で50倍に希釈したエッチング溶液で行った。このエッチング溶液を用いた場合、1000℃でウエット熱酸化にて形成したシリコン酸化膜のエッチング速度は、室温で1秒間に平均0.1nmエッチングされ、50秒間で5nmエッチングされる。上記シリコン酸化膜の膜厚の分布範囲は5〜200nmである。
【0047】
図から、SIMS分析とは異なり、測定誤差が3%以下の高精度でもって不純物(Ge)の濃度分布を測定できることが判明した。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための平面図である。
【0048】
本実施形態では、薄膜2を複数の領域B1〜B5に区分することを考える。そして、円形領域B1の薄膜2、環状領域B2〜B5を湿式エッチングによりそれぞれ選択的に除去し、次に各湿式エッチングに供したエッチング溶液をそれぞれ回収し、次に回収した各エッチング溶液をそれぞれ原子吸光分析またはICPによって分析することによって、各領域B1〜B5の薄膜2の不純物(注入イオン、汚染不純物)の種類および量を特定する。これにより、薄膜2中の不純物の面内の動径方向の濃度分布が得られる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための平面図である。
【0049】
本実施形態が第3の実施形態と異なる点は、薄膜2を格子状に区分するとともに、薄膜2の膜厚(d1<d2<d3<d4<d5)が横方向に沿って第2の実施形態のように階段状に変化していることにある。
【0050】
したがって、第2の実施形態の場合と同様に不純物の濃度分布を求めることができるので、図8に示す各領域C1〜C5の薄膜2中の不純物の濃度分布を求めることができる。なお、各領域C1〜C5において不均一が生じる場合には、各領域C1〜C5と直交する領域について調べれば、濃度分布を求めることができる。
(第5の実施形態)
次に本発明を半導体装置の製造方法に適用した場合の実施形態について説明する。具体的には、シリコン基板に、不純物(ドーパント)を所定量だけイオン注入するイオン注入工程を有する半導体装置の製造方法の場合について説明する。
【0051】
まず、上記イオン注入工程の前に、測定用シリコン基板(ウェハ)と、この測定用シリコン基板上に形成され、該測定用シリコン基板に対して湿式エッチングにより選択的に除去できる被注入層とからなる試料に対し、その被注入層に不純物が所定量だけイオン注入されると仮定されたイオン注入条件でもって、不純物のイオン注入を行う(第1の工程)。
【0052】
次に被注入層を湿式エッチングにより除去し、次にこの湿式エッチングに供したエッチング溶液を回収し、次にこれを原子吸光分析またはICP質量分析により測定することによって不純物の量を特定する(第2の工程)。
【0053】
第1の工程と第2の工程からなる不純物量の測定方法は、基本的には上述した第1〜第4の実施形態と同じであり、その詳細は省略する。測定用シリコン基板はシリコン基板1に相当し、被注入層は薄膜2に相当するものであり、被注入層の膜厚は一様でも、あるいは分布を持っていても良い。
【0054】
次に第2の工程にて測定された被注入層に注入された不純物の量が所定量と異なる場合には、被注入層中の不純物の量が所定量と同じになるまで、新しい試料を用いて第1の工程と第2の工程とからなる不純物量の測定方法を繰り返すことによって、被注入層に不純物が所定量だけイオン注入されるイオン注入条件を求める(第3の工程)。
【0055】
次に第3の工程にて得られたイオン注入条件に基づいて、シリコン基板に不純物(ドーパント)を所定量だけイオン注入する。
具体的には、例えば上記イオン注入条件になるように、イオン注入装置の設定注入量等を変更して、シリコン基板に所定量の不純物をイオン注入したり、または既に注入した不純物の量に対して補正を行う形でイオン注入を行う。いずれの方法を採るかは、工程の種類とイオン注入装置の注入量の設定方法によって異なる。
【0056】
また、第2の工程にて測定された被注入層に注入された不純物の濃度分布が所定濃度分布と異なる場合には、被注入層中の不純物の濃度分布量が所定濃度分布量と同じになるまで、新しい試料を用いて第1の工程と第2の工程とからなる不純物量の測定方法を繰り返すことによって、被注入層中の不純物の濃度分布が所定濃度分布となるイオン注入条件を求める(第3’の工程)。
【0057】
この後、第3’の工程にて得られたイオン注入条件に基づいて、シリコン基板に不純物(ドーパント)を所定量だけイオン注入する。具体的には、例えば上記イオン注入条件になるように、イオン注入する際の注入角度、加速エネルギー、シリコン基板の表面改質またはシリコン基板以外の他の半導体基板を用いるなどのプロセス変更を行う。
【0058】
なお、第1の工程の最初に仮定したエッチング条件で、所定通りの不純物の量や濃度分布が得られた場合には、このエッチング条件で半導体基板に不純物をイオン注入する。
