JP2006267638A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着装置は、定着ローラ3と、分離手段4と、を有している。分離手段4は、定着ローラ3に接する分離爪10と、分離爪10を固定する取付部16と、分離爪10の後方で用紙Pを案内するガイドリブ15を有するホルダ12と、ホルダ12を支持する支持軸14と、分離爪10の先端Tが定着ローラ3に接する方向に付勢する弾力付勢手段20と、ガイドリブ15の後方で用紙Pを案内する固定ガイド部材30と、を備えている。固定ガイド部材30は、分離爪10が定着ローラ3から離れることを防いでいる。
【効果】用紙搬送中に分離爪先端が定着ローラから離れることがないため、分離爪の先端に付着したトナーによる汚れ等が生じないようにすることができる。
【選択図】 図2
Description
定着装置は、用紙を加熱する定着(ヒート)ローラと、この定着ローラとニップを形成し、用紙を定着ローラに押しつける加圧(プレス)ローラとを備えている。定着ローラに押しつけられ加熱された用紙は、定着ローラに付着したまま、定着ローラと加圧ローラとのニップ位置から送り出されるため、定着ローラに巻き付くことがある。これを防止するため、定着装置には、定着ローラから用紙を分離するための分離爪が設けられている。分離爪は、定着ローラから分離した用紙を後方側へと案内する役割も有している(たとえば、特許文献1参照)。
このため、分離爪により定着ローラから分離した用紙を、分離爪とは別に設けられ、分離爪より低い温度に保持された搬送ガイド上に、用紙の分離位置である分離爪の先端から短い距離で導く(スイッチする)ことが考えられる。
しかしながら、定着ローラおよび加圧ローラより後方側に設けられる搬送ローラ対が、複写機の小型化などにより上方に配置されることで、用紙を後方側へ案内するための搬送ガイドの後方部に、搬送による用紙の押圧がかかることがある。また、厚い用紙を複写紙として使用するときは、より強い押圧がかかることがある。このとき、分離爪が定着ローラに接するようにコイルバネ等により付勢されている搬送ガイドは、この搬送中の用紙の押圧により定着ローラから離れる方向に容易に回転させられてしまう。これにより、分離爪が搬送ガイドごと回転させられてしまうので、用紙搬送中に分離爪が定着ローラから離れ、用紙のトナー定着面に分離爪による引っ掻き傷や、分離爪先端上に付着したトナーによる汚れを引き起こし、用紙に印刷縞が生じる。
この発明の他の目的は、用紙搬送路の配置や用紙の種類などに関係なく、安定した印刷品質が得られる定着装置を提供することである。
この発明によれば、定着ローラから用紙を分離するための分離爪は、ホルダの取付部に固定されている。また、用紙を案内するためのガイドリブ(搬送ガイド)は、ホルダに設けられている。このため、分離爪の先端に対するガイドリブの位置精度を高くすることができる。これにより、分離爪の先端が、ニップ位置に近接して定着ローラに接触され、かつ、分離爪の先端から短い距離下がった位置から後方側へ用紙を案内するようにガイドリブが配置された構造を実現することができる。
さらに、ホルダと分離爪とは、別体とすることができる。この場合、分離爪が定着ローラとの接触により高温になった場合でも、ホルダのガイドリブが、分離爪より低い温度に保持されるようにすることができる。これにより、分離爪により定着ローラから分離された用紙を、分離爪から短い距離で、より低い温度に保持されたガイドリブ上に導き(スイッチし)、用紙に形成された画像に引っ掻き傷が生じないようにすることができる。
また、ホルダが弾力付勢手段により定着ローラに近付くように付勢されると、弾力付勢手段からの弾力がホルダの取付部を介して分離爪に伝えられる。これにより、分離爪の先端が定着ローラの周面に押しつけられた状態となる。
上記距離Aは、1mm〜4mmに設定されていることが好ましい。この場合、加熱された用紙を早期に定着ローラから分離させることが可能になり、用紙に形成された画像において、トナーの融け方のムラによる縞模様が生じたり、色や画質が所定のものからずれたりすることを防止できる。
ここで、「ガイドリブの先端」とは、分離手段において、用紙を案内する部材が分離爪からガイドリブへと切り替わる部分に相当するガイドリブ上の部分をいうものとする。
