JP2000021803A - 不純物量の測定方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

不純物量の測定方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法

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JP2000021803A JP10184310A JP18431098A JP2000021803A JP 2000021803 A JP2000021803 A JP 2000021803A JP 10184310 A JP10184310 A JP 10184310A JP 18431098 A JP18431098 A JP 18431098A JP 2000021803 A JP2000021803 A JP 2000021803A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン注入量を正確に測定すること。 【解決手段】シリコン基板1と、このシリコン基板1上
に形成され、シリコン基板1に対して湿式エッチングに
より選択的に除去でき、かつイオン3が注入された薄膜
2とからなる試料を用いた不純物量の測定方法であっ
て、薄膜2を湿式エッチングにより選択的に除去し、次
にこの湿式エッチングに供したエッチング溶液を回収
し、次にこの回収したエッチング溶液中に含まれる不純
物量を湿式分析により測定することによって、薄膜2に
注入されたイオン3の量を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不純物量の測定方
法およびそれを用いた半導体装置の製造方法に係わり、
特にイオン注入によって注入した不純物の量を求める不
純物量の測定方法およびそれを用いた半導体装置の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータや通信機器の重要部
分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達成
するように結びつけ、1チップ上に集積化して形成した
大規模集積回路(LSI)が多用されている。このた
め、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結び
ついている。LSI単体の性能向上は、集積度を高める
こと、つまり素子の微細化により実現できる。
【0003】素子の微細化は、例えばソース・ドレイン
拡散層などの拡散層を形成する際のイオン注入およびそ
の後の熱処理(アニール)を最適化することにより可能
となる。これにより、例えば0.2μm以下の浅いソー
ス・ドレイン拡散層を有するMOSトランジスタを実現
することが可能となる。
【0004】このような浅い拡散層を不純物ドーピング
で形成するためには、イオン注入の際に不純物原子を浅
く分布させ、その後の熱処理で不純物原子が深く拡散し
ないように少ない熱予算を組むことが必要である。
【0005】一方、MOSトランジスタ等の素子が形成
されるウェルや、MOSトランジスタのチャネルが誘起
される領域(チャネルドーピング層)を不純物ドーピン
グで形成するためには、イオン注入量を高精度に制御す
ることが要求される。
【0006】イオン注入量のモニタは、例えばイオン注
入装置に設けられたイオン注入量モニタを利用すること
で簡単に行うことができる。これは、半導体基板中に注
入されるのと同じ電流密度のイオンビームをファラデー
カップまたは他のイオン電流モニタで測定するものであ
る。
【0007】この測定の問題点は、イオン注入中に半導
体基板から発生する水蒸気、窒素、炭化水素系ガス、ハ
ロゲン系ガス等のガスによりイオンが中性化されると、
イオン注入量モニタで測定されるイオン注入量が実際に
注入した量よりも少なくなるので、その測定結果に基づ
いて注入される実際の不純物の量は、設定された注入量
よりも多くなってしまうことである。
【0008】実際に用いられるイオン注入量の測定方法
としては、例えば熱処理後にシート抵抗で測定する方法
がある。しかし、この測定方法は、不純物を直接測定す
るのではなく、電気的に活性化した不純物の分布層全体
のシート抵抗を評価するため、5〜10%程度の測定誤
差が生じてしまう。
【0009】また、他の測定方法としては、半導体基板