【0059】
従来の半導体装置の製造工程におけるQC工程(本実施形態の第1〜第3の工程に相当する工程)は、イオン注入した原子の数を間接的に測定する方法である光学的または電気的な測定方法(従来の不純物量の測定方法)を利用したものなので、測定誤差が大きく高精度のQC管理を行うことができていなかった。
【0060】
一方、本実施形態の半導体装置の製造工程におけるQC工程は、イオン注入した原子の数を直接測定する方法(本発明の不純物量の測定方法)を利用したものなので、イオン注入装置の不安定性に起因したウェハ面内やウェハ間の不純物の量や濃度分布のばらつきが3%未満になる高精度なQC管理を行うことが可能となり、その結果としてLSI内のしきい値Vth等のしきい値のばらつき、pn接合リーク電流のばらつき、コンタクト抵抗のばらつきなどが従来の1/3〜1/5に低減できることを確認した。
【0061】
具体的には、例えば電界効果トランジスタのしきい値電圧調整のためのイオン注入の場合には、しきい値電圧の変動値ΔVth(=(最大しきい値電圧−最小しきい値電圧)/(最大しきい値電圧+最小しきい値電圧))を従来の80mVから20mV以下に低減することができる。したがって、しきい値電圧のばらつきが十分に小さい電界効果トランジスタから構成されたDRAM等の半導体装置を実現できるようになる。
【0062】
図9に、測定用シリコン基板(ウェハ)上に形成され、不純物がイオン注入された被注入層6の一部を湿式エッチングにより選択的に除去する方法を示す。
図9(a)は、被注入層6上に除去領域を限定するフレーム7を設置し、その除去領域外にエッチング溶液が広がらないようにして、被注入層6の所望の除去領域を選択的に除去する方法を示している。
【0063】
図9(b)は、試料(測定用シリコン基板(ウェハ)+不純物がイオン注入された被注入層))8を所望の大きさに分割し、その分割した試料8aの被注入層を湿式エッチングにより除去する方法を示している。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第4の実施形態では、シリコン基板に不純物(ドーパント)をイオン注入する場合について説明したが、本発明はシリコン基板にその構成元素であるシリコンをイオン注入する場合に適用できる。また、エッチング溶液としては上述したものの他に有機溶媒を用いることもできる。また、本実施形態の不純物量の測定時に他の不純物量の分析(測定)を行っても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、注入層中の不純物量を直接測定し、さらにその測定方法に湿式分析を使用しているので、従来の間接的な測定方法に比べて精度の高い不純物量の測定方法を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る不純物量の測定方法を示す工程断面図
【図2】同実施形態の変形例を説明するための工程断面図
【図3】同実施形態の測定方法および従来のThermal Wave法に従って測定したイオン注入量と実際のイオン注入量との関係を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を示す工程断面図
【図5】同実施形態の測定方法に従って測定したGeの深さ方向の濃度分布を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための平面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための平面図
【図8】同実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための他の平面図
【図9】測定用シリコン基板(ウェハ)上に形成され、不純物がイオン注入された被注入層の一部を湿式エッチングにより選択的に除去する方法を示す断面図
【符号の説明】
1…シリコン基板
2…薄膜(被注入層)
3…イオン
4…汚染不純物
51 ,52 …マスクパターン
6…被注入層
7…フレーム
8…試料
8a…分割した試料
Claims (1)
- 半導体基板と、この半導体基板上に形成され、該半導体基板に対して湿式エッチングにより選択的に除去でき、かつ不純物がイオン注入され、かつ膜厚の異なった部分を有する注入層とからなる試料を用いた不純物量の測定方法であって、
前記注入層のうち膜厚の同じ部分を湿式エッチングにより選択的に除去する第1の工程と、
前記湿式エッチングに供したエッチング溶液を回収する第2の工程と、
この回収したエッチング溶液中に含まれる不純物量を湿式分析により測定する第3の工程とを有し、
前記第1の工程から前記第3の工程までの工程を前記注入層の全ての同じ膜厚の部分について行うことを特徴とする不純物量の測定方法。
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