この発明によれば、上記ガイドリブは、少なくともその表面がフッ素樹脂で構成されていてもよい。この場合、上記ガイドリブは、良好な耐熱性を有することができるとともに、用紙に対する摩擦係数を低くすることができる。フッ素樹脂としては、たとえば、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などを挙げることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る定着装置の構造を示す断面図である。この定着装置1は画像形成装置に用いられ、画像形成装置の現像装置により用紙Pに形成されたトナー像を、用紙Pに定着させることができる。
この定着装置1は、筐体2と、筐体2内に配置された定着(ヒート)ローラ3、分離手段4および搬送ローラ5と、筐体2外に配置された加圧(プレス)ローラ6および搬送ローラ7とを備えている。定着ローラ3、加圧ローラ6および搬送ローラ5,7は、図1において紙面に垂直な方向に互いに平行に延びている。定着ローラ3と加圧ローラ6とはニップを形成しており、搬送ローラ5と搬送ローラ7とはニップを形成している。
定着ローラ3の内部にはヒータが備えられており、トナー像が形成された用紙Pとの接触により、用紙P上のトナーを溶融することができる。
分離手段4は、分離爪10と、ガイドリブ15を有する搬送ガイドとしてのホルダ12と、固定ガイド部材30(図1では、分離手段4において、固定ガイド部材30のみに斜線を付している。)とを備えている。分離爪10は、角のある形状であり、ホルダ12のガイドリブ15の面から垂直に突出している取付部16により、がたつきなく固定されている。取付部16は、分離爪10の熱が、ホルダ12のガイドリブ15に伝達しにくいように、熱容量が少なく小さく形成されている。
なお、分離手段4は、定着ローラ3の長手方向に沿って、複数個設けられていてもよく、1個のみが、たとえば、定着ローラ3の長手方向中間部に1つ設けられていてもよい。
以下、分離手段4のホルダ12において、支持軸14の中心線からガイドリブ15の用紙案内面24の直線部分に垂線をおろしたときの交わる部分を、「支持軸直下部M」という。
分離爪10は、定着ローラ3の周面に接触する先端Tを有し、その先端Tが常にホルダ12の外にあるような大きさおよび形状を有している。分離爪10は、全体が、ガイドリブ15に用いられているものより高い耐熱性を有するフッ素樹脂からなるか、または、少なくともその表面が、ガイドリブ15に用いられているものより高い耐熱性を有するフッ素樹脂からなる。たとえば、ガイドリブ15がPPSからなるときは、分離爪10は、その表面がPFAでコーティングされている。
固定ガイド部材30は、ホルダ12の後方に設けられ、定着装置1の筐体2に固定されている。固定ガイド部材30は、支持軸14に直交する方向からみて、2つのガイドリブ15の間に配置されている。
なお、固定ガイド部材30は、筐体2と一体で形成されている必要はなく、別部材で形成された固定ガイド部材30を筐体2に固定されるようにしてもよい。
固定ガイド部材30は、図示のとおり、ホルダ12の外側、つまり、分離爪10が配置されていない側に、ホルダ12をはさむ位置に配置されることもできる。この場合、固定ガイド部材30は、ガイドリブ15に近接して配置されていることが好ましい。
図5は、この発明にかかるニップ部8から固定ガイド部材30の案内面27までを拡大して示す側面図である。
これにより、ニップ部8を通過した用紙Pが、ニップ位置出口Eから出ても定着ローラ3から分離しない場合、用紙Pは、ニップ位置出口Eから1mm〜4mmの短い距離で分離爪10により定着ローラ3から分離される。このため、加熱された用紙Pを早期に定着ローラ3から分離させることが可能になり、用紙Pに形成された画像において、トナーの融け方のムラによる縞模様が生じたり、色や画質が所定のものからずれたりすることを防止できる。
分離爪10の先端Tとガイドリブの先端Sとの間の距離Bは、距離Aとの関係で、以下の数式(1)の条件を満たすように設定されている。
また、ホルダ12と分離爪10とは別体で、図3に示すように、ホルダ12のガイドリブ15と分離爪10とは、熱容量の少ない取付部16を介して離れた距離にあるので、分離爪10が定着ローラ3との接触により高温になった場合でも、ホルダ12のガイドリブ15は、分離爪10より低い温度に保持される。たとえば、定着ローラ3の温度が約180℃のとき、定着ローラ3に接する分離爪10は、約170〜180℃程度になるが、ガイドリブ15は、分離爪10より約40℃低い、約130〜140℃程度の温度となる。