を斜めに研磨して、広がり抵抗(spresding resistanc
e)測定法で比抵抗を測定し、比抵抗分布からIrvin の
曲線を用いて不純物分布に変換し、それを積分して注入
量を求める方法がある。しかし、この測定方法も先の測
定方法と同様に電気的な測定方法であり、不純物を直接
測定する方法ではないので、5〜10%以上の誤差が生
じてしまう。
【0010】また、キャリア濃度を利用して評価する方
法では、電気的に活性化した不純物だけを測定するた
め、半導体中で電気的に活性化しないイオンの注入量を
評価できない。
【0011】例えば、Si中にSi+ やGe+ をイオン
注入した場合、注入量の評価は、RBS(Rutherford B
ackscattering Spectroscopy)分析や、SIMS(Seco
ndary Ion Mass Spectroscopy )のような物理分析を併
用しないと評価できず、また測定誤差も10%以上生じ
てしまう。
【0012】一方、光の反射率を利用した光学的な測定
方法としては、例えばイオン注入直後の半導体基板の表
面(イオン注入層)に励起光(例えばArレーザー)を
照射し、さらにHe−Ne光を照射し、このHe−Ne
光の反射率変化を測定し、この測定結果からイオン注入
量を求めるというThermal Wave法がある。
【0013】この方法はイオン注入で生じた結晶欠陥密
度の積分値を定量化するものであるが、この方法の問題
点は点欠陥がクラスタ状になったり、転移に成長したり
すると、反射率変化の測定結果から注入量に換算する際
に5%以上の誤差が生じる可能性があることである。
【0014】また、イオン注入された不純物の濃度分布
を測定しようとすると、Thermal Wave法単独では評価で
きないため、例えばSIMS分析を併用する必要がある
が、この場合、微妙な試料構造の変化や測定条件の変化
によって、イオン化率が変化したり、スパッタエッチン
グ速度が変化するため、測定精度を±10%以下にでき
ない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、イオン注
入された不純物(ドーパント)の量の測定方法として、
シート抵抗等を利用した電気的な測定方法や、光の反射
率を利用したThermal Wave法等の光学的な測定方法が知
られていた。
【0016】しかしながら、これらの方法はいずれも間
接的な測定方法であることから、イオン注入された不純
物の量を正確に測定することが困難であるという問題が
あった。
【0017】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、注入された不純物の量
を正確に測定することができる不純物量の測定方法およ
びそれを用いた半導体装置の製造方法を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】[構成]上記目的を達成
するために、本発明に係る第1の不純物量の測定方法
は、半導体基板と、この半導体基板上に形成され、該半
導体基板に対して湿式エッチングにより選択的に除去で
き、かつ不純物がイオン注入された注入層とからなる試
料を用いた不純物量の測定方法であって、前記注入層を
湿式エッチングにより選択的に除去する工程と、前記湿
式エッチングに供したエッチング溶液を回収する工程
と、この回収したエッチング溶液中に含まれる不純物量
を湿式分析により測定する工程とを有することを特徴と
する。
【0019】ここで、前記不純物は注入層に対してのも
のなので、前記不純物は半導体基板の構成元素または前
記半導体基板に対してドーパントとなる物質である。ま
た、本発明に係る第2の不純物量の測定方法は、半導体
基板と、この半導体基板上に形成され、該半導体基板に
対して湿式エッチングにより選択的に除去でき、かつ不
純物がイオン注入され、かつ膜厚の異なった部分を有す
る注入層とからなる試料を用いた不純物量の測定方法で
あって、前記注入層のうち膜厚の同じ部分を湿式エッチ
ングにより選択的に除去する第1の工程と、前記湿式エ
ッチングに供したエッチング溶液を回収する第2の工程
と、この回収したエッチング溶液中に含まれる不純物量
を湿式分析により測定する第3の工程とを有し、前記第
1の工程から前記第3の工程までの工程を前記注入層の
全ての同じ膜厚の部分について行うことを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
は、半導体基板に、該半導体基板の構成元素または前記
半導体基板に対してドーパントとなる不純物のイオンを
所定量だけ注入するイオン注入工程を有する半導体装置
の製造方法であって、前記イオン注入工程の前に、測定
用半導体基板と、この測定用半導体基板上に形成され、
該測定用半導体基板に対して湿式エッチングにより選択
的に除去できる被注入層とからなる試料に対し、前記被
注入層に前記イオンが前記所定量だけ注入されると仮定
されたイオン注入条件でもって、前記被注入層に前記イ
オンを注入する第1の工程と、請求項1に記載の不純物
量の測定方法により前記被注入層中の不純物量を測定す
る第2の工程とを有し、この第2の工程にて求められた
前記被注入層に注入された前記イオンの量が前記所定量
と異なる場合には、前記被注入層中の前記イオンの量が
前記所定量と同じになるまで、前記第1の工程と前記第
2の工程とからなる工程を繰り返すことによって、前記
被注入層に前記イオンが前記所定量だけ注入されるイオ
ン注入条件を求め、この求められたイオン注入条件に基
づいて、前記半導体基板に前記イオンを注入することを
特徴とする。
【0021】ここでは、請求項1に記載の不純物量の測
定方法を利用したが、請求項2に記載の不純物量の測定
方法を利用しても良い。この場合、被注入層は膜厚の異
なった部分を有するものとなる。
【0022】本発明のより具体的な構成または好ましい
構成は以下の通りである。 (1)湿式エッチングは、酸溶液、アルカリ溶液もしく
はこれらを希釈した水溶液、または有機溶媒を用いたエ
ッチングである。 (2)湿式分析は、原子吸光法またはICP質量分析法
である。 (3)膜厚の異なる部分が、半導体基板内で同心円状、
市松模様または縞状に形成されている。 (4)本発明に係る不純物量の測定方法と同時にその他
の不純物量の分析(測定)を行う。
【0023】[作用]本発明(請求項1,2)によれ
ば、注入層中の不純物量を直接測定し、さらにその測定
方法に湿式分析を使用しているので、従来の間接的な測
定方法に比べて精度の高い不純物量の測定が可能とな
る。
【0024】また、本発明(請求項3)のように、本発
明に係る精度の高い不純物量の測定方法を半導体装置の
製造方法のイオン注入工程に適用すれば、所定通りのイ
オン注入を行えるようになり、これによりイオン注入が
大きく影響する素子特性に関しては、そのばらつきを十
分に低減できるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係る不純物量の測定方法を示す工程断面図である。
【0026】まず、図1(a)に示すように、シリコン
基板1上に該シリコン基板1に対して湿式エッチングに
よって選択的に除去可能な薄膜(被注入層)2を形成
し、次に図1(b)に示すように、この薄膜2にAs、
B、BF2 、P、Geなどのイオン3を注入する。
【0027】このようにしてシリコン基板1と、このシ
リコン基板1上に形成され、該シリコン基板1に対して
湿式エッチングにより選択的に除去でき、かつイオン3
が注入された薄膜2(注入層)とからなる試料が得られ
る。
【0028】ここで、薄膜2としては、例えばシリコン
酸化薄膜やシリコン窒化薄膜などがあげられる。ただ
し、イオン3としてSiイオンを注入する場合には、薄
膜2としてボロン酸化薄膜またはカーボン薄膜などSi
を含まない薄膜を用いる。
【0029】また、薄膜2の膜厚は、イオン3の注入分
布の深さよりも厚くする。イオン3の注入分布の深さ
は、イオン3の質量、電荷量、加速エネルギー、注入量
で決まる。
【0030】例えば、加速エネルギー30KeV程度、
ドーズ量1×1015cm-2の条件でAsイオンを注入す
る場合には、薄膜2の膜厚はシリコン酸化膜の膜厚に換
算して100〜150nm程度であれば十分である。
【0031】また、イオン3の注入の際に、図示しない
イオン源、ビームライン、ビームストッパ、ウェハサセ
プタなどの部材がイオン3によってスパッタリングさ
れ、その結果として同部材の構成材料である例えばA
l、Fe、Cr、Ni、Mo、Wなどの汚染不純物4が
シリコン基板1の表面に付着もしくは堆積したり、また
はノックオンによって注入される。
【0032】次に図1(c)に示すように、薄膜12を
酸溶液またはアルカリ溶液により選択的に除去する。例