また、分離爪10が、ガイドリブ15の取付部16に固定されていることにより、簡単な構造で、分離爪10の先端Tに対するガイドリブ15の位置精度が高くなっている。これにより、先端Tが、上述のようにニップ位置出口Eから短い距離Aで定着ローラ3に接触し、かつ、先端Tから短い距離Bだけ下がった位置から後方側へ用紙Pを案内するようにガイドリブ15が配置された構造が実現されている。
以下、分離手段4において、用紙Pを案内する部材がガイドリブ15から固定ガイド部材30へと切り替わる部分に相当する固定ガイド部材30上の部分を、「固定ガイドの先端R」という。
固定ガイド部材30上の用紙案内面27のニップ部8側にある先端は、前述のとおり、用紙案内面24の上方にあるが、後方にかけて緩やかなカーブを描いて、用紙案内面24の下方に位置する。
さらに、この定着装置1は、以下の特徴を有する。
図5において、ガイドリブ15のうち定着ローラ3に最も近づく点Fは、定着ローラ3に対して分離爪10より離れた位置に配置される。
図3を参照して、分離爪10およびガイドリブ15に垂直な方向(分離爪10およびガイドリブ15付近での用紙Pの面内方向)に関して、分離爪10とガイドリブ15とは、近接して配置されていることが好ましい。この実施形態では、分離爪10とガイドリブ15との間隔(以下、「爪〜ガイド間隔」という。)は、5mm以内にされている。
また、ガイドリブ15の厚さ方向に沿い、かつ、ガイドリブ15における用紙Pの案内面24(図5参照)に垂直な断面において、案内面24が平坦であるとき、ガイドリブ15の分離爪10と反対側の面25,26が、爪〜ガイド間隔測定の基準とされ、案内面24が搬送される用紙P側に凸(たとえば、案内面24付近でガイドリブ15の断面が円弧状または三角形)の場合は、最も当該用紙P側に突出している部分(図3に、その位置を一点鎖線P2,P3で示す。)が、爪〜ガイド間隔測定の基準とされる。
以上は、この発明の実施形態の一例であり、この発明はこれに限定されるものではない。たとえば、上記の実施形態では、距離Aは、1mm〜4mmに設定されているが、定着ローラ3の温度や用紙Pの搬送速度(定着ローラ3の周速)などにより、1mm未満に、または4mmより大きな値に設定することができ、これに応じて、距離Bを適当な値に設定することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 筐体
2a 係止部
3 定着ローラ
4 分離手段
5,7 搬送ローラ
6 加圧ローラ
8 ニップ部(定着ローラと加圧ローラとの)
9 ニップ部(搬送ローラ対の)
10 分離爪
12 ホルダ
14 支持軸
15,15a,15b ガイドリブ
16 取付部
19 係止部
20 コイルバネ
21 分離爪上の用紙案内面
24 ガイドリブ上の用紙案内面
27 固定ガイド部材上の用紙案内面
30 固定ガイド部材
A ニップ位置出口と分離爪の先端との距離
B 分離爪の先端とガイドリブの先端との距離
E ニップ位置出口
F ガイドリブ上の定着ローラに最も近づく点
M 支持軸直下部
P 用紙
R 固定ガイドの先端
S ガイドリブの先端
T 分離爪の先端
Claims (3)
- 用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させるための定着ローラと、
上記定着ローラから用紙を分離するための分離手段と、を有する定着装置であって、
上記分離手段は、
先端が上記定着ローラの周面に接する分離爪と、
上記分離爪を固定する取付部および上記分離爪の先端から所定距離下がった位置から後方側へと用紙を案内するためのガイドリブを有するホルダと、
上記ホルダを回動自在に支持する支持軸と、
上記ホルダに固定された上記分離爪の先端が、上記定着ローラに接する方向に上記ホルダを付勢する弾力付勢手段と、
上記ガイドリブに案内される用紙が、上記支持軸から後方へ移動するときに、上記ガイドリブに代わって用紙を案内する固定ガイド部材と、を備えることを特徴とする定着装置。 - 上記分離爪の先端は、上記定着ローラのニップ位置出口から所定の短距離の位置に接しており、その距離をAとしたとき、上記分離爪の先端から所定距離下がった上記ガイドリブの先端までの距離Bは、
B≦2×A
を満たす関係であることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。 - 上記ガイドリブは、少なくともその表面がフッ素樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
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