えば、薄膜12がシリコン酸化薄膜であるなら、弗酸溶
液または弗化アンモン溶液により選択的に除去できる。
また、シリコン窒化薄膜ならリン酸溶液により選択的に
除去できる。また、ボロン酸化薄膜なら希釈した酸溶液
でも除去できるが、この場合には純水でも除去できる。
【0033】この後、イオン3および汚染不純物4を含
むエッチング溶液を回収し、これを原子吸光分析または
ICP質量分析などの湿式分析によって測定することに
よって、イオン3および汚染不純物4の種類および量を
特定する。
【0034】基板(ウェハ)面内での濃度分布を求める
場合には、図2に示すように薄膜2上にレジストパター
ン5を形成し、薄膜2の一部分だけを湿式エッチングで
除去し、それに供したエッチング溶液を回収し、これを
湿式分析にて分析する。このような部分的な測定を繰り
返すことにより、面内の濃度分布を求めることができ
る。
【0035】図3は、本実施形態の測定方法および従来
のThermal Wave法に従って測定したイオン注入量と実
際のイオン注入量との関係を示す図である。試料として
は、シリコン基板上に厚さ200nmのシリコン酸化膜
を熱酸化にて形成し、それに加速電圧10KeVの条件
でAs+ をイオン注入したものを使用した。
【0036】従来法(Thermal Wave法)では1×10
11cm-2のところで校正しているが、図から1×1011
cm-2未満の領域と1×1012cm-2以上の領域で直線
性が崩れており、測定精度が低下することが分かる。
【0037】一方、本実施形態によれば、誤差が3%以
内の高精度の測定が可能であり、5×1010cm-2から
1×1016cm-2までの広範囲にわったて高精度の測定
可能であることが分かる。
【0038】従来法での高注入量側での直線性の崩れの
理由は、イオン注入により発生した欠陥が連続してアモ
ルファス層となって、イオン注入量の増加に対して結晶
欠陥密度が単調に増加しなくなったことと、不純物がシ
リコンの原子密度に対して1〜10%程度存在し、欠陥
による熱伝導度の変化と不純物による熱伝導度の変化が
混在していることがあげられる。 (第2の実施形態)図4は、本発明の第2の実施形態に
係る不純物の濃度分布の測定方法を示す工程断面図であ
る。なお、図1と対応する部分には図1と同一符号を付
してあり、詳細な説明は省略する(以下の他の実施形態
についても同様)。
【0039】まず、次に図4(a)に示すように、シリ
コン基板1上に薄膜2として厚さ100nmのシリコン
酸化膜を形成する。次に図4(b)に示すように、薄膜
2上にその右側端部から左側に所定距離d1だけ離れた
領域が選択的に露出するマスクパターン51 を形成した
後、このマスクパターン51 をマスクにして薄膜2を所
定量(5〜10nm程度)だけエッチングする。この
後、マスクパターン51 を除去する。
【0040】次に図4(c)に示すように、薄膜2上に
その右側端部から左側に所定距離d2(>d1 )だけ離
れた領域が選択的に露出するマスクパターン52 を形成
した後、このマスクパターン52 をマスクにして薄膜2
を所定量(5〜10nm程度)だけエッチングする。こ
の後、マスクパターン52 を除去する。
【0041】このようなエッチングを繰り返すことによ
って、図4(d)に示すように、薄膜2の表面形状を階
段形状にする。ここでは、同図(d)に示すように、薄
膜2を互いに膜厚の異なる5つの領域A1〜A5に区分
するが、6つ以上の複数の領域に区分しても良いし、あ
るいは4つ以下の複数の領域に区分しても良い。
【0042】次に図4(e)に示すように、全面にイオ
ン3を注入する。このとき、薄膜2がエッチングされた
領域では、その下のシリコン基板1の表面にもイオン3
が注入される。したがって、薄膜2の膜厚の違いによっ
て、イオン3の注入分布Diの深さは同図(e)に示す
ように変化する。
【0043】次に各領域A1〜A5の薄膜2を順次選択
的にウエットエッチングにより除去し、領域A1〜A5
の薄膜2を除去した各エッチング溶液をそれぞれ回収
し、これらを原子吸光分析またはICPによって分析す
ることによって、各領域A1〜A5の薄膜2のイオン3
および汚染不純物4の種類および量を特定する。
【0044】また、各領域A1〜A5の薄膜2中の不純
物量は、図4(e)に示すように変化するため、各領域
間の不純物量の差からエッチング前の初期膜厚の薄膜2
中の不純物の濃度分布を求めることができる。
【0045】図5は、本実施形態の測定方法により得ら
れたGeの深さ方向の濃度分布を示す図である。試料と
しては、シリコン基板上に厚さ200nmのシリコン酸
化膜をウエット熱酸化にて形成し、それに加速電圧30
KeVの条件でGe+ をイオン注入したものを使用し
た。
【0046】シリコン酸化膜のエッチングは、市販され
ている48%のHF水溶液を純水で50倍に希釈したエ
ッチング溶液で行った。このエッチング溶液を用いた場
合、1000℃でウエット熱酸化にて形成したシリコン
酸化膜のエッチング速度は、室温で1秒間に平均0.1
nmエッチングされ、50秒間で5nmエッチングされ
る。上記シリコン酸化膜の膜厚の分布範囲は5〜200
nmである。
【0047】図から、SIMS分析とは異なり、測定誤
差が3%以下の高精度でもって不純物(Ge)の濃度分
布を測定できることが判明した。 (第3の実施形態)図6は、本発明の第3の実施形態に
係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための平面
図である。
【0048】本実施形態では、薄膜2を複数の領域B1
〜B5に区分することを考える。そして、円形領域B1
の薄膜2、環状領域B2〜B5を湿式エッチングにより
それぞれ選択的に除去し、次に各湿式エッチングに供し
たエッチング溶液をそれぞれ回収し、次に回収した各エ
ッチング溶液をそれぞれ原子吸光分析またはICPによ
って分析することによって、各領域B1〜B5の薄膜2
の不純物(注入イオン、汚染不純物)の種類および量を
特定する。これにより、薄膜2中の不純物の面内の動径
方向の濃度分布が得られる。 (第4の実施形態)図7は、本発明の第4の実施形態に
係る不純物の濃度分布の測定方法を説明するための平面
図である。
【0049】本実施形態が第3の実施形態と異なる点
は、薄膜2を格子状に区分するとともに、薄膜2の膜厚
(d1<d2<d3<d4<d5)が横方向に沿って第
2の実施形態のように階段状に変化していることにあ
る。
【0050】したがって、第2の実施形態の場合と同様
に不純物の濃度分布を求めることができるので、図8に
示す各領域C1〜C5の薄膜2中の不純物の濃度分布を
求めることができる。なお、各領域C1〜C5において
不均一が生じる場合には、各領域C1〜C5と直交する
領域について調べれば、濃度分布を求めることができ
る。 (第5の実施形態)次に本発明を半導体装置の製造方法
に適用した場合の実施形態について説明する。具体的に
は、シリコン基板に、不純物(ドーパント)を所定量だ
けイオン注入するイオン注入工程を有する半導体装置の
製造方法の場合について説明する。
【0051】まず、上記イオン注入工程の前に、測定用
シリコン基板(ウェハ)と、この測定用シリコン基板上
に形成され、該測定用シリコン基板に対して湿式エッチ
ングにより選択的に除去できる被注入層とからなる試料
に対し、その被注入層に不純物が所定量だけイオン注入
されると仮定されたイオン注入条件でもって、不純物の
イオン注入を行う(第1の工程)。
【0052】次に被注入層を湿式エッチングにより除去
し、次にこの湿式エッチングに供したエッチング溶液を
回収し、次にこれを原子吸光分析またはICP質量分析
により測定することによって不純物の量を特定する(第
2の工程)。
【0053】第1の工程と第2の工程からなる不純物量
の測定方法は、基本的には上述した第1〜第4の実施形
態と同じであり、その詳細は省略する。測定用シリコン
基板はシリコン基板1に相当し、被注入層は薄膜2に相
当するものであり、被注入層の膜厚は一様でも、あるい
は分布を持っていても良い。
【0054】次に第2の工程にて測定された被注入層に
注入された不純物の量が所定量と異なる場合には、被注
入層中の不純物の量が所定量と同じになるまで、新しい
試料を用いて第1の工程と第2の工程とからなる不純物
量の測定方法を繰り返すことによって、被注入層に不純
物が所定量だけイオン注入されるイオン注入条件を求め
る(第3の工程)。
【0055】次に第3の工程にて得られたイオン注入条
件に基づいて、シリコン基板に不純物(ドーパント)を
所定量だけイオン注入する。具体的には、例えば上記イ
オン注入条件になるように、イオン注入装置の設定注入
量等を変更して、シリコン基板に所定量の不純物をイオ
ン注入したり、または既に注入した不純物の量に対して
補正を行う形でイオン注入を行う。いずれの方法を採る
かは、工程の種類とイオン注入装置の注入量の設定方法
によって異なる。
【0056】また、第2の工程にて測定された被注入層
に注入された不純物の濃度分布が所定濃度分布と異なる
場合には、被注入層中の不純物の濃度分布量が所定濃度
分布量と同じになるまで、新しい試料を用いて第1の工
程と第2の工程とからなる不純物量の測定方法を繰り返
すことによって、被注入層中の不純物の濃度分布が所定
濃度分布となるイオン注入条件を求める(第3’の工
程)。
【0057】この後、第3’の工程にて得られたイオン
注入条件に基づいて、シリコン基板に不純物(ドーパン
ト)を所定量だけイオン注入する。具体的には、例えば
上記イオン注入条件になるように、イオン注入する際の
注入角度、加速エネルギー、シリコン基板の表面改質ま
たはシリコン基板以外の他の半導体基板を用いるなどの
プロセス変更を行う。
【0058】なお、第1の工程の最初に仮定したエッチ
ング条件で、所定通りの不純物の量や濃度分布が得られ
た場合には、このエッチング条件で半導体基板に不純物
をイオン注入する。
【0059】従来の半導体装置の製造工程におけるQC
工程(本実施形態の第1〜第3の工程に相当する工程)
は、イオン注入した原子の数を間接的に測定する方法で
ある光学的または電気的な測定方法(従来の不純物量の
測定方法)を利用したものなので、測定誤差が大きく高
精度のQC管理を行うことができていなかった。
【0060】一方、本実施形態の半導体装置の製造工程
におけるQC工程は、イオン注入した原子の数を直接測
定する方法(本発明の不純物量の測定方法)を利用した
ものなので、イオン注入装置の不安定性に起因したウェ
ハ面内やウェハ間の不純物の量や濃度分布のばらつきが
3%未満になる高精度なQC管理を行うことが可能とな
り、その結果としてLSI内のしきい値Vth等のしきい
値のばらつき、pn接合リーク電流のばらつき、コンタ
クト抵抗のばらつきなどが従来の1/3〜1/5に低減
できることを確認した。
【0061】具体的には、例えば電界効果トランジスタ
のしきい値電圧調整のためのイオン注入の場合には、し
きい値電圧の変動値ΔVth(=(最大しきい値電圧−最
小しきい値電圧)/(最大しきい値電圧+最小しきい値
電圧))を従来の80mVから20mV以下に低減する
ことができる。したがって、しきい値電圧のばらつきが
十分に小さい電界効果トランジスタから構成されたDR
AM等の半導体装置を実現できるようになる。
【0062】図9に、測定用シリコン基板(ウェハ)上
に形成され、不純物がイオン注入された被注入層6の一
部を湿式エッチングにより選択的に除去する方法を示
す。図9(a)は、被注入層6上に除去領域を限定する
フレーム7を設置し、その除去領域外にエッチング溶液
が広がらないようにして、被注入層6の所望の除去領域
を選択的に除去する方法を示している。
【0063】図9(b)は、試料(測定用シリコン基板
(ウェハ)+不純物がイオン注入された被注入層))8
を所望の大きさに分割し、その分割した試料8aの被注
入層を湿式エッチングにより除去する方法を示してい
る。
【0064】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、第4の実施形態では、シリコ
ン基板に不純物(ドーパント)をイオン注入する場合に
ついて説明したが、本発明はシリコン基板にその構成元
素であるシリコンをイオン注入する場合に適用できる。
また、エッチング溶液としては上述したものの他に有機
溶媒を用いることもできる。また、本実施形態の不純物
量の測定時に他の不純物量の分析(測定)を行っても良
い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変
形して実施できる。
【0065】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、注
入層中の不純物量を直接測定し、さらにその測定方法に
湿式分析を使用しているので、従来の間接的な測定方法
に比べて精度の高い不純物量の測定方法を実現できるよ
うになるまた、本発明によれば、このような精度の高い
不純物量の測定方法を半導体装置の製造方法のイオン注
入工程に適用すれば、所定通りのイオン注入を行えるよ
うになるので、イオン注入が大きく影響する素子特性の
ばらつきを十分に低減できる半導体装置の製造方法を実
現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る不純物量の測定
方法を示す工程断面図
【図2】同実施形態の変形例を説明するための工程断面
【図3】同実施形態の測定方法および従来のThermal
Wave法に従って測定したイオン注入量と実際のイオン注
入量との関係を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る不純物の濃度分
布の測定方法を示す工程断面図
【図5】同実施形態の測定方法に従って測定したGeの
深さ方向の濃度分布を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る不純物の濃度分
布の測定方法を説明するための平面図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る不純物の濃度分
布の測定方法を説明するための平面図
【図8】同実施形態に係る不純物の濃度分布の測定方法
を説明するための他の平面図
【図9】測定用シリコン基板(ウェハ)上に形成され、
不純物がイオン注入された被注入層の一部を湿式エッチ
ングにより選択的に除去する方法を示す断面図
【符号の説明】
1…シリコン基板 2…薄膜(被注入層) 3…イオン 4…汚染不純物 51 ,52 …マスクパターン 6…被注入層 7…フレーム 8…試料 8a…分割した試料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、この半導体基板上に形成さ
    れ、該半導体基板に対して湿式エッチングにより選択的
    に除去でき、かつ不純物がイオン注入された注入層とか
    らなる試料を用いた不純物量の測定方法であって、 前記注入層を湿式エッチングにより選択的に除去する工
    程と、 前記湿式エッチングに供したエッチング溶液を回収する
    工程と、 この回収したエッチング溶液中に含まれる不純物量を湿
    式分析により測定する工程とを有することを特徴とする
    不純物量の測定方法。
  2. 【請求項2】半導体基板と、この半導体基板上に形成さ
    れ、該半導体基板に対して湿式エッチングにより選択的
    に除去でき、かつ不純物がイオン注入され、かつ膜厚の
    異なった部分を有する注入層とからなる試料を用いた不
    純物量の測定方法であって、 前記注入層のうち膜厚の同じ部分を湿式エッチングによ
    り選択的に除去する第1の工程と、 前記湿式エッチングに供したエッチング溶液を回収する
    第2の工程と、 この回収したエッチング溶液中に含まれる不純物量を湿
    式分析により測定する第3の工程とを有し、 前記第1の工程から前記第3の工程までの工程を前記注
    入層の全ての同じ膜厚の部分について行うことを特徴と
    する不純物量の測定方法。
  3. 【請求項3】半導体基板に、該半導体基板の構成元素ま
    たは前記半導体基板に対してドーパントとなる不純物の
    イオンを所定量だけ注入するイオン注入工程を有する半
    導体装置の製造方法であって、 前記イオン注入工程の前に、測定用半導体基板と、この
    測定用半導体基板上に形成され、該測定用半導体基板に
    対して湿式エッチングにより選択的に除去できる被注入
    層とからなる試料に対し、前記被注入層に前記イオンが
    前記所定量だけ注入されると仮定されたイオン注入条件
    でもって、前記被注入層に前記イオンを注入する第1の
    工程と、 請求項1に記載の不純物量の測定方法により前記被注入
    層中の不純物量を測定する第2の工程とを有し、 この第2の工程にて求められた前記被注入層に注入され
    た前記イオンの量が前記所定量と異なる場合には、前記
    被注入層中の前記イオンの量が前記所定量と同じになる
    まで、前記第1の工程と前記第2の工程とからなる工程
    を繰り返すことによって、前記被注入層に前記イオンが
    前記所定量だけ注入されるイオン注入条件を求め、この
    求められたイオン注入条件に基づいて、前記半導体基板
    に前記イオンを注入することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
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